JPH07118235A - アミジン化合物 - Google Patents

アミジン化合物

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JPH07118235A
JPH07118235A JP15968193A JP15968193A JPH07118235A JP H07118235 A JPH07118235 A JP H07118235A JP 15968193 A JP15968193 A JP 15968193A JP 15968193 A JP15968193 A JP 15968193A JP H07118235 A JPH07118235 A JP H07118235A
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Tsugihiro Katou
次裕 加藤
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清人 前田
Masao Shiroshita
正男 城下
Norihisa Yamashita
典久 山下
Minoru Sanemitsu
穣 実光
Satoru Inoue
井上  悟
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Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式 化1 【化1】 〔式中、R1 は炭素数1〜7のアルキル基を表わし、R
2 およびR3 は同一または相異なり水素原子または低級
アルキル基を表わす。またR1 とR2 は(CH2)nで結
合し、環状構造をとることもでき、ここでnは3,4あ
るいは5を表わす。〕で示されるアミジン誘導体。 【効果】 一般式 化1で示される化合物は、植物病害
防除剤の製造中間体として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】本発明は植物病害防除剤の製造中間体と
して有用なアミジン化合物に関する。
【発明の構成】これまで、ピリジルピリミジン誘導体が
殺菌活性を有することなどは何ら知られていない。また
ピリジルピリミジン誘導体としては、例えば4−メチル
−2−(2−ピリジル)ピリミジンの合成例がJ. Org.
Chem.,32, 1591(1967)に記載されており、N,N−ジメ
チル−2−(6−メチル−2−ピリジル−ピリミジン−
4−イルチオ)エチルアミンがフレオマイシン(医薬)
の増強剤として用いられることがAust. J. Chem., 35,
1203(1982)に記載されているにすぎない。本発明は、新
規骨格で多くの植物病害に対して予防的あるいは治療的
に防除効力を有する化合物の開発を目的とすべく、その
製造中間体のアミジン化合物を提供するものである。
【0002】本発明者らは、上記目的を達成するため
に、鋭意検討を重ねた結果、一般式 化2
【化2】 〔式中、R1 は炭素数1〜7のアルキル基を表わし、R
2 およびR3 は同一または相異なり水素原子または低級
アルキル基を表わす。またR1 とR2 は(CH2)nで結
合し、環状構造をとることもでき、ここでnは3,4あ
るいは5を表わす。R4 は炭素数1〜7のアルキル基、
炭素数3〜7のシクロアルキル基、低級アルコキシアル
キル基または低級アルキルチオアルキル基を表わし、,
5 は水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、また
は低級アルカノイル基を表わす。また、またR4 とR5
は(CH2 )mで結合し、環状構造をとることもでき、こ
こでmは3,4あるいは5を表わす。R6 は水素原子、
低級アルコキシル基、低級アルケニルオキシ基、低級ア
ルキニルオキシ基、低級ハロアルキルオキシ基、低級ア
ルコキシアルコキシル基、低級アルキルチオ基または−
CH2 7 を表わす。ここでR7 は水素原子、低級アル
キル基または低級アルケニル基を表わす。〕で示される
ピリジルピリミジン誘導体およびその塩(塩としては、
塩酸塩、臭化水素酸塩、酢酸塩、蟻酸塩等があげられ
る。)(以下、ピリジルピリミジン誘導体と記す。)が
優れた殺菌活性を有することを見出すと共に、一般式
化3
【化3】 〔式中、R1 は炭素数1〜7のアルキル基を表わし、R
2 およびR3 は同一または相異なり水素原子または低級
アルキル基を表わす。またR1 とR2 は(CH2)nで結
合し、環状構造をとることもでき、ここでnは3,4あ
るいは5を表わす。〕で示されるアミジン化合物および
その塩(塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、酢酸塩、
蟻酸塩等があげられる。)がピリジルピリミジン誘導体
の製造中間体として有用であることを見い出し、本発明
に至った。即ち、本発明は一般式 化3で示されるアミ
ジン化合物およびその塩(以下、本発明化合物と称
す。)を提供するものである。
【0003】ピリジルピリミジン誘導体によって防除で
きる植物病害としては、イネのいもち病(Pyricularia
oryzae)、ごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、紋
枯病(Rhizoctonia solani)、ムギ類のうどんこ病(Er
ysiphe graminis f. sp. hordei, f. sp. tritici)、斑
葉病(Pyrenophora graminea) 、さび病(Puccinia str
iiformis, P. graminis, P. recondita, P. hordei) 、
アイスポット(Pseudocercosporella herpotrichoide
s)、雲形病(Rhynchosporium secalis) 、葉枯病(Sept
oria tritici)、ふ枯病(Leptosphaeria nodorum)、カ
ンキツの黒点病(Diaporthe citri)、そうか病(Elsino
e fawcetti) 、リンゴのうどんこ病(Podosphaera leuc
otricha)、斑点落葉病(Alternaria mali)、黒星病(Ve
nturia inaequalis)、ナシの黒星病(Venturia nashico
la) 、黒斑病(Alternaria kikuchiana)、モモの灰星病
(Sclerotinia cinerea)、ブドウの黒とう病(Elsinoe
ampelina) 、晩腐病(Glomorella cingulate) 、うどん
こ病(Uncinula necator) 、ウリ類の炭そ病(Colletot
richum lagenarium)、うどんこ病(Sphaerotheca fulig
inea) 、トマトの輪紋病(Alternaria solani)、疫病
(Phytophthora infestans) 、ナスの褐紋病(Phomopsi
s vexans) 、アブラナ科野菜の黒斑病(Alternaria jap
onica)、白斑病(Cercosporella brassicae)、ネギのさ
び病(Puccinia allii) 、ダイズの紫斑病(Cercospora
kikuchii)、黒とう病(Elsinoe glycines) 、インゲン
の炭そ病(Colletotrichum lindemuthianum)、ラッカセ
イの黒渋病(Mycosphaerella personatum)、褐斑病(Ce
rcospora arachidicola)、エンドウのうどんこ病(Erys
iphepisi) 、ジャガイモの夏疫病(Alternaria solan
i)、テンサイの褐斑病(Cercospora beticola)、バラの
黒星病(Diplocarpon rosae)、うどんこ病(Sphaerothe
ca pannosa) 、種々の作物の灰色かび病(Botrytis cin
erea) 、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum) 等があげ
られる。
【0004】次にピリジルピリミジン誘導体の製造法に
ついて詳しく説明する。ピリジルピリミジン誘導体のう
ち一般式 化4
【化4】 〔式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は前記と同
じ意味を表わし、R′6は水素原子を表わす。〕で示さ
れるピリジルピリミジン誘導体は本発明化合物と、一般
式 化5
【化5】 〔式中、R4 およびR5 は前記と同じ意味を表わし、R
8 は低級アルキル基を表わす。〕で示されるβ−オキソ
アセタール誘導体を塩基の存在下に反応させることによ
って製造できる。この反応において、標準的には、反応
温度は50℃〜150℃、反応時間は1時間〜6時間で
ある。また反応に供される試剤の量は、本発明化合物1
当量に対して、一般式 化5で示されるβ−オキソアセ
タール誘導体は1〜 1.5当量であり、塩基は触媒量〜
2.5当量である。溶媒としては、メタノール、エタノー
ル等の低級アルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフ
ラン等の環状エーテル類、ピリジン、N,N−ジメチル
ホルムアミド等が使用できる。塩基としては、ナトリウ
ムメトキシド等のアルカリ金属アルコキシド、トリエチ
ルアミン、N,N−ジエチルアニリン等の有機塩基があ
げられるが、通常、メタノールあるいはエタノール中ナ
トリウムメトキシドあるいはナトリウムエトキシドによ
り反応することが好ましい。反応終了後の反応液は、減
圧濃縮等の通常の後処理を行い、必要に応じ、クロマト
グラフィー等の操作によって精製する。
【0005】また、ピリジルピリミジン誘導体は、一般
式 化6
【化6】 〔式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は前記と同
じ意味を表わし、Xはハロゲン原子を表わす。〕で示さ
れるハロピリミジン誘導体を還元することによって製造
することができる。たとえば、接触還元の場合標準的に
は、一般式 化6で示されるハロピリミジン誘導体を溶
媒中、触媒存在下、水素ガスと常圧あるいは、加圧下、
室温〜50℃、 0.5時間〜3時間接触させる。溶媒とし
ては、水、メタノール、エタノール等の低級アルコール
類、ジオキサン、酢酸エチル、トルエンおよびそれらの
混合物等があげられる。触媒としてはパラジウム炭素等
があげられる。水素圧は1〜3気圧が好ましい。また好
ましくは、脱ハロゲン化水素剤の存在下で反応を行い、
アンモニア、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸
ナトリウム等の塩基あるいは Dowex 1(ダウケミカル社
登録商標)等の塩基性イオン交換樹脂を使用する。反応
終了後の反応液は、触媒を濾過にて除き減圧濃縮する。
次いで、脱ハロゲン化水素剤を使用しない場合は、炭酸
ナトリウム水溶液等の無機塩基水溶液を加えた後、有機
溶媒抽出し、脱ハロゲン化水素剤を使用した場合は、水
を加えた後、有機溶媒抽出を行う。その後、減圧濃縮等
の通常の後処理を行い、必要に応じ、クロマトグラフィ
ー等の操作によって精製する。
【0006】次にピリジルピリミジン誘導体のうち一般
式 化7
【化7】 〔式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は前記と同
じ意味を表わし、R″6は低級アルコキシル基、低級ア
ルケニルオキシ基、低級アルキニルオキシ基、低級ハロ
アルキルオキシ基、低級アルコキシアルコキシル基、低
級アルキルチオ基を表わす。〕で示されるピリジルピリ
ミジン誘導体は、一般式 化6で示されるハロピリミジ
ン誘導体と、一般式 化8
【化8】R″6 Y 〔式中、R″6 は前記と同じ意味を表わし、Yはアルカ
リ金属原子を表わす。〕で示されるアルカリ金属化合物
とを反応させることによって製造することができる。ア
ルカリ金属原子としては、ナトリウム、カリウム等があ
げられる。この反応に於いて標準的には、反応温度は1
0℃〜120℃、反応時間は1時間〜48時間であり、
反応に供される試剤の量は一般式 化6で示されるハロ
ピリミジン誘導体1当量に対して、一般式 化8で示さ
れるアルカリ金属化合物は1〜 1.5当量である。溶媒と
しては、一般式 化8においてR″6 が低級アルコキシ
ル基、低級アルケニルオキシ基、低級アルキニルオキシ
基、低級ハロアルキルオキシ基、低級アルコキシアルコ
キシル基であるアルカリ金属化合物の場合は、対応する
アルコール、例えば、メタノール、エタノール、アリル
アルコール、プロパルギルアルコール等あるいは、ジエ
チルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエ
ーテル類あるいはそれらの混合物があげられる。R″6
が低級アルキルチオ基であるアルカリ金属化合物の場合
は、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、ト
ルエン等の芳香族炭化水素類、水等あるいはそれらの混
合物があげられる。反応終了後の反応液は、減圧濃縮
後、水を加え、有機溶媒抽出および濃縮等の通常の後処
理を行い、必要に応じ、クロマトグラフィー等に付する
ことによりピリジルピリミジン誘導体を得ることができ
る。
【0007】さらにピリジルピリミジン誘導体のうち一
般式 化9
【化9】 〔式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR7 は前
記と同じ意味を表わす。〕で示されるピリジルピリミジ
ン誘導体は、一般式 化6で示されるハロピリミジン誘
導体と一般式 化10
【化10】R7 CH(COOR9 2 〔式中、R7 は前記と同じ意味を表わし、R9 は低級ア
ルキル基を表わす。〕で示されるマロン酸ジエステル誘
導体とを塩基の存在下反応させた後、加水分解し、さら
に脱炭酸することにより製造することができる。上記一
般式 化6で示されるハロピリミジン誘導体と一般式
化10で示されるマロン酸ジエステル誘導体との反応に
おいて、該反応に用いられる塩基としては、例えば、水
素化ナトリウム等の水素化アルカリ金属類、n−ブチル
リチウム等のアルキルリチウム類、リチウムジイソプロ
ピルアミド(LDA)等のリチウムジアルキルアミド
類、水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ金属類等があ
げられる。上記反応において標準的には、反応温度は0
〜150℃、反応時間は30分間〜24時間であり、該
反応に供されるハロピリミジン誘導体1当量に対して、
一般式 化10で示されるマロン酸ジエステル誘導体お
よび塩基は夫々1〜2当量である。上記反応において、
反応溶媒は必ずしも必要ではないが、一般的には溶媒の
存在下に行われる。使用しうる溶媒としては、アセトニ
トリル等のニトリル類、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン等のエーテル類、クロロホルム等のハロ炭化水
素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、クロ
ロベンゼン等のハロ芳香族炭化水素類、アセトン、メチ
ルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル等のエス
テル類、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化
合物またはそれらの混合物等があげられる。上記反応の
終了後、これを加水分解および脱炭酸することによりピ
リジルピリミジン誘導体に導びくことができる。代表的
には上記、一般式 化6で示されるハロピリミジン誘導
体1当量に対して 2.1〜5当量の塩基、例えば水酸化ナ
トリウム等の水酸化アルカリ金属類、または炭酸ナトリ
ウム等のアルカリ金属炭酸塩等の水溶液あるいはメタノ
ール、エタノール等の低級アルコールと該塩基の水溶液
との混合溶液を加えて反応温度10〜100℃、反応時
間10分間〜24時間でアルカリ加水分解反応を行う。
次いで、反応液に上記一般式 化6で示されるハロピリ
ミジン誘導体1当量に対して 2.5〜6当量の酸、例えば
硫酸等の無機酸または酢酸等の有機酸を加えて、反応温
度20〜150℃、反応時間10分間〜24時間で脱炭
酸反応を行う。反応終了後は、水酸化ナトリウム等の水
酸化アルカリ金属類、水酸化カルシウム等の水酸化アル
カリ土類金属類、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸
塩、重曹、トリエチルアミン等の有機塩基等で反応液を
中性にした後、減圧濃縮、抽出等の通常の後処理を行
い、必要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフィー等
に付することによりピリジルピリミジン誘導体を得るこ
とができる。
【0008】また、ピリジルピリミジン誘導体において
5 がハロゲン原子であり、R6 が水素原子の場合に
は、Synthesis, March 1984, 253〜254 に記載の製法に
より、ピリジルピリミジン誘導体を得ることができる。
【0009】尚、ピリジルピリミジン誘導体は、フリー
の化合物に、常法に従がい塩化水素、臭化水素、硫酸、
硝酸等の強酸を作用させることにより、夫々の塩に導び
くことができる。これらの塩を製造する場合、フリーの
ピリジルピリミジン誘導体を溶媒に溶解し、氷冷下ない
し室温にて酸を気体あるいは水溶液にて1当量加えて1
0分〜1時間放置した後、減圧濃縮等の後処理を行い、
必要に応じて再結晶等によって処理する。反応溶媒とし
てはメタノール、エタノール等の低級アルコール、トル
エン、ベンゼン等の芳香族炭化水素、エチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロ
ロホルム等のハロゲン化炭化水素類、アセトン等のケト
ン類、酢酸エチル等のエステル類、ヘキサン等の炭化水
素類、水あるいはそれらの混合物等があげられる。
【0010】次に、本発明化合物および一般式 化6で
示されるハロピリミジン誘導体の製造法について説明す
る。これらの誘導体は例えば以下のルートにより製造す
ることができる。
【化11】 〔式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は、前記と
同じ意味を表わし、R10およびR11は低級アルキル基を
表わし、Mはアルカリ金属原子を表わす。〕すなわち、
J. Org. Chem.,48, 1375〜1377(1983)等に記載されてい
る方法で得られる一般式〔I〕で示されるシアノピリジ
ン誘導体と、一般式〔II〕で示されるアルコキシドとを
反応させることにより、一般式〔III 〕で示されるイミ
デート誘導体が得られ、該イミデート誘導体とアンモニ
ウム塩とを反応させることにより、本発明化合物が得ら
れる。次いでこのようにして得られる本発明化合物と一
般式〔IV〕で示されるβ−オキソカルボン酸エステルと
を塩基の存在下に反応させることにより、一般式〔V〕
で示されるヒドロキシピリミジン誘導体が得られ、該ヒ
ドロキシピリミジン誘導体とハロゲン化剤とを反応させ
ることにより、一般式 化6で示されるハロピリミジン
誘導体が得られる。
【0011】以下に、上記の製法につき詳細に説明す
る。一般式〔I〕で示されるシアノピリジン誘導体と一
般式〔II〕で示されるアルコキシドとの反応に於いて、
用いられるアルコキシドのアルカリ金属原子としては例
えば、ナトリウム原子、カリウム原子等があげられる。
また該反応において、標準的には反応温度は10〜50
℃、反応時間は1〜48時間であり、反応に供される試
剤の量は、一般式〔I〕で示されるシアノピリジン誘導
体1当量に対して、一般式〔II〕で示されるアルコキシ
ドは 0.1〜1当量である。上記反応において、反応溶媒
は必ずしも必要ではないが、一般的には溶媒の存在下に
行われる。使用しうる溶媒としては、一般式〔II〕で示
されるアルコキシドのR10に対応の低級アルコール、例
えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等
であり、好ましくはメタノール、エタノールがあげられ
る。反応終了後の反応液は、酸により中和し、減圧濃縮
した後、有機溶媒に溶解し、不溶のアルカリ金属塩を濾
去し、濾液を減圧濃縮して、必要に応じ、蒸留等の操作
に付し、目的の一般式〔III 〕で示されるイミデート誘
導体を得ることができる。
【0012】次に上記で得られた一般式〔III 〕で示さ
れるイミデート誘導体とアンモニウム塩との反応におい
て、用いられるアンモニウム塩としては、例えば塩酸、
臭化水素酸、酢酸、蟻酸等のアンモニウム塩があげられ
る。また該反応において、標準的には反応温度は30〜
100℃、反応時間は30分〜5時間であり、反応に供
される試剤の量は、一般式〔III 〕で示されるイミデー
ト誘導体1当量に対して、アンモニウム塩は通常1〜
1.1当量である。上記反応において溶媒は必ずしも必要
ではないが、一般的には溶媒の存在下に行われる。使用
しうる溶媒としては、低級アルコール、好ましくはエタ
ノールと水との混合溶媒があげられる。反応終了後の反
応液は、減圧濃縮等の通常の後処理を行い、必要に応
じ、再結晶等の操作により本発明化合物の塩を得ること
ができる。このようにして得られた塩は、これを水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基あるいはナト
リウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ
金属アルコキシドなどにて中和するなどの通常の方法に
て分解することにより、フリーの本発明化合物に導びく
ことができる。また、該塩をそのまま次工程の反応に供
し、該反応系内で塩分解を行うこともできる。
【0013】次に上記で得られた本発明化合物と一般式
〔IV〕で示されるβ−オキソカルボン酸エステルとの反
応に於いて、標準的には反応温度は50〜150℃、反
応時間は1〜24時間であり、反応に供される試剤の量
は、本発明化合物1当量に対して、一般式〔IV〕で示さ
れるβ−オキソカルボン酸エステルは通常1〜 1.5当
量、塩基は触媒量〜 1.5当量である。上記反応において
溶媒は必ずしも必要ではないが、一般的には溶媒の存在
下に行われる。使用しうる溶媒としては、例えばメタノ
ール、エタノール等の低級アルコール類、ジオキサン、
テトラヒドロフラン等の環状エーテル類、ピリジン、
N,N−ジメチルホルムアミド、水等あるいはそれらの
混合物があげられ、塩基としては例えば、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等の無機塩基、ナ
トリウムメトキシド等のアルカリ金属アルコキシド、ト
リエチルアミン、N,N−ジエチルアニリン等の有機塩
基等があげられる。反応終了後の反応液は、必要に応
じ、塩を濾過等で除去し、減圧濃縮等の通常の後処理を
行い、必要に応じ、クロマトグラフィー、再結晶等の操
作により一般式〔V〕で示されるヒドロキシピリミジン
誘導体を得ることができる。
【0014】次に、上記で得られた一般式〔V〕で示さ
れるヒドロキシピリミジン誘導体とハロゲン化剤との反
応において、用いられるハロゲン化剤としては、例え
ば、塩化チオニル、ホスゲン、オキシ塩化リン、五塩化
リン、オキシ臭化リン、三臭化リン等があげられる。上
記反応において、標準的には反応温度は50〜150
℃、反応時間は1〜10時間であり、反応に供される試
剤の量は、一般式〔V〕で示されるヒドロキシピリミジ
ン誘導体1当量に対して、ハロゲン化剤は通常1〜10
当量である。上記反応において溶媒は必ずしも必要では
ないが、一般的には溶媒の存在下に行われる。使用しう
る溶媒としては、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水
素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類等があ
げられる。反応終了後の反応液は、減圧濃縮後、水酸化
ナトリウム等の無機塩基等で中和後、有機溶媒抽出およ
び濃縮等の通常の後処理を行い、必要に応じ、クロマト
グラフィー、再結晶等に付することにより一般式 化6
で示されるハロピリミジン誘導体を得ることができる。
【0015】ピリジルピリミジン誘導体を植物病害防除
剤の有効成分として用いる場合は、他の何らの成分も加
えずそのまま使用してもよいが、通常は、固体担体、液
体担体、界面活性剤その他の製剤用補助剤と混合して、
乳剤、水和剤、懸濁剤、粒剤、粉剤、液剤等に製剤して
使用する。これらの製剤には有効成分としてピリジルピ
リミジン誘導体を、重量比で 0.1〜99%、好ましくは
0.2〜95%含有する。固体担体としては、カオリンク
レー、アッタパルジャイトクレー、ベントナイト、酸性
白土、パイロフィライト、タルク、珪藻土、方解石、ト
ウモロコシ穂軸粉、クルミ殻粉、尿素、硫酸アンモニウ
ム、合成含水酸化珪素等の微粉末あるいは粒状物があ
り、液体担体には、キシレン、メチルナフタレン等の芳
香族炭化水素、イソプロパノール、エチレングリコー
ル、セロソルブ等のアルコール類、アセトン、シクロヘ
キサノン、イソホロン等のケトン類、大豆油、綿実油等
の植物油、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、水
等があげられる。乳化、分散、湿展等のために用いられ
る界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩、アル
キル(アリール)スルホン酸塩、ジアルキルスルホこは
く酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル
りん酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮
合物等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の非イオ
ン界面活性剤等があげられる。製剤用補助剤としては、
リグニンスルホン酸塩、アルギン酸塩、ポリビニルアル
コール、アラビアガム、CMC(カルボキシメチルセル
ロース)、PAP(酸性リン酸イソプロピル)等があげ
られる。これらの製剤は、そのままで使用するか、ある
いは水で希釈して、茎葉散布するか、土壌に散粉、散粒
して混和するかあるいは土壌施用等する。また、他の植
物病害防除剤と混合して用いることにより、防除効力の
増強をも期待できる。さらに、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線
虫剤、除草剤、植物生長調節剤、肥料、土壌改良剤等と
混合して用いることもできる。ピリジルピリミジン誘導
体を植物病害防除剤の有効成分として用いる場合、その
処理量は、気象条件、製剤形態、処理時期、方法、場
所、対象病害、対象作物等によっても異なるが、通常1
アールあたり 0.2〜200g、好ましくは1〜100g
であり、乳剤、水和剤、懸濁剤、液剤等を水で希釈して
施用する場合、その施用濃度は、 0.005〜 0.5%、好ま
しくは0.01〜 0.2%であり、粒剤、粉剤等は、なんら希
釈することなくそのまま施用する。
【0016】以下に、本発明を製造例等によりさらに詳
しく説明する。まずピリジルピリミジン誘導体の参考製
造例を示す。 参考製造例1 6−n−ブチル−2−ピコリンアミジン塩酸塩3gにエ
タノール100mlと金属ナトリウム0.65gより調製した
ナトリウムエトキシドエタノール溶液を加え、これにホ
ルミルアセトンジメチルアセタール(純度90%品)2.
16gを加え3時間加熱還流した。反応液を放冷した後、
酢酸を加えて弱酸性とし減圧濃縮した。残渣にクロロホ
ルム200mlを加え水50mlで洗浄した後、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:アセト
ン=2:1)にて精製し、2−(6−n−ブチル−2−
ピリジル)−4−メチルピリミジン2.17g(収率68
%)を得た。nD 25 1.5525 PMR(CDCl3 )δ ppm: 2.59(s,3H,
−CH3 )、7.13(d,1H,ピリミジン−H5 ,J=
5.4Hz)、7.24(d,1H,ピリジン−H5 ,J=
7.8Hz)、7.73(t,1H,ピリジン−H4 ,J= 7.
8Hz)、8.31(d,1H,ピリジン−H3 ,J= 7.8
Hz)、8.77(d,1H,ピリミジン−H6 ,J= 5.4
Hz) 参考製造例2 4−クロロ−6−メチル−2−(6−n−プロピル−2
−ピリジル)ピリミジン2gをエチルアルコール50ml
に溶解し、5%パラジウム炭素 0.2gを加え、室温にて
水素ガスと接触させた。2時間後、触媒を濾去し、反応
液を減圧濃縮した。残渣に飽和重曹水30mlを加え、ク
ロロホルム100mlで抽出した。無水硫酸マグネシウム
で乾燥の後、減圧濃縮して4−メチル−2−(6−n−
プロピル−2−ピリジル)ピリミジン1.53g(収率89
%)を得た。nD 27 1.5720 PMR(CDCl3 )δ ppm:1.00(t,3H,−
CH2 CH 2 CH3 ,J= 7.8Hz)、2.58(s,3
H,CH3 )、7.17(d,1H,ピリミジン−H5 ,J
= 5.4Hz)、7.28(d,1H,ピリジン−H5 ,J=
8.4Hz)、7.79(t,1H,ピリジン−H4 ,J=
8.4Hz)、8.35(d,1H,ピリジン−H3 ,J= 8.
4Hz)、8.82(d,1H,ピリミジン−H6 ,J= 5.
4Hz) 参考製造例3 4−クロロ−6−メチル−2−(6−n−プロピル−2
−ピリジル)ピリミジン1gをメタノール10mlに溶解
し、これにメタノール10mlと金属ナトリウム0.11gか
ら調製したナトリウムメトキシドを加えた。室温でその
まま2時間放置した後、減圧濃縮し、得られた残渣にク
ロロホルム100mlを加え水(30ml×2)で洗浄し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した後減圧濃縮して4−メ
トキシ−6−メチル−2−(6−n−プロピル−2−ピ
リジル)ピリミジン0.93g(収率95%)を得た。nD
27 1.5621 PMR(CDCl3 )δ ppm:1.01(t,3H,−
CH2 CH 2 CH3 ,J= 7.8Hz)、2.52(s,3
H,−CH3 )、4.01(s,3H,OCH3 )、6.46
(s,1H,ピリミジン−H5 )、7.13(d,1H,ピ
リジン−H5 ,J= 8.4Hz)、7.62(t,1H,ピリ
ジン−H4 ,J= 8.4Hz)、8.14(d,1H,ピリジ
ン−H3 ,J= 8.4Hz) 参考製造例4 プロパルギルアルコール0.82gを無水テトラヒドロフラ
ン30mlに溶解し、これに60%油性水素化ナトリウム
0.58gを加えて、ナトリウムプロパルギレートを調製し
た。この溶液に、室温下に4−クロロ−6−メチル−2
−(6−n−プロピル−2−ピリジル)ピリミジン3g
を加え、そのまま1時間攪拌した。次いで反応液を減圧
濃縮し、得られた残渣にクロロホルム100mlを加えた
後、30mlの水で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した後、減圧濃縮し、得られた結晶状残渣をヘキサ
ンで洗浄して4−メチル−6−プロパルギルオキシ−2
−(6−n−プロピル−2−ピリジル)ピリミジン 2.7
g(収率83%)を得た。 m.p. 92.5℃ PMR(CDCl3 )δ ppm:1.01(t,3H,−
CH2 CH 2 CH3 ,J= 7.2Hz)、2.54(s,3
H,−CH3 )、5.23(d,2H,−CH2 −C≡C
H,J= 2.1Hz)、6.57(s,1H,ピリミジン−H
5 )、7.18(d,1H,ピリジン−H5 ,J= 7.2H
z)、7.65(t,1H,ピリジン−H4 ,J= 7.2H
z)、8.13(d,1H,ピリジン−H3 ,J= 7.2H
z) 参考製造例54−クロロ−6−n−プロピル−2−(6
−n−プロピル−2−ピリジル)ピリミジン1gに15
%メチルメルカプタンナトリウム水溶液2mlを加え、さ
らにアセトニトリル5mlを加え溶解し、室温に20時間
放置した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣にクロロ
ホルム100mlを加え、水(30ml×2)で洗浄し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した後減圧濃縮して4−メチ
ルチオ−6−n−プロピル−2−(6−n−プロピル−
2−ピリジル)ピリミジン0.98g(収率94%)を得
た。nD 24 1.5798 PMR(CDCl3 )δ ppm:1.00(t,6H,2
×CH2 CH 2 CH3 ,J= 6.6Hz)、2.63(s,3
H,SCH3 )、6.94(s,1H,ピリミジン−
5 )、7.15(d,1H,ピリジン−H5 ,J= 7.8H
z)、7.62(t,1H,ピリジン−H4 ,J= 7.8H
z)、8.15(d,1H,ピリジン−H3 ,J= 7.8H
z) 参考製造例6 ジエチルマロン酸 0.9gと69%油性水素化ナトリウム
0.23gをテトラヒドロフラン30mlに加え、これに4−
クロロ−6−メチル−2−(6−n−プロピル−2−ピ
リジル)ピリミジン1gを加えた。添加後1時間加熱還
流した後、水酸化ナトリウム0.49gを水10mlとメタノ
ール10mlの混液に溶解した溶液を加えさらに20分間
加熱還流した。室温まで冷却した後、硫酸 0.8gを注意
深く加え、さらに30分間加熱還流した。室温まで放冷
した後、1Nの炭酸ナトリウム水溶液を加え中性にし減
圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン:アセトン=3:1)で処理し4,6−ジ
メチル−2−(6−n−プロピル−2−ピリジル)ピリ
ミジン0.65gを得た。 性状:樹脂状 PMR(CDCl3 )δ ppm:0.97(t,3H,
3 CH2 CH2 −,J= 6.6Hz)、2.34(b,3
H,CH3 −)、6.25(s,1H,ピリミジン−
5 )、7.24(d,1H,ピリジン−H5 ,J= 7.2H
z)、7.64(t,1H,ピリジン−H4 ,J= 7.2H
z)、8.18(d,1H,ピリジン−H3 ,J= 7.2
Hz)
【0017】次にこの様な製造法によって製造できるピ
リジルピリミジン誘導体のいくつかについて表1〜表5
に示す。尚、c−C6 13はシクロヘキシル基を表わ
す。
【表1】一般式 化2で示されるピリジルピリミジン誘
導体またはその塩
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【0018】次に、本発明化合物の製造例を示す。 製造例1 2−シアノ−6−n−プロピルピリジン10gをメタノ
ール100mlと金属ナトリウム0.32gより調製したナト
リウムメトキシドメタノール溶液に溶解した。一夜放置
の後、酢酸0.82gを加え減圧濃縮し、得られた残渣にエ
ーテル200mlを加え不溶物を濾去した後、減圧濃縮し
てメチル2−ピコリンイミデート11.5g(収率94%)
を得た。次いでこれに塩化アンモニウム3.45gを水20
mlに溶解し、エタノール80mlを加えた溶液を加え1時
間加熱還流した。反応液を放冷の後、充分に減圧濃縮し
た後、得られた結晶状残渣をアセトンで洗浄して、6−
n−プロピル−2−ピコリンアミジン塩酸塩12.2gを得
た。 m.p. 173.0 ℃ 次に、このような製造法によって製造される本発明化合
物のいくつかを表6に示す。
【表6】
【0019】参考製造例7〔ヒドロキシピリミジン誘導
体〔V〕の製造〕 6−n−プロピル−2−ピコリンアミジン塩酸塩5gを
エタノール100mlと金属ナトリウム0.61gから調製し
たナトリウムエトキシド/エタノール溶液に溶解し、こ
れにアセト酢酸エチルエステル3.42gを加え、1時間加
熱還流した。反応液を冷却後、塩を濾去し、濾液を減圧
濃縮し、得られた生成物をヘキサンで洗浄して4−ヒド
ロキシ−6−メチル−2−(6−n−プロピル−2−ピ
リジル)ピリミジン塩酸塩5.28gを得た。 m.p. 139.2 ℃ PMR(CDCl3 )δ ppm:0.96(t,3H,−
CH2 CH 2 CH3 ,J= 6.6Hz)、2.32(s,3
H,CH3 )、6.14(s,1H,ピリミジン−H5 )、
7.12(d,1H,ピリジン−H5 ,J= 7.2Hz)、7.
59(t,1H,ピリジン−H4 ,J= 7.2Hz)、8.09
(d,1H,ピリジン−H3 ,J= 7.2Hz) 次にこのような製造法によって製造できるヒドロキシピ
リミジン誘導体〔V〕のいくつかを表7および8に示
す。
【表7】
【表8】
【0020】参考製造例8〔ハロピリミジン誘導体 化
6の製造〕 4−ヒドロキシ−6−メチル−2−(6−n−プロピル
−2−ピリジル)ピリミジン2gをトルエン20mlに溶
解し、これにオキシ塩化リン2gを加え1時間加熱還流
した。次いで室温に放冷した後、炭酸ナトリウム水溶液
を加えて約pH8にした後、分液した。トルエン層を水洗
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮し
て、4−クロロ−6−メチル−2−(6−n−プロピル
−2−ピリジル)ピリミジン2.03gを得た。 m.p. 77.1℃ PMR(CDCl3 )δ ppm:1.02(t,3H,−
CH2 CH 2 CH3 ,J= 6.6Hz)、2.63(s,3
H,−CH3 )、7.20(s,1H,ピリミジン−
5 )、7.26(d,1H,ピリジン−H5 ,J= 7.2H
z)、7.73(t,1H,ピリジン−H4 ,J= 7.2H
z)、8.25(d,1H,ピリジン−H3 ,J= 7.2H
z) 次にこのような製造法によって製造できるハロピリミジ
ン誘導体 化6のいくつかを表9および10に示す。
【表9】
【表10】
【0021】次に参考製剤例を示す。なおピリジルピリ
ミジン誘導体は表1の化合物番号で示し、部は重量部で
ある。 製剤例1 ピリジルピリミジン誘導体(1)〜(114)各々50部、
リグニンスルホン酸カルシウム3部、ラウリル硫酸ナト
リウム2部および合成含水酸化珪素45部をよく粉砕混
合して各々の水和剤を得る。 製剤例2 ピリジルピリミジン誘導体(1)〜(114)各々25部、
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート3部、C
MC3部および水69部を混合し、有効成分の粒度が5
ミクロン以下になるまで湿式粉砕して各々の懸濁剤を得
る。 製剤例3 ピリジルピリミジン誘導体(1)〜(114)各々2部、カ
オリンクレー88部およびタルク10部をよく粉砕混合
して各々の粉剤を得る。 製剤例4 ピリジルピリミジン誘導体(1)〜(114)各々20部、
ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル14部、
ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム6部、およびキ
シレン60部をよく混合して各々の乳剤を得る。 製剤例5 ピリジルピリミジン誘導体(1)〜(114)各々2部、合
成含水酸化珪素1部、リグニンスルホン酸カルシウム2
部、ベントナイト30部およびカオリンクレー65部を
よく粉砕混合し、水を加えてよく練り合わせた後、造粒
乾燥して各々の粒剤を得る。
【0022】次に、ピリジルピリミジン誘導体が植物病
害防除剤の有効成分として有用であることを参考試験例
で示す。なお、ピリジルピリミジン誘導体は、表1〜表
5の化合物番号で示し、比較対照に用いた化合物は表1
1の化合物記号で示す。
【表11】 また防除効力は、調査時の供試植物の発病状態すなわち
葉、茎等の菌叢、病斑の程度を肉眼観察し、菌叢、病斑
が全く認められなければ「5」、10%程度認められれ
ば「4」、30%程度認められれば「3」、50%程度
認められれば「2」、70%程度認められれば「1」、
それ以上で化合物を供試していない場合の発病状態と差
が認められなければ「0」として、6段階に評価し、そ
れぞれ5,4,3,2,1,0で示す。
【0023】参考試験例1 イネいもち病防除試験(予
防効果) プラスチックポットに砂壌土を詰め、イネ(近畿33
号)を播種し、温室内で20日間育成した。イネの幼苗
に、参考製剤例1に準じて水和剤にした供試薬剤を水で
希釈して所定濃度にし、それを葉面に充分付着するよう
に茎葉散布した。散布後、植物を風乾しいもち病菌の胞
子懸濁液を噴霧、接種した。接種後、28℃、暗黒、多
湿下で4日間置いた後、防除効力を調査した。その結果
を表12〜表31に示す。
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【表23】
【表24】
【表25】
【表26】
【表27】
【表28】
【表29】
【表30】
【表31】
【0024】参考試験例2 イネいもち病防除試験(治
療効果) プラスチックポットに砂壌土を詰め、イネ(近畿33
号)を播種し、温室内で20日間育成した。イネの幼苗
に、いもち病菌の胞子懸濁液を噴霧、接種した。接種
後、28℃、暗黒、多湿下で16時間置いた後、参考製
剤例4に準じて乳剤にした供試薬剤を水で希釈して所定
濃度にし、それを葉面に充分付着するように茎葉散布し
た。散布後、28℃、暗黒、多湿下で3日間成育し、防
除効力を調査した。その結果を表32〜表51に示す。
【表32】
【表33】
【表34】
【表35】
【表36】
【表37】
【表38】
【表39】
【表40】
【表41】
【表42】
【表43】
【表44】
【表45】
【表46】
【表47】
【表48】
【表49】
【表50】
【表51】
【0025】参考試験例3 イネ紋枯病防除試験(予防
効果) プラスチックポットに砂壌土を詰め、イネ(近畿33
号)を播種し、温室内で28日間育成した。イネの幼苗
に、参考製剤例2に準じて懸濁剤にした供試薬剤を水で
希釈して所定濃度にし、それを葉面に充分付着するよう
に茎葉散布した。散布後、植物を風乾し紋枯病菌の含菌
寒天懸濁液を噴霧、接種した。接種後、28℃、暗黒、
多湿下で4日間置いた後、防除効力を調査した。その結
果を表52〜60に示す。
【表52】
【表53】
【表54】
【表55】
【表56】
【表57】
【表58】
【表59】
【表60】
【0026】参考試験例4 コムギ眼紋病防除試験(予
防効果) プラスチックポットに砂壌土を詰め、コムギ(農林73
号)を播種し、温室内で10日間育成した、コムギの幼
苗に、参考製剤例4に準じて乳剤にした供試薬剤を水で
希釈して所定濃度にし、それを葉面に充分付着するよう
に茎葉散布した。散布後、植物を風乾しMBC耐性眼紋
病菌の胞子懸濁液を噴霧、接種した。接種後、15℃、
暗黒、多湿下で4日間置いた後、さらに照明、多湿下で
4日間生育し、防除効力を調査した。その結果を表61
〜65に示す。
【表61】
【表62】
【表63】
【表64】
【表65】
【0027】参考試験例5 コムギ葉枯病防除試験(治
療効果) プラスチックポットに砂壌土を詰め、コムギ(農林73
号)を播種し、温室内で8日間育成した。コムギの幼苗
に、葉枯病菌の胞子懸濁液を噴霧、接種した。接種後、
15℃、暗黒、多湿下で3日間置き、さらに照明下で4
日間生育した後、参考製剤例1に準じて水和剤にした供
試薬剤を水で希釈して所定濃度にし、それを葉面に充分
付着するように茎葉散布した。散布後、15℃照明下で
11日間生育させて、防除効力を調査した。その結果を
表66〜70に示す。
【表66】
【表67】
【表68】
【表69】
【表70】
【0028】参考試験例6 リンゴ黒星病防除試験(予
防効果) プラスチックポットに砂壌土を詰め、リンゴを播種し、
温室内で20日間育成した。第4〜5本葉が展開したリ
ンゴの幼苗に、参考製剤例1に準じて水和剤にした供試
薬剤を水で希釈して所定濃度にし、それを葉面に充分付
着するように茎葉散布した。散布後、リンゴ黒星病菌の
胞子懸濁液を噴霧、接種した。接種後、15℃、多湿下
で4日置いた後、さらに照明下で15日間生育し、防除
効力を調査した。その結果を表71〜74に示す。
【表71】
【表72】
【表73】
【表74】
【0029】参考試験例7 キュウリ炭そ病防除試験
(予防効果) プラスチックポットに砂壌土を詰め、キュウリ(相模半
日)を播種し、温室内で14日間育成した。子葉が展開
したキュウリの幼苗に、参考製剤例4に準じて乳剤にし
た供試薬剤を水で希釈して所定濃度にし、それを葉面に
充分付着するように茎葉散布した。散布後、キュウリ炭
そ病菌の胞子懸濁液を噴霧、接種した。接種後、23
℃、多湿下で1日置いた後、さらに照明下で4日間生育
し、防除効力を調査した。その結果を表75〜77に示
す。
【表75】
【表76】
【表77】
【0030】参考試験例8 コムギうどんこ病防除試験
(治療効果) プラスチックポットに砂壌土を詰め、コムギ(農林73
号)を播種し、温室内で10日間育成した。コムギの幼
苗にうどんこ病菌を接種した。接種後23℃で3日間生
育した後、参考製剤例2に準じて懸濁剤にした供試薬剤
を水で希釈して所定濃度にし、それを葉面に充分付着す
るように茎葉散布した。散布後、23℃、温室内で7日
間生育し、防除効力を調査した。その結果を表78およ
び表79に示す。
【表78】
【表79】
【0031】参考試験例9 キュウリ灰色かび病防除試
験(予防効果) プラスチックポットに砂壌土を詰め、キュウリ(相模半
日)を播種し、温室内で14日間育成した。子葉が展開
したキュウリの幼苗に、参考製剤例4に準じて乳剤にし
た供試薬剤を水で希釈して所定濃度にし、それを葉面に
充分付着するように茎葉散布した。散布後、植物を風乾
し、ベンズイミダゾール・チオファネート系殺菌剤耐性
の灰色かび病菌の菌糸を接種した。接種後、15℃、暗
黒、多湿下で3日間生育し、防除効力を調査した。その
結果を表80に示す。
【表80】
【0032】参考試験例10 ラッカセイ褐斑病防除試
験(予防効果) プラスチックポットに砂壌土を詰め、ラッカセイ(千葉
半立性)を播種し、温室内で14日間育成した、ラッカ
セイの幼苗に、参考製剤例1に準じて水和剤にした供試
薬剤を水で希釈して所定濃度にし、それを葉面に充分付
着するように茎葉散布した。散布後、植物を風乾し、褐
斑病菌の胞子懸濁液を噴霧、接種した。接種後、23
℃、多湿下で7日間置いた後、さらに温室内で7日間生
育し、防除効力を調査した。その結果を表81に示す。
【表81】
【0033】参考試験例11 コムギ赤さび病防除試験
(治療効果) プラスチックポットに砂壌土を詰め、コムギ(農林73
号)を播種し、温室内で10日間育成した。コムギの幼
苗に赤さび病菌を接種した。接種後、23℃、暗黒、多
湿下で1日置いた後、参考製剤例4に準じて乳剤にした
供試薬剤を水で希釈して所定濃度にし、それを葉面に充
分付着するように茎葉散布した。散布後、23℃、照明
下で7日間生育し、防除効力を調査した。その結果を表
82に示す。
【表82】
【0034】参考試験例12 トマト疫病防除試験(予
防効果) プラスチックポットに砂壌土を詰め、トマト(ポンテロ
ーザ)を播種し、温室内で20日間育成した。第2〜3
本葉が展開したトマトの幼苗に、参考製剤例1に準じて
水和剤にした供試薬剤を水で希釈して所定濃度にし、そ
れを葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後、
植物を風乾し、トマト疫病菌の胞子懸濁液を噴霧、接種
した。接種後、20℃、多湿下で1日置いた後、さらに
照明下で5日間生育し、防除効力を調査した。その結果
を表83および表84に示す。
【表83】
【表84】
【0035】
【発明の効果】本発明化合物は、優れた植物病害防除効
果を示す一般式 化2で示されるピリジルピリミジン誘
導体の製造中間体として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 典久 兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 実光 穣 兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 井上 悟 兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友化 学工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 化1 【化1】 〔式中、R1 は炭素数1〜7のアルキル基を表わし、R
    2 およびR3 は同一または相異なり水素原子または低級
    アルキル基を表わす。またR1 とR2 は(CH2)nで結
    合し、環状構造をとることもでき、ここでnは3,4あ
    るいは5を表わす。〕で示されるアミジン化合物および
    その塩。
JP15968193A 1993-06-29 1993-06-29 アミジン化合物 Expired - Lifetime JP2500620B2 (ja)

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JP15968193A JP2500620B2 (ja) 1993-06-29 1993-06-29 アミジン化合物

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