JPH07111505B2 - 光電顕微鏡 - Google Patents

光電顕微鏡

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JPH07111505B2
JPH07111505B2 JP14221987A JP14221987A JPH07111505B2 JP H07111505 B2 JPH07111505 B2 JP H07111505B2 JP 14221987 A JP14221987 A JP 14221987A JP 14221987 A JP14221987 A JP 14221987A JP H07111505 B2 JPH07111505 B2 JP H07111505B2
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嘉明 堀川
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、光電顕微鏡に関する。
〔従来技術〕
光電顕微鏡の特長として、共焦点検出方により試料の断
面像が得られること、分割検出器を用いることにより位
相分析の微分に相当する微分位相像が得られることが知
られている。
まず、共焦点検出法により試料の断面像が得られること
を第4図により説明する。第4図において、1はレーザ
光源等の点光源、2は対物レンズ、3は厚い試料、4は
集光レンズ、5は集光レンズ4による集光位置に設けら
れたピンホール、6は検出器であって、点光源1と対物
レンズ2による集光点とピンホール5の位置が夫々共役
であると共に、試料3は光軸をZ軸とする三次元方向に
走査されるようになっている。
点光源1からの光は、対物レンズ2により厚い試料3中
の一点に集光される。試料3を透過した光は集光レンズ
4により再び集光され、ピンホール5を通過して検出器
6により検出される。試料3の走査に合わせて検出器6
からの信号を再生すれば試料の像が得られる。この時、
対物レンズ2による集光点以外からの光例えば点線で描
かれた光はピンホール5によってケラれる為に検出器6
には到達しない。よって、試料3のXY走査によって試料
3の断面像が得られる。更に、試料3をZ方向に走査す
れば、試料3の空間分布を三次元的に検出できる。
次に、分割検出器によって微分位相像が得られることを
第5図に示す。第5図において、試料3からの透過光を
二つに分割された検出器7,8によって検出し、その差信
号を増幅することにより微分位相像が得られる。詳しく
は、1980年発光のProceeding of SPIE,vol.232,203頁に
おいて、T、Wilson等の説明があるので、これを参照さ
れたい。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記の様に、光電顕微鏡は試料の空間分布に三次元的に
検出でき、位相像を可視化できるという二つの大きな特
長を有しているが、この二つの特長を同時に行かすこと
はできなかった。確かに、第4図において検出器6を第
5図の様な分割検出器7,8で置き換えればある程度は達
成できそうであるが、断面像を明確に得る為にはピンホ
ール5の穴径を集光レンズ4によって絞られるスポット
径より小さくする必要があり、そうするとその時点でピ
ンホール5より射出する光はすでに位相情報を失ってし
まうので位相像を得ることはできない。逆に位相情報を
保持する程度までピンホール5の穴性を大きくすると、
第4図で説明した断面像を得る場合の深さ方向の分解能
の低下を招く。
本発明は、上記問題点を鑑み、位相物体の空間分布を三
次元的に検出することが可能な光電顕微鏡を提供するこ
とを目的とする。
〔問題点を解決するための手段及び作用〕
本発明による光電顕微鏡は、光源と、前記光源から発し
た光を物体上に集光する対物レンズと、物体からの光を
再び集光する集光レンズと、前記集光レンズによる集光
位置に設けられた細長開口状のスリットと、前記スリッ
トの長手方向に垂直な方向の境界を有していて前記スリ
ットを通過した光を検出する分割検出器とを具備してい
ることにより、位相情報を失わずに共焦点法を実現し得
るようにしたものである。
即ち、ピンホール径と同程度の細いスリットを用いるこ
とにより、深さ方向の分解能をピンホールを用いた場合
とほとんど同程度に維持できる。一方、スリットである
為に、光はそのスリット開口の長手方向の位相変化の情
報は失われずにスリットを通過する。よって、スリット
開口の長手方向に垂直な境界をもつ分割検出器を用いて
その作動出力を得れば、スリット開口の長手方向に微分
された位相情報が検出できる。従って、ステージを移動
させ、或は光ビームを偏向させることによって物体を走
査すれば、物体の所定の領域の位相情報を検出できるこ
とになる。そして、上記手段で得られた信号を走査に同
期して表示すれば、微分位相像の断面が得られる。又、
上記信号は位相の微分であるから、積分を行えば位相変
化の分布を画像として表示できる。更に、試料を光軸方
向に移動すれば、三次元情報が得られる。よって、位相
物体が三次元的に分布している試料を三次元的に可視化
できることになる。応用としては、DNA等の透明な生物
標本を行きたまま立体的に観察することが考えられる。
今までは、細胞をこわしてDNAを展開し更に染色するこ
とにより観察していたが、その様な必要がなくなり、生
きたまま観察できる訳である。又、ガラスの様な透明物
体の三次元的屈折率分布の測定も可能となる。
〔実施例〕
以下、図示した実施例に基づき本発明を詳細に説明す
る。第1図は第1実施例の光学系を示しており、11はレ
ーザ光源、12は二つのレンズ13,14とそれらの間に配置
されたスペイシャルフィルタの役目をするピンホール15
とから成るビームエクスパンダ、16は対物レンズ、17は
厚さのある試料、18は試料17を支持していて光軸をZ軸
とする三次元方向即ちX,Y,Z方向に駆動されるステー
ジ、19は対物レンズ16と同じである集光レンズ、20は結
像レンズ、21は集光レンズ19及び結像レンズ20による集
光位置に設けられた細長開口状のスリット、22,23はス
リット21の長手方向に垂直な方向の境界を有する分割検
出器、24,25は夫々分割検出器22,23からの出力を増幅す
る増幅器、26は増幅器24,25からの出力の差を増幅する
作動増幅器である。
本発明は上述の如く構成されているからレーザ光源11か
らのレーザ光は、ビームエクスパンダ12を通り対物レン
ズ16によって厚さのある試料14中に集光される。透過し
たレーザ光は、集光レンズ19,結像レンズ20によってス
リット21の位置に再び集光される。スリット21を通過し
た光は、分割検出器22,23によって検出される。それら
の出力信号は、増幅器24,25及び差動増幅器26により差
動増幅されて微分位相信号となる。ここで、ステージ18
のX,Yの二次元走査に同期して増幅器26からの出力を表
示すれば、微分位相像が観察できる。尚、微分方向はX
方向についての微分となる。又、ステージ18をZ方向に
動かせば三次元情報が得られる。又、差動増幅器26の後
段に積分器を設ければ位相差動が観察できる。
尚、共焦点の関係を維持するには、ピンホール15,対物
レンズ16による集光点,スリット21の位置が夫々共役で
なければならない。ところが、試料17の違いによって光
路長は当然変化するので、対物レンズ16或は集光レンズ
19を光軸方向に可動にしておき、試料ごとに共焦点状態
となる様に調整する必要がある。
又、本実施例は透過検出系を有するものとなっている
が、反射検出系を有するものにしても良いし、或は両方
を有するようにしても良い。
第2図は第2実施例を示している。第1実施例はレーザ
光を固定し且つ試料をステージと共にX,Y方向に二次元
走査して画像を得る方式であるが、第2実施例は、試料
は固定し且つレーザ光を移動して試料を走査する方式に
して、より実用的にしたものである。
31は、レーザ光源、32は二つのレンズ33,34とそれらの
間に配置されたスペイシャルフィルタの役目をするピン
ホール35とから成るビームエクスパンダ、36はラスター
走査の水平走査に相当する偏向を15.75KHzの周波数で行
うAOD(音響光学光偏向素子)、37はAOD36の高速走査に
より生じる射出ビームに対するレンズ効果を補正するた
めのシリンドリカルレンズ、38,39はAOD36の位置が瞳位
置になるように設けられた瞳伝送レンズ、40はラスター
走査の垂直走査に相当する偏向を60Hzの周波数で行って
AOD36による走査と合わせて毎秒60回の二次元走査を行
うガルバノメータミラー、41は瞳投影レンズ、42は結像
レンズ、43は対物レンズ、44は厚さのある試料、45は試
料44を支持し且つZ方向即ち光軸方向に駆動するステー
ジ、であって、ガルバノメータミラー40も瞳位置に置か
れている。
46は対物レンズ43と同じ集光レンズ、47は結像レンズ42
と同じ結像レンズ、48は瞳投影レンズ41と同じ瞳投影レ
ンズ、49は集光レンズ、50は集光レンズ49による集光位
置に配置されていて水平走査方向と一致する細長開口状
のスリット、51は瞳投影レンズ、52,53はスリット50の
長手方向に垂直な方向の境界を有する分割検出器であ
る。又、54,55,56,57,58,59,60,61はミラーであって、
単に光路を曲げるためのものである。尚、瞳投影レンズ
41を含む光学系による対物レンズ43の瞳のガルバノメー
タミラー40上への投影倍率と、瞳投影レンズ48を含む光
学系による集光レンズ46の瞳のカルバノメータミラー40
上への投影倍率は全く同じに設計されているものとす
る。
本実施例は上述の如く構成されているから、光源31から
射出されたレーザビームは、ビームエクスパンダ32によ
り適切な光束径に拡大された後AOD36に入射して水平走
査され、その射出ビームはシリンドリカルレンズ37によ
り補正される。続いてレーザビームは瞳伝送レンズ38で
集光されながら、ミラー54で反射して一時走査の線状光
62となり、ミラー55で反射し更に瞳伝送レンズ39を透過
した後ガルバノメータミラー40により垂直走査されて二
次元走査状態となりそれがミラー56,瞳投影レンズ41を
経て対物レンズ42の像面63に集光し、更にミラー57,結
像レンズ42,ミラー58を経て対物レンズ43の瞳に入射
し、対物レンズ43により微小スポットに絞られて試料44
上を二次元走査する。
試料44を透過したレーザ光は集光レンズ46,ミラー59,結
像レンズ47を経て集光レンズ46の像面64に集光し、差に
ミラー60、瞳投影レンズ48を通ってガルバノメータミラ
ー40に入射する。ガルバノメータミラー40で反射されて
一次元走査に再変換されたレーザ光は瞳伝送レンズ49に
入射する。そしてスリット50を通り、瞳投影レンズ51を
介して検出器52,53に入射する。
この場合、瞳投影レンズ41を含む光学系による対物レン
ズ43のガルバノメータミラー40上への投影倍率と、瞳投
影レンズ48を含む光学系による集光レンズ46の瞳のガル
バノメータミラー40上への投影倍率は全く同じに設計さ
れているので、同じ像高に対して同じ偏向角となる。従
って、瞳投影レンズ48を含む光学系を通過して戻ってき
た透過光もガルバノメータミラー40によって完全な一次
元走査に再変換される。そして、その一次元走査方向に
合わせてスリット50の細長開口が設けられているので、
この開口に沿って透過光が動くことになり、光は走査に
かかわらず通過することが出来る。又、この位置は集光
している位置なので、共焦点系が構成されている。又、
瞳投影レンズ51が分割検出器52,53上に瞳を投影してい
るので、分割検出器52,53上では透過光は動かない。従
って、試料45の断面の微分位相像か検出できる。又、試
料44を光軸方向に移動すれば、三次元的な観察も可能で
ある。
尚、試料44の光路長は試料によって異なるので、透過光
の光学系を常時共焦点に保つためには対物レンズ43と集
光レンズ46との間隔を試料44の光路長に応じて変化さ
せ、対物レンズ43と集光レンズ46との間の光路長を試料
によらず一定に保つ必要がある。しかし、単に対物レン
ズ43,46を上下させただけでは、それに従って対物レン
ズ43,46による像面63,64が移動してしまい、結果として
共焦点光学系が保てない。そこで、第3図に示した如
く、ミラー58,対物レンズ43を矢印Aのように、集光レ
ンズ46,ミラー59を矢印Bのように夫々光軸に対して45
゜の方向に移動することによって光学系を調整すれば、
対物レンズ43,集光レンズ46間の間隔調整によっても像
面63,64の移動が起こらず、共焦点光学系は保たれる。
この時対物レンズ43,集光レンズ46は少し水平方向にも
移動するので、試料44も矢印Cのように水平移動するよ
うにすれば、常に試料44を視野中の同じ位置に保つこと
ができる。ミラー58,59,対物レンズ43,集光レンズ46,試
料44の移動は別々でなく、システマチックに動かす機構
により行われることは言うまでもない。
〔発明の効果〕
上述の如く、本発明による光電顕微鏡は位相物体の空間
分布を三次元的に観察することが可能であるという実用
上極めて重要な利点を有している。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による光電顕微鏡の第1実施例の光学系
を示す図、第2図は第2実施例の光学系を示す図、第3
図は第2実施例の対物レンズ、集光レンズ間の光路長を
一定に保つ原理を示す図、第4図は共焦点法の原理を示
す図、第5図は微分位相像検出原理を示す図である。 11,31……レーザ光源、12,32……ビームエクスパンダ、
13,14,33,34……レンズ,15,35……ピンホール、16,43…
…対物レンズ、17,44……試料、18,45……ステージ、2
0,42,47……結像レンズ、21,50……スリット、22,23,5
2,53……分割検出器、24,25……増幅器、26……差動増
幅器、36……AOD、37……シリンドリカルレンズ、38,39
……瞳伝送レンズ、40……ガルバノメータミラー、41,4
8,51……瞳投影レンズ、19,46,49……集光レンズ、54,5
5,56,57,58,59,60,61……ミラー、62……線状光、63,64
……像面。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と、前記光源から発した光を物体上に
    集光する対物レンズと、物体からの光を再び集光する集
    光レンズと、前記集光レンズによる集光位置に設けられ
    た細長開口状のスリットと、前記スリットの長手方向に
    垂直な方向の境界を有していて前記スリットを通過した
    光を検出する分割検出器とを具備して成る光電顕微鏡。
JP14221987A 1987-06-09 1987-06-09 光電顕微鏡 Expired - Lifetime JPH07111505B2 (ja)

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JPS63306414A JPS63306414A (ja) 1988-12-14
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