JPH07112666B2 - トランスフア装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は、工作機械の加工ステーションに工作物を搬送
するトランスファ装置に関するものである。

＜従来の技術＞ 工作物を工作機械の加工ステーションに搬送するために
リフトアンドキャリー式トランスファ装置が用いられて
いる。このリフトアンドキャリー式トランスファ装置
は、昇降並びに進退移動するトランスファバーに工作物
を把持する把持爪をトランスファバーの進退方向に一定
間隔で直列配置し、加工ステーションに設けられた受台
に工作物を受け渡している。

＜発明が解決しようとする問題点＞ 上記従来のトランスファ装置では、工作物をトランスフ
ァバー上に１個づつ搬送方向に直列支持するため、工作
機械の軸頭のトランスファバーの進退方向と平行する方
向の長さが大きくなり、また、トランスファピッチも大
きくなってマシン全体が大型化し、設置スペースを大き
く必要とする問題があり、工作物を１個づつ加工するた
め、加工能率に限界があった。

＜問題点を解決するための手段＞ 本発明は、上記従来装置の問題点を解決したトランスフ
ァ装置を提供するもので、その特徴とする構成は、昇降
並びに進退移動して工作物を搬送するリフトアンドキャ
リー式コンベアのトランスファバーに大形工作物が上段
に小形工作物が下段に配置される上下２段で工作物を保
持する保持爪をトランスファバーの進退方向に一定間隔
で直列配置し、工作物の加工エステーションに前記保持
爪で保持された上下２段の工作物をそれぞれ位置決め支
持する受台と、この受台に支持された工作物をそれぞれ
クランプするクランプ装置とを備えたものである。

＜作 用＞ 本発明は、トランスファバー上の保持爪に工作物を２段
に並べて保持し、工作機械の加工ステーションへ搬送す
ると共に、加工ステーションより搬出するものである。

＜実施例＞ 以下本発明の実施例を図面に基づいて説明する。第１図
において、１はトランスファバーである。このトランス
ファバー１は所定のリフトで昇降運動し、かつ所定のス
トロークで水平方向に進退運動する。このトランスファ
バー１の昇降並びに進退作動機構は、例えば次の通りで
ある。第１図で示すように、図略の固定部にレバー2a、
2bを上下方向に旋回可能に枢着する。このレバー2a、2b
の上端にはスライダ6a、6bが枢着され、下端は連結棒４
で連絡し同期連動旋回するようになっている。

一方、トランスファバー１には、その長手方向に案内溝
5a、5bが設けられ、この案内溝5a、5bに前記レバー2a、
2b先端のスライダ6a、6bが摺動自在に案内されている。
また、トランスファバー１の一端には案内部材９が固着
され、これに上下方向に長い案内溝10が設けられてい
る。

７はリフト用シリンダであり、前記レバー2aの下端にピ
ストンロッド端が枢着されている。８は進退用シリンダ
であり、そのピストンロッド端に前記案内部材９の案内
溝10が摺動可能に連結されている。

上記の構成により、リフト用シリンダ７の作動でレバー
2a、2bが枢着３点を支点にして上下方向に旋回動するこ
とによってトランスファバー１は昇降運動し、また進退
用シリンダ８の作動により進退運動する。トランスファ
バー１の昇降運動時には案内部材９の案内溝10により進
退用シリンダ８のピストンロッド端の連結部の相対摺動
でトランスファバー１の昇降動を許容し、またトランス
ファバー１には設けられている案内溝5a、5bとレバー2
a、2b上端のスライダ6a、6bとの相対摺動でトランスフ
ァバー１の進退動を許容する。

本発明は上記トランスファバー１上に一定の間隔で設け
られる工作物の保持爪11を第２図及び第３図で示すよう
に工作物WL、WSを上下２段で保持するよう上段保持部13
と下段保持部12とを設けた構成とする。前記上段保持部
13は大形工作物WLを保持し、下段保持部12は小形工作物
WSを保持するよう上下方向及びトランスファバー１の長
手方向にずらして形成されている。

さらに、加工ユニット24が配置されている加工ステーシ
ョン14には、前記トランスファバー１によって搬送され
てくる工作物WL、WSを支持する受台15が設置されてい
る。この受台15には前記大形工作物WLを支持する複数個
の基準座17と位置決めピン19とが上段に設けられ、また
小形工作物WSを支持する複数個の基準座16と位置決めピ
ン18とが下段に設けられている。さらに、上段の基準座
17と位置決めピン19で位置決め支持された大形工作物WL
を直上より上段側クランプ用シリンダ23によって押圧す
るクランプロッド22と、下段の基準座16と位置決めピン
18で位置決め支持された小形工作物WSの上面を側方より
押圧するクランプアーム20と、このクランプアーム20を
上下方向に旋回する下段側クランプ用シリンダ21とを備
えている。

また、前記加工ユニット24には、前記受台15に支持され
た上段工作物WLを加工するスピンドル27と下段工作物WS
を加工するスピンドル26が上下２段に配置されている。

本発明は上記の通りの構成であるから、トランスファバ
ー１の上昇動により保持爪11の下段には小形工作物WSを
上段には大形工作物WLを保持し、この上昇位置で前進移
動することにより前記上下２段の工作物WL、WSを所定の
ストロークで搬送する。

そこで、加工ステーション14に搬送された工作物WL、WS
は第２図で示すように、それぞれの基準座17、16、並び
に位置決めピン19、18の上方に搬入し、トランスファバ
ー１の下降動によって基準座17、16並びに位置決めピン
19、18に位置決め支持され、トランスファバー１より受
台15に受け渡される。この受台15に受け取られた上段工
作物WLはクランプロッド22にて押圧クランプされ、また
下段工作物WSはクランプアーム20によって押圧クランプ
される。

尚、前記受台15への工作物WL、WSの搬送、搬入時に、受
台15の加工済の工作物WL、WSは保持爪11によって受台15
より受け取って受台15外へ搬出する。

一方、前記下降動したトランスファバー１は、下降端で
後退移動して原位置へ戻され、次回の搬送サイクルまで
待機する。

また、受台15にクランプされた上下２段の工作物WL、ws
は加工ユニット24の前進によってスピンドル27の工具で
上段工作物WLを加工し、スピンドル26の工具で下段工作
物WSを同時に加工する。

＜発明の効果＞ 以上のように本発明によると、昇降並びに進退移動する
トランスファバー上に設けられた保持爪で大形工作物を
上段に、小形工作物を下段に保持して搬送し、加工ステ
ーションでは上記の配置で位置決めクランプして加工す
るものであるから、トランスファバーの昇降動により保
持爪に上下２段に工作物を保持させることができ、ま
た、受台へ受け渡しを可能とする。また、同時に２個の
工作物が搬送できるため、トランスファピッチを小さく
することができ、工作機械もトランスファバーの進退方
向と平行する長さを短縮することができ、工作機械の設
置スペースを小さく、また加工ラインを短くすることが
できる。さらに、工作機械で上下２段の工作物を同時に
加工することができ、加工能率の向上が得られる利点が
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は正面図、第２図
は加工ステーションにおける断面図であり第３図II−II
線断面図、第３図は加工ステーションにおける断面側面
図である。 １……トランスファバー、11……保持爪、14……加工ス
テーション、15……受台、22……クランプロッド、20…
…クランプアーム。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】昇降並びに進退移動して工作物を搬送する
   リフトアンドキャリー式コンベアのトランスファバーに
   大形工作物が上段に小形工作物が下段に配置される上下
   ２段で工作物を保持する保持爪をトランスファバーの進
   退方向に一定間隔で直列配置し、工作物の加工エステー
   ションに前記保持爪で保持された上下２段の工作物をそ
   れぞれ位置決め支持する受台と、この受台に支持された
   工作物をそれぞれクランプするクランプ装置とを備えた
   ことを特徴とするトランスファ装置。