JPH0711116B2 - 回収ボイラにおける噴射黒液の液滴粒径制御装置 - Google Patents

回収ボイラにおける噴射黒液の液滴粒径制御装置

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JPH0711116B2
JPH0711116B2 JP60169000A JP16900085A JPH0711116B2 JP H0711116 B2 JPH0711116 B2 JP H0711116B2 JP 60169000 A JP60169000 A JP 60169000A JP 16900085 A JP16900085 A JP 16900085A JP H0711116 B2 JPH0711116 B2 JP H0711116B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、パルプ生産工程における回収ボイラに液滴化
して噴射される黒液の液滴粒径制御装置の改良に関す
る。
〔従来の技術〕
一般に、パルプ生産工程においては、チップ蒸解工程で
廃液として生じる黒液を燃焼し、蒸気を発生させると共
にチップ蒸解用薬剤原料を回収する回収ボイラが使用さ
れている。この回収ボイラにおいては、黒液噴射機構に
より黒液が炉内へ散布され、この黒液が浮遊乾燥して炉
底部にチャーベッドを形成し、このチャーベッドが燃焼
することにより蒸気を発生させ、かつその際の還元反応
によって薬剤原料を回収するものとなっている。したが
って、この噴射黒液がボイラを安定に操業するために、
かつ良好な燃焼状態を得るために重要な役割を果たして
いる。すなわち、噴射黒液の液滴粒径が大きすぎる場合
には、乾燥状態が悪く水分が完全に蒸発しないままチャ
ーベッド上に落ちるので、炉底部で乾燥に要する熱が奪
われると同時に燃焼に遅れを生じ、炉内での還元反応に
必要な高温還元雰囲気の形成が阻害されるおそれがある
上、燃焼不良を引き起こすおそれがあった。また、チャ
ーベッドの堆積量が高くなりすぎて崩れ落ち、空気吹出
し口を詰まらせてしまうおそれもあった。一方、噴射黒
液の液滴粒径が小さすぎる場合には、乾燥が早く行なわ
れ、チャーベッド上に黒液が着床する前に燃焼してしま
うので、炉底部付近の発生熱量が不足し、やはり高温還
元雰囲気の形成が阻害されるおそれがある上、飛散ダス
トが多くなり、ボイラチューブへのダスト付着量が増加
して操業に支障をきたすおそれがあった。
そこで、噴射黒液がチャーベッドに着床するまでの時間
と浮遊乾燥する時間とが一致するように、噴射黒液の液
滴粒径を制御する必要がある。ところが、噴射黒液の液
滴粒径を直接的に制御するのは困難であった。従来は、
噴射黒液の濃度から黒液の沸点温度を推定し、この沸点
温度よりも一定温度低い値に黒液温度の設定値を設け、
この設定温度となるように黒液の温度を調整することに
より噴射黒液の液滴粒径を制御していた。この場合、液
滴粒径が大きいとチャーベッドレベルが上昇し、逆に小
さいとチャーベッドレベルが減少することに着目し、こ
のチャーベッドレベルが一定となるように前記黒液温度
の設定値を補償することもあった。また、噴射される黒
液の噴射圧力が高いと液滴粒径が小さくなり、逆に噴射
圧力が低いと大きくなるので、この噴射圧力を検出して
前記黒液温度の設定値を補償することもあった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかるに、チップ蒸解工程にて廃液として得られる黒液
は、このチップ蒸解工程に投入されるチップ材の種類お
よびチップ蒸解用薬剤の量によってその性状が変化す
る。すなわち、チップ材の種類が異なると黒液中の有機
成分例えばリグニンなどの量が変化し、薬剤の量が変わ
ると硫化物あるいはナトリウムなどの量が変化する。そ
して、上述したように黒液性状が変化すると、噴射黒液
の液滴粒径を決める諸物性値(粘性,表面張力等)が変
化する上、黒液の沸点が変化する。したがって、従来の
液滴粒径制御手段では、黒液性状の変化に伴うずれを補
償することができず、適正な液滴粒径が得られる温度に
黒液の温度を制御することができなかった。黒液性状に
よる変化はチャーベッドレベルを顕著に変化させるもの
ではなく、またチャーベッドレベル検出器の精度にも問
題があるので、チャーベッドレベル補償だけでは補償機
能を十分に満たしていない。このため、黒液性状が変化
すると、噴射黒液の液滴粒径が変化し、最適な燃焼状態
が得られなかった。
そこで本発明は、黒液性状の変化に対して適正な噴射黒
液の液滴粒径が得られ、常に最適な燃焼状態を保持で
き、パルプ生産工程の省力化および安定化をはかり得る
回収ボイラにおける噴射黒液の液滴粒径制御装置を提供
することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は上記問題点を解決し目的を達成するために次の
ような手段を講じたことを特徴としている。すなわち、
回収ボイラ内に噴射される黒液の濃度とチップ蒸解工程
に投入されるチップ材およびチップ蒸解用薬剤の種類お
よび投入量等に基いて得られる黒液性状とに応じて前記
黒液の沸点を推定し、この推定された沸点に基いて前記
黒液の設定温度を算出し、この設定温度に前記黒液の温
度を調節するようにしたことを特徴としている。
〔作用〕
このような手段を講じたことにより、たとえ黒液の性状
が変化しても、最適な液滴粒径が得られる黒液温度設定
値の性状変化に伴うずれが補償される。
〔実施例〕
以下、本発明を実施するための基本的な原理について説
明する。回収ボイラに噴射される黒液の液滴粒径は黒液
噴射機構に依存するが、主に黒液の圧力,温度,濃度,
黒液性状によって変化する。そして、一般的には、黒液
温度を調整して適正な液滴粒径を得ようとしている。こ
の場合、黒液温度を上げると、粘性および表面張力が小
さくなり、噴射される液滴の粒径が小さくなる。したが
って、体積当りの表面積が大きくなるので、乾燥時間が
浮遊時間に比べて短くなる。そして、黒液温度を上げ過
ぎると浮遊中に燃焼が行なわれる。一方、黒液温度を下
げると、液滴の粒径が大きくなり、体積当りの表面積が
小さくなるので、乾燥時間が浮遊時間に比べて長くな
る。このため、チャーベッドに着床したあとも乾燥時間
を要し、乾燥に必要な熱を周囲から吸収するため、高温
下での還元反応を阻害する。
ところで、従来は黒液の沸点を基準にして一定温度だけ
低い値を黒液温度の適正値として設定し、この適正値に
黒液温度が一致するように調整するものとなっていた。
このとき、沸点からの一定温度差はオペレータが経験的
に燃焼状態を見ながら調整する。また、必要に応じてチ
ャーベッドレベルあるいは黒液圧力の変化によって設定
温度を補償していた。しかるに、この従来の黒液温度制
御手段は、黒液性状の変化によって生じる黒液温度設定
値のずれを補償することはできなかった。
一方、各種黒液性状に対して固形分濃度と沸点との間に
は特定な関数関係がある。そこで、本発明ではこの関数
関係を予め求めておき、この関係から各種黒液性状に対
する黒液の沸点を推定し、この推定された沸点に基いて
適正な黒液温度設定値を求めている。
第1図は本発明の第1の実施例の構成を示す系統図であ
る。同図において10は回収ボイラであって、このボイラ
10内には噴射黒液11が噴射ガン12により液滴化されて投
入されるものとなっている。上記噴射黒液11は、回収ボ
イラ10内にて浮遊乾燥し、炉底部に着床してチャーベッ
ド13を形成する。そして、チャーベッド13上の高温雰囲
気によって還元反応が行なわれ、噴射黒液11中の芒硝
(Na2SO4)などは還元反応によって硫化ナトリウム(Na
2S)となり、炭酸ナトリウム(Na2CO3)などと共にスメ
ルト14としてスパウトロ15から回収され、パルプ蒸解用
薬剤として再利用される。
一方、噴射黒液11中の有機成分は、回収ボイラ10の炉底
部に供給される燃焼用空気16aによってチャーベッド13
の表面上にて還元燃焼する。また、不完全燃焼分は回収
ボイラ10の中央部に供給される燃焼用空気16bによって
チャーベッド13の上部にて完全燃焼する。そして、燃焼
ガスは図中矢印Aで示す如く上昇し、ボイラ伝熱管17内
の作動流体と熱交換して蒸気を発生させたのち、図中矢
印Bで示す如く系外へ排ガスとして排出されるものとな
っている。
また、第1図において18はチップ蒸解釜であって、この
チップ蒸解釜18内に投入されるチップ材19をチップ蒸解
用薬剤20と水蒸気21とによって蒸解することによりパル
プ22を生成するものとなっている。このとき、上記チッ
プ蒸解釜18から排出される廃液23は、酸化塔24において
空気25と接触して酸化し、濃縮器26にて濃縮されたのち
ミキシングタンク27にて芒硝28と混合されて黒液29とな
る。そして、この黒液29は、加熱器30にて蒸気31により
加熱され、前記噴射黒液11として噴射黒液供給ライン32
を介して噴射ガン12から回収ボイラ10内へ散布されるも
のとなっている。
一方、前記噴射黒液供給ライン32には、噴射黒液11の温
度を検出する温度検出器33と、光屈折式濃度計によって
黒液溶液の屈折率の関数となっている固形分濃度を推定
する固形分濃度推定器34とが設けられている。上記固形
分濃度推定器34の出力端は、沸点演算器35の一方の入力
端に接続しており、上記沸点演算器35の他方の入力端に
は前記チップ材19の種類またはチップ蒸解用薬剤20の量
に基いて黒液29の性状を設定する黒液性状設定器36が接
続している。前記沸点演算器35は、予めチップ蒸解工程
に投入されるチップ材19の種類に基いて得られる黒液性
状に対する固形分濃度と沸点との関係を得、上記黒液性
状設定器36により設定された黒液性状に基いて固形分濃
度と沸点との関係の1つを選択し、前記固形分濃度推定
器34にて推定された固形分濃度から前記黒液29の沸点を
推定演算するものであって、この沸点演算器35の出力端
は加算器37の一方の入力端に接続しており、上記加算器
37の他方の入力端には、前記黒液性状設定器36にて設定
された黒液性状に応じて一定の温度差を設定する温度差
設定器38が接続している。前記加算器37は、前記沸点演
算器35にて演算された沸点と温度差設定器38にて設定さ
れた一定温度差とを加算して黒液温度の設定値を算出す
るものであって、この加算器37の出力端は温度調節器39
の一方の入力端に接続しており、上記温度調節器39の他
方の入力端には前記温度検出器33が接続している。上記
温度調節器39は、温度検出器33にて検出される噴射黒液
11の温度を前記加算器37にて算出される黒液温度設定値
となるように、蒸気制御弁40の開度を調節するものであ
って、この蒸気制御弁40の開度に応じて前記加熱器30に
供給される蒸気31の量が調節され、加熱器30にて加熱さ
れる噴射黒液11の温度が制御されるものとなっている。
このように構成された本実施例においては、チップ蒸解
釜18にチップ蒸解用薬剤20とチップ材19とを投入する際
に、黒液性状設定器36によってチップ材19の種類または
チップ蒸解用薬剤20の量に基いて得られる黒液性状を設
定する。そうすると、沸点演算器35において、この設定
された黒液性状と固形分濃度推定器34にて推定された固
形分濃度とから黒液29の沸点が推定演算される。
第2図(a)は黒液性状がユーカリ材晒パルプ黒液に対
する固形分濃度(横軸)と沸点(縦軸)との関係を示す
図で、同図(b)は黒液性状が広葉樹晒パルプ黒液に対
する固形分濃度(横軸)と沸点(縦軸)との関係を示す
図である。同図(a)(b)に示す関数関係は予めテー
ブル塔に設定されており、例えば前記黒液性状設定器36
にてユーカリ材晒パルプ黒液が設定されると、沸点演算
器35において第2図中(a)に示す関数関係が選択さ
れ、前記固形分濃度推定器34にて推定された固形分濃度
がS1の場合、沸点f1が推定演算される。
一方、温度差設定器38では、前記黒液性状設定器36にて
設定された黒液性状に応じて適正な液滴粒径が得られる
沸点からの温度差が設定され、加算器37に出力される。
そして、この加算器37において、前記沸点演算器35にて
演算された沸点から温度差設定器38にて設定された温度
差だけ低い黒液温度設定値が算出され、温度調節器39に
出力される。そうすると、この温度調節器39において、
温度検出器33にて検出される噴射黒液11の温度と前記黒
液温度設定値とが比較され、その偏差に基いて蒸気制御
弁40に弁開度指令信号が出力される。その結果、加熱器
30に供給される蒸気31の量が制御され、噴射黒液11の温
度が黒液温度設定値と等しくなり、噴射黒液の液滴粒径
が適正な大きさとなる。
このように本実施例によれば、予め与えられた各種黒液
性状に対する噴射黒液11の固形分濃度と沸点との関係か
ら沸点を推定するので、黒液性状の変化に伴う黒液29の
沸点の変化を補償し得る。したがって、沸点の変化によ
る黒液温度設定値の変化を簡単に補償することができ、
常に最適な液滴粒径が得られる温度に噴射黒液11の温度
を設定することができる。その結果、回収ボイラ10は常
時最適な燃焼状態で運転され、パルプ生産工程の省力化
および安定化をはかり得る。
次に、本発明の他の実施例について説明する。
第3図は本発明の第2の実施例における主要部の構成を
示す系統図である。本実施例は、前記第1の実施例にお
いて加算器37にて算出された黒液温度設定値を回収ボイ
ラ10内に堆積されるチャーベッド13のレベルに応じて補
償するチャーベッドレベル補償手段と、上記黒液温度設
定値を噴射黒液11の噴射圧力に応じて補償する噴射圧力
補償手段とを備えたものである。
第3図において41はチャーベッド13のレベルを検出する
チャーベッドレベル検出器であって、このレベル検出器
41の検出信号はチャーベッドレベル調節器42に出力さ
れ、このレベル調節器42において、チャーベッドレベル
設定器43にて設定されたチャーベッドレベルとなるよう
に調節され、チャーベッドレベル補償値として前記加算
器37に出力される。そうすると、この加算器37におい
て、前記沸点演算器35にて推定演算された沸点温度と温
度差設定器38にて設定された温度差と共に加算され、チ
ャーベッドレベルに応じて補償された黒液温度設定値が
算出される。
一方、第3図において44は噴射黒液供給ライン32に設け
られ噴射黒液11の噴射圧力を検出する圧力検出器であっ
て、この圧力検出器44からの検出信号は圧力補償値演算
器45に出力される。そして、この圧力補償値演算器45に
おいて、予め設定された検出圧力に対する圧力補償値が
演算され、加算器46において、前記加算器37から出力さ
れる黒液温度設定値に加算される。その結果、噴射圧力
に応じて補償された黒液温度設定値が温度調節器39に出
力される。
一般に、回収ボイラ10の運転時においては、チャーベッ
ド13の形状や位置および燃焼状態の安定化のために部分
的に噴射ガン12を変更する場合がある。また、同一の噴
射ガン12であっても、噴射口付近に噴射黒液11が付着し
たり、経年変化によって噴射ガン12の特性が変化する場
合がある。したがって、前述したような噴射圧力による
補償が必要となる。
このように、沸点と一定温度差とから算出された黒液温
度設定値を、チャーベッドレベル調節器42から出力され
るチャーベッドレベル補償値と、圧力補償値演算器45か
ら出力される圧力補償値とによって補償することによ
り、高精度に黒液温度を制御することができる。したが
って、回収ボイラ10内に噴射される噴射黒液11の液滴粒
径をより適正な値とすることができる。その結果、回収
ボイラ10は第1の実施例よりも最適な燃焼状態で運転さ
れ、パルプ生産工程の省力化および安定化が向上する。
第4図は本発明の第3の実施例における主要部の構成を
示す系統図であり、第1図および第3図と同一部分には
同一符号を付し、詳しい説明は省略する。本実施例にお
いては、先ず、チャーベッドレベル検出器41の代わりに
スキャニングパイロメータ47を設け、このスキャニング
パイロメータ47の検出信号から炉内温度算出器48および
チャーベッドレベル算出器49により炉内温度およびチャ
ーベッドレベルを算出する。そして、上記チャーベッド
レベル算出器9の出力は前記チャーベッドレベル調節器
42に与え、前記第2の実施例の場合と同様にして加算器
37にて黒液温度設定値を補償する。一方、炉内温度算出
器48の出力は炉内温度補償値演算器50に与え、炉内温度
に基く炉内温度補償値を演算子、加算器51において、上
記炉内温度補償値と黒液温度設定値とを加算することに
より炉内温度に対する補償を行なう。こうすることによ
り、たとえ炉内温度が変化しても、適正な液滴粒径が得
られる。
また、本実施例では、回収ボイラ10内に供給される燃焼
用空気16aおよび16bを空気流量検出器52,53により検出
し、これら空気流量検出器52,53の出力に基いて負荷補
償値演算器54にて負荷補償値を演算し、加算器55におい
て上記負荷補償値と黒液温度設定値とを加算することに
より空気流量(負荷)に対する補償を行なう。こうする
ことにより、たとえ燃焼用空気流量(負荷)が変化して
も適正な液滴粒径が得られる。
さらに、本実施例では、圧力補償値演算器45に対して予
め噴射ガン12の種類に応じて圧力補償値を算出する関数
を設定しておき、噴射ガン種類設定器56にて設定される
噴射ガン12の種類と圧力検出器44にて検出される噴射圧
力とから圧力補償値演算器45にて圧力補償値を演算し、
加算器46にて圧力補償値を黒液温度設定値に加算するこ
とにより黒液温度設定値を補償する。こうすることによ
り、たとえ噴射ガン12が交換されても適正な液滴粒径が
得られる。
なお、本発明は前記各実施例に限定されるものではな
い。たとえば、前記各実施例では固形分濃度推定器34を
噴射黒液供給ライン32に設けた場合を示したが、ミキシ
ングタンク27の入口部に設けるようにしてもよい。ま
た、この固形分濃度推定器34にて使用される濃度計とし
てはガンマ線式濃度計を使用してもよいし、密度計と温
度検出器等を用いて濃度計により検出された固形分濃度
を補償することにより精度よく推定するようにしてもよ
い。また、前記第2の実施例ではチャーベッドレベル補
償手段と噴射圧力補償手段とによって黒液温度設定値を
補償する場合を示したが、いずれか一方の補償手段のみ
であってもよい。また、前記第2,第3の実施例ではチャ
ーベッドレベル調節器42から出力されるチャーベッドレ
ベル補償値を加算器37に与えて黒液温度設定値を補償す
る場合を示したが、この補償値を第2ないし第4の加算
器46,51,55のいずれか一つの加算器に与えて黒液温度設
定値を補償するようにしてもよい。このほか本発明の要
旨を越えない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論で
ある。
〔発明の効果〕
以上詳述したように本発明は、回収ボイラ内に噴射され
る黒液の濃度とチップ蒸解工程に投入されるチップ材お
よびチップ蒸解用薬剤の種類および投入量等に基いて得
られる黒液性状とに応じて前記黒液の沸点を推定し、こ
の推定された沸点に基いて前記黒液の設定温度を算出
し、この設定温度になるように前記黒液の温度を調節す
るようにしたものである。
したがって、本発明によれば、たとえ黒液の性状が変化
しても、最適な液滴粒径が得られる黒液温度設定値の性
状変化に伴うずれが補償されるので、黒液性状の変化に
対して適正な噴射黒液の液滴粒径が得られ、常に最適な
燃焼状態を保持でき、パルプ生産工程の省力化および安
定化をはかり得る回収ボイラにおける噴射黒液の液滴粒
径制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明の第1の実施例を示す図で
あって、第1図は構成を示す系統図、第2図は各黒液性
状に対する固形分濃度と沸点との関係を示す図、第3図
および第4図は本発明の第2,第3の実施例の主要部の構
成を示す系統図である。 10……回収ボイラ、11……噴射黒液、12……噴射ガン、
13……チャーベッド、18……チップ蒸解釜、19……チッ
プ材、20……チップ蒸解用薬剤、29……黒液、30……加
熱器、31……蒸気、32……噴射黒液供給ライン、33……
温度検出器、34……固形分濃度推定器、35……沸点演算
器、36……黒液性状設定器、37……加算器、38……温度
差設定器、39……温度調節器、40……蒸気制御弁、41…
…チャーベッドレベル検出器、42……チャーベッドレベ
ル調節器、43……チャーベッドレベル設定器、44……圧
力検出器、45……圧力補償値演算器、46……加算器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩越 陽平 熊本県八代市十条町1丁目1番地 十條製 紙株式会社八代工場内 (72)発明者 西村 勝 大阪府大阪市此花区島屋4丁目1番35号 川崎重工業株式会社大阪工場内 (72)発明者 黒崎 泰充 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 井床 利之 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 中林 志郎 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 飯塚 和幸 東京都港区芝浦1丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 桑田 龍一 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 熊木 亜夫 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 近久 嚴雄 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (56)参考文献 特開 昭57−210217(JP,A) 特開 昭62−29802(JP,A) 特開 昭62−29804(JP,A) 特開 昭62−29806(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チップ蒸解工程でチップ材とチップ蒸解用
    薬剤とを投入し、廃液として得られる黒液を燃焼して蒸
    気を発生させると共に上記チップ蒸解用薬剤の原料を回
    収する回収ボイラにおいて、前記回収ボイラ内に噴射さ
    れる黒液の濃度と前記チップ蒸解工程にて投入されるチ
    ップ材およびチップ蒸解用薬剤の種類および投入量等に
    基いて得られる黒液性状とに応じて前記黒液の沸点を推
    定する沸点推定手段と、この沸点推定手段により推定さ
    れた沸点に基いて前記黒液の設定温度を算出する黒液温
    度設定手段と、この黒液温度設定手段により算出された
    設定温度に前記黒液の温度を調節する黒液温度調節手段
    とを具備したことを特徴とする回収ボイラにおける噴射
    黒液の液滴粒径制御装置。
  2. 【請求項2】前記黒液温度設定手段は、前記回収ボイラ
    内に堆積するチャーベッドのレベルに応じて前記黒液の
    設定温度の算出を補償するチャーベッドレベル補償手段
    および前記回収ボイラに噴射される黒液の噴射圧力に応
    じて補償する噴射圧力補償手段のいずれかの手段または
    両手段を備えたものであることを特徴とする特許請求の
    範囲第(1)項記載の回収ボイラにおける噴射黒液の液
    滴粒径制御装置。
JP60169000A 1985-07-31 1985-07-31 回収ボイラにおける噴射黒液の液滴粒径制御装置 Expired - Fee Related JPH0711116B2 (ja)

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