JPH0711282A - 炭素質摺動材の製造法 - Google Patents

炭素質摺動材の製造法

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JPH0711282A
JPH0711282A JP5156738A JP15673893A JPH0711282A JP H0711282 A JPH0711282 A JP H0711282A JP 5156738 A JP5156738 A JP 5156738A JP 15673893 A JP15673893 A JP 15673893A JP H0711282 A JPH0711282 A JP H0711282A
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Japan
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artificial graphite
sliding material
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pts
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JP5156738A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Watanabe
美博 渡辺
Koichiro Konase
紘一郎 木名瀬
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 超高周速度(10m/秒を超える)に耐え得
る低摩耗性の炭素質摺動材の製造法を提供する。 【構成】 コークス系人造黒鉛粉37重量部、油煙系人
造黒鉛粉10重量部、タルク2.5重量部、天然黒鉛
2.5重量部、タールピッチ47重量部を混合した混合
物の総重量に対して1.0重量%のセラミック砥粒を添
加し、双腕型捏和機に入れ、250℃で混合、捏和し、
冷却した後、150メッシュ全通まで粉砕し、これを混
合機で混合した後、9.8×107Pa(1000kg/c
m2)の圧力下で成形して煉瓦状のブッロックとし、これ
を非酸化性雰囲気炉で毎時2℃の昇温速度で約900℃
まで昇温して焼成体とする。 【効果】 摺動騒音が低下し、耐摩耗性が著しく向上し
た炭素質摺動材が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素質摺動材の製造法
に係り、特に高周速条件下における摩耗量を大幅に低減
した炭素質摺動材の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素材は、一般的に潤滑性が良く、摩擦
係数が小さく、焼付きがなく、しかも耐薬品性に優れて
いるので、各種機械用軸受、メカニカルシール部品、パ
ッキング、回転ポンプ用ベーン等をはじめとする摺動材
として広く活用されている。ところで、最近の技術進歩
に伴い、これら炭素質摺動材に対してより高い特性が要
求されるようになり、特に回転真空ポンプ用ベーン等に
おいてはメンテナンスフリー、作業環境改善等の立場か
ら長寿命化および騒音低下が強く要求されるようになっ
た。
【0003】本発明者らは、このような要求を満足する
ために、先の出願(特公平1−47426号公報)にお
いて、コークス系人造黒鉛粉と油煙系人造黒鉛粉との混
合物を骨材として用いた炭素質摺動材の製造法を提案し
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記方法によって得ら
れた炭素質摺動材は、従来品に較べて耐摩耗性が向上
し、しかも摺動騒音が低下したが、周速10m/秒を超
える苛酷な条件下での摩耗量が多く、高周速条件下にお
ける摺動材としては満足できるものではなかった。本発
明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、超高周速
下での耐摩耗性が向上する炭素質摺動材の製造法を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願で特許請求される発明は、以下のとおりであ
る。 (1)コークス系人造黒鉛粉と油煙系人造黒鉛粉を重量
比で90:10〜50:50に混合した人造黒鉛混合物
45〜50重量部、タルク1〜4重量部、天然黒鉛4重
量部以下およびバインダーとしてのタールピッチ45〜
55重量部を捏和し、粉砕し、成形した後、焼成する炭
素質摺動材の製造法において、前記人造黒鉛混合物、タ
ルク、天然黒鉛およびタールピッチの混合物の総重量に
対して0.2〜5重量%のセラミック砥粒を添加するこ
とを特徴とする炭素質摺動材の製造法。 (2)前記セラミック砥粒の粒度が#100〜#600
0であることを特徴とする(1)記載の炭素質摺動材の
製造法。 (3)前記セラミック砥粒が炭化物、酸化物、窒化物、
リン酸塩またはダイヤモンドの少なくとも1種を含むこ
とを特徴とする(1)または(2)記載の炭素質摺動材
の製造法。
【0006】本発明において、セラミック砥粒のセラミ
ック種としては、バインダーとの濡れ性がよく、機械的
強度が向上するもの、例えば炭化物系のものが使用され
るが、酸化物系、窒化物系、リン酸塩系、ダイヤモンド
なども耐摩耗性向上に効果がある。炭化物系としては、
例えば炭化珪素、炭化ホウ素、炭化チタン等が、酸化物
系としては、例えばアルミナ、石英等が、窒化物系とし
ては、例えば窒化ホウ素、窒化アルミニウム等が、リン
酸塩系としては、例えばリン酸アルミニウム、リン酸亜
鉛等がそれぞれあげられる。
【0007】セラミック砥粒の配合量は、前記人造黒鉛
混合物、タルク、天然黒鉛およびタールピッチとを混合
した混合物の総重量に対して0.2〜5重量%であり、
好ましくは0.5〜2.0重量%である。配合量が0.
2重量%未満では耐摩耗性を向上させる効果が不十分で
あり、5重量%より多くなると金属性異常音が発生す
る。セラミック砥粒の粒径は、#100〜#6000が
好ましく、より好ましくは#1000〜#3000であ
る。#100より大きいと逆に摩耗が促進し、#600
0より小さいと多量のバインダーを必要とし、結果とし
て焼成時の歩留が悪くなる。
【0008】本発明において、骨材であるコークス系人
造黒鉛および油煙系人造黒鉛は、例えば以下のようにし
て得られる。すなわちコークス系人造黒鉛は、石油系ま
たは石炭系のピッチコークスをタールピッチで捏和した
後、粉砕、成形および焼成し、その後、2500℃以上
の高温度で黒鉛化処理して得らる。一方、油煙系人造黒
鉛は、コークス系人造黒鉛の製造時におけるピッチコー
クスの代わりに油煙を用いて同様に処理した後、粉砕し
て得られる。人造黒鉛の粒度は、機械的強度を保持する
上で、150メッシュ以下であることが好ましい。コー
クス系人造黒鉛粉と油煙系人造黒鉛粉との配合比は、重
量比で90:10〜50:50であり、特に80:20
〜70:30が好ましい。この範囲を越えてコークス系
人造黒鉛が多いと全体的な摺動音が増加する。
【0009】本発明において、前記コークス系人造黒鉛
と油煙系人造黒鉛とを混合した人造黒鉛混合粉の添加量
は45〜50重量部である。45重量部未満では、全体
的な摺動音が大きくなり、50重量部を越えると金属性
異常音が発生する。本発明において、タルクの添加量
は、1〜4重量部、好ましくは2〜3.5重量部であ
る。1重量部未満では効果がなく、4重量部を越えると
摩耗が促進される。適量のタルクを添加することによ
り、金属性異常音が消滅する。タルクとしては焼タルク
を用いることが好ましい。
【0010】本発明においては、少量の天然黒鉛を添加
する。天然黒鉛は人造黒鉛よりも潤滑性に優れるので、
摺動音を減少する効果がある。しかしながら、添加量が
4重量部を越えると炭素質摺動材の機械強度が低下する
ので、その添加量は、4重量部以下、好ましくは3.5
重量部以下である。天然黒鉛として、例えばセイロン産
の鱗状黒鉛で、粒度150メッシュ以上のものが好まし
く使用される。
【0011】本発明において、バインダーとしては、例
えばタールピッチが用いられる。タールピッチの添加量
は45〜55重量部であり、好ましくは46〜53重量
部である。45重量部よりも少ないと骨材間の結合力が
低下して摩耗が促進される。一方、55重量部よりも多
いと摺動音が大きくなる。タールピッチとしては、摺動
性向上のためにJIS水銀法による軟化点が60〜85
℃のものを用いることが好ましい。タールピッチの代わ
りにコールタールを用いることもできる。
【0012】本発明においては、例えば原料粉、すなわ
ち人造黒鉛混合物45〜50重量部に、タルク1〜4重
量部、天然黒鉛4重量部以下、タールピッチ45〜55
重量部を加えたものに、セラミック砥粒0.2〜5%を
加え、例えば常法により捏和し、バインダーの揮発分を
約10〜15%まで捏和機または乾燥機で調整した後、
150メッシュ以下に粉砕し、加圧成形し、その後、非
酸化性雰囲気で最終温度が900〜1200℃になるよ
うに焼成し、最後に焼成体を所望形状に加工して炭素質
摺動材とする。昇温速度は毎時5℃以下が望ましい。
【0013】
【作用】コークス系人造黒鉛と油煙系人造黒鉛との人造
黒鉛混合物、タルク、天然黒鉛およびタールピッチとを
混合した混合原料の総重量に対して0.2〜5重量%の
セラミック砥粒を添加した後、捏和し、粉砕し、成形
し、その後、焼成することにより、得られる炭素質摺動
材の耐摩耗性が大幅に向上する。
【0014】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。 実施例1 150メッシュ以下に粉砕した、コークス系人造黒鉛粉
37重量部および油煙系人造黒鉛粉10重量部、タルク
(中国産)2.5重量部、天然黒鉛(日本黒鉛製)2.
5重量部およびタールピッチ(川鉄製、低軟化点ピッ
チ)47.0重量部とを混合した混合物の総重量に対し
て1.0重量%のセラミック砥粒(南興研磨材工業製、
SiC#1800)を添加し、双腕型捏和機に入れて2
50℃で混合、捏和し、冷却した後、150メッシュ全
通まで粉砕した。これを混合機で混合した後、9.8×
107Pa(1000kg/cm2)の圧力下で成形して煉瓦
状のブロックとし、得られた生の成形体をコークス粉中
に埋め込み、非酸化性雰囲気炉で毎時2℃の速度で約9
00℃まで昇温して焼成体を得た。 実施例2〜5 各原料をそれぞれ表1に示した配合割合とした以外は上
記実施例1と同様にして焼成体を得た。
【0015】
【表1】
【0016】比較例1〜3 各原料の配合割合をそれぞれ表1に示したものとした以
外は上記実施例1と同様にして焼成体を得た。実施例1
〜5および比較例1〜3で得られた焼成体を5×15×
20cmに加工し、リング式摩耗試験機を用い、大気中下
で周速15m/秒、圧力29.4×104Pa(3kg/c
m2)の条件で耐摩耗テストを行った。5×15の面を摺
動面として100時間運転した後の高さ摩耗量、摺動音
および金属性異常音を観察、測定した。その結果を表2
に示す。
【0017】
【表2】
【0018】表1および2から、適量のセラミック砥粒
を配合した実施例1〜5は、比較例よりも摩耗量が少な
く、金属性異常音も認められず、また摺動音も低くかっ
た。従って、本実施例で得られた炭素質摺動材は乾式の
超高周速(周速10m/秒より大きい)用摺動材として
広範囲な利用が可能となる。
【0019】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、潤滑性に
優れたコークス系人造黒鉛と、耐摩耗性に優れた油煙系
人造黒鉛とを混合した人造黒鉛混合物を骨材として用
い、さらにセラミック砥粒を添加したことにより、得ら
れる炭素質摺動材の摺動騒音が低下し、しかも耐摩耗性
が著しく向上する。請求項2記載の発明によれば、上記
発明の効果に加え、比較的少ないバインダー量で、歩留
まりの向上を図ることができる。請求項3記載の発明に
よれば、上記発明の効果に加え、セラミック砥粒のバイ
ンダーとの濡れ性が良好となり、機械的強度が向上す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 125:02 125:30 159:04 125:24 125:20 125:10 125:08) C10N 20:06 Z 30:06 40:02 50:08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コークス系人造黒鉛粉と油煙系人造黒鉛
    粉を重量比で90:10〜50:50に混合した人造黒
    鉛混合物45〜50重量部、タルク1〜4重量部、天然
    黒鉛4重量部以下およびバインダーとしてのタールピッ
    チ45〜55重量部を捏和し、粉砕し、成形した後、焼
    成する炭素質摺動材の製造法において、前記人造黒鉛混
    合物、タルク、天然黒鉛およびタールピッチの混合物の
    総重量に対して0.2〜5重量%のセラミック砥粒を添
    加することを特徴とする炭素質摺動材の製造法。
  2. 【請求項2】 前記セラミック砥粒の粒度が#100〜
    #6000であることを特徴とする請求項1記載の炭素
    質摺動材の製造法。
  3. 【請求項3】 前記セラミック砥粒が炭化物、酸化物、
    窒化物、リン酸塩またはダイヤモンドの少なくとも1種
    を含むことを特徴とする請求項1または2記載の炭素質
    摺動材の製造法。
JP5156738A 1993-06-28 1993-06-28 炭素質摺動材の製造法 Pending JPH0711282A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006144004A (ja) * 2004-10-27 2006-06-08 Sgl Carbon Ag グラファイトおよび合成樹脂結合剤の耐磨耗性滑り材料

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006144004A (ja) * 2004-10-27 2006-06-08 Sgl Carbon Ag グラファイトおよび合成樹脂結合剤の耐磨耗性滑り材料
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