JP3269887B2 - 金属膜の溶解法 - Google Patents

金属膜の溶解法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステンレス等の鉄を含
む基体の上に形成された含Ni合金膜を溶解剥離する方
法に関する
【0002】
【従来の技術】従来、ステンレス等の鉄を含む基体の上
に形成された含Ni合金薄膜の溶解剥離は基体の方が卑
であるため、選択的に薄膜のみを溶解させるためには、
特殊な組成の溶液中に浸漬する方法しかなく、薄膜の溶
解には膨大な時間を要していた。陽極溶解法では高い溶
解速度が期待できるが、既存の溶解液を用いての陽極溶
解では、薄膜部分が一部残存した状態においても基体が
溶解するなど、種々の問題を有していた。とりわけ、N
3 −Al、Ni3 −Si、Ni−Ti、Ni2Cr、
Ni3 −Ge、Ni3 −Sn、Ni−As、Ni−G
a、Ni4 −W、Ni3 −Ta、Ni3 −Sb、Ni−
Zn、等のように金属間化合物が形成されやすい組成で
は、溶解が極めて困難であった
【0003】
【発明が解決しようとする課題】Niは鉄に比べて貴な
元素であり、したがって、鉄系材料に比較すると、含N
i合金薄膜は溶解速度が低くなることが多い。特に基体
である鉄系材料が溶解し難いアルカリ性においては、N
iはさらに溶解し難いため、浸漬、陽極溶解いずれの方
法においても薄膜の溶解はできない。一方、中性、酸性
液中では、Niの溶解は可能になるものの、鉄系基体の
溶解が無視できなくなるため、薄膜がすべて溶解しない
うちに、基体の溶解が進むことになる。特に、Ni合金
薄膜中に金属間化合物が形成されている場合は溶解が困
難である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは実用的な速
度でステンレス等の鉄系基体の上形成された含Ni合
金膜のみを実質的に溶解できる技術につき鋭意検討を行
った結果、ヒドロキシル基を含有するカルボン酸、また
はカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸を含む水
溶液を用いることにより、合金中に金属間化合物を含む
場合でも選択的に合金膜を溶解できることを見いだし
た。しかし、上記カルボン酸の水溶液は電導性が低いた
め、実用的な速度で陽極溶解する場合、非常に高い電圧
が必要となる。大きな面積を有する含Ni合金膜を溶解
する場合、電源ケーブルや整流器の大容量化など設備上
の問題、さらには溶解度の発熱による溶解選択性の低下
等の問題が発生した。本発明者らはまずこの点について
強電解質を添加すること解決しうることを見いだし
た。
【0005】一方、カルボン酸は有機酸であるためそれ
自信は酸化されやすく、したがって、基体に対して還元
としての作用を示す可能性があるが、適当な酸化剤を
添加することにより、基体の酸化被膜を保護することが
でき、基体の溶解をさらに防止し、選択的溶解をより効
率的に行うことができる。特に、実用的な速度で電解剥
離を行う場合は極めて効果的である。この効果はカルボ
ン酸に強電解質および/または酸化剤を加える場合でも
有効であり、電解法で溶解剥離を行う場合においても、
高選択的な溶解剥離が可能である
【0006】本発明はこのようにして完成されたもので
あり、カルボン酸と強電解質とを含むか、またはカルボ
ン酸と酸化剤とを含む水溶液を用いることにより基体の
溶解を防止し、選択的に金属膜を陽極溶解できる本発明
を提供するに至った。
【0007】すなわち、本発明はカルボン酸と強電解
および/または酸化剤を含む水溶液を用いて、鉄を
含む基体の上に形成された含Ni合金膜を陽極溶解する
ことを特徴とする金属膜の溶解法である。
【0008】
【0009】また、本発明の好ましい態様では、カルボ
ン酸として、ヒドロキシル基を有するカルボン酸または
カルボキシル基を2個以上有するカルボン酸を使用
【0010】また、本発明の更に好ましい態様は、強
電解質およびまたは酸化剤として、硫酸塩、硝酸塩、
リン酸塩、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、アミン
塩、硫酸、硝酸、リン酸、無水ロム酸、過塩素酸
(塩)を使用する
【0011】以下、本発明の詳細につき、実施例ととも
に説明する。本発明で使用するカルボン酸は金属間化合
物の成分元素と錯体を形成でき、薄膜近傍の金属イオン
濃度を低下させ、その結果薄膜の溶解を容易にする。さ
らに、上記のヒドロキシル基を有するカルボン酸、また
はカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸は、基体
である鉄を含む素材の溶解が他の酸に比較して少なくな
るという選択的効果を有する。
【0012】なお、本発明においては、ヒドロキシル
をもたずにカルボキシル基を1個しか有しないカルボン
酸も強電解質酸化剤の選択または溶解条件によっては
効果が認められるが、一般的には望ましい効果を挙げる
に充分有利とはいえない。
【0013】本発明に有利なカルボン酸としては、例え
ばグリコール酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸などで
あり、これら単独または混合物の水溶液を陽極溶解液と
して用いる。これらのカルボン酸はそれなりにNi合金
膜の溶解に効果があるが、一面では水溶液としての電導
性は小さいため、高電流密度で陽極溶解を行う場合、非
常に高い電圧が必要、処理面と対極との距離が均一で
ないと溶解ムラが出やすい、などのような問題があり、
支持電解質として強電解質を添加することにより溶解能
力を損なうことなく問題を解決できる
【0014】本発明で使用する液の電導性を向上するた
めの支持電解質としては、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリ
ウム、硫酸カリウム、硝酸カリウム、リン酸ナトリウ
ム、リン酸カリウム、などの硫酸塩、硝酸塩、リン酸
塩、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、アミン塩等の塩
から選ばれる強電解質が最適であり、硫酸、リン酸等の
酸から選ばれる強電解質も適している。
【0015】また、本発明で使用する酸化剤は、カルボ
ン酸水溶液によって含Ni合金膜溶解された基体
に酸化膜を形成させる。本発明におけるカルボン酸水溶
液は基体に対する溶解力が小さいが、前記酸化膜の形成
によりこの溶解力を更に極小にすることができる。酸化
剤として最適なのは、硝酸、クロム酸、過塩素酸(また
はその塩)である。
【0016】カルボン酸の濃度は好ましくは0.1〜
50%、さらに好ましくは10〜20%である。支持電
解質の濃度は、好ましくは0.01〜50%、さらに好
ましくは1〜20%である。酸化剤の濃度は、好ましく
0.01〜50%、さらに好ましくは1〜10%であ
る。液温は、好ましくは0〜100℃、さらに好ましく
は40〜70℃である。これより温度が低いと薄膜溶解
速度が低下し、高いと基体の溶解が著しくなる。
【0017】
【0018】また、陽極溶解法を行う場合、合金薄膜を
アノードに、ステンレス板やTi板等をカソードにして
電解を行う。電流密度は、小さいと溶解速度が遅く、ま
た大きいと基体の溶解が著しくなることから、好ましく
0.01〜100A/dm2より好ましくは0.1
〜30A/dm2 、さらに好ましくは5〜15A/d
2 である。このとき液の撹拌を行わなくとも溶解は
可能であるが、より溶解能力を上昇させるには液の撹拌
を行った方が好ましい。
【0019】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。
【0020】実施例1 2リットルビーカーにシュウ酸10%、硫酸ナトリウム
10%を含む水溶液を調した。液温を60℃に設定し
て、ラネーニッケル合金で被覆したステンレス板(15
mm×40mm×1mm、SUS316)の被覆膜溶解
を行った。ラネーニッケル合金は、Ni3 −Al、Ni
−Al、Ni2 −Al3 、Ni−Al3、等の金属間化
合物を含んでおり、Ni複合系の中で金属間化合物を有
する合金の代表的なものである。このラネーニッケル合
金で被覆したステンレス板をアノードに、ステンレス板
(SUS304)をカソードに分極し、電流密度Da=
10.0A/dm2 の電解条件にて溶解剥離を行った。
定量的な評価方法として、溶解剥離前後の重量変化を測
定した。液の撹拌はマグネットスターラーにて行った。
その結果、30分後の重量変化は0.1025gであっ
た。この重量変化は、特定のカルボン酸を使用しない従
来の技術で得られるものに比べ4〜6倍のものである。
【0021】実施例2 2リットルビーカーに酒石酸10%、リン酸ナトリウム
10%を含む水溶液を調した。液温を60℃に設定し
て、ステンレス板(SUS304:15mm×40mm
×1mm)上のNi−W合金薄膜(平均25μm)の溶
解を行った。このときのNi−W合金薄膜は片側のみの
形成とした。Ni−W合金は、Ni2 −W、Ni4
W、等の金属間化合物を含んでおり、Ni複合系の中で
金属間化合物を有する合金の代表的なものである。この
Ni−W合金薄膜を形成したステンレス板をアノード
に、ステンレス板(SUS304)をカソードに分極
し、電流密度Da=10.0A/dm2 の電解条件にて
溶解剥離を行った。定量的な評価方法として、溶解剥離
前後の重量変化を測定した。液の撹拌はマグネットスタ
ーラーにて行った。その結果、30分後の重量変化は
0.1108gであった。この重量変化は、従来の技術
で得られるものに比べ5〜10倍のものである。そのと
き、下地となっているステンレス板表面は腐食されなか
った。
【0022】また、上記のように調した酒石酸10
%、リン酸ナトリウム10%よりなる水溶液を使用し、
Ni−W合金薄膜を形成していないステンレス板(SU
S304)単味の溶解量を調た。上記同様、電流密度
Da=10.0A/dm2 の条件で、30分電解を行っ
た結果、溶解剥離前後の重量変化は0.0068gであ
った。このことから、下地のステンレスに対して溶解性
がなく、Ni−W合金に対する選択的溶解力を有するこ
とが確認された。
【0023】実施例3 2リットルビーカーにグリコール酸10%、硝酸カリウ
ム10%を含む水溶液を調した。液温を60℃に設定
して、ステンレス板(SUS304:15mm×40m
m×1mm)上のNi−Zn合金薄膜(平均25μm)
の溶解を行った。Ni−Zn合金は金属間化合物として
Ni−Znを含んでいる。Ni−Zn合金薄膜を形成し
たステンレス板をアノードに、ステンレス板(SUS3
04)をカソードに分極し、電流密度Da=10.0A
/dm2の電解条件にて溶解剥離を行った。定量的な評
価方法として、溶解剥離前後の重量変化を測定した。液
の撹拌はマグネットスターラーにて行った。その結果、
30分後の重量変化は0.1304gであった。この重
量変化は、従来の技術で得られるものに比べ3〜5倍の
ものである。そのとき下地となっているステンレス板
表面は腐食されなかった。
【0024】また、上記のように調したグリコール酸
10%、硝酸カリウム10%よりなる水溶液を使用し、
Ni−Zn合金薄膜を形成していないステンレス板(S
US304)単味の溶解量を調た。上記同様、電流密
度Da=10.0A/dm2条件で、30分電解を行っ
た結果、溶解剥離前後の重量変化は0.0069gであ
った。このことから、下地のステンレスに対して溶解性
がなく、Ni−Zn合金に対する選択的溶解力を有する
ことが確認された。
【0025】実施例4 2リットルビーカーにマレイン酸10%、硫酸カリウム
10%を含む水溶液を調した。液温を60℃に設定し
て、ステンレス板(SUS304:15mm×40mm
×1mm)上のNi−Ti合金薄膜(平均25μm)の
溶解を行った。Ni−Ti合金は金属間化合物としてN
i−Tiを含んでいる。Ni−Ti合金薄膜を形成した
ステンレス板をアノードに、ステンレス板(SUS30
4)をカソードに分極し、電流密度Da=10.0A/
dm2 の電解条件にて溶解剥離を行った。定量的な評価
方法として、溶解剥離前後の重量変化を測定した。液の
撹拌はマグネットスターラーにて行った。その結果、3
0分後の重量変化は0.0868gであった。この重量
変化は、従来の技術で得られるものに比べ3〜5倍のも
のである。そのとき下地となっているステンレス板表
は腐食されなかった。
【0026】また、上記のように調したマレイン酸1
0%、硫酸カリウム10%よりなる水溶液を使用し、N
i−Ti合金薄膜を形成していないステンレス板(SU
S304)単味の溶解量を調た。上記同様、電流密度
Da=10.0A/dm2 の条件で、30分電解を行っ
た結果、溶解剥離前後の重量変化は0.0035gであ
った。このことから、下地のステンレスに対して溶解性
がなく、Ni−Ti合金に対する選択的溶解力を有する
ことが確認された。
【0027】実施例5 2リットルビーカーにシュウ酸10%、硫酸ナトリウム
10%、硝酸5%を含む水溶液を調した。液温を60
℃に設定して、ラネーニッケル合金で被覆したステンレ
ス板(15mm×40mm×1mm、SUS316)の
被覆膜溶解を行った。ラネーニッケル合金で被覆したス
テンレス板をアノードに、ステンレス板(SUS30
4)をカソードに分極し、電流密度Da=10.0A/
dm2 の電解条件にて溶解剥離を行った。定量的な評価
方法として、溶解剥離前後の重量変化を測定した。液の
撹拌はマグネットスターラーにて行った。その結果、3
0分後の重量変化は0.1006gであった。この重量
変化は、従来の技術で得られるものに比べ4〜6倍のも
のである。
【0028】実施例6 2リットルビーカーに酒石酸10%、リン酸ナトリウム
10%、無水クロム酸5%を含む水溶液を調した。液
温を60℃に設定して、ステンレス板(SUS304:
15mm×40mm×1mm)上のNi−W合金薄膜
(平均25μm)の溶解を行った。Ni−W合金薄膜
形成したステンレス板をアノードに、ステンレス板(S
US304)をカソードに分極し、電流密度Da=1
0.0A/dm2 の電解条件にて溶解剥離を行った。定
量的な評価方法として、溶解剥離前後の重量変化を測
た。液の撹拌はマグネットスターラーにて行った。そ
の結果、30分後の重量変化は0.1031gであり、
このNi−W合金薄膜に対する溶解能力は、従来の技術
で得られるものに比べ5〜10倍のものである。そのと
下地となっているステンレス板表面は腐食されなか
った。
【0029】また、上記のように調した酒石酸10
%、リン酸ナトリウム10%、無水クロム酸5%よりな
る水溶液を使用し、Ni−W合金薄膜を形成していない
ステンレス板(SUS304)単味の溶解量を調た。
上記同様、電流密度Da=10.0A/dm2 の条件
で、30分電解を行った結果、溶解剥離前後の重量変化
は0.0021gであった。このことから、下地のステ
ンレスに対して溶解性がなく、Ni−W合金に対する選
択的溶解力を有することが確認された。
【0030】実施例7 2リットルビーカーにグリコール酸10%、硝酸カリウ
ム10%、硝酸5%を含む水溶液を調した。液温を6
0℃に設定して、ステンレス板(SUS304:15m
m×40mm×1mm)上のNi−Zn合金薄膜(平均
25μm)の溶解を行った。Ni−Zn合金薄膜を形成
したステンレス板をアノードに、ステンレス板(SUS
304)をカソードに分極し、電流密度Da=10.0
A/dm2 の電解条件にて溶解剥離を行った。定量的な
評価方法として、溶解剥離前後の重量変化を測定した。
液の撹拌はマグネットスターラーにて行った。その結
果、30分後の重量変化は0.1285gであり、この
Ni−Zn合金薄膜に対する溶解能力は、従来の技術で
得られるものに比べ3〜5倍のものである。そのとき、
下地となっているステンレス板表面は腐食されなかっ
た。
【0031】また、上記のように調したグリコール酸
10%、硝酸カリウム10%、硝酸5%よりなる水溶液
を使用し、Ni−Zn合金薄膜を形成していないステン
レス板(SUS304)単味の溶解量を調た。上記同
様、電流密度Da=10.0A/dm2 の条件で、30
分電解を行った結果、溶解剥離前後の重量変化は0.0
036gであった。このことから、下地のステンレスに
対しての溶解力がなく、Ni−Zn合金に対する選択的
溶解力を有することが確認された。
【0032】実施例8 2リットルビーカーにマレイン酸10%、硫酸カリウム
10%、無水クロム酸5%を含む水溶液を調した。液
温を60℃に設定して、ステンレス板(SUS304:
15mm×40mm×1mm)上のNi−Ti合金薄膜
(平均25μm)の溶解を行った。Ni−Ti合金薄膜
を形成したステンレス板をアノードに、ステンレス板
(SUS304)をカソードに分極し、電流密度Da=
10.0A/dm2 の電解条件にて溶解剥離を行った。
定量的な評価方法として、溶解剥離前後の重量変化を測
定した。液の撹拌はマグネットスターラーにて行った。
その結果、30分後の重量変化は0.0910gであ
り、このNi−Ti合金薄膜に対する溶解能力は、従来
の技術で得られるものに比べ3〜5倍のものである。そ
のとき下地となっているステンレス板表面は腐食され
なかった。
【0033】また、上記のように調したマレイン酸1
0%、硫酸カリウム10%、無水クロム酸5%よりなる
水溶液を使用し、Ni−Ti合金薄膜を形成していない
ステンレス板(SUS304)単味の溶解量を調た。
上記同様、電流密度Da=10.0A/dm2 の条件
で、30分電解を行った結果、溶解剥離前後の重量変化
は0.0018gであった。このことから、下地のステ
ンレスに対して溶解性がなく、Ni−Ti合金に対する
選択的溶解力を有することが確認された。
【0034】
【発明の効果】本発明はカルボン酸特にはヒドロキシ
基を有するカルボン酸またはカルボキシル基を2個以
上有するカルボン酸と強電解質を含む水溶液を利用する
ことで、鉄を含む基体の上に形成された含Ni合金薄膜
の溶解剥離を短時間で処理、かつ鉄を含む基体の溶解が
極小である選択的な溶解ができるという効果を有する。
また、強電解質と酸化剤を同時に含む水溶液を使用する
ことで、鉄を含む基体の溶解が極めて小さい選択的な溶
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−131368(JP,A) 特開 平6−228775(JP,A) 特開 昭61−170584(JP,A) 特公 昭28−6607(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23F 1/00 103

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルボン酸と強電解質および/または酸
    を含む水溶液を用いて、鉄を含む基体の上に形成さ
    れた含Ni合金膜を陽極溶解することを特徴とする金属
    膜の溶解法。
  2. 【請求項2】カルボン酸がヒドロキシル基を有するカル
    ボン酸またはカルボキシル基を2個以上有するカルボン
    酸である請求項1または2記載の金属膜の溶解法。
  3. 【請求項3】強電解質が硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ア
    ルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、硫酸、リン
    酸、硝酸から選ばれる少なくとも1つの塩または酸であ
    る請求項1、2または記載の金属膜の溶解法。
  4. 【請求項4】酸化剤が無水クロム酸、硝酸、過塩素酸、
    過塩素酸塩から選ばれる少なくとも1つである請求項
    、2または3記載の金属膜の溶解法。
  5. 【請求項5】カルボン酸濃度が0.1〜50重量%であ
    りかつ支持電解質濃度が0.01〜50重量%である請
    求項1、2、3または4記載の金属膜の溶解法。
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