JPH07114939B2 - 選択透過膜 - Google Patents

選択透過膜

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JPH07114939B2
JPH07114939B2 JP28625086A JP28625086A JPH07114939B2 JP H07114939 B2 JPH07114939 B2 JP H07114939B2 JP 28625086 A JP28625086 A JP 28625086A JP 28625086 A JP28625086 A JP 28625086A JP H07114939 B2 JPH07114939 B2 JP H07114939B2
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修 渡辺
康夫 加藤
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/56Polyamides, e.g. polyester-amides

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明な,透析膜,パーベーパレーション膜,逆浸透膜
などに用いられる選択透過膜に関する。
(従来の技術) 透析法や透析気化分離法により溶媒中に溶解している有
機物質を分離するための透析膜やパーベーパレーション
膜;逆浸透法により無機物質水溶液から水を選択的に分
離するための逆浸透膜などは選択透過膜と総称され,こ
れらはいずれも細孔を有する有機重合体製の膜である。
この選択透過膜としては,細孔を有する均質で緻密な
有機重合体の膜でなる均質膜;シリカ,アルミナなど
の無機多孔質膜やポリエチレン,ポリプロピレンなどの
有機多孔質膜を支持体とし,この表面に上記均質で緻密
な有機重合体の膜が形成された複合膜;多孔質構造の
有機重合体でなる膜を支持体とし,この表面に支持体と
同質の重合体でなる緻密な表面重合体層(その厚みは0.
1〜0.3μmもしくはそれ以下である)が形成された非対
称膜がある。上記〜の選択透過膜のうち,例えば
およびは透析膜として,そしては逆浸透膜として利
用されている。の非対称膜においては,緻密な重合体
層により脱塩効果が達成され,実質的に水のみが膜を透
過する。
上記選択透過膜の素材としては,これまでは酢酸セルロ
ースが工業的に利用されてきた。酢酸セルロース膜は,
透水性が良好であり,特に逆浸透膜として使用すると塩
水溶液中の塩の除去率が高い。しかし,酢酸セルロース
は,耐加水分解性,耐熱性,耐微生物性および膜の寿命
などに劣る。これに対して,特公昭53−43540号公報に
は芳香族ポリアミドを用いた膜が開示されている。この
芳香族ポリアミドは耐加水分解性,耐熱性および耐微生
物性に優れるが,膜機能が酢酸セルロースに比べてやや
劣り,さらに耐塩素性に劣るという大きな欠点がある。
従って,例えば,殺菌を目的として水に含有されている
塩素イオン(酸化性塩素)が接触すると,短時間のうち
に劣化し破れてしまう。耐塩素性を向上させるため,特
開昭55−147106号公報には,フェニレンジアミン(m−
フェニレンジアミンおよび/またはp−フェニレンジア
ミン)とトリメシン酸クロライドのような芳香族ポリ酸
ハライドとを反応させて得られる芳香族架橋ポリアミド
を用いた複合膜が開示されている。しかし,その耐塩素
性は短時間のうちに効力を失うため,長時間にわたり安
定した状態での使用が不可能である。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は,上記従来の欠点を解決するものであり,その
目的とするところは,選択透過膜としての機能が充分で
ありかつ耐塩素性に優れた選択透過膜を提供することに
ある。本発明の他の目的は,透水性が良好でありかつ塩
除去率が高いため,例えば塩水の淡水化用の逆浸透膜と
して好適な選択透過膜を提供することにある。本発明の
さらに他の目的は,上記優れた性質を有する芳香族ポリ
アミド系選択透過膜を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 発明者らは,芳香族ジアミンと芳香族ポリ酸とから形成
される種々の芳香族ポリアミドの耐塩素性についての検
討を行った。その結果,芳香族ポリアミドの耐塩素性
は,上記芳香族ジアミン成分の化学構造に大きく依存す
ることを見い出し,この発明を完成させるに至った。
本発明の選択透過膜は,酸成分とジアミン成分とを共重
合成分とする芳香族コポリアミドでなる選択透過膜であ
って,該ジアミン成分が,次の第1のジアミン成分
(I)と第2ジアミン成分(II)とからなり,かつその
モル比が95/5〜50/50の割合であり,そのことにより上
記目的が達成される: ここで,R1およびR2はそれぞれ独立して水素原子,また
は炭素原子数1〜12の炭化水素基;R3およびR4はそれぞ
れ独立して水素原子,または活性水素を持たない1価の
有機性基;そしてn1およびn2はそれぞれ独立して0また
は1〜3の自然数である。
ここで,R5およびR6はそれぞれ独立して水素原子,また
は炭素原子数1〜12の炭化水素基;Mは水素原子,炭素原
子数1〜12の炭化水素基,アルカリ金属,アルカリ土類
金属または第4級アンモニウム塩基;Arは炭素原子数6
〜15でありかつ(n3+2)価の芳香族炭化水素基;そし
て,n3は1または2である。
上記(I)式で示される化合物(第1ジアミン成分)と
しては,3,3′−ジアミノジフェニルスルホン;3,3′−ジ
アミノ−4,4′−ジメチルジフェニルスルホン,N,N′−
ジメチル−3,3′−ジアミノジフェニルスルホン;4,4′
−ジアミノジフェニルスルホン;3,3′−ジニトロ−4,
4′−ジアミノジフェニルスルホンなどがある。特に3,
3′−ジアミノジフェニルスルホンおよび4,4′−ジアミ
ノジフェニルスルホンが好適である。上記(II)式に示
される化合物(第2ジアミン成分)としては,m−フェニ
レンジアミン−4−スルホン酸;1,4−フェニレンジアミ
ン−2−スルホン酸;4,4′−ジアミノフェニルアミン−
2−スルホン酸;4,4′−ジアミノスチルベン−2,2′−
ジスルホン酸;p−アミノジフェニルアミン−2−スルホ
ン酸;4−アミノ−4′−メチルジフェニルアミン−2−
スルホン酸;および上記化合物のアルカリ金属塩,アル
カリ土類金属塩,アンモニウム塩,エステルがある。特
に,m−フェニレンジアミン−4−スルホン酸およびその
アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩が好適である。
上記第1ジアミン成分と第2ジアミン成分との配合比
は,モル比で95/5〜50/50である。配合比がこの範囲を
外れると分離能,透水性などが低下する。第1ジアミン
成分が50モル%を下まわる場合(第2ジアン成分が50モ
ル%を上まわる場合)には耐塩素性も不充分である。製
膜性,耐塩素性,逆浸透性を考慮すると,ジアミン成分
のうち40モル%以上,好ましくは70モル%以上が1級ジ
アミン(上記式においてR1,R2,R5およびR6がH)である
ことが好ましい。2級ジアミンの配合割合が高いと耐塩
素性は向上するが,製膜性および逆浸透性能が低下す
る。
芳香族コポリアミドの酸成分としては,2個以上のカルボ
キシル基を有する芳香族カルボン酸またはその誘導体が
用いられる。そのような化合物としては,フタル酸;イ
ソフタル酸;テレフタル酸;4,4′−ジフェニルジカルボ
ン酸;1,2−ナフタリンジカルボン酸;1,3−ナフタリンジ
カルボン酸;1,4−ナフタリンジカルボン酸;1,5−ナフタ
リンジカルボン酸;1,6−ナフタリンジカルボン酸;1,7−
ナフタリンジカルボン酸;1,8−ナフタリンジカルボン
酸;2,3−ナフタリンジカルボン酸;2,6−ナフタリンジカ
ルボン酸;2,7−ナフタリンジカルボン酸;トリメシン
酸;トリメリット酸などがある。これらの酸成分は,上
記ジアミン成分の反応時には,通常,酸ハライドの形で
用いられる。特にイソフタル酸(ハライド),テレフタ
ル酸(ハライド)が好適である。
上記ジアミン成分および酸成分のうち,(I)式におい
てR1〜R4が水素原子である化合物を第1ジアミン成分と
し,(II)式においてR5,R6が水素原子である化合物を
第2ジアミン成分とし,そしてイソフタル酸および/ま
たはテレフタル酸を酸成分とする組合せが最も好まし
い。芳香族コポリアミドには,上記ジアミン成分(第1
および第2ジアミン成分の合計)と酸成分とが,約1:1
のモル比で含有される。
芳香族コポリアミドは,通常のポリアミドの製造法であ
る溶融重合法,固相重合法,界面重合法,溶液重合法な
どにより製造され得る。特に溶液重合法および界面重合
法が好適である。
以下に,溶液重合法により芳香族コポリアミドを製造す
る方法を説明する。溶媒としては,各種有機溶媒が使用
され得,特にN−メチル−2−ピロリドン;ヘキサメチ
ルホスホルアミド;N,N′−ジメチルアセトアミド;N,N′
−ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒およびこれ
らの混合系が好適である。重合時には,発生する塩化水
素の中和や生成する重合体の溶解性を上げることを目的
として各種添加剤が添加され得る。例えば,リチウムク
ロリド,カルシウムクロリド,カリウムクロリドなどの
無機化合物の添加剤が,重合体の溶解を促進させるため
に用いられる。なかでもリチウムクロリドが好適であ
る。さらに,ピリジン,トリエチレンジアミン,トリエ
チルアミン,N−メチルモルフォリン,N,N−ジメチルアニ
リン,N,N−ジエチルアニリン,N,N−ジメチルピペラジン
などのアミン系の有機化合物でなる添加剤も使用され得
る。これらは,塩化水素の捕捉(中和)剤としての機能
と重合体の溶解促進剤としての機能とを有する。なかで
もトリエチルアミンが好適である。上記添加剤の他,例
えば末端停止剤も使用されうる。末端停止材としては,
酸ハライド基と反応しうる基を分子内に1個だけ有する
化合物が用いられる。このような化合物としては,例え
ば,メタノール,エタノールなどのアルコール類,N−メ
チルアニリン,N−エチルアニリン,アニリンなどのアミ
ン類などがあり,反応終了時に反応系に加えられる。
芳香族コポリアミドを調製するには,例えばまず,上記
溶媒にジアミン成分(第1および第2ジアミン成分)を
溶解させ,さらに必要に応じて上記添加剤を加える。撹
拌下でこれに上記酸成分であるポリカルボン酸ハライド
を滴下する。反応系におけるモノマー(ジアミン成分お
よび酸成分)の濃度は,使用するモノマーの種類や溶媒
により異なるが,通常5〜40重量%,好ましくは20〜35
重量%である。反応温度は−20〜80℃,好ましくは−5
〜50℃である。重合反応終了後,反応液を約10倍量のメ
タノールや水と混合し,生成した重合体を沈澱させ固形
物とする。この固形分を濾過し,水,メタノールなどで
洗浄を繰り返した後,乾燥してコポリアミドを得る。
次に,界面重合法により芳香族コポリアミドを製造する
方法を説明する。酸成分であるポリカルボン酸ハライド
を溶解させるために用いる溶媒としては,各種有機溶媒
が用いられ得,それには例えば,塩化メチレン,クロロ
ホルム,四塩化炭素,クロロベンゼンなどの塩素系炭化
水素類;n−ヘキサン,n−オクタン,シクロヘキサノンな
どの脂肪族炭化水素類;キシレン,ベンゼン,トルエン
などの芳香族炭化水素類などが挙げられる。最も好まし
い溶媒はシクロヘキサノンである。重合時に発生するハ
ロゲン化水素を捕捉(中和)するために水酸化ナトリウ
ム,炭酸ナトリウム,水酸化リチウム,炭酸リチウム,
水酸化カリウムなどの中和剤が用いられる。特に水酸化
ナトリウム,炭酸ナトリウムが好ましい。
芳香族コポリアミドを調製するには,例えばまず,ジア
ミン成分と上記中和剤とを水に溶解させ,これと酸成分
を上記有機溶媒に溶解させた溶液とを混合して反応させ
る。通常,上記水溶液に上記と同種の有機溶媒(酸成分
を含有しない)を少量加えて撹拌し,これに上記酸成分
を含む有機溶媒を滴下する。上記有機相および水相にお
けるモノマー(酸成分およびジアミン成分)の濃度は,
それぞれ通常,3〜10重量%である。反応時に,試薬同士
の接触面積を大きくするために水相に界面活性剤を添加
することも推奨される。界面活性剤としては,ドデシル
硫酸ナトリウムなどが用いられる。重合反応終了後,反
応液をメタノールや水と混合し析出した沈澱物を濾取
し,水洗し,所定温度下で乾燥(約2時間)してコポリ
アミドを得る。
このようにして調製された芳香族ポリアミドを用い,通
常の方法により選択透過膜が調製される。例えば,この
芳香族コポリアミドを有機溶媒に溶解させ,これを適当
なプレート上に塗布し,有機溶媒を蒸発させ,プレート
上から剥離することにより,細孔を有する均質膜が調製
される。塗布方法としては,浸漬法,ロールコーティン
グ法,クイックコーティング法など通常の方法が採用さ
れ得る。上記有機溶媒溶液を紡系することにより中空糸
とすることもできる。
複合膜は,例えば,無機あるいは有機の多孔性膜を支持
体とし,この表面に上記芳香族コポリアミドの有機溶媒
溶液を塗布・乾燥して得られる。上記無機多孔性膜支持
体の素材としては,シリカ,アルミナ,シリカアルミ
ナ,ゼオライトなどがあり,有機多孔性膜支持体の素材
としては,ポリエチレン,ポリスルホン,ポリプロピレ
ン,ポリイミドなどがある。
非対称膜は,例えば,適当なプレート上に上記芳香族コ
ポリアミドの有機溶媒溶液を塗布し,適当な時間塗布表
面の溶媒を蒸発させたのち,次に,これを該芳香族コポ
リアミドの貧溶媒中に浸漬することにより得られる。浸
漬することにより塗布膜表面および裏面から有機溶媒が
抜けてゆくため細孔が形成され,かつ塗布層表面に近い
程多孔性の度合が大きくなる。このような膜形成特に,
上記芳香族コポリアミドの有機溶媒溶液に微孔形成剤を
添加しておくことも有効である。微孔形成剤としては,
例えば,リチウムクロリド,マグネシウムクロリド,過
塩素酸マグネシウムなどのアルカリ金属塩類やアルカリ
土類金属塩類;エチレングリコール,ジエチレングリコ
ール,ポリエチレングリコールなどの多価アルコール
類;の一種以上が使用される。
上記製膜法の他,酸成分とジアミン成分とを塗布層界面
で接触させて反応させることにより,ポリマーの合成と
同時に膜を形成させることも可能である。例えば,多孔
質膜表面にジアミン成分を含む溶液を塗布し,これを酸
成分を含有する有機溶媒中に浸漬する方法;逆に,酸成
分を含有する有機溶媒を上記多孔質膜表面に塗布し,こ
れをジアミン成分を含む溶液中に浸漬する方法;により
複合膜が形成される。反応時に,酸成分としてトリメシ
ン酸クロリド,トリメリット酸クロリド,3−クロロスル
ホニルイソフタル酸クロリドのような3個以上の反応性
基を有する成分が添加されていると架橋により膜強度が
向上する。上記支持体となる多孔質膜の素材としては,
ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスルホン,ポリイ
ミドなどの有機重合体やシリカ,アルミナなどの無機化
合物が用いられる。
このようにして調製される本発明の選択透過膜の厚みや
細孔径は,ポリマー濃度,塗布時の厚み,溶媒の除去方
法などを適宜設定してコントロールされる。通常,膜の
厚みは0.05〜1.0μ,好ましくは0.1〜0.5μmである。
細孔径は,例えば透析膜では0.002〜0.5μm,逆浸透膜で
は0.0001〜0.002μm程度である。
(作用) 本発明によれば,このように,特定のジアミン成分を用
いた芳香族コポリアミドでなる選択透過膜が得られる。
この選択透過膜は高性能を有し,例えば,逆浸透膜とし
て無機塩水溶液に適用すると塩排除性および透水性に優
れる。さらに,耐バクテリア性を有するのはもちろんの
こと,耐塩素性に優れるため,従来のように脱クロル化
の予備処理を必要とせず,かつ長時間にわたる運転が可
能となる。このような選択透過膜は,常圧,加圧もしく
は引圧下で使用され,透析膜,パーベーパレーション
膜,逆浸透膜として有用である。
(実施例) 以下に本発明を実施例につき説明する。
実施例1 (A) メタフェニレンジアミン−4−スルホン酸ナト
リウム塩の調製:水酸化ナトリウム21.37g(0.5343mo
l)を水5000mlに溶解し,この均一溶液中にメタフェニ
レンジアミン−4−スルホン酸100.56g(0.5343mol)を
投入して溶解させた。この溶液を蒸発乾固し,メタフェ
ニレンジアミン−4−スルホン酸のナトリウム塩の粗結
晶を得た。これを特級n−ヘキサンで充分に洗浄した
後,水で再結晶した。精製物を100℃で24時間減圧乾燥
した。得られた塩の収率は約70%であった。
(B) ポリ〔テレフタロイル−(3,3′−ジアミノジ
フェニルスルホン/メタフェニレンジアミン−4−スル
ホン酸ナトリウム)〕の合成: (3,3′−ジアミノフェニルスルホン/ムタフェニレン
ジアミン−4−スルホン酸ナトリウム=10/30) (A)項で得られたメタフェニレンジアミン−4−スル
ホン酸ナトリウム(第2ジアミン成分)7.88g(0.0375m
ol)および3,3′−ジアミノジフェニルスルホン(第1
ジアミン成分)21.37g(0.0875mol)を窒素導入管,温
度計および撹拌装置を備えた500mlの四つ口フラスコ内
に窒素気流下で投入した。これにN−メチルピロリドン
150mlを加えて,上記ジアミン成分モノマーをほぼ溶解
させた。このとき,メタフェニレンジアミン−4−スル
ホン酸ナトリウムは完全には溶解せず,分散状態となっ
た。これを充分に撹拌した後,塩化水素捕捉剤としトリ
エチルアミン25.3g(34.5ml,0.25mol)を加え,反応系
の温度が3℃以下となるまで氷冷した。反応系全体を氷
冷しながら撹拌下でテレフタル酸クロリド25.38g(0.12
5mol)を窒素気流下にて,徐々に加えた。この時,反応
系の温度を約20℃以下に保った。約60分間氷冷下で反応
した後室温に戻し,さらに約1時間撹拌を行った。反応
終了後,この反応溶液をメタノール1500ml中に加え,ポ
リマーを沈澱析出させた。家庭用ミキサーでポリマーの
粉砕して濾過し水洗する精製工程を数回繰り返して行
い,ポリマー中の未反応物および溶媒の除去を行った。
最後に,ポリマーをメタノールで洗浄し,約140℃にて
真空下で約48時間乾燥を行った。
得られたポリマーの収率は約95%であり,ポリマーの還
元比粘度はηsp/C=1.06(0.5g/dlN−メチル−2−ピ
ロリドン,30℃)であった。
(C) 非対称膜の調製:(B)項で得られたポリマー
のN,N′−ジメチルアセトアミド20%溶液(LiCl5%を含
む)を調製し,アプリケーターを用いて300μmの厚さ
でガラス至上に塗布した。これを恒温槽に入れ,110度で
10分間加熱し,溶媒を蒸発させた。冷却後,水に浸漬し
30分間放置後,ガラス面上から剥離し,非対称膜を得
た。
(D) ポリマーおよび膜の性能評価:次の方法により
行った。その結果を下表に示す。実施例2〜11および比
較例1〜12の結果もあわせて下表に示す。
製膜性評価:ポリマー溶液塗布の容易性,形成された
膜の均質性などから判断して次の4段階に分ける。
◎ 非常に良好である ○ 良好である △ 悪い × 非常に悪い 逆浸透性能評価および塩素イオン存在下における逆浸
透性能評価:連続式ポンプ型逆浸透装置に(C)項で得
られた膜をセットし,35000ppmのNaCl水溶液を原液とし
てこの装置に送水する。操作圧力は55kg/cm2に設定して
2時間連続運転を行う。この間の水透過量を測定し,こ
の値から膜1m21日(24時間)あたりの水透過量に換算す
る。さらに透過水中におけるNaCl濃度を測定し,塩排除
率を算出する。塩排除率は次式で示される。
次に,塩素イオンを50ppmの割合で含有すること以外は
上記と同様の原液(pH6.5)を用い,上記と同様に連続
式ポンプ型逆浸透装置を用いて運転を行う。11時間連続
運転を行い,運転開始9時間から11時間までの間の水透
過量を測定し,膜1m21日(24時間)あたりの水透過量に
換算する。さらに,水中におけるNaCl濃度を測定し,塩
排除率の算出を行う。
耐塩素性評価(塩素吸収量の測定):(A)項で得ら
れたポリマーの約2グラムのフリーザーミルにて冷凍粉
砕し,粒径約10μm以下の粉末とする。この粉末を150
℃にて約15時間真空乾燥して耐塩素性評価用サンプルと
する。塩素源として次亜塩素酸ナトリウムを;pH調整用
の緩衝剤としてリン酸,リン酸2水素1カリウムおよび
リン酸1水素2カリウムを用い,これらを水に溶解させ
て塩素濃度約200ppm,pH5の水溶液を得た。この水溶液を
500mlを40℃の恒温槽中に設置し,これに上記ポリマー
粉末0.5gを投入した。0.2時間後に該水溶液の塩素濃度
の測定を行い,ポリマー1gあたりの塩素吸収量(mg/g)
を算出した。この値が小さい程,ポリマーは耐塩素性に
優れる。
実施例2 メタフェニレンジアミン−4−スルホン酸ナトリウム
(第2ジアミン成分)の量を2.63g(0.0125mol),そし
て3,3′−ジアミノジフェニルスルホン(1ジアミン成
分)の量を27.93g(0.1125mol)としたこと以外は実施
例1(B)項と同様に操作し,ポリマーを調製した。こ
のポリマージアミン成分のモル比は,3,3′−ジアミノジ
フェニルスルホン/メタフェニレンジアミン−4−スル
ホン酸ナトリウム=90/10である。得られたポリマーの
収率は約95%であり,その還元比粘度はηsp/C=0.72
(0.5g/dlN−メチル−2−ピロリドン,30℃)であっ
た。
このポリマーを用いて,実施例1と同様に非対称膜を調
製し,ポリマーおよび膜の性能評価を行った。
実施例3 メタフェニレンジアミン−4−スルホン酸ナトリウム
(第2ジアミン成分)の量を5.25g(0.025mol),そし
て3,3′−ジアミノジフェニルスルホン(第1ジアミン
成分)の量を24.83g(0.100mol)としたこと以外は実施
例1(B)項と同様に操作し,ポリマーを調製した。こ
のポリマーのジアミン成分のモル比は,3,3′−ジアミノ
ジフェニルスルホン/メタフェニレンジアミン−4−ス
ルホン酸ナトリウム=80/20である。得られたポリマー
の収率は約95%であり,その還元比粘度はηsp/C=0.73
(0.5g/dlN−メチル−2−ピロリドン,30℃)であっ
た。
このポリマーを用いて,実施例1と同様に非対称膜を調
製し,ポリマーおよび膜の性能評価を行った。
実施例4〜6 酸成分としてテレフタル酸クロリドの代わりにイソフタ
ル酸クロリドを使用したこと以外は,実施例1〜3と同
様に操作し,ポリ〔イソフタロイル−(3,3′−ジアミ
ノジフェニルスルホン/メタフェニレンジアミン−4−
スルホン酸ナトリウム)〕の調製を行った。得られたポ
リマーの還元比粘度は,それぞれ0.82,0.66および0.60
であった。
これらのポリマーを用いて,実施例1と同様に非対称膜
を調製し,ポリマーおよび膜の性能評価を行った。
実施例7〜9 第1ジアミン成分として4,4′−ジアミノフェニルスル
ホンを使用したこと以外は,実施例1〜3と同様に操作
し,ポリ〔テレフタロイル−(4,4′−ジアミノジフェ
ニルスルホン/メタフェニレンジアミン−4−スルホン
酸ナトリウム)〕の調製を行った。得られたポリマーの
還元比粘度は,それぞれ1.03,0.88および0.99であっ
た。
これらのポリマーを用いて,実施例1と同様に非対称膜
を調製し,ポリマーおよび膜の性能評価を行った。
実施例10〜11 第2ジアミン成分として,o−トリジン−2,2′−スルホ
ン酸ジナトリウムを用い,実施例1(B)項に準じてポ
リ〔テレフタロイル−(3,3′−ジアミノジフェニルス
ルホン/o−トリジン−2,2′−スルホン酸ジナトリウ
ム)〕の調製を行った。上記o−トリジン−2,2′−ス
ルホン酸ジナトリウム塩は,m−フェニレンジアミン−4
−スルホン酸の代わりにo−トリジン−2,2′−ジスル
ホン酸を用いることにより,実施例1(A)項の方法で
調製された。上記第2ジアミン成分の配合割合は,それ
ぞれ,全ジアミン成分の5mol%(実施例10)および10mo
l%(実施例11)である。得られたポリマーの還元比粘
度は,それぞれ1.00および0.73であった。
これらのポリマーを用いて,実施例1と同様に非対称膜
を調製し,ポリマーおよび膜の性能評価を行った。
比較例1 次の方法で,ポリ(イソフタロイルメタフェニレンジア
ミン)の調製を行った。窒素導入管,温度計および撹拌
翼を備えた500mlの四つ口丸底フラスコに,蒸留により
精製したメタフェニレンジアミン10.80g(0.10mol)お
よび脱水精製したN−メチル−2−ピリドン(NMP)150
mlを入れた。撹拌により均一系とした後,0℃まで冷却
し,撹拌しながらイソフタル酸クロライド(IPC)10.15
g(0.1mol)を粉末状で一度に加えた。容器に付着した
粉末はNMP10mlを加えて洗い落とした。IPCの添加により
系の温度は約50℃にまで上昇した。反応液を冷却しなが
ら約1時間撹拌し,室温にもどした後,さらに2時間撹
拌を続けて反応を終了させた。得られた溶液を約1500ml
のメタノール中に注ぎ,生成した沈澱物(ポリマー)を
濾過し,水を入れたホームミキサーで粉砕し洗浄した。
次いで,この精製物を150℃で減圧下にて24時間乾燥し
た。ポリマーの収率は約85%であり,粘度は1.35(0.5g
/1dl−H2SO4)であった。
このポリマーを用いて,実施例1と同様に非対称膜を調
製し,ポリマーおよび膜の性能評価を行った。
比較例2 IPCの代わりにテレフタル酸クロリド(TPC)を用いたこ
と以外は,比較例1と同様に操作し,ポリ(テレフタロ
イルメタフェニレンジアミン)を調製した。このポリマ
ーを用い,実施例1と同様の方法で非対称膜の調製を試
みたが,ポリマーが溶媒に難溶であるため,逆浸透性能
評価に耐え得る非対称膜は得られなかった。
比較例3〜5 ジアミン成分としてメタフェニレンジアミンおよび2,4
−ジアミノベンゼンスルホン酸の混合物を用い,実施例
1(B)項に準じてポリ〔イソフタロイル(メタフェニ
レンジアミン/2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸)〕の
調製を行った。ジアミン成分中,2,4−ジアミノベンゼン
スルホン酸の配合割合は,それぞれ10mol%(比較例
3),20mol(比較例4)および30mol%(比較例5)で
ある。
これらのポリマーを用いて,実施例1と同様に非対称膜
を調製し,ポリマーおよび膜の性能評価を行った。但
し,比較例4のポリマーおよび比較例5のポリマーから
は,逆浸透性能評価に耐え得る非対称膜は得られなかっ
た。
比較例6〜8 酸成分としてIPCの代わりにTPCを用いたこと以外は比較
例3〜5と同様である。これらのポリマーを用い,実施
例1と同様の方法で非対称膜の調製を試みたが,逆浸透
性能評価に耐える非対称膜は得られなかった。
比較例9 メタフェニレンジアミンの代わりに3,3′−ジアミノジ
フェニルスルホンを用いたこと以外は比較例1と同様に
操作し,ポリ(イソフタロイル−3,3′−ジアミノジフ
ェニルスルホン)の調製を行った。このポリマーを用い
て,実施例1と同様に非対称膜を調製し,ポリマーおよ
び膜の性能評価を行った。
比較例10 メタフェニレンジアミンの代わりに3,3′−ジアミノジ
フェニルスルホンを用いたこと以外は比較例2と同様に
操作し,ポリ(テレフタロイル−3,3′−ジアミノジフ
ェニルスルホン)の調製を行った。このポリマーを用い
て,実施例1と同様に非対称膜を調製し,ポリマーおよ
び膜の性能評価を行った。
比較例11 メタフェニレンジアミンの代わりに4,4′−ジアミノジ
フェニルスルホンを用いたこと以外は比較例1と同様に
操作し,ポリ〔イソフタロイル−4,4′−ジアミノジフ
ェニルスルホン)の調製を行った。
このポリマーを用いて,実施例1と同様に非対称膜を調
製し,ポリマーおよび膜の性能評価を行った。
比較例12 メタフェニレンジアミンの代わりに4,4′−ジアミノジ
フェニルスルホンを用いたこと以外は比較例2と同様に
操作し,ポリ(テレフタロイル−4,4′−ジアミノジフ
ェニルスルホン)の調製を行った。
このポリマーを用いて,実施例1と同様に非対称膜を調
製し,ポリマーおよび膜の性能評価を行った。
(発明の効果) 本発明によれば,このように,高性能の選択透過膜が得
られる。この選択透過膜を,例えば逆浸透膜として無機
塩水溶液に適用すると,塩排除性および透水性に優れ
る。さらに,耐バクテリア性を有するのはもちろんのこ
と,耐塩素性に優れるため,従来のように脱クロル化の
予備処理を必要とせず,かつ長時間にわたる運転が可能
となる。このような選択透過膜は例えば透析膜,パーベ
ーパレーション膜,逆浸透膜として多方面に利用され得
る。特に逆浸透膜として海水やかん水の脱塩に好適に使
用され得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 康夫 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭50−120481(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸成分とジアミン成分とを共重合成分とす
    る芳香族コポリアミドでなる選択透過膜であって, 該ジアミン成分が,次の第1ジアミン成分(I)と第2
    ジアミン成分(II)とからなり,かつそのモル比が95/5
    〜50/50の割合である, 選択透過膜: ここで,R1およびR2はそれぞれ独立して水素原子,また
    は炭素原子数1〜12の炭化水素基;R3およびR4はそれぞ
    れ独立して水素原子,または活性水素を持たない1価の
    有機性基;そしてn1およびn2はそれぞれ独立して0また
    は1〜3の自然数である。 ここで,R5およびR6はそれぞれ独立して水素原子,また
    は炭素原子数1〜12の炭化水素基;Mは水素原子,炭素原
    子数1〜12の炭化水素基,アルカリ金属,アルカリ土類
    金属または第4級アンモニウム塩基;Arは炭素原子数6
    〜15でありかつ(n3+2)価の芳香族炭化水素基;そし
    て,n3は1または2である。
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