JPH068683B2 - 回収ボイラにおける噴射黒液の液滴粒径制御装置 - Google Patents

回収ボイラにおける噴射黒液の液滴粒径制御装置

Info

Publication number
JPH068683B2
JPH068683B2 JP16899885A JP16899885A JPH068683B2 JP H068683 B2 JPH068683 B2 JP H068683B2 JP 16899885 A JP16899885 A JP 16899885A JP 16899885 A JP16899885 A JP 16899885A JP H068683 B2 JPH068683 B2 JP H068683B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
black liquor
recovery boiler
temperature
load
control device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP16899885A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6229804A (ja
Inventor
義和 福島
陽平 塩越
孝男 松田
泰充 黒崎
利之 井床
志郎 中林
和幸 飯塚
龍一 桑田
亜夫 熊木
嚴雄 近久
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Nippon Seishi KK
Kawasaki Motors Ltd
Original Assignee
Toshiba Corp
Nippon Seishi KK
Kawasaki Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Nippon Seishi KK, Kawasaki Jukogyo KK filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP16899885A priority Critical patent/JPH068683B2/ja
Publication of JPS6229804A publication Critical patent/JPS6229804A/ja
Priority to US07/090,425 priority patent/US4768469A/en
Publication of JPH068683B2 publication Critical patent/JPH068683B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Regulation And Control Of Combustion (AREA)
  • Paper (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、パルプ生産工程における回収ボイラに液滴化
して噴射される黒液の液滴粒径制御装置の改良に関す
る。
〔従来の技術〕
一般に、パルプ生産工程においては、チップ蒸解工程で
廃液として生じる黒液を燃焼し、蒸気を発生させると共
にチップ蒸解用薬剤原料を回収する回収ボイラが使用さ
れている。この回収ボイラにおいては、黒液噴射機構に
より黒液が炉内へ散布され、この黒液が浮遊乾燥して炉
底部にチャーベッドを形成し、このチャーベッドが燃焼
することにより蒸気を発生させ、かつその際の還元反応
によって薬剤原料を回収するものとなっている。したが
って、この噴射黒液がボイラを安定に操業するために、
かつ良好な燃焼状態を得るために重要な役割を果たして
いる。すなわち、噴射黒液の液滴粒径が大きすぎる場合
には、乾燥状態が悪く水分が完全に蒸発しないままチャ
ーベッド上に落ちるので、炉底部で乾燥に要する熱が奪
われると同時に燃焼に遅れを生じ、炉内での還元反応に
必要な高温還元雰囲気の形成が阻害されるおそれがある
上、燃焼不良を引き起こすおそれがあった。また、チャ
ーベッドの堆積量が高くなりすぎて崩れ落ち、空気吹出
し口を詰まらせてしまうおそれもあった。一方、噴射黒
液の液滴粒径が小さすぎる場合には、乾燥が早く行なわ
れ、チャーベッド上に黒液が着床する前に燃焼してしま
うので、炉底部付近の発生熱量が不足し、やはり高温還
元雰囲気の形成が阻害されるおそれがある上、飛散ダス
トが多くなり、ボイラチューブへのダスト付着量が増加
して操業に支障をきたすおそれがあった。
そこで、噴射黒液がチャーベッドに着床するまでの時間
と浮遊乾燥する時間とが一致するように、噴射黒液の液
滴粒径を制御する必要がある。ところが、噴射黒液の液
滴粒径を直接的に制御するのは困難であった。従来は、
噴射黒液の濃度から黒液の沸点温度を推定し、この沸点
温度よりも一定温度低い値に黒液温度の設定値を設け、
この設定温度となるように黒液の温度を調整することに
より噴射黒液の液滴粒径を制御していた。この場合、液
滴粒径が大きいとチャーベッドレベルが上昇し、逆に小
さいとチャーベットレベルが減少することに着目し、こ
のチャーベッドレベルが一定となるように前記黒液温度
の設定値を補償することもあつた。また、噴射される黒
液の噴射圧力が高いと液滴粒径が小さくなり、逆に噴射
圧力が低いと大きくなるので、この噴射圧力を検出して
前記黒液温度の設定値を補償することもあった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかるに、回収ボイラの負荷が変化すると回収ボイラに
供給される空気流量が変化し、ボイラ内に噴射される噴
射黒液の浮遊乾燥時間およびチャーベッド上での燃焼遅
れ時間等が変化する。したがって、前記従来の液滴粒径
制御手段により適正な液滴粒径が得られるように黒液温
度を設定しても、負荷の変化によってこの設定値では適
正な液滴粒径ではなくなるおそれがあった。このような
設定値のずれを補償することはチャーベッドレベル補償
手段および噴射圧力補償手段では十分に補償しきれなか
った。このため、負荷が変化すると、噴射黒液の液滴粒
径が変化し、最適な燃焼状態を得られなかった。
そこで本発明は、回収ボイラに関わる負荷の変化に対し
て適正な噴射黒液の液適粒径が得られ、常に最適な燃焼
状態を保持でき、パルプ生産工程の省力化および安定化
をはかり得る回収ボイラにおける燃焼黒液の液滴粒径制
御装置を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は上記問題点を解決し目的を達成するために次の
ような手段を講じたことを特徴としている。すなわち、
回収ボイラ内に噴射される黒液の温度に基いて前記黒液
の沸点を推定し、この推定された沸点に基いて前記黒液
の設定温度を算出すると共に、前記回収ボイラに関わる
負荷もしくは負荷相当量を検出し、この検出された負荷
もしくは負荷相当量に基いて前記黒液の設定温度を補償
し、この補償された設定温度に前記黒液の温度を調節す
るようにしたことを特徴としている。
〔作用〕
このような手段を講じたことにより、たとえ回収ボイラ
に関わる負荷が変化しても、最適な液滴粒径が得られる
黒液温度設定値の負荷変化に伴うずれが補償される。
〔実施例〕
以下、本発明を実施するための基本的な原理について説
明する。回収ボイラに噴射される黒液の液滴粒径は黒液
噴射機構に依存するが、主に黒液の圧力,温度,濃度,
黒液性状によって変化する。そして、一般的には、黒液
温度を調整して適正な液滴粒径を得ようとしている。こ
の場合、黒液温度を上げると、粘性および表面張力が小
さくなり、噴射される液滴粒径が小さくなる。したがっ
て、体積当りの表面積が大きくなるので、乾燥時間が浮
遊時間に比べて短くなる。そして、黒液温度を上げ過ぎ
ると浮遊中に燃焼が行なわれる。一方、黒液温度を下げ
ると、液滴粒径が大きくなり、体積当りの表面積が小さ
くなるので、乾燥時間が浮遊時間に比べて長くなる。こ
のため、チャーベッドに着床したあとも乾燥時間を要
し、乾燥に必要な熱を周囲から吸収するため、高温下で
の還元反応を阻害する。
また、黒液噴射機構から散布される黒液の液滴粒径が同
じであっても、回収ボイラ内に供給される空気流量が多
い場合すなわち負荷が大きい場合には液滴粒径の浮遊時
間が長くなるため、チャーベッドに着床する前に乾燥が
終了して浮遊中に燃焼が始まる。逆に、空気流量が少な
い場合すなわち負荷が小さい場合には浮遊時間が乾燥時
間よりも短くなり、液滴はチャーベッドに着床するまで
の時間内では乾燥しない。
ところで、従来は黒液の沸点を基準にして一定温度だけ
低い値を黒液温度の適正値として設定し、この適正値に
黒液温度が一致するように調整するものとなっていた。
このとき、沸点からの一定温度差はオペレータが経験的
に燃焼状態を見ながら調整する。また、必要に応じてチ
ャーベッドレベルあるいは黒液圧力の変化によって設定
温度を補償していた。しかるに、この従来の黒液温度制
御手段は、回収ボイラに供給される負荷が変化した場合
には、オペレータが炉内の燃焼状態やチャーベッドの形
状等を見て経験的に黒液温度設定値を調整しなければな
らず、適正な設定値を得るのは困難であった。
そこで、本発明では負荷もしくは負荷相当量を検出し、
この負荷もしくは負荷相当量の関数として自動的に黒液
温度設定値を補償し、適正な黒液温度設定値を求めてい
る。
第1図は本発明の第1の実施例の構成を示す系統図であ
る。同図において10は回収ボイラであって、このボイ
ラ10内には噴射黒液11が噴射ガン12により液滴化
して投入されるものとなっている。上記噴射黒液11
は、回収ボイラ10内にて浮遊乾燥し、炉底部に着床し
てチャーベッド13を形成する。そして、チャーベッド
13上の高温雰囲気によって還元反応が行なわれ、噴射
黒液11中の芒硝(NaSO)などは還元反応によ
って硫化ナトリウム(NaS)となり、炭酸ナトリウ
ム(NaCO)などと共にスメルト14としてスパ
ウトロ15から回収され、パルプ蒸解用薬剤として再利
用される。
一方、噴射黒液11中の有機成分は、回収ボイラ10の
炉底部に供給される燃焼用空気16aによってチャーベ
ッド13の表面上にて還元燃焼する。また、不完全燃焼
分は回収ボイラ10の中央部に供給される燃焼用空気1
6bによってチャーベッド13の上部にて完全燃焼す
る。そして、燃焼ガスは図中矢印Aで示す如く上昇し、
ボイラ伝熱管17内の作動流体と熱交換して蒸気を発生
させたのち、図中矢印Bで示す如く系外へ排ガスとして
排出されるものとなっている。
また、第1図において18はチップ蒸解釜であって、こ
のチップ蒸解釜18内に投入されるチップ材19をチッ
プ蒸解用薬剤20と水蒸気21とによって蒸解すること
によりパルプ22を生成するものとなっている。このと
き、上記チップ蒸解釜18から排出される廃液23は、
酸化塔24において空気25と接触して酸化し、濃縮器
26にて濃縮されたのちミキシングタンク27にて芒硝
28と混合されて黒液29となる。そして、この黒液2
9は、加熱器30にて蒸気31により加熱され、前記噴
射黒液11として噴射黒液供給ライン32を介して前記
噴射ガン12から回収ボイラ10内へ散布されるものと
なっている。
一方、前記噴射黒液供給ライン32には、噴射黒液11
の温度を検出する温度検出器33と、光屈折式濃度計に
よって黒液溶液の屈折率の関数となっている固形分濃度
を推定する固形分濃度推定器34とが設けられている。
上記固形分濃度推定器34の出力端は、沸点演算器35
に接続している。この沸点演算器35は、前記固形分濃
度推定器34にて推定された固形分濃度から前記黒液2
9の沸点を推定演算するものであって、この沸点演算器
35の出力端は第1の加算器36に接続している。この
第1の加算器36は、前記沸点演算器35にて演算され
た沸点と温度差設定器37にて設定された一定温度差と
を加算して黒液温度の設定値を算出するものであって、
この第1の加算器36の出力端は第2の加算器38に接
続している。
また、第1図において39,40は前記回収ボイラ10
内に供給される燃焼用空気16a,16bの空気流量を
検出する第1,第2の空気流量検出器であって、これら
第1,第2の空気流量検出器39,40の出力端は負荷
補償値演算器41に接続している。この負荷補償値演算
器41は、前記第1,第2の空気流量検出器39,40
によって検出された空気流量に基いて黒液温度設定値を
補償する負荷補償値を演算するものであって、その出力
端は前記第2の加算器38に接続している。
上記第2の加算器38においては、前記第1の加算器3
6から与えられる黒液温度設定器値と前記負荷補償演算
器41から与えられる負荷補償値とを加算して黒液温度
設定値を補償するものであって、その出力端は温度調節
器42の一方の入力端に接続しており、上記温度調節器
42の他方の入力端には前記温度検出器33が接続して
いる。上記温度調節器42は、温度検出器33にて検出
された噴射黒液11の温度を前記第2の加算器38にて
算出された負荷による補償が施された黒液温度設定値と
なるように、蒸気制御弁43の開度を調節するものであ
って、この蒸気制御弁43の開度に応じて前記加熱器3
0に供給される蒸気31の量が調節され、加熱器30に
て加熱される噴射黒液11の温度が制御されるものとな
っている。
このように構成された本実施例においては、回収ボイラ
10内の炉底部および炉中央部に供給される燃焼用空気
16a,16bの空気流量を第1,第2の空気流量検出
器39,40にて検出する。そうすると、負荷補償値演
算器41において、これら第1,第2の空気流量検出器
39,40にて検出された空気流量に基いて負荷補償値
が演算される。
第2図は空気流量(負荷)と負荷補償値との関係を示す
図であって、通常の空気流量すなわち負荷基準値Pの場
合には負荷補償値を0[℃]とする。そして、空気流量
が多くなるすなわち負荷が大きくなると液滴の浮遊時間
が長くなるため、負荷補償値演算器41では、第1の加
算器36にて算出される黒液温度設定値を低くするよう
な負荷補償値を演算し、逆に空気流量が少なくなるすな
わち負荷が小さくなると浮遊時間が短くなるので黒液温
度設定値を高くするような負荷補償値を演算する。
一方、第1の加算器36では、沸点演算器35にて推定
演算された黒液29の沸点から温度差設定器37にて設
定された一定温度だけ低い黒液温度設定値が算出され、
第2の加算器38に与えられる。そうすると、この第2
の加算器38において、上記黒液温度設定値と前記負荷
補償値とが加算され、負荷による補償が施された黒液温
度設定値が算出される。そして、この補償された黒液温
度設定値は温度調節器42に出力され、この温度調節器
42において、温度検出器33にて検出された噴射黒液
11の温度と補償された黒液温度設定値とが比較され、
その偏差に基いて蒸気制御弁43に弁開度指令信号が出
力される。その結果、加熱器30に供給される蒸気31
の量が制御され、噴射黒液11の温度が負荷による補償
が施された黒液温度設定値と等しくなり、噴射黒液の液
滴粒径が適正な大きさとなる。
このように本実施例によれば、回収ボイラ10に供給さ
れる空気流量(負荷)の変化に応じて負荷と液滴粒径と
の関係に基く負荷補償値を算出し、この負荷補償値によ
って黒液温度設定値を補償している。したがって、負荷
の変化による黒液温度設定値の変化を簡単に補償するこ
とができ、常に最適な液滴粒径が得られる温度に噴射黒
液11の温度を設定することができる。その結果、回収
ボイラ10は常時最適な燃焼状態で運転され、パルプ生
産工程の省力化および安定化をはかり得る。
次に、本発明の他の実施例について説明する。
第3図は本発明の第2の実施例における主要部の構成を
示す系統図である。本実施例は、前記第1の実施例にお
いて第1の加算器36にて算出された黒液温度設定値を
回収ボイラ10内に堆積されるチャーベッド13のレベ
ルに応じて補償するチャーベッドレベル補償手段と、上
記黒液温度設定値を噴射黒液11の噴射圧力に応じて補
償する噴射圧力補償手段とを備えたものである。
第3図において44はチャーベッド13のレベルを検出
するチャーベッドレベル検出器であって、このレベル検
出器44の検出信号はチャーベッドレベル調節器45に
出力され、このレベル調節器45において、チャーベッ
ドレベル設定器46に設定されたチャーベッドレベルと
なるように調節され、チャーベッドレベル補償値として
前記第1の加算器36に出力される。そうすると、この
第1の加算器36において、前記沸点演算器35にて推
定演算された沸点温度と温度差設定器37にて設定され
た温度差と共に加算され、チャーベッドレベルに応じて
補償された黒液温度設定値が算出される。
一方、第3図において47は噴射黒液供給ライン32に
設けられ噴射黒液11の噴射圧力を検出する圧力検出器
であって、この圧力検出器47からの検出信号は圧力補
償値演算器48に出力される。そして、この圧力補償値
演算器48において、予め設定された検出圧力に対する
圧力補償値が演算され、第3の加算器49において、前
記第1の加算器36から出力される黒液温度設定値に加
算される。その結果、噴射圧力に応じて補償された黒液
温度設定値が算出され、第2の加算器38に出力され
る。
一般に、回収ボイラ10の運転時においては、チャーベ
ッドレベル13の形状や位置および燃焼状態の安定化の
ために部分的に噴射ガン12を変更する場合がある。ま
た、同一の噴射ガン12であっても、噴射口付近に噴射
黒液11が付着したり、経年変化によって噴射ガン12
の特性が変化する場合がある。したがって、前述したよ
うな噴射圧力による補償が必要となる。
このように、沸点と一定温度差とから算出された黒液温
度設定値を、チャーベッドレベル調節器45から出力さ
れるチャーベッドレベル補償値と、圧力補償値演算器4
8から出力される圧力補償値とによって補償することに
より、より高精度に黒液温度の設定値を設けることがで
きる。したがって、回収ボイラ10内に噴射される噴射
黒液11の液滴粒径をより適正な値とすることができ
る。その結果、回収ボイラ10は第1の実施例よりも最
適な燃焼状態で運転され、パルプ生産工程の省力化およ
び安定化が向上する。
第4図は本発明の第3の実施例における主要部の構成を
示す系統図であって、第1図および第3図と同一部分に
は同一符号を付し、詳しい説明は省略する。本実施例で
は、先ず、沸点演算器35において固形分濃度から沸点
を推定演算する際に、チップ材19の種類に基いて得ら
れる黒液性状に対する固形分濃度と沸点との関数関係を
予め設定しておき、黒液性状設定器50にて設定された
黒液性状に基いて固形分濃度推定器34にて推定された
固形分濃度から沸点を推定演算する。また、温度差設定
器37においては、前記黒液性状設定器50にて設定さ
れた黒液性状に基いて所定の温度差を設定し、第1の加
算器36において前記沸点演算器35にて推定演算され
た沸点と温度差設定器37にて設定された温度差とを加
算することにより黒液温度設定値を求めている。こうす
ることにより、たとえチップ蒸解工程に投入されるチッ
プ材19の種類等によって黒液性状が変わっても、適正
な液滴粒径が得られる黒液温度設定値が精度よく算出さ
れる。
また、本実施例ではチャーベッドレベル検出器44の代
わりにスキャニングパイロメータ51を設け、このスキ
ャニングパイロメータ51の検出信号から炉内温度算出
器52およびチャーベッドレベル算出器53により炉内
温度およびチャーベッドレベルを算出する。そして、上
記チャーベッドレベル算出器53の出力を前記チャーベ
ッドレベル調整器45に与え、前記第2の実施例と同様
にして第1の加算器36において黒液温度設定値を補償
する。一方、炉内温度算出器52の出力は炉内温度補償
値演算器54に与え、炉内温度に基く炉内温度補償値を
演算し、第4の加算器55において上記炉内温度補償値
と黒液温度設定値とを加算することより炉内温度に対す
る補償を行なう。こうすることにより、たとえ炉内温度
が変化しても、適正な液滴粒径が得られる。
さらに、本実施例では圧力補償値演算器48に対して予
め噴射ガン12の種類に応じて圧力補償値を算出する関
数を設定しておき、噴射ガン種類設定器56にて設定さ
れる噴射ガン12の種類と圧力検出器47にて検出され
る噴射圧力とから圧力補償値演算器48にて圧力補償値
を演算し、第3の加算器49にて圧力補償値を黒液温度
設定値に加算することにより黒液温度設定値を補償す
る。こうすることにより、たとえ噴射ガン12が交換さ
れても適正な液滴粒径が得られる。
なお、本発明は前記各実施例に限定されるものではな
い。たとえば、前記各実施例では回収ボイラ10に関す
る負荷として燃焼用空気16a,16bの空気流量を用
いた場合を示したが、例えばボイラ伝熱管17から取り
出される蒸気流量を検出してこれに基いて黒液温度設定
値を補償するようにしてもよいし、噴射黒液供給ライン
32を流れる噴射黒液11の流量を検出し、これに基い
て黒液温度設定値を補償するようにしてもよい。また、
前記各実施例では固形分濃度推定器34を噴射黒液供給
ライン32に設けた場合を示したが、ミキシングタンク
27の入口部に設けても同様な効果を奏する。また、こ
の固形分濃度推定器34にて使用される濃度計としては
ガンマ線式濃度計を使用してもよいし、、密度計と温度
検出器等を用いて、濃度計により検出された固形分濃度
を補償することにより精度よく推定するようにしてもよ
い。さらに、前記第2の実施例ではチャーベッドレベル
補償手段と噴射圧力補償手段とによって黒液温度設定値
を補償する場合を示したが、いずれか一方の補償手段の
みであってもよい。また、前記第2,第3の実施例では
チャーベッドレベル調節器45から出力されるチャーベ
ッドレベル補償値を加算器36に与えて黒液温度設定値
を補償する場合を示したが、この補償値を第2ないし第
4の加算器38,49,55のいずれか一つの加算器に
与えて黒液温度設定値を補償するようにしてもよい。こ
のほか本発明の要旨を越えない範囲で種々変形実施可能
であるのは勿論である。
〔発明の効果〕
以上詳述したように本発明は、回収ボイラ内に噴射され
る黒液の濃度に基いて前記黒液の沸点を推定し、この推
定された沸点に基いて前記黒液の設定温度を算出すると
共に、前記回収ボイラに関わる負荷もしくは負荷相当量
を検出し、この検出された負荷もしくは負荷相当量に基
いて前記黒液の設定温度を補償し、この補償された設定
温度に前記黒液の温度を調節するようにしたものであ
る。
したがって、本発明によれば、たとえ回収ボイラに関わ
る負荷が変化しても、最適な液滴粒径が得られる黒液温
度設定値の負荷変化に伴うずれを補償できるので、回収
ボイラに供給される負荷の変化に対して適正な噴射黒液
の液滴粒径が得られ、常に最適な燃焼状態を保持でき、
パルプ生産工程の省力化および安定化をはかり得る回収
ボイラにおける噴射黒液の液滴粒径制御装置を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明の第1の実施例を示す図で
あって、第1図は構成を示す系統図、第2図は負荷に対
する負荷補償値の関係を示す図、第3図および第4図は
本発明の第2,第3の実施例の主要部を示す系統図であ
る。 10…回収ボイラ、11…噴射黒液、12…噴射ガン、
13…チャーベッド、18…チップ蒸解釜、19…チッ
プ材、20…チップ蒸解用薬剤、29…黒液、30…加
熱器、31…蒸気、32…噴射黒液供給ライン、33…
温度検出器、34…固形分濃度推定器、35…沸点演算
器、36…第1の加算器、37…温度差設定器、38…
第2の加算器、39,40…第1,第2の空気流量検出
器、41…負荷補償値演算器、42…温度調節器、43
…蒸気制御弁、44…チャーベッドレベル検出器、45
…チャーベッドレベル調節器、46…チャーベッドレベ
ル設定器、47…圧力検出器、48…圧力補償値演算
器、49…第3の加算器。
フロントページの続き (72)発明者 塩越 陽平 熊本県八代市十条町1丁目1番地 十條製 紙株式会社八代工場内 (72)発明者 松田 孝男 大阪府大阪市此花区島屋4丁目1番35号 川崎重工業株式会社大阪工場内 (72)発明者 黒崎 泰充 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 井床 利之 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 中林 志郎 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 飯塚 和幸 東京都港区芝浦1丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 桑田 龍一 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 熊木 亜夫 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 近久 嚴雄 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チップ蒸解工程でチップ材とチップ蒸解用
    薬剤とを投入し、廃液として得られる黒液を燃焼して蒸
    気を発生させると共に上記チップ蒸解用薬剤の原料を回
    収する回収ボイラにおいて、前記回収ボイラ内に噴射さ
    れる黒液の濃度に基いて前記黒液の沸点を推定する沸点
    推定手段と、この沸点推定手段により推定された沸点に
    基いて前記黒液の設定温度を算出する黒液温度設定手段
    と、前記回収ボイラに関わる負荷もしくは負荷相当量を
    検出する負荷検出手段と、この負荷検出手段により検出
    された負荷もしくは負荷相当量に基いて前記黒液温度設
    定手段により算出された設定温度を補償する設定温度補
    償手段と、この設定温度補償手段により補償された設定
    温度に前記黒液の温度を調節する黒液温度調節手段とを
    具備したことを特徴とする回収ボイラにおける噴射黒液
    の液滴粒径制御装置。
  2. 【請求項2】前記設定温度補償手段は、前記回収ボイラ
    内に堆積するチャーベッドのレベルに応じて補償するチ
    ャーベッドレベル補償手段および前記回収ボイラに噴射
    される黒液の噴射圧力に応じて補償する噴射圧力補償手
    段のいずれかの手段または両手段を備えたものであるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の回収ボ
    イラにおける噴射黒液の液滴粒径制御装置。
  3. 【請求項3】前記負荷検出手段は、前記回収ボイラ内に
    供給される燃焼用空気流量を検出するものであることを
    特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の回収ボイラ
    における噴射黒液の液滴粒径制御装置。
  4. 【請求項4】前記負荷検出手段は、前記回収ボイラより
    発生する蒸気流量を検出するものであることを特徴とす
    る特許請求の範囲第(1)項記載の回収ボイラにおける
    噴射黒液の液滴粒径制御装置。
  5. 【請求項5】前記負荷検出手段は、前記回収ボイラ内に
    供給される黒液流量を検出するものであることを特徴と
    する特許請求の範囲第(1)項記載の回収ボイラにおけ
    る噴射黒液の液滴粒径制御装置。
JP16899885A 1985-07-31 1985-07-31 回収ボイラにおける噴射黒液の液滴粒径制御装置 Expired - Fee Related JPH068683B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16899885A JPH068683B2 (ja) 1985-07-31 1985-07-31 回収ボイラにおける噴射黒液の液滴粒径制御装置
US07/090,425 US4768469A (en) 1985-07-31 1987-08-26 Operation control apparatus for recovery boilers

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16899885A JPH068683B2 (ja) 1985-07-31 1985-07-31 回収ボイラにおける噴射黒液の液滴粒径制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6229804A JPS6229804A (ja) 1987-02-07
JPH068683B2 true JPH068683B2 (ja) 1994-02-02

Family

ID=15878456

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16899885A Expired - Fee Related JPH068683B2 (ja) 1985-07-31 1985-07-31 回収ボイラにおける噴射黒液の液滴粒径制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH068683B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113847819A (zh) * 2021-09-28 2021-12-28 福建省青山纸业股份有限公司 一种碱回收中压炉节能降耗的燃烧工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6229804A (ja) 1987-02-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102080820B (zh) 一种蒸汽锅炉表面排污的最优化节能控制方法
CN102395926B (zh) 用于优化回收锅炉参数的方法和系统
JPH04369302A (ja) 真空蒸気発生装置
JPH068683B2 (ja) 回収ボイラにおける噴射黒液の液滴粒径制御装置
JPH068682B2 (ja) 回収ボイラにおける噴射黒液の液滴粒径制御装置
JPH0711116B2 (ja) 回収ボイラにおける噴射黒液の液滴粒径制御装置
JPH0663601B2 (ja) 回収ボイラにおける噴射黒液の液滴粒径制御装置
US4683841A (en) Control of a black liquor recovery boiler
CN209669111U (zh) 一种高温炭黑烟气处理系统
JPH05230785A (ja) 回収ボイラおよびその燃焼方法
EP0207908A1 (en) Process for increasing the solids content of black liquour at its recovery in a sulfate pulping process
JPH0510564B2 (ja)
JPH076155B2 (ja) 回収ボイラの燃焼状態制御装置
CN102537978A (zh) 污泥燃烧控制方法以及污泥燃烧设备
JPH07119065A (ja) ソーダ回収ボイラの黒液噴射制御方法
JPS63243627A (ja) 重油混焼回収ボイラにおける噴射黒液の液滴粒径制御装置
JPH0378521B2 (ja)
CN210832062U (zh) 一种直接接触烟气余热回收系统
SU773590A2 (ru) Способ регулировани распыла плава из топки содорегенерационного котлоагрегата в растворитель плава
CN215675283U (zh) 一种亚临界锅炉多目标协同优化空预器防堵系统
JPH0536550B2 (ja)
CN102042587A (zh) 流体化床燃烧炉及其控制方法
US3008800A (en) Method of operating furnace
SU773175A1 (ru) Способ управлени процессом сжигани черного щелока
JPH0560127B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees