JPH07118170A - 経鼻吸収薬物用キャリヤ、生理活性ペプチド組成物およびその製造法 - Google Patents

経鼻吸収薬物用キャリヤ、生理活性ペプチド組成物およびその製造法

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JPH07118170A
JPH07118170A JP5284424A JP28442493A JPH07118170A JP H07118170 A JPH07118170 A JP H07118170A JP 5284424 A JP5284424 A JP 5284424A JP 28442493 A JP28442493 A JP 28442493A JP H07118170 A JPH07118170 A JP H07118170A
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active peptide
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chitosan
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Akira Yanagawa
明 柳川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生理活性ペプチド組成物用キャリヤならびに
生理活性ペプチドを該キャリヤに均一に分散、付着結合
させた生理活性ペプチド組成物を提供する。 【構成】 平均粒子径が20〜250μmのキトサンか
らなる経鼻吸収薬物用キャリヤ。生理活性ペプチドの有
効投与量を、平均粒子経が20〜250μmのキトサン
からなるキャリヤに均一に分散、付着結合してなる生理
活性ペプチド組成物およびその製造法。かかる組成物
は、経鼻投与粉末組成物として使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生理活性ペプチド組成
物に関し、特にペプチドホルモン、生理活性タンパク、
酵素タンパク等の生理活性ペプチドを、例えば鼻腔内投
与(経鼻投与)するに際し、製剤的安定性に優れ、かつ
体内吸収性に優れた生理活性ペプチド組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】カルシトニン、インシュリン等をはじめ
とする生理活性ペプチドは、その特異的生理活性を示す
ゆえ、種々の医薬用途として治療の現場で使用されてい
る高分子化合物である。しかしながらこれら生理活性ペ
プチドは、消化管内のプロテアーゼにより分解を受けた
り、高分子量で極性が高いため、そのままでは腸管粘膜
からはほとんど吸収されず、したがって経口投与が困難
であり、これら薬物の投与方法としては注射投与に限ら
れている。ところで、このような投与方法は、患者にと
って注射部位での疼痛を与え、好ましいものではなく、
また通常の間隔で投与を行なう場合には患者に著しい苦
痛を与える。したがって、安全、かつ頻回に投与するた
めには簡便であり、自己投与可能な非注射的投与方法の
開発が望まれている。かかる投与方法のひとつとして、
例えば、カルシトニンについては、フッ化炭化水素を噴
射剤とする粉末懸濁剤の鼻吸入用エアゾール剤が開発さ
れている。さらには、経鼻投与方法として鼻内投与液剤
として鼻内スプレイ剤の開発も検討され、カルシトニン
に吸収促進剤としての界面活性剤を配合した製剤も提案
されている。また最近に至り、カルシトニンを多糖類セ
ルロースに吸着させて、吸収性を向上させた経鼻投与型
粉末剤のいくつかも提案されている。しかしながら、最
近積極的に検討が加えられている経鼻投与方法であって
も、これまでの製剤例では、薬物の吸収性あるいは局所
刺激性の点で十分なものとはいえず、いまだ実用化に至
ったものはない。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】本発明者は、これま
で経口投与が困難であった生理活性ペプチドについて、
吸収性が良く、また刺激性のない経鼻投与製剤を開発す
べく検討を加えた。すなわち本発明は、これまでに提案
されている経鼻投与製剤に比較し、生体利用能(バイオ
アベイラビリティ)の点で優れた鼻腔内投与組成物を提
供することを課題とする。本発明者は、かかる課題を解
決すべく鋭意検討した結果、カルシトニン、インシュリ
ン等の生理活性ペプチドを、平均粒子径を20μm以下
にせしめ、その有効投与量を、平均粒子径が20〜25
0μmのキトサンに均一に分散、付着結合せしめてなる
生理活性ペプチド組成物が、経鼻ルートで投与するこ
と、すなわち鼻粘膜に適用することにより、有効な臨床
的治療が可能であることを見いだした。
【0004】
【課題を解決するための手段】しかして本発明によれ
ば、平均粒子径が20〜250μmのキトサンからなる
経鼻吸収薬物用キャリヤが提供される。また本発明によ
れば、平均粒子径が20μm以下である生理活性ペプチ
ドの有効投与量を、平均粒子径が20〜250μmのキ
トサンに均一に分散、付着結合せしめてなる生理活性ペ
プチド組成物およびその製造法が提供される。この場
合、平均粒子径が20〜250μmのキトサンを、製剤
重量100%あたり70〜99.995%使用するのが
良い。すなわち、本発明の第一の目的は、鼻腔内投与可
能な薬物用キャリヤの提供にあり、この場合の鼻腔内投
与可能な薬物としては、好ましくは生理活性ペプチドが
挙げられる。さらに本発明の別の目的は、生理活性ペプ
チド組成物およびその製造法の提供にあり、かかる生理
活性ペプチド組成物は鼻腔内投与可能な粉末製剤として
好ましく提供される。
【0005】本発明における、生理活性ペプチドを均一
に分散、付着・結合させるキャリヤとしてのキトサン
は、グルコサミンからなる塩基性多糖類であって、これ
まで医薬品の乳化剤、増粘剤等として使用されていたも
のであるが、経鼻投与製剤のキャリヤとしての適用はこ
れまでなんら検討されていなかったものである。今回、
本発明者によってはじめて経鼻ルートでの製剤投与キャ
リヤとなり得ることが見いだされ、かつその平均粒子径
が20〜250μmにあるものは、鼻孔内に投与したと
きに鼻粘膜上に広く分布し、付着局所によく滞留すると
共に、粉末剤として鼻孔をとおして鼻腔内に噴霧された
ときに、効率よく鼻腔内に投与することができるもので
あることが判明した。なお鼻腔投与する場合には、その
粉末製剤の粒子径が10μm以下であると、噴霧などの
方法により、投与時に肺まで到達したり、鼻腔外に飛散
することが多いが、投与すべき生理活性ペプチドは、そ
の平均粒子形が20μm以下であっても、付着・結合さ
せるキャリヤの平均粒子径が20〜250μmであるた
め、極めて有効に噴霧できることが判明した。ところ
で、従来検討されている鼻腔内投与製剤におけるキャリ
ヤは、有効成分の生体内吸収性のために水溶性のキャリ
ヤが良いと考えられ、検討されている。しかしながら本
発明者の知見によれば、必ずしも水溶性キャリヤが良い
ものとは認められず、本発明のキャリヤであるキトサン
は、鼻腔内pHが4〜5という事実から見て水に溶解せ
ず、粉末状態で有効成分を均一に分散、付着・結合す
る。このものでも経鼻投与した場合には良好な結果が得
られることが判明した。したがって、本発明は、従来水
溶性キャリヤを使用する鼻腔内投与製剤とはその基本概
念を異にするものといえる。
【0006】
【作用】本発明の有効成分である生理活性ペプチドとし
ては、ペプチドホルモン、生理活性タンパク、酵素タン
パクである。かかる使用可能な生理活性ペプチドとして
は、例えば、ペプチドホルモン、例えばパラトルモン
(副甲状腺ホルモン)、カルシトニン、インシュリン、
アンギオテンシン、グルカゴン、ガストリン、セクレチ
リン、成長ホルモン、プロラクチン(黄体刺激ホルモ
ン)、ゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)、サイロト
ロピックホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、メラニン細
胞刺激ホルモン、バソプレシン、オキシトシン、プロチ
レリン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、コルチコトロ
ピン、ソマトロピン、チロトロピン(甲状腺刺激ホルモ
ン)、ソマトスタチン(成長ホルモン刺激因子)、G−
CSF、エリスロポエチン、スーパーオキサイドジスム
ターゼ(SOD)等である。また、インターフェロン、
インターロイキン、ウロキナーゼ、リゾチーム、ワクチ
ン等もあげることができる。これら生理活性ペプチド
は、上記したものに限定されず、経鼻投与可能なもので
あれば本発明の組成物とすることができることはいうま
でもない。上述の生理活性ペプチドのなかでも、ペプチ
ドホルモンが特に好ましく、これらのペプチドホルモン
のなかでは、カルシトニン、インシュリン、ソマトスタ
チンが望ましく、カルシトニン、インシュリンがとりわ
け好ましい。このカルシトニンとしては、サケカルシト
ニン、ヒトカルシトニン、ブタカルシトニン、ニワトリ
カルシトニン、ウシカルシトニン、エル(ウナギ)カル
シトニン等があげられ、これらのカルシトニンはいずれ
も天然に存在する、抽出可能なものであり、市販されて
いる。これらカルシトニンにあっては、その安定性がエ
ルカルシトニン−ヒトカルシトニン−サケカルシトニン
の順であるといわれているが、比較的安定性の悪いとい
われているサケカルシトニンについてさえも、本発明の
キトサンに分散、付着結合させ本発明の組成物とするこ
とにより、例えばバイオアベイラビリティおよび血中有
効濃度が極めて良好であることが判明した。したがっ
て、いわゆる市販のカルシトニンは、本発明で使用する
生理活性ペプチドとして最も適したものである。これら
の生理活性ペプチドは、その平均粒子径が20μm以下
であることが好ましい。
【0007】本発明の組成物に含有される生理活性ペプ
チドの有効投与量としての使用量は、選択すべき個々の
活性物質(例えば、カルシトニンであれば、その相対活
性力価)、処置すべき対象疾患、所望の投与回数、必要
とする個々の治療効果等によって異なる。本発明の組成
物を鼻腔内投与により使用する場合には、例えば、該活
性物質を含有している製剤の治療効果を既知の他の製剤
とのバイオアベイラビリティとの比較において決定する
ことができる。例えば、カルシトニンを例にとってみれ
ば、従来カルシトニン、例えばサケカルシトニンによる
治療を、筋肉内注射により行なう場合、約50ないし1
00MRC(IU)単位の個別用量が約1回×日ないし
約3回×週の割合で適用されている。したがって、本発
明による組成物を鼻腔投与による場合には、約50ない
し約400MRC単位、更に好ましくは約100ないし
約200MRC単位の用量を約1回×日ないし約3回×
週の割合で投与して治療するのが適当である。上記用量
は1回の適用で投与すること、すなわち、約50ないし
約400MRC単位、好ましくは約100ないし約20
0MRC単位のカルシトニンからなる1回鼻腔内用量の
投与で治療を行なうのが便利である。したがって、本発
明の組成物を製造させる場合において、生理活性ペプチ
ドの含有量は、たとえば製剤重量100%あたり0.0
05〜30%、好ましくは0.01〜20%、より好ま
しくは0.1〜5.0%配合させるのが良い。また、本
発明の組成物を構成するキャリヤであるキトサンの配合
量は、たとえば製剤重量100%あたり70〜99.9
95%、好ましくは80〜99.99%、より好ましく
は95〜99.9%配合させることにより、良好な経鼻
吸収が得られることが判明した。
【0008】本発明の生理活性ペプチド粉末組成物は、
例えば以下のようにして製造することができる。すなわ
ち、キャリヤであるキトサンを機械的に微粉砕し、平均
粒子径を20〜250μmとする。ついで生理活性ペプ
チドとを混合することにより本発明の組成物を得ること
ができる。例えばこの混合は、乳鉢による混合のよう
に、圧力や剪断力を加えながら行なうのがよい。本発明
の組成物の製造において使用するキャリヤであるキトサ
ンの平均粒子径は20〜250μmであるが、さらに好
ましくは、30〜60μmであるのがよい。一方、生理
活性ペプチドはできるだけ微粉末であることが好まし
く、その平均粒子径は、通常20μm以下、好ましくは
10μm以下であるのがよい。かかる本発明の組成物製
造法を用いて具体的鼻腔内投与生理活性ペプチド組成物
とするには、例えば以下のようにして製造することがで
きる。すなわち、生理活性ペプチドとしてサケカルシト
ニンあるいはエルカルシトニンを使用した場合、カルシ
トニンの有効量を、カルシトニンの安定化剤としてゼラ
チンを例えば1%およびアスパラギン酸を例えば0.1
〜0.5%,好ましくは0.38%程度含有するpH
4.5〜5.5の水溶液と混合しこの混合液を凍結乾燥
する。次いで、この凍結乾燥粉末を、本発明のキャリヤ
であるキトサンとを順次2ないし3回程度に分けて、練
合湿度55%程度にて練合し、目的とするキャリヤに生
理活性ペプチドが均質に付着結合した微粉末(鼻腔内投
与組成物)を得る。かくして得られた鼻腔内投与組成物
は、使用前(例えば、鼻腔内への投与前)の活性物質の
損失を防止するため、low−greaseタイプのカ
プセルに充填をした後、適当な包装、好ましくは密閉包
装とする。かかる密閉包装としては、ブリスター包装−
アルミニウム包装を組み合わせるのが良い。なお、他の
生理活性ペプチド(例えばインシュリン)についても同
様の処理を行なうことによりそれぞれ目的とする組成物
とすることができる。また、均質湿度として55%前後
が好ましいことが、製剤例検討試験の結果から判明した
が、この点は後記する。
【0009】以下に、本発明の組成物の特異的効果を試
験例にて示す。
【試験例】
試験例1:体重8〜10Kgのアカゲザルを1群4匹用
いて試験を実施した。サケカルシトニン200IU(M
RC)を含有する本発明の鼻腔内投与組成物を一方の鼻
腔内に投与し、投与後の血清中のサケカルシトニン濃度
の測定および血漿カルシウム濃度をイオン選択性電極法
を用いて測定した。なお、キャリヤとしてのキトサンは
その粒子径が30〜60μmのものを使用した。その結
果を表1および表2に示す。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】 表中の結果から、本発明の組成物は作用時間の有意な持
続が認められ、また血漿カルシウム値の低下も優れたも
のであることが判明する。
【0012】試験例2:生理活性ペプチドとしてサケカ
ルシトニンを選び、その含有量としては200MRC
(IU)/25mg組成物の割合となる本発明の鼻腔内
投与組成物を用いた。なお、キャリヤとしてのキトサン
はその粒子径が30〜60μmのものを使用した。正常
人男子6名を対象とし、上記の組成物を経鼻投与(単
回)し、血液試料を2.5mlづつを、0時間、5、1
0、20、30、45、60、90分、2時間、3時
間、5時間毎にヘパリンLi塩上に採血し、標準RIA
検定キットを使用してサケカルシトニンの血中濃度の測
定を行なった。その結果からの薬物動態力学的パラメー
タを表3にまとめた。
【0013】
【表3】
【0014】表中の結果から明らかなように、キャリヤ
としてのキトサンの使用は、経鼻投与によりカルシトニ
ンの血中への吸収が優れたものであることを示してお
り、カルシトニンの吸収に効果的であることが判明す
る。
【0015】試験例3:生理活性ペプチドとしてインシ
ュリンを選び、その含有量としては2.4mg/動物
(5インシュリン単位(IU)/動物)の割合となる本
発明の鼻腔内投与粉末組成物を用いた。なお、キャリヤ
としてのキトサンはその粒子径が30〜60μmのもの
を使用した。雄性ニュージーランドラビットを1群6羽
用い、上記の組成物を経鼻投与(単回)し、投与後0時
間、15、30、60、120および180分後におけ
る平均血糖値の低下を測定した。投与後0時間の血糖値
を100%とし、各測定時間における血糖値の低下を百
分率で求めた。なお対象群として、インシュリン2IU
/動物量の皮下注を行い、投与後0時間、1、2、4、
6時間後の血糖値の低下を同様測定した。その結果を表
4にまとめた。
【0016】
【表4】
【0017】表中の結果から明らかなように、キャリヤ
としてのキトサンの使用にあっても、本発明の粉末組成
物は、経鼻投与によりインシュリンの血中への吸収が優
れ、ある程度血糖値(血中グルコース)の低下をきたし
ていることが判明する。
【0018】次に本発明の組成物の製剤的試験例の結果
を示す。 製剤的試験例1:キャリヤに対するサケカルシトニンの
付着効果 表5に示すキャリヤ(平均粒子径:約40μm)200
mgに、サケカルシトニン(5500MRC(IU)/
mg)の粉末(平均粒子径:約15μm)を温度4℃に
てメノウ乳鉢を使用して混合した。次に、このようにし
て得られた粉末混合物から、キャリヤ粒子に付着されな
かったサケカルシトニンを分離、除去し、サケカルシト
ニンが付着した混合物を得た。次にかくして得られた混
合物について、付着したサケカルシトニンの量を測定し
た。その結果を表5に示す。
【0019】
【表5】 表中の結果より、キャリヤとして、キトサンにカルシト
ニンの付着効果が良いことが判明する。
【0020】製剤的試験例2:キャリヤとして粒子径:
30〜60μmのキトサンを使用した本発明組成物の安
定性 上記試験の結果より、キャリヤとしてはキトサンが良い
ことが判明したが、かかるキトサンの平均粒子径30〜
60μmのものをキャリヤとして使用した本発明の組成
物の安定性試験を行なった。サケカルシトニンを1%ゼ
ラチン、0.38%アスパラギン酸を含有するpH5.
0の水溶液と混合し、凍結乾燥する。次いでこの凍結乾
燥品を用い、キャリヤとしてのキトサン1gとを均質混
合条件として、室温5、25、40℃、湿度25、5
5、65%のもとに均一に混合し、本発明の組成物を得
た。かくして得られた組成物をガラス瓶に入れ密封した
後、6か月間放置し、経時的にサケカルシトニンの残存
量(%)を求めた。その結果を表6に示す。
【0021】
【表6】 以上の結果から見れば、本発明の組成物を製造するに当
たっては、キャリヤの粒子径はある程度細かく、また均
質湿度は温度にもよるが、40ないし60%の湿度のも
とで混合して良好な安定性が得られることが判明した。
【0022】以下に本発明の組成物の例を示す。 粉末組成物:サケカルシトニン(エルカルシトニンも同
様に製造される)3mg/3,000〜3,500MR
Cを1%ゼラチンおよび安定化剤として0.38%のア
スパラギン酸を含有するpH4.5〜5.5の水溶液に
溶解し、凍結乾燥する。ついで、得られた凍結乾燥粉末
品を、メノウ乳鉢を用いて、平均粒子径30〜60μm
のキトサン200mgと10分間混合する。この混合物
に同様キトサン300mgを加え、湿度55%にて20
分間混合し、さらに同じキトサン497mgを加え、湿
度55%にて30分間混合し、本発明の粉末組成物1,
000mgを得た。
【0023】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、これま
で経口投与が困難であった生理活性ペプチドについて、
経鼻投与により吸収性が良く、また刺激性のない製剤、
すなわち鼻腔内投与組成物が提供される。特に、カルシ
トニン、インシュリン等の生理活性ペプチドを、特定な
キャリヤである平均粒子径20〜250μmのキトサン
に分散させた本発明の粉末組成物は、経鼻ルートで投与
すること、すなわち鼻粘膜に適用することにより、その
ペプチド性体内吸収性が良く、有効な臨床的治療が可能
であることが示唆され、その医療効果は多大なものであ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 経鼻吸収薬物用キャリヤ、生理活性ペ
プチド組成物およびその製造法
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 9/19 38/00 ADD 38/28 ADP 38/23 ABJ 47/16 J // C08B 37/08 A 7433−4C A61K 9/14 E 37/02 ADD 37/26 ADP 37/30 ABJ

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径が20〜250μmのキトサ
    ンからなる経鼻吸収薬物用キャリヤ。
  2. 【請求項2】 経鼻吸収薬物が生理活性ペプチドである
    請求項1記載のキャリヤ。
  3. 【請求項3】 平均粒子径が20μm以下である生理活
    性ペプチドの有効投与量を、平均粒子径が20〜250
    μmのキトサンに均一に分散、付着結合せしめてなる生
    理活性ペプチド組成物。
  4. 【請求項4】 キトサンを、製剤重量100%あたり7
    0〜99.995%使用する請求項3記載の生理活性ペ
    プチド組成物。
  5. 【請求項5】 キトサンを、製剤重量100%あたり8
    0〜99.99%使用する請求項4記載の生理活性ペプ
    チド組成物。
  6. 【請求項6】 安定化剤としてアスパラギン酸を含有す
    る、請求項3記載の生理活性ペプチド組成物。
  7. 【請求項7】 生理活性ペプチドが、ペプチドホルモ
    ン、生理活性タンパク、酵素タンパクである、請求項3
    記載の生理活性ペプチド組成物。
  8. 【請求項8】 ペプチドホルモンが、カルシトニンまた
    はインシュリンである、請求項7記載の生理活性ペプチ
    ド組成物。
  9. 【請求項9】 経鼻投与用組成物である、請求項3ない
    し8のいずれか1項に記載の生理活性ペプチド組成物。
  10. 【請求項10】 平均粒子径が20μm以下である生理
    活性ペプチドの有効投与量を、平均粒子径が20〜25
    0μmのキトサンに均一に分散、付着結合せしめてなる
    生理活性ペプチド組成物の製造法。
  11. 【請求項11】 キトサンを、製剤重量100%あたり
    70〜99.995%使用する請求項10記載の生理活
    性ペプチド組成物の製造法。
  12. 【請求項12】 キトサンを、製剤重量100%あたり
    80〜99.99%使用する請求項11記載の生理活性
    ペプチドの製造法。
  13. 【請求項13】 安定化剤としてアスパラギン酸を含有
    する、請求項10記載の生理活性ペプチド組成物の製造
    法。
  14. 【請求項14】 生理活性ペプチドが、ペプチドホルモ
    ン、生理活性タンパク、酵素タンパクである、請求項1
    0記載の生理活性ペプチド組成物の製造法。
  15. 【請求項15】 ペプチドホルモンが、カルシトニンま
    たはインシュリンである、請求項14記載の生理活性ペ
    プチド組成物の製造法。
  16. 【請求項16】 経鼻投与用組成物である、請求項10
    ないし15のいずれか1項に記載の生理活性ペプチド組
    成物の製造方法。
JP5284424A 1993-10-19 1993-10-19 経鼻吸収薬物用キャリヤ、生理活性ペプチド組成物およびその製造法 Pending JPH07118170A (ja)

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