JPH0711021A - バイポーラ膜 - Google Patents
バイポーラ膜Info
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- JPH0711021A JPH0711021A JP5176237A JP17623793A JPH0711021A JP H0711021 A JPH0711021 A JP H0711021A JP 5176237 A JP5176237 A JP 5176237A JP 17623793 A JP17623793 A JP 17623793A JP H0711021 A JPH0711021 A JP H0711021A
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- membrane
- bipolar membrane
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- bipolar
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Abstract
(57)【要約】
【目的】電圧降下が小さく、水解離効率が高く、しかも
長期間にわたり安定な性能を示すバイポーラ膜を提供す
る。 【構成】陽イオン交換層2と陰イオン交換層4の間に、
イオン交換ポリマー中にイオン交換ポリマーと反対の荷
電を有する無機イオン交換体を分散させた界面層3を存
在させたバイポーラ膜1。
長期間にわたり安定な性能を示すバイポーラ膜を提供す
る。 【構成】陽イオン交換層2と陰イオン交換層4の間に、
イオン交換ポリマー中にイオン交換ポリマーと反対の荷
電を有する無機イオン交換体を分散させた界面層3を存
在させたバイポーラ膜1。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気透析による水スプ
リット法において特に有用なバイポーラ膜に関するもの
である。
リット法において特に有用なバイポーラ膜に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】バイポーラ膜の陰イオン交換膜側を陽極
側に、陽イオン交換膜側を陰極側に向けて電極間に電圧
を印加せしめると、水が分裂(split )して水素イオン
と水酸イオンに解離することは、Friletteが1956年
に報告しており、広く知られている。
側に、陽イオン交換膜側を陰極側に向けて電極間に電圧
を印加せしめると、水が分裂(split )して水素イオン
と水酸イオンに解離することは、Friletteが1956年
に報告しており、広く知られている。
【0003】バイポーラ膜はこの能力を有するために有
用であり、陰イオン交換膜及び/又は陽イオン交換膜を
適宜併用することにより、芒硝などの中性塩を原料とし
て硫酸と苛性ソーダなどの酸とアルカリを製造できるこ
とが知られている。酸やアルカリの製造コストの面から
考えると、膜による電圧降下が小さく、また同時に水の
解離効率が高いバイポーラ膜がなければならず、これら
の性能が長期にわたって発現されなければならない。
用であり、陰イオン交換膜及び/又は陽イオン交換膜を
適宜併用することにより、芒硝などの中性塩を原料とし
て硫酸と苛性ソーダなどの酸とアルカリを製造できるこ
とが知られている。酸やアルカリの製造コストの面から
考えると、膜による電圧降下が小さく、また同時に水の
解離効率が高いバイポーラ膜がなければならず、これら
の性能が長期にわたって発現されなければならない。
【0004】バイポーラ膜及びその製造方法は、すでに
いくつかのものが報告されている。例えば、スチレン−
ジビニルベンゼン共重合体をベースとするフィルムの片
面をスルホン化等の処理により陽イオン交換基を導入
し、もう一方の片面を4級化アンモニウム基の陰イオン
交換基を導入してなるバイポーラ膜が特公昭60−31
860号及び特開昭63−95235号に開示されてい
る。また、予め製造された陰イオン交換膜と陽イオン交
換膜とを熱と圧力で融着させることによって製造する方
法が米国特許第3,372,101号に、ポリビニルア
ミンを接着剤として用いて接合する方法が特開昭61−
207444号に開示されている。
いくつかのものが報告されている。例えば、スチレン−
ジビニルベンゼン共重合体をベースとするフィルムの片
面をスルホン化等の処理により陽イオン交換基を導入
し、もう一方の片面を4級化アンモニウム基の陰イオン
交換基を導入してなるバイポーラ膜が特公昭60−31
860号及び特開昭63−95235号に開示されてい
る。また、予め製造された陰イオン交換膜と陽イオン交
換膜とを熱と圧力で融着させることによって製造する方
法が米国特許第3,372,101号に、ポリビニルア
ミンを接着剤として用いて接合する方法が特開昭61−
207444号に開示されている。
【0005】しかしながら、これらのバイポーラ膜は同
一膜中に陽イオン交換基と陰イオン交換基を有するた
め、これらの反対の電荷を持つ基が相互に侵入してイオ
ン的に結合し、中性の層を形成し、大きな電圧降下を生
じる欠点を有している。
一膜中に陽イオン交換基と陰イオン交換基を有するた
め、これらの反対の電荷を持つ基が相互に侵入してイオ
ン的に結合し、中性の層を形成し、大きな電圧降下を生
じる欠点を有している。
【0006】これを回避するために、米国特許4,25
3,900号、特公昭60−35936号に高い架橋構
造を有するイオン交換樹脂をカチオン交換層とアニオン
交換層の間に導入し、反対の電荷を有する基の相互侵入
を防ぐバイポーラ膜が開示されている。また、積層界面
に無機化合物を介在させて後プレスすることによってバ
イポーラ膜を製造する方法が特開昭59−47235号
及び特表平3−505894号に開示されている。
3,900号、特公昭60−35936号に高い架橋構
造を有するイオン交換樹脂をカチオン交換層とアニオン
交換層の間に導入し、反対の電荷を有する基の相互侵入
を防ぐバイポーラ膜が開示されている。また、積層界面
に無機化合物を介在させて後プレスすることによってバ
イポーラ膜を製造する方法が特開昭59−47235号
及び特表平3−505894号に開示されている。
【0007】しかし、これらのバイポーラ膜は次のごと
き欠点を有している。即ち、高架橋イオン交換樹脂を界
面に介在させる場合、高架橋といえども有機物ではイオ
ン交換基の相互侵入を防ぎ得ず、経時的な電圧降下の増
加を生ずる。また、界面に無機化合物を介在させる場合
も、それらの物質が次第に膜外に溶出し、やはり経時的
な電圧降下の上昇を生じてしまう。
き欠点を有している。即ち、高架橋イオン交換樹脂を界
面に介在させる場合、高架橋といえども有機物ではイオ
ン交換基の相互侵入を防ぎ得ず、経時的な電圧降下の増
加を生ずる。また、界面に無機化合物を介在させる場合
も、それらの物質が次第に膜外に溶出し、やはり経時的
な電圧降下の上昇を生じてしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の如きバ
イポーラ膜における欠点を解決し、電圧降下が小さく、
水解離効率が高く、しかも長期間にわたって安定な性能
を有するバイポーラ膜を提供するものである。
イポーラ膜における欠点を解決し、電圧降下が小さく、
水解離効率が高く、しかも長期間にわたって安定な性能
を有するバイポーラ膜を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、陽イオン交
換層と陰イオン交換層の間に、イオン交換ポリマー中に
イオン交換ポリマーと反対の荷電を有する無機イオン交
換体を分散させた界面層を存在させたバイポーラ膜によ
って達成される。
換層と陰イオン交換層の間に、イオン交換ポリマー中に
イオン交換ポリマーと反対の荷電を有する無機イオン交
換体を分散させた界面層を存在させたバイポーラ膜によ
って達成される。
【0010】本発明で使用される無機イオン交換体とし
ては、種々のものが使用される。例えば、アルミノケイ
酸塩型無機イオン交換体、含水酸化物型無機イオン交換
体、酸性塩型無機イオン交換体、塩基性塩型無機イオン
交換体、ヘテロポリ酸型無機イオン交換体などがあり、
陽イオン交換体、陰イオン交換体、両性イオン交換体の
何れもバイポーラ膜の無機イオン交換体層として使用で
きる。本発明で使用される無機イオン交換体の代表例と
しては、含水酸化ジルコニウム、含水酸化チタン、含水
酸化ビスマス、含水酸化マンガン、アンチモン酸、リン
酸ジルコニウム、リン酸チタン、アルミノケイ酸塩、ゼ
オライト、トバモライト、モリブドリン酸アンモニウ
ム、ヘキサシアノ鉄(III )コバルト(II)カリウム、
チタン酸カリウムなどが挙げられる。無機イオン交換体
は、結晶性であれば溶解度が低く、また反対の荷電を有
する基の相互進入をより防ぎ易くなりさらに好ましい。
ては、種々のものが使用される。例えば、アルミノケイ
酸塩型無機イオン交換体、含水酸化物型無機イオン交換
体、酸性塩型無機イオン交換体、塩基性塩型無機イオン
交換体、ヘテロポリ酸型無機イオン交換体などがあり、
陽イオン交換体、陰イオン交換体、両性イオン交換体の
何れもバイポーラ膜の無機イオン交換体層として使用で
きる。本発明で使用される無機イオン交換体の代表例と
しては、含水酸化ジルコニウム、含水酸化チタン、含水
酸化ビスマス、含水酸化マンガン、アンチモン酸、リン
酸ジルコニウム、リン酸チタン、アルミノケイ酸塩、ゼ
オライト、トバモライト、モリブドリン酸アンモニウ
ム、ヘキサシアノ鉄(III )コバルト(II)カリウム、
チタン酸カリウムなどが挙げられる。無機イオン交換体
は、結晶性であれば溶解度が低く、また反対の荷電を有
する基の相互進入をより防ぎ易くなりさらに好ましい。
【0011】本発明の界面層に使用されるイオン交換ポ
リマーは、無機イオン交換体が陽イオン交換体であれば
陰イオン交換ポリマー、無機イオン交換体が陰イオン交
換体であれば陽イオン交換ポリマー、無機イオン交換体
が両性イオン交換体であれば陽及び/又は陰イオン交換
ポリマーが使用される。イオン交換ポリマーとして陽イ
オン交換ポリマーを用いる場合、イオン交換基に特に制
限はないが、好ましくは強酸性のスルホン酸基を有する
イオン交換ポリマーが用いられる。たとえば、スルホン
基を導入したスチレン−ジビニルベンゼン系重合体、ス
チレン−ブタジエン系重合体、ポリスルホン、ポリフェ
ニレンオキサイド、ポリエーテルスルホン等の芳香環を
有する重合体などの溶媒に可溶なポリマーが例示され
る。また、化2で表される繰り返し単位からなるパーフ
ルオロ系陽イオン交換重合体も溶媒に可溶であり、さら
に耐酸性を有しており好ましく用いられる。
リマーは、無機イオン交換体が陽イオン交換体であれば
陰イオン交換ポリマー、無機イオン交換体が陰イオン交
換体であれば陽イオン交換ポリマー、無機イオン交換体
が両性イオン交換体であれば陽及び/又は陰イオン交換
ポリマーが使用される。イオン交換ポリマーとして陽イ
オン交換ポリマーを用いる場合、イオン交換基に特に制
限はないが、好ましくは強酸性のスルホン酸基を有する
イオン交換ポリマーが用いられる。たとえば、スルホン
基を導入したスチレン−ジビニルベンゼン系重合体、ス
チレン−ブタジエン系重合体、ポリスルホン、ポリフェ
ニレンオキサイド、ポリエーテルスルホン等の芳香環を
有する重合体などの溶媒に可溶なポリマーが例示され
る。また、化2で表される繰り返し単位からなるパーフ
ルオロ系陽イオン交換重合体も溶媒に可溶であり、さら
に耐酸性を有しており好ましく用いられる。
【0012】イオン交換ポリマーとして陰イオン交換ポ
リマーを用いる場合、イオン交換基に特に制限はない
が、好ましくは強塩基性の4級アンモニウム基を有する
イオン交換ポリマーが用いられる。たとえば、4級アン
モニウム基を導入したスチレン−ジビニルベンゼン系重
合体、スチレン−ブタジエン系重合体、ポリスルホン、
ポリフェニレンオキサイド、ポリエーテルスルホン等の
芳香環を有する重合体などの溶媒に可溶なポリマーが例
示される。
リマーを用いる場合、イオン交換基に特に制限はない
が、好ましくは強塩基性の4級アンモニウム基を有する
イオン交換ポリマーが用いられる。たとえば、4級アン
モニウム基を導入したスチレン−ジビニルベンゼン系重
合体、スチレン−ブタジエン系重合体、ポリスルホン、
ポリフェニレンオキサイド、ポリエーテルスルホン等の
芳香環を有する重合体などの溶媒に可溶なポリマーが例
示される。
【0013】界面層に用いるイオン交換ポリマーのイオ
ン交換容量は、使用するイオン交換ポリマーによって異
なるが、膜強度及び膜の電圧降下の面から0.5〜4.
0meq/g乾燥樹脂、特には0.8〜3.0meq/
g乾燥樹脂が好ましい。
ン交換容量は、使用するイオン交換ポリマーによって異
なるが、膜強度及び膜の電圧降下の面から0.5〜4.
0meq/g乾燥樹脂、特には0.8〜3.0meq/
g乾燥樹脂が好ましい。
【0014】界面層の厚みは、好ましくは0.1〜10
0μm、特には1〜10μmが好ましい。無機イオン交
換体層がこれよりも薄いと製膜が難しく、またこれより
も厚いと界面層の電圧降下が大きくなり好ましくない。
0μm、特には1〜10μmが好ましい。無機イオン交
換体層がこれよりも薄いと製膜が難しく、またこれより
も厚いと界面層の電圧降下が大きくなり好ましくない。
【0015】無機イオン交換体の粒径は1μm以下であ
ることが好ましく、粒径がこれより大きいと、無機イオ
ン交換体とイオン交換ポリマーとの接触面積が少なくな
り、バイポーラ膜の電圧降下が大きくなり好ましくな
い。なかでも粒径0.01〜0.5μmが特に好まし
い。
ることが好ましく、粒径がこれより大きいと、無機イオ
ン交換体とイオン交換ポリマーとの接触面積が少なくな
り、バイポーラ膜の電圧降下が大きくなり好ましくな
い。なかでも粒径0.01〜0.5μmが特に好まし
い。
【0016】界面層を陰イオン交換層と陽イオン交換層
の間に設ける方法としては、種々の方法が採用される
が、好ましくは次の方法が採用される。無機イオン交換
体をイオン交換ポリマー溶液中に分散させた液を陽イオ
ン交換膜又は陰イオン交換膜の表面に、塗布、キャス
ト、スプレー、スクリーン印刷、熱転写などを用いて付
着させる。しかる後、最初のイオン交換膜と反対の電荷
を有するイオン交換膜をキャスト、熱圧着などにより接
合する方法を用いることができる。
の間に設ける方法としては、種々の方法が採用される
が、好ましくは次の方法が採用される。無機イオン交換
体をイオン交換ポリマー溶液中に分散させた液を陽イオ
ン交換膜又は陰イオン交換膜の表面に、塗布、キャス
ト、スプレー、スクリーン印刷、熱転写などを用いて付
着させる。しかる後、最初のイオン交換膜と反対の電荷
を有するイオン交換膜をキャスト、熱圧着などにより接
合する方法を用いることができる。
【0017】界面層を陰イオン交換膜と陽イオン交換膜
の間に導入する際、予め界面層と接するイオン交換膜の
膜表面を粗面化することにより、さらに接合強度を増す
とともに、バイポーラ膜の電圧降下を低減することがで
きる。粗面化の方法としては、凹凸の大きさによって種
々の方法が知られており、無機イオン交換体の大きさに
応じてその何れも好ましく用いられる。例えば、サンド
ペーパーなどによる研磨、織布・不織布・エンボスフィ
ルム・エンボスロールの熱転写、プラズマ表面処理など
が用いられる。
の間に導入する際、予め界面層と接するイオン交換膜の
膜表面を粗面化することにより、さらに接合強度を増す
とともに、バイポーラ膜の電圧降下を低減することがで
きる。粗面化の方法としては、凹凸の大きさによって種
々の方法が知られており、無機イオン交換体の大きさに
応じてその何れも好ましく用いられる。例えば、サンド
ペーパーなどによる研磨、織布・不織布・エンボスフィ
ルム・エンボスロールの熱転写、プラズマ表面処理など
が用いられる。
【0018】本発明のバイポーラ膜を構成する陽イオン
交換膜としては、バイポーラ膜内で生成する水素イオン
の透過性が大きく、陰イオンを透過させがたい陽イオン
交換体が使用でき、好ましくはスルホン酸基を含有する
陽イオン交換体膜が例示される。かかる強酸性陽イオン
交換膜としては、スチレン−ジビニルベンゼン系重合体
フィルム、スチレン−ブタジエン系重合体フィルム、ポ
リスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリエーテル
スルホン等の芳香環を有する重合体フィルムにスルホン
酸基を導入した膜、又はスチレン等のモノマーを、オレ
フィン系や含フッ素系の重合体、織布、不織布などにグ
ラフト重合したものにスルホン酸基を導入した膜などが
例示される。
交換膜としては、バイポーラ膜内で生成する水素イオン
の透過性が大きく、陰イオンを透過させがたい陽イオン
交換体が使用でき、好ましくはスルホン酸基を含有する
陽イオン交換体膜が例示される。かかる強酸性陽イオン
交換膜としては、スチレン−ジビニルベンゼン系重合体
フィルム、スチレン−ブタジエン系重合体フィルム、ポ
リスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリエーテル
スルホン等の芳香環を有する重合体フィルムにスルホン
酸基を導入した膜、又はスチレン等のモノマーを、オレ
フィン系や含フッ素系の重合体、織布、不織布などにグ
ラフト重合したものにスルホン酸基を導入した膜などが
例示される。
【0019】更に、化2で表される繰り返し単位からな
るパーフルオロ系陽イオン交換重合体によって形成され
る陽イオン交換膜が電流効率の発現性に加えて、硫酸、
硝酸、フッ酸などに対する耐酸性に優れていることか
ら、好ましい陽イオン交換層を形成する重合体であるこ
とがわかった。
るパーフルオロ系陽イオン交換重合体によって形成され
る陽イオン交換膜が電流効率の発現性に加えて、硫酸、
硝酸、フッ酸などに対する耐酸性に優れていることか
ら、好ましい陽イオン交換層を形成する重合体であるこ
とがわかった。
【0020】
【化2】 なお、化2においてmは0又は1、nは1〜5、x/y
は2〜16、XはSO3 M又はCOOM。Mは水素、ア
ルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムを表
す。
は2〜16、XはSO3 M又はCOOM。Mは水素、ア
ルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムを表
す。
【0021】かかる陽イオン交換膜は、パーフルオロカ
ーボン重合体により形成されているので、塩酸、硫酸、
硝酸、フッ酸などに対する耐酸性や耐熱性に優れてい
る。また、イオン交換基がクラスター構造を形成するた
め、高いアニオン排除性を有し、バイポーラ膜において
高い水の解離効率を発現することができる。
ーボン重合体により形成されているので、塩酸、硫酸、
硝酸、フッ酸などに対する耐酸性や耐熱性に優れてい
る。また、イオン交換基がクラスター構造を形成するた
め、高いアニオン排除性を有し、バイポーラ膜において
高い水の解離効率を発現することができる。
【0022】陽イオン交換膜の厚さは5μm〜300μ
mの範囲で通常使用されるが、膜抵抗及び強度の点か
ら、好ましくは20μm〜150μmの範囲のものが使
用される。イオン交換容量については、膜抵抗と輸率の
面から、0.5〜2.0meq/g乾燥樹脂、特には
0.8〜1.5meq/g乾燥樹脂であることであるこ
とが望ましい。
mの範囲で通常使用されるが、膜抵抗及び強度の点か
ら、好ましくは20μm〜150μmの範囲のものが使
用される。イオン交換容量については、膜抵抗と輸率の
面から、0.5〜2.0meq/g乾燥樹脂、特には
0.8〜1.5meq/g乾燥樹脂であることであるこ
とが望ましい。
【0023】本発明のバイポーラ膜を構成する陰イオン
交換膜としては、バイポーラ膜内で生成される水酸イオ
ンの透過性が大きく、陽イオンの透過が可及的に小さい
陰イオン交換体が使用される。その例としてはスチレン
とジビニルベンゼンとの共重合体に4級アンモニウム基
を導入した膜、陰イオン交換基又は該基に転換できる官
能基を有するモノマーをオレフィン系や含フッ素系の重
合体の多孔体、織布、不織布、フィルムなどの基材グラ
フト重合した陰イオン交換膜などが使用できる。
交換膜としては、バイポーラ膜内で生成される水酸イオ
ンの透過性が大きく、陽イオンの透過が可及的に小さい
陰イオン交換体が使用される。その例としてはスチレン
とジビニルベンゼンとの共重合体に4級アンモニウム基
を導入した膜、陰イオン交換基又は該基に転換できる官
能基を有するモノマーをオレフィン系や含フッ素系の重
合体の多孔体、織布、不織布、フィルムなどの基材グラ
フト重合した陰イオン交換膜などが使用できる。
【0024】なかでも耐アルカリ性及び耐薬品性に優れ
ていることから、好ましくはポリプロピレン、ポリエチ
レンなどのポリオレフィンの織布を使用し、その織布に
スチレンとジビニルベンゼンとの共重合体又は、さらに
これにビニルベンジルクロライドを加えた共重合体の一
部が放射線などの高エネルギーによって上記ポリオレフ
ィンにグラフト重合した4級アンモニウム基を有する陰
イオン交換膜を使うことが望ましい。
ていることから、好ましくはポリプロピレン、ポリエチ
レンなどのポリオレフィンの織布を使用し、その織布に
スチレンとジビニルベンゼンとの共重合体又は、さらに
これにビニルベンジルクロライドを加えた共重合体の一
部が放射線などの高エネルギーによって上記ポリオレフ
ィンにグラフト重合した4級アンモニウム基を有する陰
イオン交換膜を使うことが望ましい。
【0025】バイポーラ膜を構成する陰イオン交換膜の
厚さは、5μm〜300μmの範囲で通常使用される
が、膜抵抗及び強度の点から、好ましくは20μm〜1
50μmの範囲のものが使用される。イオン交換容量に
ついては、0.5〜4.0meq/g乾燥樹脂、特には
0.8〜3.0meq/g乾燥樹脂であることが好まし
い。
厚さは、5μm〜300μmの範囲で通常使用される
が、膜抵抗及び強度の点から、好ましくは20μm〜1
50μmの範囲のものが使用される。イオン交換容量に
ついては、0.5〜4.0meq/g乾燥樹脂、特には
0.8〜3.0meq/g乾燥樹脂であることが好まし
い。
【0026】
【作用】本発明のバイポーラ膜は、上記のように長期間
にわたって低い電圧降下が保持されるが、そのメカニズ
ムは下記のように推測される。すなわち、無機イオン交
換体は堅固な構造を持つために、バイポーラ膜において
無機イオン交換体層と接触する各イオン交換基は、無機
イオン交換体層に進入することができず、従って、イオ
ン的な結合を生じて中性層を形成することが困難であ
る。また無機イオン交換体は有機イオン交換樹脂に比べ
体積あたりのイオン交換容量が大きく、しかも多くの水
を保持できる構造のために、無機イオン交換体層の電気
抵抗が小さく、バイポーラ膜の電圧降下を小さく保持す
ることができるものと思われる。さらに、無機イオン交
換体と反対の荷電を有するイオン交換ポリマー中に無機
イオン交換体を分散することにより、無機イオン交換体
とイオン交換ポリマーとの接触面積が増加し、電圧降下
が低下するものと考えられる。
にわたって低い電圧降下が保持されるが、そのメカニズ
ムは下記のように推測される。すなわち、無機イオン交
換体は堅固な構造を持つために、バイポーラ膜において
無機イオン交換体層と接触する各イオン交換基は、無機
イオン交換体層に進入することができず、従って、イオ
ン的な結合を生じて中性層を形成することが困難であ
る。また無機イオン交換体は有機イオン交換樹脂に比べ
体積あたりのイオン交換容量が大きく、しかも多くの水
を保持できる構造のために、無機イオン交換体層の電気
抵抗が小さく、バイポーラ膜の電圧降下を小さく保持す
ることができるものと思われる。さらに、無機イオン交
換体と反対の荷電を有するイオン交換ポリマー中に無機
イオン交換体を分散することにより、無機イオン交換体
とイオン交換ポリマーとの接触面積が増加し、電圧降下
が低下するものと考えられる。
【0027】
【実施例】以下実施例により本発明を説明するが、かか
る実施例により本発明が制限されるものではない。 [実施例1]4級アンモニウム基を導入したポリスルホ
ンの15重量%のジメチルホルムアミド溶液に粒径0.
2μmの結晶性リン酸ジルコニウムをポリスルホンと
1:1(重量比)になるように加え、よく撹拌し、分散
液を調製した。スチレン−ジビニルベンゼン共重合体よ
りなり、ポリプロピレン織布にて補強した4級アンモニ
ウム基を有する陰イオン交換膜(イオン交換容量3.0
meq/g乾燥樹脂、膜厚120μm)の上に上記分散
液を塗布して60℃で乾燥し、厚さ5μmの界面層を形
成させた。これにCF2 =CF2 とCF2 =CFOCF
2 CFCF3 CF2 CF2 SO3 Hとの共重合体からな
る陽イオン交換膜(イオン交換容量1.1meq/g乾
燥樹脂、80μm)のエタノール溶液を流延し、60℃
で乾燥した後150℃、15分熱処理し、バイポーラ膜
を製造した。バイポーラ膜は0.5Nの塩化ナトリウム
水溶液中に保管後、図1に示す電気透析槽にてその性能
を評価した。
る実施例により本発明が制限されるものではない。 [実施例1]4級アンモニウム基を導入したポリスルホ
ンの15重量%のジメチルホルムアミド溶液に粒径0.
2μmの結晶性リン酸ジルコニウムをポリスルホンと
1:1(重量比)になるように加え、よく撹拌し、分散
液を調製した。スチレン−ジビニルベンゼン共重合体よ
りなり、ポリプロピレン織布にて補強した4級アンモニ
ウム基を有する陰イオン交換膜(イオン交換容量3.0
meq/g乾燥樹脂、膜厚120μm)の上に上記分散
液を塗布して60℃で乾燥し、厚さ5μmの界面層を形
成させた。これにCF2 =CF2 とCF2 =CFOCF
2 CFCF3 CF2 CF2 SO3 Hとの共重合体からな
る陽イオン交換膜(イオン交換容量1.1meq/g乾
燥樹脂、80μm)のエタノール溶液を流延し、60℃
で乾燥した後150℃、15分熱処理し、バイポーラ膜
を製造した。バイポーラ膜は0.5Nの塩化ナトリウム
水溶液中に保管後、図1に示す電気透析槽にてその性能
を評価した。
【0028】図1の電気透析槽において、両極室13、
14及び中性塩室9、10に15重量%の硫酸ナトリウ
ム水溶液を供給し、アルカリ生成室5は生成される水酸
化ナトリウムの濃度が20重量%となるようにイオン交
換水を調節して供給するとともに、酸生成室6は生成さ
れる硫酸水溶液の濃度が10重量%となるようにイオン
交換水の量を調節した。
14及び中性塩室9、10に15重量%の硫酸ナトリウ
ム水溶液を供給し、アルカリ生成室5は生成される水酸
化ナトリウムの濃度が20重量%となるようにイオン交
換水を調節して供給するとともに、酸生成室6は生成さ
れる硫酸水溶液の濃度が10重量%となるようにイオン
交換水の量を調節した。
【0029】陽イオン交換膜7、11、12には、スチ
レン−ジビニルベンゼン共重合体系スルホン酸膜(イオ
ン交換容量3.3meq/g乾燥樹脂、膜厚140μ
m)を用い、陰イオン交換膜8にはスチレン−ジビニル
ベンゼン共重合体系弱塩基性陰イオン交換膜(イオン交
換容量2.0meq/g乾燥樹脂、膜厚120μm)を
用いた。60℃にて電流密度10A/dm2 の電気透析
を行ったところ、バイポーラ膜による電圧降下は1.0
V、水の解離効率は95%以上であった。この性能は3
ケ月を経過しても変わらず、膜の剥離もみられなかっ
た。
レン−ジビニルベンゼン共重合体系スルホン酸膜(イオ
ン交換容量3.3meq/g乾燥樹脂、膜厚140μ
m)を用い、陰イオン交換膜8にはスチレン−ジビニル
ベンゼン共重合体系弱塩基性陰イオン交換膜(イオン交
換容量2.0meq/g乾燥樹脂、膜厚120μm)を
用いた。60℃にて電流密度10A/dm2 の電気透析
を行ったところ、バイポーラ膜による電圧降下は1.0
V、水の解離効率は95%以上であった。この性能は3
ケ月を経過しても変わらず、膜の剥離もみられなかっ
た。
【0030】[実施例2]実施例1で用いた陽イオン交
換体のエタノール溶液中に粒径0.5μmの水酸化ビス
マスを1:1になるように加え、よく撹拌し、分散液を
調製した。実施例1で用いた陰イオン交換膜上にこの分
散液をスクリーン印刷法を用いて塗布し、60℃で乾燥
させ1μの界面層を形成させた。しかる後に実施例1で
用いた陽イオン交換体膜(80μ)を190℃、70k
g/cmでプレスし、バイポーラ膜を製造した。このバ
イポーラ膜を実施例1と同様の方法で性能を測定したと
ころ、電圧降下は1.1V、水の解離効率は95%以上
であった。この性能は3ケ月を経過しても変わらず、膜
の剥離もみられなかった。
換体のエタノール溶液中に粒径0.5μmの水酸化ビス
マスを1:1になるように加え、よく撹拌し、分散液を
調製した。実施例1で用いた陰イオン交換膜上にこの分
散液をスクリーン印刷法を用いて塗布し、60℃で乾燥
させ1μの界面層を形成させた。しかる後に実施例1で
用いた陽イオン交換体膜(80μ)を190℃、70k
g/cmでプレスし、バイポーラ膜を製造した。このバ
イポーラ膜を実施例1と同様の方法で性能を測定したと
ころ、電圧降下は1.1V、水の解離効率は95%以上
であった。この性能は3ケ月を経過しても変わらず、膜
の剥離もみられなかった。
【0031】
【発明の効果】本発明におけるバイポーラ膜は、従来法
に比して電圧降下が小さく、また水解離効率が高く、し
かも長期間にわたり安定な性能を示す。
に比して電圧降下が小さく、また水解離効率が高く、し
かも長期間にわたり安定な性能を示す。
【図1】バイポーラ膜を評価する電気透析装置の模式図
1:バイポーラ膜 2:陽イオン交換層 3:界面層 4:陰イオン交換層 5:アルカリ生成室 6:酸生成室 7、11、12:陽イオン交換膜 8:陰イオン交換膜 9、10:中性塩室 13:陽極室 14:陰極室 15:陽極 16:陰極
Claims (4)
- 【請求項1】陽イオン交換層と陰イオン交換層の間に、
イオン交換ポリマー中にイオン交換ポリマーと反対の荷
電を有する無機イオン交換体を分散させた界面層を存在
させたことを特徴とするバイポーラ膜。 - 【請求項2】無機イオン交換体が結晶性無機イオン交換
体である請求項1のバイポーラ膜。 - 【請求項3】陽イオン交換層が化1で表される繰り返し
単位を有する重合体よりなる請求項1のバイポーラ膜。 【化1】 なお、化1においてmは0又は1、nは1〜5、x/y
は2〜16、XはSO3 M又はCOOM。Mは水素、ア
ルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウム基を表
す。 - 【請求項4】陰イオン交換層が、ポリオレフィンフィル
ム基材に担持されたスチレン重合体またはスチレンとジ
ビニルベンゼンとの共重合体からなり、陰イオン交換基
として4級アンモニウム基を有する請求項1のバイポー
ラ膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5176237A JPH0711021A (ja) | 1993-06-23 | 1993-06-23 | バイポーラ膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5176237A JPH0711021A (ja) | 1993-06-23 | 1993-06-23 | バイポーラ膜 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0711021A true JPH0711021A (ja) | 1995-01-13 |
Family
ID=16010041
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5176237A Pending JPH0711021A (ja) | 1993-06-23 | 1993-06-23 | バイポーラ膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0711021A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103787471A (zh) * | 2014-01-24 | 2014-05-14 | 北京科技大学 | 一种处理对甲苯磺酸钠废液的装置及工艺 |
KR20200101453A (ko) | 2018-01-19 | 2020-08-27 | 오르가노 코포레이션 | 전기식 탈이온수 제조장치 |
-
1993
- 1993-06-23 JP JP5176237A patent/JPH0711021A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103787471A (zh) * | 2014-01-24 | 2014-05-14 | 北京科技大学 | 一种处理对甲苯磺酸钠废液的装置及工艺 |
CN103787471B (zh) * | 2014-01-24 | 2015-08-26 | 北京科技大学 | 一种处理对甲苯磺酸钠废液的装置及工艺 |
KR20200101453A (ko) | 2018-01-19 | 2020-08-27 | 오르가노 코포레이션 | 전기식 탈이온수 제조장치 |
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