JPH07112296B2 - Emiシールドを施した携帯用電話機の製造方法 - Google Patents

Emiシールドを施した携帯用電話機の製造方法

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JPH07112296B2
JPH07112296B2 JP3037774A JP3777491A JPH07112296B2 JP H07112296 B2 JPH07112296 B2 JP H07112296B2 JP 3037774 A JP3037774 A JP 3037774A JP 3777491 A JP3777491 A JP 3777491A JP H07112296 B2 JPH07112296 B2 JP H07112296B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明はEMIシールドを施した携帯用電
話機の製造方法に関し、更に詳しくは、FIPG法を用
いて、電話機カバーに直接パッキングを形成せしめる
MIシールドを施した携帯用電話機の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用電話機や携帯用電話機等
の急激な普及に伴い、これらの機器から発生する電磁波
が人体に悪影響を及ぼすということが社会問題となって
いる。又、携帯用電話機から発生する電磁波が周辺の電
子機器に影響を及ぼしたり、逆に周辺の電子機器から発
生する電磁波により携帯用電話機が誤動作するという問
題もある。そこで、最近においては、このような電波障
害に対処するため携帯用電話機に電磁干渉(EMI:El
ectromagnetic Interference)シールドを施すようにな
ってきた。
【0003】現在、一般的に行われているEMIシール
ドは、電話装置の本体を導電化した筺体に入れてアース
を取り、更にパッキング部からの電磁波の侵入や漏洩を
防止するために導電性パッキングを介して外装のカバー
を取り付け、一体化するというものである。この場合の
導電性パッキングとしては、ゴム材に金属製のワイヤー
メッシュや金属粉末等を混合して成型したシートを打ち
抜いたものや、押し出し成型した紐状のものが用いられ
ている。
【0004】しかしながら、上記の導電性パッキングを
取り付けるためには、打ち抜き品の場合には接着工程を
必要とし、紐状パッキングの場合には外装カバーに形成
させた案内溝にそれを填め込むという作業が必要であ
り、手間を要するという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記の
欠点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、携帯用電話機
本体を収納する外装の継ぎ目部に、自己接着性を有する
導電性液状シリコーンゴムをFIPG法を用いて被覆す
ることにより、手間を要せず容易且つ精密にEMIシー
ルドを施すことができるので、安価でシールド効果に優
れた携帯用電話機を容易に製造することができることを
見出し、本発明に到達した。従って、本発明の目的は、
高いシールド効果を有するEMIシールドを施した携帯
用電話機を容易に製造する方法を提供することにある。
【0006】本発明の上記の目的は、外装の継ぎ目部に
EMIシールドを有する携帯電話機の製造方法におい
て、外装の1部である電話機カバーの対応する箇所にF
IPG法によって、25℃における粘度が1,000〜
100万ポイズであって、硬化後の硬度が10〜80H
sとなる自己接着性を有する導電性液状シリコーンゴム
から成るパキングを形成せしめ、次いで得られたカバー
パッキング組立体を、電話機本体を内部に納めた筐体と
一体化させることを特徴とする携帯用電話機の製造方法
によって達成された。
【0007】本発明において使用する液状シリコーンゴ
ムは、付加硬化型又は縮合硬化型の公知の液状シリコー
ンゴムの中から適宜選択して使用することができるが、
仕上がりが良く、且つ速硬化性及び接着性が良いことか
ら、特に付加硬化型のものを用いることが好ましい。
【0008】本発明において、付加硬化型の液状シリコ
ーンゴムを使用する場合には、特に、ビニル基等の脂肪
族不飽和基を含有するジオルガノポリシロキサンと、硅
素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロ
ジェンポリシロキサンとの組合せからなるものを使用す
ることが好ましい。このうち脂肪族不飽和基を含有する
オルガノポリシロキサンとしては、硅素原子に直結した
低級アルケニル基を1分子中に少なくとも2個有する、
直鎖状のジオルガノポリシロキサンを使用することが好
ましい。
【0009】本発明で使用する架橋剤は、上記ジオルガ
ノポリシロキサン中の脂肪族不飽和基と付加反応をして
ジオルガノポリシロキサン同士を架橋するものであり、
通常、硅素原子に結合した水素原子を含有するオルガノ
ハイドロジェンポリシロキサンを使用する。この場合の
オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、直鎖状、環
状、分岐状等のいかなる分子構造を有するものであって
も良いが、1分子中に珪素原子に直結する水素原子を少
なくとも2個以上有することが必要であり、ジオルガノ
ポリシロキサンへの付加反応をすることによりジオルガ
ノポリシロキサンの分子の鎖長を延長し、硬化物の硬度
を下げたり、強度を増大させることができる。又、前記
水素原子を3個以上有するオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンと組合わせることより架橋後の硬化物の硬
度、弾性率等を制御することもできる。
【0010】又、本発明において、導電性液状シリコー
ンゴムの基材として、上述した脂肪属不飽和基を含有す
るジオルガノポリシロキサンと硅素原子に結合した水素
原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
との組合わせからなるものを使用する場合には、ジオル
ガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロ
キサンとの配合比が、オルガノハイドロジェンポリシロ
キサン中のSi−H基とジオルガノポリシロキサン中の
脂肪族不飽和基とのモル比で0.5〜4、特に1〜2の
範囲とすることが好ましい。
【0011】本発明において使用する導電性液状シリコ
ーンゴムは、上記の液状シリコーンゴムに、更に白金系
の硬化触媒、接着性付与剤、導電性付与剤、及び補強性
シリカ等の補強性充填剤等、各種配合剤を適宜の量で配
合したものである。
【0012】本発明において液状シリコーンゴムに添加
する接着性付与剤は、公知の材料の中から適宜選択して
使用することができるが、1分子中にエポキシ基、アル
コシキ基等の接着に寄与する官能基を有する硅素化合物
を使用することができる。又、1分子中に前記の付加反
応に必要な硅素原子に直結したビニル基又は水素原子を
同時に含有する硅素化合物であってもよい。
【0013】本発明において使用する導電性付与剤とし
ては、カーボンブラックの粉体、グラファイの粉体、
カーボンファイバー等のπ電子移動型導電物質、銀、ニ
ッケル、銅、亜鉛、鉄、硅素等の金属、及びこれらの金
属の酸化物若しくは炭化物又は合金等を挙げることがで
きる。これらを使用する場合の形状は、粉状、フレーク
状、繊維状の何れであっても良い。更にガラス、マイ
カ、アルミナ等の非導電性無機物質の粉体、フレーク又
は繊維の表面を上記銀等の金属でコーティングした、自
由電子移動型導電性物質を使用することもできる。
【0014】本発明で使用する導電性液状シリコーンゴ
ムは、作業性や形態保持性の観点から、回転粘度計で測
定した25℃における粘度が、1,000ポイズ〜10
0万ポイズの範囲になるように前記の各素材を配合する
ことが好ましく、又、加熱硬化後の硬度が、10〜80
Hs(JIS K6301 A形に基づく測定)の範囲
になるようにすることがカバー部材に対する応力負担を
軽減する上で好ましい。
【0015】上述のようにして配合した自己接着性の導
電性液状シリコーンゴムは、ポンプ輸送が可能であり、
例えばノズル吐出によりハードディスク上に施すことが
でき、この場合の仕上がり断面形状は通常半球状とな
る。しかしながら、ノズルの高さ等の吐出条件を適宜調
整することによって上部がフラットな半球状とすること
もできる。
【0016】本発明においては、上述した自己接着性の
導電性液状シリコーンゴムをFIPG法にて携帯用電話
機カバーの継ぎ目部に被覆し、カバーパッキング組立体
とする。
【0017】本発明で採用するFIPG( Formed In Pl
aceGasket) 法とは、自由成形ガスケット又は現場成形
ガスケットと言われるものであり、塗布ロボットと輸送
ポンプ並びにディスペンサを組み合わせることにより、
液状シリコーンゴムを輸送ポンプによって供給し、ディ
スペンサによって吐出させると同時に、予め記憶させた
パターンに従って塗布ロボットにより塗布してガスケッ
トを形成せしめる方法である。従って、ロボット機構を
用いて予め記憶されたパターンに従って塗布を行うこと
により、導電性液状シリコーンゴムを、携帯用電話機の
カバー部材継ぎ目位置に正確に設置することができる。
【0018】このようにして得られたパッキングを有す
るカバーパッキング組立体を電話機本体を取り付けた筺
体にビスなどで締め付け1体化することにより携帯用電
話機が製造されるが、この場合、パッキングの硬度は上
記した如く10〜80Hs であるので、カバーに対する
応力が有効に軽減される。本発明においては、導電性液
状シリコーンゴムを塗布した後、必要に応じて更に水洗
浄、エアー洗浄、乾燥等のクリーン処理等を行っても良
い。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、予めカバー部材接合部
の形状にあわせたパッキング成形品を金型で成型した
り、シートから打ち抜く必要がないので金型、抜き型が
不要である。又、直接カバー上へ成型・接着させるため
に、成型品及び打ち抜き品の場合に行われる、カバーと
成型品や打ち抜き品との接着工程を必要としない上、カ
バー上へパッキング形状をそのまま塗布成型するために
バリが生じない上、打ち抜き品のカットロスがない。
に、パッキングの硬度が10〜80Hsであるので、カ
バーに対する応力が有効に軽減され、カバーをいためる
ことがない。又、導電性シリコーンゴムパッキングはE
MIシールド性に優れており、携帯用電話機の外部電磁
波による誤動作及び着信時に発生する有害な電磁波の漏
洩を防止する効果がある上、シリコーンゴムパッキング
は耐候性に優れているので、本発明は、特に屋外で使用
される携帯用電話機の製造に適している。
【0020】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0021】実施例1. アルミニウム製カバー上に、塗布ロボット(株式会社
安川電気製作所製)を用いて、予め記憶されたパターン
に添って下記表1に示す組成例1の導電性液状シリコー
ンゴム組成物(25℃における粘度が20万ポイズ)
塗布した。
【0022】塗布条件は、ノズル内径:3.0mmφ、
供給ポンプ圧力:1.8kgf/m2 、塗布スピード:
230mm/分、ノズル高さ(カバー面より):3.5
mmとし、塗布終了後、これをそのまま150℃の熱風
乾燥機に入れて硬化させ、次いで冷却したところ、高さ
2.5mm、幅3.5mmで半球状断面を有し、体積抵
抗率が2.0Ω・cmのパッキングが得られた。このパ
ッキングはカバー材表面に充分良好に接着していた。次
に、得られたパッキングを、0.5μmのフィルターで
濾過して電導度を10μs以下とした純水で洗浄し、携
帯用電話機用カバー・パッキング組立体を得た。
【0023】又、得られたパッキングの電磁シールド効
果を評価するために、平板状試料(試料寸法:内径1
1.5mmφ、外形50.0mmφ、厚さ5.0mm)
にパッキング材料を成形した。上記試料を伝達インピー
ダンス測定治具ZTR39D(三菱電線工業株式会社
製)にセットし、ネットワークアナライザ(横河・ヒュ
ーレット・パッカード株式会社製)を用いて伝達インピ
ーダンスの周波数特性を測定した結果、図1に示すデー
タが得られた。この結果から、上記パッキング剤は0.
3MHz〜1GHzの周波数範囲で優れたEMIシール
ド効果があることが確認された。
【0024】実施例2. 実施例1で使用した組成例1中の導電製付与剤190重
量部の代わりに導電性Niコートフェノール樹脂粉末
(ベルパールC−800:鐘紡株式会社製商品名)17
0重量部を用い、熱風乾燥機の設定温度を140℃とし
た他は実施例1と同様にして塗布し、アルミニウム製カ
バー上にパッキングを設けた。尚、組成物の25℃にお
ける粘度は30万ポイズであった。得られたパッキング
は、高さ2.5mm、幅3.5mmの半球状断面を有
し、体積抵抗率が1.0Ω・cmであり、これはカバー
材表面に充分良好に接着していた。次に、得られたパッ
キングを、0.5μmのフィルターで濾過して電導度が
10μs以下である純水を用いて洗浄し、携帯用電話機
用カバー・パッキング組立体を得た。又、得られたパッ
キングの電磁シールド効果を実施例1の場合と同様にし
て評価したところ、実施例1の場合と全く同様の評価が
得られた。比較例1. 下記の組成からなる導電性シリコーンゴム塗料を調整し
た。 両末端水酸基ジメチルポリシロキサン(粘度20,000CP)100重量部 メチルトリスブタノキシムシラン 30重量部 ジブチルスズジラウレート 0.1重量部 導電性炭素粉末アセチレンブラック 30重量部 上記の組成の塗料の粘度は200万ポイズであり、流動
性に乏しくFIPG工法によって精密にパッキンを形成
することは困難であった。尚、上記塗料の硬化後の体積
固有抵抗率は10Ω・cmであった。
【図面の簡単な説明】
図1は実施例1で得られたパッキングについて得られ
た、伝達インピーダンスの周波数特性を表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松村 正章 群馬県安中市磯部2−13−1 信越化学工 業株式会社 シリコーン電子材料技術研究 所 内 (56)参考文献 実開 平1−171092(JP,U)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外装の継ぎ目部にEMIシールドを有す
    る携帯電話機の製造方法において、外装の1部である電
    話機カバーの対応する箇所にFIPG法によって、25
    ℃における粘度が1,000〜100万ポイズであっ
    て、硬化後の硬度が10〜80Hsとなる自己接着性を
    有する導電性液状シリコーンゴムから成るパッキングを
    形成せしめ、次いで得られたカバーパッキング組立体
    を、電話機本体を内部に納めた筐体と一体化させること
    を特徴とする携帯用電話機の製造方法。
JP3037774A 1991-02-08 1991-02-08 Emiシールドを施した携帯用電話機の製造方法 Expired - Fee Related JPH07112296B2 (ja)

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