JPH07112505A - 脱酸素機能を有する有機樹脂・金属積層体の製造方法 - Google Patents

脱酸素機能を有する有機樹脂・金属積層体の製造方法

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JPH07112505A
JPH07112505A JP5262312A JP26231293A JPH07112505A JP H07112505 A JPH07112505 A JP H07112505A JP 5262312 A JP5262312 A JP 5262312A JP 26231293 A JP26231293 A JP 26231293A JP H07112505 A JPH07112505 A JP H07112505A
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JP
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organic resin
metal
film
resin film
coating layer
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JP5262312A
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Keisuke Nosaka
野坂恵介
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 脱酸素機能の優れた有機樹脂・金属積層体を
製造する方法を提供する。 【構成】 金属の下層に親水性被覆層を施し、その上
に、10〜50体積%の無機フィラーを含有する有機樹
脂フィルムを二軸延伸して貫通孔を形成したものにオル
ガノシロキサンを50%以上含む塗料若しくは接着剤を
塗布し、これを熱的あるいは接着剤を用いて貼り合せる
ことによって、脱酸素機能体を製造する。 【効果】 脱酸素機能に優れ、金属イオンを内容物中に
溶出させない、脱酸素機能体の製造が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は飲料缶、食缶などの酸素
によって劣化、変質しやすい内容物を収納する密封容器
の材料として使用する、脱酸素機能を有する有機樹脂・
金属積層体の製造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から飲料や食料の長期保存のために
使用される缶詰は、加熱殺菌、窒素封入などによって酸
素の混入を極力防ぎ、内容物の劣化を防ぐのが一般的で
あった。
【0003】最近では、特開昭61−295396号公
報に見られるごとく、脱酸素機能を有する缶用材料が発
明され、今までより安価で、有効な脱酸素容器用材料と
して注目されている。脱酸素機能缶は、金属体の上に親
水性被覆層を施し、その上に酸素・水透過性の優れた有
機樹脂被膜としてポリメチルペンテンまたはポリブタジ
エンなどのフィルムを接着剤を用いて接着することによ
り製造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】脱酸素機能積層体を構
成する有機樹脂被膜の酸素透過性は、被膜固有の透過係
数P、透過面積S、透過時間Tに比例し、膜厚tに反比
例するので、脱酸素機能積層体においては膜厚tをでき
るだけ薄くし、透過係数Pのできるだけ大きな樹脂被膜
を用いることが必要である。ポリメチルペンテン(PM
P)フィルムやポリブタン(PB)フィルムなどのフィ
ルムからなる有機樹脂被膜は酸素透過係数の大きいもの
ではあるが、それでもフィルム材質を選定する必要があ
り、またフィルム厚みを薄くする必要もある。一方、酸
素・水透過性の優れた有機樹脂被膜には金属体の酸化に
よって生じる金属イオンを缶内容物側に移行させないこ
とも必要であるため、被膜にピンホールなどの欠陥があ
ってはならず、これによって被膜の厚みの下限が決まっ
てしまい、酸素・水透過性が制限される。
【0005】一方、酸素透過性の非常に優れたものとし
てオルガノシロキサンポリマーが知られているが、薄く
均一に塗布することが難しく、均一に塗布したつもりで
も塗膜下からの金属イオンの溶出を防ぐことが難しいの
が現状である。
【0006】本発明は、造膜が容易で、被膜厚が薄くて
も金属イオンの溶出がなく、脱酸素機能を強化させた有
機樹脂・金属積層体の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、酸素・水透
過性をさらに向上させるため、基材として無機フィラー
を含む二軸延伸によって生成した多孔の有機樹脂フィル
ムを用い、酸素透過性の優れたオルガノシロキサンポリ
マーをこの有機樹脂フィルムの片面に塗布浸透させるこ
とによって、オルガノシロキサンポリマーの欠点である
造膜性をカバーし、金属イオンの缶内容物側への移行を
防止することができる脱酸素機能の優れた缶用材料をつ
くることができることを見いだした。
【0008】すなわち本発明の要旨は、 (1)金属の上に、下層として親水性被覆層を施し、加
熱処理したあと、その上に酸素・水を透過し、かつ金属
イオンを透過しない有機樹脂フィルムを接着した脱酸素
機能を有する有機樹脂・金属積層体の製造方法であっ
て、10〜50体積%の無機フィラーを含有させた有機
樹脂組成物からなる有機樹脂フィルムを二軸延伸して貫
通穴を生成させたのちに、この有機樹脂フィルムに、5
0体積%以上のオルガノシロキサンポリマーを含有する
熱硬化型塗料もしくは接着剤を塗布し、その後この有機
樹脂フィルムを下層の親水性被膜層の上に熱接着するこ
とを特徴とする脱酸素機能を有する有機樹脂・金属積層
体の製造方法。
【0009】(2)金属の上に、下層として親水性被覆
層を施し、加熱処理したあと、熱硬化型接着剤を施し乾
燥後、その上に酸素・水を透過し、かつ金属イオンを透
過しない有機樹脂フィルムを接着した脱酸素機能を有す
る有機樹脂・金属積層体の製造方法であって、10〜5
0体積%の無機フィラーを含有させた有機樹脂組成物か
らなる有機樹脂フィルムを二軸延伸して貫通孔を生成さ
せたのちに、この有機樹脂フィルムに、50体積%以上
のオルガノシロキサンポリマーを含有する熱硬化型塗料
を塗布し、その後この有機樹脂フィルムを、前記熱硬化
型接着剤を施した金属に熱接着することを特徴とする脱
酸素機能を有する有機樹脂・金属積層体の製造方法。
【0010】にある。
【0011】
【作用】以下に本発明方法を詳細に説明する。
【0012】まず、下層としての親水性被覆層について
述べる。
【0013】親水性被覆層は、常温で水に容易に溶解も
しくは膨潤する性質を有する結合剤から形成され、水と
親和性を有するものをいい、特に限定するものではない
が、水溶性ポリマーを水に溶解せしめた固形分濃度約
0.1〜20重量%の水溶液等が好ましい。水溶性ポリ
マーとしては、例えばでん粉、ゼラチン、セルロース誘
導体、ポリビニールアルコール、アクリル酸、メタクリ
ル酸、あるいはそのエステルなどを用いる。
【0014】つぎに、有機樹脂フィルムについて述べ
る。
【0015】本発明における多くの貫通孔を有する酸素
・水透過性の優れたフィルムは、ポリオレフィン系のポ
リマーのうちでも酸素・水透過性の優れたものから選定
するとよいが、なかでもPMPフィルムあるいはPBフ
ィルムが望ましい。これらのポリマーの加工性や密着性
を向上させるために、改質材あるいはゴム状重合体ある
いは変性物をもちいることもできる。例えば、PMPフ
ィルムの場合には、軟化点が低すぎるものは内容物に低
分子量成分が溶出し、高すぎると製蓋加工に問題が生じ
る場合もある。この問題解決のため、ビカット軟化点
(ASTM D1525)を155〜165℃に限定し
たり、フィルムの加工性、密着性を向上させるためオレ
フィン系改質材タフマー(三井石油工業(株)製)を2
0%以下程度含有させる場合もある。
【0016】本発明の有機樹脂フィルムは、10〜50
体積%の無機質フィラーを含有させ、二軸延伸させたも
のであるが、基本的には孔のサイズと密度が重要であっ
て、これによって無機質フィラーの含有量や延伸率が決
められる。サイズはあまり大きすぎると、オルガノシロ
キサンポリマーの造膜ができなくなるので100μm以
下が望ましい。また密度は孔の大きさにもよるが10〜
500個/mm2 が望ましい。孔の大きさと密度はフィ
ルムの表面を通常の顕微鏡にて100倍に拡大して透過
光にて測定できる。
【0017】無機フィラーの含有量は、50体積%超で
は有機樹脂フィルムの機械的強度が劣化し、二軸延伸の
工程でフィルムの貫通孔が大きくなりすぎたり、フィル
ムが切れたりする。一方、10%未満では貫通孔の生成
が充分でなく、オルガノポリシロキサンを造膜後の酸素
透過性が低くなる。
【0018】無機フィラーとしては、タルク、炭酸カル
シウム、石膏、カーボンブラック、粘土、炭酸マグネシ
ウム、カオリン、シリカ、珪藻土、炭酸バリウム、硫酸
マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸
カリシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、水酸化マ
グネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化
チタン、酸化アルミニウムゼオライト、珪酸白土、雲母
粉などを使用することができ、平均粒径は1〜30μm
と通常のフィラーより大きめのものを使うことが望まし
い。小さすぎると酸素・水透過性を充分確保できなくな
るので最低1μmは確保する必要がある。
【0019】フィルムの成形は、円形ダイによるインフ
レーション法あるいはTダイによるTダイ法等によって
行う。フィルムの厚さは10〜80μmが望ましい。フ
ィルム厚が薄すぎると、酸素・水透過性はよいが、フィ
ルム強度やオルガノシロキサンポリマーの塗布に問題が
生じる。製膜したフィルムの延伸は一軸方向のみでもよ
いが、貫通孔の強度が問題となる場合もあるので、でき
るだけ二軸延伸をおこなう必要がある。一軸延伸の場合
にはロール延伸で、一段あるいは多段の延伸を行い、二
軸延伸の場合にはテンター法を用い、逐次延伸、あるい
は同時延伸を行う。延伸率は、50〜500%の範囲内
において貫通孔の大きさを確保できること、フィルムの
材質を著しく劣化させないことを前提として選ぶとよ
い。
【0020】有機樹脂フィルムの孔の部分を塗料若しく
は接着剤、とくにオルガノシロキサンポリマーを完全に
覆うためには、表面にコロナ処理を行うか、クロム酸な
どのエッチング剤を用いて表面を荒らすことも有効であ
る。
【0021】つぎに、有機樹脂フィルムに生成させるオ
ルガノシロキサンポリマー塗料若しくは接着剤について
述べる。
【0022】オルガノシロキサンポリマー塗料若しくは
接着剤には熱硬化型と紫外線硬化型があるが、両方とも
用いることができる。
【0023】熱硬化型のオルガノシロキサン塗料若しく
は接着剤は、メチルシリル基を有するオルガノシロキサ
ンポリマーを主成分として、アミノ基、エポキシ基、カ
ルボキシル基、アルコール基、ビニル基、メルカプト
基、メタクリロキシ基、ウレタン基等を反応基として導
入したものや、ポリエーテル基、ポリカプロラクタム
基、カルボン酸エステル、フェニル基、アラルキル基、
アルキル基等を有機基として導入したものを含むものな
どを用いる。この場合のオルガノシロキサンポリマーの
溶剤としては、n−ヘキサン、トルエン、キシレン、酢
酸エチル、エチルセルソルブ、イソプロピルアルコー
ル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノンなどを単独あるいは組合せて用いること
ができる。
【0024】紫外線硬化型のオルガノシロキサンポリマ
ー塗料若しくは接着剤とするには、エポキシ変性シリコ
ンポリマーとビスヨードニウムヘキサフルオロアンチモ
ネートなどの光カチオン重合触媒などを含有させる。紫
外線を照射するには、おもに波長が250〜450nm
の水銀灯UV線源を用いるとよいが、場合によって加熱
と併用することも可能である。
【0025】上記したオルガノシロキサン塗料若しくは
接着剤の主成分であるオルガノシロキサンポリマーの割
合は、酸素・水透過性の点からは多い方がよいが、接着
力あるいは被覆力の点でカバーできない場合もあるので
50体積%以上が望ましい。
【0026】オルガノシロキサン塗料若しくは接着剤を
塗布する際には、あまり厚く塗布しても酸素・水透過性
を妨げるだけでメリットはないので、酸素・水透過性フ
ィルムの貫通孔を完全に塞ぐことができる最小膜厚にな
るよう塗布するのが望ましく、0.5〜10μmでよ
い。
【0027】塗布には、ダイレクトグラビアコーター、
メイヤーバーコーター、エアーナイフコーター、オフセ
ットグラビアコーター、多段ロールコーターなどを用い
ることができ、むらなく均一に薄塗布することが必要で
ある。
【0028】オルガノシロキサン塗料若しくは接着剤
は、原則として有機樹脂フィルムに予め塗布したあと、
下層として親水性被覆層を積層した金属体の上層に積層
する。しかし、場合によっては、親水性被覆層を積層し
た金属体にオルガノシロキサン塗料若しくは接着剤を塗
布し、その上に有機樹脂フィルムを積層してから熱的に
あるいは紫外線照射によって硬化接着することもでき
る。
【0029】オルガノシロキサン塗料若しくは接着剤の
うち、有機樹脂フィルムとの密着性は優れているが、下
層の親水性被覆層との接着力が充分でない場合には、有
機樹脂フィルムと下層を熱的あるいは接着剤を用いて接
着させる。
【0030】このときの接着剤はPMPあるいはPBフ
ィルムをマレイン酸などにより変性したものであっても
よいし、ポリウレタン系などの衛生上問題のない接着剤
の薄塗り層であってもよい。この場合にも、有機樹脂フ
ィルムの両面の接着剤若しくは塗料の合計量中のオルガ
ノシロキサンの割合が50体積%以上になるようにする
必要がある。
【0031】本発明の金属体としては、酸素と反応しや
すい金属が好ましく、例えば鋼板あるいはこれにZn、
Ni、Cr、Mn、Fe等の金属を1種あるいは2種以
上めっきしたもの、あるいはプラスチック、紙、ガラス
とこれら金属を複合したもの等を用いる。
【0032】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいて具体的に説明
する。
【0033】実施例1 試料の基材金属板として0.24mm厚の冷延鋼板上
に、ヒドロキシエチルセルローズの3%水溶液からなる
親水性被覆組成物を乾燥膜厚が0.25μmになるよう
リバースコーターにて塗布し、190℃の熱風乾燥炉で
40秒乾燥させた。この鋼板が常温まで冷却させた後、
厚さ0.5g/m2 のポリウレタン系接着剤をバーコー
ターにて塗布した。
【0034】一方、フィラーとして平均粒径3.2μm
の炭酸カルシウムを20体積%含むPMPをTダイから
押し出し、逐次二軸延伸法によって長手方向に200
%、横方向に130%延伸して貫通孔を有する30μm
のPMPフィルムを準備した。このPMPフィルムにメ
チルビニルポリシロキサンとハイドロゲンシロキサンを
加熱重合させた熱硬化塗料(付加型シリコンX−62−
2112、信越化学工業(株)製)を乾燥膜厚が0.5
g/m2 になるようグラビアコートし、150℃にて乾
燥した。つぎに接着剤を塗布した鋼板を40秒間に最高
200℃になるよう加熱し、これに貫通孔を有する30
μmのPMPフィルムをグラビアコート側を接着面とし
てロールラミネーターにて接着積層し、すぐ水冷して、
脱酸素機能を有する鋼板をえた。
【0035】実施例2 実施例1において、親水性被覆層の上に接着剤を塗布す
ることなく、実施例1と同じPMPフィルムと熱硬化型
塗料を用いて熱接着によって脱酸素機能を有する鋼板を
えた。
【0036】実施例3 実施例1と同じ親水性被覆層を有する鋼板を製造した。
つぎに、同じく実施例1と同じ方法で製造したPMPフ
ィルムに、光カチオン重合触媒としてビスドデシルヨー
ドニウムヘキサフルオロアンチモネートを含むエポキシ
型変性シリコン(紫外線硬化型エポキシ変性シリコンU
V−9300、東芝シリコーン(株))を乾燥膜厚が
0.5g/m2 になるようにグラビアコートし、そして
紫外線を照射して、硬化させた。つぎに被覆鋼板を加熱
し、PMPフィルムのグラビアコート側を接着面として
両者をロールラミネーターにて熱接着し、すぐ水冷し
て、脱酸素機能を有する鋼板をえた。
【0037】比較例1 実施例1の方法において、PMPフィルムに熱硬化型塗
料を塗布しないままで、親水性被覆鋼板とPMPフィル
ムを熱接着させて脱酸素機能を有する鋼板をえて、実施
例1と比較した。
【0038】比較例2 実施例2の方法において、熱硬化型塗料を塗布せずに脱
酸素機能を有する鋼板をえて、実施例2の比較とした。
【0039】比較例3 実施例1と同じ方法で親水性被覆鋼板を製造し、その上
に厚さ2μmに接着剤をバーコーターにて塗布した。こ
れを40秒間に最高温度が200℃になるよう加熱した
あと、膜厚50μmのPMPをロールラミネーターにて
熱接着し、すぐ水冷して、脱酸素機能を有する鋼板をえ
た。
【0040】比較例4 実施例1と同じ方法で製造した親水性被覆鋼板の上に、
シロキサンを含む塗料をバーコーターにて厚さ50μm
に塗布し、40秒間に最高温度が200℃になるよう加
熱して脱酸素機能を有する鋼板をえた。
【0041】以上の実施例1〜3と比較例1〜4に示す
鋼板の脱酸素機能と鉄溶出試験を行った。
【0042】脱酸素機能、フィルムの酸素透過性および
鉄溶出試験方法は下記の通りである。
【0043】 脱酸素機能評価試験:樹脂被覆鋼板を
直径85mm内容積350mlの円筒状ガラス容器の蓋
として用い、約24mlのヘッドスペースを有するよう
ビールを入れて密封した。これを20℃に30時間保管
したのち、ガスクロマトグラフを用いて酸素濃度を測定
した。
【0044】参照用の塗装ぶりきの酸素濃度をB、サン
プルの酸素濃度をAとすると
【0045】
【数1】
【0046】脱酸素機能としては、50%以上を有する
ことが望まれる。
【0047】 フィルムの酸素透過性:LYSSY社
ガス透過度テスターGPM−200型を用いて、測定面
積:50cm2 、測定温度:20℃の条件で測定した。
酸素透過係数は
【0048】
【数2】
【0049】以上が望まれる。
【0050】 鉄溶出試験:図1に示すガラス製容器
1をレトルトにて殺菌し、これに1時間沸騰させたビー
ル2を83ml(このときヘッドスペースは33mlに
なる。)入れ、脱酸素サンプル3と当て板4で蓋をして
中のビールが洩らないよう締め具5を用いて締め付け
る。これを20℃の恒温室に40日放置したあとに、ビ
ール中の鉄濃度を調べた。図中6は空気、7はグリップ
を示す。
【0051】鉄溶出は0.02mg/cm2 /3ケ月以
下を良好とした。
【0052】試験結果を表1に示す。本発明による鋼板
は、被膜厚みが薄くても脱酸素機能にの強化が図られ、
鉄溶出もなく、良好な性能を示した。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明の方法によれば、造膜性の問題も
なく、金属イオンの溶出がない、脱酸素機能を強化した
有機樹脂・金属積層体が製造できるので、密封容器の材
料として適用拡大が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層体の酸素・水透過性フィルムの欠陥部を通
して鉄の溶出があるか否かを調べる装置の概略を示す
図。
【符号の説明】
1…ガラス製容器 2…沸騰処理ビ
ール 3…供試脱酸素機能積層体サンプル 4…当て板 5…締め具 6…空気 7…クリップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B32B 27/00 101 8413−4F C08J 5/12 CES 9267−4F C08L 23:20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属の上に、下層として親水性被覆層を
    施し、加熱処理したあと、その上に酸素・水を透過し、
    かつ金属イオンを透過しない有機樹脂フィルムを接着し
    た脱酸素機能を有する有機樹脂・金属積層体の製造方法
    であって、10〜50体積%の無機フィラーを含有させ
    た有機樹脂組成物からなる有機樹脂フィルムを二軸延伸
    して貫通穴を生成させたのちに、この有機樹脂フィルム
    に、50体積%以上のオルガノシロキサンポリマーを含
    有する熱硬化型塗料もしくは接着剤を塗布し、その後こ
    の有機樹脂フィルムを下層の親水性被膜層の上に熱接着
    することを特徴とする脱酸素機能を有する有機樹脂・金
    属積層体の製造方法。
  2. 【請求項2】 金属の上に、下層として親水性被覆層を
    施し、加熱処理したあと、熱硬化型接着剤を施し乾燥
    後、その上に酸素・水を透過し、かつ金属イオンを透過
    しない有機樹脂フィルムを接着した脱酸素機能を有する
    有機樹脂・金属積層体の製造方法であって、10〜50
    体積%の無機フィラーを含有させた有機樹脂組成物から
    なる有機樹脂フィルムを二軸延伸して貫通孔を生成させ
    たのちに、この有機樹脂フィルムに、50体積%以上の
    オルガノシロキサンポリマーを含有する熱硬化型塗料を
    塗布し、その後この有機樹脂フィルムを、前記熱硬化型
    接着剤を施した金属に熱接着することを特徴とする脱酸
    素機能を有する有機樹脂・金属積層体の製造方法。
  3. 【請求項3】 金属の上に、下層として親水性被覆層を
    施し、加熱処理したあと、その上に酸素・水を透過し、
    かつ金属イオンを透過しない有機樹脂フィルムを接着し
    た脱酸素機能を有する有機樹脂・金属積層体の製造方法
    であって、10〜50体積%の無機フィラーを含有させ
    た有機樹脂組成物からなる有機樹脂フィルムを二軸延伸
    し貫通孔を生成させたのちに、この有機樹脂フィルム
    に、50体積%以上のオルガノシロキサンポリマーと紫
    外線硬化型の光カチオン重合触媒を含有する塗料もしく
    は接着剤を塗布し、次に紫外線あるいは紫外線と熱を併
    用して硬化させたのちに、この有機樹脂フィルムを下層
    の親水性被覆層の上に熱接着することを特徴とする脱酸
    素機能を有する有機樹脂・金属積層体の製造方法。
  4. 【請求項4】 金属の上に、下層として親水性被覆層を
    施し、加熱処理したあと、その上に酸素・水を透過し、
    かつ金属イオンを透過しない有機樹脂フィルムを接着し
    た脱酸素機能を有する有機樹脂・金属積層体の製造方法
    であって、10〜50体積%の無機フィラーを含有させ
    た有機樹脂組成物からなる有機樹脂フィルムを二軸延伸
    して貫通孔を生成させたのちに、この有機樹脂フィルム
    に、50体積%のオルガノシロキサンポリマーと紫外線
    硬化型の光カチオン重合触媒を含有する塗料若しくは接
    着剤を塗布し、次に紫外線あるいは紫外線と熱を併用し
    て硬化させたのちに、この有機樹脂フィルムを下層の親
    水性被覆層の上に接着剤を用いて接着することを特徴と
    する脱酸素機能を有する有機樹脂・金属積層体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載の有機樹脂フィ
    ルムがポリメチルペンテンおよび変性化物あるいはポリ
    ブタンおよびその変性化物からなることを特徴とする脱
    酸素機能を有する有機樹脂・金属積層体の製造方法。
JP5262312A 1993-10-20 1993-10-20 脱酸素機能を有する有機樹脂・金属積層体の製造方法 Withdrawn JPH07112505A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003012826A (ja) * 2001-06-29 2003-01-15 Nippon Steel Corp 鋼材被覆用フィルム及び樹脂被覆鋼材

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003012826A (ja) * 2001-06-29 2003-01-15 Nippon Steel Corp 鋼材被覆用フィルム及び樹脂被覆鋼材

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