JPH07116489B2 - 溶浸バルブシートリングの製造方法 - Google Patents

溶浸バルブシートリングの製造方法

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JPH07116489B2
JPH07116489B2 JP25471987A JP25471987A JPH07116489B2 JP H07116489 B2 JPH07116489 B2 JP H07116489B2 JP 25471987 A JP25471987 A JP 25471987A JP 25471987 A JP25471987 A JP 25471987A JP H07116489 B2 JPH07116489 B2 JP H07116489B2
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孝一 猪爪
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、内燃機関などに用いられるバルブシートリン
グの製造方法に関するものであり、さらに詳しく述べる
ならば、焼結合金に溶浸をしたバルブシートリングの製
造方法に関するものである。
(従来の技術) 従来内燃機関に使用されていた有鉛ガソリンにあって
は、ガソリンに含まれる鉛が内燃機関の作動中に酸化物
となって、バルブシートリングの面あるいはバルブシー
トリングと接触するバルブの面に付着し、自己潤滑剤と
して作用し、バルブシートリングおよびバルブの摩耗を
少なくする作用を期待することができた。しかしなが
ら、最近の内燃機関、特にガソリンエンジンは排ガス規
制のため無鉛ガソリンを使用せざるを得なくなり、これ
に伴い燃焼生成物に起因する上述の鉛の作用が期待され
なくなり、バルブシートリングの摩耗が増大する傾向が
表われた。特に、LPGガスを燃料とする内燃機関ではバ
ルブシートリングの摩耗傾向は顕著となった。
この対策として、バルブシートリングに鉛(合金)を溶
浸することのより潤滑性を持たせる方法、あるいはバル
ブとの当接面には鉛を溶浸させ、基材には銅(合金)を
溶浸させて耐摩耗性を向上させる方法(特開昭61−1040
48号)が提案されている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、鉛溶浸を行なうと銅溶浸に比較して強度
の低下が著しい。一方、摺動部に鉛(合金)を溶浸し、
基材に銅(合金)を溶浸する方法では、バルブシートリ
ングの製造公定が複雑になると同時に、摺動部と基材部
との材料強度の差が著しく大きくなり、このため溶浸中
およびバルブシートリングの使用中に変形が発生し易
い。本発明は鉛(合金)と銅(合金)を微細に分散させ
て複合溶浸により、従来より性能が改良されたバルブシ
ートリングを提供することを目的とするものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明のバルブシートリングは、耐摩耗性と材料強度向
上のため、バルブシートリングに溶浸されたPb−Sn合金
およびCu合金がバルブシートリングのほぼ全体に微細に
分散して存在していることを特徴とする。かかるバルブ
シートリングを製造する方法は、バルブシートリング用
金属粉末成形体もしくは該金属粉末焼結体(予備焼結体
も含む)のバルブとの当接面もしくはその反対面からPb
−Sn合金およびCuまたはCu合金を別個の溶浸源から溶浸
させることを骨子とするものである。
以下、本発明を具体的に説明する。
バルブシートリングの基材となるものは、バルブシート
リング用金属粉末あるいは金属と炭化物などの化合物粉
末との混合粉末の成形体、仮焼結体、焼結体などであ
り、これらは単層、複層体の何れであってもよい。また
バルブシートリングの組成も特に制限がなく、例えば本
出願人が提案した特公昭57−61106号、特開昭58−15298
2号などの組成を使用することができる。
本発明の複合溶浸組織は次のようなものである。
(イ)バルブシートリング全体でほぼ一定の溶浸組織で
あること:例えば摺動面が潤滑性に富んだ鉛溶浸組織で
あり、基材が強化作用が大である銅の溶浸組織であり、
これらの組織差が著しく大きいと、バルブシートリング
使用中の変形等の問題が起こる。そこで、ほぼ一定の溶
浸組織が必要となる。
(ロ)溶浸されたPb−Sn合金とCuまたはCu合金とがポア
毎で識別されること:このように何れか一方の合金であ
ることが識別される状態で存在するPb−Sn合金は耐摩耗
性および潤滑性を高め、同様のCuもしくはCu合金が強度
および潤滑性を高める。また成形体および焼結体に存在
するポアの断面を光学顕微鏡で観察すると、Pb−Su合金
が浸透したポアと、Cu(Cu合金)が浸透したポアが識別
される。このように光学顕微鏡で識別される微細分散状
態であると、各材料の変形挙動等に差があるにも関わら
ず、バルブシートリング使用中の変形挙動は問題になら
ない。
溶浸合金のひとつをPb−Sn合金としたのは、鉛単独では
溶浸が困難であることと、スズは鉛による潤滑作用を損
なわないからである。Pb−Sn合金には第三成分を添加し
てもよいが、溶浸性と潤滑性を損なわないように5%以
下に添加量を制限する必要がある。Pb−Sn合金中でのス
ズ含有量は鉛による潤滑効果が損なわれない範囲とす
る。Cu合金の合成成分としてはSn,Pb,Co,Mn,Fe,Zn,Niな
どを使用することができる。Co,Mn、Feは数%以下の添
加量で溶浸時の接着性や製品表面の耐食性を改善する。
(ハ)Pb−Sn合金のポアの全体積の内10〜95%、より好
ましくは30〜60%を溶浸していることが望ましい。Cu合
金は残部を溶浸してポア全体を充填している。Pb−Sn合
金とCu(Cu合金)の溶浸体積比率は耐摩耗性と強度のバ
ランスを考慮して適宜定める。なお、溶浸体積の測定方
法は各材料の比重により容易に求められる。
目的とする複合溶浸組織を得るために、本発明者は種々
試行した。従来より知られているCu−Sn合金単独の溶浸
(例えば特開昭62−44556号公報参照)、あるいはPb−S
n合金の溶浸(例えば特開昭61−104048号の表1参照)
のように最終組成の合金を溶浸源として使用するとPbが
先に溶融し流動し、結果としては充填率の低い溶浸しか
できなかった。これらの方法を試行した後、Pb−Su合金
とCuもしくはCu合金とを個別の溶浸源として溶浸させる
方法に到達した。
Pb−Sn合金の溶浸はこれを成形体の上に載せ該合金の融
点以上に加熱して行ない、またCuもしくはCu合金の溶浸
はこれをその融点以上に加熱して行なう。Pb−Sn合金を
先ず溶浸させ、続いてCuまたCu合金を溶浸させる場合
は、後の溶浸工程の加熱温度がPb−Sn合金の融点を越え
るために、前後工程の間に時間間隔があるとCuまたはCu
合金の溶浸中にPb−Sn合金が焼結体等から溶け出すおそ
れがある。そこで、Pb−Sn合金の溶浸材の上にCuまたは
Cu合金の溶浸材を載せて、両者の融点以上の温度に加熱
を行ない、溶融Pb−Sn合金のフローとCuまたはCu合金の
フローが前後して焼結体等の中に侵入するように溶浸を
行なうことが好ましい。この場合両者の合金が同一工程
で溶浸されるため各成分が混和し易く、部分的合金化が
起こるが、溶浸材料(源)を重ねて配置しているために
フローが分かれて発生し、識別が困難になる程度の全面
的合金化は起こらない。
逆にCuまたはCu合金を先に溶浸させ、続いてPb−Sn合金
を溶浸させる場合は、CuまたはCu合金の上にPb−Sn合金
を載せて加熱を行なうと、後者が球状になって良好な侵
入が困難になる。したがって、先ずCu合金を溶浸させ、
続いてPb−Su合金を溶浸させることが望ましい。
バルブシートリングの厚さが20mm程度以下であれば、Pb
−Sn合金およびCuまたはCu合金の分布は厚さ方向に一定
となる。この厚さを越えるとバルブシートリングの溶浸
源側でCuまたはCu合金の割合が多くなる。
CuもしくはCu合金の割合が多い場合は、溶浸後のバルブ
シートリングは硬さが高く、そのままでは加工が困難な
こともあるので、熱処理を行ない加工性を向上させるこ
とが場合により必要となる。以下、実施例によりさらに
詳しく本発明を説明する。
(実施例) Fe粉末(−100メッシュ)に20重量%の硬質合金粒子(F
e−Co−Cu−Ni−C系合金)および1重量%(以下、同
じ)の黒鉛粉末より原料粉末に潤滑剤として0.8%のス
テアリン酸亜鉛粉末を添加した後、V型混合機で30分間
混合して調製した混合粉末を成形圧力6ton/cm2で成形し
て、外径39mm、内径25mm、厚さ10mmのリングとした。
溶浸粉末のPb−Sn合金(鉛70%)およびCu合金(福田金
属製F1PA3−Cu−Fe−Mn−Zn系合金)を表1の溶浸比率
で別々に3ton/cm2の圧力で成形した後、母材成形体(1
−第1図)の上にPb−Sn合金(2)を、その上にCu合金
(3)を載せた(本発明材)。
比較材2は上記Pb−Sn合金のみを、比較材3は上記Cu合
金のみを載せた。なお、比較材1は溶浸材を載せないで
次の焼結を行なった。
その後焼結を1130℃(本発明材1,3)および1100℃(本
発明材2および比較材)の温度で分解アンモニアガス雰
囲気中で40分間焼結を行なった。
比較材4は上記した焼結後に摺動面側に上記したPb−Sn
合金を座面側に上記したCu合金を2工程で溶浸させたも
のである。
また比較材3は溶浸焼結後600℃で1時間熱処理した。
上記各材料の特性を表1に示す。なお、表中の摩耗量は
弁座摩耗試験機で測定した幅方向の摩耗量である。密度
は溶浸後測定した値である。
本発明材1の焼結溶浸後の顕微鏡組織(倍率400倍)を
第2図に示す。図において、白色を帯び、結晶粒が明瞭
に識別できる部分はFe粒子であり、マルテンサイトと残
留オーステナイト組織を有する。このFe粒子と接し、白
色部と黒色部が細かく入り混じった部分が硬質合金粒子
である。黒鉛とFe粒子が反応して形成されたパーライト
が認められる。写真上で最も黒い部分は空孔である。こ
の部分は溶浸時に充填されたPb−Sn合金がエッチングに
より腐食されたため形成されたと考えられる。粒界に沿
って存在する灰色の部分は溶浸されたCu合金である。
本発明材の性能は、圧環強度は鉛溶浸材より優れるが銅
溶浸材とほぼ同等かあるいはこれに僅かに及ばない。一
方耐磨耗性は鉛溶浸材(比較例2,4)とほぼ同等あるい
はそれ以上である。この耐摩耗性レベルが得られた理由
は鉛合金粒子が銅合金粒子により強化された基地に保持
されているため、脱落、削り取り、軟化等の耐摩耗性上
の悪影響を受け難くなっており、耐摩耗性の組織依存性
が大であるためと推定される。一方、強度は銅の溶浸量
に依存する組成依存性が大であるが、銅に対する鉛合金
の割合が大きいにも係わらずかなりのレベルの強度が得
られているのは微細分散銅が強度の低下傾向を阻止して
いるためと推定される。
なお、比較材4は溶浸焼結工程でバルブシートリングに
変形が生じた。そのため比較材4のバルブシートリング
は焼結炉内での段積みができなかった。
(発明の効果) 本発明によれば、耐摩耗性と強度のバランスがとれたバ
ルブシートリングを簡単な製法で製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法における溶浸工程を説明する成形体
および溶浸材の断面図、 第2図は本発明のバルブシートリングの焼結溶浸組織を
示す金属顕微鏡組織写真である。 1……母材の成形体、2……Pb−Sn合金の成形体 3……Cu合金の成形体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関のバルブシートリング用金属粉末
    成形体もしくは該金属粉末焼結体のバルブとの当接面も
    しくは反対面からPb−Sn合金およびCuまたはCu合金を別
    個の溶浸源から溶浸させることにより、バルブシートの
    ほぼ全体がPb−Sn合金とCuまたはCu合金で複合溶浸され
    ているバルブシートリングを製造することを特徴とする
    溶浸バルブシートリングの製造方法。
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