JPH0711723A - ユニットパネルとその取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】スパンドレル間に簡易なユニットタイプのパネ
ルを装着するカーテンウオールに関する。 【構成】シール材を介して嵌め合う縦枠部材と、上下の
横枠部材もしくは該横枠部材間の中間に挿入の無目とで
方形に組み立てた枠体に構造用シール材でガラス板を貼
着したユニットパネルにおいて、上方となる前記横枠部
材に下方開口の逆凹部を設け、該逆凹部にブラインド用
のボックスを内設し、その両脇に上方開口の凹部をＷ字
状に配設し、該凹部の外方側面上端に接圧して封止する
押圧面を設けたユニットパネルと、横方向に連続するス
パンドレルの上下端面に固着する凹状の横部材間に前記
ユニットパネルを挿着する取付構造において、上方に配
設する前記横部材の内面に気密ガスケットを並設し、該
気密ガスケットを挿着する溝座の一方を室内側の挿脱自
在な側面板に配設した取付構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、スパンドレル間に設け
る窓に関し、詳細には簡易なユニットタイプのカーテン
ウオールに係るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から知られているカーテンウオール
の構造は、建築物の躯体に縦材および横材を固定し、縦
・横材間に構成する角形空間内に該縦・横材の上下面に
設けた面材嵌め溝を利用してガラス板等の外装面材を嵌
装した方立式のものが知られている。

【０００３】近年、サッシ枠を使用しないでガラス板を
連続して接合させる先行技術として、例えば特開昭６３
−９３９４４号の公報には、連続して配した各板ガラス
の端面間に、ウェザーシールを充填して各板ガラスを接
合し、各接合部をガラス製バックマリオンで補強した板
ガラスの連続構造において、複数のガラス材を接合する
と共に、各ガラス板の接合部付近の裏面と対向する接合
辺が各板ガラスの隙間以上の幅を有するガラス製バック
マリオンを、各板ガラスの接合部の裏面側に配し、両板
ガラスの端面付近の平面部と接合辺とをストラクチュラ
ルシールにて接合したガラス製バックマリオンを用いた
板ガラスの連続構造が開示され、先に本出願人が提供し
た実開平３−４０４１３号では、左右の方立部材と上下
の横枠部材もしくは該横枠部材間の中間に無目を挿入し
て方形に組み立てた枠体の貼付け板に、外装面材の室内
側を構造用シーリング材で貼着したパネルにおいて、該
パネルの周端面は前記貼付け板と並設する複数枚の受け
板あるいは嵌板から構成されているパネルについて開示
した。

【０００４】

【発明が解決しようとする問題点】面材嵌め溝を利用し
てガラス板等の外装面材を嵌装した方立式のものは、予
め躯体に縦・横材を取り付けておき、その後例えば枠材
にガラス板等の外装面材を貼着したパネルを前記縦・横
材と係合固着させるもので、躯体への取付作業が多く、
さらに枠材と外装面材との間を接着する手間、加えて接
着固定による層間変移に対する追従性能が低いため、外
装面材の面内外方向への荷重により接着部分のクラッ
ク、剥離等を発生させ、接着およびシール性能を低下さ
せて不慮の事故を招く懸念があり、特開昭６３−９３９
４４号の公報のものは、美観を向上させる目的で透明ス
クリーンを建物の外壁として使用するものであるが、現
地でのウエザーシールの充填、バックマリオンとのスト
ラクチャルシールの充填と現地での作業量が多く省力化
が難しいという欠点を有し、これらの問題を解決するた
めの実開平３−４０４１３号のものは、上下、左右に配
設するパネルの接合においてシールの充填作業を極力少
なくして取付施工を室内側より行うことができるもので
あるが、スパンドレルへの装着においては、前記の面材
嵌め溝を利用したものと同様な問題があった。

【０００５】

【問題点を解決するための手段】本発明はかかる問題点
に鑑み、パネルの装着を迅速容易で現地でのシールの打
設を極力少なく、付加価値を高めたパネルの提供を目的
として、左に凹状、右に凸状あるいはその逆にシール材
を介して嵌め合う縦枠部材と、上下の横枠部材もしくは
該横枠部材間の中間に挿入の無目とで方形に組み立てた
枠体に構造用シール材でガラス板を貼着したユニットパ
ネルにおいて、上方となる前記横枠部材に下方開口の逆
凹部を設け、該逆凹部にブラインド用のボックスを内設
し、前記逆凹部の両脇に上方開口の凹部をＷ字状に配設
し、該凹部の外方側面上端に接圧して封止する押圧面を
設けたユニットパネルと、横方向に連続するスパンドレ
ルの上下端面に固着する凹状の横部材間に前記ユニット
パネルを挿着するユニットパネルの取付構造において、
上方に配設する前記横部材の内面に気密ガスケットを並
設し、該気密ガスケットを挿着する溝座の一方を室内側
の挿脱自在な側面板に配設したユニットパネルの取付構
造を提供する。

【０００６】

【作用】スパンドレルに固着する上方の横部材におい
て、挿脱自在な室内側の側面部に気密ガスケットの溝座
を設けたことにより、ユニットパネルの取り付けを室内
側から簡易に行え、該パネルに設けた押圧座により並設
の気密ガスケットを接圧するため現場打設の充填シール
作業を省き、横枠部材に逆凹部のブラインド装着部分を
設けたことにより付加価値を高めたパネルとなる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明を図面に従って詳細に説明す
る。図１は図５のスパンドレル間の一部を切欠したＢ−
Ｂ視の断面図を示し、図２は無目を設けた図５の一部を
切欠したＣ−Ｃ視の断面斜視図、図３は図５の一部を切
欠したＡ−Ａ視の切断図、図４はユニットパネルの斜視
図を示し、図５はユニットパネルをスパンドレルに装着
した一部を切欠する外形正面図、図６はスパンドレルに
横部材を取り付ける取付金具の分解斜視図を示す。

【０００８】図４に示す１のユニットパネルは、断面が
左端、右端に凹または凸状の嵌合部２を設け、該嵌合部
の一方にシール材３を挿着する挿入溝４を配設する縦枠
部材５と、下方に開口の逆凹部６とその両脇の凹部７と
をＷ字状に配設し、該凹部の側面上端には水平な押圧面
８を設けた上方の横枠部材９、逆凹状で室外側の側面に
ガラス板１０を支持する受座１１を設けた下方の横枠部
材９’とをネジ孔１２にネジ１３を螺合して方形に組み
立てた枠部、あるいは横枠部材９、９’間に無目３８を
設けた枠部に、バックアップ材１４を介してガラス板１
０を構造用シール材１５にて貼着すればよく、前記逆凹
部６内にはブラインドを装着するボックス１６を内設す
る。

【０００９】ユニットパネル１を装着するスパンドレル
１７の端面には、窓の下方となる下部横部材１８と下階
の窓の上方となる上部横部材１９とを固着するが、該横
部材の取り付けはプレキャストコンクリート内に設けて
その端面側に開口するＣ形断面のアンカーレール２０に
図６に示すＵ形ナット２１を前もって挿入し、該レール
に台座２２を挟み長孔２３を穿設する前記上・下部横部
材１８、１９を回り止２４とバネワッシャ２５等を介し
てＵ形ナット２１にボルト２６を螺合し、前記長孔２３
に沿ってガラス板１０の面外方向、アンカーレール２０
に沿ってＵ形ナット２１を移動する面内方向の調節をし
ボルト２６を緊締すれば上・下部横部材１８、１９を所
定の位置に固定されるが、その固定は横部材の底面板２
８、２８’に設けた長孔２３の周りに鋸状の溝部３７を
設け、該溝部に噛み合う回り止２４とバネワッシャ２５
とによりボルト２６は緩むことはなく、上・下部横部材
１９、１８とスパンドレル１７との間、すなわち台座２
２の厚み部分にはウエザーシール４０を充填する。

【００１０】上部横部材１９の断面形状は室外側の化粧
板２７と底面板２８と挿脱自在な室内側の側面板２９か
らなる逆凹状で、その内面には化粧板２７の裏面にビー
ド３０と並列の気密ガスケット３１とを挿着する溝座３
２を並設するが、該気密ガスケットの一方を底面側２８
に他方を前記側面板２９に、その配列ピッチは前記ユニ
ットパネル１に設けた押圧面８、８に合わせて設ける。

【００１１】下部横部材１８の断面も室外側の化粧板２
７’と仕切り板３３と底面板２８’と室内側の側面板２
９’からなり、該側面板から室内に張り出す取付部材３
９’には横枠部材１８の室内側を隠す腰部材３９を設
け、化粧板２７’の裏面にはビート３０’を取り付け、
化粧板２７’と仕切り板３３との間の底面板２８’と、
該仕切り板と底面板２８’との付け根とに水抜き孔３４
を設け、ボルト２６の頭部分はキャップ３５を被せ底面
板２８’上に独立気泡体からなるスポンジの気密材３６
を充填する。

【００１２】上部横部材の側面板２９、下部横部材の化
粧板２７’および取付部材３９’は、相手側、すなわち
底面板２８、横枠部材９’および下部横部材の側面板２
９’と各々が着脱自在に係合して取り付けられるもので
ある。

【００１３】以下、本発明の組み立てとその作用を説明
する。スパンドレル１７のプレキャストコンクリート内
に設けられたアンカーレール２０に台座２２を介して固
着する横部材１８、１９の取り付け位置は、スパンドレ
ル１７の面内方向にアンカーレール２０に沿ってＵ形ナ
ット２１を移動し、面外方向は横部材の底面板に設けた
長孔２３により調整し、台座２２により設けられたスパ
ンドレル１７と横部材１８、１９間の空隙には、ウエザ
ーシール材４０を充填、上部横部材の化粧板２７にはビ
ード１４を、底面板２８に固着する溝座３２には気密ガ
スケット３１の一方を取り付け、側面板２９に設けた溝
座３２にも気密ガスケット３１を装着するが、嵌脱着自
在な該側面板は前もって取り外しておき、下部横部材１
８を固定するボルト２６の頭部にはキャップ３５を挿入
し、該キャップと底面板２８’とが当接する部分にはウ
エザーシール材を塗布して封止し、仕切板３３、底面板
２８’、側面板２９’で形成する窪みの部分には、気密
材３６を充填する。

【００１４】横枠部材９、９’と縦枠部材５、５あるい
は無目３８を組み合わせた方形な枠にバックアップ材１
４を介してガラス板１０を構造用シール材１５で貼着し
た工場製作のユニットパネル１を現場に持ち込み、該パ
ネルの横枠部材９’を室内側から下部横部材１８の窪み
内に斜めに挿入して気密材３６に接触するユニットパネ
ル１を垂直に起こし、その縦枠部材の嵌合部２と隣接の
ユニットパネル１に設けた縦枠部材の嵌合部２とをシー
ル材３を介して嵌着させると、化粧板２７に取り付けた
ビード３０にガラス板１０の上縁を当接させ、底面板２
８に設けた溝座３２に取り付けた気密ガスケット３１の
一方にユニットパネルの一方の押圧面８が接圧、他方の
押圧面８も側面板２９の取り付けと共に該側面板に溝座
３２を介して設けた気密ガスケット３１に接圧し、ビー
ド３０’を設けた化粧板２７’を横枠部材９’に取り付
ければ、気密ガスケット３１、３１により横枠部材９、
シール材３、３により縦枠部材５、５、独立気泡からな
るスポンジタイプの気密材３６により横枠部材９’との
接合部の気密を保持し、ユニットパネル１の四周の気密
により室外内の気密を保ち、ビード３０’とガラス板１
０面とから浸水した雨水は、仕切板３３、化粧板２７’
に穿設した水抜き孔３４より排水される。

【００１５】スパンドレル１７、１７間の開口両端に
は、ユニットパネルの縦枠部材５に嵌め合う部材を設け
て封着することは言うまでもない。

【００１６】

【発明の効果】本発明は、軽量化した枠組みにブライン
ドボックスを組み込む高付加価値、工場製作に伴う高度
の品質を有したユニットパネルを、ドライシールを使用
した嵌め込みによる免震構造で連設し、現場打設のシー
ルを解消することにより迅速な取り付けと現場作業の省
力化に大幅につながり、等気圧理論を採用した気密ガス
ケット、気密材、シ−ル材等により気密を確保する。

【図面の簡単な説明】

【図１】図５のスパンドレル間の一部を切欠したＢ−Ｂ
視の断面図を示す。

【図２】無目を設けた図５の一部を切欠のＣ−Ｃ視の断
面斜視図を示す。

【図３】図５の一部を切欠したＡ−Ａ視の切断図を示
す。

【図４】ユニットパネルの斜視図を示す。

【図５】ユニットパネルをスパンドレルに装着した一部
を切欠する外形正面図を示す。

【図６】スパンドレルに横部材を取り付ける取付金具の
分解斜視図を示す。

【符号の説明】１ ・・・・・ユニットパネル ３・・・・・シール材 ５・・・・・縦枠部材 ６・・・・・逆凹部 ７・・・・・凹部 ８・・・・・押圧面 ９、９’・・横枠部材 １０・・・・・ガラス板 １５・・・・・構造用シール材 １６・・・・・ブラインドボックス １７・・・・・スパンドレル ２９・・・・・側面板 ３１・・・・・気密ガスケット ３２・・・・・溝座

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大下 淳宏 東京都千代田区神田錦町３丁目７番地１ セントラル硝子株式会社本社内 (72)発明者 藤田 和弥 東京都千代田区神田錦町３丁目７番地１ セントラル硝子株式会社本社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】左に凹状、右に凸状あるいはその逆にシー
   ル材を介して嵌め合う縦枠部材と、上下の横枠部材もし
   くは該横枠部材間の中間に挿入の無目とで方形に組み立
   てた枠体に構造用シール材でガラス板を貼着したユニッ
   トパネルにおいて、上方となる前記横枠部材に下方開口
   の逆凹部を設け、該逆凹部にブラインド用のボックスを
   内設したを特徴とするユニットパネル。
2. 【請求項２】前記逆凹部の両脇に上方開口の凹部をＷ字
   状に配設し、該凹部の外方側面上端に接圧して封止する
   押圧面を設けたことを特徴とする請求項１記載のユニッ
   トパネル。
3. 【請求項３】横方向に連続するスパンドレルの上下端面
   に固着する凹状の横部材間に前記ユニットパネルを挿着
   するユニットパネルの取付構造において、上方に配設す
   る前記横部材の内面に気密ガスケットを並設し、該気密
   ガスケットを挿着する溝座の一方を室内側の挿脱自在な
   側面板に配設したことを特徴とするユニットパネルの取
   付構造。