JPH0711447U - 車両用ラダー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 不用時には突出量の少ない折り畳み形態を簡
単に採りうる車両用ラダーを得る。 【構成】 略平行な二列の縦フレーム５に、数本の足掛
け部６を所定の間隔をおいて横架状に設けた基体構造３
の上記各縦フレーム５の上下端に、上記基体構造３を車
両の外殻２より外方へ離反させて上下方向に取付けるた
めの取付脚部４を備えるとともに、この取付脚部４には
それぞれ上下方向に屈伸できる関節８を設け、使用時に
は関節固定手段をなすストッパ９により上記基体構造３
を車両の外殻２より外方へ離反間隔を所定間隔に維持
し、不用時には上記関節８の折り曲げにより車両の外殻
２からの離反間隔の小さい折り畳み形態に保持できるよ
うにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は車両のルーフやルーフラックへの足掛りとして設けられる車両用ラ ダーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

車高の高い車には従来からルーフやルーフに設けたルーフラックへの足掛りと して車両のボディやバックドアに図１５及び図１６に示すようにラダー１０１が 取り付けられることがある。このラダー１０１は、両図に示すように略平行な二 列の縦フレーム１０２に、数本の足掛け部を所定の間隔をおいて横架状に設けた 基体構造を備え、この基体構造を各縦フレーム１０２の上下端に設けられた取付 脚部により、車両の外殻１０３より外方へ離反させて上下方向にバックドア１０ ４やボディ１０５に取付けられ、車高の高い車のルーフ又はルーフ上に取り付け られたルーフラック１０６への操作（荷物等の積み下ろし）時の足掛りとして広 く利用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のような従来のラダー１０１は、固定的で常時車両の外殻１０３より外に 突出していて、車両の全長は実際の全長より図１７，１８に示すようにラダー１ ０１の突出分Ｌだけ長くなってしまっている。従って、運転感覚が掴めないと後 退時に後退しすぎてラダー１０１が障害物に当たったりする不都合がある。

【０００４】 また、ラダー１０１が常時突出しているため、両開き式のバックドア１０４の 車両では図１９，２０に示すようにバックドア開放時にラダー１０１がボディ１ ０５に当たり、或いはバックドア１０４がラダー１０１に当たることになるので 、バックドア１０４の開度が制限されるといった難点がある。

【０００５】 そこで、この考案の課題は上記した従来の不都合な問題点を解決するためにな されたもので、不用時には突出量の少ない折り畳み形態を簡単に採りうる車両用 ラダーを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決する本考案の車両用ラダーは、略平行な二列の縦フレームに、 数本の足掛け部を所定の間隔をおいて横架状に設けた基体構造の上記各縦フレー ムの上下端に、上記基体構造を車両の外殻より外方へ離反させて上下方向に取付 けるための取付脚部を備えるとともに、この取付脚部にはそれぞれ上下方向に屈 伸できる関節構造を設け、使用時には関節固定手段により上記基体構造を車両の 外殻より外方へ離反間隔を所定間隔に維持し、不用時には上記関節構造の折り曲 げにより車両の外殻からの離反間隔の小さい折り畳み形態に保持できるようにし たものである。

【０００７】

【作用】

上記手段によれば、足掛かりを必要としない時には、関節固定手段による関節 構造の固定を解き、関節構造での折り曲げにより車両の外殻からの離反間隔の小 さい収納形態に保持でき、使用時には関節構造を曲げ延ばして関節固定手段によ り関節構造を固定することにより、基体構造を車両の外殻より所定の離反間隔を 維持した使用可能な状態にすることができる。

【０００８】

【実施例】

次に、本考案の一実施例を図１〜図１４に基づいて説明する。 図１に示したこの車両用ラダーは、ボディ取付けタイプで車両の後部にルーフ 又はルーフラック１に向かって足掛かりとなるように車両の外殻２に沿って縦方 向に取付けられ、いわゆる梯子状の基体構造３と、基体構造３を車両の外殻２よ り外方へ離反させて取付けるための取付脚部４とから構成されている。基体構造 ３は、略平行な二列のアルミ等よりなる縦フレーム５に、数本の足掛け部６を所 定の間隔をおいて横架状に設けた構造である。また、取付脚部４はアルミ等によ り形成され、各縦フレーム５の上下端にそれぞれ連結されている。これらの取付 脚部４の各自由端にはルーフラック１又はボディへの取付構造７が設けられてい て、これらの取付構造７により車両側に取付けられている。

【０００９】 上部の二本の取付脚部４には、基体構造３の縦フレーム５との連結部と取付構 造７側の中間部との二箇所に上下方向に屈伸できる関節８が設けられている。ま た、下部の二本の取付脚部４には、基体構造３の縦フレーム５との連結部と取付 構造７との連結部の二箇所に上下方向に屈伸できる関節８が設けられている。上 部の二本の取付脚部４の関節８間の長さと下部の二本の取付脚部４の関節８間の 長さはほぼ等しく設定されていて、上部の二本の取付脚部４の取付構造７側中間 部の関節８は、車両の外殻２に至近した位置にある。

【００１０】 下部の二本の取付脚部４の各取付構造７には、図２〜図５に示すように上下方 向に回動できるストッパ９が枢着されている。これらのストッパ９は、その自由 端を基体構造３の縦フレーム５に当てた時に取付脚部４とストッパ９と縦フレー ム５とでほぼ直角三角形ができる長さに形成され、その自由端には、縦フレーム ５の背面側の当該部に設けられた樹脂製の固定用ブラケット１０に下方から掛け 止まる係止部１１が形成されている。各縦フレーム５の背面側の固定用ブラケッ ト１０の上方にはストッパ９を係止しておくためのもう一組の樹脂製のストッパ 係止用ブラケット１２が設けられている。なお、ストッパ９と固定用ブラケット １０とで、各関節を固定する関節固定手段を構成している。

【００１１】 関節固定手段、即ちストッパ９をフリーにすると各関節８は屈伸できる状態に なり、基体構造３は平行４節リンクと同様の動作で、図６のように取付脚部４を 畳んだ折り畳み形態となり、車両の外殻２に接近することになる。この状態は、 ボディ側に取付けられたロック機構１３により保持される。ロック機構１３は、 図７，８に示すように横方向のチャンネルを持つベース１４のチャンネル内に、 足掛け部６の一つを保持する保持部１５をクッション１６とフック１７とにより 形成したものである。フック１７はトルクバネ１８で弾装され、前面側から足掛 け部６を押し込むだけで、回動しクッション１６とフック１７とによる保持部１ ５に足掛け部６を保持することができる。ロック機構１３の解除は、フック１７ に設けた解除レバー１９を押圧してフック１７をトルクバネ１８に抗して開放動 させれば良いようになっている。

【００１２】 上記構成の車両用ラダーは、図９に示すように不用時には車両からの突出量が 極めて少ない、車両のバックバンパ２０より引込んだ位置に折り畳んでおくこと ができ、使用時には図１０に示すように通常のものと同様に車両の外殻２から離 反した使い易い形態にすることが簡単な操作によってできる。即ち、各ストッパ ９をフリーにし、各関節８の屈伸を自由状態にすると、基体構造３は平行４節リ ンクと同様の動作で、図６のように取付脚部４を折り畳んだ扁平形態となり、車 両の外殻２に接近することになる。この状態は、ボディ側に取付けられたロック 機構１３により安定に保持される。ストッパ９はストッパ係止用ブラケット１２ に掛け止めて保持させておけばよい。この折り畳み状態から使用状態にするには 、まずロック機構１３から足掛け部６を外し、基体構造３を持ち上げるようにし て各関節８を曲げ延ばし、取付脚部４とストッパ９と縦フレーム５とでほぼ直角 三角形ができるようにストッパ９を固定用ブラケット１０に掛け止める（図１、 図２におけるストッパ９参照）。これにより各関節８は固定され、車両用ラダー は車両の外殻２から突出した使用の状態に固定される。

【００１３】 従って、折り畳んでおけば車両の外殻２より突出しないので、車両用ラダーの 突出により運転感覚が掴めず後退時に車両用ラダーが障害物に当たったりする不 都合は解消される。また、突出量が極めて少ないのでバックドア開放時のバック ドアの開度も十分に確保することができる。

【００１４】 なお、実施例はボディ取付けタイプにより説明したが、ドア取付けタイプにも 図１１〜図１４に示すように取付構造７の僅かな変更により同様の構成で適用で き、同様の機能を果たすことができる。図１１，図１２は観音開きのドア２１を 持つ車両で、前述の実施例と同一部分には同一の符号を付して説明は省略する。

【００１５】

【考案の効果】

以上実施例による説明からも明らかなようにこの考案によれば、足掛かりを必 要としない時には、関節固定手段による関節構造の固定を解き、関節構造での折 り曲げにより車両の外殻からの離反間隔の小さい折り畳み形態に保持でき、使用 時には関節構造を曲げ延ばして関節固定手段により関節構造を固定することによ り、基体構造を車両の外殻より所定の離反間隔を維持した使用可能な状態にする ことができるので、ラダーの突出により運転感覚が掴めず後退時にラダーが障害 物に当たったりする不都合が解消できるうえ、突出量が極めて少ないのでバック ドア開放時のバックドアの開度も十分に確保することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の車両用ラダーを使用状態で
示す斜視図である。

【図２】図１のＡ矢印部の構成を示す側面図である。

【図３】図２のＢ矢印部の構成を示す斜視図である。

【図４】図２のＣ矢印部の構成を示す斜視図である。

【図５】図２のＤ矢印部の構成を示す斜視図である。

【図６】本考案の一実施例の車両用ラダーを折り畳み状
態で示す斜視図である。

【図７】本考案の一実施例の車両用ラダーにおけるロッ
ク機構の拡大斜視図である。

【図８】本考案の一実施例の車両用ラダーにおけるロッ
ク機構の拡大分解斜視図である。

【図９】本考案の一実施例の車両用ラダーの折り畳み状
態を示す側面図である。

【図１０】本考案の一実施例の車両用ラダーの使用状態
を示す側面図である。

【図１１】本考案の他の実施例の車両用ラダーを使用状
態で示す斜視図である。

【図１２】本考案の他の実施例の車両用ラダーを折り畳
み状態で示す斜視図である。

【図１３】図１１のＥ矢印部の構成を示す斜視図であ
る。

【図１４】図１１のＦ矢印部の構成を示す斜視図であ
る。

【図１５】従来の車両用ラダーを示す斜視図である。

【図１６】従来の他の車両用ラダーを示す斜視図であ
る。

【図１７】図１５に示す従来の車両用ラダーの側面図で
ある。

【図１８】図１６に示す従来の車両用ラダーの側面図で
ある。

【図１９】従来の車両用ラダーを付けた状態でのドアの
開放状態を示す説明図である。

【図２０】従来の車両用ラダーを付けた状態でのドアの
開放状態を示す説明図である。

【符号の説明】

２ 外殻 ３ 基体構造 ４ 取付脚部 ５ 縦フレーム ６ 足掛け部 ８ 関節 ９ ストッパ １０ 固定用ブラケット １３ ロック機構

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 略平行な二列の縦フレームに、数本の足
   掛け部を所定の間隔をおいて横架状に設けた基体構造の
   上記各縦フレームの上下端に、上記基体構造を車両の外
   殻より外方へ離反させて上下方向に取付けるための取付
   脚部を備えるとともに、この取付脚部にはそれぞれ上下
   方向に屈伸できる関節構造を設け、使用時には関節固定
   手段により上記基体構造を車両の外殻より外方へ離反間
   隔を所定間隔に維持し、不用時には上記関節構造の折り
   曲げにより車両の外殻からの離反間隔の小さい折り畳み
   形態に保持できるようにしたことを特徴とする車両用ラ
   ダー。