JPH07115935B2 - セラミツクス前駆体薄膜の製造方法 - Google Patents

セラミツクス前駆体薄膜の製造方法

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JPH07115935B2
JPH07115935B2 JP61311622A JP31162286A JPH07115935B2 JP H07115935 B2 JPH07115935 B2 JP H07115935B2 JP 61311622 A JP61311622 A JP 61311622A JP 31162286 A JP31162286 A JP 31162286A JP H07115935 B2 JPH07115935 B2 JP H07115935B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、セラミックス前駆体薄膜の製造方法に関する
ものである。詳しく述べると、電子基板材、光関連デバ
イス、記録材料、圧電材料、センサーおよび回路のIC化
に伴なう薄膜素子等のセラミックス薄膜を得るのに好適
なセラミックス前駆体薄膜の製造方法に関するものであ
る。
(従来の技術) 従来、金属化合物のゾルからセラミックス薄膜を製造す
る方法は、ガラス、金属、特殊樹脂の基体上に前記ゾル
をキャストして薄膜を得たのち、加熱処理する、いわゆ
るキャスト法が一般的であった。また、シリコンアルコ
キシドまたは該シリコンアルコキシドと他の金属のアル
コキシドとの混合物を加水分解させて粘稠な溶液を調製
し、該溶媒から自由空間にて薄膜を形成させ、該薄膜を
加熱することによるガラス薄膜の製造方法が提案されて
いる(特公昭60−58,180〜58,181号)。さらに、部分重
合させたシリコンアルコキシド含有液体を水面に滴下
し、このようにして形成された膜を加熱してガラス薄膜
を製造する方法も開示されている(特開昭51−34,219
号)。
(発明が解決しようとする問題点) 薄膜化技術は、現在の電子産業の基盤となっている重要
な技術であり、主として真空技術を用いて種々の薄膜が
製造されている。しかしながら、従来の真空技術を用い
た薄膜化法は、設備費が高い、ユーティリティが高い、
大面積化が困難、結晶性および化学量論性の良好な膜が
得られにくい、生産性が低いなどの欠点があり、また高
融点の酸化物の製膜が困難である。
これに対して、金属アルコキシドを主とした溶液のゾル
を用いる酸化物薄膜の製造は、簡単でしかも安価な設備
でよい、大面積化が可能である、生産性が高くコストが
安い、均質で化学量論性のよい膜が得られる等の長所が
期待される。しかしながら、金属化合物のゾルからキャ
スト法により基体上に薄膜に形成する方法は、ゲルの乾
燥収縮が大きく、乾燥時に亀裂や変形を生じやすいとい
う欠点がある。一方、スリットやリング等を利用して薄
膜を形成する方法は、容易に重合体溶液が得られるシリ
カ系材料に限定されており、それ以外はその製造方法が
困難なため未だ検討されてない。
また、部分重合させたシリコンアルコキシド含有液体を
水面に滴下し、水面上に形成された膜を加熱してガラス
薄膜を製造する方法では、膜が水と接触した時にゲル化
が速やかに起り、広い膜とすることがむずかしく、また
極薄膜は得られない。
したがって、本発明の目的は、セラミックス前駆体薄膜
の製造方法を提供することにある。本発明の他の目的
は、薄膜素子等のセラミックス薄膜を得るに好適なセラ
ミックス前駆体薄膜を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) これらの諸目的は、金属化合物からゾルを形成し、該ゾ
ルを有機重合体と均一に混合して粘度10〜1,000ポイズ
の粘稠液を調製し、該粘稠液をスリットから吐出させて
連続薄膜を形成することを特徴とするセラミックス前駆
体薄膜の製造方法により達成される。
また、本発明は、並列して形成された2個以上のスリッ
トから異なる金属化合物から形成されるゾルを主体とし
た粘稠液を吐出させて連続的な多層からなる薄膜を形成
させてなるセラミックス前駆体薄膜の製造方法である。
(作用) 本発明によるセラミックス前駆体薄膜は、金属化合物か
らゾルを形成し、該ゾルを有機重合体と均一に混合して
粘度10〜1,000ポイズ、好ましくは100〜800ポイズの粘
稠液を調製し、該粘稠液をスリットから吐出させて連続
薄膜を形成させることにより製造される。
本発明で用いる金属化合物としては、ゾルを形成するも
のであればいずれでもよく、例えば塩化物、硝酸塩、硫
酸塩、リン酸塩、有機酸塩、有機キレート化合物、アル
コキシド等が挙げられるが、好ましくは金属アルコキシ
ド系化合物である。
金属アルコキシド系化合物としては、例えば一般式Iで
表わされる単一金属アルコキシド、一般式IIで表わされ
る複合金属アルコキシド等が挙げられる。
Ma(OR)nXm-n (I) Ma[Mb(OR)m-n (II) (ただし、式中、MaおよびMbはアルコキシドを形成し得
る金属、Mは金属MaまたはMbがアルコキシ基を形成し得
る最大原子価、nは1〜mの整数、Xは酸素原子、ハロ
ゲン原子、水酸基または有機残基であり、またRはアル
キル基である。)で表わされるものである。Rは、例え
ば炭素原子数1〜20、好ましくは1〜7、より好ましく
は1〜4のアルキル基、Xは酸素原子、ハロゲン原子、
好ましくは塩素原子、水酸基または有機残基、例えば炭
素原子数1〜20、好ましくは1〜7、より好ましくは1
〜4のアルキル基、炭素原子数6〜20、好ましくは6〜
8のアリール基、より好ましくはフェニル基、炭素原子
数3〜5のアリル基、炭素原子数2のビニル基、炭素原
子数2〜10のβ−ジケトンや有機カルボン酸等のアルミ
ニウムとキレートを形成する有機化合物の残基等であ
る。
MaおよびMbとしては、例えば四価の金属としてケイ素、
チタン、ジルコニウム、錫、ゲルマニウム、ハフニウム
等、好ましくはケイ素、チタン、ジルコニウム、錫、ゲ
ルマニウム等、最も好ましくはケイ素、チタンおよびジ
ルコニウム、三価の金属としてアルミニウム、イットリ
ウム、ホウ素、鉄、ガリウム、インジウム、タリウム
等、好ましくはアルミニウムおよびイットリウム、二価
の金属としてマグネシウム、亜鉛、バリウム、ベリリウ
ム、カルシウム、鉛等、好ましくはバリウム、マグネシ
ウム、亜鉛等、一価の金属としてナトリウム、リチウム
等がある。上記金属のうち二価ないし四価の金属がより
好ましい。
シリコンアルコキシド系化合物としては、テトラメトキ
シシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキ
シシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキ
シシラン類等の4官能アルコキシド化合物、トリメトキ
シメチルシラン、トリメトキシエチルシラン、トリメト
キシn−プロピルシラン、トリメトキシイソプロピルシ
ラン、トリメトキシn−ブチルシラン、トリメトキシイ
ソブチルシラン、トリメトキシt−ブチルシラン、トリ
メトキシアリルシラン、トリメトキシビニルシラン、ト
リメトキシウェニルシラン、トリメトキシ(アセチルア
セトナート)シラン、トリエトキシメチルシラン、トリ
エトキシエチルシラン、トリエトキシn−プロピルシラ
ン、トリエトキシイソプロピルシラン、トリエトキシブ
チルシラン類、トリエトキシビニルシラン、トリエトキ
シフェニルシラン、トリエトキシ(アセチルアセトナー
ト)シラン、トリ−n−プロポキシメチルシラン、トリ
−n−プロポキシエチルシラン、トリ−n−プロポキシ
n−プロピルシラン、トリ−n−プロポキシブチルシラ
ン類、トリイソプロポキシメチルシラン、トリイソプロ
ポキシエチルシラン、トリイソプロポキシフェニルシラ
ン類、トリイソプロポキシ(アセチルアセトナート)シ
ラン、トリブトキシメチルシラン類、トリブトキシエチ
ルシラン類、トリブトキシ(エチルアセチルアセテー
ト)シラン類、トリス(2−メトキシエトキシ)ビニル
シラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、トリ
メトキシクロロシラン、トキエトキシクロロシラン、ト
リイソプロポキシクロロシラン、トリメトキシ(ヒドロ
キシ)シラン等の3官能シラン化合物、ジメトキシジメ
チルシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジメトキシジ
イソプロピルシラン、ジメトキシジ−n−ブチルシラ
ン、 ジメトキシジイソブチルシラン、ジメトキシジ−t−ブ
チルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシ
ジ(アセチルアセトナート)シラン、ジエトキシジメチ
ルシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジエトキシジイ
ソプロピルシラン、ジエトキシジブチルシラン類、ジエ
トキシジ(アセチルアセトナート)シラン、ジ−n−プ
ロポキシジメチルシラン、ジ−n−プロポキシジエチル
シラン、ジ−n−プロポキシジフェニルシラン類、ジ−
n−プロポキシジ(アセチルアセトナート)シラン、ジ
イソプロポキシジメチルシラン、ジイソプロポキシジエ
チルシラン、ジイソプロポキシジプロピルシラン類、ジ
イソプロポキシジブチルシラン類、ジイソプロポキシジ
フェニルシラン類、ジイソプロポキシジ(アセチルアセ
トナート)シラン、ジブトキシジメチルシラン類、ジブ
トキシジエチルシラン類、ジブトキシジプロピルシラン
類、ジブトキシジブチルシラン類、ジブトキシジフェニ
ルシラン類、ジメトキシジクロロシラン、ジエトキシジ
クロロシラン、ジイソプロポキシジクロロシラン、ジメ
トキシ(ジヒドロキシ)シラン、ジエトキ(ジヒドロキ
シ)シラン等の2官能シラン化合物等がある。
チタンアルコキシド系化合物としては、テトラメトキシ
チタン、テトラエトキシチタン、テトラn−プロポキシ
チタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシ
チタン、トリメトキシメチルチタン、トリメトキシエチ
ルチタン、トリメトキシプロピルチタン類、トリメトキ
シアリルチタン類、トリメトキシフェニルチタン類、ト
リメトキシ(アセチルアセテート)チタン、トリエトキ
シメチルチタン、トリエトキシエチルチタン、トリエト
キシプロピルチタン類、トリメトキシビニルチタン、ト
リエトキシフェニルチタン類、トリプロポキシメチルチ
タン類、トリプロポキシエチルチタン類、トリプロポキ
シブチルチタン類、トリプロポキシフェニルチタン類、
トリブトキシメチルチタン類、トリブトキシ(アセチル
アセトナート)チタン類、ジメトキシジメチルチタン、
ジメトキシジエチルチタン、ジメトキシジプロピルチタ
ン類、ジメトキシジブチルチタン類、ジメトキシジ(ア
セチルアセトナート)チタン、ジエトキシジメチルチタ
ン、ジエトキシジエチルチタン、ジエトキシジプロピル
チタン類、ジプロポキシジメチルチタン類、ジプロポキ
シジエチルチタン類、ジブトキシジメチルチタン類、ジ
ブトキシジエチルチタン類、ジブトキシジ(アセチルア
セトナート)チタン類、ジイソプロポキシビス(アセチ
ルアセトナート)チタン、イソプロポキシ(2−エチル
ヘキサンジオラート)チタン、ジ−n−ブトキシビス
(トリエタノールアミナト)チタン等がある。
ジルコニウム系アルコキシド化合物としては、テトラメ
トキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テ
トライソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジル
コニウム、トリメトキシメチルジルコニウム、トリメト
キシエチルジルコニウム、トリメトキシプロピルジルコ
ニウム類、トリメトキシブチルジルコニウム類、トリメ
トキシアリルジルコニウム、トリメトキシフェニルジル
コニウム、トリメトキシ(アセチルアセトナート)ジル
コニウム、トリエトキシメチルジルコニウム、トリエト
キシエチルジルコニウム、トリエトキシプロピルジルコ
ニウム類、トリエトキシビニルジルコニウム、トリエト
キシフェニルジルコニウム、トリプロポキシメチルジル
コニウム類、トリプロポキシプロピルジルコニウム類、
トリブトキシメチルジルコニウム類、ジメトキシジメチ
ルジルコニウム、ジメトキシジエチルジルコニウム、ジ
メトキシジプロピルジルコニウム類、ジメトキシジフェ
ニルジルコニウム、ジメトキシジ(アセチルアセトナー
ト)ジルコニウム、ジエトキシジメチルジルコニウム、
ジエトキシジエチルジルコニウム、ジエトキシジプロピ
ルジルコニウム類、ジプロポキシジメチルジルコニウム
類、ジプロポキシジプロピルジルコニウム類、ジブトキ
シジメチルジルコニウム、ジブトキシジブチルジルコニ
ウム類等がある。
錫系アルコキシド化合物としては、テトラメトキシ錫、
テトラエトキシ錫、テトライソプロポキシ錫、テトラブ
トキシ錫類、トリメトキシメチル錫、トリメトキシエチ
ル錫、トリメトキシイソプロピル錫、トリメトキシブチ
ル錫類、トリエトキシメチル錫、トリエトキシイソプロ
ピル錫、トリイソプロポキシメチル錫、トリイソプロポ
キシブチル錫類、トリイソプロポキシフェニル錫、ジメ
トキシジメチル錫、ジメトキシジイソプロピル錫、ジエ
トキシジエチル錫、ジエトキシジブチル錫類等がある。
ゲルマニウム系アルコキシド化合物としては、テトラメ
トキシゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニウム、テ
トライソプロポキシゲルマニウム、テトラブトキシゲル
マニウム、トリメトキシメチルゲルマニウム、トリメト
キシエチルゲルマニウム、トリメトキシイソプロピルゲ
ルマニウム、トリメトキシブチルゲルマニウム類、トリ
エトキシメチルゲルマニウム、トリエトキシイソプロピ
ルゲルマニウム、トリイソプロポキシメチルゲルマニウ
ム、ジメトキシジメチルゲルマニウム、ジメトキシジイ
ソプロピルゲルマニウム、ジエトキシジエチルゲルマニ
ウム、ジエトキシジブチルゲルマニウム類等がある。
アルミニウムアルコキシド系化合物としては、例えばア
ルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシ
ド、アルミニウムトリ−n−プロポキシド、アルミニウ
ムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリ−n−ブト
キシド、モノメトキシアルミニウムジエトキシド、モノ
エトキシアルミニウムジイソプロポキシド、モノイソプ
ロポキシアルミニウムジ−sec−ブトキシド、ジメトキ
シアルミニウムモノエトキシド、ジエトキシアルミニウ
ムモノイソプロポキシド等の3官能アルコキシド化合
物、アルミニウムエチルアセトアセテートジメトキシ
ド、アルミニウムエチルアセトアセテートジエトキシ
ド、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロポ
キシド、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロポキ
シド、メチルアルミニウムジメトキシド、メチルアルミ
ニウムジエトキシド、メチルアルミニウムジイソプロポ
キシド、エチルアルミニウムジイソプロポキシド、ジメ
トキシアルミニウムクロリド、ジエトキシアルミニウム
クロリド、ジイソプロポキシアルミニウムクロリド、ジ
イソプロポキシアルミニウムプロミド、ジメトキシアル
ミニウムヒドロキシド、ジイソプロポキシアルミニウム
ヒドロキシド等2官能アルキシド化合物、ジメチルアル
ミニウムモノメトキシド、ジメチルアルミニウムジエト
キシド、ジメチルアルミニウムモノイソプロポキシド、
ジエチルアルミニウムイソプロポキシド、ジイソプロピ
ルアルミニウムモノ−sec−ブトキシド、モノイソプロ
ポキシアルミニウムジクロリド、モノイソプロポキシア
ルミニウムジヒドロキシド等の1官能アルコキシ化合物
等がある。
イットリウムアルコキシド系化合物としては、トリメト
キシイットリウム、トリエトキシイットリウム、トリイ
ソプロポキシイットリウム、トリブトキシイットリウム
類、ジメトキシメチルイットリウム、ジメトキシエチル
イットリウム、ジメトキシイソプロピルイットリウム、
ジメトキシフェニルイットリウム、ジメトキシ(アセト
アセテート)イットリウム、ジエトキシメチルイットリ
ウム、ジエトキシエチルイットリウム、ジエトキシイソ
プロピルイットリウム、ジエトキシフェニルイットリウ
ム類、ジエトキシ(アセトアセテート)イットリウム、
ジイソプロポキシメチルイットリウム、ジイソプロポキ
シエチルイットリウム、ジイソプロポキシ(アセトアセ
テート)イットリウム、ジブトキシメチルイットリウム
類等がある。
鉄アルコキシド系化合物としては、トリメトキシ鉄、ト
リエトキシ鉄、トリイソプロポキシ鉄、ジメトキシメチ
ル鉄、ジエトキシイソプロピル鉄等、ホウ素アルコキシ
ド系化合物としては、トリメトキシボラン、トリエトキ
シボラン、トリイソプロポキシボラン、ジメトキシメチ
ルボラン、ジエトキシイソプロピルボラン、ジメトキシ
フェニルボラン等、鉛アルコキシド系化合物としては、
ジメトキシ鉛、ジエトキシ鉛、ジイソプロポキシ鉛等、
マグネシウムアルコキシド系化合物としては、ジメトキ
シマグネシウム、ジエトキシマグネシウム、ジイソプロ
ポキシマグネシウム等亜鉛アルコキシド系化合物として
は、ジメトキシ亜鉛、ジエトキシ亜鉛、ジイソプロポキ
シ亜鉛系、バリウムアルコキシド系化合物としては、ジ
メトキシバリウム、ジエトキシバリウム、ジイソプロポ
キシバリウム等がある。
これらのアルコキシド系化合物は単独でもまた混合物で
も使用できるが全体としては1〜4官能、好ましくは2
〜4官能、最も好ましくは2〜3官能となるように配合
してゲルを形成することが好ましい。
より好ましくは上記金属アルコキシドからなるゾルと、
金属水酸化物および金属酸化物よりなる群から選ばれた
少なくとも1種の化合物とを併用したゾルを用いるとさ
らに優れた効果が得られる。
金属化合物、例えば金属アルコキシドがゾルを形成させ
る方法としては、加水分解条件下で重合させる方法があ
る。
加水分解条件下で重合させる方法としては、水および酸
またはアルカリの存在下で行なわれるが、より好ましく
は水および酸の存在下である。酸としては、塩酸、硝
酸、硫酸、リン酸、炭酸、ホウ酸等の無機酸、ギ酸、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、マレイン酸、乳
酸、クエン酸、リンゴ酸等の有機酸等水溶性酸が使用で
きる。また、アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア、メチルア
ミン、エチルアミン、エタノールアミン等が使用でき
る。
加水分解に使用される水の量は、有機金属化合物中のア
ルコキシ基のモル数に対して0.3〜2.0倍モルが好まし
く、特に0.3〜1.0倍モルが好ましい。また、酸の量は、
水のモル数に対して0〜0.5倍モルが好ましく、特に0
〜0.2倍モルが好ましい。酸の代りにアルカリを使用す
る場合には、その量は、水のモル数に対して0〜0.5倍
モルが好ましく、特に0〜0.2倍モルが好ましい。
加水分解条件下での重合は、0〜100℃、好ましくは20
〜80℃の温度で撹拌下に行なわれる。反応は、減圧下、
常圧下または加圧下のいずれでも行なうことができる。
この場合、水は反応混合液中に直接添加してもよいが、
水−不活性ガス(例えば窒素、アルゴン、ヘリウム、メ
タン、エタン、プロパン等)混合気体として使用しても
よく、これにより加水分解の制御を容易にすることがで
きる。酸、アルカリにおいても例えば塩化水素、炭酸ガ
ス、アンモニア等は水溶液にして添加してもよいが、ガ
ス状で連続的に反応媒体中に吹き込んで使用してもよ
く、この場合不活性ガスとして上記不活性ガスが使用で
き、これにより加水分解の制御を容易にすることができ
る。また、該反応は無溶媒下に行なうこともできるが、
有機溶媒中に行なうことが望ましい。前記化合物を溶解
し得る有機溶媒がより好ましい。有機溶媒としては、例
えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イス
プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec
−ブタノール、ヘキサノール、オクタノール等のアルコ
ール類、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、
イソオクタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、
シクロヘプタン等の脂環式炭化水素類、酢酸エチル、酢
酸イソプロピル等のエステル類、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエー
テル類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチル
セロソルブ等のセロソルブ類、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素類等がある。
本発明で使用される有機重合体としては、ポリスチレ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等
の水不溶性有機重合体、ポリビニルアルコール、ポリエ
チレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニル
ピロリド、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、水
溶性アルキッド樹脂、ポリエチレンイミン、水溶性ナイ
ロン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、澱粉、トラガカントゴム、水溶性ゴムラテ
ックス等の水溶性有機重合体等が挙げられるが、より好
ましくは水溶性有機重合体である。有機重合体の配合比
は任意の割合でよいが、好ましくは金属化合物100重量
部当り1〜20重量部より好ましくは1〜12重量部であ
る。
このようにして、スリットより吐出された薄膜は50〜25
0℃、好ましくは50〜200℃の温度で乾燥されることによ
りセラミックス前駆体薄膜を形成する。また2個以上の
スリットより異なる種類のゾルを吐出させる場合には、
複数枚の薄膜をローラ、風圧等で押圧することにより積
層薄膜が得られる。
このようにして、得られるセラミック前駆体薄膜は、60
0〜1,200℃、好ましくは800〜1,200℃の温度で焼成する
ことによりセラミックス薄膜が得られる。
(実施例) つぎに、実施例を挙げて本発明方法をさらに詳細に説明
する。
実施例1 テトライソプロポキシチタンとイソプロパノールの1:1
溶液にテトライソプロポキシチタン100重量部に対して
水12重量部および塩化水素0.2重量部を加え、80℃の温
度で1時間攪拌を行なって、ゾルを得た。このゾル100
重量部に対してカルボキシメチルセルロース4重量部を
添加し、減圧下に50℃の温度で溶媒を除去して粘度500
ポイズの曳糸性を有するゾルを得た。このようにして得
られたゾルをスリット幅1mm、長さ300mmのスリットから
吐出させたのち、100℃の温度に調製されている乾燥炉
を通してゲル化させることにより膜厚50μm、幅250mm
の薄膜を得た。この薄膜を1,200℃の温度で3時間焼成
したところ、酸化チタンの薄膜が得られた。
実施例2 エチルアセテートアルミニウムジイソプロポキシド30重
量部とイソプロパノール20重量部とを混合し、該混合液
に攪拌しながら60℃の水−窒素混合気体(水/ガスモル
比=0.24/1)(水として3重量部に相当)を流通させ、
60℃の温度で3時間反応させた。ついで、この液にポリ
エチレンオキシド(分子量20,000)3重量部を溶解させ
て粘度300ポイズのゾル(A)を得た。
一方、トリエトキシ(メチル)シラン30重量部とエタノ
ール20重量部を混合し、該混合物に水3重量部と35%塩
酸0.5重量部とを添加し、60℃の温度で5時間反応させ
た。ついで、この液にポリエチレンオキシド(分子量2
0,000)2重量部を溶解させて粘度300ポイズのゾル
(B)を得た。
並列でかつ間隙0.3mm、幅300mmの二つのスリットAおよ
びBからなる装置を用い、ゾル(A)をスリットAの容
器に、またゾル(B)をスリットBの容器に供給し、両
者の容器を60℃に加熱し、両スリットから両ゾル(A)
および(B)を吐出し、吐出速度は50mm/secで2層から
なる膜厚30μ、幅230mmの可撓性を有する薄膜が得られ
た。この薄膜を1,000℃の温度で5時間焼成したとこ
ろ、アルミナおよびシリカよりなるセラミックスの薄膜
が得られた。
比較例 テトライソプロポキシチタンとイソプロパノールの1:1
溶液にテトライソプロポキシチタン100重量部に対して
水12重量部および塩化水素0.2重量部を加え、80℃の温
度で1時間攪拌を行ない、減圧下に50℃の温度で溶媒を
除去して粘度80ポイズのゾルを得た。このようにして得
られてたゾルをスリット幅1mm、長さ300mmのスリットか
ら吐出させたが、引き出し得る薄膜は形成されなかっ
た。
実施例3 等モル量のバリウムジエトキシドとチタニウムテトラエ
トキシドとを5倍モルのエタノールに溶解して混合アル
コキシド溶液を調製した。該溶液にアルコキシド合計モ
ル数の2倍モルの水を3倍モルのエタノールに希釈して
加え、25℃で3時間攪拌した。この溶液100重量部に対
しエチルセルロースの5%のテトラヒドロフラン溶液を
30重量部添加して、60℃の温度で1時間攪拌し、均一な
溶液とした。これを40℃の温度で減圧下に溶媒を一部除
去し、粘度500ポイズの曳糸性を有する原液を得た。こ
の原液を実施例1と同様な操作によりゲル状膜とし、該
ゲル状膜を1,200℃の温度で焼成して厚さ40μmの緻密
なチタン酸バリウムセラミックスの薄膜を得た。
実施例4 等モル量のバリウムジエトキシドとチタニウムテトラエ
トキシドとを5倍モルのエタノールに溶解して混合アル
コキシド溶液を調製した。この溶液にアルコキシド合計
モル数の2倍の水を3倍のエタノールに希釈して加え、
25℃の温度で3時間攪拌した。この溶液100重量部に対
し、エチルセルロースの5%テトラヒドロフラン溶液を
30重量部加えたのち、60℃の温度で1時間攪拌して均一
な溶液とした。この溶液を80℃の温度で減圧下に溶媒を
一部除去し、粘度500ポイズの曳糸性を有するゾルAを
得た。
一方、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロ
ポキシド30重量部にエチルシリケート5重量部とイソプ
ロパノール20重量部とを混合し、60℃の水−窒素混合気
体(水/ガスモル比=0.24/1)(水として4重量部に相
当)を流通させ、60℃の温度で3時間反応させてアルミ
ニウムアルコキシド系化合物の重合体を含む液60重量部
を得た。この液に塩基性塩化アルミニウム50%水溶液10
0重量部、塩化マグネシウム2重量部およびエチルセル
ロース5%テトラヒドロフラン溶液30重量部を添加し、
80℃の温度で減圧下に溶媒および水の一部を除去して60
0ポイズの曳糸性を有するゾルBを得た。
この2種類のゾルAおよびBを、隣接した二つのスリッ
ト(開口部隙間各0.3mm、幅250mm、スリット間の距離5m
m)から同時に鉛直下方へ吐出させ、張合わせた状態で
水蒸気を吹付けてゲル化させ、かつその下方に巻取りロ
ールで引張りつつ巻取りを行なった。巻き取ったゲル膜
を平坦に伸ばして、電気炉中で徐々に加熱したのち、1,
200℃で焼成したところ、チタン酸バリウムとアルミナ
の2層からなる厚さ12μmの2層セラミックス薄膜が得
られた。
(発明の効果) 以上述べたように、本発明によるセラミックス前駆体薄
膜の製造方法は、金属化合物からゾルを形成し、該ゾル
を有機重合体と均一に混合して粘度10〜1,000ポイズの
粘稠液を調製し、該粘稠液をスリットから吐出させて連
続的薄膜を形成させることにより行なわれるものである
から、成膜性が極めて良好である。このため、前記粘稠
液がスリットから吐出する間に切断することはなく、ま
た基材上に塗布するのではないので、剥離に伴なうトラ
ブルおよび収縮に伴なうトラブルも存在しない。したが
って、極めて簡単な方法で安価かつ高生産性で均質なセ
ラミックス前駆体薄膜が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 誠 福岡県北九州市八幡西区東浜町1番1号 黒崎窯業株式会社技術研究所内 (72)発明者 佐々木 稔 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式會社第一技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−13666(JP,A) 特開 昭59−26966(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属化合物からゾルを形成し、該ゾルを有
    機重合体と均一に混合して粘度10〜1,000ポイズの粘稠
    液を調製し、該粘稠液をスリットから吐出させて連続薄
    膜を形成することを特徴とするセラミックス前駆体薄膜
    の製造方法。
  2. 【請求項2】金属化合物100重量部当りの有機重合体の
    配合量が1〜30重量部である特許請求の範囲第1項に記
    載の製造方法。
  3. 【請求項3】金属化合物が金属アルコキシド系化合物で
    ある特許請求の範囲第1項または第2項に記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】有機重合体が水溶性有機重合体である特許
    請求の範囲第1項ないし第3項のいずれか一つに記載の
    製造方法。
  5. 【請求項5】並列する2個以上のスリットから異なる金
    属化合物から得たゾルを主体とした粘稠液を吐出させ、
    このようにして形成される2種以上の薄膜を積層してな
    る特許請求の範囲第1項ないし第4項のいずれか一つに
    記載の製造方法。
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