JPH07116553B2 - 高疲労強度メタルバンドソー胴材 - Google Patents

高疲労強度メタルバンドソー胴材

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JPH07116553B2
JPH07116553B2 JP63265477A JP26547788A JPH07116553B2 JP H07116553 B2 JPH07116553 B2 JP H07116553B2 JP 63265477 A JP63265477 A JP 63265477A JP 26547788 A JP26547788 A JP 26547788A JP H07116553 B2 JPH07116553 B2 JP H07116553B2
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    • C22C38/46Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel with vanadium

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高速度鋼を刃材とし、この刃材と溶接されるメ
タルバンドソー胴材に関するものである。
〔従来の技術〕
メタルバンドソーは、高速度鋼刃材と低廉な低級鋼の胴
材を電子ビーム溶接して高価な高速度鋼の節約が計ら
れ、刃材と胴材を一体とした後、刃材の高速度鋼に合わ
せた熱処理、つまり約1200〜1220℃の焼入れ、540〜580
℃の焼もどしが行なわれる。
胴材としては従来S50CやAISI6150が使用されていたが、
これらの胴材は高速度鋼と同一の焼入れ、焼もどし条件
で熱処理すると、焼入温度が高すぎるために胴材の靱性
が低下し、また焼もどし温度も高すぎるために硬さが低
下し、十分な引張強さが得られず、疲労強度も低下する
ために胴材部が破断するという問題があった。
この問題を解決するために、本願特許出願人は高速度鋼
と同一の熱処理条件においても十分な硬さを確保できる
材質を検討し、特公昭54−5366号、特公昭55−32778号
および特公昭61−12022号等に開示されたような新しい
合金を開発し実用化してきた。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の動機となったメタルバンドソーの最近の動向に
ついて述べる。
メタルバンドソーはエンドレス溶接し、バンドソー機に
設けられた2つのホイールにより駆動されて、ホイール
間に水平に固持された被切断材、主として鋼材を切断す
るものである。メタルバンドソーには、鋼材に切り曲り
がないようにホイール間に張力が負荷されると同時に、
駆動時はホイールに沿って繰り返しの曲げ応力を受け
る。
またホイールは水平に対して傾斜しており、メタルバン
ドソーにはホイールの傾斜に応じたねじりが負荷され
る。したがって、メタルバンドソーには駆動中は、引張
応力と曲げおよびねじりの応力負荷を受けている。
上述のようなメタルバンドソーにおいて、最近では次に
挙げる点が問題となっている。
第1は、超耐熱鋼やステンレス鋼などの難切削材の増加
や切断効率の向上の要求から切断条件も次第に過酷にな
ってきており、胴材に対してもより高性能、長寿命の材
質が求められていることである。
第2は切断精度の向上から高テンションが要求され、切
断装置においても従来にない高い応力負荷のもとで使用
されるため、従来の胴材では破断までの寿命が短く、よ
り高い疲労強度を有する胴材が求められている。
本発明の目的は、刃材である高速度鋼と同時の熱処理を
行なっても十分な硬さと高い疲労寿命が確保でき、上述
の問題点に対応し得る高疲労強度を有した高性能、長寿
命のメタルバンドソー胴材を提供することである。
本発明者は、特に疲労強度の格段の向上を狙い、特公昭
54−5366号、特公昭55−32778号および特公昭61−12022
号をベースにして、これらの合金の問題点を明らかにす
るための実験を行なった。
その結果、Cr量が3%以下である特公昭54−5366号、特
公昭61−12022号の合金は安価ではあるが、低Crになる
ほど、溶接時に胴材側から刃材の高速度鋼へのCの拡散
が多くなり、高速度鋼側の浸炭部から破損することがあ
ること、およびCr炭化物を凝集させて靱性の向上に寄与
させるためには、Crが3%以下では不十分であり、最近
のような苛酷な条件下で使用されるメタルバンドソーの
胴材としては必ずしも十分でないことが判明した。
また特公昭55−32778号では胴材を刃材に溶接する場合
に、溶接部の気泡を防止するためにAlを0.05〜0.1%添
加しているが、疲労強度に影響の大きい非金属介在物の
低減のためにはAlの積極的な添加は無しにして、むしろ
溶接部の気泡の発生は胴材の酸素、窒素などの脱ガスを
十分に行ない得る精錬法を適用して鋼を製造し、健全な
溶接を達成する方が望ましいことが判明した。
特公昭55−32778号との関係では、疲労強度の向上のた
めに主要元素についても適正範囲の十分な規制が必要で
あることを確認した。特にV、Nbについては硬質の炭化
物を形成して疲労強度への影響が大きいので、本願発明
鋼ではV+1/2Nb量は0.2%が未満であることを確認し、
CはもちろんのことSi,Cr,Mo,Niについても比較的狭い
範囲での規制が必要であることがわかった。
本発明の主目的は、胴材の疲労強度の向上にあるが、本
発明はこの目的を達成するためには、前述の主要元素の
制御に加えて、非金属介在物や溶接時の気泡欠陥および
偏析の原因になり得るP,S,N,Oを極力低減すること、お
よびさらには非金属介在物の量を特定値以下にすると一
段と疲労強度が向上することを見出したものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は重量%でC:0.27〜0.40%、Si:0.35%以下、Mn:
0.3〜1.2%、Ni:0.45〜0.75%、Cr:3.0%を越え4.5%以
下、MoとWの1種または2種をMo+1/2Wで1.5%を越え
2.3%以下、VとNbの1種または2種をV+1/2Nbで0.03
%以上0.2%未満含有し、残部Feおよび不可避的不純物
からなることを特徴とする高疲労強度メタルバンドソー
胴材であり、該組成にさらに重量%でCoを0.2〜3%含
有する高疲労強度メタルバンドソー胴材である。また前
記の主要元素のうち、重量%でSiを0.08%以下とし、さ
らには重量%でP:0.012%以下、S:0.004%以下、N:0.02
%未満およびO:30ppm未満とした高疲労強度メタルバン
ドソー胴材である。さらに望ましくは、P,S,N,Oの前記
の量の規制に加えてJIS法の測定による非金属介在物の
量がdA120×400として0.004以下、d(B+C)60×400
として0.008以下である高疲労強度メタルバンドソー胴
材である。
また真空溶解法、真空脱ガス法およびエレクトロスラグ
溶解法から選ばれた1種または2種以上の精錬方法によ
り精錬され、造塊された鋼塊から前記の組成を有する高
疲労強度メタルバンドソー胴材を製造することができ
る。
〔作用〕
以下に、化学成分および非金属介在物量の限定理由につ
いて述べる。化学成分の主要元素の範囲は、高速度鋼と
同一の熱処理条件により、少なくともビッカース硬さ
(HV)450以上を確保し、かつ高い疲労強度を示す微細
なミクロ組織を得ることを条件にして求められた。
Cは、胴材の強度、靱性を確保する上で必須の元素であ
る。またCr、Mo、W、V、Nbの炭化物形成元素として結
合して540〜580℃の焼もどしにおいて微細炭化物として
析出せしめ、焼もどしに対する軟化抵抗を高めるもので
ある。焼もどしにおいて、HV450以上を得るには、少な
くとも0.27%以上必要である。焼もどしによる炭化物の
析出は、鋼の靱性に大きく影響する。Cr炭化物は、析出
後比較的凝集し易いが、Mo、Wの炭化物であるM2Cは微
細に析出し、軟化抵抗を高めることに寄与するが、逆に
靱性を低下させるため、過剰な量は望ましくない。この
ようにMo、W、Cr等の炭化物の種類と量から勘案して、
上限を0.40%とした。
Crは、胴材の焼入性を高めると共に、上に述べたよう
に、胴材と高速度鋼を溶接するときに胴材から高速度鋼
へのCの拡散を阻止するために3%を越えて添加するこ
とが必要である。またCrはCと結合してCr炭化物を形成
し、焼もどし時に析出する。Cr炭化物は、軟化抵抗への
寄与は少ないが、凝集し易く靱性の向上に効果がある。
過剰になるとM2Cの存在下でもCr炭化物主体となり、軟
化抵抗が低下するため、上下限が必要となり、これらの
検討結果からCr量を3.0%を越え4.5%以下とした。
Niは基地に固溶し、焼入性を高めると共に、靱性向上に
寄与する元素である。靱性の高い胴材においては、疲労
クラックが入っても、このクラックの進展が遅く、脆性
的には破断することはない。この効果を得るには、少な
くとも0.45%以上必要であるが、0.75%を越えると靱性
向上の効果よりも熱処理硬さ不足により強度不足の影響
が現われるため、0.75%を上限とした。
Moは靱性、Wは耐摩耗性に効果的な元素であると同時に
強力な2次硬化元素である。したがって、高速度鋼と同
一の熱処理条件で熱処理され、しかも硬さを確保する必
要のある胴材では、MoとWの少なくとも1種または2種
を添加することが必要である。しかし先に述べたよう
に、MoやWの炭化物は微細に析出し凝集し易いため、多
量の存在は靱性の低下を招く。このため、Cr炭化物の凝
集による靱性向上とM2C炭化物による軟化抵抗の確保と
靱性の阻害との両面からMo、Wの量を検討した結果、Mo
当量(=Mo+1/2W)で1.5%を越え2.3%以下が適量であ
ることを見出した。さらに、MoまたはWとVまたはNbの
複合添加により、微細炭化物の凝集抵抗を増大させ、焼
もどし軟化抵抗を高めることができる。
VおよびNbは、凝固時に一次炭化物として析出し、結晶
粒微細化に有効な元素である。本発明の胴材のような低
合金鋼では、刃材である高速度鋼と同一の熱処理を行な
った場合、結晶粒が著しく粗大化し、機械的強度を劣化
させる恐れがある。V、Nbの炭化物は焼入時一部固溶し
て2次硬化に寄与するだけでなく、未固溶炭化物として
残存し、このような高速度鋼との同一同時の熱処理にお
ける結晶粒の粗大化を防止する。このためには少なくと
もV当量(=V+1/2Nb)で0.03%以上必要である。
一方、これら元素の炭化物は硬質のため耐摩耗性には寄
与するが、機械的強度、特に疲労強度においては、クラ
ック発生の起点となる確率が高くなる。本発明の成分系
においては、V当量が0.2%以上になると熱処理後の組
織において、VCおよび、またはNbCが過剰に残存し、ま
た、微細析出炭化物の分布密度を高めて疲労強度を低下
させる傾向にあるため、0.2%未満とした。
Mnは脱酸剤として鋼中に通常0.3%以上含有される。胴
材のような薄板では素材の製造時の加工性も重要な要素
となるが、Mnは過剰に含まれると、特に冷間における加
工性を害するため、本発明では1.2%を上限とした。
SiはMnと同様、脱酸剤として添加される。しかし、0.35
%を越えるとSiO2のような硬質の非金属介在物として残
存しやすくなり、疲労強度を害するため、上限を0.35%
とした。また、脱酸を真空溶解法や真空脱ガス法などの
他の方法によって行ない、Siを成分元素として見た場
合、より少なくしていくにつれ、靱性値、特にシャルピ
ー値向上の傾向が見られた。疲労強度においては、Siを
特に0.08%以下とすることにより、寿命向上の効果が現
われたため、より過酷な疲労負荷がかかる場合に対して
は、0.08%以下とすることが有効である。
Coは基地に固溶し、耐熱性や耐焼付性に有効な元素であ
る。胴材では常に被加工材と接触、摺動するため、耐摩
耗性だけでなく、耐熱性や耐焼付性が要求される。特に
切削速度の高速度化により、この要求は重要になってく
る。したがって、耐摩耗性や耐熱性の改善効果を上げる
ためには、Coが少なくとも0.2%以上必要であるが、3
%を越えると熱処理硬さが得られなくなるため3%を上
限とした。
P,S,N,Oは鋼中に不純物として含有されている。Pは基
地に固溶して靱性を低下させると共に粒界に偏析し粒界
の結合強度を低下させる。S,Oは主に非金属介在物とし
て存在する。Sは比較的延性に富んだ介在物を生成し、
材質の異方性の原因となる。Oは酸化物系の硬質な介在
物を形成せしめ、疲労強度を低下させる。メタルバンド
ソーの胴材のような高い疲労強度が求められる材質で
は、これらの不純物の単一の元素の規制だけでは十分な
効果が得られない。本発明では、Pを0.012%以下、S:
0.004%以下、N:0.02%未満、O:30ppm未満とP,S,N,Oの
4元素とも規制したとき、疲労強度の改善効果が見られ
たので上記の含有量を上限とした。
次に非金属介在物の限定理由について述べる。
非金属介在物の測定は、JIS G0555「鋼の非金属介在物
の顕微鏡試験方法」により測定し、A系およびB+C系
の清浄度で表わすものとする。JIS法においては400倍の
倍率で測定視野数は原則として60視野を測定するが、本
発明のメタルバンドソー胴材は高疲労強度を達成するた
めに、特にA系介在物については120視野を測定した
値、すなわちdA120×400で0.004という極めて低い値以
下とすることが望ましい。この値を越えると硫化物系の
細長く伸びた介在物が胴材の疲労破壊の起点になる可能
性が増大する。
B+C系の介在物の量はd(B+C)60×400で0.008以
下にするとよい。B+C系の介在物はこの値を越えると
凝集して存在することもあり、疲労破壊の起点になり得
るからである。
また、本発明鋼を製造するには、P,S,N,Oなどの不純物
を低め、非金属介在物を前述の値以下に極力少なく調整
して疲労強度の向上を計るために、真空溶解法、真空脱
ガス法およびエレクトロスラグ再溶解法から選ばれる1
種または2種以上の精錬方法を適用することが望まし
い。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。第1表に本
発明に係るメタルバンドソー胴材(以下、本発明鋼とい
う)を評価するために従来鋼および比較鋼とともに製造
した本発明鋼の化学成分を示す。供試鋼No.1,2,3,4,5は
従来鋼であり、その内No.3は特公昭54−5366号の鋼、N
o.4は特公昭61−12022号の鋼およびNo.1とNo.5は特公昭
55−32778号に相当する鋼、供試鋼No.6,7は比較鋼であ
り、いずれも本発明の成分範囲外にある。本発明鋼であ
るNo.8,9については真空誘導溶解、No.10は真空脱ガス
処理、No.11,12はエレクトロスラグ再溶解、No.13,14に
ついては真空脱ガス処理後、エレクトロスラグ再溶解を
行なったものである。
不純物と非金属介在物について言えば、従来鋼のNo.3
は、P,Sの少ない高純度の原料を選ぶことにより、P,Sお
よびA系の介在物については、本発明と同程度の低いレ
ベルになし得たものである。また本発明鋼のNo.15につ
いては、大気中での通常の電気アーク炉による精錬を行
なったもので、主要成分が本発明に包含されるものであ
る。
これらの鋼塊を熱間圧延および冷間圧延により、1mm厚
まで加工して確性試験およびメタルバンドソー完成品に
よる実機試験に供した。
まず確性試験として、熱処理硬さおよび引張疲労試験を
行なった。熱処理硬さは、代表的な刃材である高速度鋼
SKH59の通常の熱処理と同じ熱処理条件である、焼入温
度1200℃、焼もどし温度560℃で行なった後測定した。
また引張疲労試験は第1図に示すような深さ1mm、半径2
mmの切欠きをつけた引張試験片を用いた。切欠きの仕上
は精密仕上 である。応力負荷条件は最小引張応力30kgf/mm2、最大
引張応力100kgf/mm2の部分片振引張負荷を用い、応力サ
イクルは10Hzとした。
これらの試験結果を第2表に示す。従来鋼No.1は高Cr鋼
のためMo、Wを含有しているにもかかわらず、Cr炭化物
の析出、凝集が支配的であり、軟化抵抗が少なく、高い
硬さを得難い。またNo.2〜7においても、ある程度の硬
さは得られるが、せいぜい本発明鋼の下限またはそれよ
りも低位にある。
引張疲労試験の結果では、従来鋼および比較鋼が2×10
4〜5×104回の寿命範囲であるのに対し、本発明鋼は、
いずれも6×104回以上の寿命を示している。
本発明鋼の実施例のNo.15は、引張疲労寿命が従来鋼、
比較鋼より優れているが、不純物、非金属介在物の量
が、他の本発明鋼の実施例のものより多く、これらと比
較すると引張疲労寿命は若干劣ることから、本発明鋼の
中でも不純物、非金属介在物の影響が大きいことがわか
る。
特に真空脱ガス処理後、エレクトロスラグ溶解を行なっ
た供試鋼No.13,14は、P,S,N,Oの不純物が極めて少な
く、本発明鋼の中でも特に優れた疲労寿命を示してい
る。
次に、第3表に示すように、供試鋼のうち、従来鋼から
3種、比較鋼から1種および本発明鋼のうちから5種を
選び、胴材とし、刃材にはSKH59を使用してメタルバン
ドソーを製造し実機試験に供した。
試験は、張力2000kgを負荷させた状態で、鋸刃速度を80
m/minとし、空転(被加工材がない状態)状態で破断ま
での時間を測定した。
試験の結果を第3表に示す。
本発明鋼No.8は、比較鋼No.6に比べ、20Hr以上の長寿命
を示しており、この差は材質はもとより溶解方法の差も
現われている。特に本発明鋼No.13は適切な化学成分と
ともにP,S,N,Oなどの不純物を極めて低減できる溶解方
法を採用したものであり、従来鋼の2倍以上の長寿命を
示している。
〔発明の効果〕
本発明のメタルバンドソー胴材は、刃材である高速度鋼
と同一の条件での熱処理を行なっても疲労強度の大きい
ものである。したがって、本発明のメタルバンドソー胴
材は、難切削材の増加や、機構上の点から次第に疲労負
荷が大きくなっているメタルバンドソーの胴材として特
にすぐれた性能を発揮できるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は供試鋼の引張疲労試験に用いた試験片の図、第
2図は供試鋼を実機試験するために製造したメタルバン
ドソーの図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福島 捷昭 島根県安来市安来町2107番地の2 日立金 属株式会社安来工場内 (56)参考文献 特開 昭63−7351(JP,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%でC:0.27〜0.40%、Si:0.35%以
    下、Mn:0.3〜1.2%、Ni:0.45〜0.75%、Cr:3.0%を越え
    4.5%以下、MoとWの1種または2種をMo+1/2Wで1.5%
    を越え2.3%以下、VとNbの1種または2種をV+1/2Nb
    で0.03%以上0.2%未満含有し、残部Feおよび不可避的
    不純物からなることを特徴とする高疲労強度メタルバン
    ドソー胴材。
  2. 【請求項2】重量%でC:0.27〜0.40%、Si:0.35%以
    下、Mn:0.3〜1.2%、Ni:0.45〜0.75%、Cr:3.0%を越え
    4.5%以下、MoとWの1種または2種をMo+1/2Wで1.5%
    を越え2.3%以下、VとNbの1種または2種をV+1/2Nb
    で0.03%以上0.2%未満、Co:0.2〜3%含有し、残部Fe
    および不可避的不純物からなることを特徴とする高疲労
    強度メタルバンドソー胴材。
  3. 【請求項3】重量%でSiが0.08%以下であることを特徴
    とする請求項1および2に記載の高疲労強度メタルバン
    ドソー胴材。
  4. 【請求項4】重量%でP:0.012%以下、S:0.004%以下、
    N0.02%未満およびO:30ppm未満であることを特徴とする
    請求項1ないし3に記載の高疲労強度メタルバンドソー
    胴材。
  5. 【請求項5】重量%でP:0.012%、S:0.004%以下、N0.0
    2%未満およびO:30ppm未満であり、かつJIS法の測定に
    よる非金属介在物の量がdA120×400として0.004以下、
    d(B+C)60×400として0.008以下であることを特徴
    とする請求項1ないし3に記載の高疲労強度メタルバン
    ドソー胴材。
  6. 【請求項6】真空溶解法、真空脱ガス法およびエレクト
    ロスラグ再溶解法から選ばれた1種または2種以上の精
    錬方法により精錬され、造塊された鋼塊から製造するこ
    とを特徴とする請求項1ないし5に記載の高疲労強度メ
    タルバンドソー胴材。
JP63265477A 1988-10-21 1988-10-21 高疲労強度メタルバンドソー胴材 Expired - Lifetime JPH07116553B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63265477A JPH07116553B2 (ja) 1988-10-21 1988-10-21 高疲労強度メタルバンドソー胴材
US07/510,122 US5032356A (en) 1988-10-21 1990-04-17 High fatigue strength metal band saw backing material
EP90107345A EP0452526B1 (en) 1988-10-21 1990-04-18 High fatigue strength metal band saw backing material

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63265477A JPH07116553B2 (ja) 1988-10-21 1988-10-21 高疲労強度メタルバンドソー胴材

Publications (2)

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