JP2977588B2 - 抗血栓性ヘモフィルター - Google Patents

抗血栓性ヘモフィルター

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、抗血栓性に優れたヘモフィルターに関す
る。
(従来の技術) 慢性腎不全患者の血液浄化法の1つとして、ヘモフィ
ルターを用いた治療法が行われている。ヘモフィルター
は濾過によって物質除去を行う為、血液濾過速度(以
下、血液UFRという)に優れた膜を内蔵している必要が
ある。又、近年では、低分子量の尿毒症物質だけではな
く、β−ミクログロブリン(分子量約11,800、以下、
β−MGという)に代表される低分子量蛋白質も効率よ
く除去できる様、β−MGに対する高いふるい係数(以
下、SCという)を備えている事も重要とされている。
これらの条件を満たす膜は、アルブミン(分子量約6
9,000)等の有用蛋白質が透過しない範囲でできるだけ
大孔径を有していることが必要である。孔径の制御性や
透水性の点から合成高分子膜が適しており、その中でも
ポリアクリロニトリル系(以下、PAN系という)共重合
体膜が生体適合性に優れていて好ましい。
一方、治療の際にはヘモフィルターや回路内での血栓
生成を防止する目的で、抗凝固剤が使用されている。現
在、最も汎用されているのはヘパリンであるが、これを
長期間投与し続けると患者によっては副作用を起こすこ
とがあり、持続血液濾過療法の様に長時間連続使用する
場合には常に出血の危険性があり、改善が望まれてい
た。
ヘパリンの投与量を最小限に抑える目的でヘパリンを
血液浄化膜に固定し、抗血栓性を改良しようとする試み
がいくつかなされている。
例えば特開昭57−162704号公報には、PAN系重合体に
エポキシ基含有ビニル系モノマーとエポキシ基を含まな
いビニル系モノマーとをグラフト重合し、該グラフト鎖
中のエポキシ基にヘパリン中のアミノ基を共有結合させ
る事で抗血栓性が得られると述べられている。しかしこ
の方法では、グラフト重合が細孔内部でも進行する為、
もともと透水性の高いPAN膜を用いても孔が小さくな
り、透水性が低下してしまう。この発明には血液UFRの
記載はないが、一般にPAN膜においては血液UFRは透水速
度の1/10程度とされており、それにより推定される血漿
UFRは10m/m2・hr・mmHg以下となり、実用レベルの約2
0m/m2・hr・mmHgには到底及ばない。
また、特開昭58−147404号公報に開示されたEPA法(E
nd Point Attachment:片端結合)により材料面へヘパ
リンを共有結合する方法を、酢酸セルロース中空糸膜へ
試みた例がある(Proc.EDTA−ERA21、270、'84)。
この発明は表面を過マンガン酸系の酸化剤で酸化し、
ポリエチレンイミンで被覆した後、片端をアルデヒド化
したヘパリンをポリエチレンイミン層に共有結合させた
もので、抗血栓性は優れていると言われている。しか
し、膜素材そのものが透析膜であり、本発明の目的に沿
うβ−MGの除去や高い血液UFRといった高い膜性能は
望めない。また、酸化処理の際、試薬により膜素材や細
孔が浸蝕される恐れや、被覆されたポリエチレンイミン
が水溶性である為、使用時に溶出する恐れがあった。
更に、特公平1−45373号公報にはポリマー基体上に
キトサン被覆層を設け、その上にアンチトロンビン原性
剤を結合させる事で抗血栓性が得られると述べられてい
る。しかし、ここに開示されているのは、非透過性基体
への応用であり、膜については開示されていない。実
際、実施例に示される方法をそのまま膜へ適用しても膜
性能が発現されない。
以上の様に、膜素材にヘパリンを結合させて抗血栓性
化しようとすると、β−MGの除去や血液UFRといった
膜性能が低下し、抗血栓性と膜性能とを両立できなかっ
た。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、抗血栓性に優れ、且つ膜性能にも優れるヘ
モフィルターを提供することを課題とするものである。
(課題を解決する為の手段) 本発明の抗血栓性ヘモフィルターは、酸性基含有PAN
系共重合体から成る膜基材と、該膜基材表面に被覆され
た多孔性キトサン層と、更に該層に結合したヘパリンか
ら成る。
本発明においてPAN系共重合体中の酸性基の存在は、
次の2点で重要である。予め膜基材に酸性基が導入さ
れているので、前述の特開昭58−147404号や特公平1−
45373号の発明において問題であった激烈な酸化試薬に
よる酸化反応を受けずに済む。膜基材中の酸性基がキ
トサン中のアミノ基とイオン結合を形成し、キトサンを
膜基材面に安定に積層させることができる。
また、キトサン層が多孔性になっている事で膜基材の
細孔を損なわず、従来実用レベルを達成できなかった血
液濾過膜としての高い膜性能を実現できる。同時に、ヘ
パリンがイオン結合、共有結合のいずれか、又は両方を
介して結合できる。
以上の様な特徴を有するヘモフィルターは、抗血栓性
と高い膜性能とを兼ね備えている。
(発明の構成) 酸性基含有PAN系共重合体は、主成分としてアクリロ
ニトリルを50wt%以上含有し、他に酸性基を有するビニ
ル系モノマーが少なくとも1種類共重合されている。こ
こでいう酸性基は、キトサンがイオン結合により被覆層
を形成できるものであればよく、その種類は問わない。
しかし、共重合を行う際の安定性からカルボキシル基お
よびスルホン酸基が好ましく、いずれか一方、又は両者
混合して存在してもよい。例えば、カルボキシル基を有
するビニル系モノマーとしてはアクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、マレイン酸が、またスルホン酸基を有
するものとして、ビニルスルホン酸、メタリルスルホン
酸、アリルスルホン酸が挙げられる。
酸性基の含有量は、多孔性キトサン被覆層がPAN系共
重合体上に安定に存在しうるのに足る量でよく、過剰に
含有すると通血時に膜が膨潤するので血流にムラが生
じ、血栓形成や性能低下の原因となる。従って、0.02〜
1.40mmol/g(ポリマー)である事が好ましい。
本発明でいう膜基材は孔径が25〜500Åの多孔性であ
り、また膜基材の形状に特に限定はなく、中空糸状、フ
ィルム状のいずれでも良い。
膜基材表面の被覆層は、多孔性キトサンにより形成さ
れる。該キトサン層は、一方で膜基材中の酸性基とイオ
ン結合を形成し、他方でヘパリンと共有結合やイオン結
合を形成する目的で使われる。本発明では、キチンの脱
アセチル化物及び該誘導体をキトサンと定義する。従っ
て、キトサンの3位や6位の水酸基を修飾したものも含
み、例えば、グリコールキトサン、カルボキシメチルキ
トサン、ジエチルアミノエチルキトサンが挙げられる。
又、分子量も特に限定されず、分子量数百のキトオリゴ
糖から数百万のポリマーまで含む。
キトサンの被覆量は膜基材表面の酸性基とイオン結合
を形成し、同時に該被覆層にヘパリンを結合できる量が
好ましい。少な過ぎるとヘパリンの結合量が限定され、
逆に多すぎると膜性能が低下するので、0.2〜2000μg/c
m2がよい。好ましくは1〜100μg/cm2、更に好ましくは
5〜50μg/cm2である。
多孔性キトサン層の構造は、膜基材と同等か、それ以
上の孔径を有する多孔性である。この為、該被覆層が膜
の濾過性能の抵抗となる事が無く、PAN系膜基材が有し
ている高い膜性能を低下させることがない。
ヘパリンはイオン結合、共有結合のいずれか一方、又
はその両者混合で多孔性キトサン層のアミノ基に結合し
ている。イオン結合の場合は、ヘパリン中の酸性基と多
孔性キトサン層のアミノ基との間でイオン対が形成され
るものであり、使用されるヘパリンに限定はない。イオ
ン結合されたヘパリンは血液と接触した時に徐々にイオ
ン結合がはずれ、血中へ徐放される事で抗血栓性が発現
される。共有結合では、ヘパリンが多孔性キトサンに多
点で共有結合している場合と片端で共有結合している場
合とがある。多点の場合は、例えばヘパリン中のアミノ
基と多孔性キトサン層のアミノ基とが、ジアルデヒドや
エポキシ化合物で共有結合により結ばれている。片端の
場合は、ジアゾ分解で片端にアルデヒド基を有するヘパ
リンと多孔性キトサンのアミノ基とが、シッフ(Schif
f)塩基で結合している。この二重結合は水素化ホウ素
試薬等で還元されていても構わない。
更に、イオン結合と共有結合の両方が混在していても
構わない。ヘパリンの活性は自由度の大きい片端での共
有結合時に高く、イオン結合と混在するとより効果的で
ある。通血初期相にはイオン結合性ヘパリンが徐放さ
れ、その後、共有結合性ヘパリンが長時間効果を持続す
るので最も好ましい。
以上の様に膜基材、多孔性キトサン層及び、ヘパリン
から成る抗血栓性ヘモフィルターは、例えば以下の様に
製造される。先ず、中空糸状或いはフィルム状に成型さ
れた膜基材を組み立てて、膜基材モジュールとする。中
空糸状膜基材は例えば、特願平1−95223における実施
例1に従って作成される。
次に、モジュールに通水して付着しているグリセリン
を洗浄した後、キトサン溶液を一定時間膜基材モジュー
ルに通液する。キトサン溶液のpHはキトサンが溶解でき
る範囲であれば特に限定はしないが、pH6.1〜6.3の時続
くヘパリンの結合量が最も高くなり好ましい。通液後直
ちに通水すれば、キトサンは急激に凝固し、多孔性キト
サン層が形成される。更に水洗後、ヘパリン溶液を一定
時間通液し、水洗する。ヘパリン溶液は特に限定しない
が、例えばイオン結合の場合通常のヘパリン水溶液が使
用できる。多点共有結合の場合は通常のヘパリン水溶液
を流した後に、グルタルアルデヒドを含む水溶液を流し
共有結合させる。片端共有結合の場合はジアゾ分解後の
ヘパリン水溶液が使用できる。ヘパリン液の通液後は水
洗して、50wt%グリセリン水溶液を循環後真空乾燥すれ
ば、抗血栓性ヘモフィルターが得られる。
なお、この一連の操作は、中空糸やフィルム状態でヘ
パリンの固定まで終了させてから、モジュールに組み立
てる事も出来る。次に、本発明を実施例を用いて説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例において用いられている諸値の測定法は、以下
の通りである。
1.牛血UFR(m/m2・hr.mmHg) モジュールに回路を接続し、牛血を37℃において200m
/分の流速で通液した。膜間圧力差200mmHg。算出は
次式によった。
UFR=濾過量(m/hr)/{膜面積(m2)×200(mmHg)} 2.牛血漿β−MGのSC モジュールから中空糸をとり出し85本×15cmのミニモ
ジュールを作った。これに牛血漿(TP6.5g/dl、37℃)
を2m/分の流速で通液した。膜間圧力差50mmHg。
SC=濾過中β−MG濃度/牛血漿中β−MG濃度 β−MG濃度はEIA法(イムザイン、富士レビオ社
製)にて測定した。
3.ラット残血率 モジュールから中空糸をとり出し、100本×10cmのミ
ニモジュールを作った。これにラット血(ヘパリン添加
5000U/、37℃)を2m/minの流速で4hr循環した。生
理食塩水で洗浄後、別のラットから採血した血液(ヘパ
リン非添加)をミニモジュールに充填し、2hr静置し
た、最後に生理食塩水で洗浄し、血液が凝固している糸
をカウントした。
残血率(%)=血液が凝固している中空糸の本数/100本
×100 4.結合ヘパリン量(総ヘパリン量)(μg/cm2) モジュールから取り出した中空糸(膜面積25cm2)を
濃硫酸3mに溶解した。100℃で10分間加熱後、室温ま
で冷却しカルバゾール試薬0.1mを加え、再び100℃で1
5分間加熱した。室温まで冷却後、分光光度計にて530mm
における吸光度を読み、検量線から算出した。
5.結合ヘパリン量(イオン結合ヘパリン量)(μg/c
m2) モジュールから中空糸を取り出し、25本×16cmのミニ
モジュールを作った。これに25%食塩水を2m/分の流
速にて30分間通液した。以下、上記4の操作に準じ算出
し、同一サンプルの総ヘパリン量との差をイオン結合ヘ
パリン量とした。
6.キトサンの被覆量(μg/cm2) キトサンが被覆され、且つヘパリンが結合していない
モジュールから取り出した中空糸(膜面積500cm2)を10
5℃の熱風下、12hr乾燥し秤量する(Amgとする)。同様
にキトサンが被覆されていない膜基材モジュールから取
り出した中空糸(膜面積500cm2)を105℃の熱風下、12h
r乾燥し秤量する(Bmgとする)。
7.孔径の測定 モジュールから中空糸を取り出し、膜面積120cm2のミ
ニモジュールを作った。これを用いて各標識蛋白質200p
pmを含有する生理食塩水を濾過し、阻止率を測定した。
使用した蛋白質はチトクロームC(分子量12400)、ト
リプシン(分子量23000)、卵アルブミン(分子量4700
0)、牛アルブミン(分子量67000)、γ−グロブリン
(分子量156000)である。
これにより得られた分子分画曲線より、50%阻止点に
相当する分子量を求め、下記式(D.M.Green等、アメ
リカンソサィエティオブアーティフィシャルインターナ
ルオーガン第627頁以降、1976)より分子径を求めた。
得られた分子径を下記式で示される修正細孔理論の式
(竹沢他、人工臓器13巻6号1460頁以降、1984年)に代
入して平均孔径(dp)を求めた。
ds=1.32×(分子量)1/3 …… SC=0.5={2(1−q)−(1−q)} {1−(2/3)q2−0.202q5}/{1−0.759q5} …… (ここでq=ds/dp、ds:式で得られた分子径、dp:平
均孔径,sc:ふるい係数) (実施例1) アクリロニトリル18.5mmol/g(ポリマー)、アクリル
酸0.17mmol/g(ポリマー)、メタリルスルホン酸ナトリ
ウム0.07mmol/g(ポリマー)から成る酸性基含有PAN系
共重合体を得た。
中空糸状膜基材は特願平1−95223における実施例1
に従って作成した。即ち、上記で得られた共重合体を
70%硝酸に溶解し、重合体濃度13%の紡糸原液を得た。
該原液を鞘芯型中空糸用口金の鞘部より吐出し、芯部よ
り20wt%のポリビニルピロリドン(K−15)水溶液を導
入した。空中走行の後、50℃の水中へ導入し中空糸状を
形成させた。水洗工程をへて、40wt%のグリセリン水溶
液中で40℃×6hr浸漬した後、40℃の真空乾燥機内で乾
燥し、内径230μm、膜厚30μm、平均孔径120Åの中空
糸状膜基材を得た。これを組み立て、膜面積0.5m2の膜
基材モジュールとした。
キトサン(片倉チッカリン製;CTA−10、分子量約16
万)5gを2%酢酸水溶液500mに溶解後、4Nの水酸化ナ
トリウムを加えて液のpHを6.10に調整した。上記のモ
ジュールに通水して付着しているグリセリンを洗浄し、
次にこのキトサン液を上記のモジュールに30分間循環
後、直ちに通水して凝固させ、更に水洗した。
市販ヘパリン(VGF社、178U/mg)1gを蒸留水300mに
溶解し、0℃に氷冷した。酢酸を加えて液のpHを3.21に
調整した後、亜硝酸ナトリウム10mgを添加し2hr攪拌し
た。次に4N−水酸化ナトリウムで中和し燐酸バッファー
(pH6.9)200m、水素化シアノホウ素ナトリウム250mg
を加えた。
上記のモジュールに上記液を24hr循環後、水洗し
た。
上記のモジュールに50wt%グリセリン水溶液を40℃
で2hr循環後、真空乾燥して抗血栓性ヘモフィルターを
得た。得られたヘモフィルターについての種々の評価結
果を表−1、表−2に示す。プライミング時、エアーを
完全に抜くのに要した生理食塩水の量は膜基材だけのモ
ジュール0.7に対し、本ヘモフィルターは0.3であっ
た。得られたヘモフィルターは膜性能、抗血栓性に優
れ、かつエアー抜けが良いものであった。
(実施例2) キトサン液をpH6.30に調整して用いる以外は、以下実
施例1と同じ操作を行った。評価結果を表−1、表−2
に示す。
(実施例3) キトサン液をpH3.50に調整して用いる以外は実施例1
と同じ操作を行った。評価結果を表−1、表−2に示
す。
(実施例4) 実施例1の〜に従い、多孔性キトサン被覆モジュ
ールを得た。
市販ヘパリン1gを燐酸バッファー(pH6.9)500mに
溶解し、この液を上記のモジュールに24hr循環後、実
施例1のに従った。評価結果を表−1、表−2に示
す。
(比較例1) 先行技術(特開昭58−147404号)における実施例3に
従った。ただし、ポリエチレンチューブの代りに酸性基
含有PAN系共重合体から成る中空糸状膜基材を用いた
為、酸化反応による負荷電の導入は省略した。市販ポリ
エチレンイミン(東京化成社製)を0.1%濃度になる様
に硼酸バッファー(pH8.9)500mに溶解した液で基材
を被覆し、以下は本実施例1の〜と同様の操作を行
った。
評価結果を表−1に示す。膜性能が低下し、実用レベ
ルに達しない事が分かる。
(比較例2) 先行技術(特開平1−45373号)における実施例1、
4および6に従った。ただし、ポリマー物品として酸性
基含有PAN系共重合体から成る中空糸状膜基材を用いた
為、下地処理による負荷電の導入は省略した。基材を1
%酢酸水溶液中の0.6wt%キトサン液で被覆し、乾燥
後、1Mの水酸化アンモニウム、蒸留水の順に洗浄した。
これに1%ヘパリンおよび1%水酸化シアノホウ素ナト
リウムを含むpH7.0の0.2M燐酸バッファーを3hr通液し、
水洗後、本実施例1の〜と同様の操作を行った。
評価結果を表−1に示す。膜性能が低下し、実用レベ
ルに達しない事が分かる。
(発明の効果) 本発明の抗血栓性ヘモフィルターは抗血栓性と高い膜
性能を有している。また、ブライミング時のエアー抜け
が良い。
本発明のヘモフィルターは通常の血液濾過療法に使用
されるが、抗血栓性が良い為、長時間連続使用する持続
血液濾過療法において特に有用である。又、血液濾過透
析療法や透析療法にも使用する事が出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−273522(JP,A) 特開 昭58−147404(JP,A) 特開 昭58−87318(JP,A) 特開 昭57−162704(JP,A) 特公 平1−45373(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61M 1/16 - 1/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸性基含有ポリアクリロニトリル系共重合
    体から成る膜基材と、該膜基材表面に被覆された多孔性
    キトサン層と、該層に結合されたヘパリンとから成るこ
    とを特徴とする抗血栓性ヘモフィルター。
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