JPH06145679A - 炭素質摺動材の製造法 - Google Patents
炭素質摺動材の製造法Info
- Publication number
- JPH06145679A JPH06145679A JP4299774A JP29977492A JPH06145679A JP H06145679 A JPH06145679 A JP H06145679A JP 4299774 A JP4299774 A JP 4299774A JP 29977492 A JP29977492 A JP 29977492A JP H06145679 A JPH06145679 A JP H06145679A
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- kneaded
- sliding
- sliding material
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐摩耗性に優れ、摺動時の温度上昇が小さい
炭素質摺動材の製造法を提供する。 【構成】 タルク２〜１０重量％、第三燐酸亜鉛７〜２
５重量％、炭素骨材及び粘結剤を混練、成形及び焼成す
る炭素質摺動材の製造法。
炭素質摺動材の製造法を提供する。 【構成】 タルク２〜１０重量％、第三燐酸亜鉛７〜２
５重量％、炭素骨材及び粘結剤を混練、成形及び焼成す
る炭素質摺動材の製造法。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、真空ポンプ等に用いる
軸受、ブレード、シール等の炭素質摺動材の製造法に関
する。
軸受、ブレード、シール等の炭素質摺動材の製造法に関
する。
【０００２】
【従来の技術】炭素質摺動材の耐摩耗性を改善する方法
として、炭素材の成形粉に二硫化モリブデン、二硫化タ
ングステン等の固体潤滑剤を加えて混合後成形し、焼成
する方法がある。また、炭素材に燐酸アルミニウムや硝
酸アルミニウムを含浸する方法がある。
として、炭素材の成形粉に二硫化モリブデン、二硫化タ
ングステン等の固体潤滑剤を加えて混合後成形し、焼成
する方法がある。また、炭素材に燐酸アルミニウムや硝
酸アルミニウムを含浸する方法がある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】炭素材成形粉に固体潤
滑剤を混合して成形、焼成する方法は、耐摩耗性の改善
効果が小さく、また、燐酸アルミニウムや硝酸アルミニ
ウムを含浸する方法は、耐摩耗性は改善されるものの、
含浸作業及び含浸作業後再焼成する作業を必要とすると
共に、摺動時の温度上昇が大きい等の問題がある。本発
明は、耐摩耗性に優れ、摺動時の温度上昇が小さい炭素
質摺動材を容易に製造する方法を提供するものである。
滑剤を混合して成形、焼成する方法は、耐摩耗性の改善
効果が小さく、また、燐酸アルミニウムや硝酸アルミニ
ウムを含浸する方法は、耐摩耗性は改善されるものの、
含浸作業及び含浸作業後再焼成する作業を必要とすると
共に、摺動時の温度上昇が大きい等の問題がある。本発
明は、耐摩耗性に優れ、摺動時の温度上昇が小さい炭素
質摺動材を容易に製造する方法を提供するものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は、タルク２〜１
０重量％、第三燐酸亜鉛７〜２５重量％、炭素骨材及び
粘結剤を混練、成形及び焼成する炭素質摺動材の製造法
に関する。
０重量％、第三燐酸亜鉛７〜２５重量％、炭素骨材及び
粘結剤を混練、成形及び焼成する炭素質摺動材の製造法
に関する。
【０００５】炭素骨材は、コークス粉、人造黒鉛粉、油
煙等であり、その１種又は２種以上を用いる。炭素骨材
の粒度は７２μｍ以下が好ましく、より好ましくは４３
μｍ以下である。粘結剤はピッチ、コールタール、合成
樹脂等であり、その１種又は２種以上混合したものを用
いる。配合するタルクの量は２〜１０重量％とされ、２
重量％未満では摺動時の温度上昇が高くなり、１０重量
％を越えると摺動材の強度が不足し、耐摩耗性の改善効
果が小さくなる。また、第三燐酸亜鉛の配合量は７〜２
５重量％とされ、７重量％未満では耐摩耗性の改善効果
が小さく、２５重量％を越えると、摺動時の相手材が鉄
系統の材料の場合にこれを攻撃して摩擦係数が高くな
り、温度上昇が高くなる。タルク及び第三燐酸亜鉛の粒
度は、それらが摺動材中に均一にするように７４μｍ以
下が好ましく、４３μｍ以下であれば更に好ましい。炭
素質摺動材は上記した炭素骨材、粘結剤、タルク及び第
三燐酸亜鉛を公知の方法で混練、成形及び焼成して得ら
れる。炭素骨材と粘結剤等との混練は、通常粘結剤の軟
化点以上の温度で行う。
煙等であり、その１種又は２種以上を用いる。炭素骨材
の粒度は７２μｍ以下が好ましく、より好ましくは４３
μｍ以下である。粘結剤はピッチ、コールタール、合成
樹脂等であり、その１種又は２種以上混合したものを用
いる。配合するタルクの量は２〜１０重量％とされ、２
重量％未満では摺動時の温度上昇が高くなり、１０重量
％を越えると摺動材の強度が不足し、耐摩耗性の改善効
果が小さくなる。また、第三燐酸亜鉛の配合量は７〜２
５重量％とされ、７重量％未満では耐摩耗性の改善効果
が小さく、２５重量％を越えると、摺動時の相手材が鉄
系統の材料の場合にこれを攻撃して摩擦係数が高くな
り、温度上昇が高くなる。タルク及び第三燐酸亜鉛の粒
度は、それらが摺動材中に均一にするように７４μｍ以
下が好ましく、４３μｍ以下であれば更に好ましい。炭
素質摺動材は上記した炭素骨材、粘結剤、タルク及び第
三燐酸亜鉛を公知の方法で混練、成形及び焼成して得ら
れる。炭素骨材と粘結剤等との混練は、通常粘結剤の軟
化点以上の温度で行う。
【０００６】
【作用】炭素質摺動材中に均一に分散したタルク及び第
三燐酸亜鉛は、摺動する相手材の表面における炭素皮膜
の過剰な付着を防止し、適正な摺動状態を維持して、炭
素対炭素の接触状態での摩耗の増大を防止すると共に、
摩擦係数が低いので温度上昇を低く維持する。
三燐酸亜鉛は、摺動する相手材の表面における炭素皮膜
の過剰な付着を防止し、適正な摺動状態を維持して、炭
素対炭素の接触状態での摩耗の増大を防止すると共に、
摩擦係数が低いので温度上昇を低く維持する。
【０００７】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。 実施例１ ７４μｍ以下に粉砕したコークス系人造黒鉛粉３５重量
％、４３μｍ以下に粉砕した油煙系の人造黒鉛粉５重量
％、軟化点８０℃のタールピッチ４１重量％、タルク
（セイコー産業製）２重量％及び第三燐酸亜鉛（米山化
学工業製）７重量％を混練機に入れ、コールタール１０
重量％を添加しながら１８０℃に加熱して４時間混練し
た。混練物を放冷後粉砕して１０５μｍ以下の成形粉を
作製し、Ｖ型混合機で１時間混合した後、１ｔ／cm2の
圧力で成形した。次いで焼成炉に入れ、成形品の周囲に
コークス粉を充填して不活性雰囲気とし、１０００℃で
焼成して炭素質摺動材を得た。
％、４３μｍ以下に粉砕した油煙系の人造黒鉛粉５重量
％、軟化点８０℃のタールピッチ４１重量％、タルク
（セイコー産業製）２重量％及び第三燐酸亜鉛（米山化
学工業製）７重量％を混練機に入れ、コールタール１０
重量％を添加しながら１８０℃に加熱して４時間混練し
た。混練物を放冷後粉砕して１０５μｍ以下の成形粉を
作製し、Ｖ型混合機で１時間混合した後、１ｔ／cm2の
圧力で成形した。次いで焼成炉に入れ、成形品の周囲に
コークス粉を充填して不活性雰囲気とし、１０００℃で
焼成して炭素質摺動材を得た。
【０００８】実施例２ ７４μｍ以下に粉砕したコークス系人造黒鉛粉２７重量
％、軟化点８０℃のタールピッチ４５重量％、タルク
（セイコー産業製）８重量％及び第三燐酸亜鉛（米山化
学工業製）２０重量％の配合物を混練機により１８０℃
で４．５時間混練した。以後実施例１と同様にして炭素
質摺動材を得た。 実施例３ ４３μｍ以下に粉砕したコークス系人造黒鉛粉３９重量
％、平均粒径３００ｎｍの自家製油煙３重量％、軟化点
８０℃のタールピッチ４３重量％、タルク（セイコー産
業製）８重量％及び第三燐酸亜鉛（米山化学工業製）７
重量％の配合物を混練機に入れ、２００℃で４時間混練
した。以後実施例１と同様にして炭素質摺動材を得た。
％、軟化点８０℃のタールピッチ４５重量％、タルク
（セイコー産業製）８重量％及び第三燐酸亜鉛（米山化
学工業製）２０重量％の配合物を混練機により１８０℃
で４．５時間混練した。以後実施例１と同様にして炭素
質摺動材を得た。 実施例３ ４３μｍ以下に粉砕したコークス系人造黒鉛粉３９重量
％、平均粒径３００ｎｍの自家製油煙３重量％、軟化点
８０℃のタールピッチ４３重量％、タルク（セイコー産
業製）８重量％及び第三燐酸亜鉛（米山化学工業製）７
重量％の配合物を混練機に入れ、２００℃で４時間混練
した。以後実施例１と同様にして炭素質摺動材を得た。
【０００９】比較例１ ７４μｍ以下に粉砕したコークス系人造黒鉛粉５０重量
％、４３μｍ以下に粉砕した油煙系の人造黒鉛粉５重量
％及び軟化点８０℃のタールピッチ４５重量％の配合物
を混練機に入れ、１８０℃に加熱で４時間混練した。以
後実施例１と同様にして炭素材を得た。次いでこの炭素
材をオートクレーブに入れ、３mmＨgの真空度に減圧
し、燐酸アルミニウム水溶液を含浸した後、窒素ガス雰
囲気中で９００℃まで加熱処理して、燐酸アルミニウム
成分を３．５重量％含有する炭素質摺動材を得た。 比較例２ 比較例１と同様の配合物１００重量部に二硫化モリブデ
ン５重量部を添加し、以下比較例１と同様にして炭素質
摺動材を得た。
％、４３μｍ以下に粉砕した油煙系の人造黒鉛粉５重量
％及び軟化点８０℃のタールピッチ４５重量％の配合物
を混練機に入れ、１８０℃に加熱で４時間混練した。以
後実施例１と同様にして炭素材を得た。次いでこの炭素
材をオートクレーブに入れ、３mmＨgの真空度に減圧
し、燐酸アルミニウム水溶液を含浸した後、窒素ガス雰
囲気中で９００℃まで加熱処理して、燐酸アルミニウム
成分を３．５重量％含有する炭素質摺動材を得た。 比較例２ 比較例１と同様の配合物１００重量部に二硫化モリブデ
ン５重量部を添加し、以下比較例１と同様にして炭素質
摺動材を得た。
【００１０】実施例及び比較例で得た炭素質摺動材につ
いて、リングオン試験機を用いて、リング材質ＦＣ−２
５、リング直径１００mm、回転数１９１０rpm、周速１
０ｍ／sec、加圧力３kg／cm2、ＰＶ値３０ｍ／sec・kg
／cm2、試験片寸法５×１５×２０mm、試験時間１００
時間の試験条件で、摩耗量、摩擦係数及び温度上昇を測
定した。その結果を表１に示す。表１において摩耗量は
１００時間当りの摩耗量（mm）で示し、摩擦係数及び温
度上昇は試験終了時の値を示す。なお、温度測定は摺動
面から３mmの位置で行った。
いて、リングオン試験機を用いて、リング材質ＦＣ−２
５、リング直径１００mm、回転数１９１０rpm、周速１
０ｍ／sec、加圧力３kg／cm2、ＰＶ値３０ｍ／sec・kg
／cm2、試験片寸法５×１５×２０mm、試験時間１００
時間の試験条件で、摩耗量、摩擦係数及び温度上昇を測
定した。その結果を表１に示す。表１において摩耗量は
１００時間当りの摩耗量（mm）で示し、摩擦係数及び温
度上昇は試験終了時の値を示す。なお、温度測定は摺動
面から３mmの位置で行った。
【００１１】
【表１】
【００１２】表１から明らかなように、実施例の摺動材
の摩耗量は従来技術の比較例の摺動材より約５０％低減
され、摩擦係数も３０％程度低減し、温度上昇も約１０
℃低下した。リング面は過剰な炭素皮膜の生成がなく、
均一な薄い黒色を呈し、リング面及び試験片の摺動面に
も傷が無く、良好であった。
の摩耗量は従来技術の比較例の摺動材より約５０％低減
され、摩擦係数も３０％程度低減し、温度上昇も約１０
℃低下した。リング面は過剰な炭素皮膜の生成がなく、
均一な薄い黒色を呈し、リング面及び試験片の摺動面に
も傷が無く、良好であった。
【００１３】
【発明の効果】本発明によれば、耐摩耗性に優れ、摩擦
係数が低く、摺動時の温度の低い炭素質摺動材が得られ
る。
係数が低く、摺動時の温度の低い炭素質摺動材が得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ１０Ｍ 103:06 Ｄ 9159−4Ｈ 103:02） Ｚ 9159−4Ｈ Ｃ１０Ｎ 30:06 40:02 50:08
Claims (1)
- 【請求項１】 タルク２〜１０重量％、第三燐酸亜鉛７
〜２５重量％、炭素骨材及び粘結剤を混練、成形及び焼
成することを特徴とする炭素質摺動材の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4299774A JPH06145679A (ja) | 1992-11-10 | 1992-11-10 | 炭素質摺動材の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4299774A JPH06145679A (ja) | 1992-11-10 | 1992-11-10 | 炭素質摺動材の製造法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06145679A true JPH06145679A (ja) | 1994-05-27 |
Family
ID=17876798
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4299774A Pending JPH06145679A (ja) | 1992-11-10 | 1992-11-10 | 炭素質摺動材の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06145679A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0915129A1 (de) * | 1997-11-11 | 1999-05-12 | Sgl Carbon Ag | Gleitkörper, enthaltend Zn-Phosphat |
| JP2008207998A (ja) * | 2007-02-27 | 2008-09-11 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | 炭素系固体摺動材料とその製造方法 |
| CN110436925A (zh) * | 2019-08-30 | 2019-11-12 | 中国科学院山西煤炭化学研究所 | 一种高速列车受电弓用纯炭滑板及其制备方法 |
-
1992
- 1992-11-10 JP JP4299774A patent/JPH06145679A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0915129A1 (de) * | 1997-11-11 | 1999-05-12 | Sgl Carbon Ag | Gleitkörper, enthaltend Zn-Phosphat |
| JP2008207998A (ja) * | 2007-02-27 | 2008-09-11 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | 炭素系固体摺動材料とその製造方法 |
| CN110436925A (zh) * | 2019-08-30 | 2019-11-12 | 中国科学院山西煤炭化学研究所 | 一种高速列车受电弓用纯炭滑板及其制备方法 |
| CN110436925B (zh) * | 2019-08-30 | 2021-09-03 | 中国科学院山西煤炭化学研究所 | 一种高速列车受电弓用纯炭滑板及其制备方法 |
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