JPH07114959B2 - 活性炭触媒の再生方法 - Google Patents

活性炭触媒の再生方法

Info

Publication number
JPH07114959B2
JPH07114959B2 JP62217037A JP21703787A JPH07114959B2 JP H07114959 B2 JPH07114959 B2 JP H07114959B2 JP 62217037 A JP62217037 A JP 62217037A JP 21703787 A JP21703787 A JP 21703787A JP H07114959 B2 JPH07114959 B2 JP H07114959B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrochloric acid
catalyst
washing
catalyst layer
air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP62217037A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6458344A (en
Inventor
善弘 大口
延芳 藤巻
普一 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chiyoda Corp
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chiyoda Corp, Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Chiyoda Corp
Priority to JP62217037A priority Critical patent/JPH07114959B2/ja
Publication of JPS6458344A publication Critical patent/JPS6458344A/ja
Publication of JPH07114959B2 publication Critical patent/JPH07114959B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Paper (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は硫化ソーダを含有する水溶液を空気または酸素
の存在下で酸化させる反応装置で使用する粒状活性炭触
媒または繊維状活性炭触媒(以下単に酸化触媒と呼ぶ)
の再生方法に関するものである。本発明は紙パイプ工業
においては、硫化ソーダ含有水溶液がクラフト法パルプ
蒸解用緑液または白液であってパルプ蒸解用のポリサル
ファイド含有白液を製造するための、あるいは緑液を酸
化してセミケミカルパルプを製造するための炭酸ソーダ
蒸解液を製造するための、またはパルプの酸素漂白用苛
性ソーダ液を製造するための酸化触媒の再生方法に関す
るものである。ここで緑液とはクラフト法パルプ製造工
程においてパルプ分離後のリグニン含有蒸解薬液を濃縮
し、燃焼した際の溶融残渣(スメルト)を水に溶解した
もので、硫化ソーダ、水硫化ソーダ、炭酸ソーダを主成
分としており、また白液とは緑液に水酸化カルシウムを
混合して炭酸ソーダと反応させ、緑液中成分のうち炭酸
ソーダの大部分を苛性ソーダに転換させたものである。
(従来技術および発明が解決しようとする問題点) 本発明が対象とする酸化触媒は、主としてパルプ工場に
おけるパルプ蒸解白液および緑液の酸化処理に用いられ
るが、この白液および緑液中には微少な固体懸濁物質
(SS分)が混入しており、このSS分が酸化反応触媒上に
堆積することによって、触媒の性能が低下する現象が見
られる。このSS分成分は、白液の製造工程で混入する炭
酸カルシウム及び、パルプ蒸解薬品の循環工程中で混入
し除去されずに蓄積した硫化鉄やその他の無機化合物で
ある。
SS分の堆積によって性能の劣化した酸化触媒を再生し
て、新しい触媒と同程度に触媒性能を回復させるために
は、触媒層に堆積したSS分を実質的に完全に除去するこ
とが求められる。実際の工業装置で触媒性能の回復のた
めに塩酸で洗浄した事例が、雑誌で紹介されている
(「紙パルプ技術協会誌」昭和50年10月号、25〜26頁、
および昭和56年1月号、39〜44頁)。
この事例の詳細については記述がないが、おそらくパル
プ製造工場で日常的に実施されている塩酸洗浄法の適用
と推定される。すなわち、パルプ製造工場においてはSS
分が原因となって配管や機器の内壁にスケールが付着す
るというトラブルが頻繁に発生する。その対策として、
スケールの付着した配管や機器の内壁を塩酸の水溶液で
洗浄する方法が経験的に実施されている。これはSS分が
塩酸によって容易に溶解する性質を有していることを利
用したものである。つまり、SS分の主要成分であるカル
シウム分は塩酸により次のように、水に可溶な塩化カル
シウムとなる。
CaCO3+2HCl→CaCl2+H2O+CO2↑ また、SS分中に少量含まれる鉄分は塩酸と反応して水溶
性の塩化鉄とともに有毒な硫化水素を生成する。
FeS+2HCl→FeCl2+H2S↑ 硫化水素ガスの発生に関して重要なことは、蒸解薬液中
の硫化ソーダと塩酸との次の反応である。
Na2S+2HCl→2NaCl+H2S↑ 硫化水素ガスは、微量でも不快な悪臭の原因となり、ま
た濃度が高い硫化水素含有ガスを呼吸すれば中毒死に至
る有害ガスである。したがって、先に述べたようなスケ
ールの付着した配管や機器の塩酸洗浄にあたっては、あ
らかじめその内部を水で置換して硫化ソーダ分を実質的
に除去したのちに、塩酸による洗浄を行うことが行われ
ている。パルプ工場におけるスケール除去を目的とした
塩酸洗浄操作では、このような水洗を行うことによって
硫化水素の発生をなくするかまたは極めて少量に押さえ
ることができ、作業環境の保持及び紙パルプ工場近隣に
対する悪臭公害の発生を防止している。
本発明が対象とする酸化触媒の再生においても同様に硫
化水素ガスの発生及び硫化水素ガスによる種々の障害が
極力防止されなければならない。
しかしながら、酸化触媒の再生を反応器に充填したまま
で行う場合、あらかじめ触媒層に含まれる硫化ソーダ分
を水洗によって除去することは実際上不可能である。す
なわち、酸化触媒は通常その内部に多くの細孔を有して
おり、この細孔内拡散抵抗の存在によって細孔内部に存
在する硫化ソーダ含有水溶液の置換速度は大変小さくな
るので、実質的に硫化ソーダ分を完全に除去するために
は、莫大な量の排水処理と長大な時間を要するのであ
る。
また、性能の低下した活性炭触媒を反応器から取り出し
て、効率の良い専用の再生装置によって塩酸洗浄する方
法も考えられるが、抜き出しや再充填のための労力と時
間の消費を伴い、また機械的衝撃による触媒粒子の破壊
が懸念されるので、触媒を反応器に充填したままで再生
する方法が望まれる。
さらに本発明者らの経験によれば、SS分が堆積した酸化
触媒を空気を流通させることなく、ただ単に塩酸で洗浄
しただけでは、触媒性能が完全に回復するまでにかなり
の時間を要するという現象が見られた。前述した文献の
中でも「酸洗後に一時的にポリサルファイドの生成量が
低下する現象があり、.......」との記述がされてい
る。そこで、本発明者らは、再生後の触媒性能完全回復
までに時間を要することに関し、その原因を追求したと
ころ、空気を流通しない塩酸洗浄では除去されるべきSS
分の溶解成分のうちかなりの量が該触媒層に残留してし
まうこと、及び運転再開後の硫化ソーダ含有水溶液の導
入によってSS溶解成分が触媒層に再沈澱すること、さら
にこの再沈澱物は硫化ソーダ含有水溶液に対してすこし
づつ溶解する性質を有していることなどが突き止められ
た。
以上の現象については、次の平衡反応によるものと思わ
れる。
Ca+++2H2OCa(OH)+2H+ Fe+++2H2OFe(OH)+2H+ 従って本発明が対象とする酸化触媒の塩酸洗浄による再
生においては、運転再開後の触媒性能が新しい触媒と同
程度に回復すること、及びそのためには、SS分溶解物が
触媒層に残留しないような工夫が必要である。
このように、触媒性能の低下した酸化触媒を反応器に充
填したまま、ただ単に塩酸で洗浄し再生する方法では、
以上述べたような点も含めて、以下の問題点がある。
有毒な硫化水素ガスの発生、 再生後の触媒性能が完全に回復するまでにかなりの
立ち上り時間を要する。
反応器材質の塩酸による腐食に対する配慮が必要で
ある。
再生方法一般の問題としてパルプ白液の損失量、塩
酸の使用量、廃水処理費用などを低減させることの考
慮。
本発明者らは、これらの問題点を解決すべく、鋭意研究
を進め、触媒性能の劣化した硫化ソーダ含有水溶液の酸
化処理触媒の塩酸洗浄による新規な再生方法に関する本
発明を完成させるに至ったものである。
(発明の目的) 本発明の目的は、性能の劣化した硫化ソーダ含有水溶液
の酸化処理用活性炭触媒の塩酸洗浄に際し、以下に示す
特徴を有する活性炭触媒の再生方法を提供することにあ
る。
(1)有毒な硫化水素ガスを発生させない事。
(2)再生後の触媒性能が新触媒と同程度に回復するこ
と。及び運転再開後の性能回復までの立ち上がり時間が
短いこと。
(3)反応器材質の酸による腐蝕を抑制すること。
(4)使用薬品量、白液損失量、廃水量を低減した効率
的なものであること。
(発明の構成) 本発明によれば、触媒性能が低下した硫化ソーダ含有水
溶液の酸化処理用活性炭触媒を反応器に充填したまま再
生するにあたり、該触媒に塩酸と同時に空気または酸素
を流通させる塩酸流通工程を含むことを特徴とする活性
炭触媒の再生方法が提供される。
また、本発明によれば、前記塩酸流通工程に先立ち空気
気流中で該触媒層を十分に曝す工程、塩酸流通工程の直
前に空気を流通させながら該触媒層を水洗する工程、前
記塩酸流通工程の後に空気を流通させながら該触媒層を
水洗する工程の中から選ばれる少なくとも一つの工程を
含む前記活性炭触媒の再生方法が提供される。
さらに、本発明によれば、前記塩酸流通工程において、
触媒層流通後の塩酸のpHが0.5〜3.5、好ましくは1.5〜
2.5である前記活性炭触媒の再生方法が提供される。
本発明では、触媒層に対し塩酸を流通させると同時に空
気または酸素を流通させることが重要である。この操作
によって、該触媒層に残留する硫化ソーダ分と、塩酸と
の反応によって硫酸水素ガスを発生することがないの
で、作業環境および悪臭公害に関わる種々の障害を防止
することができる。
本発明者らが行った実験では、300ccのガラス製の円筒
容器(両端が開口している)に硫化ソーダ濃度が硫黄分
として約20g/lの水溶液を浸した活性炭触媒100ccを充填
し、これにただ単に上部から1Nの塩酸水溶液を流したと
ころ硫化水素ガスの臭いがあたり一面に立ち込めた。し
かしながら、同じ方法で空気を流通させながら塩酸を流
すという実験を行ったところ、驚くべきことに容器のす
ぐそばでも硫化水素の臭を感じることはなかった。これ
は、次の反応式によって、元素状硫黄が生成したからで
あろうと推定された。
H2S+1/202→S↓+H2O さらに、SS分が堆積して活性の低下した酸化触媒を、空
気を流通させながら塩酸洗浄した場合、運転再開後一時
間で触媒性能が回復したのに対して、空気を流通させず
ただ単に塩酸で洗浄した場合はその触媒性能の回復まで
におよそまる三昼夜の時間が必要であった。
このように塩酸と同時に該触媒層に空気を流通させるこ
とは、有毒な塩化水素ガスを発生させない効果があるだ
けでなく、運転再開後の触媒性能の完全回復までの立ち
上がり時間を短くするという、全く予期しない効果が得
られたのである。
この現象について、さらに本発明者らは種々の検討を重
ねたところ、SS分の堆積した触媒を塩酸で洗浄する際
に、空気を流通させなかった場合には、見掛け上充分な
塩酸洗浄を行ったとしても、SS分成分が触媒層にかなり
残留することが明らかにされた。一方、塩酸洗浄の際に
空気を同時に流通させた場合には触媒層に残留したSS成
分は極めてわづかであった。
これらの観察結果から、塩酸洗浄の際に空気を流通させ
ることによって、硫化水素ガスの酸化による元素状硫黄
が生成することが、塩酸洗浄に対してSS分の触媒層残留
に関して何らかの関係があるものと考えられた。そこ
で、この問題について、さらに触媒粒子上でのSS分の堆
積状態や、その溶解状態及び、空気流通下での塩酸洗浄
の際の元素状硫黄の発生状態などについて、さらに詳細
に検討した。
すなわち、硫化ソーダ含有水溶液の酸化処理触媒上に堆
積するSS分は、該触媒粒子内部の細孔に浸入することな
く、触媒粒子の外側にのみ堆積する。したがって塩酸洗
浄によってSS粒子は細孔内拡散の影響を受けることな
く、速やかに溶解すると考えられた。しかしながら、塩
酸水溶液は、SS分の溶解と同時にまたは徐々に触媒細孔
内部に浸入し、触媒粒子内部の硫化ソーダ分とも反応
し、その場で硫化水素を発生する。この硫化水素はただ
ちにガス体となり触媒粒子内部から脱出しようとして、
触媒粒子の細孔近傍での急激な気液の攪拌を起こさせ
る。発生したガスは細孔内の液を押し出し、ついでガス
自身も細孔内から出るが、残った空間に今度はSS分溶解
成分を含んだ塩酸水溶液が浸入するものと推定される。
一旦細孔内に浸入したSS分溶解物を含んだ液の置換は、
拡散抵抗に支配されるため非常に困難であるものと考え
られ、再生後の硫化ソーダ含有水溶液の再導入によっ
て、SS分が水酸化物として再沈澱し、その結果触媒性能
の低下が起こる。しかし、カルシウムや鉄の水酸化物は
徐々に硫化ソーダ含有水溶液に溶解するので、一定の時
間後には触媒性能が回復するものであろうと考えられ
る。
一方、塩酸洗浄の際に空気を流通させた時には、塩酸に
よって硫化水素の生成反応がおこるものの、発生した硫
化水素が集合してガス体となり触媒粒子内の液の激しい
攪拌を引き起こす前に、活性炭触媒上で速やかに空気で
酸化されて、元素状硫黄が生成するので、SS分溶解物を
含んだ塩酸水溶液が触媒粒子内部に浸入することなく、
あるいはその浸入割合が小さいため、その後の洗浄によ
ってSS分溶解液が触媒層からほぼ完全に除去されるもの
と考えられる。さらに、元素状硫黄は塩酸水溶液に対し
ては安定であり、触媒細孔内に沈着するので、細孔内部
の拡散はさらに小さくなり触媒粒子外側の液の内部への
浸入を小さくすることになるものと考えられた。
さらにまた、本発明の方法で触媒上に生成した元素状硫
黄は、硫化ソーダ含有水溶液には容易に溶解するので、
運転再開後の触媒性能の回復までの立ち上がり時間を更
に短くすることが出来る。
塩酸洗浄時に同時に空気を流通させることは、また次の
副次的な効果も期待される。つまり、該触媒層に空気を
流通させることによって、該触媒層部分で気液固の三相
が形成され、このことによって触媒粒子以外の空間の大
部分を気体で満たすことにより、触媒層に保持される液
量を少なくすることができ、結果として洗浄に要する塩
酸水溶液の量が低減することになる。これは、洗浄の効
率化という点で重要である。
本発明による塩酸洗浄操作において、塩酸水溶液の流通
方法としては通常考えられるどの方法を選んでも良い。
すなわち、触媒層に新しい塩酸水溶液を流し続ける連続
洗浄方法でも、また一定量の水を用いて触媒層を通過し
た塩酸水溶液を再度循環して、これを数回繰り返す方法
でも、またこれらの組合せ法でもよい。
また流通させる空気量については、本発明が対象とする
酸化反応装置の操業で用いられる空気量を越えることは
必要なく、特別の装置を要しない。また空気の代わりに
酸素を用いても構わない。
本発明では、この塩酸洗浄に先立ち、硫化ソーダ含有の
該触媒層にあらかじめ空気を流通させる操作を行っても
よい。この操作により、その後に用いる塩酸の使用量を
低減することができ、さらにまた、硫化水素ガスの発生
の原因である硫化ソーダそのものを実質的に完全に減少
させることが可能となる。すなわち、水溶液中の硫化ソ
ーダは活性炭触媒と酸素の存在下で、次の反応によって
チオ硫酸ソーダに酸化され、酸による中和等量ははじめ
の硫化ソーダに比べて半分になるので、洗浄に要する塩
酸消費量は低減することになる。
2Na2S+3/2O2→Na2S2O3+2NaOH さらにこの操作によって塩酸洗浄前に触媒層に残留する
硫化ソーダ分が低減し、酸洗浄の際に発生する硫化水素
ガスの量が低減する。
本発明においては塩酸洗浄の前に硫化ソーダ分を減少さ
せる手段として、該触媒層を水洗することも出来る。こ
の水洗工程によって、触媒層に残留する白液中の薬品成
分(アルカリ)が低減し、次の塩酸洗浄工程において塩
酸使用量を少なくすることが可能である。さらに、この
水洗工程で得られる洗浄廃水は、パルプ蒸解薬品の製造
工程(例えば苛性化工程)で使用できるので、薬品を損
失することなく、有効に利用することが可能である。
本発明ではさらに、塩酸洗浄後に水洗することを行って
も良い。それは、SS分を溶解した液のかなりの部分が触
媒層に残留するのでそれを触媒層から排除するために行
うのであって、この操作を塩酸の水溶液で行っても構わ
ないが、薬品消費量を低減させるために水で代替するこ
とが行われる。この水洗処理によって、硫化ソーダ含有
水溶液を触媒層に流通させた時、中和に要する塩酸量
と、硫化ソーダ分の損失量とを低減させることも、本発
明の効果を更に高める。
なおこれらの水洗工程において触媒層に空気を流してお
くことは、塩酸洗浄の場合と同様に洗浄の効率化という
点では大きな効果が得られる。水洗工程では、洗浄の方
法は通常考えられるどの方法を選んでもよい。つまり、
触媒層を通過した水を再度循環して、これを数回繰り返
す方法でも、また一定量の水を用いて触媒層を通過した
水を再度循環して、これを数回繰り返す方法でも、又は
これらの組合せ法でもよい。また洗浄の程度については
塩酸の消費量と洗浄に要する労力や時間との関係で判断
されるので極端な場合にはこれを省略しても構わない。
本発明の塩酸流通工程では、消費される酸量はSS分及び
アルカリ分に応じて定量的にきまるので、一回の洗浄に
よりSS分を溶解除去する場合は、あらかじめ設定した酸
量を洗浄液に投入すればよく、また循環洗浄時にはpHの
変化を追跡することによって必要な酸量を洗浄液に順次
添加すればよい。またこの塩酸洗浄処理におけるpH条件
は0.5〜3.5、好ましくは1.5〜2.5の範囲である。pHが3.
5よりも大きいとSS分の溶解が十分に行なわれなくなる
こともあり、また一旦溶解した塩化鉄などが加水分解に
よって再沈澱することもあるので好ましくない。一方pH
が0.5よりも低くなると、酸強度が強すぎて、反応器材
質の損傷が激しくなり、また塩酸消費量と薬液損失量と
から好ましくない。以下本発明の実施態様とその効果に
ついて、具体的な実施例をもって説明する。
(実施例) (酸化反応処理) 内径20cmのステンレス製円筒反応容器に粒状の硫化ソー
ダ含有水溶液の酸化処理用活性炭触媒50を充填し、ク
ラフトパルプ蒸解白液を通算480m3を流して、同時に空
気を流通させ、ポリサルファイド蒸解用の多硫化ソーダ
含有蒸解液を製造する実験を行った。この時の触媒層入
口の蒸解液中のSS分濃度は、平均で2.1ppmあった。上記
活性炭触媒の触媒性能を、「同一反応条件における、酸
化され、減少した硫化ソーダ濃度(g/l)」で表わし、
さらに本実験開始直後の触媒性能を1として、これとの
比を「触媒の比性能」として、その経時変化をみたとこ
ろ、図の実線で示した曲線のA−B部のように徐々に比
性能は低下し、実験終了時の比性能は約0.8であった。
(触媒再生処理) 上記触媒を反応容器に充填したまま、再生処理をおこな
った。すなわち、再生の全工程にわたって、空気を1.5N
m3/hrで流通させ、まず90の水を約1時間かけて、上
記触媒層に通じて、触媒層を水洗した。ついで3.0%の
塩酸水溶液35を約25分で上記触媒層に通じ、塩酸洗浄
した。この時、洗浄排水中には一時的にわずかの元素状
硫黄の白いコロイドが混入しているのが観察された。ま
た、反応器出口の空気抜きにおける硫化水素濃度は、検
知管による測定では、検出限界(0.5ppm)以下であっ
た。さらに、塩酸洗浄排水の最後の部分の排水のpHは2.
1であり、この中に溶解しているステンレス成分の内、
クロム濃度は0.8ppmであった。塩酸洗浄の後すぐに、ま
た90の水を1時間で触媒層に通じて塩酸を洗い流し
た。
(白液導入と再生後の触媒性能) 以上の触媒再生処理を終えた後、クラフトパルプ蒸解白
液を触媒層に流通させたが、約40を通じたところで、
触媒層出口の液の色は、ポリサルファイドを含有するオ
レンジ若しくは赤色を呈した。この時触媒層は未だポリ
サルファイドが生成するような温度条件に到達してなか
ったので、これは塩酸洗浄工程で触媒層中に堆積した元
素硫黄が溶解してきたものと考えられた。
この再生処理を行った触媒層に新たに約50m3の蒸解白液
を通じ、その比性能を見たのが、図の実線で示した曲線
のB−C部である。触媒性能は、初期と同等に回復して
いた。
(比較例) 実施例と同じ反応容器、同じ触媒(新しいもの)を用
い、通算250m3の蒸解白液(SS分濃度2.3ppm)を通じ
て、酸化反応処理を行い、その比活性が図の破線で示し
た曲線のX−Y部のように推移して、比活性が0.9に低
下した触媒について、次のような再生処理を行った。す
なわち、再生処理時に空気を通じないで、先ず水90を
約一時間かけて流し、ついで3%塩酸水溶液の35を流
したところ、触媒層出口から排出される液中に多量の硫
化水素ガスが同伴し、あたり一面に硫化水素の悪臭が漂
った。しかしながら塩酸水溶液の全量で洗った後も洗浄
排水のpHが充分酸性側にいかなかったので、さらに10
の3%塩酸水溶液を追加して洗浄した。この時最後の部
分の塩酸排水のpHは0.4までさがり、この中に含まれる
クロム濃度は150ppmであった。塩酸洗浄をおえた後、水
120で塩酸を洗い流した。
上記のような再生処理を施した触媒層に蒸解白液を流通
させたが、この時触媒層出口の白液の色は、実施例のよ
うに直ちに赤色を呈することはなかった。またこの触媒
の比性能の変化は、図の破線で示した曲線のY−Z部の
ように推移し、触媒性能の回復は再生直後でなく、徐々
に回復する様相を呈し、その程度も初期よりも低いとこ
ろで落ち着いた。
【図面の簡単な説明】
図面は原料処理量と触媒の比性能との関係を示すグラフ
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硫化ソーダ含有水溶液の酸化用活性炭触媒
    の再生方法において、該水溶液を酸化反応処理した後の
    触媒性能が低下した該触媒を酸化反応器に充填したまま
    で触媒層に塩酸と空気を同時に流通させる塩酸流通工程
    を含むことを特徴とする活性炭触媒の再生方法。
  2. 【請求項2】第(1)項記載の塩酸流通工程に先立ち空
    気または酸素気流中で該触媒層を十分に曝す工程、第
    (1)項記載の塩酸流通工程の直前に空気を流通させな
    がら該触媒層を水洗する工程、第(1)項記載の塩酸流
    通工程の後に空気を流通させながら該触媒層を水洗する
    工程の何れか一つまたは二つあるいは全部を含む特許請
    求の範囲第(1)項記載の方法。
  3. 【請求項3】第(1)項記載の塩酸流通工程において、
    流通後の塩酸のpHが0.5〜3.5である特許請求の範囲第
    (1)項、または第(2)項記載の方法。
JP62217037A 1987-08-31 1987-08-31 活性炭触媒の再生方法 Expired - Fee Related JPH07114959B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62217037A JPH07114959B2 (ja) 1987-08-31 1987-08-31 活性炭触媒の再生方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62217037A JPH07114959B2 (ja) 1987-08-31 1987-08-31 活性炭触媒の再生方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6458344A JPS6458344A (en) 1989-03-06
JPH07114959B2 true JPH07114959B2 (ja) 1995-12-13

Family

ID=16697849

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62217037A Expired - Fee Related JPH07114959B2 (ja) 1987-08-31 1987-08-31 活性炭触媒の再生方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07114959B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004275936A (ja) * 2003-03-18 2004-10-07 Nippon Paper Industries Co Ltd 白液酸化用の活性炭触媒の洗浄方法およびその洗浄機構を備えた白液酸化装置
US11219881B2 (en) 2015-04-27 2022-01-11 Andritz Oy Method for regenerating catalysts used for production of polysulphide cooking liquors

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004275936A (ja) * 2003-03-18 2004-10-07 Nippon Paper Industries Co Ltd 白液酸化用の活性炭触媒の洗浄方法およびその洗浄機構を備えた白液酸化装置
US11219881B2 (en) 2015-04-27 2022-01-11 Andritz Oy Method for regenerating catalysts used for production of polysulphide cooking liquors

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6458344A (en) 1989-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
FI63794B (fi) Blekerioperation
JP3924822B2 (ja) 灰塵の洗浄処理方法およびその装置
JPH07507850A (ja) 漂白工場廃液の処理法
WO2004016717A1 (ja) 湿式ガス精製方法およびそのシステム
JP2006102743A (ja) 黒液の処理方法
JP4987237B2 (ja) 燃焼廃ガスの浄化方法
JPH07114959B2 (ja) 活性炭触媒の再生方法
JP2005288328A (ja) 焼却灰の洗浄処理方法及び装置
JP5246908B2 (ja) デポジット洗浄方法
JPS604758B2 (ja) パルプ漂白排水処理法
JP2007222766A (ja) 熱分解ガスの処理方法
PL189699B1 (pl) Sposób i urządzenie do usuwania rtęci z gazów
CN100557123C (zh) 碱性亚硫酸钠法草浆的少氯漂白及中段水全封闭回用技术
TW311100B (ja)
JP2004275895A (ja) 硫酸製造工程からの排ガスの処理方法
CA2337033A1 (en) Method for cleaning a waste gas
JPS61108695A (ja) コ−クス炉ガス脱硫設備の硫黄付着閉塞物の洗浄方法
JP3681184B2 (ja) 海水利用型湿式排煙脱硫方法および装置
JP4014679B2 (ja) 排水の処理方法
US5866089A (en) Ultrasound-assisted liquid redox absorber
JPH08325971A (ja) パルプの過酸化物漂白における濾液の処理方法および装置
AU624756B2 (en) Cleaning of equipment used in a liquid phase oxidation process
JP3426833B2 (ja) オゾン漂白システムの酸素回収装置
JP4506085B2 (ja) 白液酸化用の活性炭触媒の洗浄方法およびその洗浄機構を備えた白液酸化装置
JP2003210936A (ja) 排ガスの脱臭方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees