JPH07116591B2 - 不透明薄膜の製造方法 - Google Patents
不透明薄膜の製造方法Info
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- JPH07116591B2 JPH07116591B2 JP15653589A JP15653589A JPH07116591B2 JP H07116591 B2 JPH07116591 B2 JP H07116591B2 JP 15653589 A JP15653589 A JP 15653589A JP 15653589 A JP15653589 A JP 15653589A JP H07116591 B2 JPH07116591 B2 JP H07116591B2
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- thin film
- film
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、種々の薄膜製造方法において、熱線を輻射す
る基体加熱の手段を用い、さらに、上記熱線が透過する
透明板上に上記熱線を吸収する様な不透明薄膜を形成す
る不透明薄膜の製造方法に関するものである。
る基体加熱の手段を用い、さらに、上記熱線が透過する
透明板上に上記熱線を吸収する様な不透明薄膜を形成す
る不透明薄膜の製造方法に関するものである。
従来の技術 薄膜形成技術においては、一般に薄膜が形成される基体
を発熱体に固定して加熱することにより基体温度を適当
な温度に設定し、薄膜形成を行なう。この薄膜堆積中の
基体温度の設定が、薄膜の出来映えに大きく影響する場
合が多い。適当な温度制御により、真空蒸着法やスパッ
タリング法を用いた場合でも、基体上にエピタキシャル
成長をさせることも可能で、きわめて結晶性の優れた薄
膜を得ることが可能である。
を発熱体に固定して加熱することにより基体温度を適当
な温度に設定し、薄膜形成を行なう。この薄膜堆積中の
基体温度の設定が、薄膜の出来映えに大きく影響する場
合が多い。適当な温度制御により、真空蒸着法やスパッ
タリング法を用いた場合でも、基体上にエピタキシャル
成長をさせることも可能で、きわめて結晶性の優れた薄
膜を得ることが可能である。
発明が解決しようとする課題 基体を発熱体に固定して基体加熱し、薄膜形成を行なう
場合、発熱体と基体間の熱的接触が良好ではなく、基体
を比較的高温に加熱するためには、発熱体自身もかなり
高温となり、比較的強い熱線(赤外線)が放射される。
したがって、多くの場合、基体は上記熱線によって加熱
される傾向にあり、基体及び堆積される薄膜の熱線の吸
収率が基体温度に大きな影響を与える。特に、不透明な
薄膜を透明な基体上に形成する場合には、薄膜が形成さ
れることにより、熱線の吸収率が刻々と変化することに
なり、実効的な基体温度も薄膜形成中で一定しないとい
う問題がある。
場合、発熱体と基体間の熱的接触が良好ではなく、基体
を比較的高温に加熱するためには、発熱体自身もかなり
高温となり、比較的強い熱線(赤外線)が放射される。
したがって、多くの場合、基体は上記熱線によって加熱
される傾向にあり、基体及び堆積される薄膜の熱線の吸
収率が基体温度に大きな影響を与える。特に、不透明な
薄膜を透明な基体上に形成する場合には、薄膜が形成さ
れることにより、熱線の吸収率が刻々と変化することに
なり、実効的な基体温度も薄膜形成中で一定しないとい
う問題がある。
そのため、できた薄膜の結晶性が、膜の表面と内部で異
なったり、また、膜の堆積率が一定しないなどの問題が
ある。
なったり、また、膜の堆積率が一定しないなどの問題が
ある。
課題を解決するための手段 本発明の不透明薄膜の製造方法では、透明板の第1の表
面に不透明皮膜を形成したものを基体として利用し、こ
の基体を上記表面が発熱体に接触するように固定し、上
記透明板の上記第1の表面に対向する第2の表面に不透
明薄膜を堆積させるか、あるいは、不透明板もしくは少
なくとも一方の表面に不透明皮膜を形成した透明板と、
上記皮膜を形成していない透明板とが接触するよう重ね
合わせたものを基体として用い、上記不透明板もしくは
不透明皮膜を形成した透明板が発熱体に接触するように
固定し、上記不透明皮膜を形成していない透明板上に不
透明薄膜を堆積させることにより、不透明薄膜堆積中の
基体温度を安定化させ、制御性良く、高品質の不透明薄
膜を提供するものである。
面に不透明皮膜を形成したものを基体として利用し、こ
の基体を上記表面が発熱体に接触するように固定し、上
記透明板の上記第1の表面に対向する第2の表面に不透
明薄膜を堆積させるか、あるいは、不透明板もしくは少
なくとも一方の表面に不透明皮膜を形成した透明板と、
上記皮膜を形成していない透明板とが接触するよう重ね
合わせたものを基体として用い、上記不透明板もしくは
不透明皮膜を形成した透明板が発熱体に接触するように
固定し、上記不透明皮膜を形成していない透明板上に不
透明薄膜を堆積させることにより、不透明薄膜堆積中の
基体温度を安定化させ、制御性良く、高品質の不透明薄
膜を提供するものである。
さらに、発熱体の一部分に固定された、不透明板または
少なくとも一方の表面に不透明皮膜を形成した透明板の
温度を測定しながら不透明薄膜を形成することにより、
基板温度を堆積中に計測し、不透明薄膜形成の制御性を
さらに向上させることもできる。不透明皮膜としては、
白金などの金属や融点が発熱体の温度以上で、かつ、発
熱体からの熱線を吸収、または、反射する材料を用いる
場合、特に、有効である。
少なくとも一方の表面に不透明皮膜を形成した透明板の
温度を測定しながら不透明薄膜を形成することにより、
基板温度を堆積中に計測し、不透明薄膜形成の制御性を
さらに向上させることもできる。不透明皮膜としては、
白金などの金属や融点が発熱体の温度以上で、かつ、発
熱体からの熱線を吸収、または、反射する材料を用いる
場合、特に、有効である。
作用 発熱体に基体を固定して基体加熱し、透明板上に不透明
薄膜を堆積させる場合、発熱体からの熱線(赤外線)
が、透明板を透過し、直接、薄膜を加熱する。そして、
このことが、堆積した膜の厚さによって薄膜の熱線吸収
量が変化し、実効的な基体温度を変化させ、できあがっ
た膜の結晶性や堆積率が膜厚に対して一定しない原因の
1つであることを本発明者らは確認している。
薄膜を堆積させる場合、発熱体からの熱線(赤外線)
が、透明板を透過し、直接、薄膜を加熱する。そして、
このことが、堆積した膜の厚さによって薄膜の熱線吸収
量が変化し、実効的な基体温度を変化させ、できあがっ
た膜の結晶性や堆積率が膜厚に対して一定しない原因の
1つであることを本発明者らは確認している。
そこで、発熱体からの熱線が、直接薄膜を加熱しないよ
うに、透明板の薄膜を形成する表面との発熱体との間に
不透明皮膜を設ければ、基体自身が一様に加熱され、ま
た、不透明薄膜の膜厚の変化によって実効的な基体温度
も変化しなくなる作用があることを本発明者らは発見し
た。
うに、透明板の薄膜を形成する表面との発熱体との間に
不透明皮膜を設ければ、基体自身が一様に加熱され、ま
た、不透明薄膜の膜厚の変化によって実効的な基体温度
も変化しなくなる作用があることを本発明者らは発見し
た。
実 施 例 第1図及び第2図は、本発明の一実施例における不透明
薄膜の製造方法において薄膜形成の際の基体の発熱体へ
の固定状態を示したものである。
薄膜の製造方法において薄膜形成の際の基体の発熱体へ
の固定状態を示したものである。
発熱体11の内部には、カンタル線でできたヒーター(図
示せず)が内蔵されており、これに約2Aの電流を流すこ
とによって、発熱体11が約670℃に加熱される。透明板1
2にはMgO単結晶を利用し、上記透明板12の下面(発熱体
11と接触する面)には、あらかじめ、白金でできた不透
明皮膜13を直流マグネトロンスパッタリングによって約
100nm形成し、基体14としている。基体押え15を利用
し、基体14を発熱体11の上面16側に固定した。また、発
熱体11の下面17側には、温度計測用の不透明板18とし
て、MgO単結晶の下面に、基体14と同様に白金を100nm形
成し、上面には不透明薄膜として、Bi−Sr−Ca−Cu−O
化合物を約200nm形成したものを、基体押え15によっ
て、基体14と同じ状態で固定した。高周波マグネトロン
スパッタリング法を用い、Bi、Sr、Ca、Cu、Oの含まれ
た酸化物ターゲットを用い、アルゴン、酸素の混合気体
中(Ar:O2=2:1、圧力0.4Pa)でスパッタリングを行な
った。
示せず)が内蔵されており、これに約2Aの電流を流すこ
とによって、発熱体11が約670℃に加熱される。透明板1
2にはMgO単結晶を利用し、上記透明板12の下面(発熱体
11と接触する面)には、あらかじめ、白金でできた不透
明皮膜13を直流マグネトロンスパッタリングによって約
100nm形成し、基体14としている。基体押え15を利用
し、基体14を発熱体11の上面16側に固定した。また、発
熱体11の下面17側には、温度計測用の不透明板18とし
て、MgO単結晶の下面に、基体14と同様に白金を100nm形
成し、上面には不透明薄膜として、Bi−Sr−Ca−Cu−O
化合物を約200nm形成したものを、基体押え15によっ
て、基体14と同じ状態で固定した。高周波マグネトロン
スパッタリング法を用い、Bi、Sr、Ca、Cu、Oの含まれ
た酸化物ターゲットを用い、アルゴン、酸素の混合気体
中(Ar:O2=2:1、圧力0.4Pa)でスパッタリングを行な
った。
基体温度は、温度測定用不透明板18から輻射される熱線
を熱輻射温度計によって計測した。これにより温度測定
用不透明板18は約600℃に保たれていることがわかつ
た。この程度の温度で輻射される熱線は、MgO結晶中は
透過し、Bi−Sr−Ca−Cu−O化合物には吸収されること
がわかっている。基体14についても、温度測定用不透明
板18と同じ状態で発熱体11に固定されており、上記温度
測定用不透明板18と同じ温度になっていることを確認し
ている。このように、温度測定用不透明板18からの輻射
を用いて基体温度測定することは、温度測定が堆積と同
時に、さらに、非接触で行えることから、真空チャンバ
ーの外から温度計測ができ、また、熱電対などを利用す
る場合に問題である、高周波電源からの雑音の影響など
も防ぐことができるなどの特長がある。
を熱輻射温度計によって計測した。これにより温度測定
用不透明板18は約600℃に保たれていることがわかつ
た。この程度の温度で輻射される熱線は、MgO結晶中は
透過し、Bi−Sr−Ca−Cu−O化合物には吸収されること
がわかっている。基体14についても、温度測定用不透明
板18と同じ状態で発熱体11に固定されており、上記温度
測定用不透明板18と同じ温度になっていることを確認し
ている。このように、温度測定用不透明板18からの輻射
を用いて基体温度測定することは、温度測定が堆積と同
時に、さらに、非接触で行えることから、真空チャンバ
ーの外から温度計測ができ、また、熱電対などを利用す
る場合に問題である、高周波電源からの雑音の影響など
も防ぐことができるなどの特長がある。
第3図に、スパッタリング時間と形成された不透明薄膜
の膜厚の関係を示す。同図から、膜の堆積率は約13nm/m
inで一定していることがわかる。また、できた薄膜の結
晶性についても、いくつかの厚さの膜をX線回折法で測
定した結果、ほぼ同様に優れた結晶性を示していた。
の膜厚の関係を示す。同図から、膜の堆積率は約13nm/m
inで一定していることがわかる。また、できた薄膜の結
晶性についても、いくつかの厚さの膜をX線回折法で測
定した結果、ほぼ同様に優れた結晶性を示していた。
第4図には、比較のために、透明板12の裏面に不透明皮
膜13をつけずにBi−Sr−Ca−Cu−O薄膜形成を行なった
場合の、スパッタ時間とできた膜の膜厚の関係を示す。
このように、不透明皮膜13をつけない場合には、スパッ
タ時間と膜厚が比例せず、膜厚の増加にしたがって、堆
積率が減少している。通常、スパッタ蒸着においては、
基体温度が上昇するとスパッタされた材料の基体上への
付着係数が減少し、膜の堆積率が減少することが知られ
ている。このことから、Bi−Sr−Ca−Cu−O薄膜が形成
されることによって、発熱体11から輻射される熱線が基
体14を透過し、堆積した薄膜に吸収され、そのため、実
効的な基体温度が膜厚の増加とともに上昇していること
がわかる。また、堆積された膜の結晶性についても、膜
厚によって変化していることを確認している。
膜13をつけずにBi−Sr−Ca−Cu−O薄膜形成を行なった
場合の、スパッタ時間とできた膜の膜厚の関係を示す。
このように、不透明皮膜13をつけない場合には、スパッ
タ時間と膜厚が比例せず、膜厚の増加にしたがって、堆
積率が減少している。通常、スパッタ蒸着においては、
基体温度が上昇するとスパッタされた材料の基体上への
付着係数が減少し、膜の堆積率が減少することが知られ
ている。このことから、Bi−Sr−Ca−Cu−O薄膜が形成
されることによって、発熱体11から輻射される熱線が基
体14を透過し、堆積した薄膜に吸収され、そのため、実
効的な基体温度が膜厚の増加とともに上昇していること
がわかる。また、堆積された膜の結晶性についても、膜
厚によって変化していることを確認している。
また、上記実施例では、透明板であるMgO単結晶の裏に
白金をつけ、表にBi−Sr−Ca−Cu−O膜をつけたものを
基板温度測定用不透明板18として用いたが、特に、この
ような基板を用いる必要はなく、発熱体11から輻射され
た熱線が透過しないものであればよい。したがって、発
熱体11からの熱線に対して不透明な材料、あるいは、透
明板に不透明皮膜を形成したものであれば同様に有効で
ある。
白金をつけ、表にBi−Sr−Ca−Cu−O膜をつけたものを
基板温度測定用不透明板18として用いたが、特に、この
ような基板を用いる必要はなく、発熱体11から輻射され
た熱線が透過しないものであればよい。したがって、発
熱体11からの熱線に対して不透明な材料、あるいは、透
明板に不透明皮膜を形成したものであれば同様に有効で
ある。
また、第5図に示すように、基体55として、一方の表面
に不透明皮膜52として、白金を100nm形成したMgO単結晶
による透明板53と皮膜を形成していないMgO単結晶から
なる透明板54とを重ね合わせたものを利用し、第5図の
ように基体押え56によって、発熱体51に固定し、透明板
54上に不透明薄膜を形成する場合においても、不透明薄
膜の堆積率は、第3図のように薄膜の膜厚に依存せず一
定であることを確認した。したがって、この方法でも基
体55の温度は、不透明薄膜堆積中、安定に保たれている
ことを示している。また、不透明皮膜52が、透明板54の
側になるように重ね合わせた場合、あるいは、不透明皮
膜52を形成した透明板53の代わりに、発熱体51からの熱
線に対して不透明な材料でできた板を用いた場合でも、
同様な効果が得られることを確認している。このように
2枚の透明板53、54を重ね合わせたものを基体55に用い
る方法では、不透明薄膜が形成される透明板54の裏面に
直接不透明皮膜52を形成する必要がない。そのため、薄
膜形成後、その裏面を利用したり、基体中を光を透過さ
せる必要がある用途に利用するときなど特に有効であ
る。
に不透明皮膜52として、白金を100nm形成したMgO単結晶
による透明板53と皮膜を形成していないMgO単結晶から
なる透明板54とを重ね合わせたものを利用し、第5図の
ように基体押え56によって、発熱体51に固定し、透明板
54上に不透明薄膜を形成する場合においても、不透明薄
膜の堆積率は、第3図のように薄膜の膜厚に依存せず一
定であることを確認した。したがって、この方法でも基
体55の温度は、不透明薄膜堆積中、安定に保たれている
ことを示している。また、不透明皮膜52が、透明板54の
側になるように重ね合わせた場合、あるいは、不透明皮
膜52を形成した透明板53の代わりに、発熱体51からの熱
線に対して不透明な材料でできた板を用いた場合でも、
同様な効果が得られることを確認している。このように
2枚の透明板53、54を重ね合わせたものを基体55に用い
る方法では、不透明薄膜が形成される透明板54の裏面に
直接不透明皮膜52を形成する必要がない。そのため、薄
膜形成後、その裏面を利用したり、基体中を光を透過さ
せる必要がある用途に利用するときなど特に有効であ
る。
なお、いままで述べてきた実施例では、透明板としてMg
O単結晶を、不透明薄膜としてBi−Sr−Ca−Cu−O化合
物薄膜を例に取って述べたが、これら材料に限ることは
なく、透明板としては発熱体から輻射される熱線が透過
する材料を用い、さらに、不透明薄膜として熱線を吸収
する材料を用いた場合には、本発明の有効性が発揮され
る。
O単結晶を、不透明薄膜としてBi−Sr−Ca−Cu−O化合
物薄膜を例に取って述べたが、これら材料に限ることは
なく、透明板としては発熱体から輻射される熱線が透過
する材料を用い、さらに、不透明薄膜として熱線を吸収
する材料を用いた場合には、本発明の有効性が発揮され
る。
また、不透明皮膜として、上記実施例では白金を用いた
が、これ以外に発熱体から輻射される熱線を吸収し、か
つ、不透明薄膜堆積中の発熱体の温度よりも融点が高い
材料であれば利用可能である。さらに、不透明皮膜とし
て、金属などのように、熱線の輻射率の小さい材料を利
用することは特に有効性が高い。なぜならば、発熱体に
よって不透明皮膜が加熱され、そこから輻射される熱線
が、透明透明板を透過し、直接不透明膜膜が加熱される
ということがなく、基体温度がきわめて安定になるから
である。上記実施例でも示した白金は、融点も高く、ま
た、高温でもきわめて安定であることから、上記不透明
皮膜としては特に有効である。
が、これ以外に発熱体から輻射される熱線を吸収し、か
つ、不透明薄膜堆積中の発熱体の温度よりも融点が高い
材料であれば利用可能である。さらに、不透明皮膜とし
て、金属などのように、熱線の輻射率の小さい材料を利
用することは特に有効性が高い。なぜならば、発熱体に
よって不透明皮膜が加熱され、そこから輻射される熱線
が、透明透明板を透過し、直接不透明膜膜が加熱される
ということがなく、基体温度がきわめて安定になるから
である。上記実施例でも示した白金は、融点も高く、ま
た、高温でもきわめて安定であることから、上記不透明
皮膜としては特に有効である。
発明の効果 すでに説明したように、本発明の不透明薄膜の製造方法
を利用すれば、複雑な構造を有する化合物薄膜の形成の
際には特に重要な因子である薄膜形成中の基体温度を安
定に保つことができる。したがって、酸化物超伝導薄膜
などに代表される、複雑な構造を有する高機能材料の薄
膜形成にとって、きわめて有効で、本発明の工業的価値
は非常に高い。
を利用すれば、複雑な構造を有する化合物薄膜の形成の
際には特に重要な因子である薄膜形成中の基体温度を安
定に保つことができる。したがって、酸化物超伝導薄膜
などに代表される、複雑な構造を有する高機能材料の薄
膜形成にとって、きわめて有効で、本発明の工業的価値
は非常に高い。
第1図及び第2図は本発明の一実施例における不透明薄
膜の製造方法において基体の発熱体への固定状態を示す
斜視図及び縦断側面図、第3図は本製造方法を利用した
ときの不透明薄膜の堆積時間と堆積された膜の膜厚の関
係を示す図、第4図は本製造方法を利用しない通常の不
透明薄膜堆積法を利用したときの不透明薄膜の堆積時間
と堆積された膜の膜厚の関係を示す図、第5図は同実施
例における基体の発熱体への別の固定状態を示す縦断側
面図である。 11、51……発熱体、12、53、54……透明板、13、52……
不透明皮膜、14、55……基体、18……温度測定用不透明
板。
膜の製造方法において基体の発熱体への固定状態を示す
斜視図及び縦断側面図、第3図は本製造方法を利用した
ときの不透明薄膜の堆積時間と堆積された膜の膜厚の関
係を示す図、第4図は本製造方法を利用しない通常の不
透明薄膜堆積法を利用したときの不透明薄膜の堆積時間
と堆積された膜の膜厚の関係を示す図、第5図は同実施
例における基体の発熱体への別の固定状態を示す縦断側
面図である。 11、51……発熱体、12、53、54……透明板、13、52……
不透明皮膜、14、55……基体、18……温度測定用不透明
板。
Claims (6)
- 【請求項1】透明板の第1の表面に不透明皮膜を形成し
たものを基体として用い、この基体を上記不透明皮膜が
発熱体に接触するように固定し、上記基体の上記第1の
表面に対向する第2の表面に不透明薄膜を堆積させるこ
とを特徴とする不透明薄膜の製造方法。 - 【請求項2】基体として、不透明板もしくは少なくとも
一方の表面に不透明皮膜を形成した透明板と、上記不透
明皮膜を形成していない透明板とを熱的に接触するよう
重ね合わせたものを用い、この基体を上記不透明板もし
くは不透明皮膜を形成した透明板が発熱体に接触するよ
うに固定し、不透明薄膜を上記不透明皮膜を形成してい
ない透明板の表面上に堆積させることを特徴とする不透
明薄膜の製造方法。 - 【請求項3】発熱体の一部分に固定された、不透明板ま
たは少なくとも一方の面に不透明皮膜を形成した透明板
の温度を測定しながら、不透明薄膜を基体上に形成する
ことを特徴とする請求項1または2記載の不透明薄膜の
製造方法。 - 【請求項4】融点が発熱体の温度以上で、かつ、発熱体
からの熱線を反射もしくは吸収する材料を不透明皮膜と
して用いることを特徴とする請求項1または2記載の不
透明薄膜の製造方法。 - 【請求項5】不透明皮膜として、金属を用いることを特
徴とする請求項4記載の不透明薄膜の製造方法。 - 【請求項6】金属として、白金を用いることを特徴とす
る請求項5記載の不透明薄膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15653589A JPH07116591B2 (ja) | 1989-06-19 | 1989-06-19 | 不透明薄膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15653589A JPH07116591B2 (ja) | 1989-06-19 | 1989-06-19 | 不透明薄膜の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0324261A JPH0324261A (ja) | 1991-02-01 |
JPH07116591B2 true JPH07116591B2 (ja) | 1995-12-13 |
Family
ID=15629916
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15653589A Expired - Fee Related JPH07116591B2 (ja) | 1989-06-19 | 1989-06-19 | 不透明薄膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07116591B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05193937A (ja) * | 1992-01-21 | 1993-08-03 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 1枚の基板の両面に酸化物超電導薄膜を成膜する装置 |
JPH05193936A (ja) * | 1992-01-21 | 1993-08-03 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 1枚の基板の両面に酸化物超電導薄膜を成膜する方法 |
EP3311655A1 (en) | 2014-01-24 | 2018-04-25 | Fujitsu Limited | Plant cultivation apparatus |
-
1989
- 1989-06-19 JP JP15653589A patent/JPH07116591B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0324261A (ja) | 1991-02-01 |
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