JPH07113132A - Mn−Zn合金の製造方法及び該合金を用いたMn−Zn系合金めっき浴へのMnイオン及びZnイオンの補給方法 - Google Patents

Mn−Zn合金の製造方法及び該合金を用いたMn−Zn系合金めっき浴へのMnイオン及びZnイオンの補給方法

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JPH07113132A
JPH07113132A JP28031593A JP28031593A JPH07113132A JP H07113132 A JPH07113132 A JP H07113132A JP 28031593 A JP28031593 A JP 28031593A JP 28031593 A JP28031593 A JP 28031593A JP H07113132 A JPH07113132 A JP H07113132A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Mn−Zn合金の製造方法及び該合金を用い
たMn−Zn系合金めっき浴へのMnイオン及びZnイ
オンの補給方法を提供する。 【構成】 (1)15〜90wt%Mn−Zn合金を製
造する方法において、750℃以下の融点を有する溶融
塩形成剤をフラックスとして用いMn−Zn合金を溶製
することを特徴とするMn−Zn合金の製造方法。 (2)Mn−Zn系合金めっき浴へMnイオンとZnイ
オンを補給する方法において、MnイオンとZnイオン
の補給源として、15〜90wt%Mn−Zn合金を用
いることを特徴とするMn−Zn系合金めっき浴へのM
nイオン及びZnイオンの補給方法。 【効果】 (1)15〜90wt%Mn−Zn合金の製
造を、溶製温度がZnの沸点以上の温度となっても突沸
もなく、極めて効率的に行うことができる。 (2)Mn−Zn系合金めっき浴へ、15〜90wt%
Mn−Zn合金を用いることにより、Mnイオン及びZ
nイオンを極めて速く補給することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Mn−Zn合金の製造
方法及び該合金を用いたMn−Zn系合金めっき浴への
Mnイオン及びZnイオンの補給方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Mn−Zn合金を製造する方法として、 (1)金属Znと金属Mnを溶解してMn−Zn合金を
製造する方法。 (2)金属Znに塩化マンガン等の塩を加えてMn−Z
n合金を製造する方法等がある。
【0003】Mn−Zn合金の製造法において、15w
t%未満のMn−Zn合金の融点は、約650℃程度で
あるために、フラックスを用いることなく溶製すること
ができる。しかしながら、15wt%以上のMn−Zn
合金を溶製するには、Mn−Zn合金の状態図から読み
取れるように、融点が高くなるために、高Mn−Zn合
金を溶製する際の溶解温度はZnの沸点を超える温度と
なってしまうため溶製することが極めて難しい。すなわ
ち、Mn−Zn浴の表面温度が750℃を超えると、Z
nの蒸発及び酸化反応が激しくなるために、着火し燃焼
するという現象を生じ、更にはMn−Zn合金湯の突沸
という現象をも生ずることから、高Mn−Zn合金の製
造は困難とされていた。(2)の方法においてもMn−
Zn合金を製造するには高温を必要とし、マンガン塩等
を用いるためコスト高となり必ずしも良い方法ではなか
った。
【0004】一方、本発明者等は、2〜50wt%Ni
−Zn合金を製造する方法において、700℃以下の融
点を有する溶融塩形成剤およびNa247,Na2CO
3からなるフラックスを用いNi−Zn合金を溶製する
ことを特徴とするNi−Zn合金の製造方法を提案した
が(特願平3−204565)、この方法では、Na2
CO3を使用しているため高温になるとCO2が発生しZ
nが着火し燃焼する、また炉材が侵食されるという問題
点があるため、安定して2〜50wt%Ni−Zn合金
を製造するすることができず、この方法を直ちにMn−
Zn合金の製造に応用できるものではなかった。
【0005】ところで、不溶性陽極を用いる酸性Mn−
Zn系電気めっき浴におけるめっき金属の補給方法とし
ては、次の2つの方法が一般的である。 (イ)めっき金属を可溶性塩(塩基性炭酸塩等)の形態
で、めっき浴に溶解して補給する方法。 (ロ)めっき金属を、めっき浴とそれぞれ直接、接触さ
せることによって溶解して補給する方法。
【0006】しかしながら、(イ)の方法は(ロ)の方
法に比べて、溶解性は優れているものの、コストが高い
という欠点を有し、(ロ)の方法では、コストが安いも
のの、ZnとMnの溶解速度が大きく異なり、またZn
が完全に溶解しないため、所定濃度のめっき液組成とす
ることが難しいという欠点がある。
【0007】そこで、近年(イ)、(ロ)以外にMn−
Zn合金を製造し、これを用いてMnイオン及びZnイ
オンを補給する試みが行われているが、上記のごとく高
Mn−Zn合金を製造することが難しいことから、未だ
に実用化されていないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決したもので、本発明の目的は、15〜90wt%
Mn−Zn合金の製造方法及び該合金を用いたMn−Z
nめっき浴へのMnイオン及びnイオンの補給方法を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者等がMn−Zn合金の製造方法及び該合金
を用いたMn−Znめっき浴へのMnイオン及びZnイ
オンの補給方法について鋭意検討を行った結果、特定の
溶融塩形成剤をフラックスとして用いることにより、M
n−Zn合金を容易に製造できること、またこの合金を
用いることにより、Mn−Znめっき浴へMnイオン及
びZnイオンを容易に補給できることが判明した。
【0010】すなわち、本発明は、 (1)15〜90wt%Mn−Zn合金を製造する方法
において、750℃以下の融点を有する溶融塩形成剤を
フラックスとして用いMn−Zn合金を溶製することを
特徴とするMn−Zn合金の製造方法。 (2)溶融塩形成剤が、アルカリ金属塩化物とアルカリ
金属ホウ酸塩からなることを特徴とする前記(1)記載
のMn−Zn合金の製造方法。 (3)溶融塩形成剤が、10〜40wt%NaCl残
部KClからなるアルカリ金属塩化物10〜40wt%
と残部Na247からなることを特徴とする前記
(1)記載のMn−Zn合金の製造方法。 (4)Mn−Zn系合金めっき浴へMnイオンとZnイ
オンを補給する方法において、MnイオンとZnイオン
の補給源として、15〜90wt%Mn−Zn合金を用
いることを特徴とするMn−Zn系合金めっき浴へのM
nイオン及び,Znイオンの補給方法。 (5)15〜90wt%Mn−Zn合金の粒径が1mm
以下であることを特徴とする前記(4)記載のMn−Z
n系合金めっき浴へのMnイオン及びZnイオンの補給
方法。を提供する。
【0011】
【作用及び実施例】本発明の理解を容易にするため、以
下、具体的かつ詳細に説明する。本発明の第1の特徴
は、高温下で15〜90wt%Mn−Zn合金、好まし
くは20〜80wt%Mn−Zn合金を製造する際に、
Mn−Zn合金湯表面の酸化及び亜鉛の蒸発と、溶湯の
燃焼を防止するフラックス組成と溶湯の突沸を防止する
溶解方法を見い出したことにある。
【0012】本発明で用いるフラックスは、750℃以
下、好ましくは700℃以下の融点を有する溶融塩形成
剤よりなることを特徴とする。融点が750℃を超える
と、Znを溶解する場合、Znの蒸発及び酸化反応が激
しくなり、着火・燃焼という現象が生じるので好ましく
ない。フラックスの組成は、750℃以下の融点のもの
であれば特に限定されないが、高Mn−Zn合金を製造
するためには、1300℃においても分解しないものが
好ましい。
【0013】このような溶融塩形成剤の代表例として
は、アルカリ金属塩化物とアルカリ金属ホウ酸塩の混合
物がある。アルカリ金属塩化物としては、NaCl、K
Cl等、アルカリ金属ホウ酸塩としてはNa247
247等が例示される。そしてこれらの中で特に、
10〜40wt%NaCl残部KClからなるアルカ
リ金属塩化物10〜40wt%と残部Na247
らなるものが好ましい。
【0014】この溶融塩は、融点が約650℃でかつ約
1300℃程度まで、溶湯表面を安定に被覆し、しかも
蒸気圧が低く、また炉材等を侵食することもない。この
結果、本発明によるフラックスを使用することにより、
高温下で、酸化されたZn,Mnの酸化物を吸収しなが
ら、溶湯表面からのZnの蒸発を抑制し、かつ空気との
接触が遮蔽されるために溶湯の発火燃焼が生じることが
なく、安定して高温下で15〜90wt%Mn−Zn合
金を製造することができる。
【0015】なお、Mnが15wt%未満の場合は、融
点が低く他の方法でも簡便に行うことができる。一方、
Mnが90wt%を超える場合は、あまりに融点が高く
なるため、安定して溶製することができず、好ましくな
い。
【0016】本発明によるMn−Zn合金の溶製方法の
特徴について述べる。Mn−Zn合金を溶製する場合
は、Zn浴中にMnを添加して、所定のMn品位とする
が、徐々にZn浴中のMn品位を高めることが望まし
く、そのZn浴中のMn品位に対応して溶製温度を高め
るような溶解方法が好ましい方法である。その理由は、
所定量の全量を一時にZn浴中に添加した場合、Mnの
全量を溶解させるためには、Znの沸点(907℃)以
上の温度にする必要があるため、Mnと合金化していな
いZnが突沸し、フラックスの被覆が破れて、着火、燃
焼するからである。
【0017】前述のように、徐々にZn浴中のMn品位
を高めながら、そのZn浴中のMn品位に対応して、溶
製温度を高める方法を採用することによって、Znの活
量を低下させ、沸点を上昇させることにより、溶湯の突
沸を抑え、しかもZnの沸点を超える約1300℃程度
まで溶製温度を高めることができる。
【0018】このようにして溶製した15〜90wt%
Mn−Zn合金は鋳型に鋳込んで鋳造することができ
る。また水中等に滴下して任意の粒径とすることもでき
る。アトマイズ処理で粉末とすることもできる。
【0019】次に、本発明の第2の特徴である、上記の
方法で製造された15〜90wt%Mn−Zn合金、好
ましくは20〜80wt%Mn−Zn合金を、Mn−Z
n系合金めっき浴へMnイオン及びZnイオンを補給す
る方法について説明する。
【0020】Mn−Zn系合金めっき浴へMnイオン及
びZnイオンを補給する方法としては、該合金を可溶性
陽極として用いる方法と該合金を粉砕又はショット化す
ること等により粉又は粒として添加し、溶解させる方法
がある。しかしながら、前者では、陽極の溶解と共に極
間距離を常に調整する必要がある。そして、後者は、め
っき金属(Mn及びZn)を、めっき浴とそれぞれ直
接、接触させることによって溶解して補給する方法にお
いて、ZnとMnの溶解速度が大きく異なり、またZn
が完全に溶解しないため、所定濃度のめっき液組成とす
ることが難しいという欠点があるため、同様の問題点が
あると信じられてきた。
【0021】ところが、本発明で製造された15〜90
wt%Mn−Zn合金粉又は粒の酸性溶液での溶解性に
ついて検討したところ、意外なことに短時間でMn−Z
n合金が全量溶解することを見出した。この理由につい
ては、完全には解明されていないが、以下のような理由
によるものと考えられる。
【0022】Mn−Zn系合金めっき浴へのMnイオン
及びZnイオンの補給原料としてのMn−Zn合金の溶
解機構の特徴は、ZnにMnが合金化されているため
に、酸性浴で溶解する際に、合金の水素過電圧が相対的
に低下しており、又Znに比べるとMnは水素過電圧が
低く単極電位が低いので、先ずMnの溶解が優先的に促
進化されることである。次いで残留Znが非常に微細化
するために表面積が飛躍的に増加することによりZnの
溶解が促進化され、短時間でMn−Zn合金の全量が溶
解すると考えられる。
【0023】この溶解機構は15〜90wt%Mn−Z
n合金に共通である。ここで上限を90wt%としたの
は、90wt%Mnを超えるMn品位では、先ずこの合
金を製造する際に、融点が高くなるので製造が困難であ
ること、次に酸性溶液で溶解する際にMn分が多いと、
Mnが優先溶解した後に、残留するZnの溶解速度が遅
くなるためである。また15wt%を下限としたのは、
例えば電気めっき用に用いる場合は、めっき浴中のMn
濃度は20〜90g/lとして使用されるので、その溶
解用としてはMnが15wt%未満の品位では、実用的
でないためである。
【0024】一方、前記合金をめっき液中へ添加し、溶
解させる場合、めっき液中のMnイオン及びZnイオン
濃度を所定時間内に所定の濃度に保ためには、その粒径
を1mm以下として用いることが好ましい。1mmを超
える場合には、溶解速度が実用的な見地から遅いので好
ましくない。なお、ここで粒径とは、平均粒径を意味す
る。粒径の調整については、粉砕、アトマイズ処理のど
ちらでも良い。
【0025】Mn−Zn合金を原料として、Mn−Zn
系合金めっき浴へMnイオン及びZnイオンを溶解する
際に、そのMn−Zn系合金めっき浴の液性は酸性液で
あり、例えばH2SO4,HCl等が用いられる。
【0026】Mn−Zn合金を溶解する際のめっき浴の
酸性度は、pHが低い程有利であるが、余りpHが低い
とMn−Zn系合金めっき時の電流効率が低下する場合
等があるので、pHは0.8〜4.0とされる。なお、
pHが4を超えるとZnの水酸化物が生成する恐れがあ
るので好ましくない。
【0027】Mn−Zn合金を溶解する温度は、高温程
有利であるが、例えば電気めっき用に用いる場合は、通
常の浴温度50〜60℃であっても十分な溶解速度を得
ることができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0029】
【実施例1】先ずZnを600g秤取して、黒鉛ルツボ
に入れ、加熱溶解した。Zn浴の温度が450℃程度と
なった時点で、NaCl(13.3g),KCl(1
6.7g),Na247(70g)を乳鉢で混合した
フラックス100gを溶湯表面に散布した。次に、溶湯
温度を上昇させると、約650℃で混合塩が溶融して、
溶湯表面を覆った。
【0030】Mn−Zn合金の溶製方法としては、まず
溶湯温度が700℃となった時点でMnショットを50
g加えて、全量溶解させて約7.7wt%Mn−Zn合
金とし、更に溶湯温度を700℃としてから、再びMn
ショットを50g加えて全量を溶解させて約14.3w
t%Mn−Znとした。この様に、所定のMn−Zn合
金の融点よりも50〜100℃溶湯温度を高めながら、
Mnショットを添加して、溶湯温度をZnの沸点を超え
る1100℃まで加熱して、最終的に合計400gのM
nの全量を溶解して、約40wt%Mn−Znの合金を
溶製した。尚、NaCl、KCl及びNa247から
なる混合溶融塩は、若干のZnO,Mn酸化物を吸収し
て溶湯表面を覆い、Znロス及びZn蒸気の燃焼等は認
められなかった。
【0031】このようにして溶製した約40wt%Mn
−Zn合金を鋳型に鋳込むと鋳型と同一形状の鋳造品が
得られた。また溶製した約40wt%Mn−Zn合金を
水中に滴下すると、任意粒径の球状のショットが得られ
た。一方、鋳造品を粉砕し1mm以下の粒径の粉砕品を
得た。なお、鋳造品のMn品位は39.9%、残部Zn
であった。
【0032】
【比較例1】フラックスを用いずに20wt%Mn−Z
n合金を溶製しようとして、溶湯温度を20wt%Mn
−Zn合金の融点(約700℃)よりも100℃程度上
昇させようとしたところ、600℃程度から溶湯表面の
Znが酸化しはじめ、750℃を超えるとZnの蒸発が
活発となり、着火してZnが激しく燃焼したために、2
0wt%Mn−Zn合金を溶製することができなかっ
た。
【0033】
【比較例2】KClとNaClを夫々50g秤取して、
乳鉢で混合してフラックスとした。20wt%Mn−Z
n合金を溶製しようとして、溶湯温度が450℃の時点
でフラックスを100g、溶湯表面に散布した。650
℃程度でフラックスは溶融して、溶湯表面を覆った。更
に昇温して800℃程度になると、このフラックスは、
一部酸化されたZn,Mnを吸収する働きがないため
に、溶体に固体のZnO,Mn酸化物が混在する状況と
なり、溶体として溶湯表面を被覆する機能が阻害され、
結果としてZnの蒸発が活発となり、着火してZnが激
しく燃焼した。この様に、NaCl及びKClのフラッ
クスでは、このような現象が生じるために20wt%M
n−Zn合金の溶製ができなかった。
【0034】
【実施例2】以下、40wt%Mn−Zn合金を用いた
Mnイオン及びZnイオンの補給方法に関する実施例に
ついて説明する。試験条件は、以下の通りで、溶解液と
しては、不溶性陽極を用いて、高速めっきを行う場合の
一般的な組成のNi−Zn系合金めっき浴と同様な条件
とした。
【0035】1.溶解液基本条件 基本組成 ZnSO4・7H2O 100g/l(Zn2+
イオン、23g/l) MnSO4・H2O 100g/l(Mn2+イオン、3
3g/l) 酸性度 pH=1.5 浴温度 60℃
【0036】2.Mn−Zn合金 形状 ショット 組成 40wt%Mn−Zn合金
【0037】3.試験方法 上記液1を0.5Lのビーカーに入れこれを恒温水槽に
より60℃に保持しながら、これに粉砕して粒径0.5
mmとした40wt%Mn−Zn合金ショットを50g
投入して、Mn−Zn合金の溶解試験を行った。Mn−
Znの溶解量は、溶解液中のMnイオン及びZnイオン
の濃度を分析して求めた。なお、Mn−Zn合金の溶解
中は、浴のpH変化を伴うので、硫酸を連続補給して、
液pHを初期値(1.5)に保持した。pHを速みやか
に初期値となるように200rpmで溶解液を撹拌し
た。
【0038】溶解試験の結果を図1に示す。これから判
るように、30分間で40wt%Mn−Zn合金粉の全
量が溶解した。
【0039】
【比較例3】実施例2の条件下で、40wt%Mn−Z
n合金の粒径を5mm,13mmとして、溶解試験を行
った。その結果を図1に示す。これから判るように18
0分の溶解時間で、粒径が5mmの場合は、用いた50
gのうち45gが溶解し、13mmの場合は19gが溶
解した。従って、粒径5mmでは5gが残存し、13m
mでは31gが残存し、全量溶解には到らなかった。
【0040】
【比較例4】実施例2の条件下で、市販のZn粉[−3
25mesh〜+400mesh(37〜43μm、平
均粒径:40μm)]50gを用いて、溶解に供した。
この結果を図1に示す。これから判るように、溶解時間
を180分としても、Zn粉は23gしか溶解せず、2
7gが残存した。
【0041】
【比較例5】実施例2の条件下で、市販のMn粉(25
g)とZn粉(25g)[いずれも、−325mesh
〜+400mesh(37〜43μm、平均粒径:40
μm)]50gを用いて、溶解に供した。この結果を図
1に示す。これから判るように、溶解時間10分で35
g(Mn25g全量とZn10g)が溶解した。しか
し、その後残留したZn単独では、比較例4と同様に溶
解速度が非常に遅くなった。
【0042】
【発明の効果】
(1)15〜90wt%Mn−Zn合金の製造を、溶製
温度がZnの沸点以上の温度となっても突沸もなく、極
めて効率的に行うことができる。 (2)Mn−Zn系合金めっき浴へ、15〜90wt%
Mn−Zn合金を用いることにより、Mnイオン及びZ
nイオンを極めて速く補給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明及び比較例の態様である溶解速度を表わ
したものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 15〜90wt%Mn−Zn合金を製造
    する方法において、750℃以下の融点を有する溶融塩
    形成剤をフラックスとして用いMn−Zn合金を溶製す
    ることを特徴とするMn−Zn合金の製造方法。
  2. 【請求項2】 溶融塩形成剤が、アルカリ金属塩化物と
    アルカリ金属ホウ酸塩からなることを特徴とする請求項
    1記載のMn−Zn合金の製造方法。
  3. 【請求項3】 溶融塩形成剤が、10〜40wt%N
    aCl残部KClからなるアルカリ金属塩化物10〜4
    0wt%と残部Na247からなることを特徴とす
    る請求項1記載のMn−Zn合金の製造方法。
  4. 【請求項4】 Mn−Zn系合金めっき浴へMnイオン
    とZnイオンを補給する方法において、MnイオンとZ
    nイオンの補給源として、15〜90wt%Mn−Zn
    合金を用いることを特徴とするMn−Zn系合金めっき
    浴へのMnイオン及びZnイオンの補給方法。
  5. 【請求項5】 15〜90wt%Mn−Zn合金の粒径
    が1mm以下であることを特徴とする請求項4記載のM
    n−Zn系合金めっき浴へのMnイオン及びZnイオン
    の補給方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5930542A (en) * 1995-11-27 1999-07-27 Asahi Kogaku Kogyo Kabushiki Kaisha Reading operation control device
CN108823469A (zh) * 2018-07-06 2018-11-16 中国科学院宁波工业技术研究院慈溪生物医学工程研究所 亚微米晶超塑性锌合金、其制备方法及应用

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