JPH07116437B2 - 固結用材料 - Google Patents

固結用材料

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JPH07116437B2
JPH07116437B2 JP63016198A JP1619888A JPH07116437B2 JP H07116437 B2 JPH07116437 B2 JP H07116437B2 JP 63016198 A JP63016198 A JP 63016198A JP 1619888 A JP1619888 A JP 1619888A JP H07116437 B2 JPH07116437 B2 JP H07116437B2
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健二 栢原
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/24Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing alkyl, ammonium or metal silicates; containing silica sols
    • C04B28/26Silicates of the alkali metals

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は水ガラスと、少なくとも石灰を必須成分とする
反応剤とを含有し、主として地盤注入用薬材として利用
される固結用材料に係り、特にゲル化時間の調整が容易
であり、かつ長いゲル化時間でも高強度を得、しかも長
期固結強度に優れた固結用材料に関する。
〔従来の技術〕
地盤注入用薬材として、従来、水ガラスにセメントのよ
うな懸濁性反応剤を加えてなる水ガラスグラウト(懸濁
型グラウト)、あるいは水ガラスに有機系反応剤や、無
機の塩のような溶液性反応剤を加えてなる水ガラスグラ
ウトが知られている。
このうち、溶液性反応剤を用いた水ガラスグラウトは懸
濁性反応剤を用いたものよりも浸透性に優れているとい
う利点を有するが、強度が低く、特にゲル化時間を長く
調整する場合には反応剤を少なくすることになり、した
がって水ガラス中に未反応のSiO2分が多く残存し、この
ため強度が一層低くなり、かつ長期固結用強度も得られ
ないという問題があった。
さらに、セメントを用いる懸濁型グラウトもまた、ゲル
化時間を長く調整した場合には前述と同様の問題が生じ
た。
そこで、ゲル化時間を長く調整する水ガラスグラウトと
して、低モル比の水ガラスを用いるセメント水ガラスグ
ラウトが提案されている。(特公昭51-8486号公報)。
しかし、この場合でも、ゲル化時間はせいぜい数分から
10分程度しか長くならず、これでは水ガラスと反応剤を
ミキサー中で充分に攪拌混合してから注入するというこ
とはできず、両者を注入管で合流してそのまま注入する
という手段をとらざるを得なかった。
このような合流注入では、注入材の混合が不充分なため
反応が不完全となり、しかも、充分な浸透効果が得られ
ず、このため地盤中の固結物は長期間安定したものとは
ならなかった。
また、地盤中にあらかじめ反応剤を注入しておき、その
後この注入個所に低モル比の水ガラスを注入する工法も
提案されているが、この工法では地盤中において両液を
一定の比率で反応させることが事実上不可能であり、こ
のため充分な固結効果あるいは長期固結効果を期待する
ことは困難である。
また、ゲル化時間を長く設定する手段として、まず水ガ
ラスと少量のセメントを混合し、この上ずみ液を地盤中
に注入する工法、あるいはカルシウム化合物を水と混合
して静置し、その上ずみ液を低モル比の水ガラスと混合
して極めて少量の水溶性カルシウム化合物を含む水ガラ
スグラウトを地盤中に注入する工法が知られている。
しかし、これらの工法に用いられるグラウトは10ミクロ
ン程度のカルシウム化合物の微粒子を含むものの、実質
的には溶液型水ガラスグラウトと同じであり、水ガラス
中に含まれるSiO2分に対するカルシウム分が極めて少な
く、このため未反応のSiO2が多く残存し、固結強度が低
くなるとともに耐久性にも劣るものである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上述の従来工法における水ガラスグラウトは要するに水
ガラス中のSiO2に対する反応剤の量を少なくしてゲル化
時間を長くするものであり、このため固結強度が小さく
なり、かつ耐久性も劣化することになる。また、反応剤
の量を多くするとゲル化時間が早くなってしまい、ミキ
サー中での充分な混合ができなくなり、このため、注入
管ロッドで合流するか、あらかじめ水ガラスか反応剤の
いずれか一方を地盤中に注入しておいてから、他方をそ
の後に注入して地盤中で反応させることになる。したが
って、この場合、反応が不充分となって固結強度あるい
は耐久性が得られなくなる。
そこで、本発明の目的は水ガラス中のSiO2分を反応せし
めるに充分な量の反応剤を用いるにもかかわらず、水ガ
ラスと反応剤をミキサー中で混合してゆっくりと地盤中
に注入するに充分な長いゲル化時間を保持に得、すなわ
ち、10分以上の長いゲル化時間で高固結強度を得、かつ
浸透性ならびに長期間耐久性を保持し、しかもゲル化時
間の調整が容易であり、前述の公知技術に存する欠点を
改良した固結用材料を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
前述の目的を達成するため、本発明の固結用材料によれ
ば、水ガラスと、反応剤とを含み、以下の要件を満たし
てなることを特徴とする。
(A)SiO2/Na2Oがモル比で0.5〜2.2の範囲内であるこ
と。
(B)SiO2の含有量が前記材料100cc当り0.07モル以上
であること。
(C)反応剤が石灰を必須成分とし、これとアルカリ金
属化合物および/または石灰以外の多価金属化合物との
併用であること。
(D)反応剤が石灰以外の多価金属化合物を含まない場
合には石灰/SiO2がモル比で0.2以上であり、また、石
灰以外の多価金属化合物を含む場合には石灰+石灰以外
の多価金属化合物/SiO2がモル比で0.2以上であるこ
と。
(E)ゲル化時間が10分以上であること。
前述の本発明において、水ガラスはモル比が0.5〜2.2、
好ましくは1.0〜2.2、さらに好ましくは1.5〜2.0の液状
あるいは粉状水ガラス、あるいは液状水ガラスに苛性ソ
ーダ、炭酸ソーダ等のアルカリを添加して上記モル比に
調整された水ガラス等である。モル比が0.5以下になる
と、シリカ分が析出されやすくなり、安定したグラウト
を得にくくなるのみならず、強度も低下し、カルシウム
分を増やしても固結しにくくなる。また、モル比が2.2
以上になると、長いゲル化時間が得られなくなり、さら
に2.5以上になると、長期固結強度が低下し、耐久性が
得られにくくなる。
さらに、ゲル化時間が10分以下になると、SiO2分との反
応に充分な量のカルシウム分を混入できなくなる。これ
に対して、本発明では、ゲル化時間が10分以上であっ
て、浸透性に優れるのみならず、ミキサー中でSiO2分と
の反応に充分な量のカルシウム分を混合して水ガラスと
反応させるに充分な時間の余裕ができ、この結果、均質
で高強度の固結体を得ることができる。
また、本発明に用いられる前記石灰は生石灰、消石灰、
またはドロマイト(消石灰や生石灰が含まれる)等であ
る。
さらに、本発明において、反応剤が石灰以外の多価金属
化合物を含まない場合には、すなわち、石灰とアルカリ
金属化合物の場合には、石灰/SiO2がモル比で0.2以上
であり、また、石灰以外の多価金属を含む場合には、す
なわち、石灰と、アルカリ金属化合物と、石灰以外の多
価金属化合物との場合、または石灰と石灰以外の多価金
属化合物との場合には、石灰+多価金属化合物/SiO2
モル比で0.2以上である。
アルカリ金属化合物は具体的にはNaCl、NaHCO3、KHC
O3、KCl等であり、また石灰以外の多価金属化合物は具
体的にはカルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄
等の塩化物、炭酸塩、酸化物、水酸化物(ただし、消石
灰、生石灰を除く)、珪酸塩、セメント等である。
以下、本発明を次の実験例によって詳述する。
〔実験−1〕 3号水ガラス(モル比2.94、SiO2:28.29%、Na2O:9.94
%、比重1.4)と消石灰系のゲル化時間を測定し、結果
を表−1に示す。
表−1より、3号水ガラスではCa(OH)2のいずれの量で
もゲル化時間が短いことがわかる。また、強度も小さ
く、例えば、試料No.3の場合、固結標準砂は30日後で1.
5kg/cm2、1ケ月水中養生後で0.8kg/cm2程度である。
〔実験−2〕 水ガラス水溶液−セメント系の実験結果を表−2に示
す。
水ガラス水溶液は実験−1の水ガラスに苛性ソーダを加
えてモル比を調整した。混合液(A液とB液)100cc当
り、SiO2含有量は0.165モルである。
表−2よりモル比が低くなれば、水ガラス−セメント系
はゲル化時間が長くなるが、固結生が極めて悪く、ゲル
化が不安定になることが判る。
〔実験−3〕 モル比2.0あるいは1.0の水ガラス水溶液−セメントある
いは消石灰の上ずみ液系の実験結果を表−3に示す。
なお、水ガラス水溶液は実験−1の水ガラスをA液50cc
当り25cc用い、苛性ソーダを加えてモル比を調整した。
また、セメントあるいは消石灰の上ずみ液を水100ccに
セメントあるいは消石灰をそれぞれ20gづつ混合し、1
時間静止してのち、上ずみ液を50ccとり、B液とした。
表−3における固結標準砂の一軸圧縮強度(kg/cm2)は3
日後で、それぞれ、試料No.順に、0.8、0.7、−、0.5、
1カ月後で0.5、0.4、−、0.3を示し、注入目的のため
の強度としては弱すぎることがわかった。
〔実験−4〕 実験−1の3号水ガラスを混合液100cc当り25cc(SiO2:
0.165モル)配合し、これに苛性ソーダを加えてSiO2/Na
2Oモル比を0.5〜2.94に調整した。また、消石灰の添加
量を混合液100cc当り0.5g(0.007モル)〜25g(0.338モ
ル)の範囲で変化させてCaO/SiO2モル比を0.04〜2.0に
調整した。これらについてそれぞれゲル化時間を測定
し、結果を表−4に示した。
表−4より、混合液100cc当り、Ca(OH)2が1g以上で、か
つSiO2/Na2O(モル比)が0.5〜2.2、CaO/SiO2(モル
比)が0.2以上では数十分〜数100分の長いゲル化時間領
域が存在することがわかる。しかし、ゲル化時間を10分
付近に短縮するために、消石灰(Ca(OH)2)を多く添加し
ても、これのみの添加では効果的なゲル化時間の短縮が
困難である。すなわち、消石灰のみの添加では、Ca(OH)
2を0.338モル加えても、SiO2/Na2Oが2.2モルのとき、ゲ
ル化時間は20分までしか短縮しない。
〔実験−5〕 SiO2/Na2O(モル比)が2.0、CaO/SiO2(モル比)が1.0
の条件下で、混合液100cc当りのSiO2の含有量を変化さ
せ、ゲル化実験ならびに長期強度試験を行った。この測
定結果を表−5に示した。また、SiO2/Na2O(モル比)
1.5に定め、CaO/SiO2(モル比)と混合液100cc当りのSi
O2の含有量を変化させ、ゲル化実験を行った。この測定
結果を表−6に示した。さらに、SiO2/Na2O(モル比)
を1.5、SiO2の含有量を混合液100cc当り0.176モルにそ
れぞれ定め、CaO/SiO2のモル比を変化させて、長期強度
試験を行った。この測定結果を表−7に示した。さらに
また、SiO2の含有量を混合液100cc当り、0.165モルに定
め、SiO2/Na2OおよびCaO/SiO2のモル比をそれぞれ変化
させてゲル化実験および長期強度試験を行った。これら
の測定結果を表−8に示した。上記長期強度試験はいず
れも、7日水中養生および3ケ月水中養生後の固結標準
砂一軸圧縮強度(kg/cm2)を測定することにより行った。
表−5から次のことがわかる。SiO2/Na2Oのモル比を2.
0、CaO/SiO2のモル比を1.0と定め、この条件下で混合液
100cc当りのSiO2含有量(SiO2モル)を変化させると、S
iO2モルが0.07よりも小さい場合、すなわち、0.05で
は、混合液は沈澱を起こしてゲル化しなかった。
これに対して、SiO2モルが0.07では、混合液はゲル化を
起こし、SiO2モルがこれよりも大きくなるにつれてゲル
化時間は徐々に短縮される。しかし、ゲル化時間を10分
付近に短縮するために、SiO2モルを大きくしても、これ
のみの増加では効果的なゲル化時間の短縮が困難であ
る。(表−5では、SiO2モルが0.18でゲル化時間は77
分)。
また、固結標準砂一軸圧縮強度は、7日水中養生および
3ケ月水中養生のいずれもSiO2モルが0.07のとき、それ
ぞれ2.1および2.3(kg/cm2)と、かなり大きな値を呈し、
SiO2モルが大きくなるにつれて前記強度は大きくなる。
以上のとおり、SiO2/Na2Oのモル比2.0、CaO/SiO2のモル
比1.0の条件下で、SiO2モルが混合液100cc当り0.07以上
であれば、水ガラス中のSiO2と充分に反応し得る量の反
応剤を用いても、混合液は充分に長いゲル化時間を呈
し、かつ大きな固結強度を得るとともに、耐久性に優れ
た長期固結強度を得ることができる。しかし、SiO2モル
の増加のみでは効果的なゲル化時間の短縮は困難であ
る。
また、表−6から次のことがわかる。SiO2/Na2O(モル
比)を1.5と定めて、CaO/SiO2(モル比)、および混合
液100cc当りのSiO2の含有量(SiO2モル)を変化させる
と、SiO2モルが0.05では、混合液は沈澱を起こしてゲル
化しないが、0.07およびこれよりも大きい場合には、ゲ
ル化が起こり、この値が大きくなるにつれてゲル化時間
は短縮される傾向を示す。また、CaO/SiO2のモル比は0.
2よりも大きくなるにつれてゲル化時間が短縮される傾
向を示す。すなわち、混合液のゲル化時間はSiO2モルお
よびCaO/SiO2モル比が両方とも大きくなるにつれて、ゲ
ル化時間は短縮され、両方とも小さくなるにつれて、ゲ
ル化時間は長くなる傾向を示す。換言すると、SiO2/Na2
Oのモル比が一定の場合、SiO2モルおよびCaO/SiO2モル
比の値を任意に定めることにより、所望のゲル化時間を
選定することができる。しかし、ゲル化時間を10分付近
に短縮するために、消石灰量を増加しても、ゲル化時間
はせいぜい50分までであり、これのみの添加ではゲル化
時間の効果的な短縮は困難である。
さらに、表−7から次のことがわかる。SiO2/Na2O(モ
ル比)を1.5、SiO2の含有量を混合液100cc当り0.176モ
ルにそれぞれ定めて、CaO/SiO2のモル比を変化させ、固
結標準砂の一軸圧縮強度(kg/cm2)を測定すると、CaO/Si
O2のモル比が0.1では7日水中養生、3ケ月水中養生の
いずれも小さな強度を呈した。これに対してCaO/SiO2
モル比が0.2およびこれよりも大きい場合には強度は大
きく、特に0.5〜2.0の範囲内で非常に大きな強度を呈し
た。このことから、SiO2/Na2O(モル比)が1.5、SiO2
ルが0.176の条件下では、CaO/SiO2のモル比が0.2以上の
場合に、固結強度ならびに長期強度が大きいことがわか
る。
さらにまた、表−8から次のことがわかる。SiO2モルを
0.165に定めて、SiO2/Na2OおよびCaO/SiO2のモル比をそ
れぞれ変化させると、SiO2/Na2Oのモル比が0.5〜2.2、C
aO/SiO2のモル比が0.2以上の両方の条件を満たしたとき
に、すなわち、表−8において、SiO2/Na2Oのモル比
と、CaO/SiO2のモル比の組み合わせがそれぞれ、2.2と
1.0、2.0と1.0、1.5と1.0、1.0と1.0、0.5と1.0のとき
に、ゲル化時間が長くなるにもかかわらず、7日水中養
生および3ケ月水中養生後の固結標準砂の一軸圧縮強度
が大きな値を呈し、長期固結強度にも優れている。
しかし、ゲル化時間を10分付近に短縮するために、Ca(O
H)2の添加量を多くしても、これのみの添加ではゲル化
時間の短縮はせいぜい60分程度であり、効果的なゲル化
時間の短縮は困難である。
以上の実験結果を総評すると、モル比2.94の3号水ガラ
スでは、ゲル化時間が短くなり(実験−1)、反応剤と
してポルトランドセメントを用いたのでは、ゲル化時間
は長くなるものの、固結性が極めて悪く(実験−2)、
反応剤としてセメント上澄液または消石灰上澄液を用い
たのでは、固結標準砂の一軸圧縮強度が弱く(実験−
3)、SiO2/Na2O(モル比)が0.5〜2.2、CaO/SiO2(モ
ル比)が0.2以上では数十分〜数100分の長いゲル化時間
領域が存在し(実験−4)、水ガラス−石灰系のグラウ
トにおいて、SiO2/Na2O:0.5〜2.2、SiO2モル:0.07モル
以上、CaO/SiO2:0.2以上の条件下では、ゲル化時間が長
いにもかかわらず、高強度の固結体が得られ、かつ長期
強度にも優れている(実験−5)。しかし、上述の実験
−4および実験−5において、ゲル化時間を10分付近に
短縮するために、Ca(OH)2の添加量を多くしても、これ
のみの添加ではゲル化時間の効果的な短縮ができず、し
たがって、10分またはそれ付近のゲル化時間の調整は困
難である。
〔実験−6〕 水ガラスと、消石灰と、他の反応剤との混合系につい
て、ゲル化時間を測定し、結果を表−9に示した。表−
9において、水ガラスのSiO2/Na2Oはモル比で0.5〜2.2
の範囲内、特に、1.0、1.5および2.0であり、混合液100
cc当りのSiO2含有量は0.07モル以上、特に、0.165およ
び0.198モルであり、CaO/SiO2はモル比で0.2以上であ
る。
なお、比較のために、反応剤として消石灰のみの系およ
び消石灰を含まない系についても実験を行った。
表−9中、本発明にかかる試料は試料No.1〜12である。
これら試料はいずれも、水ガラスと、消石灰と、他の反
応剤(アルカリ金属化合物、多価金属化合物等)との三
成分混合系である。すなわち、これら試料はいずれも、
反応剤として、石灰(消石灰)と他の化合物(珪酢カル
シウム、炭酸カルシウム(CaCO3)、塩化カルシウム(CaCl
2)、ポルトランドセメント、ドロマイト、炭酸水素ナト
リウム(NaHCO3)、塩化アルミニウム(AlCl3)、塩化第2
鉄等)との併用物を用いてなるものである。
これらの本発明試料はいずれもゲル化時間が10分〜250
分の範囲内であって長いにもかかわらず、固結強度が大
きく、かつ長期強度にも優れている。
しかも、本発明試料では、試料No.1に示されるように、
ゲル化時間を10分に調整したり、試料No.2に示されるよ
うに20分に調整したり、試料No.3に示されるように27分
に調整したり、試料No.4および5に示されるようにそれ
ぞれ30分に調整したり、試料No.6に示されるように、50
分に調整したり、試料No.7に示されるように、60分に調
整したり、試料No.8に示されるように、65分に調整した
り、試料No.9に示されるように、70分に調整したり、試
料No.10に示されるように、80分に調整したり、試料No.
11に示されるように、120分に調整したり、試料No.12に
示されるように250分に調整したり等、ゲル化時間の調
整が自由であり、かつ容易である。
すなわち、本発明試料では、反応剤としてCa(OH)2と上
述に示される他の反応剤との併用物を用い、かつ、この
反応剤のCaO/SiO2モル比を0.2以上の範囲におさめれ
ば、前記他の反応剤の種類を変化させたり、これら併用
物の配合割合を変化させたり、水ガラスのモル比を0.5
〜2.2の範囲で変化させたり、SiO2含有量を試料100cc当
り0.07以上の範囲で変化させたり、等の手段により、ゲ
ル化時間を10分付近まで容易に短縮することができ、換
言すればゲル化時間は10分付近から自由かつ容易に調整
される。
なお、試料No.5および6における反応剤のCaO/SiO2モル
比はいずれも3.79である。この計算は次のようにして行
った。ポルトランドセメントはCaO含有量が64.0%であ
る。CaO1モルは28gであり、したがって、ポルトランド
セメント20g中のCaO含有量はモル数で表すと、0.46モル
になる。したがって、Ca(OH)20.165モルおよびポルトラ
ンドセメント20gからなる反応剤のCaO/SiO2モル比は3.7
9となる。
上述のとおり、本発明は反応剤として石灰とアルカリ金
属化合物および/または多価金属化合物を併用すること
により、ゲル化時間の調整が極めて容易となり、強度も
増加することがわかる。
これに対して、反応剤がCa(OH)2単独からなる試料No.13
〜18では、ゲル化時間が長くなるにもかかわらず、7日
水中養生および3ケ月水中養生後の固結標準砂の位置軸
圧縮強度はいずれも、大きな値を呈し、長期固結強度に
優れているものの、ゲル化時間を10分付近に短縮するこ
とがむづかしく、したがって、ゲル化時間の短い範囲で
の調整は困難である。
さらに、反応剤がCa(OH)2を含まず、他の反応剤単独か
らなる試料No.19〜25、すなわち、反応剤がCaCl2単独か
らなる試料No.19〜20では、瞬結してしまい、強度測定
も不能であり、また、反応剤がCaCO3単独からなる試料N
o.21〜23では、ゲル化時間が非常に長いか、あるいはゲ
ル化せず、さらに、反応剤が珪酸カルシウム単独あるい
はNaHCO3単独からなる試料No.24および25では、いずれ
もゲル化しなかった。
なお、CaCO3は水ガラスのモル比が1.0付近の高アルカリ
でなくては反応し得ない。しかし、消石灰は1.0付近の
みならず、1.5〜2.0のモル比の水ガラスと反応して極め
て長いゲル化時間を得、それに他の反応剤を加えてゲル
化時間の調整を容易とすることもわかる。
これは消石灰が単に難溶性であることのみならず、溶解
度が最適であることに起因するものと思われる。すなわ
ち、Ca(OH)2の溶解度は0.117g/100gであり、CaCO3(溶
解度0.0065%/100g)や珪酸カルシウム等にくらべて比
較的大きいものであり、このように、あまり溶解度が小
さすぎても反応性が少なくなり、本発明のカルシウム化
合物として好ましくなくなるものと思われる。
したがって、消石灰はCaCO3よりも少ない水ガラスのア
ルカリ量で注入に適したゲル化時間を得ることができ、
経済的にも、また地盤中のアルカリ度を大きくしない点
からも極めて優れているものと云うことができる。
〔作用〕
本発明は水ガラスに石灰と他の反応剤を懸濁状態で存在
させて一時に反応が進行しないようにし、かつ混合液中
のSiO2量、SiO2とNa2Oのモル比、SiO2とCaOのモル比、
ゲル化時間を前述のような特定の範囲に定めることによ
り、従来の低モル比水ガラス−セメントグラウトでは考
えられないような長いゲル化時間、高固結強度ならびに
長期耐久性を得、かつゲル化時間の調整が容易となる。
〔発明の効果〕
以上のとおり、本発明にかかる固結用材料はゲル化時間
を長くしても固結強度を得るとともに長期耐久性にも優
れ、かつゲル化時間の調整が容易であり、地盤固結用の
注入薬液として最適な固結用材料である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水ガラス水溶液と、反応剤とを含み、以下
    の要件(A)乃至(E)を具備してなる固結用材料。 (A)SiO2/Na2Oがモル比で0.5〜2.2の範囲内であるこ
    と。 (B)SiO2の含有量が前記材料100cc当り0.07モル以上
    であること。 (C)反応剤が石灰を必須成分とし、これとアルカリ金
    属化合物および/または石灰以外の多価金属化合物との
    併用であること。 (D)反応剤が石灰以外の多価金属化合物を含まない場
    合には石灰/SiO2がモル比で0.2以上であり、また、石
    灰以外の多価金属化合物を含む場合には石灰+石灰以外
    の多価金属化合物/SiO2がモル比で0.2以上であるこ
    と。 (E)ゲル化時間が10分以上であること。
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