JPH0711031B2 - 異方性の小さい硬質薄鋼板の製造方法 - Google Patents

異方性の小さい硬質薄鋼板の製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は異方性の小さい硬質薄鋼板の製造方法に関し、
より詳しくは絞り加工に適した所謂耳発生の小さい硬質
薄鋼板の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来JISにおいて、ぶりき、ティンフリースチール(TF
S)等の缶用鋼板の調質度は製造方法により1回圧延製
品(SR:Single Cold-reduced Product)と、2回圧延製
品(DR:Double Cold-reduced Product)とに分類され、
さらにSRはHR30Tの硬度で第1表の用に規定され、DRはH
R30Tおよび耐力で第2表の様に規定されている。
ぶりき、TFS等を素材とした缶には蓋部、胴部、底部か
らなる3ピース缶と、胴部と底部を絞り、シゴキ加工等
により一体成形したDI(drawn and ironed)缶やDRD(d
rawn and redrawn)缶およびDTR(draw/thin/redraw)
缶等の2ピース缶がある。2ピース缶は接合部が少ない
だけに耐リーク性などの点で優れた缶機能を有するの
で、アルミ、鋼基材共に増加傾向にある。
〔発明が解決すべき課題〕
軽量化、省資源およびコストダウンの観点より2ピース
缶の薄ゲージ化が要請されているが、薄ゲージ化すると
製缶時、搬送時の強度低下が生じ、内容物充填後の耐圧
低下による変形さえ生じる傾向がある。強度低下並びに
耐圧低下を解決するため調質度の高いDRによる製缶が試
みられている。しかしながらDRは一般に絞り加工時基材
の異方性に起因する耳の発生が大きく、歩留の低下、品
質低下を不可避的にもたらしている。この耳の発生原因
は製缶上の要因もあるが、主として鋼板の異方性に起因
するもので、現状ではこの硬質薄鋼板の異方性の問題は
十分に解決されているとは云い難い。
この問題解決のため、仕上温度830〜900℃、巻取温度58
0〜730℃にて熱間圧延し、一次冷間圧延圧下率R1を60〜
79.9%とし、二次冷間圧延圧下率R2を−0.92R1+8.1≦R
2≦−0.75R1+98とする異方性を改善した超硬質極薄冷
延鋼板製造方法が提案されている(特開昭59−113123)
が、追試の結果、酸洗でのスケール残留による表面不
良、鋼板の耐力不足が認められ、従来技術の問題は必ず
しも充分に解決されていなかった。
DI缶成形法は、シート又はコイル状冷延鋼板から平板状
の被成形材料(ブランク)を打抜き、カップ状の成形体
(1stカップ)に絞り、続く2〜3回のシゴキ加工によ
り、1stカップ側壁の厚みを減少加工することにより造
られる。
また、DRD缶成形法はブランクを絞り加工によって製缶
される缶である点でDI缶成形法と共通する点を有する
が、DI缶成形法のようにカップ側壁缶素材の積極的な厚
み減少加工であるシゴキ加工を行なわず、二次加工も絞
り加工のみである点で異なる。
さらに、DTR缶成形法は、ブランクを絞り加工により成
形する点においてDRD缶成形法と共通するが、深絞り加
工時ブランクに高いシワ押え力を付与し缶側壁の絞り−
張出し加工を行なう点において上記二つの製缶法と異な
る。
DI、DRD、DTR缶の製造において、素材の異方性が高く、
塑性加工による素材の流れが一様でないと、カップの縁
高さが不揃いとなり、所謂「耳」が発生する。この耳
は、成形缶を成形ポンチから抜き取る時に抜け不良の原
因を生じさせるのみならず、成形後除去を要する全くの
不要部分である。
本発明は、上記3種の2ピース缶の中でも特にDRD、DTR
缶用素材として優れた鋼板を提供するものである。
すなわち、DRD缶やDTR缶成形においては、その製缶工程
においてシゴキ加工による素材の板厚減少はないので、
素材としてDI缶用素材よりも板厚の薄い鋼板を用いる必
要がある。またDRD缶やDTR缶は製品板厚の薄ゲージ化を
目的として開発されたものであるので、その素材は高い
耐力を保持した調質度が要求される。
また、DRD缶やDTR缶はその加工工程においてシゴキ加工
を行なわないので、シートやコイル状態で予め印刷塗装
された各種表面処理鋼板(プレコート鋼板)や、あらか
じめ印刷されたプラスチックフィルムを張り合わせた鋼
板(ラミネート鋼板)を用いることが可能となる。しか
しながらこのようなプレコート鋼板乃至ラミネート鋼板
等を用いてDRD缶やDTR缶を成形した場合、異方性が大き
いと素材の塑性流れが均一でないため耳やシワの発生
や、缶表面の印刷歪みの発生という不都合を招来する。
このため異方性の小さい素材が強く望まれていた。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、DI、DRD、DTR等の絞り、しごき加工に
よって2ピース缶を製造する際、耳発生が少なくかつ製
品強度に優れた2ピース缶製造の可能な面内異方性の小
さい硬質薄鋼板の製造方法を提供するにある。
本発明の第2の目的は、上記2ピース缶を可能な限り経
済的に量産するための薄ゲージの素材を提供するにあ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで、本発明者等は鋭意研究の結果C、Mn、N成分を
やや富化し、さらに高めの一次冷間圧下率R1を組み合せ
ることにより、本課題の解決がなされることを見出し
た。
また、さらに二次冷間圧延圧下率R2をC、Mn、N各成分
との関係で限定される一定の範囲にすることを組み合せ
ることによって著しく耐力および異方性の改善がなされ
ることを見出した。
すなわち本発明により、 連続鋳造鋼片をAr3点以上の仕上圧延温度で熱間圧延
し、次いで620℃以下の温度で巻取った後、酸洗、一次
冷間圧延、連続焼鈍、二次冷間圧延を順に行なう硬質薄
鋼板の製造方法において、連続鋳造鋼片が、C:0.11〜0.
20%、Mn:0.5〜0.9%、P≦0.03%、S≦0.03%、Al:0.
02〜0.07%、N:0.009〜0.014%、残部Feおよび不可避的
不純物より成る連続鋳造鋼片であり、一次冷間圧延圧下
率R1が75〜85%でありかつ二次冷間圧延圧下率R2が5〜
40%であることを特徴とする異方性の小さい硬質薄鋼板
の製造方法、 および 二次冷間圧延圧下率R2(%)が、次式の範囲である前記
硬質薄鋼板の製造方法、 すなわちC:C成分(%)、M:Mn成分(%)、N:N成分
(%)とするとき、 なる式で与えられる範囲である前記異方性の小さい硬質
薄鋼板の製造方法 が提供される。
以下に本発明を詳細に説明する。
鋼成分 Cは製品冷延鋼板に高い調質度を与えるために重要な成
分である。少なくともCは0.11%に達しないと本発明目
的において必要な製品冷延鋼板の耐力を保証出来ない。
従ってC成分下限値を0.11%とした。
一方でC成分が0.20%を超えると炭化物析出量が増大し
製品冷延鋼板の耐食性の低下をもたらすため、本発明で
はC成分の上限値を0.20%とした。
Mnは不純物であるSによる熱延中の赤熱脆性を防止する
ために必要な成分である。
本発明では製品冷延鋼板の耐力保証の見地からMn下限値
を0.50%とし、一方0.90%を超えるとスラブ圧延中に割
れを生ずるので、上限値を0.90%とした。
Pは結晶を微細化し強度を高める作用があり、高張力鋼
板にP富化法が用いられる場合もあるが、一方でPは耐
食性を阻害する成分である。
本発明鋼板の主用途である飲料缶乃至食缶用材料として
は、Pが0.03%を超えると耐食性、特に耐孔明性が著し
く低下するため上限値を0.03%とした。
Sは前述した用に熱延中において赤熱脆性を生じる不純
物成分であり、極力少ないことが望ましいが、鉄鉱石等
からの混入を完全に防止することが出来ず、工程中の脱
硫も困難なためある程度の残留もやむを得ない。少量の
残留Sによる赤熱脆性はMnにより軽減できるため、S成
分の上限値は、0.03%とした。
Alは製鋼に際し脱酸剤として鋼浴に添加され、スラブと
して除かれるが、添加量が少ないと安定した脱酸効果が
得られないため、0.02%以上必要である。一方で0.07%
を超えるAlは、固浴Nと反応してAlNとして析出する傾
向を促すので、N成分による強化作用が乏しくなる。従
ってAl成分を0.02〜0.07%とした。
NはC,Mnと同様に製品冷延鋼板に高い調質度を与える、
すなわち耐力強化のために有効な成分であるが、0.009
%に達しないと調質効果が認められず、また一方0.014
%を超える添加は製鋼時に添加するフェロ窒化物の保留
の低下が著しく、安定性に欠けるため本発明ではN成分
範囲を0.009〜0.014%とした。
Siは展伸性および耐食性を阻害する不純物成分として鋼
中に残留するが、通常Alキルド連鋳鋼に含有する程度で
あれば缶用材料として用いるのには差し支えない。この
ためSi成分は、通常のAlキルド連鋳鋼の範囲である0.03
%以下とした。
連続鋳造鋼片 連続鋳造は品質面、生産性、製造コストともに従来のイ
ンゴット鋳造鋼片よりも優れているため、現在は缶用材
料鋼板のほぼ全量に採用されている。すなわち連続鋳造
鋼片は非金属介在物、表面疵等が少なく、見栄えを要求
される缶用材料としては極めて優位な材料である。ま
た、成分の幅方向及び長手方向での偏析が少ないことか
ら、機械的性質(強度、伸び、絞り性)が安定している
ことも本発明において特定した理由である。
更に、連続鋳造鋼片の製造に先立ち、DH法乃至RH法等の
脱ガス工程を採用すれば、非金属介在物の低減を図るこ
とができ、より良好な品質を得る上で望ましい。
熱間圧延 熱間圧延工程における鋼片加熱温度は本発明において特
定するものではないが、Nの積極的分解固溶及び熱間仕
上圧延温度の安定的確保の見地から1100℃以上とするの
が望ましい。
熱間仕上圧延温度をAr3点以下とすると、熱延鋼帯の結
晶組織が混粒化するとともに粗大化し、製品冷延鋼板に
おいて肌荒れが生じかつ耐力が低下するので、熱間仕上
圧延温度はAr3点以上とした。
また巻取温度が620℃を超えると、酸洗性の低下、スケ
ール残留による欠陥の増大等を招き望ましくない。さら
に、高調質度を確保するため添加したNがAlNとして析
出し、所期の調質効果がなくなる。このため巻取温度は
620℃以下とした。
酸洗 酸洗は、熱間圧延工程で生成した酸化スケールが一次冷
間圧延工程でスケール疵となり製品冷延鋼板の耐食性を
著しく低下させるため、一次冷間圧延に先立ち酸化スケ
ールを除去する工程である。酸洗は通常の冷延鋼板にお
けるそれと同様塩酸もしくは硫酸等を用いて行なうが、
本発明においては表面清浄性のすぐれた鋼板が要求され
るので、本工程は必須である。
一次冷間圧延 一次冷間圧延は、酸洗後の熱延鋼板の厚みを薄くし、表
面を美麗に仕上げるだけでなく、更に本発明ではやや高
めの圧下率範囲を特定することによって製品冷延鋼板耳
発生を抑制し、耐力を保証するに重要な工程である。
第1図は二次冷間圧延圧下率を一定とした場合の、一次
冷間圧延圧下率(R1)と1stカップ耳高さ(以下耳高さ
という。)との関係を示したグラフである。
第1図に示すように、耳高さは一次冷間圧延圧下率に影
響され、一次冷間圧延圧下率を低減させることが耳高さ
を減少させ、面内異方性の小さい絞り用硬質薄鋼板を製
造することができることが知見される。
第1図においてR1が85%を超えると耳高さが5mmを超
え、歩留の低下が著しい。
一方、R1が75%未満では焼鈍工程で粗大化もしくは混粒
化した結晶粒を十分微細化することができず、製品であ
る缶の耐力を十分確保する事ができない。従って、本発
明では一次冷間圧延圧下率を75〜85%とする。
なお、ここで耳高さとは1stカップ成形後における耳高
さの大きさの程度をいい、具体的には次の様にして測定
する。
二次冷間圧延後の原板を表面処理してTFSに仕上げ、絞
り比2にて直径90mmφのカップに深絞り加工し、1stカ
ップとした。この1stカップ側壁の最大高さ(Hmax)と
最小高さ(Hmin)を測定し、耳高さ=Hmax−Hminとす
る。
異方性の評価方法としては、圧延方向と平行、直角、45
度方向にそれぞれのヤング率を測定し、その結果から面
内異方性を統計解析によって推定するモジュールr法を
採用することもあるが、本発明においてはその用途が主
として缶であり、実際の缶加工法に対応した評価法とし
て、圧延方向に関係なく耳発生の程度を評価できるカッ
プ耳高さ法を採用した。
連続焼鈍 焼鈍は、一次冷間圧延後の素材を再結晶温度以上A1変態
点以下の温度に加熱し、素材の軟質化を図り、加工性を
付与する工程である。
焼鈍方法の中で箱焼鈍(バッチ焼鈍)法は、加熱、均
熱、冷却に80時間〜100時間を要するため、結晶粒を粗
大化させる。また、C、Nを炭窒化物として析出させ、
材質の軟質化を来し強度の低下を来す傾向がある。この
強度低下を補償し、缶強度を確保するには、二次冷間圧
延率を高くする必要があり、これは必然的にコスト高を
招く。また素材の結晶粒の粗大化は、製品である缶の表
面粗度を悪化させ、缶の外観が悪くなるため、本発明に
おいて箱焼鈍法は採用し難い。
一方、連続焼鈍法では、鋼板の加熱及び冷却速度を大き
くすることができ、鋼板が高温度にさらされている時間
が1〜2分と短い。このため、結晶粒の粗大化を防止で
き、固溶C、N量も多く保持することができるから、焼
鈍後の強度の低下防止を図ることが可能となる。従っ
て、その後の二次冷間圧延率を低くすることができ、結
果的に面内異方性を小さくすることが出来る。
二次冷間圧延 二次冷間圧延は焼鈍で軟化した鋼板の機械的特性の向
上、最終板厚調整、板形状制御、表面粗度改良等を目的
とした工程であるとともに、本発明においては鋼成分と
の関係においてその冷間圧延圧下率が決定付けられる重
要な工程である。
第2図は二次冷間圧延圧下率と耳高さとの関係を示すグ
ラフである。すなわち、第3表に示す鋼板を圧下率75%
にて一次冷間圧延後、連続焼鈍、種種の圧下率で二次冷
間圧延を施し、99mmφの1stカップに絞り成形加工し、
耳高さを測定した結果である。
第2図から、二次冷間圧延圧下率の増加は耳高さの増大
をもたらすことが知見される。
すなわち、第2図において、二次冷間圧延圧下率R2が40
%以下であれば、耳高さを5mm以内とすることが出来る
ことが判る。
またR2は5%未満では二次冷間圧延の効果が表れない。
従って、本発明では二次冷間圧延圧下率を5〜40%とし
た。
第3図は、第4表に示す鋼成分の鋼板を用いて、二次冷
間圧延圧下率と耐力との関係を調査したグラフである。
第3図において、各試料の実測値より、二次冷間圧延圧
下率(横軸)と耐力(縦軸)との関係式を求めると、 ……(1) なる関係が見られ、第3図中の曲線で表わすことが出来
る。上記式中Aの増加に伴い曲線は矢印方向に移動す
る。
さらに式中Aは鋼成分の変化によって変動する数値であ
り、耐力に及ぼす影響が特に大であったC、Mn、Nにつ
いてその回帰式を求めた。その結果、 A=100(C+0.05M+6N+a(a=10〜13,M:Mn成分、
単位は重量%) なる関係が得られた。
この関係をC、Mn、Nを本発明の成分範囲内で変化させ
上記(1)式に代入しR2の変動する範囲を求めると次
(2)式のようになる。
……(2) さらに缶用鋼板として必要とされる耐力は通常53〜73Kg
f/mm2であるから、二次冷間圧延圧下率の許容範囲は、
上記(2)式、耐力および最低二次冷間圧延圧下率5%
を勘案すると、第3図において交点I,II,III,IV,Vを結
ぶ変形多角形内の斜線で示した範囲であり、これが請求
項(2)で特定される発明条件に他ならない。
耐力を53〜73Kgf/mm2とした理由は、耐力が73Kgf/mm2
超えると1stカップ成形の際、フランジまたはカップ底
部分に割れを生じさせたりしわが発生しやすくなるから
であり、一方、耐力が53Kgf/mm2未満では製缶後、内容
物を充填した場合に変形缶が生ずるおそれが大である。
以上の結果より、C、N、Mnの含有量から、耐力および
異方性のより優れた缶用鋼板を製造するための二次冷間
圧延圧下率を決定することが出来る。
〔発明の効果〕
本発明の実施により、DI、DRD、DTR等のごとく、絞りま
たはしごき加工によって2ピース缶を製造する際、耳発
生が少なくかつ製品強度に優れた2ピース缶を製造する
ことが出来る。
また、上記2ピース缶を可能な限り経済的に量産するた
めの薄ゲージの素材を提供することができる。
さらに、プレコート鋼板やラミネート鋼板を用いて、DI
缶、DRD缶、DTR缶を成形することができる。
〔実施例〕
第5表に本発明の実施例と比較例の一覧を示す。本発明
の欄に示した実施例は、いずれも本発明において特定し
た範囲内で実施した結果を示したものであり、耳高さは
いずれも小さな値に納まっており、また加工時の割れ等
も生じておらず缶用鋼板としての優れた特性を備えてい
る(総合評価の欄に○印で表示)。
また、実施例7および8については、それそれプレコー
ト鋼板、ポリエチレンテレフタレートフィルムをラミネ
ートしたラミネート鋼板を用いてカップ成形した例を示
す。この結果、塗料の剥離、フィルム膜の破断はなく、
鋼板単独の場合と同様に耳高さの小さい良好な結果がえ
られた。
これに対し比較例では、本発明とは一部異なる条件で製
造した結果を示した。比較例においてはいずれも耳高さ
が大きく、また加工時に割れ等が発生し缶用鋼板として
用いるのは不適当であった(総合評価の欄に×印で表
示)。
なお、第5表項目中一次冷延、二次冷延はそれぞれ一次
冷間圧延、二次冷間圧延のことをいう。
【図面の簡単な説明】
第1図は一次冷間圧延圧下率と耳高さとの関係を示すグ
ラフ、第2図は二次冷間圧延圧下率と耳高さとの関係を
示すグラフ、第3図は二次冷間圧延圧下率と耐力との関
係を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続鋳造鋼片をAr3点以上の仕上圧延温度
    で熱間圧延し、次いで620℃以下の温度で巻取つた後、
    酸洗、一次冷間圧延、連続焼純、二次冷間圧延を順に行
    なう硬質薄鋼板の製造方法において、連続鋳造鋼片が、
    C:0.11〜0.20%(重量%、成分系以下同様)、Mn:0.5〜
    0.9%、P≦0.03%、S≦0.03%、Al:0.02〜0.07%、N:
    0.009〜0.014%、残部Feおよび不可避的不純物より成る
    連続鋳造鋼片であり、一次冷間圧延圧下率R1が75〜85%
    であつてかつ二次冷間圧延圧下率R2が5〜40%であるこ
    とを特徴とする異方性の小さい硬質薄鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】二次冷間圧延圧下率R2(%)が、次式の範
    囲である特許請求の範囲第1項記載の硬質薄鋼板の製造
    方法。 すなわちC:C成分(%)、M:Mn成分(%)、N:N成分
    (%)とするとき、
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