JP2003210936A - 排ガスの脱臭方法 - Google Patents

排ガスの脱臭方法

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Yoshimasa Ikeda
善正 池田
Naoko Suenaga
直子 末永
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幸博 益永
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  • Treating Waste Gases (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硫化水素ガスを含有する排ガスを簡単な設備
で、かつ、運転費が安い方法で硫化水素ガスを除去する
排ガスの脱臭方法の提供。 【解決手段】 排ガスを処理する脱臭塔に、ナフトキノ
ンスルフォン酸ソーダ等の酸化触媒を添加して、吸収液
に吸収した硫化水素ガスを吸収すると同時に、排ガス中
の酸素ガスで酸化することで、低いpHの吸収液で高い
除去率を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排水処理設備等で
発生する硫化水素ガスを含む排ガスを処理する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】排水処理設備では、排水を貯蔵するタン
ク、排水処理で発生した余剰汚泥を貯蔵するタンク、余
剰汚泥を脱水して貯蔵するホッパーで、嫌気性雰囲気に
なることから硫黄化合物が分解して硫化水素ガスが発生
する。この硫化水素ガスは、腐食性を示し臭いがあるこ
とから、吸引して脱臭設備で硫化水素ガスを除去してか
ら大気に放散しているのが一般的である。
【0003】従来は、排ガス中の硫化水素ガスを、微生
物で排ガス中の酸素ガスで硫酸に酸化する生物脱臭方法
と、硫化水素ガスを苛性ソーダ水溶液で吸収して、吸収
した硫化水素ガスを次亜塩素酸ソーダで酸化して処理
し、過剰に添加した次亜塩素酸ソーダは、亜硫酸ソーダ
で分解する化学脱臭方法が一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】生物脱臭方法は、硫化
水素ガスから発生する硫酸を中和するのに必要な苛性ソ
ーダを使用するだけですむので、薬品コストは安いが、
微生物を坦持する坦体および微生物のコストが高くなる
他に、坦体のガス通過抵抗が大きいので、脱臭装置のガ
ス流速を低下させる必要があり、脱臭塔の塔径が大きく
なって設備費が高くなる欠点がある。さらに、微生物を
使用するので、有害物が含まれる場合は性能が低下する
危険がある。さらに、排ガス中に水溶性の有機物、例え
ば有機酸、有機塩基、低分子エステル等が含まれる場
合、微生物が有機物を資化して微生物が増殖することで
坦体が閉塞し、ガスが通過しにくくなって処理ガス量が
減少することがあり、坦体を定期的に取り換えることに
なるので適用に限界がある。
【0005】化学脱臭方法は、硫化水素ガスを酸化する
のに高価な次亜塩素酸ソーダを使用する必要があり、効
率よく硫化水素を除去するには、吸収液のpHを10以
上に高くすることから、排ガス中に含まれる炭酸ガスを
吸収して、苛性ソーダの使用量が増加する欠点がある。
さらに、溶液中の硫酸ソーダの濃度が高くなると硫化水
素ガスの吸収効率が低下するので、吸収液の硫酸ソーダ
の濃度の上昇を防止するため、系外に排出する吸収液に
含まれる苛性ソーダも無駄になる欠点がある。また、吸
収液中の硫化水素ガスを分解するには、過剰の次亜塩素
酸ソーダを添加する必要があるが、過剰の次亜塩素酸ソ
ーダは、系外に排出する吸収液を微生物処理する際に、
微生物の殺菌剤になるので、亜硫酸ソーダを用いて分解
する必要があり、分解装置および亜硫酸ソーダ費用を要
する欠点がある。
【0006】本発明は、上記のような問題を解決するた
めになされたもので、簡単な設備で、排ガス中に含まれ
る硫化水素ガスを少ない薬品の使用で効果的に除去する
ことができる排ガスの脱臭方法を提供することを課題と
している。
【0007】
【発明を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの、本発明の排ガスの脱臭方法(請求項1)は、硫化
水素ガスを含む排ガスを苛性ソーダ水溶液等のアルカリ
性水溶液で吸収する吸収液に水溶性の酸化触媒を添加し
て、排ガスに含まれる酸素ガスで吸収した硫化水素を酸
化して、硫黄と硫酸ソーダ等の硫黄酸化物の塩に変換す
る構成とした。
【0008】本発明の排ガスの脱臭方法において、前記
酸化触媒にナフトキノンスルフォン酸ソーダを使用し
て、前記触媒濃度を0.2〜0.3モル/m以上にす
る態様(請求項2)がある。又、前記苛性ソーダ水溶液
のpHを8.5〜12にする態様(請求項3)がある。
又、前記苛性ソーダ水溶液中の硫化物のナトリウム塩の
濃度を硫黄として30g/L以下にする態様(請求項
4)がある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。硫化水素ガスを含む排ガスは、脱臭塔に入り、苛
性ソーダを添加した吸収液と接触することで、硫化水素
は吸収液に吸収される。添加するアルカリは、苛性ソー
ダ以外も使用可能であるが、アルカリ性の強さ、価格、
苛性ソーダの硫黄酸化物の溶解度が高い点から、生物脱
臭方法、化学脱臭方法とも苛性ソーダを使用することが
一般的である。吸収された硫化水素ガスは、苛性ソーダ
と(反応式1)の反応で吸収液にNaHSで含有され
る。NaHSの濃度が高くなると、硫化水素は吸収でき
なくなり、除去率が低下するので、NaHSを分解する
必要がある。
【0010】(反応式1) NaOH+HS=NaHS+H
【0011】従来の化学脱臭方法では、次亜塩素酸ソー
ダを使用してNaHSを硫黄酸化物に酸化していたが、
排ガス中に含まれる酸素ガスで酸化すれば、高価な次亜
塩素酸ソーダを使用しなくてもよい点に着目した。吸収
液を循環して排ガスと接触するだけでは、排ガス中に含
まれる酸素とNaHSは、ほとんど反応しないので、N
aHSと反応する触媒を使用すれば、NaHSが硫黄酸
化物に分解できることを確認した。触媒は、ナフトキノ
ンスルフォン酸ソーダ、ピクリン酸等の水溶性有機物触
媒が、吸収液に均一に分散できること及び酸化力から適
切であることを確認した。
【0012】以下、ナフトキノンスルフォン酸ソーダを
使用した場合の作用を説明する。ナフトキノンは、強い
酸化剤で水素を吸収してアルコール型になるが、アルコ
ール型のものは、容易に排ガス中の酸素と反応してキノ
ン型にもどる。ナフトキノンスルフォン酸ソーダを使用
しているのは、スルフォン酸基をつけることで水溶性に
するためである。ナフトキノンスルフォン酸ソーダの酸
化、還元の作用を(反応式2)及び(反応式3)で示
す。
【0013】(反応式2)
【0014】(反応式3)
【0015】次に、ナフトキノンスルフォン酸ソーダと
NaHSの反応を示す。ナフトキノンスルフォン酸ソー
ダのキノン型をNQ−Q、アルコール型をNQ−Aで簡
略化して示す。NaHSとナフトキノンスルフォン酸ソ
ーダ、酸素との反応は、(反応式4),(反応式5)、
(反応式6)、(反応式7)になる。(反応式4)は、
NaHSとナフトキノンスルフォン酸ソーダが反応した
場合で、生成物はSになる。(反応式5)、(反応式
6)、(反応式7)は、NaHS、ナフトキノンスルフ
ォン酸ソーダと酸素が反応した場合で、生成物は各々N
,NaSO,NaSOになる。硫
化水素ガスが、硫黄酸化物になるのは、NaHSがナフ
トキノンスルフォン酸ソーダで酸化分解過程で、活性化
された状態で酸素ガスと反応するものと考えられる。ア
ルコール型になったナフトキノンスルフォン酸ソーダ
は、(反応式8)でキノン型に再生されてNaHSを酸
化することが可能になる。
【0016】(反応式4) NaSH+2NQ−Q+HO=NaOH+S+2NQ
−A
【0017】(反応式5) 2NaSH+2NQ−Q+3/2O=Na
+2NQ−A
【0018】(反応式6) NaSH+NQ−Q+3/2O=NaSO+NQ
−A
【0019】(反応式7) NaSH+NQ−Q+2O=NaSO+NQ−A
【0020】(反応式8) 2NQ−A+1/2O=2NQ−Q+H
【0021】従って、苛性ソーダ、ナフトキノンスルフ
ォン酸ソーダを添加した吸収液が硫化水素ガスを含む排
ガスと接触すると、(反応式1)の反応でNaSHが生
成して硫化水素ガスを除去する。生成したNaSHは、
(反応式4)、(反応式5)、(反応式6)、(反応式
7)で直ちに酸化されて、ナフトキノンスルフォン酸ソ
ーダも(反応式8)で再生されることで、連続式に硫化
水素の除去が可能になり、吸収液中のNaHS濃度は低
い状態で保つことができる。
【0022】このように、従来の次亜塩素酸ソーダを使
用する化学脱臭方法と違って、吸収液中のNaSHの濃
度を低くできることで、吸収塔の高さが低くでき、か
つ、吸収液の循環量を減少できる他に吸収液のpHを低
くすることで苛性ソーダ使用量が減少できる効果があ
る。
【0023】以下、図面によって本発明の実施の形態を
説明する。図1は本発明の脱臭方法を用いた脱臭装置の
構成を示す説明図である。硫化水素ガスを含む排ガス
は、吸引ダクト1を通って脱臭塔2に入る。脱臭塔2
は、内部にガスと吸収液との接触をよくするため、充填
物3が入っている。充填物3は、通常の吸収塔に用いら
れるテラレット等が使用できる。
【0024】吸収液は、脱臭塔2の下部から循環ポンプ
4で昇圧して、脱臭塔2の上部に設けられた吸収液分散
装置5から、充填物3に均一に散布される。脱臭塔2の
下部には、吸収した硫化水素が硫黄酸化物に転換した
分、苛性ソーダを吸収液のpHを一定になるように供給
する、苛性ソーダタンク6と苛性ソーダ供給ポンプ7を
経由する配管が接続される。
【0025】さらに、脱臭塔2の下部には、吸収液を抜
いた量に相当する触媒を添加する、触媒タンク8と触媒
供給ポンプ9を経由する配管が接続される。触媒の添加
量は少ないので、触媒タンク8と触媒供給ポンプ9は省
略して、直接脱臭塔2に添加することも可能である。
【0026】循環ポンプ4の出口には、吸収液の流量を
測定する循環流量計10とpHを測定するpH計11を
設置する。循環流量計10、pH計11は省略すること
は可能であるが、処理状況を把握するため設置する方が
好ましい。さらに、苛性ソーダ供給ポンプ7の下流の配
管には、流量調節弁12を設置して、pH計11の値が
一定になるように、制御計13を通して苛性ソーダ供給
量を調整することが、pHの低下による出口排ガスの硫
化水素増加の防止、およびpHが上昇して炭酸ガスの吸
収増加による苛性ソーダ使用量の増加を防止する点から
好ましい。
【0027】脱臭塔2の底部には、給水配管17を設け
て水を補給する。これは、排ガスは未飽和湿度で入る
が、吸収液と接触してほぼ飽和湿度になって脱臭塔2か
ら出るので、蒸発する水分を補給するためである。
【0028】循環ポンプ4の下流の配管から、分岐して
吸収液をブローする配管とブロー流量計14を設置し
て、吸収液が濃縮するのを防止する。ブロー流量計14
は、省略することは可能であるが、ブロー量を把握する
ため、設置する方が好ましい。脱臭塔2の後段には、誘
引ファン15を設置して排ガスを吸引して、スタック1
6から脱臭処理した排ガスを放出する。誘引ファン15
は、脱臭塔2の前段に設置することも可能である。
【0029】本実施の形態では、硫化水素ガスの除去に
ついて述べたが、アンモニアガスが排ガスに含まれる場
合は、硫酸を用いる酸洗浄塔を脱臭塔の前後に設置し
て、除去することも可能であり、有機物も有機酸は脱臭
塔で除去可能であり、有機塩基は酸洗浄塔で除去が可能
である。
【0030】
【実施例】硫化水素ガスを30ppm、炭酸ガス500
ppm(いずれも容量基準)を含む排ガス126,00
0m/hを脱臭した。脱臭塔は、テラレットを2mの
高さで充填した充填塔を使用し、循環液量は、220m
/hから880m/hの範囲で行った。以後、循環
液量は液とガスの比率(以下液ガス比(液の流量/ガス
の流量、単位L/m))で示す。脱臭塔の空塔速度は
0.5m/sで、吸収液には苛性ソーダを添加した。ま
た、吸収液には、脱臭塔の水位が一定になるよう水を補
給した。ナフトキノンスルフォン酸ソーダを吸収液に
0.3モル/m添加して、苛性ソーダをpH9.5に
なるように添加して、液ガス比を2から10まで変化さ
せて硫化水素ガスの除去率を調べた結果を図2に示す。
液ガス比2では、除去率は95%であったが、液ガス比
4で99%、液ガス比6以上では硫化水素ガスは脱臭塔
の出口では検出されず、除去率は100%であった。
【0031】次に、pHと硫化水素ガスの除去率の関係
を述べる。ナフトキノンスルフォン酸ソーダは、0.3
モル/mで液ガス比4の条件で調べた結果を図3に示
す。pHは、8から12まで変化させて調べたが、pH
8では除去率は50%と低下したが、pH8.5で97
%、pH9で99%、pH9.5以上では100%であ
った。48%苛性ソーダの使用量は、pH9.5まで
は、約800kg/hであったが、pH10で1000
kg/h、pH11で1200kg/h、pH12で1
400kg/hと増加した。排ガス中の炭酸ガス濃度を
調べたところ、pHが高くなると炭酸ガスを吸収液が吸
収して炭酸ソーダ、炭酸水素ソーダが生成して、苛性ソ
ーダを消費していることがわかった。以上から吸収液の
pHは、9.5以上あっても除去率にはほとんど効果が
なく、苛性ソーダの使用量が増加することからpHは9
〜9.5が最適であることがわかる。
【0032】ナフトキノンスルフォン酸ソーダの濃度を
変えて、硫化水素ガスの除去率を調べた。液ガス比は
4、pH9.5の条件で、ナフトキノンスルフォン酸ソ
ーダの濃度を0.04モル/mから0.4モル/m
の範囲で変化させて、硫化水素ガスの除去率を調べた結
果を図4に示す。硫化水素ガスの除去率は、ナフトキノ
ンスルフォン酸ソーダの濃度が0.2モル/m以下で
は低下するが、0.2モル/m以上では99%以上の
除去率を示した。ナフトキノンスルフォン酸ソーダの濃
度が0.3モル/m以上では、吸収液中にSの固形物
が少し発生した。ナフトキノンスルフォン酸ソーダ濃度
を高くして、吸収液に固形物が発生することは、脱臭塔
下部に堆積すること、及び固形物が充填材に付着して閉
塞の原因になること、さらに、ナフトキノンスルフォン
酸ソーダの使用量が多くなることからも好ましくない。
この結果、ナフトキノンスルフォン酸ソーダの濃度は
0.2〜0.3モル/m程度が適当であることがわか
った。
【0033】以上の調査は、吸収液の硫黄酸化物塩濃度
が低い条件で行ったが、長時間の操業を行って、吸収液
の塩濃度が高い条件で試験した結果を述べる。吸収液の
濃度が高い方が、ブロー水量を減少できるので、ブロー
水処理費が減少できる他に、ブロー水に伴って吸収液か
ら排出されるナフトキノンスルフォン酸ソーダの補給量
が減少できる効果があり、吸収液の塩濃度は高くても除
去率が低下しないプロセスが好ましい。液ガス比は4、
pH9.5の条件で、触媒濃度0.2,0.3モル/m
で長時間運転して吸収液の塩濃度を高い条件で試験し
た結果である。
【0034】次に、表1にS換算で20g/Lの濃度で
の吸収液の組成をSで換算した結果を示し、又、本発明
における脱臭方法と従来における化学脱臭法及び生物脱
臭法の設備主仕様の比較表を表2に示すと共に、この設
備での運転費の比較表を表3に示す。又、図5にSで換
算した吸収液の濃度と硫化水素ガスの除去率の関係を示
す。
【0035】
【表1】
【0036】表1の結果から、ナフトキノンスルフォン
酸ソーダ濃度0.2モル/mでは、固形のSはほとん
ど発生しないが、0.3モル/mでは11%発生して
いることがわかる。一方、硫化水素ガスの除去率は、図
5に示すように、S換算で15g/Lまでは硫化水素ガ
スの除去率はナフトキノンスルフォン酸ソーダ濃度に関
係なくほぼ100%近い除去率であるが、S換算で20
g/L以上では硫化水素ガスの除去率は低下し、ナフト
キノンスルフォン酸ソーダ濃度が0.2モル/mの方
が除去率の低下が大きいことがわかる。従って、吸収液
の濃度は、S換算濃度で20g/L以下が好ましく、N
a2SOの溶解度が低いことから、温度が低下すると
S換算濃度で30g/L以上では、Na2SOの結晶
が生成することからもS換算濃度で30g/L以下にな
るように、吸収液をブローして吸収液の濃度の上昇を抑
える必要があることがわかる。さらに、ナフトキノンス
ルフォン酸ソーダ濃度は、吸収液の濃度が高い場合の硫
化水素ガスの除去率の低下防止には有効であるが、固形
S発生量が増加するので、ナフトキノンスルフォン酸ソ
ーダ濃度を0.3モル/m以上にすることは好ましく
ない。
【0037】
【表2】 (条件) 廃ガス量 126,000m/h 硫化水素 30ppm 除去率 95%以上
【0038】上記表2において、本法は吸収高さを高く
して液ガス比を下げることは可能である。又、従来法は
概略を示していおり、次亜塩素酸ソーダ、亜硫酸ソーダ
反応設備が必要になる。この表2からも判るように、本
法は設備費からも有利である。
【0039】
【表3】
【0040】上記表3で示す運転費は概算ではあるが、
本法が有利であることは明白である。尚、生物脱臭法は
水溶性の有機ガスが含まれる排ガスには適用できない。
【0041】本実施例では、脱臭塔の充填高さは2mの
例で示したが、充填高さは高くする方が、硫化水素ガス
が吸収されやすくなって、吸収液循環量を減少できるこ
とでポンプの電力費の節約、pHの低下による苛性ソー
ダ使用量の削減、触媒濃度の低下による補給量の減少が
あり、設備費は高くなるが、充填高さを高くして運転費
を低下させることも可能である。
【0042】また、本発明は、発明の実施の形態で示し
たように、脱臭塔および吸収液循環ポンプ等の付帯設備
を設置するだけで、脱臭が可能になることから、既存の
次亜塩素酸ソーダを使用した化学脱臭設備に、触媒を添
加する装置を付加するだけで、改造が可能なことから既
存の化学脱臭設備にも適用が可能で、運転費を低減する
ことができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
排ガス中の硫化水素ガスを簡単な設備で除去することが
可能になり、吸収液のpHが低くても吸収でき、高価な
次亜塩素酸ソーダを使用しないで、排ガス中の酸素で酸
化することで、運転費を大幅に削減することが可能にな
り、吸収液の塩濃度が高くても、除去率が高くできるこ
とから、脱臭設備から発生する排水量を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の脱臭方法を用いた脱臭装置の構成を示
す説明図である。
【図2】本発明の脱臭方法における液ガス比と硫化水素
ガスの除去率の関係を示す説明図である。
【図3】本発明の脱臭方法におけるpHと硫化水素ガス
の除去率の関係を示す説明図である。
【図4】本発明の脱臭方法におけるナフトキノンスルフ
ォン酸ソーダ濃度と硫化水素ガスの除去率の関係を示す
説明図である。
【図5】本発明の脱臭方法における吸収液の硫黄酸化物
濃度と硫化水素ガスの除去率の関係を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 吸引ダクト 2 脱臭塔 3 充填材 4 循環ポンプ 5 吸収液分散装置 6 苛性ソーダタンク 7 苛性ソーダ供給ポンプ 8 触媒タンク 9 触媒供給ポンプ 10 吸収液流量計 11 pH計 12 流量調節弁 13 制御計 14 ブロー水流量計 15 誘引ファン 16 スタック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 益永 幸博 福岡市博多区博多駅東2丁目1番23号 株 式会社サニックス内 Fターム(参考) 4D002 AA03 AB02 AC10 BA02 BA05 CA07 DA02 DA12 DA70 EA07 EA12 EA13 FA07 FA10 GA01 GB08 GB09 4D020 AA04 BA01 BA08 BB03 BC05 BC06 CB12 DA03 DB08 DB20 4D048 AA03 AA22 AB01 BA45X CC38 CC62 CD02 CD10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫化水素ガスを含む排ガスを苛性ソーダ
    水溶液等のアルカリ性水溶液で吸収する吸収液に水溶性
    の酸化触媒を添加して、排ガスに含まれる酸素ガスで吸
    収した硫化水素を酸化して、硫黄と硫酸ソーダ等の硫黄
    酸化物の塩に変換することを特徴とする排ガスの脱臭方
    法。
  2. 【請求項2】 前記酸化触媒にナフトキノンスルフォン
    酸ソーダを使用して、前記触媒濃度を0.2〜0.3モ
    ル/m以上にすることを特徴とする請求項1記載の排
    ガスの脱臭方法。
  3. 【請求項3】 前記苛性ソーダ水溶液のpHを8.5〜
    12にすることを特徴とする請求項1記載の排ガスの脱
    臭方法。
  4. 【請求項4】 前記苛性ソーダ水溶液中の硫化物のナト
    リウム塩の濃度を硫黄として30g/L以下にすること
    を特徴とする請求項1記載の排ガスの脱臭方法。
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