JPH07116848A - 自動溶接方法及び装置 - Google Patents

自動溶接方法及び装置

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JPH07116848A
JPH07116848A JP28567993A JP28567993A JPH07116848A JP H07116848 A JPH07116848 A JP H07116848A JP 28567993 A JP28567993 A JP 28567993A JP 28567993 A JP28567993 A JP 28567993A JP H07116848 A JPH07116848 A JP H07116848A
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Japan
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welding
welding torch
signal
vertical
lateral
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JP28567993A
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Hiroshi Miyahara
洋 宮原
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Japan Steel Works Ltd
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Japan Steel Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 自動溶接装置の構造及び溶接方法を簡単にす
る。 【構成】 溶接用電源48は、被溶接物が設置される台
及び溶接トーチに電流を供給し、溶接電流信号50を制
御装置52に入力する。制御装置52は、往復運動位置
演算器68による往復運動位置信号70と、溶接電流信
号50及び往復運動位置信号70に基づいて横方向修正
値演算器72により演算した横方向修正信号74と、に
基づいた横方向駆動信号54を出力する横方向駆動装置
62により横方向移動装置12を制御し、溶接電流信号
50に基づいて上下方向修正値演算器76により演算し
た上下方向修正信号78に基づいた上下方向駆動信号5
6を出力する上下方向駆動装置60により上下方向移動
装置18を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動溶接方法及び装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の自動溶接方法及び装置としては、
特公平3−79107号公報に示されるものがある。こ
れに示される自動溶接方法及び装置は、溶接トーチを一
定周期で揺動可能に支持する揺動装置と、揺動装置及び
溶接トーチを水平方向に移動可能な横方向移動装置と、
揺動装置及び溶接トーチを上下方向に移動可能な上下方
向移動装置と、を備えた構造である。溶接方法は、揺動
装置により横方向に一定周期で揺動させて溶接トーチと
溶接線との位置ずれを検出し、この後、横方向移動装置
により位置ずれを修正し、上下方向移動装置により上下
方向の位置ずれを修正している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の自動溶接方法及び装置では、揺動装置により溶接ト
ーチを揺動させて溶接線との位置ずれを検出して、この
後、横方向移動装置により溶接トーチを横方向に移動さ
せて位置ずれを修正するので、溶接トーチを駆動するた
めに揺動装置と横方向移動装置とを用いなければならな
い。このため、動作にむだが多いとともに、機構が複雑
になるという問題がある。本発明は、このような課題を
解決するためのものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶接トーチの
位置ずれを検出するための動作と、位置ずれを修正する
ための動作とを、ともに横方向移動装置によって行わせ
ることにより、上記課題を解決する。すなわち、本発明
の自動溶接方法は、溶接線に沿って自動的に溶接トーチ
を移動させてアーク溶接を行う方法において、溶接トー
チの移動方向に直交する面内において溶接トーチを一定
周期で横方向に往復運動させること、溶接電流の周波数
成分のうち溶接トーチの往復運動周期と同一の周波数成
分を検出すること、1往復運動期間中の平均溶接電流値
を検出すること、検出した上記往復運動周期と同一の周
波数成分が小さくなるように溶接トーチを往復運動させ
るとともに横方向に移動させること、検出した上記平均
溶接電流と、これの初期値との差が小さくなるように溶
接トーチを上下方向に移動させること、を特徴とする。
また、本発明の自動溶接装置は、溶接線(42)に沿っ
て自動的に溶接トーチ(10)を移動させてアーク溶接
を行うものにおいて、横方向移動装置(12)と、上下
方向移動装置(18)と、縦方向移動装置(33)と、
台(40)と、溶接用電源(48)と、制御装置(5
2)と、を有しており、横方向移動装置(12)は、溶
接トーチ(10)を溶接線(42)に沿った方向に直交
する面内において横方向に一定周期で往復運動可能及び
横方向に移動可能に支持しており、上下方向移動装置
(18)は、上下方向に移動可能に横方向移動装置(1
2)を連結しており、縦方向移動装置(33)は、溶接
線(42)に沿った方向に移動可能に上下方向移動装置
(18)を連結しており、台(40)は、これに被溶接
物(36、38)を設置可能であり、溶接用電源(4
8)は、台(40)及び溶接トーチ(10)に電流を供
給可能であるとともに、制御装置(52)に溶接電流信
号(50)を出力可能であり、制御装置(52)は、溶
接トーチ(10)の往復運動位置を演算し、往復運動位
置信号(70)を出力可能な往復運動位置演算器(6
8)と、溶接用電源(48)からの溶接電流信号(5
0)及び往復運動位置演算器(68)からの往復運動位
置信号(70)に基づいて横方向修正値を演算し、横方
向修正信号(74)を出力可能な横方向修正値演算器
(72)と、溶接用電源(48)からの溶接電流信号
(50)に基づいて上下方向修正値を演算し、上下方向
修正信号(78)を出力可能な上下方向修正値演算器
(76)と、横方向修正信号(74)及び往復運動位置
信号(70)に基づいて横方向駆動量を演算し、横方向
駆動信号(54)を出力して横方向移動装置(12)を
制御可能な横方向駆動装置(62)と、上下方向修正信
号(78)に基づいて上下方向駆動量を演算し、上下方
向駆動信号(56)を出力して上下方向移動装置(1
8)を制御可能な上下方向駆動装置(60)と、を有し
ている、ことを特徴とする。なお、かっこ内の符号は実
施例の対応する部材を示す。
【0005】
【作用】上記のような構成によって、溶接トーチの位置
ずれが修正可能であるのは次のような原理による。すな
わち、溶接トーチの位置ずれの大きさと方向について、
大きさは、溶接電流の周波数成分のうち溶接トーチの往
復運動周期と同一の周波数成分の大きさに対応させるこ
とができ、また、方向はトーチ往復運動に対する前記の
周波数成分の位相の正逆関係によって決定できる。この
ことは、次の説明から明らかである。溶接電流は、ワイ
ヤ先端と相手部材との距離に対応している。すなわち上
記距離が小さいほど電流が増大する。例えば、図9に示
すように溶接トーチが溶接線から大きく位置ずれする
と、左側の斜面Mは溶接電流にほとんど影響を与えず、
右側の斜面Nのみとの関係で溶接電流が決定される。従
って、1往復運動周期中に溶接トーチは斜面Nに1回最
も接近し、また1回最も遠ざかり、これに応じて1回だ
け最大電流が得られ、また1回だけ最小電流が得られ
る。このため、溶接電流は図10に示すように変化す
る。このように溶接電流の周期は往復運動周期と一致し
ている。従って、溶接電流の、溶接トーチの往復運動周
期と同一の周波数成分の大きさ(振幅)は大きくなって
いる。一方、図11に示すように、溶接トーチの位置ず
れが比較的小さい場合には、斜面M側に接近したときに
もこれの影響を受ける。しかし、斜面Mの影響の度合い
は、斜面Nの影響の度合いよりも小さい。従って、図1
2に示すように、溶接電流は1往復運動周期中に大小2
つの山を生ずることになる。すなわち、溶接トーチの往
復運動周期と同一の周波数成分とこれ以外の成分とを合
成した電流波形が得られる。このため、溶接トーチの往
復運動周期と同一の周波数成分の度合いは相対的に小さ
くなっている。更に、図13に示すように、溶接トーチ
のずれがまったくない状態になると、1往復運動周期中
に斜面Mと斜面Nとが同等の影響を与え、図14に示す
ように、往復運動周期と同一の周波数成分は存在しない
ことになる。このように、図9から図14の状態に変化
するに従って、往復運動周期と同一の周波数成分が減少
していく(換言すれば、1回の往復運動について電流変
化が1回発生する度合いが減少していく)。従って、上
述のように、溶接電流の、溶接トーチの往復運動周期と
同一の周波数成分の大きさ(振幅)は、溶接トーチの溶
接線からの位置ずれの大きさに応じて増大していくこと
になる。一方、溶滴の落下、ワイヤの曲がり、ワイヤ送
給速度の変動、仮付部の有無などの条件の変化による影
響は、これらの周波数成分が溶接トーチの往復運動周期
と異なるため、溶接トーチの往復運動周期と同一の周波
数成分の大きさにほとんど影響を与えない。一方、溶接
トーチのずれの方向によって位相の正逆関係が相違する
ことは、図15及び図16と図17及び図18とを比較
すれば明らかである。すなわち、M面とN面との影響度
合いは溶接トーチのずれの方向によってまったく逆とな
る。従って、同一トーチの往復運動に対して、電流波形
の位相関係は正逆の関係(同位相又は逆位相の関係、す
なわち、180度の位相差を持つ関係)になり、このた
めに、電流の周波数成分のうちトーチ往復運動周期と同
一の周波数成分の位相関係も正逆の関係になる。以上の
ようにして、溶接電流の周波数成分のうち溶接トーチの
往復運動周期と同一の周波数成分の大きさと位相の正逆
関係とから溶接トーチの位置ずれの度合いと方向とを求
めた後、ずれの度合いに応じた(比例した)量だけ逆方
向にトーチ位置を移動させる。これにより溶接トーチの
位置は溶接線の真上に接近するので、この操作を繰り返
して行うことにより溶接トーチを溶接線の真上に移動さ
せ保持することが可能になる。更にいえば、上述した溶
接電流の周波数成分のうち溶接トーチの往復運動周期と
同一の周波数成分の大きさ及び位相の正逆関係は、具体
的には、溶接電流と溶接トーチの往復運動量とを乗算
し、乗算値を各往復運動周期ごとに積分して得られる積
分値の絶対値及びその正負の関係として求めることが可
能である。従って、溶接電流と溶接トーチの往復運動量
とを乗算するとともに乗算値を各往復運動周期ごとに積
分し、上記積分によって得られる積分値の正負から、溶
接トーチの修正方向を決定し、この修正方向に上記積分
値の絶対値に応じた量だけ溶接トーチの往復運動中心位
置を移動すれば、上記のような往復運動条件の変動によ
って影響されることなく、溶接トーチの位置を溶接線上
に一致させることができる。上記演算によって、溶接ト
ーチの往復運動周期と同一の周波数成分が取り出せるこ
とは、フーリエ級数に基づいて説明される。すなわち、
関数f(t)が−π≦t≦πの変域で周期的である場合
には、
【数1】 と展開することができ、ここで
【数2】
【数3】 である。従って、往復運動周期と同一の周波数成分は、
【数4】
【数5】 であるが、トーチの往復運動動作が正弦波(sint)
状になるように往復運動させることによって、a1 は考
慮不要となり、往復運動周期と同一の周波数成分(基本
波成分)Sは、S=b1 となる。従って、溶接電流(f
(t))と溶接トーチの往復運動量とを乗算し、乗算値
を各往復運動周期ごとに積分するということは、上記演
算を行っていることに相当し、基本波成分Sを求めてい
ることになる。いま溶接トーチが、図19のように往復
運動中心線軸方向の、ある初期位置に位置し、図20の
ような電流波形を示しているものとすると、電流の平均
値はIm0 であり、1往復運動周期中の電流変化の大き
さはIb0 −Ia0 である。溶接中に溶接トーチが図2
1のように往復運動中心線軸方向に沿って溶接線に近づ
く方向にずれた場合(すなわち、上下方向位置yが図1
9のy0 から図21のy1 に減少したとき)、電流の平
均値が図20のIm0 から図22のIm1 に増加し、さ
らに1往復運動周期中の電流変化の大きさもIb0 −I
a0 からIb1 −Ia1 に増加する。逆に溶接トーチが
溶接線から遠ざかる方向にずれた場合、上記説明とは反
対に、電流の平均値は減少し、さらに1往復運動周期中
の電流変化の大きさも減少する。これは次の理由によ
る。溶接電流は、ワイヤ先端と相手部材との距離が近い
ほど大きくなるので、溶接トーチが溶接線に近づくほど
平均電流も大きくなる。また、同一の振幅で溶接トーチ
を往復運動させた場合、溶接トーチが溶接線に近いほど
ワイヤ先端と相手部材との最接近距離(往復運動位置c
またはbでの斜面M又はNへの距離)と最離反距離(往
復運動位置aでの斜面M又はNへの距離)の差異が大き
くなるので、電流変化の度合いも大きくなる。以上説明
したように、平均溶接電流は、溶接トーチの上下方向位
置yによって変化するので、平均溶接電流を初期値(適
正条件下で溶接開始した直後のそれぞれの値)からの変
化分(増減)が小さくなるように溶接トーチを往復運動
中心線軸方向に移動すれば、溶接トーチの往復運動中心
線軸方向の位置を一定に保つことができる。
【0006】
【実施例】図2に本発明の実施例を示す。溶接トーチ1
0は、横方向移動装置12に横方向(図2中左右方向)
に一定周期で往復運動可能に及び横方向に移動可能に支
持部材11を介して連結されている。横方向移動装置1
2はモータ13を有しており、このモータ13を作動さ
せることにより溶接トーチ10を横方向に一定周期で往
復運動させること、及び横方向に移動させること、がそ
れぞれ可能である。溶接トーチ10には溶接ワイヤ送給
装置14から溶接用のワイヤ16を送給可能である。横
方向移動装置12は、上下方向移動装置18に支持部材
20を介して連結されている。上下方向移動装置18は
モータ22を有しており、このモータ22を作動させる
ことにより、支持部材20を図2中で上下方向に移動可
能である。すなわちモータ22を駆動させることによ
り、横方向移動装置12及びこれに支持された溶接トー
チ10を上下方向に移動可能である。モータ13及び2
2は、パルスモータであり、入力される正転用又は逆転
用パルスに応じて正転又は逆転する。上下方向移動装置
18は、フレーム24上に軸受26及び28を介して縦
方向(紙面に直交する方向)に移動可能に支持された走
行台30上に設けられている固定部材32に、支持部材
34を介して連結されている。走行台30は縦方向移動
装置33によって移動可能である。走行台30を移動さ
せることにより、溶接トーチ10を紙面に直交する方向
に移動可能である。被溶接物36及び38は、台40上
に設置される。被溶接物36及び38の接触面端部が溶
接すべき溶接線42である。溶接ワイヤ送給装置14及
び台40は、それぞれケーブル44及び46によって溶
接用電源48に接続されている。溶接用電源48からの
溶接電流信号50は、制御装置52に入力可能である。
制御装置52は、モータ13へ回転量及び回転方向を指
令する信号54、及びモータ22へ回転量及び回転方向
を指令する信号56を出力可能である。
【0007】次に、図1に基づいて、本発明の構成要素
間の関係を説明する。溶接用電源48の出力する溶接電
流信号50が横方向修正値演算器72及び上下方向修正
値演算器76に入力される。往復運動演算器68は、あ
らかじめ設定された振幅と周波数とにより、sin曲線
の時々刻々の往復運動位置を演算し、往復運動位置信号
70を横方向修正値演算器72及び横方向駆動装置62
に出力する。横方向修正値演算器72では、溶接電流信
号50及び往復運動位置信号70に基づいて横方向修正
値を演算し、横方向修正信号74を横方向駆動装置62
へ出力する。横方向駆動装置62では、往復運動位置信
号70及び横方向修正信号74に基づいて横方向駆動量
を演算し、横方向駆動信号54を横方向移動装置12の
モータ13に出力する。上下方向修正値演算器76で
は、溶接電流信号50に基づいて上下方向修正値を演算
し、上下方向修正信号78を上下方向駆動装置60に出
力する。上下方向駆動装置60では、上下方向修正信号
78に基づいて上下方向駆動量を演算し、上下方向駆動
信号56を上下方向移動装置18のモータ22に出力す
る。
【0008】次に、本実施例の作用について図3に示す
フローチャートに基づいて説明する。まず、縦方向移動
装置33を起動して、走行台30を移動させることによ
り、溶接トーチ10の走行を開始する(ステップ10
0)。次いで、マイクロコンピュータ58に溶接電流記
憶場所の設定を行う(同102)。次いで、割込みプロ
グラムの割込みを可能にする(同104)。次いで、図
4に示す割込みプログラムに移行する。まず、溶接用電
源48から溶接電流が入力される(同106)。次い
で、制御装置52に溶接電流が記憶される(同10
8)。次いで、溶接トーチ10の振幅Wを、W=Wn・
sinθの式で演算する(同110)。次いで、振幅W
及び後述の作動指令信号Dに基づいて駆動信号XをX=
W+Dの式で演算する(同112)。次いで、駆動信号
Xをモータ13へ出力する(同114)。次いで、後述
する駆動信号Eをモータ22へ出力する(同116)。
次いで、溶接作業を終了するかどうかを判断する(同1
17)。終了する場合は、割込みプログラムの割込みを
不可能とし(同118)、溶接トーチ10の走行を停止
し(同120)、終了する。一方、終了しない場合は、
溶接トーチ10が往復運動の中点にあるかどうかを判断
する(同122)。往復運動の中点にない場合は、割込
みプログラムによって溶接トーチ10が往復運動の中点
に位置するまで、ステップ122を繰り返し、往復運動
の中点にある場合は、割込みプログラムの割込みを不可
能にする(同124)。次いで、マイクロコンピュータ
58に溶接電流記憶場所の設定を行う(同126)。次
いで、割込みプログラムの割込みを可能にする(同12
8)。次いで、ステップ102で設定した溶接電流記憶
場所の読出しを行う(同130)。次いで、溶接用電源
48からの溶接電流信号50に含まれる周波数成分のう
ち溶接トーチ10の往復運動周期と一致する周波数成分
Sを、
【数6】 の式で演算する(同132)。ここで、Sの値の大きさ
は溶接トーチ10の往復運動周期と一致する周波数成分
の大きさに略比例し、Sの値の正負は往復運動に対する
周波数成分の位相の正逆に一致している。次いで、平均
溶接電流値Qを、
【数7】 の式で演算する(同134)。ここで、この関係を図に
よって示すと、図5〜8に示すようになる。すなわち、
図5に示すように、溶接トーチ10の溶接線42からの
横方向への位置ずれをxとし、上下方向の位置をyとす
る。また溶接電流の周波数成分のうち溶接トーチ10の
往復運動周期と同一の周波数成分の大きさをz1 とし、
平均溶接電流をz3 とする。このようにすれば、xとz
1 との関係は図6に示すようになる。すなわちxの絶対
値の増大に伴ってz1 の値も増大する。また、図7に示
すように、溶接トーチ10の横方向の位置ずれの方向
(すなわち、xの値の正負)に応じてz1 の位相が逆転
する。これによって溶接トーチ10の位置ずれの方向を
検知することができる。また、図8に示すように、yの
増大に伴ってz3 は減少する(この理由は、yの増大に
伴って、いわゆるワイヤ突出長(図5のe)が大となる
ことから、この部分のジュール発熱特性が変化し、溶接
電流の電圧電流特性に基づいて溶接電流値が減少するか
らである)。次いで、Sの値に比例して作動指令信号D
が演算される(同136)。次いで、作動指令信号Eを
E=g(Q−Q0 )の式で演算する(同138)。ここ
で、Q0 は溶接開始直後の適正条件下での(すなわち、
図8のy=y0 における)Qの値である。また、比例係
数は、使用するモータ13及び22の回転特性によって
異なるが、大きくすればトーチ位置修正の応答性が良く
なり、逆に小さくすれば安定性が増す傾向を考慮して適
宜決定される。この作動指令信号D及びEが割込みプロ
グラムに入力される。これにより、溶接トーチ10の往
復運動周期ごとに溶接トーチ10の横方向位置及び上下
方向位置が調節されることとなる。
【0009】上記のような制御装置52の作用によって
溶接トーチ10は、常に溶接線42の真上で、しかも一
定高さに位置するように制御される。例えば、溶接トー
チ10の位置が溶接線42の真上位置から横方向にずれ
た場合、溶接電流中に含まれる周波数成分のうち溶接ト
ーチ10の往復運動周期と同一の周波数成分は大きくな
る(図6参照)が、横方向駆動装置62からの横方向駆
動信号54はこれを小さくする方向にモータ13を回転
させる。モータ13の回転方向は横方向駆動信号54の
正負に応じて決定され、溶接トーチ10は溶接線42の
真上位置に水平移動される。溶接トーチ10が溶接線4
2の真上に位置している場合は、溶接電流中に含まれる
周波数成分のうち溶接トーチ10の往復運動周期と同一
の周波数成分は極めて小さくなるので、モータ13はほ
とんど回転せず溶接トーチ10も横移動しない。一方、
溶接トーチ10の位置が溶接線42の真上位置の初期位
置(溶接開始直後の位置(高さ)であり、図8のy0
該当)から更に上方向にずれた場合(すなわち、yの値
が大きくなった場合)、平均溶接電流値が小さくなる
(図8参照)。従って、作動指令信号Eは負の値をと
り、その絶対値は大きくなるが、上下方向駆動装置60
からの上下方向駆動信号56は、この絶対値を小さくす
る方向にモータ22を回転させる。逆に溶接トーチ10
の位置が下方にずれた場合は、作動指令信号Eは正の値
をとり、その絶対値は大きくなるが、同様に上下方向駆
動信号56はこの絶対値を小さくする方向にモータ22
を回転させる。モータ22の回転方向は上下方向駆動信
号56の正負に応じて決定され、溶接トーチ10は溶接
線42の真上位置の初期位置(高さ)に一致するように
上下移動される。溶接トーチ10が溶接線42の真上位
置の初期位置(高さ)にある場合には、作動指令信号E
は極めて小さくなるので、モータ22はほとんど回転せ
ず、溶接トーチ10も上下動しない。上記のようにして
溶接トーチ10は溶接中常に溶接線42の真上の一定位
置(高さ)に保持され、走行台30の移動によって溶接
が行われる。溶接中には、溶滴の落下、ワイヤの曲が
り、ワイヤ送給速度の変動、ワイヤの溶け方の不均一、
仮付部の有無などの条件の変動を生ずるが、これらの変
動の周波数成分は溶接トーチ10の往復運動周期の周波
数成分とは相違しており、溶接トーチ10の往復運動周
期と同一の周波数成分に対してはほとんど影響を与えな
い。従って、上記のような溶接条件の変動にもかかわら
ず溶接トーチ10は確実に溶接線42の真上の一定位置
(高さ)に保持される。
【0010】
【発明の効果】本発明によれば、溶接トーチの位置ずれ
を検出するための往復運動と、位置ずれを修正するため
の横方向の移動とを、ともに同一の横方向移動装置によ
って行うようにしたので、専用の往復運動装置(又は揺
動装置)が不要になり、装置を小型化することができる
とともに、価格を低減することができる。また、往復運
動中心位置を検出する往復運動中心位置センサが不要な
ため、電気配線の省力化を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成要素間の関係を示す図である。
【図2】本発明の実施例を示す図である。
【図3】制御方法のフローチャートを示す図である。
【図4】割込みプログラムのフローチャートを示す図で
ある。
【図5】位置ずれした状態の溶接トーチを示す図であ
る。
【図6】横方向の位置ずれ量と周波数成分電流値との関
係を示す線図である。
【図7】横方向の位置ずれと位相との関係を示す線図で
ある。
【図8】溶接トーチの上下方向位置と平均溶接電流値と
の関係を示す図である。
【図9】位置ずれが大きい場合の溶接トーチの往復運動
状態を示す一例である。
【図10】図9の状態の電流波形を示す図である。
【図11】位置ずれが小さい場合の溶接トーチの往復運
動状態を示す一例である。
【図12】図11の状態の電流波形を示す図である。
【図13】位置ずれがない場合の溶接トーチの往復運動
状態を示す一例である。
【図14】図13の状態の電流波形を示す図である。
【図15】右方向へ位置ずれした場合の溶接トーチの往
復運動状態を示す一例である。
【図16】図15の状態の電流波形を示す図である。
【図17】左方向へ位置ずれした場合の溶接トーチの往
復運動状態を示す一例である。
【図18】図17の状態の電流波形を示す図である。
【図19】溶接トーチが溶接線から離れている場合の往
復運動周期中の状態を示す図である。
【図20】図19の状態の電流波形を示す図である。
【図21】溶接トーチが溶接線に接近している場合の往
復運動周期中の状態を示す図である。
【図22】図21の状態の電流波形を示す図である。
【符号の説明】
10 溶接トーチ 12 横方向移動装置 18 上下方向移動装置 33 縦方向移動装置 36、38 被溶接物 40 台 42 溶接線 48 溶接用電源 50 溶接電流信号 52 制御装置 60 上下方向駆動装置 62 横方向駆動装置 56 上下方向駆動信号 54 横方向駆動信号 68 往復運動位置演算器 70 往復運動位置信号 72 横方向修正値演算器 74 横方向修正信号 76 上下方向修正値演算器 78 上下方向修正信号

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接線に沿って自動的に溶接トーチを移
    動させてアーク溶接を行う自動溶接方法において、 溶接トーチの移動方向に直交する面内において溶接トー
    チを一定周期で横方向に往復運動させること、 溶接電流の周波数成分のうち溶接トーチの往復運動周期
    と同一の周波数成分を検出すること、 1往復運動期間中の平均溶接電流値を検出すること、 検出した上記往復運動周期と同一の周波数成分が小さく
    なるように溶接トーチを往復運動させるとともに横方向
    に移動させること、 検出した上記平均溶接電流と、これの初期値との差が小
    さくなるように溶接トーチを上下方向に移動させるこ
    と、 を特徴とする自動溶接方法。
  2. 【請求項2】 溶接線(42)に沿って自動的に溶接ト
    ーチ(10)を移動させてアーク溶接を行う自動溶接装
    置において、 横方向移動装置(12)と、上下方向移動装置(18)
    と、縦方向移動装置(33)と、台(40)と、溶接用
    電源(48)と、制御装置(52)と、を有しており、 横方向移動装置(12)は、溶接トーチ(10)を溶接
    線(42)に沿った方向に直交する面内において横方向
    に一定周期で往復運動可能及び横方向に移動可能に支持
    しており、 上下方向移動装置(18)は、上下方向に移動可能に横
    方向移動装置(12)を連結しており、 縦方向移動装置(33)は、溶接線(42)に沿った方
    向に移動可能に上下方向移動装置(18)を連結してお
    り、 台(40)は、これに被溶接物(36、38)を設置可
    能であり、 溶接用電源(48)は、台(40)及び溶接トーチ(1
    0)に電流を供給可能であるとともに、制御装置(5
    2)に溶接電流信号(50)を出力可能であり、 制御装置(52)は、 溶接トーチ(10)の往復運動位置を演算し、往復運動
    位置信号(70)を出力可能な往復運動位置演算器(6
    8)と、 溶接用電源(48)からの溶接電流信号(50)及び往
    復運動位置演算器(68)からの往復運動位置信号(7
    0)に基づいて横方向修正値を演算し、横方向修正信号
    (74)を出力可能な横方向修正値演算器(72)と、 溶接用電源(48)からの溶接電流信号(50)に基づ
    いて上下方向修正値を演算し、上下方向修正信号(7
    8)を出力可能な上下方向修正値演算器(76)と、 横方向修正信号(74)及び往復運動位置信号(70)
    に基づいて横方向駆動量を演算し、横方向駆動信号(5
    4)を出力して横方向移動装置(12)を制御可能な横
    方向駆動装置(62)と、 上下方向修正信号(78)に基づいて上下方向駆動量を
    演算し、上下方向駆動信号(56)を出力して上下方向
    移動装置(18)を制御可能な上下方向駆動装置(6
    0)と、 を有している、 ことを特徴とする自動溶接装置。
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