JPH0711463A - 金属薄膜の溶解方法 - Google Patents
金属薄膜の溶解方法Info
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- JPH0711463A JPH0711463A JP17623393A JP17623393A JPH0711463A JP H0711463 A JPH0711463 A JP H0711463A JP 17623393 A JP17623393 A JP 17623393A JP 17623393 A JP17623393 A JP 17623393A JP H0711463 A JPH0711463 A JP H0711463A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】鉄を含む基体上に形成された含Ni合金薄膜
を、選択的に含Ni合金薄膜のみを溶解する。 【構成】グリコール酸のようなOH基を有するカルボン
酸、又はマレイン酸のようなカルボキシル基を2個以上
有するカルボン酸を含む水溶液中に、含Ni合金薄膜を
有するステンレス板を浸漬させる。
を、選択的に含Ni合金薄膜のみを溶解する。 【構成】グリコール酸のようなOH基を有するカルボン
酸、又はマレイン酸のようなカルボキシル基を2個以上
有するカルボン酸を含む水溶液中に、含Ni合金薄膜を
有するステンレス板を浸漬させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステンレス等の鉄を含
む基体の上に形成された含Ni合金薄膜を溶解剥離する
方法に関する。
む基体の上に形成された含Ni合金薄膜を溶解剥離する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ステンレス等の鉄を含む基体の上
に形成された含Ni合金薄膜の溶解剥離は、基体の方が
卑であるため、選択的に薄膜のみを溶解させるために
は、特殊な組成の溶液中に浸漬する方法しかなく、薄膜
の溶解には膨大な時間を要していた。陽極溶解法では高
い溶解速度が期待できるが、既存の溶解液を用いての陽
極溶解では、薄膜部分が一部残存した状態においても基
体が溶解するなど、種々の問題があった。
に形成された含Ni合金薄膜の溶解剥離は、基体の方が
卑であるため、選択的に薄膜のみを溶解させるために
は、特殊な組成の溶液中に浸漬する方法しかなく、薄膜
の溶解には膨大な時間を要していた。陽極溶解法では高
い溶解速度が期待できるが、既存の溶解液を用いての陽
極溶解では、薄膜部分が一部残存した状態においても基
体が溶解するなど、種々の問題があった。
【0003】とりわけ、Ni3 −Al、Ni3 −Si、
Ni−Ti、Ni2 −Cr、Ni3−Ge、Ni3 −S
n、Ni−As、Ni−Ga、Ni4 −W、Ni3 −T
a、Ni3 −Sb、Ni−Zn等のように金属間化合物
が形成されやすい組成では溶解が極めて困難である。
Ni−Ti、Ni2 −Cr、Ni3−Ge、Ni3 −S
n、Ni−As、Ni−Ga、Ni4 −W、Ni3 −T
a、Ni3 −Sb、Ni−Zn等のように金属間化合物
が形成されやすい組成では溶解が極めて困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】Niは鉄に比べて貴な
元素であり、したがって、鉄系材料に比較すると、含N
i合金薄膜は溶解速度が低くなることが多い。特に基体
である鉄系材料が溶解し難いアルカリ性においては、N
iはさらに溶解し難いため、浸漬、陽極溶解いずれの方
法においても薄膜の溶解はできない。一方、中性、酸性
液中ではNiの溶解は可能になるものの、鉄系基体の溶
解が無視できなくなるため、薄膜がすべて溶解しないう
ちに基体の溶解が進むことになる。特に、Ni合金薄膜
中に金属間化合物が形成されている場合は溶解が困難で
ある。
元素であり、したがって、鉄系材料に比較すると、含N
i合金薄膜は溶解速度が低くなることが多い。特に基体
である鉄系材料が溶解し難いアルカリ性においては、N
iはさらに溶解し難いため、浸漬、陽極溶解いずれの方
法においても薄膜の溶解はできない。一方、中性、酸性
液中ではNiの溶解は可能になるものの、鉄系基体の溶
解が無視できなくなるため、薄膜がすべて溶解しないう
ちに基体の溶解が進むことになる。特に、Ni合金薄膜
中に金属間化合物が形成されている場合は溶解が困難で
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解消すべくなされたものであり、鉄を含む基体上に形成
された含Ni合金薄膜を溶解する方法であって、OH基
を有するカルボン酸を含む水溶液を作用させることを特
徴とする金属薄膜の溶解方法を提供する。
解消すべくなされたものであり、鉄を含む基体上に形成
された含Ni合金薄膜を溶解する方法であって、OH基
を有するカルボン酸を含む水溶液を作用させることを特
徴とする金属薄膜の溶解方法を提供する。
【0006】また本発明は、鉄を含む基体上に形成され
た含Ni合金薄膜を溶解する方法であって、カルボキシ
ル基を2個以上有するカルボン酸を含む水溶液を作用さ
せることを特徴とする金属薄膜の溶解方法を提供する。
た含Ni合金薄膜を溶解する方法であって、カルボキシ
ル基を2個以上有するカルボン酸を含む水溶液を作用さ
せることを特徴とする金属薄膜の溶解方法を提供する。
【0007】本発明において、前記含Ni合金薄膜の溶
解は、前記基体を前記水溶液に浸漬するかあるいは陽極
溶解により行う。また、前記カルボン酸を含む水溶液の
温度は0〜100℃とするのが好ましく、前記カルボン
酸を含む水溶液の溶液濃度は0.1〜50重量%である
ことが好ましい。
解は、前記基体を前記水溶液に浸漬するかあるいは陽極
溶解により行う。また、前記カルボン酸を含む水溶液の
温度は0〜100℃とするのが好ましく、前記カルボン
酸を含む水溶液の溶液濃度は0.1〜50重量%である
ことが好ましい。
【0008】前記陽極溶解により溶解を行う場合、電解
電流密度が0.01〜100A/dm2 、特には0.1
〜30A/dm2 であることが好ましい。
電流密度が0.01〜100A/dm2 、特には0.1
〜30A/dm2 であることが好ましい。
【0009】本発明者らは実用的な速度でステンレス等
の鉄系基体の上の形成された含Ni合金薄膜のみを実質
的に溶解できる技術につき鋭意検討を行った結果、OH
基を有するカルボン酸、又はカルボキシル基を2個以上
有するカルボン酸を含む水溶液を用いることにより、合
金中に金属間化合物を含む場合でも選択的に合金薄膜を
溶解できることを見いだし、本発明を提供するに至った
ものである。以下、本発明の詳細につき、実施例ととも
に説明する。
の鉄系基体の上の形成された含Ni合金薄膜のみを実質
的に溶解できる技術につき鋭意検討を行った結果、OH
基を有するカルボン酸、又はカルボキシル基を2個以上
有するカルボン酸を含む水溶液を用いることにより、合
金中に金属間化合物を含む場合でも選択的に合金薄膜を
溶解できることを見いだし、本発明を提供するに至った
ものである。以下、本発明の詳細につき、実施例ととも
に説明する。
【0010】カルボン酸は金属間化合物の成分元素と錯
体を形成することが可能であり、薄膜近傍の金属イオン
濃度を低下させ、その結果薄膜の溶解を容易にする。さ
らに、前記OH基を有するカルボン酸、又はカルボキシ
ル基を2個以上有するカルボン酸は、基体である鉄を含
む素材の溶解が他の酸に比較して少なくなるという効果
を有する。
体を形成することが可能であり、薄膜近傍の金属イオン
濃度を低下させ、その結果薄膜の溶解を容易にする。さ
らに、前記OH基を有するカルボン酸、又はカルボキシ
ル基を2個以上有するカルボン酸は、基体である鉄を含
む素材の溶解が他の酸に比較して少なくなるという効果
を有する。
【0011】これらのカルボン酸としては、例えばグリ
コール酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸などであり、
これら単独または混合物の水溶液を溶解液として用い
る。カルボン酸の濃度は好ましくは0.1〜50重量
%、特に好ましくは10〜20重量%である。液温は、
好ましくは0〜100℃、特に好ましくは40〜70℃
である。40℃より温度が低いと薄膜溶解速度が低下
し、70℃より高いと基体の溶解が著しくなる。なお、
OH基を持たずにカルボキシル基を1個しか有しないカ
ルボン酸、たとえばギ酸、酢酸等では溶解の点で充分な
効果が得られない。
コール酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸などであり、
これら単独または混合物の水溶液を溶解液として用い
る。カルボン酸の濃度は好ましくは0.1〜50重量
%、特に好ましくは10〜20重量%である。液温は、
好ましくは0〜100℃、特に好ましくは40〜70℃
である。40℃より温度が低いと薄膜溶解速度が低下
し、70℃より高いと基体の溶解が著しくなる。なお、
OH基を持たずにカルボキシル基を1個しか有しないカ
ルボン酸、たとえばギ酸、酢酸等では溶解の点で充分な
効果が得られない。
【0012】浸漬法による溶解剥離を行う場合、この溶
解剥離液に不要となった合金薄膜を有する部品を浸漬さ
せることにより、皮膜の溶解剥離が可能となる。
解剥離液に不要となった合金薄膜を有する部品を浸漬さ
せることにより、皮膜の溶解剥離が可能となる。
【0013】また電解剥離法を行う場合、合金薄膜をア
ノードに、ステンレス板やTi板等をカソードにして電
解を行う。電流密度は0.01〜100A/dm2 、好
ましくは0.1〜30A/dm2 、特に好ましくは5〜
15A/dm2 である。0.01A/dm2 より小さい
と、基体の溶解性が小さいので基体が必要以上に溶解さ
れないのはよいが、合金薄膜の溶解速度も小さ過ぎるた
め実用に適さない。100A/dm2 より大きいと、合
金薄膜の溶解速度が大きいのはよいが、基体の溶解性が
大きくなり好ましくない。このとき液の撹拌を行わなく
とも溶解は可能であるが、より溶解能力を上昇させるに
は液の撹拌を行った方が好ましい。
ノードに、ステンレス板やTi板等をカソードにして電
解を行う。電流密度は0.01〜100A/dm2 、好
ましくは0.1〜30A/dm2 、特に好ましくは5〜
15A/dm2 である。0.01A/dm2 より小さい
と、基体の溶解性が小さいので基体が必要以上に溶解さ
れないのはよいが、合金薄膜の溶解速度も小さ過ぎるた
め実用に適さない。100A/dm2 より大きいと、合
金薄膜の溶解速度が大きいのはよいが、基体の溶解性が
大きくなり好ましくない。このとき液の撹拌を行わなく
とも溶解は可能であるが、より溶解能力を上昇させるに
は液の撹拌を行った方が好ましい。
【0014】
(実施例1)2リットルビーカーにシュウ酸10%水溶
液を作成し、液温を60℃に設定した。その溶解剥離液
を使用し、ラネーニッケル合金で被覆したステンレス板
(15mm×40mm×1mm、SUS316)の被覆
膜溶解を行った。溶解方法としては電解法を使用した。
液を作成し、液温を60℃に設定した。その溶解剥離液
を使用し、ラネーニッケル合金で被覆したステンレス板
(15mm×40mm×1mm、SUS316)の被覆
膜溶解を行った。溶解方法としては電解法を使用した。
【0015】ラネーニッケル合金は、Ni3 −Al、N
i−Al、Ni2 −Al3 、Ni−Al3 等の金属間化
合物を含んでおり、Ni複合系の中で金属間化合物を有
する合金の代表的なものである。このラネーニッケル合
金で被覆したステンレス板をアノードに、別のステンレ
ス板(SUS304)をカソードに分極し、電流密度D
a =10.0A/dm2 の電解条件にて溶解剥離を行っ
た。
i−Al、Ni2 −Al3 、Ni−Al3 等の金属間化
合物を含んでおり、Ni複合系の中で金属間化合物を有
する合金の代表的なものである。このラネーニッケル合
金で被覆したステンレス板をアノードに、別のステンレ
ス板(SUS304)をカソードに分極し、電流密度D
a =10.0A/dm2 の電解条件にて溶解剥離を行っ
た。
【0016】定量的な評価方法として、溶解剥離前後の
重量変化を測定することにした。液の撹拌はマグネット
スターラーにて行った。その結果、30分後の重量変化
は0.0953gであった。この重量変化は従来の技術
で得られるものに比べ4〜6倍のものである。
重量変化を測定することにした。液の撹拌はマグネット
スターラーにて行った。その結果、30分後の重量変化
は0.0953gであった。この重量変化は従来の技術
で得られるものに比べ4〜6倍のものである。
【0017】(実施例2)2リットルビーカーに酒石酸
10%水溶液を作成し、液温を60℃に設定した。その
溶解剥離液を使用し、ステンレス板(SUS304:1
5mm×40mm×1mm)上のNi−W合金薄膜(平
均厚さ25μm)の溶解を行った。このときのNi−W
合金薄膜は片側のみの形成とした。
10%水溶液を作成し、液温を60℃に設定した。その
溶解剥離液を使用し、ステンレス板(SUS304:1
5mm×40mm×1mm)上のNi−W合金薄膜(平
均厚さ25μm)の溶解を行った。このときのNi−W
合金薄膜は片側のみの形成とした。
【0018】Ni−W合金はNi2 −W、Ni4 −W等
の金属間化合物を含んでおり、Ni複合系の中で金属間
化合物を有する合金の代表的なものである。このNi−
W合金薄膜を形成されたステンレス板をアノードに、別
のステンレス板(SUS304)をカソードに分極し、
Ni−W合金薄膜側をカソードに向けつつ、Da =1
0.0A/dm2 の電解条件にて溶解剥離を行った。
の金属間化合物を含んでおり、Ni複合系の中で金属間
化合物を有する合金の代表的なものである。このNi−
W合金薄膜を形成されたステンレス板をアノードに、別
のステンレス板(SUS304)をカソードに分極し、
Ni−W合金薄膜側をカソードに向けつつ、Da =1
0.0A/dm2 の電解条件にて溶解剥離を行った。
【0019】実施例1と同様にして測定した30分後の
重量変化は0.1059gであった。この重量変化は従
来の技術で得られるものに比べ5〜10倍のものであ
る。そのとき、下地となっているステンレス板表面は腐
食されなかった。
重量変化は0.1059gであった。この重量変化は従
来の技術で得られるものに比べ5〜10倍のものであ
る。そのとき、下地となっているステンレス板表面は腐
食されなかった。
【0020】また、前記のように作成、設定した60℃
の酒石酸10%水溶液を使用し、Ni−W合金薄膜を形
成していないステンレス板(SUS304)単味の溶解
量を調査した。前記同様、Da =10.0A/dm2 の
条件で30分電解を行った結果、溶解剥離前後の重量変
化は0.0052gであった。このことから、下地のス
テンレスに対しての溶解力がなく、Ni−W合金に対す
る選択的溶解力を有することが確認された。
の酒石酸10%水溶液を使用し、Ni−W合金薄膜を形
成していないステンレス板(SUS304)単味の溶解
量を調査した。前記同様、Da =10.0A/dm2 の
条件で30分電解を行った結果、溶解剥離前後の重量変
化は0.0052gであった。このことから、下地のス
テンレスに対しての溶解力がなく、Ni−W合金に対す
る選択的溶解力を有することが確認された。
【0021】(実施例3)2リットルビーカーにグリコ
ール酸10%水溶液を作成し、液温を60℃に設定し
た。その溶解剥離液を使用し、ステンレス板(SUS3
04:15mm×40mm×1mm)の片側のみに形成
したNi−Zn合金薄膜(平均厚さ25μm)の溶解を
行った。Ni−Zn合金は金属間化合物としてNi−Z
nを含んでいる。Ni−Zn合金薄膜を形成されたステ
ンレス板をアノードに、別のステンレス板(SUS30
4)をカソードに分極し、Ni−Zn合金薄膜側をカソ
ードに向けつつ、Da =10.0A/dm2 の電解条件
にて溶解剥離を行った。
ール酸10%水溶液を作成し、液温を60℃に設定し
た。その溶解剥離液を使用し、ステンレス板(SUS3
04:15mm×40mm×1mm)の片側のみに形成
したNi−Zn合金薄膜(平均厚さ25μm)の溶解を
行った。Ni−Zn合金は金属間化合物としてNi−Z
nを含んでいる。Ni−Zn合金薄膜を形成されたステ
ンレス板をアノードに、別のステンレス板(SUS30
4)をカソードに分極し、Ni−Zn合金薄膜側をカソ
ードに向けつつ、Da =10.0A/dm2 の電解条件
にて溶解剥離を行った。
【0022】実施例1と同様にして測定した30分後の
重量変化は0.1219gであった。この重量変化は従
来の技術で得られるものに比べ3〜5倍のものである。
そのとき、下地となっているステンレス板表面は腐食さ
れなかった。
重量変化は0.1219gであった。この重量変化は従
来の技術で得られるものに比べ3〜5倍のものである。
そのとき、下地となっているステンレス板表面は腐食さ
れなかった。
【0023】また、前記のように作成、設定した60℃
のグリコール酸10%水溶液を使用し、Ni−Zn合金
薄膜を形成していないステンレス板(SUS304)単
味の溶解量を調査した。前記同様、Da =10.0A/
dm2 の条件で30分電解を行った結果、溶解剥離前後
の重量変化は0.0075gであった。このことから、
下地のステンレスに対しての溶解力がなく、Ni−Zn
合金に対する選択的溶解力を有することが確認された。
のグリコール酸10%水溶液を使用し、Ni−Zn合金
薄膜を形成していないステンレス板(SUS304)単
味の溶解量を調査した。前記同様、Da =10.0A/
dm2 の条件で30分電解を行った結果、溶解剥離前後
の重量変化は0.0075gであった。このことから、
下地のステンレスに対しての溶解力がなく、Ni−Zn
合金に対する選択的溶解力を有することが確認された。
【0024】(実施例4)2リットルビーカーにマレイ
ン酸10%水溶液を作成し、液温を60℃に設定した。
その溶解剥離液を使用し、ステンレス板(SUS30
4:15mm×40mm×1mm)の片側のみに形成し
たNi−Ti合金薄膜(平均厚さ25μm)の溶解を行
った。Ni−Ti合金は金属間化合物としてNi−Ti
を含んでいる。Ni−Ti合金薄膜をを形成されたステ
ンレス板をアノードに、別のステンレス板(SUS30
4)をカソードに分極し、Ni−Ti合金薄膜側をカソ
ードに向けつつ、Da =10.0A/dm2 の電解条件
にて溶解剥離を行った。
ン酸10%水溶液を作成し、液温を60℃に設定した。
その溶解剥離液を使用し、ステンレス板(SUS30
4:15mm×40mm×1mm)の片側のみに形成し
たNi−Ti合金薄膜(平均厚さ25μm)の溶解を行
った。Ni−Ti合金は金属間化合物としてNi−Ti
を含んでいる。Ni−Ti合金薄膜をを形成されたステ
ンレス板をアノードに、別のステンレス板(SUS30
4)をカソードに分極し、Ni−Ti合金薄膜側をカソ
ードに向けつつ、Da =10.0A/dm2 の電解条件
にて溶解剥離を行った。
【0025】実施例1と同様にして測定した30分後の
重量変化は0.0796gであった。この重量変化は従
来の技術で得られるものに比べ3〜5倍のものである。
その時、下地となっているステンレス板表面は腐食され
なかった。
重量変化は0.0796gであった。この重量変化は従
来の技術で得られるものに比べ3〜5倍のものである。
その時、下地となっているステンレス板表面は腐食され
なかった。
【0026】また、前記のように作成、設定した60℃
のマレイン酸10%水溶液を使用し、Ni−Ti合金薄
膜を形成していないステンレス板(SUS304)単味
の溶解量を調査した。前記同様、Da =10.0A/d
m2 の条件で30分電解を行った結果、溶解剥離前後の
重量変化は0.0029gであった。このことから、下
地のステンレスに対しての溶解力がなく、Ni−Ti合
金に対する選択的溶解力を有することが確認された。
のマレイン酸10%水溶液を使用し、Ni−Ti合金薄
膜を形成していないステンレス板(SUS304)単味
の溶解量を調査した。前記同様、Da =10.0A/d
m2 の条件で30分電解を行った結果、溶解剥離前後の
重量変化は0.0029gであった。このことから、下
地のステンレスに対しての溶解力がなく、Ni−Ti合
金に対する選択的溶解力を有することが確認された。
【0027】
【発明の効果】本発明は実施例に示したように、OH基
を有するカルボン酸、又はカルボキシル基を2個以上有
するカルボン酸を含む水溶液を用いて、鉄を含む基体の
上に形成された含Ni合金薄膜の溶解剥離を短時間で処
理し、かつ鉄を含む基体の溶解が極小である選択的な溶
解をすることができるという優れた効果を有する。
を有するカルボン酸、又はカルボキシル基を2個以上有
するカルボン酸を含む水溶液を用いて、鉄を含む基体の
上に形成された含Ni合金薄膜の溶解剥離を短時間で処
理し、かつ鉄を含む基体の溶解が極小である選択的な溶
解をすることができるという優れた効果を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 亀田 祐人 千葉県船橋市北本町1丁目10番1号 旭硝 子株式会社船橋工場内
Claims (7)
- 【請求項1】鉄を含む基体上に形成された含Ni合金薄
膜を溶解する方法であって、OH基を有するカルボン酸
を含む水溶液を作用させることを特徴とする金属薄膜の
溶解方法。 - 【請求項2】鉄を含む基体上に形成された含Ni合金薄
膜を溶解する方法であって、カルボキシル基を2個以上
有するカルボン酸を含む水溶液を作用させることを特徴
とする金属薄膜の溶解方法。 - 【請求項3】前記含Ni合金薄膜の溶解を、前記基体を
前記水溶液に浸漬することによって行う請求項1又は2
記載の金属薄膜の溶解方法。 - 【請求項4】前記含Ni合金薄膜の溶解を、陽極溶解に
より行う請求項1又は2記載の金属薄膜の溶解方法。 - 【請求項5】前記カルボン酸を含む水溶液の温度が0〜
100℃である請求項1又は2記載の金属薄膜の溶解方
法。 - 【請求項6】電解電流密度が0.01〜100A/dm
2 である請求項4記載の金属薄膜の溶解方法。 - 【請求項7】前記カルボン酸を含む水溶液の溶液濃度が
0.1〜50重量%である請求項1又は2記載の金属薄
膜の溶解方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17623393A JP3260493B2 (ja) | 1993-06-23 | 1993-06-23 | 金属薄膜の溶解方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17623393A JP3260493B2 (ja) | 1993-06-23 | 1993-06-23 | 金属薄膜の溶解方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0711463A true JPH0711463A (ja) | 1995-01-13 |
JP3260493B2 JP3260493B2 (ja) | 2002-02-25 |
Family
ID=16009969
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17623393A Expired - Fee Related JP3260493B2 (ja) | 1993-06-23 | 1993-06-23 | 金属薄膜の溶解方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3260493B2 (ja) |
-
1993
- 1993-06-23 JP JP17623393A patent/JP3260493B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JP3260493B2 (ja) | 2002-02-25 |
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