JPH07113337A - 構造物の壁部材の破壊方法 - Google Patents
構造物の壁部材の破壊方法Info
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- JPH07113337A JPH07113337A JP28387093A JP28387093A JPH07113337A JP H07113337 A JPH07113337 A JP H07113337A JP 28387093 A JP28387093 A JP 28387093A JP 28387093 A JP28387093 A JP 28387093A JP H07113337 A JPH07113337 A JP H07113337A
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- Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 配筋量の多い壁部材に対して、破壊姿がコン
パクトで、破砕物が少なく、しかも工事費の安い構造物
の壁部材の破壊方法。 【構成】 構造物の壁部材2の上端部、下端部、及び中
央部において、上端部と下端部については同一の壁面
(4)側に、また中央部については前記上端部、下端部
と反対の壁面(5)側に局部的な切欠き3を設け、該壁
部材2の幅方向両側に隣接し、該壁部材2の上端を通る
梁部材6を支持する柱部材7を破壊することにより、該
壁部材2の上下の両端に発生する鉛直力により該壁部材
2をその中央部における前記切欠き3とは反対の壁面4
側の方に突出して「く」字状に折曲げ変形させ、壁部材
2を鉛直方向に折り畳み破壊させることを特徴とする構
造物の壁部材の破壊方法。
パクトで、破砕物が少なく、しかも工事費の安い構造物
の壁部材の破壊方法。 【構成】 構造物の壁部材2の上端部、下端部、及び中
央部において、上端部と下端部については同一の壁面
(4)側に、また中央部については前記上端部、下端部
と反対の壁面(5)側に局部的な切欠き3を設け、該壁
部材2の幅方向両側に隣接し、該壁部材2の上端を通る
梁部材6を支持する柱部材7を破壊することにより、該
壁部材2の上下の両端に発生する鉛直力により該壁部材
2をその中央部における前記切欠き3とは反対の壁面4
側の方に突出して「く」字状に折曲げ変形させ、壁部材
2を鉛直方向に折り畳み破壊させることを特徴とする構
造物の壁部材の破壊方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構造物の壁部材の破壊
方法に関する。特に、鉄筋コンクリート構造物又は鉄骨
コンクリート構造物(以下、鉄骨コンクリート構造物を
含め、鉄筋コンクリート構造物という。)を鉛直方向に
解体する場合において、鉄筋コンクリート製の壁部材を
鉛直方向に折り畳むようにして破壊する方法に関する。
方法に関する。特に、鉄筋コンクリート構造物又は鉄骨
コンクリート構造物(以下、鉄骨コンクリート構造物を
含め、鉄筋コンクリート構造物という。)を鉛直方向に
解体する場合において、鉄筋コンクリート製の壁部材を
鉛直方向に折り畳むようにして破壊する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄筋コンクリート構造物を解体す
る場合、火薬の装填、発破により構造物を横倒しに傾倒
して倒壊することが行われる。しかしながら、解体しよ
うとする対象構造物の付近の状況から、保安上構造物を
傾倒させるに必要なスペースがない場合には、構造物を
横倒することはできないので、構造物を鉛直方向に破壊
させる方法を講ずることになる。構造物を鉛直方向に破
壊させる場合、屋外に面する外壁については、破壊対象
の外壁をワイヤにより内部の床、梁に結合させ、この
床、梁を支持する構造物の内部の柱を破壊して、床、梁
に対する支持力を消失させ、床、梁の落下により外壁を
構造物の内側に引き込んで破壊する方法がとられること
がある。(構造物の外側に位置する柱についても、この
ようなワイヤリングが適用されることがある。)この方
法は、主に海外において実施されている方法である。
る場合、火薬の装填、発破により構造物を横倒しに傾倒
して倒壊することが行われる。しかしながら、解体しよ
うとする対象構造物の付近の状況から、保安上構造物を
傾倒させるに必要なスペースがない場合には、構造物を
横倒することはできないので、構造物を鉛直方向に破壊
させる方法を講ずることになる。構造物を鉛直方向に破
壊させる場合、屋外に面する外壁については、破壊対象
の外壁をワイヤにより内部の床、梁に結合させ、この
床、梁を支持する構造物の内部の柱を破壊して、床、梁
に対する支持力を消失させ、床、梁の落下により外壁を
構造物の内側に引き込んで破壊する方法がとられること
がある。(構造物の外側に位置する柱についても、この
ようなワイヤリングが適用されることがある。)この方
法は、主に海外において実施されている方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、我が国のよ
うに地震の多い国においては、耐震上の見地から壁部材
についても、諸外国と比べ、より多くの鉄筋を使用され
る。そのため、上述のワイヤリングに主として依存した
方法では、壁部材を有効に破壊できない場合がある。ま
た、構造物を垂直に倒壊する場合に、内部の破砕物の外
部周辺への飛散を極力防止して壁部材を破壊することは
できないかという要請があり、それが問題点となる。
うに地震の多い国においては、耐震上の見地から壁部材
についても、諸外国と比べ、より多くの鉄筋を使用され
る。そのため、上述のワイヤリングに主として依存した
方法では、壁部材を有効に破壊できない場合がある。ま
た、構造物を垂直に倒壊する場合に、内部の破砕物の外
部周辺への飛散を極力防止して壁部材を破壊することは
できないかという要請があり、それが問題点となる。
【0004】本発明は、配筋量の多い壁部材に対して
も、少ない処理で、破砕物の飛散が少なく、破壊中に場
所をとることが少なく、破壊後の姿がコンパクトで、し
かも少ない工事費により実施できる、構造物の壁部材の
破壊方法を提供することを目的とする。
も、少ない処理で、破砕物の飛散が少なく、破壊中に場
所をとることが少なく、破壊後の姿がコンパクトで、し
かも少ない工事費により実施できる、構造物の壁部材の
破壊方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、構造物の壁部材の上端部、下端部、及び
中央部において、上端部と下端部については同一の壁面
側に、また中央部については前記上端部、下端部と反対
の壁面側に局部的な切欠きを設け、該壁部材の幅方向両
側に隣接し、該壁部材の上端を通る梁部材を支持する柱
部材を破壊することにより、該壁部材の上下の両端に発
生する鉛直力により該壁部材をその中央部における前記
切欠きとは反対の壁面側の方に突出して折曲げ変形さ
せ、壁部材を破壊させることを特徴とする構造物の壁部
材の破壊方法により構成される。壁部材の上端部、下端
部、及び中央部における切欠きは、これらの部位を節と
して壁部材に変形を起こさせるためである。そのため、
図4に例示するように、壁部材2の鉄筋13の配筋が内
外方向に1列の場合(図4(イ))は、鉄筋13を残し
てコンクリート14について切欠き3加工を施す。ま
た、鉄筋13の配筋が内外方向に2列の場合(図4
(ロ))は、コンクリート14を切断しながら、鉄筋の
1列13aを切断し、他の1列13bは切断せずに残す
ようにすることが好ましい。切欠き3を設けることによ
り、壁部材の上下の両端に鉛直力が発生すると、選択的
に壁部材の中央部において、「く」の字の形状に変形す
ることができる。切欠き加工は、ブレーカー等により行
う。壁部材の中央部を、「く」の字の形状に変形させる
ために、この壁部材の上端を通る梁部材を支持する柱部
材を破壊する。ここで、柱部材は床部材をも支持する場
合がある。壁部材の上下の両端において鉛直力を発生さ
せるための柱部材の破壊は、柱部材の上下方向に添って
適宜火薬を装填し、発破することによって行ってもよい
が、図7に示すように、壁部材2の切欠き部と同じ高さ
において中抜き部16を形成し、中抜き部の一方の垂直
部分16(図7の斜線部分)を発破破砕して不釣合モー
メントを発生させ、他方の垂直部分16aを曲げ降伏さ
せて回転ヒンジとして破壊するようにして行ってもよ
い。この方法は、次のようにして、壁部材の破壊に適用
する。すなわち、構造物の4面の外壁のちの、一対の相
対面する壁部材を相互に内方に、く字状に折曲げ変形す
る場合、この壁部材の幅方向両側に隣接する柱部材も、
前記一対の壁部材と同じく内方向に破壊させることにな
る。この際、他の一対の相対面する壁部材は、前記した
一対の壁部材と柱部材の変形、破壊に対して干渉しない
よう、前記柱部材との接合を遮断し、外方に、く字状に
折曲げ変形させるようにする。
に、本発明は、構造物の壁部材の上端部、下端部、及び
中央部において、上端部と下端部については同一の壁面
側に、また中央部については前記上端部、下端部と反対
の壁面側に局部的な切欠きを設け、該壁部材の幅方向両
側に隣接し、該壁部材の上端を通る梁部材を支持する柱
部材を破壊することにより、該壁部材の上下の両端に発
生する鉛直力により該壁部材をその中央部における前記
切欠きとは反対の壁面側の方に突出して折曲げ変形さ
せ、壁部材を破壊させることを特徴とする構造物の壁部
材の破壊方法により構成される。壁部材の上端部、下端
部、及び中央部における切欠きは、これらの部位を節と
して壁部材に変形を起こさせるためである。そのため、
図4に例示するように、壁部材2の鉄筋13の配筋が内
外方向に1列の場合(図4(イ))は、鉄筋13を残し
てコンクリート14について切欠き3加工を施す。ま
た、鉄筋13の配筋が内外方向に2列の場合(図4
(ロ))は、コンクリート14を切断しながら、鉄筋の
1列13aを切断し、他の1列13bは切断せずに残す
ようにすることが好ましい。切欠き3を設けることによ
り、壁部材の上下の両端に鉛直力が発生すると、選択的
に壁部材の中央部において、「く」の字の形状に変形す
ることができる。切欠き加工は、ブレーカー等により行
う。壁部材の中央部を、「く」の字の形状に変形させる
ために、この壁部材の上端を通る梁部材を支持する柱部
材を破壊する。ここで、柱部材は床部材をも支持する場
合がある。壁部材の上下の両端において鉛直力を発生さ
せるための柱部材の破壊は、柱部材の上下方向に添って
適宜火薬を装填し、発破することによって行ってもよい
が、図7に示すように、壁部材2の切欠き部と同じ高さ
において中抜き部16を形成し、中抜き部の一方の垂直
部分16(図7の斜線部分)を発破破砕して不釣合モー
メントを発生させ、他方の垂直部分16aを曲げ降伏さ
せて回転ヒンジとして破壊するようにして行ってもよ
い。この方法は、次のようにして、壁部材の破壊に適用
する。すなわち、構造物の4面の外壁のちの、一対の相
対面する壁部材を相互に内方に、く字状に折曲げ変形す
る場合、この壁部材の幅方向両側に隣接する柱部材も、
前記一対の壁部材と同じく内方向に破壊させることにな
る。この際、他の一対の相対面する壁部材は、前記した
一対の壁部材と柱部材の変形、破壊に対して干渉しない
よう、前記柱部材との接合を遮断し、外方に、く字状に
折曲げ変形させるようにする。
【0006】本発明は、構造物の外壁の相対面する壁部
材の上端部と下端部については内側の壁面側に、また中
央部については外側の壁面側に局部的な切欠きを設け、
該壁部材の幅方向両側に隣接し、該壁部材の上端を通る
梁部材を支持する柱部材を破壊することにより該壁部材
の上下の両端に発生する鉛直力と、前記壁部材の切欠き
部近傍と床部材とを連結した可撓体に、構造物の内部に
おいて該床部材を支持する柱部材を破壊することによ
り、発生する引張力とにより、壁部材をその中央部にお
いて内方向に折曲げ変形させ、壁部材を鉛直方向に倒壊
させることを特徴とする構造物の壁部材の破壊方法によ
り構成される。上述において、壁部材の中央部における
外側の壁面側に、局部的な切欠きを設けた場合、壁部材
の上下の両端に発生する垂直力により、この切欠き部に
おいて内方に、く字状に折曲げ変形するが、壁部材の切
欠き部位の近傍に連結した、例えばワイヤ等の可撓体に
引張力を付与し、一層強制的に壁部材の変形を助長す
る。ここで、可撓体を連結する床部材は、床面を形成す
る床の部材であるが、床部材を支える梁部材に可撓体を
連結することもできるので、かかる梁部材を含める意味
に使用する。
材の上端部と下端部については内側の壁面側に、また中
央部については外側の壁面側に局部的な切欠きを設け、
該壁部材の幅方向両側に隣接し、該壁部材の上端を通る
梁部材を支持する柱部材を破壊することにより該壁部材
の上下の両端に発生する鉛直力と、前記壁部材の切欠き
部近傍と床部材とを連結した可撓体に、構造物の内部に
おいて該床部材を支持する柱部材を破壊することによ
り、発生する引張力とにより、壁部材をその中央部にお
いて内方向に折曲げ変形させ、壁部材を鉛直方向に倒壊
させることを特徴とする構造物の壁部材の破壊方法によ
り構成される。上述において、壁部材の中央部における
外側の壁面側に、局部的な切欠きを設けた場合、壁部材
の上下の両端に発生する垂直力により、この切欠き部に
おいて内方に、く字状に折曲げ変形するが、壁部材の切
欠き部位の近傍に連結した、例えばワイヤ等の可撓体に
引張力を付与し、一層強制的に壁部材の変形を助長す
る。ここで、可撓体を連結する床部材は、床面を形成す
る床の部材であるが、床部材を支える梁部材に可撓体を
連結することもできるので、かかる梁部材を含める意味
に使用する。
【0007】本発明は、構造物の外壁の相対面する壁部
材の上端部と下端部については外側の壁面側に、また中
央部については内側の壁面側に局部的な切欠きを設け、
該壁部材の幅方向両側に隣接し、該壁部材の上端を通る
梁部材を支持する柱部材を破壊することにより該壁部材
の上下の両端に発生する鉛直力と、天井部材を支持する
構造物の内部の柱部材を破壊することにより該壁部材の
上端において該天井部材の撓み方向に発生する曲げモー
メントとにより、壁部材をその中央部において外方向に
折曲げ変形させ、壁部材を破壊させることを特徴とする
構造物の壁部材の破壊方法により構成される。ここで、
天井部材は、構造物の内部の柱部材によって支持される
部材であり、破壊対象の壁部材のある階の一つ上の階の
床部材、或いはその梁部材を指す。上述において、壁部
材の中央部における内側の壁面側に、局部的な切欠きを
設けた場合、壁部材の上下の両端に発生する垂直力によ
り、切欠き部において外方に、く字状に折曲げ変形する
が、壁部材の上端において天井部材の撓み方向に発生さ
せる曲げモーメントにより、壁部材の変形をより容易に
する。
材の上端部と下端部については外側の壁面側に、また中
央部については内側の壁面側に局部的な切欠きを設け、
該壁部材の幅方向両側に隣接し、該壁部材の上端を通る
梁部材を支持する柱部材を破壊することにより該壁部材
の上下の両端に発生する鉛直力と、天井部材を支持する
構造物の内部の柱部材を破壊することにより該壁部材の
上端において該天井部材の撓み方向に発生する曲げモー
メントとにより、壁部材をその中央部において外方向に
折曲げ変形させ、壁部材を破壊させることを特徴とする
構造物の壁部材の破壊方法により構成される。ここで、
天井部材は、構造物の内部の柱部材によって支持される
部材であり、破壊対象の壁部材のある階の一つ上の階の
床部材、或いはその梁部材を指す。上述において、壁部
材の中央部における内側の壁面側に、局部的な切欠きを
設けた場合、壁部材の上下の両端に発生する垂直力によ
り、切欠き部において外方に、く字状に折曲げ変形する
が、壁部材の上端において天井部材の撓み方向に発生さ
せる曲げモーメントにより、壁部材の変形をより容易に
する。
【0008】なお、本発明を多層階において実施する場
合、通常上層階から下層階へ向かって壁部材を破壊させ
る。
合、通常上層階から下層階へ向かって壁部材を破壊させ
る。
【0009】
【作用】本発明では、構造物の壁部材の上端部、下端
部、及び中央部において、上端部と下端部については同
一の壁面側に、また中央部については前記上端部、下端
部と反対の壁面側に局部的な切欠きを設け、該壁部材の
幅方向両側に隣接し、該壁部材の上端を通る梁部材を支
持する柱部材を破壊することにより、該壁部材の上下の
両端に発生する鉛直力により該壁部材は、その中央部に
おける前記切欠きとは反対の壁面側の方に突出して折曲
げ変形し、壁部材を鉛直方向に折り畳み破壊する。
部、及び中央部において、上端部と下端部については同
一の壁面側に、また中央部については前記上端部、下端
部と反対の壁面側に局部的な切欠きを設け、該壁部材の
幅方向両側に隣接し、該壁部材の上端を通る梁部材を支
持する柱部材を破壊することにより、該壁部材の上下の
両端に発生する鉛直力により該壁部材は、その中央部に
おける前記切欠きとは反対の壁面側の方に突出して折曲
げ変形し、壁部材を鉛直方向に折り畳み破壊する。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 (実施例1)図2(イ)、図3(イ)により、図1にお
いて示す構造物1の壁部材2が内方向に折曲げ変形させ
る場合を説明する。構造物1の外壁の相対面する壁部材
2の上端部と下端部については内側の壁面4側に、また
中央部については外側の壁面5側に局部的な切欠き3を
設ける。ここで、壁部材2の幅方向両側に隣接し、壁部
材2の上端を通る梁部材6を支持する柱部材7を破壊し
て壁部材2の上下の両端において鉛直力を発生させる。
この鉛直力により、構造物1の壁部材2が内方向に折曲
げ変形する。この折曲げ変形を強制的に助長するため、
図5(イ)に示すとおり、予め壁部材2の切欠き3部の
近傍と床部材8とを可撓体であるワイヤ9により連結
し、次いで構造物1の内部において床部材8を支持する
柱部材10を破壊して床部材8を撓ませ、床部材8に引
張力を発生させておくことは有効である。柱部材10と
柱部材7との破壊は、同時に行ってもよい。
する。 (実施例1)図2(イ)、図3(イ)により、図1にお
いて示す構造物1の壁部材2が内方向に折曲げ変形させ
る場合を説明する。構造物1の外壁の相対面する壁部材
2の上端部と下端部については内側の壁面4側に、また
中央部については外側の壁面5側に局部的な切欠き3を
設ける。ここで、壁部材2の幅方向両側に隣接し、壁部
材2の上端を通る梁部材6を支持する柱部材7を破壊し
て壁部材2の上下の両端において鉛直力を発生させる。
この鉛直力により、構造物1の壁部材2が内方向に折曲
げ変形する。この折曲げ変形を強制的に助長するため、
図5(イ)に示すとおり、予め壁部材2の切欠き3部の
近傍と床部材8とを可撓体であるワイヤ9により連結
し、次いで構造物1の内部において床部材8を支持する
柱部材10を破壊して床部材8を撓ませ、床部材8に引
張力を発生させておくことは有効である。柱部材10と
柱部材7との破壊は、同時に行ってもよい。
【0011】(実施例2)図2(ロ)、図3(ロ)によ
り、図1において示す構造物1の壁部材2が外方向に折
曲げ変形させる場合を説明する。構造物1の外壁の相対
面する壁部材2の上端部と下端部については外側の壁面
4側に、また中央部については内側の壁面5側に局部的
な切欠き3を設ける。ここで、壁部材2の幅方向両側に
隣接し、壁部材2の上端を通る梁部材6を支持する柱部
材7を破壊して壁部材2の上下の両端において鉛直力を
発生させる。この鉛直力により、構造物1の壁部材2が
外方向に折曲げ変形する。この折曲げ変形を助長するた
め、図6(イ)において構造物1の内部において天井部
材11を支持する柱部材12を破壊(一つ上階に柱部材
12aがあれば、12aについても破壊)して曲げモー
メント(図6(ロ)矢印)を発生させる。柱部材12と
柱部材7との破壊は、同時に行ってもよい。
り、図1において示す構造物1の壁部材2が外方向に折
曲げ変形させる場合を説明する。構造物1の外壁の相対
面する壁部材2の上端部と下端部については外側の壁面
4側に、また中央部については内側の壁面5側に局部的
な切欠き3を設ける。ここで、壁部材2の幅方向両側に
隣接し、壁部材2の上端を通る梁部材6を支持する柱部
材7を破壊して壁部材2の上下の両端において鉛直力を
発生させる。この鉛直力により、構造物1の壁部材2が
外方向に折曲げ変形する。この折曲げ変形を助長するた
め、図6(イ)において構造物1の内部において天井部
材11を支持する柱部材12を破壊(一つ上階に柱部材
12aがあれば、12aについても破壊)して曲げモー
メント(図6(ロ)矢印)を発生させる。柱部材12と
柱部材7との破壊は、同時に行ってもよい。
【0012】
(1) 本発明によれば、鉄筋の多く入った構造物の解
体において、最小の壁処理により壁部材の破壊が可能で
ある。事前の壁部材の事前処理の工事費を低減できる。 (2)構造物の内部における発破前の段階で、壁部材を
殆どそのまま残すため、構造物の内部の発破に対して飛
散を防止することができる。飛散防止工の工事費を節約
できる。 (3)壁部材のく字状の鉛直方向の破壊により、破壊に
伴う壁部材のはみ出しが少なく(内方への変形の場合に
は、はみ出しがない)、また壁部材は、く字状に折り畳
んだように変形するので、破壊後の姿を容易に予測する
ことができる。また、破壊後の姿は背が低く、コンパク
トである、撤去作業を容易にする。
体において、最小の壁処理により壁部材の破壊が可能で
ある。事前の壁部材の事前処理の工事費を低減できる。 (2)構造物の内部における発破前の段階で、壁部材を
殆どそのまま残すため、構造物の内部の発破に対して飛
散を防止することができる。飛散防止工の工事費を節約
できる。 (3)壁部材のく字状の鉛直方向の破壊により、破壊に
伴う壁部材のはみ出しが少なく(内方への変形の場合に
は、はみ出しがない)、また壁部材は、く字状に折り畳
んだように変形するので、破壊後の姿を容易に予測する
ことができる。また、破壊後の姿は背が低く、コンパク
トである、撤去作業を容易にする。
【図1】本発明の構造物の壁部材の破壊方法の対象とな
る構造物の例を示す図である。図1(ロ)は図1(イ)
のA−A視断面図である。
る構造物の例を示す図である。図1(ロ)は図1(イ)
のA−A視断面図である。
【図2】本発明による壁部材の、く字状の変形を示す図
である。
である。
【図3】本発明において壁部材に加工した切欠きの位置
を示す図である。
を示す図である。
【図4】本発明において壁部材に加工した切欠きの状態
を示す図である。
を示す図である。
【図5】本発明において壁部材と床部材の間に可撓体を
連結した図である。
連結した図である。
【図6】壁部材の上下の端部での曲げモーメントを示す
図である。
図である。
【図7】柱部材に中抜き部を設けた状態を示す図であ
る。
る。
1 構造物 2 壁部材 3 切欠き 4 壁面 5 壁面 6 梁部材 7 柱部材 8 床部材 9 ワイヤ 10 柱部材 11 床部材 12 柱部材 13 鉄筋 14 コンクリート 15 中抜き部 16 垂直部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 茂雄 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 世一 英俊 東京都港区北青山2−5−8 株式会社間 組内 (72)発明者 坂田 英一 東京都港区北青山2−5−8 株式会社間 組内 (72)発明者 橋爪 清 東京都千代田区丸の内1−2−1 日本化 薬株式会社内 (72)発明者 池田 義之 東京都千代田区丸の内1−2−1 日本化 薬株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 構造物の壁部材の上端部、下端部、及び
中央部において、上端部と下端部については同一の壁面
側に、また中央部については前記上端部、下端部と反対
の壁面側に局部的な切欠きを設け、該壁部材の幅方向両
側に隣接し、該壁部材の上端を通る梁部材を支持する柱
部材を破壊することにより、該壁部材の上下の両端に発
生する鉛直力により該壁部材をその中央部における前記
切欠きとは反対の壁面側の方に突出して折曲げ変形さ
せ、壁部材を破壊させることを特徴とする構造物の壁部
材の破壊方法。 - 【請求項2】 構造物の外壁の相対面する壁部材の上端
部と下端部については内側の壁面側に、また中央部につ
いては外側の壁面側に局部的な切欠きを設け、該壁部材
の幅方向両側に隣接し、該壁部材の上端を通る梁部材を
支持する柱部材を破壊することにより該壁部材の上下の
両端に発生する鉛直力と、前記壁部材の切欠き部近傍と
床部材とを連結した可撓体に、構造物の内部において該
床部材を支持する柱部材を破壊することにより、発生す
る引張力とにより、壁部材をその中央部において内方向
に折曲げ変形させ、壁部材を破壊させることを特徴とす
る構造物の壁部材の破壊方法。 - 【請求項3】 構造物の外壁の相対面する壁部材の上端
部と下端部については外側の壁面側に、また中央部につ
いては内側の壁面側に局部的な切欠きを設け、該壁部材
の幅方向両側に隣接し、該壁部材の上端を通る梁部材を
支持する柱部材を破壊することにより該壁部材の上下の
両端に発生する鉛直力と、天井部材を支持する構造物の
内部の柱部材を破壊することにより該壁部材の上端にお
いて該天井部材の撓み方向に発生する曲げモーメントと
により、壁部材をその中央部において外方向に折曲げ変
形させ、壁部材を破壊させることを特徴とする構造物の
壁部材の破壊方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28387093A JP2934934B2 (ja) | 1993-10-19 | 1993-10-19 | 構造物の壁部材の破壊方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28387093A JP2934934B2 (ja) | 1993-10-19 | 1993-10-19 | 構造物の壁部材の破壊方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07113337A true JPH07113337A (ja) | 1995-05-02 |
JP2934934B2 JP2934934B2 (ja) | 1999-08-16 |
Family
ID=17671246
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28387093A Expired - Lifetime JP2934934B2 (ja) | 1993-10-19 | 1993-10-19 | 構造物の壁部材の破壊方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2934934B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016156211A (ja) * | 2015-02-25 | 2016-09-01 | 株式会社安藤・間 | 中高層構築物の解体工法 |
-
1993
- 1993-10-19 JP JP28387093A patent/JP2934934B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016156211A (ja) * | 2015-02-25 | 2016-09-01 | 株式会社安藤・間 | 中高層構築物の解体工法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2934934B2 (ja) | 1999-08-16 |
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