JPH07117335B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明はファン式冷蔵庫における送風ファンの風路の
シール構造の改良に関するものである。

［従来の技術］ 第５図〜第７図は、例えば実公昭51−53501号公報に示
された従来の冷蔵庫の断面図である。図において、
（１）は上部に冷凍室（２）、下部に冷蔵室（３）を備
えた二温度式冷蔵庫の本体、（４）は上記冷凍室（２）
および冷蔵室（３）を冷却する冷却器で、中仕切壁
（６）で上下に区画されており、冷凍室用吸込口（７）
と冷蔵室用吸込口（８）を備えて、上記冷却室（５）に
対向し、本体背壁（９）に設けた開口内に断熱材と共に
本体外側から配設した送風装置（10）により冷凍室
（２）へは冷凍室用吸込口（７）から冷却室（５）を経
て更に上部吐出口（11）から冷凍室用ダクト（12）を介
して冷気を送風し、冷蔵室（３）へは冷蔵室用吸込口
（８）から冷却室（５）を経て更に下部吸込口（13）か
ら冷蔵室（３）へと送風する。上記冷却器（４）は圧縮
機（14）、凝縮器（15）、減圧機構（16）と共に冷媒回
路を構成している。（17）は冷凍室の扉、（18）は冷蔵
室の扉、（19）は冷蔵室（３）への冷気の送風量を調節
するダンパーである。上記送風装置（10）は中仕切壁
（６）の冷却室（５）に対向するように本体背壁（９）
に設けた開口内に、封鎖用の断熱材（20），（21），
（22）と共に開口を密閉するように装設しており、この
送風装置（10）はファンモータ（23）に軸支された遠心
ファン（25）を収容すると共に送風空気の案内ガイドを
兼用し、且つ上端吐出凹部（26）と弧状の下端吐出凹部
（27）を備える凹所（28）とを合成樹脂材等にて一体成
形した仕切壁（29）を設けてあり、この仕切壁（29）の
前面は上記凹所（28）を覆うように通風開口（30）をも
つ前面板（31）にて閉塞している。上記仕切壁（29）に
はファンモータ（23）の取付板（32）の固定部（33）、
この固定部（33）を固定するモータ取付座（34）、およ
び上記取付板（31）を取付ける前面板取付座（35）を、
取付板（32）の固定部（33）および前面板（31）の大き
さに合わせてそれぞれ段部として一体形成している。ま
た、上記ファンモータ（23）を収納するカバー（24）は
遠心ファン（25）と連結する側のみを開口としたもので
ある。また内部に遠心ファン（25）およびファンモータ
（23）を配置し、前面板（31）を仕切壁（29）の前面板
取付座（35）にビス止め等にて装着した送風装置（10）
はその前面板（31）に設けた通風開口を冷却室（５）と
連通し、また前面板（31）と仕切壁（29）の上端吐出凹
部（26）とは先端を冷凍室（２）に臨ませた冷凍室用ダ
クト（12）と連通する上部吐出口（11）を形成し、更に
前面板（31）と仕切壁（29）の弧状をなす下端吐出凹部
（27）とは冷蔵室（３）に位置する下部吐出口（13）を
形成している。断熱材（20）（21）は送風装置（10）の
仕切壁（29）と背壁の開口間を密閉する断熱材であり、
（22）は背壁の開口部周辺を外部より密閉する断熱材、
（36）は上記断熱材（22）を固定する裏板、（37）は内
箱（38）と外箱（39）間に充填される断熱材、（40）は
中仕切壁（６）内において冷却室（５）を形成する断熱
材である。

［発明が解決しようとする課題］ 従来の冷蔵庫は以上のように構成されているので、ファ
ン等の案内ガイドのシール構造が複雑となり、ネジや固
定部材など部品点数が多く、組み立て工数が掛かるなど
解決すべき課題があった。

この発明は上記のような課題を解決するためになされた
もので、ファン等の案内ガイドのケーシングを必要とす
る外周のシール構造を簡単化して部品点数を減らし、組
み立て工数の少ない冷蔵庫を得ることを目的とする。

［課題を解決するための手段］ この発明に係る冷蔵庫は、本体と、この本体内に区画さ
れた冷凍室および冷蔵室と、上記本体背面においてファ
ンモータを取り付けた仕切り板と、上記ファンモータに
軸支され円周方向に気流を生じさせる遠心ファンと、上
記仕切り板に対向して設けられ、上記仕切り板との間に
上記遠心ファンを収容し上記冷凍室および冷蔵室へのダ
クトと連通する圧力室を形成する化粧板と、上記仕切り
板に設けられ、上記遠心ファンの周囲を囲み上記遠心フ
ァンから生じる気流を一方向に集める風路を形成するス
クロール状の案内リブと、同じく上記化粧板に設けら
れ、上記案内リブと全面に渡って接する収納リブとを備
え、また、上記案内リブに設けられた山形のツメと、上
記収納リブに設けられ、上記ツメと嵌合する穴部を有す
る弾性部とを備えたものである。

［作用］ この発明における冷蔵庫は、遠心ファンから生じる気流
の案内ガイドをなす案内リブの外周面と、この案内リブ
を収納する収納リブの内周面とが全面に渡って接合して
シールするので部品点数の少ない簡単な構造で、遠心フ
ァンを使用した場合の静圧に耐えられるシール構造が得
られる。また、案内リブが遠心ファン周囲を囲み遠心フ
ァンから生じる気流を一方向に集める風路を形成するス
クロール状のものであるので、遠心ファンの静圧を風路
内で徐々に高めることによって送風効果を向上させるこ
とができる。さらに、仕切り板と化粧板の固定を山形の
ツメと弾性部に設けられた穴部だけで行うようにしたの
で同様で部品点数が減り、化粧板や仕切り板が多少変形
していてもシール性を保つことができる。

［実施例］ 以下、この発明の一実施例を図について説明する。な
お、図中同一符号は同一または相当部分を示し説明を重
複しない。第１図はこの発明の一実施例による冷蔵庫を
示す断面側面図、第２図は同じく要部分解斜視図、第３
図は同じく要部断面図である。図において、（41）は冷
凍室（２）の背面に冷却室（５）を区画して冷却器
（４）を配置する仕切り板、（42）は仕切り板（41）と
対向し、冷凍室（２）および冷蔵室（３）へのダクトと
連通する圧力室（44）を仕切り板（41）と共に形成する
化粧板、（43）はファンモータ（23）を取り付け板（3
2）と仕切り板（41）に固定する防振ゴム、（45）は化
粧板（42）を内箱（38）に固定する止め具である。（41
a）は仕切り板（41）の化粧板（42）と対向する面側に
形成され、ファンモータ（23）に軸支された遠心ファン
（25）を抱え込むように収容し、送風空気の案内ガイド
としてスクロール状のケーシングの役を果たす案内リ
ブ、（41b）は仕切り板（41）と化粧板（42）とを固定
するために仕切り板（41）側にかぎ形に形成されたツ
メ、（41c）は取り付け板（32）と共に防振ゴム（43）
を用いてファンモータ（23）を固定する取り付け部、
（41d）は冷気の送風路として仕切り板（41）に開口さ
れた吸い込み口、（41e）は仕切り板（41）上に開口さ
れ、冷蔵室（３）と連通する冷蔵室ダクト接続口であ
る。（42a）は化粧板（42）の仕切り板（41）と対向す
る面側に形成され、遠心ファン（25）を収容する案内リ
ブ（41a）の外周と内接して収納する収納リブ、（42b）
は化粧板（42）上に開口され、冷凍室（２）と連通する
吹き出し口、（42c）は化粧板（42）を内箱（38）に固
定する止め穴、（42d）は仕切り板（41）側に形成され
たツメと嵌合して仕切り板（41）と化粧板（42）とを固
定する穴部である。冷凍室（２）の背面に区画された冷
却室（５）内にはそれぞれ、冷媒回路の一部をなす冷却
器（４）、仕切り板（41）に取り付けられたファンモー
タ（23）、および仕切り板（41）と化粧板（42）を接合
して形成された圧力室（44）を置き、この圧力室（44）
の内部に案内リブ（41a）と収納リブ（42a）が形成する
スクロール状ケーシングを置き、このスクロール状ケー
シング内にはファンモータ（23）に軸支された遠心ファ
ン（25）を置いている。上記案内リブ（41a）は先端を
化粧板（42）に接し、かつ外周を収納リブ（42a）の内
周に接し、また、この収納リブ（42a）の先端も仕切り
板（41）に各々接して案内リブ（41a）の外周の冷気を
シールしている。仕切り板（41）と化粧板（42）との固
定は仕切り板（41）に設けられたツメ（41b）と化粧板
（42）に設けられた穴部（42d）とを嵌合して行う。

次に動作して説明する。中仕切り壁（６）に設けられた
冷凍室用吸込口（７）および冷蔵室用吸込口（８）から
吸い込まれた冷気は冷却室（５）内で冷却器（４）によ
り冷却され、仕切り板（41）に設けられた吸い込み口
（41d）から遠心ファン（25）により仕切り板（41）
と、この仕切り板（41）に設けられた案内リブ（41a）
および化粧板（42）に設けられた収納リブ（42a）によ
り形成されたスクロールケーシング内を通り、圧力室
（44）内に吐出され、化粧板（42）に設けられた吹き出
し口（42b）により冷凍室（２）へ、また仕切り板（4
1）に設けられた冷蔵室ダクト接続口（41e）より冷蔵室
（３）へ各々送られる。（19）は冷蔵室（３）への送風
量を調節するダンパーである。また、以上の構成によれ
ば、従来例に示した断熱材（20）（22）および裏板（3
6）とこれを固定しているネジなど止め具も含めて不要
となるため、組み立て工数を削減できる。更に、仕切り
板（41）と化粧板（42）との固定は、ネジやリベットな
ど通常の止め具でよいが、上記のように仕切り板（41）
のツメ（41b）と化粧板（42）の穴部（42d）との嵌合だ
けで両者を固定することができるので、これらの固定に
必要なネジ、リベット等の止め具が不要となり、同じく
組み立て工数の削減が計れる。

第４図は他の実施例を示す要部断面図である。同図に示
すように、案内リブ（41a）の外周に山形のツメ（41f）
を設け、かつ化粧板（42）に上記仕切り板（41）の案内
リブ（41a）のツメ（41f）と嵌合する穴部（42e）を有
する弾性部（42f）を収納リブ（42a）に形成したもので
ある。この場合、ツメ（41f）の斜辺部に当節する弾性
部（42f）が互いに穴部（42e）の中央に引き合うように
作用し合うので、化粧板（42）や仕切り板（41）が多少
変形していても冷気のシール性を保つことができる。

以上のように、この実施例では送風空気の案内ガイドと
してスクロール状のケーシングの役を果たす案内リブ
（41a）を仕切り板（41）に、これを収納する収納リブ
（42a）を化粧板（42）に設けた例を示したが、これを
各々逆側に設けてもよい。同様に、仕切り板（41）と化
粧板（42）を固定するツメ（41b）を仕切り板（41）
に、これと嵌合する穴部（42d）を化粧板（42）に設け
た例を示したが、これを各々逆側に設けてもよく、ま
た、ツメ（41b）と穴部（42d）を嵌合して固着するもの
であり、特に形状および数量を限定しない。

［発明の効果］ 以上のようにこの発明によれば、本体と、この本体内に
区画された冷凍室および冷蔵室と、上記本体背面におい
てファンモータを取り付けた仕切り板と、上記ファンモ
ータに軸支された円周方向に生じさせる遠心ファンと、
上記仕切り板に対向して設けられ、上記仕切り板との間
に上記遠心ファンを収容し上記冷凍室および冷蔵室への
ダクトと連通する圧力室を形成する化粧板と、上記仕切
り板に設けられ、上記遠心ファンの周囲を囲み上記遠心
ファンから生じる気流を一方向に集める風路を形成する
スクロール状の案内リブと、同じく化粧板に上記案内リ
ブと全面に渡って内接又は外接する収納リブとを備えた
ので、部品点数が減り、組み立て工数が削減できるとと
もに、遠心ファンの静圧を風路内で徐々に高めることに
よって送風効果を高めることができ、さらに遠心ファン
を使用した場合の静圧に耐えられるシール構造が得られ
る。また、上記案内リブおよび上記収納リブの一方に設
けられた山形のツメと、同じく上記案内リブおよび上記
収納リブの他方に上記ツメと対向して設けられ、上記ツ
メと嵌合する穴部を有する弾性部とを備えたので、部品
点数が減り、組み立て工数が削減できるとともに、化粧
板や仕切り板が多少変形していてもシール性を保つこと
ができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例による冷蔵庫を示す断面側
面図、第２図は同じく要部分解斜視図、第３図は同じく
要部断面図、第４図は他の実施例を示す要部断面図、第
５図は従来の冷蔵庫を示す断面図、第６図は同じく従来
の冷蔵庫の要部断面図、第７図は同じく従来の冷蔵庫の
要部分解斜視図である。 図において、（１）は本体、（２）は冷凍室、（３）は
冷蔵室、（４）は冷却器、（５）は冷却室、（６）は中
仕切り壁、（７）は冷凍室用吸込口、（８）は冷蔵室用
吸込口、（９）は背壁、（10）は送風装置、（11）は上
部吐出口、（12）は冷凍室用ダクト、（13）は下部吐出
口、（14）は圧縮機、（15）は凝縮器、（16）は減圧装
置、（17）は冷凍室用扉、（18）は冷蔵室用扉、（19）
はダンパー、（20）（21）（22）は断熱材、（23）はフ
ァンモータ、（24）はカバー、（25）は遠心ファン、
（26）は上端吐出凹部、（27）は下部吐出凹部、（28）
は凹所、（29）は仕切り壁、（30）は通風開口、（31）
は前面板、（32）は取り付け板、（33）は固定部、（3
4）はモータ取り付け座、（35）は前面板取り付け座、
（36）は裏板、（37）は断熱材、（38）は内箱、（39）
は外箱、（40）は断熱材、（41）は仕切り板、（41a）
は案内リブ、（41b）はツメ、（41c）は取り付け部、
（41d）は吸い込み口、（41e）は冷蔵室ダクト接続口、
（41f）はツメ、（42）は化粧板、（42a）は収納リブ、
（42b）は吹き出し口、（42c）は止め穴、（42d）（42
e）は穴部、（42f）は弾性部、（43）は防振ゴム、（4
4）は圧力室、（45）は止め具である。 なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】本体（１）と、この本体（１）内に区画さ
   れた冷凍室（２）および冷蔵室（３）と、上記本体
   （１）背面においてファンモータ（23）を取り付けた仕
   切り板（41）と、上記ファンモータ（23）に軸支された
   円周方向に気流を生じさせる遠心ファン（25）と、上記
   仕切り板（41）に対向して設けられ、上記仕切り板（4
   1）との間に上記遠心ファン（25）を収容して上記冷凍
   室（２）および冷蔵室（３）へのダクトと連通する圧力
   室（44）を形成する化粧板（42）と、上記仕切り板（4
   1）に設けられ、上記遠心ファン（25）の周囲を囲み上
   記遠心ファン（25）から生じる気流を一方向に集める風
   路を形成するスクロール状の案内リブ（41a）と、上記
   化粧板（42）に設けられ、上記案内リブ（41a）と全面
   に渡って内接又は外接する収納リブ（42a）とを備えた
   ことを特徴とする冷蔵庫。
2. 【請求項２】本体（１）と、この本体内に区画された冷
   凍室（２）および冷蔵室（３）と、上記本体（１）背面
   においてファンモータ（23）を取り付けた仕切り板（4
   1）と、上記ファンモータ（23）に軸支された円周方向
   に気流を生じさせる遠心ファン（25）と、上記仕切り板
   （41）に対向して設けられ、上記仕切り板との間に上記
   遠心ファン（25）を収容し上記冷凍室（２）および冷蔵
   室（３）へのダクトと連通する圧力室（44）を形成する
   化粧板（42）と、上記仕切り板（41）に設けられ、上記
   遠心ファン（25）の周囲を囲み上記遠心ファン（25）か
   ら生じる気流を一方向に集める風路を形成するスクロー
   ル状の案内リブ（41a）と、上記化粧板（42）に設けら
   れ、上記案内リブ（41a）と内接又は外接する収納リブ
   （42a）と、上記案内リブ（41a）および上記収納リブ
   （42a）の一方に設けられた山形のツメ（41f）と、上記
   案内リブ（41a）および上記収納リブ（42a）の他方に上
   記ツメ（41f）と対向して設けられ、上記ツメ（41f）と
   嵌合する穴部（42e）を有する弾性部（42f）とを備えた
   ことを特徴とする冷蔵庫。