JPH07111619B2 - 自動作曲機 - Google Patents

自動作曲機

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JPH07111619B2
JPH07111619B2 JP62086571A JP8657187A JPH07111619B2 JP H07111619 B2 JPH07111619 B2 JP H07111619B2 JP 62086571 A JP62086571 A JP 62086571A JP 8657187 A JP8657187 A JP 8657187A JP H07111619 B2 JPH07111619 B2 JP H07111619B2
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music
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Casio Computer Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の技術分野] この発明は自動作曲機に関する。
[背景] 自動作曲機の良否に関し、考慮すべき重要な要素の1つ
は、人間がこれまで親しんできたような楽曲、換言すれ
ば、純機械的ではなく音楽性に富む曲を生成する潜在能
力をその作曲機がもちあわせているかどうかということ
である。
例えば、特願昭56−125603号(特公昭60−40027号)に
は、一連の音高データ(例えば、12音階のデータ)から
個々の音高データをランダムにサンプルし、サンプルし
たものが限られた条件を満足すれば、それをメロディノ
ートとして採択し、条件を満たさなければメロディノー
トとしては採択せず、再度、サンプルし直して条件検査
をくり返す方式の自動作曲機が開示されている。したが
って、この自動作曲機のメロディ生成プロセスは基本的
にトライアンドエラー方式である。音高データをランダ
ムにサンプルした段階では完全に無秩序な音高の列がで
きあがる。この無秩序な音高の列のままでは、全くメロ
ディとしては成立し得ない(天文学的な偶発性によって
よいメロディができる可能性はあるが)。そこで、この
無秩序になんらかの秩序をもたらすために、条件検査と
いう一種のフィルタリング(選別)を行っている。この
場合、選別の程度が重要な要素になる。選別がきつすぎ
れば、生成されるメロディはワンパターン化するであろ
うし、ゆるすぎれば、元の無秩序性が支配的となるであ
ろう。
上記の自動作曲機は、人間がなれ親しんできたメロディ
というよりは、作風のとらえどころがないメロディを作
曲するのに適しており、主として、聴音訓練や演奏練習
用の曲作成装置として有効である(なじみのない斬新な
曲は採譜や演奏が一般に困難になる)。この意味で冒頭
にあげた能力はもちあわせていない。
本発明はまさにこの能力を配慮したものである。
[発明の目的] すなわち、本発明の全体的な目的は音楽性豊かな曲を作
曲可能な新規な自動作曲機を提供することである。本発
明の具体的な目的は曲のコンセプトないしエッセンスを
維持しつつ、進行に合わせて多様に変化し得るような曲
を作曲可能な自動作曲機を提供することである。
[発明の構成、作用] 第1の発明によれば、与えられたモチーフ情報(I1)か
ら、そのモチーフを特徴づけるモチーフ特徴パラメータ
(PA)を抽出するモチーフ特徴パラメータ抽出手段(F
1、F2;6)と、コード進行情報(I3)を与えるコード進
行情報付与手段(3)と、上記モチーフ特徴パラメータ
抽出手段より与えられるモチーフ特徴パラメータと、上
記コード進行情報付与手段より与えられるコード進行情
報とに基づいてメロディ(I4)を生成するメロディ生成
手段(F3;6)と、を有することを特徴とする自動作曲機
が提供される。
本構成の自動作曲機は、入力されたモチーフ情報から、
そのモチーフを特徴づけるパラメータ(モチーフ特徴パ
ラメータ)を抽出し、このモチーフ特徴パラメータとコ
ード進行情報とに基づいてメロディを生成するものであ
る。したがって、モチーフがもつ、曲のエッセンスない
しコンセプトがメロディの全体(曲全体)にわたって維
持されることになる、とともにコード進行の条件が守ら
れるなかで多様に変化するメロディが生成されることに
なる。よって、本構成の自動作曲機は音楽性に富むメロ
ディを作曲することができる。
さらに、第2の発明によれば、楽曲の一部(I1)を入力
する入力手段(1)と、上記楽曲の一部を特徴づける特
徴パラメータ(PA)を抽出する特徴パラメータ抽出手段
(F1、F2;6)と、前記特徴パラメータに少なくとも基づ
いて楽曲全体を作曲する作曲手段(F3;6)と、を有する
ことを特徴とする自動作曲機が提供される。
本構成の自動作曲機は、入力された楽曲の一部に内在す
る曲のコンセプトないしエッセンスが曲全体にわたって
維持されるようにするため、楽曲の一部を特徴づける特
徴パラメータを抽出し、抽出した特徴パラメータに少な
くとも基づいて楽曲全体を作曲する。したがって、音楽
性に富む曲の作曲が可能である。
上記楽曲の一部はモチーフであり得る。
さらに第3の発明によれば、楽曲の一部(I1)を入力す
る入力手段(1)と、上記楽曲の一部を特徴づける特徴
パラメータ(PA)を抽出する特徴パラメータ抽出手段
(F1、F2;6)と、上記楽曲に関する音楽進行(I3)を付
与する音楽進行付与手段(3)と、上記特徴パラメータ
と上記音楽進行とに基づいて楽曲全体を作曲する作曲手
段(F3;6)と、を有すること特徴とする自動作曲機が提
供される。
本構成の自動作曲機は、入力された楽曲の一部(例えば
モチーフ)に内在する曲のコンセプトないしエッセンス
の曲全体にわたる維持と、音楽進行(例えばコード進
行)に伴う音楽内容の変化とを実現すべく、楽曲の一部
を特徴づける特徴パラメータと音楽進行とに基づいて楽
曲全体を作曲する。したがって、音楽性豊かな曲を作曲
可能である。
さらに第4の発明によれば、生成すべきメロディを特徴
づけるメロディ特徴パラメータ(PC)を発生するメロデ
ィ特徴パラメータ発生手段(F31;6)と、音楽進行(I
3)を付与する音楽進行付与手段(3)と、上記メロデ
ィ特徴パラメータと上記音楽進行とに基づいてメロディ
(I4)を生成するメロディ生成手段(F32、F33;6)と、
を有することを特徴とする自動作曲機が提供される。
本構成によれば、メロディ特徴パラメータ発生手段にて
生成すべきメロディを特徴づけるメロディ特徴パラメー
タを発生することとし、このメロディ特徴パラメータと
音楽進行付与手段から付与される音楽進行(例えばコー
ド進行)とに基づいてメロディを生成している。したが
って、生成(compose)されるメロディは、メロディ特
徴パラメータと音楽進行とによって制御される多様に変
化することになる。したがって、音楽性豊かなメロディ
を作曲可能である。
第1〜第4の発明に共通する特徴として、本自動作曲機
は、特徴パラメータに基づく自動作曲方式を提供するも
のである。このような特徴パラメータによる作曲方式
(メロディ生成制御方式)は結果として音楽性に富む作
曲を可能にするものである。
[実施例] 以下、図面を参照して本発明の実施例について説明す
る。
〈全体構成〉 本実施例に係る自動作曲機の全体回路構成を第1図に示
す。図中、1は入力装置、2はコード構成音メモリ、3
はコード進行メモリ、4はモチーフメモリ、5はパラメ
ータBメモリ、6はCPU、7はワークメモリ、8はパラ
メータCメモリ、9は学習データメモリ、10はメロディ
データメモリ、11はモニター、12はCRT、13は五線譜プ
リンタ、14は楽音形成回路、15はサウンドシステム、16
は外部記憶装置である。
上記モチーフメモリ4は、入力装置1より入力されるモ
チーフ(入力メロディ)の情報を格納するところであ
る。モチーフ情報は音高と音長(音価)のデータの列で
構成される。自動作曲に際し、CPU6はこのモチーフ情報
からそのモチーフを特徴づけるパラメータ(モチーフ特
徴パラメータ)を抽出することになる。
上記コード進行メモリ3には、コードネームの列で表現
されるコード進行情報が格納される。コード進行情報
は、入力装置1より、ユーザーが逐次、コードを指定し
て入力してもよく、あるいは、大ざっぱな指定(例えば
楽曲の形式の指定)に応答して、CPU6がコード進行を自
動生成するようにしてもよい。コード進行の自動生成
は、例えば、基本的なコードパターン(多用されるコー
ドパターン)の連結、あるいは許されるコード相互の連
結によって可能であり、連結の論理としては、例えばマ
ルコフ連鎖のモデルが使用できる。ただし、コード進行
がユーザーにより直接的に指定されるか、マシンにより
自動的に生成されるかは本発明にとって重要なことでは
ない。
コード構成音メモリ2には各種のコードの構成音(コー
ドメンバーの音高データ)が格納されており、本例の場
合、上記コード進行メモリ3の各アドレスの内容(コー
ドネーム)より、コード構成音メモリ2上の特定のコー
ド構成音データの格納エリアが指定されるようになって
いる。CPU6は、自動作曲の際、コード変更のタイミング
ごとに(例えば1小節ごとに)、コード進行メモリ3の
アドレスを進め、その内容であるコードネームからコー
ド構成音メモリ2上のアドレスを算出し、コードを構成
する各音高データを読み出す。
一方、パラメータBメモリには、曲想を変化させるため
のパラメータBが記憶されており、自動作曲の際、CPU6
は、このパラメータBと、上記モチーフ特徴パラメータ
と、楽曲進行区間変数(例えば小節番号)とに依存する
パラメータCを進行区間別に生成する。このパラメータ
Cの生成に関しては後で詳述するが、生成するメロディ
を制御もしくは特徴づける性質をもっている。生成され
たパラメータCはパラメータCメモリに格納される。
ワークメモリ7には、CPU6が自動作曲するプロセスにお
いて生成する中間データ(例えば、加工中のメロディデ
ータ)などが記憶される。
メロディデータメモリ10には完成された曲を構成するメ
ロディデータが記憶される。
完成された曲は必要に応じて、モニター11に出力するこ
とができる。例えば、楽音形成回路14、サウンドシステ
ム15を通して試聴することができる。また、五線譜プリ
ンタ13より、楽譜の写しを得ることができる。
モニター11を通じて使用者は、部分的に曲を修正するこ
とを望む場合がある。本実施例においては、このような
場合、CRT12と入力装置1を介して、ユーザーは修正を
要求することができ、インターラクティブな形式で修正
が実行される。修正されたデータは学習データメモリ9
に知識として蓄積される。後の自動作曲に際し、CPU6は
この知識を利用して、メロディを生成する。
外部記憶装置16は、完成した曲のバックアップコピー
や、学習した知識、その他の写し、あるいは、代りとな
る自動作曲プログラムの資源として利用される。
〈自動作曲機能〉 次に本実施例に係る自動作曲機の全体的な機能につい
て、第2図を参照して説明する。同図において、頭文字
Iで始まる符号で参照されるブロックは情報もしくは情
報源を示している。例えば、I1はモチーフ情報であり、
第1図でいえば、モチーフメモリ4に記憶される情報で
ある。I2はパラメータBで、これは、第1図のパラメー
タBメモリに入っている情報である。また、I3はコード
進行情報であり、これは第1図のコード進行メモリ3か
ら与えられる情報である。I4は生成されたメロディであ
り、これは第1図のメロディデータメモリ10に格納され
る。一方、頭文字Fで始まる符号が指示するブロックは
自動作曲の各機能を示している。図に示すように、主な
機能として、モチーフ情報を評価するモチーフ評価機能
F1、その評価結果からモチーフパラメータを抽出するモ
チーフパラメータ抽出機能F2、モチーフパラメータ抽出
機能F2からのモチーフ特徴パラメータとコード進行情報
に基づいてメロディを発生するメロディ発生機能F3があ
る。さらに、生成されたメロディI4を、使用者によるモ
ニタリングD1を通じて必要な部分を修正し、学習する修
正学習機能F4とその学習によるパラメータ変更機能F5を
含んでいる。
詳細に述べると、上記評価機能F1は本例では、モチーフ
に含まれる非和声音を抽出する非和声音抽出機能となっ
ており、各種の非和声音を抽出することができる。ここ
では、先取音抽出21、倚音抽出22、ししゅう音抽出23、
経過音抽出24、装飾音抽出25及びその他の非和声音抽出
26により各種の非和声音が抽出される。なお、各抽出21
〜26が抽出する非和声音として「先取音」、「倚音」、
などが挙げられているが、ここの「先取音」、「倚音」
の意味は、和声学上の「先取音」、「倚音」と完全に同
一である必要はない。別のいい方をすれば、和声学にお
ける各非和声音の名称については音楽学者毎に多少の相
違が見受けられ、定義についても楽曲のジャンルや時代
の流れによって変化しており自然言語ほどではないにし
てもあいまい性があり、コンピュータ上で要求される定
義を満たし得ない。したがって、正確にいえば先取音抽
出21は第1種の非和声音(先取音とみてよいような非和
声音)を抽出する機能をもち、倚音抽出22は第2種の非
和声音を抽出する機能をもち、以下、同様に第3種、第
4種……ということである。評価機能F1内の最後の機能
として、HDi(モチーフデータ)に各非和声音に対応す
る定数(非和声音識別子)を代入する機能27が示されて
いるが、この機能は、各非和声音抽出機能21〜26内に組
み込むことができる。
以上の評価機能F1は、モチーフ情報I1からそのモチーフ
を特徴づけるパラメータを抽出する際の前処理的な機能
であり、その意味で、モチーフパラメータ抽出機能F2の
一部とみることもできる。
第2図に従うと、モチーフパラメータ抽出機能F2は、モ
チーフ評価機能F1の評価結果(この場合、モチーフのど
こがどの種類の非和声音になっているかを示す非和声音
識別情報付のモチーフデータ)から、モチーフを特徴づ
けるパラメータを抽出する。本図では、モチーフパラメ
ータ抽出機能F2には、各非和声音の数を抽出する機能3
1、モチーフに含まれる和声音の総数と非和声音の総数
を抽出する機能32、モチーフの和声音(分散和音)の型
のパラメータを抽出する機能33、及びモチーフのなめら
かさのパラメータを抽出する機能34が含まれている。
ここで、モチーフの評価機能F1とモチーフパラメータ抽
出機能F2が実行する「抽出区間」の単位について簡単に
説明する。この抽出区間の単位は、モチーフ(入力メロ
ディ)の所定の区間である。例えば、モチーフ(入力メ
ロディ)が1小節を単位として変化するコード進行に沿
うフレーズをもつとみてよい場合(多くの場合、これは
成立する)には、1小節を抽出区間の単位とすることが
できる。このような場合、モチーフがN小節の長さをも
つとすれば、第1、第2……第N小節の各区間につい
て、機能F1、F2により、評価、抽出が行われる。説明の
便宜上、以下の説明では、特にことわらないかぎり、モ
チーフの長さは1小節とし、かつ、曲の最初の小節と
し、機能F2は、この第1小節のモチーフを特徴づけるパ
ラメータ(後述するパラメータPAj)を抽出するものと
する。
一方、メロディ発生機能F3の方にも、メロディを発生制
御する「区間」(曲の「進行区間」)の概念が存在す
る。例えば、コード進行情報I3が1小節を単位とするコ
ードの列(例えば、i小節はC、i+1小節はC、i+
2小節はF、i+3小節はG)であるとすると、上記の
「進行区間」として「1小節の長さ」が使用できる。
メロディ発生機能F3のうち、パラメータC演算機能F31
は、この「進行区間」を単位とするパラメータCを生成
するところである。パラメータCは上記モチーフパラメ
ータ抽出機能F2より与えられるモチーフ特徴パラメータ
に依存する性質と「進行区間」(例えば小節番号)に依
存する性質を有している。数学的にいえば、パラメータ
CをPC、モチーフ特徴パラメータをPA、曲の「進行区
間」の番号をiで表わすと、パラメータCはPC=f(P
A、i)で表わすことができる。PC=f(PA)の関係
は、モチーフパラメータPAによって特徴づけられるモチ
ーフのエッセンスが、曲の全体に反映されることを示唆
している。また、PC=f(i)の関係は、曲の進行区間
ごとに、パラメータCが決められる(割り当てられる)
ことを示唆している。パラメータ演算機能F31が発生す
るパラメータCは、第2図に示すように、メロディ発生
機能F3の残りの要素、すなわち、分散和音発生機能F32
と非和声音付加機能F33に与えられ、メロディの発生を
制御するパラメータとして使用される。換言すれば、パ
ラメータCは生成するメロディを制御、もしくは特徴づ
けるパラメータ(生成メロディ特徴パラメータ)であ
る。
第2図においては、パラメータC演算機能F31はパラメ
ータCの演算のために、上記モチーフ特徴パラメータ、
進行区間番号i以外に、パラメータB(第1図のパラメ
ータBメモリ5に入っている情報)も使用するようにな
っている。パラメータBメモリ5は、パラメータCの形
成との関係でいえば、「データ圧縮」として機能するも
のである。すなわち、パラメータCを形成する構成(生
成メロディ特徴パラメータ発生手段)は、モチーフ特徴
パラメータPAによって、パラメータCのデータベース
{f(i)}のなかから、PAに合ったものを選択する構
造も可能であるが、そうすると、iごとに値を用意する
ために、非常に大きな記憶容量を必要とする。要する
に、本実施例の場合、パラメータBメモリ5は生成メロ
ディ特徴パラメータ発生手段の一要素である。
分散和音発生機能F32は、完成されるメロディのうち、
分散和音を発生するところである。その構成要素の1つ
であるコード構成音の読み出し機能41は、コード進行情
報I3に従って、コード構成音メモリ2(第1図)から対
応するコード(和音)の各構成音を読み出すところであ
る。次の要素であるコード構成音の転回機能42は上記機
能41の読み出したコード構成音を進行区間(例えば小節
区間)ごとに決められたパラメータC(コード転回のパ
ラメータ等)に従って、コード転回を実行するところで
ある。この機能42は、主として各進行区間内の音域を制
御する。さらに、分散和音発生機能F32には、MEDi(和
声音)を直前の音から決定する機能43や、分散和音の型
(パターン)を修正する機能44などが含まれる。分散和
音発生機能F32が発生する分散和音は、コード進行を守
るものであり、さらに、進行区間ごとに、パラメータC
により制御されたパターンをもっている。
非和声音付加機能F33は、上記分散和音発生機能F32から
与えられる分散和音の間に非和声音を配置、付加すると
ころである。図示の例では、倚音付加機能51、経過音付
加機能52、ししゅう音付加機能53、装飾音付加機能54が
ある。ここでも「倚音」、「経過音」、「ししゅう
音」、「装飾音」の名前は、便宜上のものであり、正確
にはメロディ発生における第1種、第2種、第3種、第
4種の非和声音と呼ぶことができる。1つの重要な点
は、各機能51〜54は、それぞれ機能内において定義され
た非和声音付加のルールを、進行区間ごとに与えられる
パラメータCに従って適用することである。例えば、パ
ラメータCが倚音付加を禁止している場合には、倚音付
加機能51は、結局のところ、倚音は付加しない。また、
倚音をつける数もパラメータCによって制御できる。つ
まり、各機能51〜54は、パラメータCによって制御され
た非和声音付加を実行する。もっとも、一義性を避け、
ランダム的な要素を導入することは自由であり、好まし
い。ランダム(変動)導入機能は、各非和音の付加機能
51〜54内に組み込んでもよいし、あるいはパラメータC
演算機能F31内に組み込んでもよく、あるいは、両者間
で適当なトレードオフ(ランダム導入機能の分担)を行
ってもよい。
第2図の非和声音付加のブロックF33内には音長修正55
の機能ブロックも描いてある。音長修正機能55は、各進
行区間(例えば1小節)の長さを決められた長さに調整
するために、メロディの各音の音長(音価、時価)を修
正するところである。
上記メロディ発生機能F3が進行区間ごとに生成したメロ
ディはメロディデータメモリ10(第1図)に格納され
る。なお、モチーフは本例では曲の冒頭(第1小節目)
のメロディであり、メロディ発生機能F3が発生するメロ
ディはこのモチーフのメロディに続くメロディである。
したがって、後の処理の便宜上、メロディデータメモリ
10には、モチーフデータを先頭部とする形式で曲のメロ
ディデータが配列される。
第2図では、以上の自動作曲機能により自動作曲された
メロディを符号I4で示してある。この完成した曲に対し
て、ユーザーはモニタリングD1により、試聴などを行う
ことができる。モニタリングD1の結果、ユーザーは生成
された曲に満足(O.K)であれば、その曲のデータは何
らの修正も行われない。しかし、不満足な箇所があれ
ば、ユーザーは、その区間を入力装置1(第1図)によ
り自動作曲機に指定することができる。これに対し、自
動作曲機はその区間を「学習」するとともに、その区間
のどのパラメータをどのように変換したいかなどの質問
をCRT12などを通してユーザーに問い合わせる。この場
合の質問の内容はユーザーにとって理解しやすい形式で
あるのが望ましい(後述するように、本実施例ではその
ために主観/客観のパラメータ変換機能をもってい
る)。自動作曲機からの問い合わせに対し、ユーザーは
希望するパラメータを指定し、自動作曲機は、その指示
内容を学習する。第2図の修正・学習機能F4は以上の学
習を行うところであり、学習した結果(どの区間をどの
パラメータに変更するかという内容)は知識として学習
データメモリ9(第1図)に蓄積される。
後に入力されるモチーフに対し、自動作曲機は学習によ
るパラメータ変更機能F5を起動することにより、ユーザ
ーの希望に沿うかたちでメロディを生成する。すなわ
ち、ユーザーの希望した区間では、パラメータC演算機
能F31が演算する結果より、学習によるパラメータ変更
機能F5が提供するパラメータの方が優先されてメロディ
が生成されることになる。結果として、生成されるメロ
ディはユーザーの好みを反映したものになり、学習の成
果が発揮される。なお、この学習機能は、まったく違っ
た傾向の曲を作成する際には適用しない方がよい。この
目的のため、例えば、ユーザーからの曲風指定が入力装
置1(第1図)から与えられた場合、その指定に係る曲
風に割り当てた学習機能の部分を作動することができ
る。ごく皮相的にいうと、上記の部分的、分野別の学習
機能は、ワードプロセッサにおける熟語等の学習機能と
共通した側面をもっている。もちろん、実体は全く異な
っている。
〈予備事項〉 以下、実施例の詳細な動作説明に入るが、その前に予備
的な事項について説明する。
まず、以下の説明では、特記しない限り、音高に対する
データ(音高データ)の割り当ては第3図のbに示すも
のを使用する。すなわち、半音上がるごとに値がプラス
1になる連続する整数値を音階の各音高に割り当てたも
のである。なお休符は値ゼロで表現する。これ以外に、
いくつかの音高データの割り当てが可能であり、その一
例を第3図のaに示してある。
また、音長(音価)の最小単位は16分音符とする。すな
わち、16分音符の音長データは1であり、その2倍の8
分音符の音長データは2である。
また、「抽出区間」や「進行区間」の単位は1小節とす
る。これに関連し、コード進行情報も1小節当り1コー
ドとする。
さらに、モチーフ(入力メロディ)の長さも特記しない
限り、1小節とする。
また小節の長さも、小節番号によらず同じ長さであるこ
とを想定する。
説明の便宜上、各コードは、4つの音高から成るとす
る。ここでは、コードとして独立の4声の和音、例えば
(ド、ミ、ソ、シ)のCメジャーセブンスのようなタイ
プと、そのうち2声がオクターブ差になる3和音(トラ
イアド)のタイプがある。したがって、(ド、ミ、ソ)
の3和音は、本例では としている。これに関連し、コード構成音メモリ2の各
コードエリアは4つあり、各アドレスに、各構成音の音
高に対応する値が入っている。例えば、 の場合は、(1、5、8、13)のデータになっている。
以上の前提は、説明の便宜のためにすぎず、単なる例示
的前提である。
第4図は、動作説明の為の入力データ例である。第4図
(1)に示す楽譜は、以下の動作説明で例として挙げる
モチーフである。第4図の残りは自明な記載なので、こ
こでは説明を省略する。
第5図には、形成されたメロディの例を示してある。上
方に示す楽譜のうち、第1小節目が入力されたメロディ
(モチーフ)であり、第2、第3、第4小節のところ
は、自動作曲機により自動生成されたメロディを示して
いる。第2、第3、第4小節の下に示す、Fmaj、G7、C
majは、コード進行の第2小節、第3小節、第4小節の
各コードを示している(第4図(3)も参照のこと)。
第5図の下半分に示す楽譜は自動作曲機に修正学習を行
なわせた後、再度、同じモチーフに対して自動作曲機が
生成したメロディである。図より、第2小節目が修正さ
れていることがわかる。
第6図は以下のフローチャートで使用する主な変数のリ
ストを示す図である。自明な記載であるので、ここでは
説明を省略する。
以上で、予備的な事項の説明を終え、いまから詳細な動
作説明に入ることにする。
〈非和声音抽出〉 第7図に、非和声音抽出のフローを示す。図中、iはモ
チーフデータの番号を示す変数である。7−2では、i
番目の音(正確にはモチーフ小節内のi番目のノート)
に関して、同小節内の後ろにある音符の数を計算し、変
数AFTに設定する。同様に、小節内の前にある音符の数
を計算し、変数BEFに設定している。7−3では、着目
しているi番目の音を中心として、その前後にある隣り
合う音の高さの差(音程)を出している。例えば、a1に
は、着目しているi番目より2つ後にある音の高さMDi
+2から1つ後にある音の高さMDi+1を引いた値(両
音高の差)が設定される。ただし、7−4〜7−9のプ
ロセスで、休符(値はゼロ、第3図参照)の前後で非和
声音が抽出されないように、片方のMD(モチーフ音高)
がゼロ(休符)の場合には対応する変数aに特別な値を
入れている。7−4〜7−9は各非和声音の抽出プロセ
スであり、処理の順序は図示通りである必要はない。原
理的にはどの順番で処理してもよい。この7−4〜7−
9でi番目の音(あるいはその前後の音)が非和声音か
どうか検査され、各抽出処理における抽出条件を満足す
れば、対応する種類の非和声音として識別される。理解
の助けとして、第7図の右方に、各抽出処理で抽出され
る非和声音の例を譜面中、矢印で示してある。つまり、
矢印の示す音符が対応する種類の非和声音である。
7−10でモチーフ小節内音符番号iをひとつ進め、その
値がモチーフ小節に含まれる音符の総数Noを超えるま
で、7−2以下の処理を繰り返す。したがって、7−1
〜7−11の処理をひと通り実行することにより、一小節
分のモチーフに含まれる各種の非和声音が抽出されるわ
けである。
7−4〜7−8の各抽出処理の詳細は、それぞれ、第8
図〜第12図に示してある。例えば、第8図は先取音抽出
処理の詳細である。もし、着目している音(ここではi
番目の音)が小節内の最後の音であり(AFT=0が
真)、かつその音が次小節の最初の音と同じ高さである
(a2=0が真)ならば、その音は第1種の非和声音(先
取音)である。これが、8−1〜8−3の意味するとこ
ろである。
すなわち、 (i)もしAFTがゼロであり、かつ (ii)もしa2がゼロであれば (iii)MDiは第1種の非和声音である。
この記述に従えば、上記の(i)と(ii)はルールの前
提部(IF部、LHS)であり、(iii)はルールのアクショ
ン部(行動部、結論部、RHS)である。
別のいいかたをすれば、上記のルール((i)〜(ii
i))は、本例における第1種の非和声音を定義したも
のである。
したがって、ルールを変更もしくは修正することによ
り、第1種の非和声音の定義を更新することができる。
インプリメンテーションのレベルでいえば、第8図のフ
ロー(ルール(i)〜(iii))は、手続型のプログラ
ミング言語で記述することもできるし、あるいはルール
ベースシステムなどにおけるルールとしても記述でき
る。後者の場合、ルールの更新、改良が容易となり好ま
しい。したがって、例えば、論理型プログラミング言語
でも表現できる。
ルールの見方からすれば、他の抽出処理7−5〜7−9
も同様である。すなわち、第9図の9−1〜9−7は第
2種の非和声音のルールもしくは定義であり、第10図の
10−1〜10−11は第3種の非和声音のルールであり、第
11図の11−1〜11−11は第4種の非和声音のルールであ
り、第12図の12−1〜12−16は第5種の非和声音のルー
ルである。
いずれにしろ、CPU6(第1図)は各図のフローに従って
処理を実行し、抽出条件が成立すれば、関係するモチー
フ音高データを非和声音として認めることになる。
なお、第9図〜第12図のフローチャートは自明な記述で
あるので、個々の詳細な説明は省略する。その代りに、
理解を助けるために、第5図に示す1小節用のモチーフ に対して、どのような抽出がなされるかについて簡単に
説明してみる。
この例では、モチーフの音符の総数は5であり、最初の
音は「ド」(MD1=1)である。したがって、この一番
目の音のとき、第7図の7−2において、AFT(小節内
の後ろにある音符数)は4であり、BEF(小節内の前に
ある音符数)はゼロである。したがって、先取音抽出処
理(第8図)でAFTがゼロでないので、先取音とは認め
られない。倚音処理(第9図)では、AFTとBEFの判断は
通過するのが次のa2(9−4)では、a2=MD2−MD1=ミ
ード=5−1=4であるため通過しない。ししゅう音処
理(第10図)では、AFT、BEFによる判断は通過するがa2
が4であるために通過しない。第11図の経過音、第12図
の装飾音の処理でも同様である。結局、一番目の音
「ド」はいずれの非和声音にもならない。
iをインクリメントして、2番目の音「ミ」について同
様の抽出検査を行う。ここでも、「ミ」は非和声音では
ないと判断される。
i=3のとき、すなわち、3番目の音「ファ」に対する
動作を追ってみよう。このとき、AFT=2、BEF=2、 a2=2(=ソ−ファ)、a3=1(=ファ−ミ)、a4=4
(=ミ−ド)である。
先取音処理では、a2はゼロでないためスキップ(不成
立)、倚音ではa3が1であるためスキップ、ししゅう音
ではa2=2であるが、a3=1であるためにスキップす
る。経過音処理では成立する。すなわち、a2=2、a3=
1であるから、11−1→11−2→11−3から11−4→11
−7に進み、ここでAFT=2であるが、a1=5であるた
め、11−7から11−8、11−8から11−9に進み、ここ
でBEF=2であるがa4=4であるため、11−9から11−1
0、11−10から11−11と進み、MDi(ここでは3番目の音
高MD3であるファ)が非和声音であることが認められ
る。装飾音処理では不成立。結局、3番目の音「ファ」
は経過音と判断される。
4番目以降の音については説明を省略する(結果は不成
立)。
第9図から第12図に示す各非和声音の抽出処理のアルゴ
リズムもしくはルールは例示にすぎない。当業者はこの
発明の示すところから他の定義、ルールを容易に作成す
ることができる。例えば、所望であれば、前後にある隣
り合う音高の差の条件以外に、音長比、強拍/弱拍など
の条件を付加することができる。1つの指標は、音楽的
知識を十分もちあわせていないユーザーからのモチーフ
(メロディ)入力に対し、妥当とされる非和声音抽出ル
ールを与えることである。さまざまなモチーフに対して
も、抽出成功率の高いルールが望ましい。
〈モチーフパラメータ抽出〉 上述の非和声音抽出機能により、ユーザーの入力したモ
チーフに関して、その非和声音の評価が行われた後、モ
チーフパラメータ抽出機能により、そのモチーフを特徴
づけるパラメータが抽出される。以下、モチーフパラメ
ータ抽出について詳細に説明する。
第13図はモチーフパラメータ抽出を含む処理のフローチ
ャートである。図中、13−1〜13−4に示す処理がモチ
ーフパラメータ抽出処理である。13−6はパラメータC
を演算もしくは発生する処理であり、これについては別
の項で詳述する。また13−7は学習によるパラメータ変
更処理であり、これについても別の項で詳述する。
モチーフパラメータ抽出処理13−1〜13−4では、モチ
ーフメモリ4(第1図)にあるモチーフ音高データを、
パラメータ抽出のために、ワークメモリ7上において処
理する。例えば、モチーフ音高データの変数MDiの代り
に、各種非和声音の識別値を有する変数HDi(または、
レジスタ)が使用される。
第14図は第13図の処理13−1の詳細であり、モチーフの
うち非和声音であるものに対してはそれぞれ固有の定数
を代入し、和声音に対しては音高データをそのままにし
ておくフローである。第14図において、iはモチーフの
小節におけるi番目の変数である。第14図のフロー14−
1〜14−16はそれ自体で明白な記述であり、この記述を
もって、明細書の説明に代える。したがって、その詳細
な説明は省略する。
代りに、第5図の1小節目に示すモチーフに対する処理
結果を述べることにする。〈非和声音抽出〉のところで
述べたように、このモチーフ(ド、ミ、ファ、ソ、 数値表現では第3図のbからわかるように、MD=1、MD
2=5、MD3=6、MD4=8、MD5=13となる)に対しては
3番目の音「ファ」だけが非和声音、特に経過音であ
り、他の音は非和声音ではないと判断されている。した
がって、第14図の処理を実行した結果は、HD1=1、HD2
=5、HD3=−40(経過音の識別値)、HD4=13となる。
なお、この第14図の処理は、実際には、非和声音抽出の
段階で行うことができる。
後の理解の助けとして覚えておいて欲しいことは、HDi
が正ならその値が和声音の音高を示していること、HDi
がゼロならi番目のモチーフの音符は休符であること
(第3図のb参照)、HDiが負ならその音は非和声音で
あり、その値が非和声音の種類を表わしているというこ
とである。
第15図は第13図の処理13−2の詳細であり、モチーフに
含まれる各非和声音の数をモチーフパラメータとして抽
出するフローである。図中、PAjがモチーフを特徴づけ
るパラメータ(パラメータAと呼ぶこともある)もしく
はそのパラメータを格納するレジスタを示している。15
−1から15−4まではこれらのパラメータAの初期化で
ある。次の15−5から15−12までの処理により、PA1に
は、モチーフ(1小節分)に含まれる先取音の数が、PA
2にはモチーフに含まれる倚音の数が、PA3にはモチーフ
に含まれるししゅう音の数が、PA4にはモチーフに含ま
れる経過音の数が、PA5にはモチーフに含まれる装飾音
の数が、PA6にはその他の非和声音の数が格納されるこ
とになる。
第16図は第13図の処理13−3の詳細であり、1小節分の
モチーフに含まれる非和声音の総数と、和声音の総数を
算出するフローである。図示の16−1から16−8までの
処理を実行することにより、PA7にはモチーフに含まれ
る音符数が、PA8にはモチーフに含まれる和声音の総数
が、PA9にはモチーフに含まれる非和声音の総数が格納
されることになる。
第17図は第13図の処理13−4の詳細であり、モチーフ
(入力メロディ)が示す分散和音の型(和声音の時系列
のパターン)のパラメータを抽出するフローである。こ
こでの処理の目的は、モチーフの流れに沿って分散して
いるそれぞれの和声音が、そのモチーフ全体の和声音の
集まりのなかで何番目の音高であるかを知ることであ
る。副次的目的は、何番目の音符が休符になっているか
を知ることである。図中、ONPUで示す変数は本自動作曲
機で使用される音域(システム音域)を表わすもので、
入力されるモチーフの音域を包含するように決められて
いる。
図示のフロー17−1〜17−16では、システム音域の一番
下の音高から、順にその音(和声音)がモチーフに含ま
れているかどうかを調べ、ある場合にのみ和声音高番号
の変数Mをインクリメントして、LLiの値としている。
また、HDiがゼロのとき、すなわちi番目のモチーフデ
ータが休符のときにはそのLLiをゼロとして、i番目の
モチーフデータが休符であることを記憶している。ま
た、HDiが負のとき、すなわち非和声音の音符に対して
はスキップしている。
第17図のフローの右上方にこのフローの処理結果の一例
を挙げている。この例では、モチーフの一番目の音(HD
1で示してある)は和声音で、図示のモチーフのなかで
は一番高い和声音になっている。2番目の音HD2は非和
声音である。3番目の音HD3は和声音(モチーフの2番
目に現われる和声音)だが、最初の和声音より低い音高
の和声音である。モチーフの4番目の音符HD4も和声音
(モチーフの3番目に現われる和声音)だが、さらに低
い音高となっている。モチーフの5番目HD5は休符であ
る。モチーフの6番目(この場合最後)の音符HD6は和
声音であり、モチーフのなかで4番目の音符と同じく、
最低の音高になっている。この図からわかるように、モ
チーフの和声音の流れは、全体として下行のパターンを
もっている。第17図のフローの結果はこのモチーフ例に
対して次のようになる。まず、HD5に対してはそのLLiと
して休符を示すゼロが割当てられる。HD4に対してはそ
のLLiとしてモチーフのなかで最低音の和声音であるこ
とを示す1が割り当てられる。HD6に対しても同様であ
る。HD3にはそのLLiとしてモチーフのなで下から2番目
の高さの和声音であることを示す2が割り当てられる。
HD2は非和声音であり、LLiは割り当てられない。HD1は
モチーフに含まれる和声音のなかで最高音であり、下か
ら数えれば3番目の和声音高なので、そのLLiには3が
割り当てられる。つまり、HD1(1番目の和声音)のLL1
は3、HD3(2番目に現われる和声音)のLL2は2、HD4
(3番目に現われる和声音)のLL3は1、3番目の和声
音に次いで休符がきてLL4は0、その次の和声音HD6のLL
5は1となり、モチーフの和声音の流れ、または型(こ
こでは休符も含む)が特定されたことになる。すなわ
ち、{LL}=(LL1、LL2、LL3、LL4、LL5)=(3、
2、1、0、1)が得られる。
この和声音(分散和音)の型のパラメータはPAの形式で
は示していないが、これもモチーフを特徴づけるパラメ
ータである。この型を後で詳述するメロディ生成におい
て、なんらの変更も加えることなく使用すれば、非常に
反復性に富む統一性の高いメロディが生成されることに
なる。
なお、第5図のモチーフ に対しては、1番目に現われる和声音ドのLL1=1、2
番目に現われる和声音ミのLL2=2、3番目に現われる
和声音ソのLL3=3、4番目に現われる和声音 のLL4=4となる。これは上行のパターンである。
第18図は第13図における処理13−5の詳細であり、モチ
ーフのなめらかさの度合(跳躍の度合)を求めている。
図示の例18−1〜18−7では、モチーフにおける隣り合
う和声音のLLの差を調べることにより、なめらかさの値
を求め、PA10に設定している。特にこの例では、隣り合
う和声音のLLの差のうち最大値をPA10の値としている。
上述した第14図から第18図に示すアルゴリズムは単なる
例示にすぎない。当業者には、本発明の開示するところ
に従い、他のアルゴリズムを容易につくることができ
る。要するに機能的に同等もしくは類似のものが使用で
き、CPU6等により、所要の機能が実現されるものであれ
ばよい。
さらに、上述した以外のモチーフ特徴パラメータ(例え
ばリズム関係のパラメータ)を抽出するようにしてもよ
い。以上で、モチーフ特徴パラメータの説明を終える。
メロディ発生 メロディ発生機能F3(第2図)は、上述したようなモチ
ーフ特徴パラメータと、コード進行情報とに基づいてメ
ロディを自動生成する機能である。
本実施例においては、メロディ発生機能は大きく分け
て、生成するメロディを制御、または特徴づけるパラメ
ータCを演算する機能と、与えられたパラメータCに従
って、具体的にメロディを発生する機能とから成ってい
る。後者の機能はコード進行情報を参照して進行中のコ
ードについての分散和音を発生する機能と、分散する和
声音の前後あるいは間に非和声音を付ける機能から成
る。
〈パラメータCの発生〉 パラメータCの発生機能はメロディ発生機能F3の一部を
成すものであるが、その詳細な説明に入る前に、いった
ん、実施例を離れ楽曲の基本的な性質について簡単にレ
ビューしてみよう。
一般に、楽曲には、統一性と多様性があるとされる。例
えば、反復性の強いメロディはよく統一されたメロディ
である。例えば、メロディの音域が時間の流れに従って
変化するときなど、多様性が発現する。時間性とかかわ
って、統一性、多様性が存在する。もちろん、楽曲によ
り、統一性と多様性の度合はさまざまである。ある楽曲
では統一性が強調され、ある楽曲では時間とともにメロ
ディが流転し続けることもある。しかし、完全にランダ
ムな音価と音高の列はいまだ、そしておそらく今後も、
音楽的な意味における楽曲と評価されることはありそう
にない。ある面からすれば、音楽は喜怒哀楽の表現であ
り、完全に無秩序でなんらの規則性も存在しない音の列
は無意味である。
この発明では、コード進行に沿うメロディを発生してお
り、これにより1つの秩序性を導入している。
さらに、この発明では、ユーザーから入力されたモチー
フからそのモチーフを特徴づけるパラメータを抽出し、
そのパラメータに基づいてメロディを発生している。こ
れにより、生成される楽曲にモチーフが反映され、エッ
センスが保たれる。
楽曲における統一性、多様性は上述したように時間と深
く係っており、例えば前に流れたフレーズがそのままの
かたちであるいは変更されつつもなんらかの意味で類似
性をもって再び流れ出す、といったことはよく経験する
ところである。したがって、比較的長い音楽的時間(例
えば1曲の長さ)にわたり、まったく変化しない規則に
よってメロディの生成を制御することは、一般に不利で
あり、よい結果をもたらさないといえる。本自動作曲機
はこの点についても配慮されている。すなわち、本自動
作曲機にあっては、作曲する曲を適当な長さの「区間」
に分け、区間別にメロディを制御するためのパラメータ
Cを割り当て、それぞれの区間に割り当てられたパラメ
ータCにより、それぞれの区間のメロディを発生してい
る。特に、本実施例では、この区間の長さとして、1小
節を選んでいる。
区間番号をiとすればパラメータC(PC)は、区間番号
の関数である。いいかえれば、パラメータCは区間番号
に依存する値をもつ(パラメータCの第1の性質。実を
いうと、コード進行情報にも同様の性質がある)。
さらにモチーフを特徴づけるパラメータにもパラメータ
Cは依存する(パラメータCの第2の性質)。この場
合、モチーフ特徴パラメータは区間番号に関係なく、す
なわち生成する曲の全体にわたり、パラメータC内に組
み込むことができる。
さて、第19図には、パラメータのマップ例が示されてい
る。〈モチーフパラメータA〉の欄に示すのは、上述し
た第15図から第18図に関するモチーフパラメータ抽出処
理により得られるモチーフ特徴パラメータの例である
(ただし、和音型のパラメータLLiはこの欄に示してい
ない)。〈メロディ生成パラメータC〉の欄にはパラメ
ータCの例が示されている。パラメータA群とパラメー
タC群を結ぶ矢印付点線は、一方のパラメータAが矢印
の指すパラメータCに反映されることを意味している。
なお、矢印付点線による結合関係は例示である。パラメ
ータCのなかには、パラメータAに依存しないものも存
在する。この理由の1つは、本実施例ではモチーフは1
小節程度の短い長さにしており、必要以上に多くのパラ
メータもしくは信頼性の低いパラメータを抽出していな
いことによる。
第19図には、〈パラメータB〉も示されており、ここで
は、振幅パラメータPBa、周期パラメータPBf、DCパラメ
ータPBdが挙げられている。このようなパラメータB
は、パラメータCを発生する手段を演算型(本実施例は
演算型である)で構成するときに情報源として利用でき
る。
この場合、パラメータCは、区間番号(例えば小節番
号)i以外に、PBa、PBf、PBd、PA(パラメータA)の
うち少なくとも1つを変数として、「演算可能」な関数
として定義される。
すなわち、パラメータCをPCで表わすと、PCは、 PC=f(i、PA、PBa、PBf、PBd) の形式で表現される。ただし、具体的には、あるPCはPC
=f(i、PA)、あるPCはPC=f(i、PBd)などのよ
うになり、あるパラメータには依存しないことになる。
第20図にはパラメータCの特性例が示されている。横軸
は楽曲の進行方向(小節番号とみてもよい)である。
(a)はサイン型1である。このタイプのパラメータC
はcosineあるいはsineを含む演算で発生することができ
る。例えば、 PC=cos(i×2π/PBf)×PBa (iは小節番号)の形式で与えられる。
第20図の(b)もサイン型2であるが、非負のPC=であ
る。このタイプは、例えば、 PC=|cos(i×2π/PBf)×PBa| の形式で与えられる。同じことだが、 F=cos(i×2π/PBf)×PBa を演算し、F0ならPC=F、F<0ならばPC=−Fと
する演算規則でもよい。
第20図の(c)は周期ピーク型のパラメータの例であ
る。このタイプは、例えば、 F=i MOD PBf(iをPBfで割った余り) を演算し、Fがゼロ(周期PBfで割り切れる場合)なら
ばPC=定数、FがゼロでなければPCは別の定数値(例え
ばPA)にすることで得られる。
第20図の(d)はDC型である。このタイプの演算は説明
は要しない。
第20図の(e)は区分型の例である。ここでは、周期ピ
ーク型に、ある区間(例えばサビの区間)だけ、別の演
算を使用している。このタイプは例えば、上記の周期ピ
ーク型の演算例に加え、N1<i<N2が成立するならば、
iの区間用の関数を演算し、その結果をPCとすることで
得られる。なお、N1<i<N2以外の区間は、周期ピーク
型に限られないことはもちろんである。
第20図の(f)は周期ランプ型の例である。このタイプ
は例えば、F=Ki(Kは定数)を演算し、 (N+1)×PBf>F>N×PBf 満足する整数Nを求め(N=INT(F/PBf))、 F−N×PBf=Ki−N×PBf を演算し、その結果をパラメータCの値とすることで得
られる。上記(a)から(f)の特性は、演算により生
成の容易なパラメータCの一例にすぎない。またパラメ
ータCを構成する成分、要素であってもよい。すなわ
ち、(a)から(f)に例示する各型を適当に組み合わ
せたものをパラメータCの値とすることができる。例え
ば、周期の異なるサイン型同士の組み合わせ、サイン型
とDC型の組み合わせ、サイン型と周期ピーク型の組み合
わせなど、数え挙げればきりがない。ちなみに、第22図
にはPC2(生成メロディの和声音数のパラメータ)とPC8
(生成メロディのなめらかのパラメータ)に関する演算
例を、また第22B図には成分パラメータ(PBf2、PBa2、P
Bd2、PA8)の種々の値に対し、PC2が小節番号iにより
変化する様子を示している。
演算型の利点の1つは記憶容量の節約である。演算型は
本実施例で採用している方式であり、本実施例では、第
1図のCPU6が、モチーフ特徴パラメータと、パラメータ
Bメモリ5からのパラメータBを使用して、各パラメー
タCを小節単位で発生する。これが、第13図の処理13−
6の内容である。
これに対し、第20図の(g)に示すパラメータCの特性
例は、演算型には不向きであり、例えば、モチーフ特徴
パラメータにより、パラメータC(i)(曲の各小節を
制御するパラメータの列)を格納しているパラメータC
のデータベースから適当なパラメータC(i)を「選
択」することにより実現される。
いずれにしても、パラメータCは第1の性質をもってお
り、このことは第20図の例からも明白である。すなわ
ち、パラメータCは、楽曲の進行区間(フローを実行す
る実施例では小節)ごとに割り当てられた値をもつもの
である。
さらに、パラメータCはモチーフ特徴パラメータを反映
する第2の性質をもっている。例えば、第20図の(d)
に示すDC型をパラメータCの値またはそのDC成分として
用いることにより、モチーフの特徴が小節に依存しない
形式でパラメータCに組み込まれることになる。
上述した第20図の(a)から(f)に例示する演算型で
は、パラメータCはいずれも、すっきりとした規則性を
もっている。このような規則性は好ましいことが少なく
ない。別の面よりすれば、上述したパラメータCの発生
例では、成分パラメータ(小節番号i、パラメータA、
パラメータBなど)と演算式が決まれば、その演算結果
である対応するパラメータCの値も一義的に決定され
る。
しかしながら、よりゆるやかな規則性が望ましい場合も
多く、また、ユーザーからすれば、入力したモチーフか
ら常にまったく同じメロディが生成されるよりは、メロ
ディの生成を指示するたびに大なり小なり変化したメロ
ディが生成されることの方を望む、とも考えられる。本
実施例はこのような点をも配慮してある。すなわち、ラ
ンダム化の機能である。このランダム化機能は第2図に
は明記していないが、図示のパラメータ演算機能F31、
あるいは具体的にメロディを生成する方の分散和音発生
機能F32、非和声音発生機能F33の内部に組み込むことが
できる。あるいは、ランダム機能をこれらの機能F31、F
32、F33の間で適当に分担してもよい。
説明の便宜上、第21図ではパラメータ演算機能F31が、
内部で発生したパラメータCに対し、ランダム化を導入
するものとする。この場合、ランダム導入前のパラメー
タCは中間パラメータであり、ランダム導入後のパラメ
ータが最終的なパラメータC、すなわち直接的にメロデ
ィの発生を制御するパラメータとなる。
第21図の(a)はランダム導入前のパラメータCの特性
例であり、第20図でいえば同図(c)の周期ピーク型に
属するものである。他の特性例を第21図に示していない
のは単に紙面の節約など便宜上の理由だけである。第21
図の(b)にランダム特性例1が示されている。この特
性例の意味するところは、第1に、楽曲の進行方向に依
存しないランダム導入であり、第2にランダムの幅(変
動幅)が中間PC値に組み合わされる(例えば加算され
る)、ということである。
例えば、RND(N)という疑似ランダム関数が、−N、
−N+1、……0、+1、……+Nという(2N+1)個
の整数値を等しい確率で発生するとしてみる(このよう
な疑似乱数の発生はよく知られているところである)。
この乱数演算の結果であるRND(N)を、中間パラメー
タCの値(PCと表わすことにする)に加算する。
PC+RND(N) この結果を最終的なパラメータCの値(γで表わすこと
にする)とする。すなわち、 γ=PC+RND(N) このランダム導入後のパラメータγは元のPCの値を中心
として、前後に±Nの幅で離散的に振らされた値をと
る。
このようなランダム化による導入後のパラメータ特性例
を第21図の(c)に例示する。
第21図にはもう1つのランダム特性例が示されている
(同図(d))。この特性例(d)が上記特性例(b)
と異なっている点は、ランダムの幅(変動幅)が中間PC
値に依存していることである。図示の例では、中間PC値
が大きくなるほど変動幅が大きくなるように選ばれてい
る。これは、例えばRND(N)の値に、PCの増加関数U
(PC)を乗じ、その結果にPCの値を加えることで実現で
きる。例えば γ=PC+RND(N)×U(PC) である。
第21図の(a)に示すPCにこのようなランダム化を施し
た結果を同図(e)に例示する。(e)と(c)との比
較からわかるように、(e)の場合、導入前のPCがゼロ
のところは変動が生じていない。例えば、この種のパラ
メータは、メロディ発生機能におけるある決定要素とし
て使用することができる。例えば、その値がゼロのと
き、ある種の非和声音の付加を禁止するパラメータとし
て利用できる。あるいは付加位置を制御するパラメータ
として利用できる。第21図(d)の1つの拡張は、参照
するPCの値により乱数の各値の出現頻度が一様でなくな
るようにすることである。このような歪んだ確率分布を
もつ乱数の値をメロディ制御のパラメータとして使用し
てもよい。
第21図の(b)と(d)に共通している事項は、いずれ
のランダム導入機能も、元のPC値を中心もしくは基準と
して変動幅を導入している点である。より一般化すれ
ば、元のPC値によりランダム導入後の値が制御されるこ
とである。もう1つは、楽曲の進行方向に対して変動幅
は変化しないことである。これは、多くの場合に好まし
い結果をもたらす。しかしながら、所望であれば、小節
番号に依存して変動幅を変えるランダム化を選んでもよ
い。
パラメータCの種類にも依存するが、一般に、ランダム
化は大きいほど、それに起因して生成されるメロディに
もより大きな変化が生成の都度、与えられる。ただし、
元のPC値を基準とするランダム導入機能の場合には、変
動幅にも依存するが、生成メロディの細かな調整として
使用させることができる。
上では挙げなかったランダム導入機能のもう1つの利点
は、第20図(g)に例示するような非演算型のパラメー
タCの特性を確率的に得ることができることである。
〈メロディの具体的発生〉 以下、本実施例におけるメロディの具体的発生について
詳細に説明する。
第23図はメロディの生成の全体フローである。その要部
はステップ23−9のメロディ発生にあり、ここで小節単
位で順次、メロディが作成される。フローの残りの部分
は、メモリ間の転送等のための処理である。
すなわち、23−2から23−5までの処理は、モチーフメ
モリ4(第1図)にあるモチーフデータをメロディデー
タメモリ10に転送する処理である。23−5に示すNoはモ
チーフに含まれる音符数である。
23−6や23−14に示すMNoは連続的にメロディを作成す
るときの既に作られているメロディの音符の総数であ
る。メロディは小節単位で行うので、モチーフの小節数
を計算している(例えばモチーフデータの音長データか
ら計算できる)(23−7)。なお、ここではモチーフが
2小節以上でもよいことを示してある。2小節以上のモ
チーフに対する取り扱いは後述するとし、一応、最初の
想定通り、1小節としておく。計算されたモチーフ小節
数の値に1を加算し(23−8)、1小節のメロディが発
生したら(23−9)、そのデータをメロディデータメモ
リ10に書き込む(23−10〜23−13)。23−13のNoはもち
ろん23−9の処理で発生した1小節分のメロディの音符
数である。23−15に示すCNoはコード進行で使用するコ
ードの総数であり、本例ではコード/小節であるので、
小節番号がコード総数に達したところでメロディの生成
は完了する。
さて、要部であるメロディ発生処理23−9は、分散和音
の発生の処理と、非和声音の付加に関する処理と、音長
修正に関する処理を含んでいる。以下、分散和音の発
生、非和声音の付加、音長修正の順で説明する。
分散和音の発生 第24図は分散和音発生処理のフローの例である。最初の
処理はコード構成音の読み出し(24−1)であり、その
詳細を第25図に示す。
第25図のコード構成音の読み出しフローにおいて、25−
1から25−4までの処理は、コード進行メモリ3(第26
図参照)からコードナンバーデータ(コードネーム)を
順次、読み出しているところである。25−2はiの値で
示されるコード進行メモリ3のアドレスの内容、すなわ
ちi番目のコートネームをレジスタCNiに設定すること
を表わす。25−3のEOFは最後のコードネームの次アド
レスに格納されている終了コード(code)であり、終了
コードを読んだところでコードネームの読み出しは完了
する。
第5図の例では、コード進行は、1小節目より、Cmaj
Fmaj、G7と進み、次のCmajで終りである。第26図のコー
ド進行メモリ3はこの例に合わせてある。したがって、
CN1=1、CN2=7、CN3=8、CN4=1となる。
第25図の25−5から25−12までの処理は、読み出した各
コードネームからコード構成音メモリ2(第26図、第4
図の(2)参照)を参照し、各コードネームのコード構
成音の音高データを読み出しているところである。本例
では各コードは4つの構成音から成ることを想定してあ
り、コード構成音メモリ2上の4つの連続アドレスに各
音高データが低い順に入っている。25−7のj=(CNi
−1)×4+1は各コードの読み出し介しアドレスの計
算であり、25−8から25−10は、その開始アドレスから
4つ分の音高データを読み出し、レジスタKDijに設定し
ているところである。
コード進行が第5図に示すCmaj、Fmaj、G7、Cmajをとる
場合、このコード構成音の読み出し処理により、第1小
節目のCmajに対するKD11、KD12、KD13、KD14はKD11=1
(ドである)、KD12=5(ミ)、KD13=8(ソ)、KD14
=13 となり、第2小節目のFmajでは、(KD21、KD22、KD23KD
24)=(1、6、10、13)= 、第3小節目のG7では、(KD31、KD32、KD33、KD34)=
(3、6、8、12)=(レ、ファ、ソ、シ)となり、第
4小節目は第1小節目と同じで、(KD41、KD42、KD43
KD44)=(1、5、8、13)となる。なお、本例のコー
ド構成音メモリ2のデータ構造は、C調を基準とする構
造になっている(調性配慮)。
以下の説明では、KDi1、KDi2、KDi3、KDi4の代りに、単
にKD1、KD2、KD3、KD4ということにする。KD1は和声音
の一番低い音、KD2は次に低い和声音、KD3は次に低い和
声音、KD4は一番高い和声音のレジスタとして用いられ
る。いまの段階では、KD1、KD2、KD3、KD4には、(i番
目の小節における)コード構成音の音高が基本形の形式
で、つまり、コード構成音メモリ2の通りに入っている
わけである。
第24図の24−2はコード構成音の転回であり、その詳細
なフローの例を第27図に示す。
コード構成音の転回機能は生成するメロディの音域を時
間の経過に従って(本例では小節単位で)変更、調整を
することであり、これにより、曲も盛り上りをコントロ
ールできる。
第27図のフローでは、例えば、 なら、1回の転回で 2回の転回でソ となり、レファソシなら、1回の転回で 2回の転回で となるようにしている。
のように両端がオクターブ関係になるコードと、レファ
ソシ(G7)のように両端がオクターブ関係にならないコ
ードとでは、転回の論理が異なる。すなわち、転回前の
コードの音高の並びを、KD1(旧)、KD2(旧)、KD3
(旧)、KD4(旧)(低い順)で表わすと、オクターブ
関係にならないコードに対しては、転回後の並びKD1
(新)、KD2(新)、KD3(新)、KD4(新)を、 KD1(新)=KD2(旧) ……(ファ) KD2(新)=KD3(旧) ……(ソ) KD3(新)=KD4(旧) ……(シ) にし、オクターブ関係になるコードに対しては、 KD1(新)=KD2(旧) ……(ミ) KD2(新)=KD3(旧) ……(ソ) KD3(新)=KD4(旧) ……(ド) ここまでは同じだが、 にする必要がある。
オクターブ関係かどうかは27−3で見ており、(M1)と
(M2)の区別を27−5と27−4で行っており、27−6か
ら27−10まではシフト、27−11で(M1)と(M2)の区別
の仕上げである。第27図のPC7は転回を何回実行するか
を示すパラメータである。もちろんパラメータCの1つ
であり、この例からもわかるように、パラメータCはメ
ロディの生成を制御するパラメータである。
ここで、第5図の例に則して、第2小節目のコード転回
がどうなるか見てみよう。コード転回のパラメータPC7
の演算は、i番目の小節について、 PC7i=(+cos((i+2)×2π/4))×1+1 であるとする(第4図参照)。i=2のとき、 PC7=2 となる。2小節目のコードはFmajであり、その基本形
(転回前)は すなわちKD1=1、KD2=6、KD3=10、KD4=13である。
PC7=2で2回転回するから、結果は すなわちKD1=10、KD2=13、KD3=18、KD4=22となる。
さて、第24図に示すように、コード構成音の転回の次は
24−3に進む。ここでPC9は分散和音維持数のパラメー
タである。PC≧1が成立するとき、維持側のフローであ
る24−4の方に進む。24−4のPC1は分散和音の型の修
正パラメータであり、PC≧1が成立するときは24−5で
分散和音の修正が実行される。
この分散和音の修正の詳細なフロー例を第29図に示す。
29−1から29−5で示す修正フローの意味を右側に示し
てある。すなわち、このフロー例ではモチーフの分散和
音の型{LLi}=(LL1、LL2、……)を反対の関係、い
わゆる反行形に修正している(上述したように、LLi
モチーフ小節に登場するi番目の和声音がモチーフの和
音のなかで下から何番目の音高であるかを示す。ただ
し、休符のLLiはゼロにしている。第17図参照)。
第24図の24−6から24−9は分散和音を維持する数PC9
だけ、LLiの示すKDの値を中間メロディ用レジスタMEDi
(現在の小節内のi番目のメロディ音高データを格納す
るレジスタ)に移しているところである。すなわち、こ
こでの分散和音の型{LLi}はモチーフ通りのパラメー
タ型か24−5でそれを修正した型であり、その型に沿っ
て、現在の小節で進行しているコード(和音)の構成音
{KDi}=(KD1、KD2、KD3、KD4)のなかから1個を選
択し、それをMEDiに書き込んでいるわけである。ここ
に、{KDi}はすでに24−2において、コード転回パラ
メータPC7の数だけ音域がシフトされている和声音の集
まりである。
第24図の24−10は、分散和音の型を維持しないときに分
岐するフローの最初のステップであり、ここで、前音
(ここでは前小節の最後のメロディノート)からの決定
性パラメータPC15が真(値1)を示しておれば24−12に
進み、ここで今回の小節の最初の和声音MEDiを決め、24
−13で小節内の音符番号iを2番目にし、決定性パラメ
ータPC15が偽ならば24−11でi=1にし、24−14以下の
ランダムな分散和音発生フローに進む。
上記24−12に示すMED1を前の音より決定する処理の詳細
フローは第28図に例示されている。このフローの論理
は、現在の小節の和音のうちで、前小節の最終メロディ
ノート(前音)に一番近い音を、今回の小節の頭のコー
ドノート(次の音)にするというものである。前音はME
Dj-1、次の音はMEDjである。フロー28−1〜28−10の記
述は明確であり、これ以上の説明は要しない。
第24図の24−14から24−21までは、なめらかさのパラメ
ータPC8の許す範囲内でランダムに分散和音を発生させ
ているところである。γは、RND(4)により、0、
1、2、3、4のいずれかの数を任意にとる乱数であ
る。24−21に示すPC2は現在生成しつつあるメロディ小
節に割り当てられた和声音の数(パラメータCの1つ)
であり、この数に達したところでその小節内の分散和音
発生処理は完了する。なお、24−9から24−21へのルー
トは、分散和音の維持する数PC9だけ分散和音を発生さ
せた後の残りはランダムに分散和音を発生させるという
ものである。
ここで、理解の助けとして、第5図の2小節目がこの分
散和音発生処理においてどのような結果になるかを簡単
に述べよう。なお、コード構成音の転回のところはすで
に述べてあり、その結果(使用可能な和声音の集まり)
すなわちKD1=10、KD2=13、KD3=18、KD4=24である。
発生させる和声音数PC2、分散和音の型の維持数のパラ
メータPC9の値などについてはまだ述べていなかった
が、PC2=6、PC9=4、PC1=1とする。この場合、24
−3から維持例のフロー24−4〜24−9に流れ、24−5
の分散和音型の修正により、LL1=4、LL2=3、LL3=
2、LL4=1が得られる。そして、24−6〜24−9の音
型維持処理で小節の頭から、 ラの4つの分散和音がつくられる MED2=18、MED3=13、MED4=10)。残りの2個の分散和
音は24−14から24−21のランダム発生でつくられ、例え
ば、 となる。
ここまでで、第2小節目のメロディは、 である。
以上で分散和音の発生の説明を終える。
非和声音の付加 分散和音の発生完了後、非和声音の付加が行われる。以
下、非和声音の付加について詳細に説明する。
第30図に倚音(第1種非和声音)付加のフロー例を示
す。
30−1は倚音の付加の有無を示す乱数γをf(RND
(1))、PC3により計算しているところである。ここ
にPC3は現在のメロディ小節に割り当てた倚音の重みで
あり、このPC3に制御された形式で乱数γを得てい
る。このランダム導入に関しては、〈パラメータC〉の
後半と、第21図を参照されたい。30−2では、倚音が付
く位置の乱数γを、倚音をどこにつけるかのパラメー
タPC4で制御される形式で得ている。
30−3で倚音の付加の可否を判別し、可の場合に、30−
4から30−9で、No個の中間メロディデータの配列{ME
Di}のうち、γ番目以降のメロディデータを一つ後に
移し、γ番目を倚音付加位置として確保している。30
−7で倚音の差ピッチのパラメータPC10をγに書き込
み、30−9で、倚音を付加している。すなわち、γ
目のMEDγの右隣りにあるMEDγ2+1にγを加えた
値(倚音の音高データ)を倚音付加位置のγ番目のME
に書き込んでいる。30−10は1個、メロディノー
ト(ここでは倚音)を付加したので、小節内の音符数No
をプラス1としているところである。
第31図に経過音付加のフロー例を示す。このフローの意
味するところは、隣り合うメロディノートMEDiとMEDi+1
の間に経過音を付加するか否かにつき、所定の条件が成
立すれば、付加し、条件不成立から付加しないというも
のである。ここに、所定の条件は、下記(i)、(i
i)、(iii)のAND条件である。
(i)隣り合うメロディノートが異なる音高であるこ
と、 (ii)隣り合うメロディノートの音高の差が長3度(a
=4)より大きくないこと、 (iii)経過音の重みPC6で制御される付加有無の乱数γ
が付加の値(γ=1)を示していること。
経過音の付加が許されたときは、隣り合うメロディノー
トの間に、両メロディノートの中間的な音高のメロディ
ノートを経過音としてMEDに書き込む。経過音とする音
高はいわゆるアヴェイラブルノート(Availabie Note
s)に従って決めることができる。第31図の31−10は単
なる例示である。
以上の説明と第31図のフロー31−1〜31−13の記述から
経過音付加の動作は明らかであるので、これ以上の説明
は省略する。
第32図にししゅう音付加のフローを例示する、このフロ
ーも所定の条件(ししゅう音の重みPC1により制約され
る条件)が成立するときに、ししゅう音を付加するもの
である。隣り合うメロディノートの同高が同じであるこ
とも条件の1つになっている。付加されるししゅう音の
音高は前音のメロディノートの高さをししゅう音の差ピ
ッチだけずらした高さである。以上の説明と32−1〜32
−13のフローの明白な記述から、ししゅう音の付加の動
作は明らかであり、これ以上の詳細な説明は要しない。
第33図は装飾音の付加のフローを例示するものである。
その意味するところは、隣り合う2つのメロディノート
の音高が等しく、かつ装飾音の重みのパラメータPBで制
御される乱数パラメータγがゼロでないときに、装飾
音を上記2つのメロディノートの各ノートMEDi+1、MED
i+3の前に付加する(MEDiとMEDi+2に設定される)とい
うものである。なお、33−10、33−12、33−13に示すγ
は33−4で生成したγの値とは別の値のものを使用
することができる。このためには、例えばステップ33−
9と33−10の間に、γ=PCX(装飾音の差ピッチのパ
ターン)の処理を行えばよい。以上の説明と、第33図の
33−1〜33−16の記述から装飾音付加の動作は明らかで
ある。
ちなみに、動作例として説明してきた第2小節目のメロ
ディがここの非和声音付加(第30図から第33図)でどの
ような結果になるか示してみる。非和声音付加に入る前
の段階で、第5図の第2小節目のメロディの音列{MED
i}は すなわちMED1=24、MED2=18、MED3=13、MED4=10、ME
D5=13、MED6=18であった。
まず倚音付加(第30図)であるが、この小節ではγ
0(倚音付加禁止値)となり、付加されなかったことに
する。
次に、経過音付加(第31図)のところでは次のようにな
る。小節内メロディ音符番号iが1のとき、 a=|MED1−MED2|=4 となるので、経過音の重みPC6は2小節目なので、cos
(4×2π/4)×2+PA4(ここにPA4=1)により、PC
6=3になっている。ここで乱数γを計算するがPC6の
値3のために、γ=2になったとする。次の30−4か
ら30−9までのシフト処理により、 となる。そして付加される倚音のレジスタMEDi+1はここ
ではMED2であり、 となる。この時点で、メロディの音列{MED}は、 である。
iをi+1にインクリメントして、Noになるまで繰り返
すわけであるが、以下では、γまたはaの値によって
経過音は付加されなかったことにする。
同様にして、ししゅう音以下、付加するかどうかを決定
しながら付加していく。結果は付加されなかったとす
る。
上記第30図から第33図に示す非和声音付加のフロー(ル
ール)は単なる例示である。例えば、非和声音の重み
(またはこれに類似)のパラメータCの値により、各非
和声音の付加の態様が異なるようなルールに変更でき
る。一例を挙げると、重みが十分小さいとき(例えば1
のとき)には、1小節内に付加される対応非和声音数を
高々1に制限する。重みが、例えば2のときには、1小
節内に複数の非和声音が付加されることは許容するが連
続付加は禁止する。重みが十分大きいとき(例えば3以
上のとき)は、自由に付加されるようにする。これを実
現するには、例えば、現在の小節における各非和声音の
実行済付加数を計数するカウンタを使用し(例えば31−
10の次でインクリメントさせる)、1個の対応非和声音
が付加されたことをそのカウンタが示しているならばPC
=1を条件にして、その小節におけるその非和声音の付
加処理を完了し、さらに、直前の音符位置で非和声音が
付加されたことを示すフラグを使用し、このフラグが真
を示し、かつPC=2が真であればフラグを偽にしてから
非和声音の付加(例えば31−7〜31−11)をスキップし
て連続付加を禁止し、上記フラグ真でかつPC3も真で
あれば、フラグを偽にすることなく、非和声音の付加を
実行して自由な非和声音付加を許す。また、第30図の倚
音付加フローでは1小節当り付加される倚音付加数は高
々1個となっているが、この代りに、連続的な倚音付加
を許容するようにしてもよい(倚音の重みに依存し
て)。その他、種々のルール変更が可能である。
以上で非和声音の付加の説明を一応終える。
音長修正 音長の列{Rhy}については、適当な段階、例えば分散
和音の発生が完了した時点で、音長の合計が現在の小節
の長さ、例えば16(4拍の長さ)になるように、各音長
を適当に割り振っておく。例えば、分散和音数が4なら
ば16/4=4(一拍の長さ)を各音長Rhy1、Rhy2、Rhy3、
Rhy4に割り振っておく。分数和音数が例えば5のように
16で割り切れないときには、例えばRhy1=4、Rhy2=
2、Rhy3=2、Rhy4=4、Rhy5=4というように、不自
然でないかたちに割り振る。一つの割り振り論理では、
2分割の論理を使用する。例えば のリズムのときに1個、音符を加えるときには で示すように2分割し、いずれか一方をさらに2分割
し、 そのいずれか一方を にする。この結果、例えば、 のリズムすなわちメロディの各音の音長の列{Rhy}が
得られる。さらに1個、音符を加えるときは、2分割し
たときに、すでに、 になっているところは、修正せず、 になっているところを にする。例えば、 が得られる。
非和声音付加の段階では、付加されるごとにメロディの
音符の数が1つあるいは2つずつ増加する。したがっ
て、例えば非和声音の付加が行われた時点で割り振り論
理によって割り振りの更新を実行することができる(図
示せず)。
第34図の音長修正のフローに入る段階では上述したよう
な音長の割り振りが完了している(前処理としての音長
調整の完了)。以下、第34図に例示する音長修正につい
て説明する。
本例の音長修正の目的は第1に、音長パターンの一貫性
を保つこと、第2に決められた小節の長さに音長パター
ンの全長を一致させることである。音長パターンの一貫
性は、34−7から34−9までの処理で行われている。34
−10から34−19で示す部分は音長パターンの全長パター
ンの全長を現在の小節の長さに調整しているところであ
る。
詳細に述べるとSIGは、メロディの音数Noとモチーフの
音数No1との比が1から多きくずれた場合に値が切り換
えられる変数であり、その値をスケーリングファクタと
してメロディ小節の音数の半分ところまで、モチーフの
音長パターンの各音長を縮め、あるいは引き延ばし、そ
の結果得られる音長パターンをメロディ小節の前半の音
長パターンにしている。例えば、現在の小節のメロディ
音数がモチーフ(1小節分)に含まれる音数の半分以下
(No1/No2≧2)のときはSIGを2にする。この場合、例
えば、モチーフの音長列が4、2、2……であればメロ
ディの音長列は8、4、4……となる。これはモチーフ
に対し、一時的に1/2のテンポとなるパターンである。
一方、現在の小節のメロディ音数がモチーフに含まれる
音数の倍以下(No1/No≦0.5)のときはSIGを0.5する。
この場合、例えば、モチーフの音長列が4、2、2……
とするとメロディの音長列2、1、2……となる。これ
はモチーフに対し一時的に倍のテンポとなるパターンで
ある。このような整数比のパターン変換は一般にリズム
の一貫性をくずさない。メロディ音数がモチーフ音数に
近いときは(0.5<No1/No<2)、モチーフの音長パタ
ーンをそのままメロディ音長パターンの途中まで(正確
にはメロディ小節の全音数の半分のところまで)のパタ
ーンとする。
以上の音長書き換えにより、メロディの音長パターン全
長が小節の長さ(ここでは16)からずれてしまうことが
あり得る。
そこで音長書き換え後のメロディの音長パターンの全長
を計算し、それが小節の長さ16と一致しているかを見、
一致してなければ、小節の終りの音符の方から音長の手
直しを行う。例えば、メロディの音長パターンの全長が
小節の長さより長ければ、まず小節の最後の音符の音長
を見、それが3以上であればそれを1だけ短くして再
度、小節の長さと比較する。最後の音符の音長が2以下
であれば、それより1つの手前の音符を見て同様のこと
を行う。逆に、音長パターンの全長が小節の長さより短
ければ、まず小節の最終音符の長さを見、それが5以下
であれば2だけ音長を延ばし、再度、小節の長さと比較
する。最後の音符の長さが6以上であれば1つ手前の音
符の長さに対し同様のことを行う。この結果、最終的に
音長パターンの全長と小節の長さは一致し、音長修正の
処理が完了する。
以上の説明と第34図のフローの明白な記述からフローの
動きは明らかであり、これ以上の詳細に説明は省略す
る。
ちなみに、第5図の第2小節目のメロディ生成の場合に
は、第34図の音長修正に入る段階で、そのメロディの音
長パターン{Rhy}は2、2、2、2、2、2、4、つ
まり となっている。
34−1から49−9までの処理で、その前半部はモチーフ
と同じになり、{Rhyi}は4、2、2、4、2、2、
4、つまり、 になる。
34−10からの後半の調整で次のようになる。SUNは20で
小節の長さ16より長い。最後の音符の長さRhy5は4で3
より大きいから最後の音長は2となる。ここでSUNは18
でまだ小節より長い。ここまでで{Rhyi}は4、2、
2、4、2、2、2である。音長が3以上のものを後か
ら捜すと4番目の音が4であるからそれが2となりSUN
=16が成立し、修正完了である。このとき、{Rhyi}は
4、2、2、2、2、2、2、つまり となる。
これに、すでに得ているメロディの音高パターン{Rhy
i}を並べて示すと、 であり、まさに、第5図の2小節目に示すメロディの完
成である。
なお、第5図の3小節目と4小節目のメロディ生成につ
いてはその経過は省略するが、結果は図示のようになっ
たとする。
すなわち、第3小節目のG7では、 第4小節目(ここでは最終小節)のCmajでは である。
以上で一応、曲の完成とする。
〈修正学習〉 上述のしたように、完成された曲に対して、使用者はモ
ニターを通じて自動作曲機に修正を要求することができ
る。以下、修正学習について詳細に説明する。本実施例
では、修正は小節別に行われる。
第35図は修正学習のフローである。まず、最初に、上述
したのと同様にして、モチーフから非和声音を抽出し、
モチーフの特徴パラメータを抽出する(35−1)。ここ
で、生成するメロディのすべての小節について、パラメ
ータCなどを発生させ、記憶させておいてもよいが(出
来上るメロディは前と同様になる)、記憶容量の面で
は、好ましくない。
どの小節を修正したいかを使用者に入力してもらう(35
−2)。これに対し、自動作曲機は内部のパラメータC
演算機能を起動して、修正要求のあった小節のパラメー
タC(PCx)を演算する(35−3)。例えば転回のパラ
メータPC7i=cos((2+2)×2π/4)×1+1=2
というように、PCをすべて算出する。
次は客観データ(パラメータC)から主観データへのパ
ラメータへのパラメータ変換である(35−4)。この、
パラメータ変換の目的は、使用者にとって理解しやす
く、判断しやすい情報を与えることである。例えば、転
回のパラメータPC7iは主に盛り上がりを制御するもので
あるため、PC7i=2であるとき、「盛り上がりの度合が
この小節では90%になっています」のように、知らせて
あげた方が主観的に判断しやすくユーザーにとって修正
の作業がしやすくなる。ここのパラメータ変換の論理
(関数演算など)は、客観データ(PC)と主観データと
の相関関係などを考慮して決めることができる。例え
ば、開発マシンにて、最初の目安の相関(例えば、実際
に作曲されている曲の解析や主観評価法にて得たもの)
から、より確かな相関を実績を通じて求め、それで得た
結果を、本自動作曲機のパラメータ変換の論理に組み込
むことができる。
パラメータ変換の結果(メッセージ)はCRT12(第1
図)などに表示させる(35−5)。
これに対し、ユーザーはパラメータの種類EDBを入力す
る(35−6)。例えば盛り上りのパラメータだとし、盛
り上りのパラメータと転回のパラメータが1:1で対応し
ているとすれば、EDBはパラメータCの種類として転回
パラメータCを指す値になる。主観パラメータの種類
{S}と客観パラメータ{O}の種類が1:1で対応して
なければ、指定された主観パラメータの種類S(i)に
対応する客観パラメータO(j)、O(k)、……を変
換によって求めればよい(なお図示のフローでは1:1対
応を想定してある)。続いてユーザーの修正値EDC′を
入力する(35−7)。例えば、盛り上りを90%から50%
に変更したいのであれば、ユーザーは、修正のパラメー
タの種類を35−6で入力し、修正値の50%(EDC′)35
−7で入力するわけである。
これに対し、自動作曲機は主観パラメータの値(ED
C′)を客観パラメータの値に逆変換する(35−8)。
上の例でいえば、盛り上りを50%にする要求に対し、逆
変換を実行し、転回のパラメータPC7の値(EDC)を1に
する。
続いて、35−8から35−9に示すように学習データメモ
リ9に、修正内容を書き込んでいく。ここでのPは、学
習メモリ9のポインタである。ポインタPをインクリメ
ントして次々に修正データを書き込んでいるわけであ
る。
修正したい小節や、修正したいパラメータの種類、値が
なくなったところでユーザーは修正完了を入力し、これ
により修正学習の処理は終了する(35−12)。
以上の修正学習はユーザーの好みを生成するメロディに
反映させるように働く。このことは第36図に例示する学
習によるパラメータ変更の動作からさらに明らかにな
る。
すなわち、学習によるパラメータ変更にところでは、パ
ラメータC演算機能F31(第2図)により通常、生成さ
れるパラメータCよりも修正学習機能F4により学習した
ところのパラメータCを優先させる。第36図の36−3の
ところは、通常のパラメータCの計算であり、すでに
〈パラメータC〉のところで述べたものである。
36−4から36−11の部分で、学習メモリ9をサーチし、
メロディ発生に使用するパラメータCを学習したもので
置き換えている。すなわち、現在の小節と一致する修正
小節が見つけ出され(i=*Pa)、着目しているパラメ
ータの種類と一致するパラメータの種類が見つけ出され
(j=*(Pa+1)ると、修正データEDCが、その小節
におけるそのパラメータPCjの値になる(PCj=EDC)。
第5図の例でいえば、第2小節目のところで転回のパラ
メータPC7として、2(転回数が2回であることを表わ
す)の代りに転回数が1回であることを示す1が割り当
てられる。
第36図中、iは小節番号、jはパラメータPCの添字PCj
として用いられる意味でパラメータCの種類(パラメー
タネーム)を指すための変数、Paは学習メモリ9のポイ
ンタ、*Paはポインタの指す学習メモリのデータであ
る。ここでは、Paが3の倍数のとき、*Paは修正小節の
番号を示し、Paが3の倍数プラス1のときは*Paは修正
パラメータの種類を表わし、Paが3の倍数プラス2のと
きは*Paは修正パラメータの値を表わすようになってい
る(第35図のフローの右側の図参照)。
36−13でj>パラメータの数になったところでi番目の
小節に対するすべてのパラメータCについて、すべての
学習内容が盛り込まれた形でパラメータCが完成してい
る。
なお、36−14は小節単位のメロディ発生であり、第23図
の23−9〜23−14にほぼ対応している。特にここで抜き
出して示したのは、36−13のところまでで修正ずみのパ
ラメータCを使って、メロディが発生されることを明白
にするためである。
要するに、いったん学習メモリ9に記憶された学習デー
タは、使用者からの作曲の要求の都度、読み出され、学
習したところがパラメータCに直接的に反映され(第13
図も参照のこと)、このパラメータCによってメロディ
の生成が制御されるわけである。したがって、作曲され
たメロディは、各使用者の好みを反映するところとな
り、ここに学習の成果が現われることになる。
参考までに第5図の下側の楽譜にこの修正学習による修
正後のメロディを示す。この例では2小節目の転回パラ
メータPCが修正前の2回の転回から1回の転回に修正さ
れており、その結果がこの小節のメロディに現われてい
このうち、Fmajの和声音は であり、この は基本形の を1回だけ転回したものである)。
〈実施例の特徴〉 以上の詳細な説明から本実施例に係る自動作曲機の特徴
は明白である。そのいくつかを以下に挙げる。
(イ)モチーフを評価して得たモチーフ特徴パラメータ
とコード進行情報に基づいてメロディを生成しているの
で、モチーフがもつ曲のエッセンスやコンセプトが曲自
体にわたって反映されるとともにコード進行に沿ってコ
ントロールされ、かつ多様に変化可能なメロディがつく
られる。
(ロ)メロディ生成手段内に、生成するメロディを制御
するためのパラメータC(生成メロディ特徴パラメー
タ、生成メロディ制御パラメータ)を発生する手段を設
けており、進行区間(小節)を単位として、小節別にパ
ラメータCを決めている。この小節別に割り当てられた
パラメータCの値によって、それぞれの小節のメロディ
を発生制御している。したがって、メロディの流れにお
ける統一性と多様性を表現することができる。
(ハ)上記パラメータCの発生手段は、圧縮されたデー
タ(第3のパラメータB)とモチーフ特徴パラメータを
使用し、演算によってパラメータCを発生している。し
たがって、多種多様なパラメータCの値を比較的少ない
記憶容量で得ることができる。
(ニ)非和声音と和声音とを区別して取り扱っているの
で、曲の流れが非常に音楽的になる。
(ホ)モチーフはユーザーから入力されるようになって
おり、そのモチーフが反映されたかたちで曲ができるの
で、ユーザーは作曲への参加意識とともに作曲された曲
に対する満足感を同時に得ることができる。
(ヘ)さらに、専門的な音楽知識は不要であり、わずか
なモチーフさえ想いつけば、後は自動作曲機の方でそれ
に合わせて作曲してくれる。
(ト)修正学習機能が組み込まれており、ユーザーの好
みをこの機能が学習する。自動作曲機は、この学習機能
が習得した学習データを優先させて以降の作曲を行う。
したがって、作曲された曲はユーザーの好みを反映する
ところとなり、ユーザーはますます興味をひかれること
になる。
(チ)また、パラメータの設定しだいで分散和音作成機
として機能する。例えば、非和声音の付加の可否につい
てのパラメータ(例、PC4、PC6、PC11、PC13)が禁止の
値を示しているときはいずれの非和声音機能もその動作
が禁止され、結果として分散和音だけがつくられる(第
30図から第33図でいえば、PC4などがゼロのときγ
0になるとする)。
〈変形例〉 本発明は上記実施例に限られず、種々、変形、変更、改
良が可能である。
例えば、上記実施例では小節の長さをどの小節も同じ長
さにしているが、可変長の小節であってもよい。これは
例えば、小節カウンタを設け、その計数値(小節番号)
に割り当てられた小節の長さを使用することによって実
現できる。
また、モチーフの小節は上記実施例では、曲の冒頭とし
て与えられることを想定してあったが、何番目の小節を
モチーフの入力小節にしてもよい。このための変形は容
易である。
また、上記実施例では、入力されるモチーフの長さは1
小節を想定してあったが、複数小節であってもよい。こ
のためには、例えば、2小節の場合には、第1小節目の
モチーフから第1のモチーフ特徴パラメータ(例えば音
型のパラメータLLi)を抽出し、第2小節目のモチーフ
から第2のモチーフ特徴パラメータを抽出し、2種類の
パラメータBの一方と第1のモチーフ特徴パラメータと
から第1のパラメータCを演算し、もう片方のパラメー
タBの第2のモチーフ特徴パラメータから第2のパラメ
ータCを演算する。そして、第1のパラメータCは例え
ば奇数番号の小節のメロディ生成を制御するために使用
し、第2のパラメータCは偶数番号の小節(モジュロ2
がゼロの小節)のメロディ生成を制御するのに使用する
(小節番号のカウンタの値を2でわれば、どちらのパラ
メータCを発生させればよいかただちに判別できる)。
ただし、楽曲によっては、例えばA、B、Aの形式をと
り、Aが8小節の楽節、Bが7小節の楽節、最後のAが
8小節の楽節、といったようなケースでは、例えば、各
楽節の値(8、7、8)=(第1楽節の小節数、第2楽
節の小節数、第3楽節の小節数)と小節番号のカウンタ
の値とを比較し、小節番号が9となり曲の冒頭から第9
小節目になったこと、つまり第2楽節の開始が検出され
た時点で、小節番号のカウンタをリセットすればよい。
要するに各楽節内の奇数番目の小節で第1のパラメータ
Cを発生させ、偶数番目の小節で第2のパラメータCを
発生させればよい。
また、上記実施例では、1小節当りのコード数は1個
(1コード/小節)を想定してあるが、1小節当りのコ
ード数は2つ以上にすることも可能である。例えば、最
初の2拍が第1のコード(例えばC)で後の2拍が第2
のコード(例えばF)となる小節を仮定してみよう。第
1の構成例では、パラメータC発生機能は小節単位でパ
ラメータCを発生する。一方、分散和音発生機能は、第
1コードの区間ではこの第1コードに従って分散和音を
発生し、第2コードの区間ではこの第2コードに従って
分散和音を発生させる。ただしパラメータCは小節区間
で使用する。残る非和声音付加機能は小節区間単位で非
和声音を付加する。第2の構成例では、非和声音付加機
能も2拍単位(コード単位)で非和声音を付加する。そ
の他の構成例も考えられる。また、所望であれば、音長
修正機能を変更し、コード単位のメロディの各音長合計
をコードの長さ(またはそれに近い長さ)に修正する機
能を盛り込んでもよい。
さらに、曲風などの選択機能を付加してもよい。例えば
パラメータBの全体のデータを分類する。すなわちパラ
メータBメモリのデータ構造を分類化された構造にす
る。そして入力装置からの選択入力により、パラメータ
Bメモリより読み出すデータを決め、これらの選択され
たパラメータBによりパラメータCを発生させる。上述
したように、パラメータCはパラメータBに依存してお
り、パラメータBの値が代わればパラメータCの値も変
わり、結果として、生成される曲のメロディが変化す
る。また、コード進行と関係するコード構成音メモリ2
のデータ構造についても曲風などに基づいて分類化され
た構造にすることができる。選択されたコード構成音の
セットのなかから、コード進行メモリ上のコード進行を
示すコードネーム列に従って、各コード構成音を読み出
す。これにより、分散和音発生機能F32が発生する分散
和音が、別のコード構成音のセットに基づく場合とは異
なってくる。この結果、メロディの特徴も変化する。い
いかえれば、選択されたコード構成音のセットが選択さ
れた分野における和音の集合というわけである。
他の選択的アプローチとしては、パラメータC演算機能
F31を、共通機能を保ちながら、分野別に異なる機能
(演算論理機能)を組み込み、入力装置からの分野指定
入力によって、選択された機能をアクティブにする。分
散和音発生機能F32や非和声音付加機能F33に対しても同
様のアプローチが可能である。
また、モチーフ評価機能F1に、和音決定機能などの機能
を組み込んでもよい。例えば2つのコードに従って1小
節分のモチーフが入力され得ることを想定し、まず非和
声音抽出機能に小節単位で非和声音を抽出させ、その残
りの音がどの和音であるかを調べ、該当する和音が存在
しなければ、1小節に2個のコードありとみなして、非
和声音抽出機能で2拍単位で非和声音を抽出させるとい
った方式で和音を決定する和音決定機能を組み込む。
また、メロディの生成等に関し、上記実施例では1小節
ずつ逐次生成しているが、並行処理によって並列的に生
成してもよい。この場合、小節間の連結を要するところ
(前音から次小節の頭のメロディノートを決めるなど)
があるので、前小節の情報を必要とする小節のメロディ
発生機能は前小節のメロディ発生後に起動される。
その他、種々、変更が可能である。
[発明の効果] 以上の詳細な説明から明らかなように、本自動作曲機に
よれば、特徴パラメータを抽出ないし発生し、特徴パラ
メータに基づいてメロディの作曲を行っている。したが
って、メロディを特徴パラメータによって制御すること
ができ、音楽性に富む作曲を可能にするものである。ま
た、ユーザーに対する作曲負担は小さく、格別の音楽知
識は全く必要としない。また、楽曲の一部あるいはモチ
ーフを入力情報として受ける構成の本自動作曲機の場合
(特許請求の範囲第1〜第18項)、楽曲の一部あるいは
モチーフに内在する曲のコンセプトないしエッセンスを
曲全体にわたって維持することが可能であり、作曲され
る作品における音楽の一貫性を図ることができる。と同
時に、ユーザーからすれば、自分の入力した楽曲の一部
あるいはモチーフを基にして作曲が行われるので興味が
つきない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に係る自動作曲機の全体構成
図、第2図は自動作曲機の機能ブロック図、第3図は音
高データ例を示す図、第4図は動作説明のための入力デ
ータ例を示す図、第5図は形成されたメロディの例を示
す図、第6図は主な変数のリストを示す図、第7図は非
和声音抽出のフローチャートとともに著名な曲の一部を
非和声音を説明するために引用した図、第8図は先取音
抽出のフローチャート、第9図は倚音抽出のフローチャ
ート、第10図はししゅう音の抽出のフローチャート、第
11図は経過音の抽出のフローチャート、第12図は装飾音
抽出のフローチャート、第13図はパラメータ抽出、演算
のフローチャート、第14図はHDiに各非和音声に対応さ
せる定数を代入するフローチャート、第15図は各非和声
音の数をモチーフ特徴パラメータPA1〜PA6として抽出す
るフローチャート、第16図は和声音の数、非和声音の
数、総数をモチーフ特徴パラメータとして抽出するフロ
ーチャート、第17図は和声音の型のパラメータをモチー
フ特徴パラメータとして抽出するフローチャートととも
にその動作例をグラフで示す図、第18図はなめらかさの
パラメータをモチーフ特徴パラメータとして抽出するフ
ローチャート、第19図はパラメータ間のマップ例を示す
図、第20図はパラメータC(メロディ制御パラメータ)
の特性例をグラフで示した図、第21図はランダム導入機
能を説明するためにランダム化の例をグラフで示した
図、第22A図は特定のパラメータCについての演算の例
を示す図、第22B図は成分パラメータと小節番号による
特定パラメータへの作用を具体的に示す図、第23図はメ
ロディの生成のフローチャート、第24図は分散和音発生
のフローチャート、第25図はコード構成音の読み出しの
フローチャート、第26図はコード構成音メモリとコード
進行メモリの内容を示す図、第27図はコード構成音の転
回のフローチャート、第28図はMEDiを前の音より決定す
るフローチャート、第29図は分散和音型の修正のフロー
チャートとともにその動作例をグラフで示す図、第30図
は倚音付加のフローチャート、第31図は経過音付加のフ
ローチャート、第32図はししゅう音付加のフローチャー
ト、第33図は装飾音付加のフローチャート、第34図は音
長修正のフローチャート、第35図は修正学習のフローチ
ャートとともに学習データメモリの内容を示す図、第36
図は学習によるパラメータ変更のフローチャートであ
る。 1……入力装置、2……コード構成音メモリ、3……コ
ード進行メモリ、4……モチーフメモリ、5……パラメ
ータBメモリ、6……CPU、8……パラメータCメモ
リ、10……メロディデータメモリ、F1……評価(非和声
音抽出)機能、F2……モチーフパラメータ抽出機能、F3
……メロディ発生機能、F31……パラメータC演算機
能、F32……分散和音発生機能、F33……非和声音付加機
能。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】与えられたモチーフ情報(I1)から、その
    モチーフを特徴づけるモチーフ特徴パラメータ(PA)を
    抽出するモチーフ特徴パラメータ抽出手段(F1、F2;6)
    と、 コード進行情報(I3)を与えるコード進行情報付与手段
    (3)と、 上記モチーフ特徴パラメータ抽出手段より与えられるモ
    チーフ特徴パラメータと、上記コード進行情報付与手段
    より与えられるコード進行情報とに基づいてメロディ
    (I4)を生成するメロディ生成手段(F3;6)と、 を有することを特徴とする自動作曲機。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の自動作曲機に
    おいて、上記モチーフ特徴パラメータ抽出手段は上記モ
    チーフ情報に含まれる非和声音を抽出する非和声音抽出
    手段(F1)を含むことを特徴とする自動作曲機。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第2項記載の自動作曲機に
    おいて、上記非和声音抽出手段(F1:21〜26)は上記モ
    チーフ情報に含まれる非和声音を種類別に抽出すること
    を特徴とする自動作曲機。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項記載の自動作曲機に
    おいて、上記メロディ生成手段は分散和音を発生する分
    散和音発生手段(F32)と、分散和音の前後あるいは分
    散和音の間に非和声音を付加する非和声音付加手段(F3
    3)とを有することを特徴とする自動作曲機。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項記載の自動作曲機に
    おいて、上記与えられたモチーフ情報は1ないし複数小
    節の長さをもつことを特徴とする自動作曲機。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第1項記載の自動作曲機に
    おいて、上記メロディ生成手段は、1小節またはこれと
    類似の長さを単位として、メロディを生成することを特
    徴とする自動作曲機。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲第1項記載の自動作曲機に
    おいて、上記メロディ生成手段は、上記モチーフ特徴パ
    ラメータに基づき、該モチーフ特徴パラメータの値が反
    映される形式にて、生成すべきメロディを特徴づける生
    成メロディ特徴パラメータ(PC)を発生する生成メロデ
    ィ特徴パラメータ発生手段(F31)を有し、上記生成メ
    ロディ特徴パラメータと上記コード進行情報とからメロ
    ディを生成することを特徴とする自動作曲機。
  8. 【請求項8】特許請求の範囲第7項記載の自動作曲機に
    おいて、上記生成メロディ特徴パラメータ発生手段が発
    生する上記生成メロディ特徴パラメータ(PC)のなかに
    は、楽曲の進行に伴って値が変動する進行依存パラメー
    タが含まれる(第20図)ことを特徴とする自動作曲機。
  9. 【請求項9】特許請求の範囲第8項記載の自動作曲機に
    おいて、上記進行依存パラメータは楽曲の進行に伴って
    値が規則的に変動する(第20図(a)〜(f))ことを
    特徴とする自動作曲機。
  10. 【請求項10】特許請求の範囲第7項記載の自動作曲機
    において、上記生成メロディ特徴パラメータ発生手段
    は、第3の組のパラメータ(I2;PB)を記憶するパラメ
    ータ記憶手段(5)と、このパラメータ記憶手段からの
    パラメータと上記モチーフ特徴パラメータ(PA)とを演
    算することにより上記生成メロディ特徴パラメータ(P
    C)を算出する演算手段(F31)とを有することを特徴と
    する自動作曲機。
  11. 【請求項11】特許請求の範囲第10項記載の自動作曲機
    において、上記演算手段は、上記メロディ特徴パラメー
    タに含まれるパラメータとして、生成するメロディの小
    節番号に依存する値をもつパラメータを演算する(第4
    図(4))ことを特徴とする自動作曲機。
  12. 【請求項12】特許請求の範囲第7項記載の自動作曲機
    において、上記メロディ生成手段は、上記生成メロディ
    特徴パラメータにより制御された乱数または変動を導入
    する手段を有し、この制御された乱数または変動の範囲
    内で変化するメロディを生成可能である(第21図)こと
    を特徴とする自動作曲機。
  13. 【請求項13】特許請求の範囲第1項記載の自動作曲機
    において、上記メロディ生成手段はメロディ制御パラメ
    ータ(PC)を発生するメロディ制御パラメータ発生手段
    を有し、このメロディ制御パラメータ発生手段が発生す
    るメロディ制御パラメータは、上記モチーフ特徴パラメ
    ータ(PA)に依存する性質を有するとともに、曲の進行
    区間(例えば小節番号)に依存する性質を有し、さら
    に、上記メロディ生成手段は、進行区間ごとに割り当て
    られた上記メロディ制御パラメータと上記コード進行情
    報を用いて各進行区間のメロディを生成することを特徴
    とする自動作曲機。
  14. 【請求項14】特許請求の範囲第13項記載の自動作曲機
    において、上記メロディ生成手段は、さらに、区間単位
    で分散和音を発生する分散和音発生手段(F32)と区間
    単位で分散和音の前後あるいは分散和音の間に非和声音
    を付加する非和声音付加手段(F33)を有することを特
    徴とする自動作曲機。
  15. 【請求項15】特許請求の範囲第14項記載の自動作曲機
    において、上記メロディ制御パラメータのなかには、非
    和声音の付加の可否を決定するパラメータ(r1)が含ま
    れており、このパラメータが非和声音の付加を禁止する
    値になっているとき、上記非和声音付加手段はその動作
    が禁止されて非和声音を付加しないことを特徴とする自
    動作曲機。
  16. 【請求項16】楽曲の一部(I1)を入力する入力手段
    (1)と、 上記楽曲の一部を特徴づける特徴パラメータ(PA)を抽
    出する特徴パラメータ抽出手段(F1、F2;6)と、 前記特徴パラメータに少なくとも基づいて楽曲全体を作
    曲する作曲手段(F3;6)と、 を有することを特徴とする自動作曲機。
  17. 【請求項17】楽曲の一部(I1)を入力する入力手段
    (1)と、 上記楽曲の一部を特徴づける特徴パラメータ(PA)を抽
    出する特徴パラメータ抽出手段(F1、F2;6)と、 上記楽曲に関する音楽進行(I3)を付与する音楽進行付
    与手段(3)と、 上記特徴パラメータと上記音楽進行とに基づいて楽曲全
    体を作曲する作曲手段(F3;6)と、 を有することを特徴とする自動作曲機。
  18. 【請求項18】特許請求の範囲第17項記載の自動作曲機
    において、上記音楽進行付与手段は上記音楽進行として
    コード進行(I3)を付与するコード進行付与手段(3)
    を有することを特徴とする自動作曲機。
  19. 【請求項19】生成すべきメロディを特徴づけるメロデ
    ィ特徴パラメータ(PC)を発生するメロディ特徴パラメ
    ータ発生手段(F31;6)と、 音楽進行(I3)を付与する音楽進行付与手段(3)と、 上記メロディ特徴パラメータと上記音楽進行とに基づい
    てメロディ(I4)を生成するメロディ生成手段(F32、F
    33;6)と、 を有することを特徴とする自動作曲機。
  20. 【請求項20】特許請求の範囲第19項記載の自動作曲機
    において、上記音楽進行付与手段は上記音楽進行として
    コード進行(I3)を付与するコード進行付与手段(3)
    を有することを特徴とする自動作曲機。
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