JPH07116248A - 改良された血液透析用再生セルロース膜及びその製造方法 - Google Patents

改良された血液透析用再生セルロース膜及びその製造方法

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JPH07116248A
JPH07116248A JP26260493A JP26260493A JPH07116248A JP H07116248 A JPH07116248 A JP H07116248A JP 26260493 A JP26260493 A JP 26260493A JP 26260493 A JP26260493 A JP 26260493A JP H07116248 A JPH07116248 A JP H07116248A
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regenerated cellulose
nitrocellulose
blood
cellulose membrane
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Fumiyoshi Fushimi
文良 伏見
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 血液透析用再生セルロース膜の、β2 マイク
ログロブリンの透過性能を損なうことなく、β2 マイク
ログロブリンとアルブミンの選択透過性と血液適合性を
改良する。 【構成】 血液と接触する表面層にニトロセルロースを
コーティングしてなる改良された血液透析用再生セルロ
ース膜が提供され、これはニトロセルロースの0.01〜
1.0重量%溶液を、再生セルロース膜の血液と接触する
表面層に接触させ、乾燥及び/又は熱処理を施すことな
く、ニトロセルロースをコーティングすることによって
製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血液透析用に用いられ
る改良された再生セルロース膜及びその製造方法に関す
る。更に詳しくは、本発明はβ2 マイクログロブリンと
アルブミンの選択透過性と血液に対する適合性が改良さ
れた再生セルロース膜及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】血液透析療法に於いて、再生セルロース
膜、とりわけ銅アンモニウム法再生セルロース膜は広く
用いられ、透析装置や透析技術の進歩と共に、腎不全患
者の延命、社会復帰に大きな役割を果たしている。これ
は、再生セルロース膜が優れた透析性能や機械的強度を
有すると共に、長年の実績に裏付けられた高い安全性を
有しているからに他ならない。
【0003】しかしながら、透析療法の進歩にもかかわ
らず、再生セルロース膜を素材とする透析膜にはいくつ
かの問題点があった。その1つは、長期透析患者の透析
アミロイド症の問題であり、もう1つは、透析を行った
場合の一過性の白血球減少や補体成分の活性化の問題で
ある。
【0004】第1の問題の透析アミロイド症は、長期透
析患者の全身諸臓器にアミロイドの沈着が認められる疾
患である。その主体は、骨・関節部への沈着であり、患
者は骨・関節痛に苦しみ、透析アミロイド症が進行する
と歩行障害や疼痛による不眠等の原因となり、患者の社
会復帰を妨げている。このアミロイドを構成しているタ
ンパク質に、β2 マイクログロブリン(分子量11,800)
があり、このタンパク質が透析患者の血中に高濃度に蓄
積していることが明らかにされた。それ以来、このβ2
マイクログロブリンを透析で効率的に除去できる膜を用
いた治療が試みられてきている。
【0005】β2 マイクログロブリンの大量除去を実現
させるためには、孔径の大きな膜を使用すれば良いが、
これは、血液中の有用タンパク質であるアルブミン(分
子量66,000)の漏失につながる。従って、β2 マイクロ
グロブリンとアルブミンの選択的な分離を可能とした透
析膜が要望されている。
【0006】こうした選択透過性透析膜の実現のため
に、従来は主として製膜条件を工夫し、平均孔半径、孔
径分布、空孔率を最適化することが行われていた(特開
平2−211229号公報)。この特許文献によると、
選択透過性に優れた透析膜を製造することは可能である
が、第2の問題である一過性の白血球減少や補体成分の
活性化については未解決である。
【0007】第2の問題は、再生セルロース膜の血液適
合性の問題である。高分子膜表面と血液が接触すると、
生体の様々な防御機構が作動する。再生セルロース膜で
は、血液透析を行うと、一過性の白血球減少や補体成分
の活性化が生じる。これらの現象と臨床症状との関連は
明らかにはなっていないが、再生セルロース膜の優れた
性能を損なわずにこれらを軽減することが望まれてい
る。再生セルロース膜の血液適合性を改良するには、膜
と血液が直接接触するのを妨げる方法があり、例えば、
膜表面に合成高分子をコーティングする方法(特開昭6
2−186865号公報)がある。
【0008】こうした後処理によるコーティング技術
は、合成高分子の固定化を確保する等の理由で乾燥及び
または熱処理が必要である。このため、乾燥、熱処理時
の構造変化の大きな再生セルロース膜では物質透過性能
の低下が生じることは避けられない。特に孔径が大きな
膜に乾燥及びまたは熱処理した場合、水の透過性やβ2
マイクログロブリンの透過性能が大きく低下する欠点が
ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、血
液透析用再生セルロース膜の、β2 マイクログロブリン
の透過性能を損なうことなく、β2 マイクログロブリン
とアルブミンの選択透過性と血液適合性を改良すること
を目的とする。
【0010】前述したように、従来の血液透析用再生セ
ルロース膜においては、製膜条件を工夫し、平均孔半
径、孔径分布、空孔率を最適化することで選択的透過性
を高める努力が行われていたが、この方法ではβ2 マイ
クログロブリンとアルブミンの選択透過性と血液適合性
を同時に満足させることは困難であった。本発明者はこ
の課題を解決する為に、溶質と血液透析膜表面との親和
性について鋭意検討した結果、驚くべきことにニトロセ
ルロースをコーティングすることによってβ2 マイクロ
グロブリンとアルブミンの選択透過性と血液適合性を同
時に満足させることができることを見出したものであ
る。
【0011】一般にコーティング操作は、ポリマー溶液
を膜に塗布した後、乾燥操作を加えて溶媒を揮発させ、
膜に固定化する必要がある。また、この固定化を確実に
するために熱処理を行う場合もある。しかしながら、再
生セルロース膜の場合には、乾燥や熱処理によって構造
の緻密化が起こり、孔径が縮小し、β2 マイクログロブ
リンとアルブミンの透過性能が同時に低下してしまう。
そこで、乾燥及び/又は熱処理の必要がないコーティン
グ方法を検討した結果、驚くべきことに、ニトロセルロ
ース溶液を膜と接触させることで目的とする効果を有し
た膜が製造できることを見出し、本発明を完成するに至
ったのである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、再生セ
ルロース膜の血液と接触する表面層にニトロセルロース
をコーティングしてなる改良された血液透析用再生セル
ロース膜が提供される。
【0013】本発明に従えば、ニトロセルロースの0.01
〜 1.0重量%溶液を、再生セルロース膜の血液と接触す
る表面層に接触させ、乾燥及び/又は熱処理を施すこと
なく、ニトロセルロースをコーティングすることからな
る、改良された血液透析用再生セルロース膜の製造方法
が提供される。
【0014】本発明によれば、β2 マイクログロブリン
とアルブミンの選択透過性と血液に対する適合性の両方
が改良された再生セルロース膜が提供される。ここで
「選択的透過性」は、β2 マイクログロブリンとアルブ
ミンの透過性能から判断する。また、「血液に対する適
合性」の改良とは、補体成分の活性化現象や一過性の白
血球減少の現象が軽減されることを意味する。
【0015】本発明に用いる再生セルロースとは、天然
セルロースを化学的、物理的に変化させた後再生したも
ので、これには銅アンモニア法再生セルロース、ビスコ
ースレーヨン等の他、セルロースエステルを加水分解し
たものが含まれる。再生セルロース膜の形状は、平膜ま
たは中空糸膜等の任意の形状に成型したものが用いられ
るが、血液透析用には中空糸膜が好ましい。
【0016】本発明において、血液と接触する表面層と
は、血液透析中、膜が血液中の血球、血漿タンパク質と
物理的、化学的に強い相互作用を有する部分を意味す
る。これは内表面およびその近傍を含むことを意図す
る。
【0017】本発明において再生セルロース膜のコーテ
ィングに用いられるニトロセルロースは、天然セルロー
スを硝酸エステル化して得られるセルロース誘導体であ
る。平均置換度が異なったものがあるが、どれでも適用
できる。ただし、生体に対する安全性を考えれば、日本
薬局方記載のコロジオンを用いるのが好ましい。
【0018】本発明に係る、血液と接触する表面層にニ
トロセルロースがコーティングされている改良された血
液透析用再生セルロース膜は、コーティング前の膜と比
べて、β2 マイクログロブリンのふるい係数は実質的に
等しく、かつアルブミンのふるい係数が低下した選択透
過性が高い透析膜である。
【0019】ふるい係数は文献(腎と透析 1989年別冊
ハイパフォーマンス・メンブレン'89, p60, 1989)の
方法に従い、仔牛血清を用いたろ過実験より求める。β
2 マイクログロブリンのふるい係数がより高く、アルブ
ミンのふるい係数がより低い膜ほど選択透過性が高いと
判断される。
【0020】なお、ニトロセルロースのコーティングに
より選択透過性が高まるのは、膜と溶質との親和性に変
化が生じたためと推定される。物質の膜透過を考えると
き、溶質の膜への分配と、溶質の膜内の拡散とを分ける
考え方がある。この場合、ニトロセルロースをコーティ
ングしたことで、膜の表面が疎水性になり、溶質の膜内
への分配に影響を与え、選択透過性が高まったと解釈で
きる。
【0021】本発明に係る、血液と接触する表面層にニ
トロセルロースがコーティングされている改良された血
液透析用再生セルロース膜は、また、コーティング前の
膜に比べて補体消費率が低下した血液適合性が高い透析
膜である。ここで補体消費率とは、膜の内部にモルモッ
ト血清を満たし、37℃で1時間反応させた後血清を回収
し、補体価をマイヤー変法(Experimental immunochemi
stry, p133, C.C.Thomas, 1961)によって求め、未処理
の膜の補体消費率を 100とした時の、ニトロセルロース
をコーティングした膜の値である。
【0022】このように、再生セルロースの膜に、ニト
ロセルロースをコーティングすることで、コーティング
前の膜に比べて補体消費率が低下する。臨床において
は、補体成分の活性化や一過性の白血球減少が少なくな
り、血液適合性が高まると期待される。これは、再生セ
ルロース膜と血液が直接接触するのを妨げる効果による
ものと考えられる。
【0023】本発明による効果を得るためには、再生セ
ルロース膜の血液と接触する表面層に、 0.5〜40mg/m2
のニトロセルロースがコーティングされていることが好
ましい。 0.5mg/m2未満の場合にはβ2 マイクログロブ
リンとアルブミンの選択透過性と血液に対する適合性が
充分に得られず、40mg/m2を超えると、β2 マイクログ
ロブリンの透過性が損なわれるので好ましくない。
【0024】前記範囲のニトロセルロースのコーティン
グ量は、ニトロセルロースの0.01〜1.0重量%(以下単
に「%」と記す)溶液を、再生セルロース膜の血液と接
触する表面層に接触させることで乾燥及び熱処理のいず
れも施すことなく達成できる。
【0025】本発明に従った血液透析用再生セルロース
膜の製造方法は、平衡吸着により再生セルロース膜の血
液と接触する表面層に吸着層を形成させる方法である。
従って、ニトロセルロースのコーティングに際して、乾
燥や熱処理をする必要がなく、乾燥や熱処理時に起きる
膜の物質透過性能の低下、例えば水の透過性やβ2 マイ
クログロブリンのふるい係数の低下の問題が起こらな
い。また平衡吸着により吸着層を形成させる方法のた
め、過剰のコーティングがなされず、ニトロセルロース
の脱落が無視でき、更にコーティングの均一性が確保し
やすい等の利点を有する。
【0026】この本発明の製造方法では、ニトロセルロ
ース溶液の濃度、接触時間、膜の膨潤状態でコーティン
グ量を制御できる。また本発明の製造方法は、中空糸膜
の状態でも、中空糸膜を透析器に組み込んだ状態でも適
用できる。
【0027】本発明に従って再生セルロース膜にニトロ
セルロースをコーティングする際に用いるニトロセルロ
ース溶液の濃度は、高すぎても低すぎても目的とする効
果を発揮できない。このニトロセルロース溶液の濃度が
0.01%未満の場合には、コーティング量が少なすぎて、
選択透過性や血液適合性の改良効果が得られにくくな
る。逆にニトロセルロース溶液の濃度が 1.0%を超える
と、コーティング量が過剰になり、アルブミンだけでな
く、β2 マイクログロブリンのふるい係数まで低下して
しまう。膜表面が高疎水性になり、タンパク質吸着性が
過度に高まったためと推測される。従って、両者の中間
に最適値があり、ニトロセルロース溶液の濃度は、0.01
〜 1.0%の範囲が好ましく、0.08〜 0.6%の範囲がさら
に好ましい。
【0028】ニトロセルロース溶液に用いられる溶媒
は、本発明を限定するものではく、ニトロセルロースを
均一に溶解させる溶媒であれば任意の溶媒を利用するこ
とができる。ただし、血液透析に使用するため、膜から
の除去が容易であることと、微量残留した場合の安全性
を考慮して溶媒を選択するのが好ましい。そうした点か
らコロジオンの溶媒であるジエチルエーテルとエタノー
ルの混合溶媒や、アセトン、メタノール並びにこれらと
エタノールの混合溶媒を用いるのが好ましい。
【0029】本発明に従って再生セルロース膜の処理に
用いられたニトロセルロース溶液は、乾燥及び熱処理の
いずれも施すことなく膜から除去する必要がある。それ
は、例えば次のようにして行うことができる。ニトロセ
ルロース溶液を再生セルロース膜の血液と接触する表面
層に一定時間接触させ、ニトロセルロースを再生セルロ
ース膜の表面層に吸着させる。過剰なニトロセルロース
は、例えばエタノールなどのようなニトロセルロースと
溶解しない溶媒で洗浄除去する。次にこのエタノールを
水で除去する。エタノールは単独でニトロセルロースを
溶解できないためニトロセルロースの吸着層を破壊しな
い。また水と相溶性があり、水洗により容易に膜から除
去が可能である。
【0030】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明の血液透析膜
を更に具体的に説明するが、本発明の内容をこれらの実
施例に限定するものでないことは言うまでもない。な
お、実施例中のニトロセルロース溶液は、市販のコロジ
オン溶液をエタノールで希釈して調製した。β2MG はβ
2 マイクログロブリンの略、Alb は、アルブミンの略で
ある。
【0031】また、実施例中において評価した測定項目
は、各々次の方法で測定したものである。 (1)β2 マイクログロブリン(β2MG)とアルブミン
(Alb)のふるい係数 文献(腎と透析 1989年別冊 ハイパフォーマンス・メ
ンブレン'89, p60,1989)の方法に従い、仔牛血清を用
いて、50mmHgで濾過実験を行い、ふるい係数を求めた。
β2MG は、ラッテクス凝集法(デンカ生研(株))、Al
b はブロムクレゾールグリーン法(和光純薬工業
(株))で定量した。
【0032】(2)補体消費率 100本の中空糸膜の束の両端を接着剤で固定したモジュ
ールを作り、膜の内部にモルモット血清を満たし、37℃
で1時間反応させた。血清を回収し、補体価をマイヤー
変法(Experimental immunochemistry, p133, C.C.Thom
as, 1961)によって求めた。すなわち、補体の50%溶血
価(CH50)を求め、コントロールに対する補体消費
率(%CH50)を算出した。さらに、未処理の膜の補
体消費率を 100とした時の、ニトロセルロースをコーテ
ィングした膜の補体消費率の値を求めた。
【0033】(3)ニトロセルロースのコーティング量
の定量 再生セルロース膜を一定量(血液と接触する表面の膜面
積で約500cm2)を細断し、1N NaOH 10mlに浸せきした。
75℃で3時間反応させ、ニトロセルロースをNO2 - もし
くは NO3 - にまで分解した。 NO2 - と NO3 - は、イオン
クロマトグラフィーで定量し、単位膜面積あたりのニト
ロセルロースのコーティング量を求めた。
【0034】(4)水の透過性 100本の中空糸膜の束の両端を接着剤で固定したモジュ
ールを作り、膜の内部に水を満たした後、片端を閉じ、
開口端より 200mmHgの圧力をかけながら水を入れ、単位
時間あたりの透水量を測定した。モジュールの膜面積
は、湿潤状態の内径と有効長より求めた。
【0035】実施例1 市販の透析器AM-FP-15(旭メディカル(株))の中空糸
膜内表面にエタノールを通液(1m2あたり0.5L)した
後、X%ニトロセルロース溶液(1m2あたり0.5L)を5分
間通液、再びエタノール(1m2あたり0.5L)で洗浄し
た。次いで、エタノールを除去するために、水(1m2
たり0.5L)で洗浄した。中空糸膜の性能を測定したとこ
ろ表1の結果を得た。
【0036】
【表1】
【0037】実施例2 試作の比較中空糸膜(透水量 40ml/m2/mmHg/hr)を透析
器に成型し、内表面にエタノールを通液(1m2あたり0.
5L)した後、X%ニトロセルロース溶液(1m2あたり0.5
L)を5分間通液、再びエタノール(1m2あたり0.5L)
で洗浄した。次いで、エタノールを除去するために、水
(1m2あたり0.5L)で洗浄した。中空糸膜の性能を測定
したところ表2の結果を得た。
【0038】
【表2】
【0039】実施例3 実施例1と2の 0.4%ニトロセルロース溶液でコーティ
ングした透析器及び未処理の透析器を用いて犬による体
外循環を行った。犬は体重約20kgのビークル犬を用い、
頚部に造設したシャントから50ml/min. の血流をとって
透析器血液側に流した。なお、体外循環に先だって、生
理食塩水で透析器内を洗浄した後、ヘパリン6000単位/
L含有の生理食塩水で透析器及び血液回路を充填し、そ
の後血液を流した。透析直前の白血球数を 100とした
時、透析後15分及び30分の値を求めた。その結果を表3
に示す。
【0040】
【表3】
【0041】比較例1 市販の透析器AM-FP-15(旭メディカル(株))の中空糸
膜内表面にエタノールを通液(1m2あたり0.5L)した
後、X%ニトロセルロース溶液(1m2あたり0.5L)を5分
間通液、再びエタノール(1m2あたり0.5L)で洗浄し
た。次いで、エタノールを除去するために、水(1m2
たり0.5L)で洗浄した。中空糸膜の性能を測定したとこ
ろ表4の結果を得た。
【0042】
【表4】
【0043】比較例2 市販の透析器AM-FP-15(旭メディカル(株))の中空糸
膜内表面にエタノールを通液(1m2あたり0.5L)した
後、X%ニトロセルロース溶液(1m2あたり0.5L)を5分
間通液し、圧気で過剰なニトロセルロース溶液を除いた
後、真空乾燥機の中で40℃、-750mmHgの条件で30分乾燥
し溶媒を蒸発させた。中空糸膜の性能を測定したところ
表5の結果を得た。
【0044】
【表5】
【0045】
【発明の効果】実施例1〜2に示したように、血液透析
用再生セルロース透析膜の血液と接触する表面層にニト
ロセルロースをコーティングすることで、β2 マイクロ
グロブリンとアルブミンの選択的透過性を高めかつ補体
の活性化が抑制される。また、実施例3に示したように
白血球一過性減少が大幅に軽減される。
【0046】また実施例1と比較例1の結果よりわかる
ように、β2 マイクログロブリンとアルブミンの選択透
過性と血液に対する適合性が改良された再生セルロース
膜は、血液と接触する表面層に、 0.5mg/m2以上、40mg
/m2以下のニトロセルロースがコーティングされている
ことで実現される。
【0047】更に実施例1と比較例2の結果よりわかる
ように、ニトロセルロースの0.01〜1.0%溶液を、再生
セルロース膜の血液と接触する表面層に接触させ、乾燥
及びまたは熱処理を施すことなく、ニトロセルロースを
コーティングすることで、目的とする効果を発揮する改
良された膜を、水の透過性やβ2 マイクログロブリンの
ふるい係数を低下を抑制して製造することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血液と接触する表面層にニトロセルロー
    スをコーティングしてなることを特徴とする改良された
    血液透析用再生セルロース膜。
  2. 【請求項2】 血液と接触する表面層のニトロセルロー
    スのコーティング量が 0.5mg/m2〜40mg/m2である請求
    項1に記載の血液透析用再生セルロース膜。
  3. 【請求項3】 ニトロセルロースの0.01〜 1.0重量%溶
    液を、再生セルロース膜の血液と接触する表面層に接触
    させ、乾燥及び/又は熱処理を施すことなく、ニトロセ
    ルロースをコーティングすることを特徴とする改良され
    た血液透析用再生セルロース膜の製造方法。
JP26260493A 1993-10-20 1993-10-20 改良された血液透析用再生セルロース膜及びその製造方法 Withdrawn JPH07116248A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013049782A (ja) * 2011-08-31 2013-03-14 Mitsubishi Rayon Co Ltd ゲルおよびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013049782A (ja) * 2011-08-31 2013-03-14 Mitsubishi Rayon Co Ltd ゲルおよびその製造方法

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