JPH07114938B2 - 選択透過性高分子膜 - Google Patents

選択透過性高分子膜

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JPH07114938B2
JPH07114938B2 JP12626486A JP12626486A JPH07114938B2 JP H07114938 B2 JPH07114938 B2 JP H07114938B2 JP 12626486 A JP12626486 A JP 12626486A JP 12626486 A JP12626486 A JP 12626486A JP H07114938 B2 JPH07114938 B2 JP H07114938B2
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acid
polymer
chlorine
aromatic
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重次 小長谷
修 渡辺
英司 葛本
正也 東海
春彦 成澤
康夫 加藤
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/56Polyamides, e.g. polyester-amides

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は特定のコポリアミドからなる選択透過性高分
子膜であって、特に海水やかん水を脱塩して淡水を得る
のに好適な選択透過性高分子膜に関する。
(従来の技術) 共通溶媒に溶解した1種またはそれ以上の物質の溶液
を、この溶液の浸透圧より高い圧力で選択透過性膜に圧
送して溶液中の成分を選択的に分離する選択透過法や、
水を通過させるがその中に溶解している塩類を通過させ
ない逆浸透法は古くから知られており、これらの方法に
は選択透過性膜、逆浸透膜といわれる実質的に同じ半透
膜が使用されている(以下両者を併せて選択透過性高分
子膜と称する)この選択透過性高分子膜は重合体物質か
らなり、支持体付きの極薄層の形状か、中空繊維の形状
のいずれかである緻密で均質な構造を有するもの、また
は一般に0.1〜0.2ミクロンもしくはそれ以下の厚みの緻
密な表面重合体層とこの薄い層に対する支持体となる多
孔質下部構造とからなる「異方性ゲル」膜の不均質構造
を有するものがある。この不均質構造の膜の水流通に対
する高い浸透性と脱塩能とは、片面のみに付着している
上記の薄くて緻密な表面重合体層に依存するものであ
り、これら不均質構造の膜は非対称膜ともいわれてい
る。
従来、選択透過性高分子膜を形成する重合体として、醋
酸セルロースが工業的に利用されていたが、この醋酸セ
ルロース膜は耐加水分解性、耐微生物性、膜寿命などの
点に問題があった。
これらの問題を解決するために醋酸セルロースに代わる
新しい膜材料として芳香族ポリアミドからなる選択透過
性高分子膜(特公昭50−8781号公報参照)が知られてい
るが、この公知の選択透過性高分子膜は水の殺菌剤とし
て使用される酸化性の塩素に対する耐久性すなわち、耐
塩素性に欠けるという問題があった。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、透水性、塩除去性及び製膜製にすぐれかつ従
来技術では満足されていない塩素殺菌、特に繰返し塩素
殺菌処理後も初期と変らない透水性および塩除去性を保
持するすぐれた耐塩素耐久性逆浸透膜を提供することに
ある。
(問題点を解決するための手段) この発明は、3,3′−ジアミノジフェニルスルホンおよ
びその誘導体または/および4,4′−ジアミノジフェニ
ルスルホンおよびその誘導体と芳香族ジカルボン酸また
は芳香族ジカルボン酸ハライドおよび下記一般式
(I)、(II)で示される芳香族酸無水物とを反応させ
て得られるコポリアミドからなる選択透過性高分子膜で
ある。
この発明に使用されるコポリアミドは、下記一般式で示
される3,3′−ジアミノジフェニルスルホンおよびその
誘導体(III)または/および4,4′−ジアミノジフェニ
ルスルホンおよびその誘導体(IV)をアミン成分とす
る。
ここで、R1、R2は水素原子または炭素原子数1〜12の炭
化水素基を示し、R3、R4は水素原または活性水素を有し
ない1価の有機性基を示す。またm、nは0または1〜
3の自然数を示す。例えば3,3′−ジアミノジフェニル
スルホン、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジメチルジフェニ
ルスルホン(ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)
スルホン)、N,N′−ジメチル−3,3′−ジアミノジフェ
ニルスルホン、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジクロロジフ
ェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4′−3,3′−ジメチルジフェニル(ビス(3−ア
ミノ−N,N′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニルス
ルホン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジクロロジフェニル
スルホンであり、好ましいのは3,3′−ジアミノジフェ
ニルスルホンおよびその誘導体であり特に好ましいのは
3,3′−ジアミノジフェニルスルホンである。これら、
3,3′または4,4′−ジアミノジフェニルスルホン系化合
物をアミン成分とすることは優れた透水性と塩除去性の
付与と共に、従来技術では得られなかった透水性と塩除
去性の耐塩素性の付与に寄与する。
本発明のコポリアミドの酸成分は2種の芳香族酸または
その誘導体からなっている。その一つは、次の一般式で
示される芳香族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸
ハライドである。
XOC−Ar1−COX ここで、Ar1は炭素原子数6〜15の芳香族炭化水素基で
あり、Xは塩素原子、臭素原子または、水酸基を示して
いる。
たとえばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、4,
4′−ジフェニルジカルボン酸、1,2−ナフタリンジカル
ボン酸、1,3−ナフタリンジカルボン酸、1,4−ナフタリ
ンジカルボン酸、1,5−ナフタリンジカルボン酸、1,6−
ナフタリンジカルボン酸、1,7−ナフタリンジカルボン
酸、1,8−ナフタリンジカルボン酸、2,3−ナフタリンジ
カルボン酸、2,6−ナフタリンジカルボン酸、2,7−ナフ
タリンジカルボン酸、等があげられる。中でも、イソフ
タル酸、テレフタル酸が好ましく、逆浸透性能の面から
は特にテレフタル酸が好ましい。
他の酸成分の一つは下記一般式(I)、(II)で示され
る芳香族酸無水物 ここで、Ar2、Ar3は炭素原子数6〜15の芳香族炭化水素
基を示し、Xは塩素原子または臭素原子を示す。
一般式(I)で示される化合物としては、無水トリメリ
ット酸、2,3,6−ナフタリントリカルボン酸無水物、2,
3,5−ナフタリントリカルボン酸無水物、1,2,4−ナフタ
リントリカルボン酸無水物、1,4,5−ナフタリントリカ
ルボン酸無水物、2,2′,3−ビフェニルトリカルボン酸
無水物、及びそれらの酸無水物のモノカルボン酸ハライ
ドを挙げることができる。なかでも、無水トリメリット
酸およびそのモノカルボン酸ハライドが特に好ましい。
一般式(II)で示される化合物としては、ピロメリット
酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、1,
8,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸無水物等を挙げる
ことができる。なかでも、無水ピロメリット酸が特に好
ましい。
一般式(I)や(II)で示される化合物の添加は膜の親
水性を向上させ、優れた透水量の付与に寄与する。
芳香族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸ハライド
と一般式(I)または(II)で示される。芳香族酸無水
物との混合比はモル比で1/99〜60/40、好ましくは10/90
〜40/60の範囲である。化合物(I)または(II)の和
の量が1%以下では良好な逆浸透性能が得られない。ま
た60%よりおおいと、製膜性及び膜の耐塩素性は著しく
悪くなる。(I)または(II)で示される芳香族酸無水
物は(I)または(II)単独で用いてもよいし(I)と
(II)を混合して用いても良い。
本発明の芳香族ポリアミド酸は、通常のポリアミドの製
造に用いられる重合方法、例えば、界面重合法、溶液重
合法により合成することができる。中でも、溶液重合法
が好ましい。
溶液重合法に用いる溶媒としては種々の有機溶媒を用い
ることができるが、好ましくはアミド系溶媒を用いる。
好ましい溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、
ヘキサメチルホスホルアミド、N,N′−ジメチルアセト
アミド、N,N′−ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、及びこれらの混合系を挙げることができる。
また、これらの溶媒系にベンゼン、トルエン、ニトロベ
ンゼン、クロルベンゼン、シクロヘキサノン、テトラヒ
ドロフラン等を加えることも可能である。
溶液重合の一般的重合方法を示せば、前記ジアミン化合
物(I)を前記アミド系溶媒に溶解したのち、この溶液
中に前記酸成分(I)及び/または(II)を撹はん下に
添加し、適当な時間撹はんを続ける。通常、アミン成分
と酸成分とは等モルの割合で用いるのが望ましいが、場
合によっては、どちらかを過剰に用いることも可能であ
る。反応の温度は−20度から100度が好ましく、さらに
好ましくは−5度から70度である。反応初期は低温下
で、反応中期は室温下で反応を続けることが好ましい。
所定時間経過後、さらに前記酸成分芳香族ジカルボン酸
または芳香族ジカルボン酸ハライドを低温下で添加し、
撹はんを続ける。
重合に際しては、混合物溶液に、重合前、重合中、及び
重合後に、添加剤を添加してもよい。このような添加剤
には、各種の無機化合物、有機化合物が挙げられるが、
あるものは、重合によって生成する塩化水素を中和する
ため及び/または重合体の溶解を容易にするために添加
される。このような無機化合物の例としてはリチウムク
ロリド、カルシウムクロリド、カリウムクロリド、炭酸
リチウム、酸化リチウム、水酸化リチウム、水酸化カル
シウム、炭酸カルシウムなどが好ましい例として上げら
れる。また、このような効果を有する有機化合物として
は、ピリジン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミ
ン、N−メチルモルフォリン、N,N−ジメチルアニリ
ン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチルピペラジ
ン、プロピレンオキサイド等が好ましい例として挙げら
れる。
他の添加剤としては必要におうじて末端停止剤を用いる
ことができ末端停止剤としてはアミノ基及び酸ハライド
基と反応する基を1つだけ有する化合物が適当である。
かかる溶液重合反応において、モノマー類の仕込み濃度
は一般には5〜35重量%が好ましい。重合反応後、得ら
れた溶液をメタノール、水などと混合して固形物とし
て、さらに固形物の濾過、水およびメタノールによる洗
浄を繰り返したのち、乾燥して本発明の芳香族ポリアミ
ドを得ることができる。
このようにして得られたポリアミドには−COOH基が形成
されるが、これを金属塩などの添加によりカルボン酸金
属塩とすることもできる。好ましい、金属塩はアルカリ
金属塩、アルカリ土類金属塩で、たとえばリチウム、ナ
トリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリ
ウム等が挙げられる。
更に、該ポリアミドにおいてその閉環部分の含有の有無
は、無いほうが好ましいが、若干は許容される。
また、本発明のコポリアミドを他のポリマーとブレンド
したり、他の成分と共重合することも可能である。
本発明によって得られた芳香族コポリアミド酸を無機塩
を含む適当な有機溶媒に溶解し、該溶液を適当なプレー
ト上に塗布後、該芳香族コポリアミド酸の貧溶媒でかつ
上記有機溶媒および無機塩と相溶性のある液体中に浸せ
きすることにより非対称膜を得ることができる。
本発明に用いる無機塩類は前記素材の有機溶媒に溶解
し、長時間にわたって均一で安定な溶液を形成し、また
凝固溶液に対しても相溶性のあることが特に好ましい。
かかる例として、リチウムクロライド、リチウムブロマ
イド、硝酸リチウム、塩化カルシウム等が好ましい。こ
れらの無機塩は結晶水を含んでいてもよい。前記素材に
対する有機溶媒とは、前記素材を溶解する有機溶媒なら
何でもよいが、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド
等、またはこれらの混合物が好ましいものとして挙げら
れる。なかでも、ジメチルアセトアミド、N−メチルピ
ロリドンがとくに好ましい。
また、該芳香族コポリアミド酸を適当な有機溶媒に溶解
し、該溶液を適当なプレート上に塗布後、該プレート上
から、有機溶媒を蒸発させることにより均質膜を得るこ
とも可能である。さらに、該溶液を紡糸することにより
中空糸の形態をも形成すること、また適当な多孔質膜上
に本発明で得られた芳香族コポリアミド酸の溶液を塗布
し、複合膜の形態を取ることも可能である。用いられる
多孔質膜としては高分子化合物から得られる多孔質膜、
例えば、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリプロピレ
ン、ポリイミド等の多孔質膜が適当である。
この塗布方法としては、浸漬法、ロールコーティング
法、クイックコーティング法等、いかなる方法でもよ
い。塗布されたポリマーの厚みは0.05−1.0ミクロン、
好ましくは0.1−0.5ミクロンとなるように塗布条件をコ
ントロールすべきである。
ポリマーを塗布する以外に、次のように支持体上で膜を
形成させることも可能である。すなわち、前記ジアミン
化合物(例えば3,3′−ジアミノジフェニルスルホン)
と前記酸成分(I)および/または(II)との反応溶液
を多孔質膜上で塗布した後に、ジカルボン酸クロリドを
溶かした有機溶媒中に浸せきすることにより、該多孔質
膜上に本発明の芳香族コポリアミド酸を形成させること
も可能である。
用いられる多孔質膜素材としてはポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリスルホン、ポリイミドなどが挙げられ
る。また、無機化合物からなる多孔質膜素材上に該芳香
族コポリアミドを形成させることも可能である。
複合膜の形成時、膜の強度を高めるため、トリメシン酸
クロライド、トリメリット酸クロライド、3−クロロス
ルホニルイソフタル酸クロライドのような3個以上の反
応性基を有する化合物を添加してもよい。
(作用) 芳香族ジカルボン酸またはその誘導体と3,3′−ジフェ
ニルスルホン系ジアミンおよび/または4,4′−ジフェ
ニルスルホン系ジアミンとの反応で得られたコポリアミ
ドは、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、
ジメチルホルムアミドなどの有機溶媒に溶けるので、製
膜性が良好であり、得られた選択透過性膜は透水性、塩
除去性に優れ、特に優れた耐塩素性を有している。
(実施例) 非対称膜の製法 本発明で得られたコポリアミドのN,N′−ジメチルアセ
トアミドの20%溶液(5%LiCl含有)を作成し、約300
ミクロンの厚さでガラス板上にコートした。110℃の恒
温槽中で10〜30分間加熱し上記の溶媒を蒸発させた。冷
却後水中に浸漬して、該コポリアミドの非対称膜を形成
させた。該膜をガラス面上からはがし、以下の逆浸透膜
実験に供した。
逆浸透膜試験法および耐塩素性評価法 通常の連続式ポンプ型逆浸透装置を用い、25℃にて3500
0ppmのNaClを含む水溶液を原液として、操作圧力は55kg
/cm2で行なった。
尚、逆浸透膜試験装置を用いた耐塩素性測定は、該液中
に10ppmの塩素を投入してかつPH5に調製して上記の操作
をおこなった。測定開始20時間後、該膜の逆浸透性能の
変化度合から、該膜の耐塩素性を評価した。すなわち、
塩素存在下で初期逆浸透性能を長時間維持できる膜が、
耐塩素性が優れた膜といえる。
膜の性能を示す尺度としては塩除去率(Rj)と透水量
(FR)を採用した。
塩除去率とは通常の方法、すなわち、次式によって求め
た。
透水量とは、膜面積1m2当たりの1日の水の透過量を示
し単位は(リットル)/m2dayで示す。
塩素吸収量の測定法 本発明によって得られたポリマーの約2グラムをフリー
ザーミルにて冷凍粉砕し、約10ミクロン以下の細粉体と
する。該粉末を150℃下で約15時間真空乾燥して耐塩素
性評価用サンプルとした。一方、評価用の塩素水溶液
は、塩素源として次亜塩素酸ナトリウム、PH調整用の緩
衝剤としてリン酸、リン酸2水素1カリウム、リン酸1
水素2カリウムを用いて調整した。耐塩素性評価時の塩
素濃度は約220ppm、PHは5とした。
40℃の恒温槽中に500mlの該塩素水溶液が入ったマヨネ
ーズ瓶を設置し、該水溶液中に該細粉ポリマーを0.5gを
投入して、該水溶液の塩素濃度の経時変化から該ポリマ
ーの塩素吸収量を求めた。尚、これより、予めもとめて
おいた該水溶液中の塩素の自然消滅量を差し引いた値
を、該ポリマーの真の塩素吸収量とした。塩素吸収量測
定開始1時間後のポリマー1ユニット当たりの塩素吸収
量(mol/mol)より該ポリマーの耐塩素性を評価した。
該値が小さいほど該ポリマーは耐塩素性に優れることを
意味している。
(実施例1)ポリアミド酸の合成 3,3′−ジアミノジフェニルスルホン(3s)24.83g(0.1
mol)及びN、N−ジメチルアセトアミド(DMAc)150ml
を窒素導入管、温度計、撹はん機を備えた500mlの4つ
口フラスコ中に窒素気流下で入れ、均一溶液とした。
十分撹はん後、反応系全体を氷冷しながら無水トリメリ
ット酸クロリド(Tm)2.106g(0.01mol)を窒素気流下
にてゆっくりと加えた。約60分間氷冷下で反応後、室温
に戻し、更に約3時間、反応系の撹はんをおこなった。
再度、反応系全体を氷冷し、テレフタル酸クロリド
(T)18g(0.09mol)を窒素気流下にてゆっくりと加え
た。約30分間氷冷下で反応後、室温に戻し、更に約2時
間反応を続けた。
この系にプロピレンオキサイド(PO)14ml(0.2mol)
え、約1時間撹はんした。反応終了後、反応液をメタノ
ール1500ml中に加え、ポリマーの固形物を得る。ポリマ
ーを濾過し、水及びメタノールによる洗浄を数回繰り返
しおこない、ポリマー中の未反応物の除去、溶媒の除去
をおこなった。
生成物を約50℃下、真空下で約48時間乾燥をおこない、
以下の非対称膜の製造に供した。得られたポリマーの還
元比粘度はηinh=0.75(0.5g/dl−DMAc、30℃)であっ
た。
前述の方法に従って、得られたポリマーの非対称膜の製
造し逆浸透実験をおこなった。透水量、塩除去率、塩素
吸収量測定値を第1表に示した。
(実施例2、3) 3s量を24.83g(0.100mol)と一定にし、全酸成分に対す
るTmの量を20、30mol%として、実施例1と全く同様に
してポリアミドを合成した。
次いで前述の方法に従って得られたポリマーの非対称膜
の製造及び逆浸透実験をおこない得られた結果を第1表
に示した。
(実施例4、5) Tmの代わりに無水ピロメリット酸(Pm)の量を5、10mo
l%とした以外は、実施例1と全く同様にしてポリアミ
ドを合成した。
前述の方法に従って得られたポリマーの非対称膜の製造
及び逆浸透実験を行ない第1表の結果を得た。
(実施例6〜8) 実施例1、2、3において、3sの替わりに4,4′−ジア
ミノジフェニルスルホン(4s)を用いた以外は実施例
1、2、3と全く同様にしてポリアミドを合成した。
前述の方法に従って該ポリマーの非対称膜の製造及び逆
浸透実験をおこない、得られた結果を第1表に示した。
(比較例1、2) 実施例2、5において、3sの替わりに4,4′−ジアミノ
ジフェニルエーテル(4e)を用いた以外は実施例2、5
と全く同様にしてポリアミドを合成した。
前述の方法に従って、該ポリマーの非対称膜の製造を試
みたが、該ポリマーはDMAcに不溶であるので、逆浸透性
能評価用の膜は得られなかった。
(比較例3) 実施例1において酸成分をテレフタル酸(T)のみと
し、酸捕足剤としてポリプロピレンオキサイドの代りに
トリエチルアミンを等量用いて実施例1と同様にしてコ
ポリアミドを合成した。得られたポリマーの還元比粘度
ηinhは0.98であった。前述の方法に従って得られたポ
リマーの非対称膜の製造および逆浸透実験を行った。結
果は第1表に示す。
比較例4〜6 実施例1〜3において3sの代りにm−フェニレンジアミ
ン10.81g(0.1mol)を用いた以外は実施例1〜3と全く
同様にしてポリアミドを合成した。
得られたポリマーの還元比粘度は0.9〜1.1のであった。
さらに、前述の方法に従って、非対称膜の製造、逆浸透
実験をおこなったところ表1の結果を得た。
実施例7、8 比較例4〜6において、Tmの代りにPmを用いた以外は比
較例4〜6を全く同様にしてポリアミドを合成した。得
られたポリマーの還元比粘度は0.8〜1.0の範囲であっ
た。さらに、前述の方法に従って、非対称膜の製造逆浸
透実験を行なったところ表1の結果を得た。
本発明すなわちアミン成分として3,3′−ジアミノジフ
ェニルスルホン、酸成分として芳香族ジカルボン酸(テ
レフタル酸)およびトリメリット酸クロライドまたはピ
ロメリット酸から得られたコポリアミド膜は、4,4′−
ジアミノジフェニルスルホンを用いた場合よりも、塩素
処理による低下がない。また膜を構成するポリマーの相
対粘度の塩素処理による低下がないので初期の膜強度が
塩素処理後も維持されることが第1表から明らかであ
る。
実施例9〜14 第2表第2欄に示す酸成分、アミン成分のモル比及び実
施例1に示した重合方法、製膜法に従って逆浸透用非対
称膜を製造し、逆浸透実験を行ない第2表の結果を得
た。
第1表比較例1〜8に示した性能よりも透水性、塩除去
性に優れていることが明らかである。特に塩素処理によ
る透水性、塩除去性に低下がみられない。
(発明の効果) 本発明により得られる選択透過膜は優れた製膜性、透水
状態および塩除去性能の耐塩素性、および膜強度の耐塩
素性を有する特に海水、かん水の脱塩に適した逆浸透膜
を提供する。
フロントページの続き (72)発明者 成澤 春彦 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 加藤 康夫 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 審査官 中野 孝一

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3,3′−ジアミノジフェニルスルホンおよ
    びその誘導体または/および4,4′−ジアミノジフェニ
    ルスルホンおよびその誘導体と芳香族ジカルボン酸また
    は芳香族ジカルボン酸ハライドおよび下記一般式
    (I)、(II)で示される芳香族酸無水物とを反応させ
    て得られるコポリアミドからなる選択透過性高分子膜。
JP12626486A 1986-05-31 1986-05-31 選択透過性高分子膜 Expired - Lifetime JPH07114938B2 (ja)

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JPS62282603A (ja) 1987-12-08

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