JPH08231736A - 改質バイポーラ膜 - Google Patents

改質バイポーラ膜

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JPH08231736A
JPH08231736A JP3871795A JP3871795A JPH08231736A JP H08231736 A JPH08231736 A JP H08231736A JP 3871795 A JP3871795 A JP 3871795A JP 3871795 A JP3871795 A JP 3871795A JP H08231736 A JPH08231736 A JP H08231736A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電気抵抗の増大を防ぎ、長期に亙って低電圧で
水を分解しうるバイポーラ膜を提供する。 【構成】バイポーラ膜の陽イオン交換膜側の表面に陽イ
オン性物質、例えば、ポリエチレンイミンを存在させて
なる改質バイポーラ膜。バイポーラ膜の陰イオン交換膜
側の表面に陰イオン性物質、例えば、ポリスチレンスル
ホン酸ソーダを存在させてなる改質バイポーラ膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気抵抗の増大を防
ぎ、長期に亙って低電圧で水を分解しうるバイポーラ膜
に関する。
【0002】
【従来の技術】バイポーラ膜は、陽イオン交換膜と陰イ
オン交換膜が貼合わさった構造をしており、各種の塩を
酸とアルカリに分解することのできるイオン交換膜であ
る。例えば、陽極と陰極との間にバイポーラ膜と陽イオ
ン交換膜とを交互に配置することによって、陽極側にバ
イポーラ膜、陰極側に陽イオン交換膜がそれぞれ配置さ
れた塩室と、陽極側に陽イオン交換膜、陰極側にバイポ
ーラ膜がそれぞれ配置されたアルカリ室とを形成した電
気透析槽を準備する。この電気透析槽の塩室に硫酸ナト
リウム水溶液を供給すると、ナトリウムイオンは陰極
側、即ち、陽イオン交換膜を透過して隣接するアルカリ
室に移動し、硫酸イオンはバイポーラ膜を透過せずに塩
室にそのまま留まる。一方、バイポーラ膜の陽極側、即
ち、アルカリ室にはバイポーラ膜から水酸イオンが発生
し、バイポーラ膜の陰極側、即ち、塩室にはバイポーラ
膜から水素イオンが発生する。したがって、アルカリ室
では、陽イオン交換膜を透過してきたナトリウムイオン
とバイポーラ膜から発生した水酸イオンによって水酸化
ナトリウムが生成し、塩室では、塩室に留まった硫酸イ
オンとバイポーラ膜から発生した水素イオンとで硫酸が
生成する。
【0003】このようにバイポーラ膜を使用した電気透
析では、塩水溶液からそれに対応した酸とアルカリをそ
れぞれ製造することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たバイポーラ膜は、コロイド性物質、イオン性有機物、
および色素含有の溶液に長時間接触させるとその電気抵
抗が増大し、電流が流し難くなるという問題点がある。
【0005】コロイド性物質やイオン性有機物などの中
には、イオン交換膜に表面でイオン交換すると膜内での
移動性が極めて悪くなる物質が存在する。これを汚染性
物質と呼んでいる。汚染性物質としては、分子量200
から2000程度のイオン性物質、特に有機イオン性物
質を挙げることができる。例えば、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ソーダ、ナフタリントリスルホン酸ソーダ、メ
チレンブルー、クリスタルバイオレット、ブロモフェノ
ールブルー、コンゴーレッド、オーラミン、フミン酸、
鉄コロイドなどがある。そして、ファウリング(汚染)
とは、このような脱塩室側に存在する汚染性物質が電場
下に荷電と反対の電極側に泳動してゆき、イオン交換膜
内にイオン交換することによって、電気抵抗を増大させ
電流が流れなくなる現象を言う。
【0006】陽イオン交換膜や陰イオン交換膜の汚染性
物質によるファウリングを避ける方法として、これらイ
オン交換膜の表面に反対電荷を有する物質を存在させ、
反対電荷の反発により汚染性物質が膜内に入り込まない
ようにする方法が提案されてきた。このとき反対電荷を
有する膜面が脱塩側のときにその効果が認められてい
た。
【0007】バイポーラ膜においてはその両側は常に濃
縮室となる。濃縮室に汚染性物質が存在したとしても汚
染性物質はバイポーラ膜方向への電気的力が作用しない
ためにバイポーラ膜の汚染は生じないと考えられてい
た。また、バイポーラ膜の両側は酸とアルカリ状態にあ
り、このような状態下での汚染は従来知られていなかっ
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
問題に鑑み鋭意研究の結果、コロイド性物質、イオン性
有機物、および色素含有の溶液に長時間接触させても、
バイポーラ膜の電気抵抗が増大せず、従って、電流が長
期に亙ってよく流れるという知見を見いだし、本発明を
提案するに至った。
【0009】即ち、本発明は、バイポーラ膜の陽イオン
交換膜側の表面に陽イオン性物質を存在させてなる改質
バイポーラ膜であり、また、バイポーラ膜の陰イオン交
換膜側の表面に陰イオン性物質を存在させてなる改質バ
イポーラ膜である。
【0010】本発明における元のバイポーラ膜は特に限
定されず、公知のバイポーラ膜を使用できる。したがっ
て、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜が貼合わさった構
造をした公知のバイポーラ膜を使用できる。このような
バイポーラ膜は、各種の公知の方法で製造することがで
きる。例えば、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜をポリ
エチレンイミン−エピクロルヒドリンの混合物で張り合
わせ硬化接着する方法(特公昭32−3962号公
報)、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜をイオン交換性
接着剤で接着させる方法(特公昭34−3961号公
報)、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを微粉のイオ
ン交換樹脂、陰または陽イオン交換樹脂と熱可塑性物質
とのペースト状混合物を塗布し圧着させる方法(特公昭
35−14531号公報)、陽イオン交換膜の表面にビ
ニルピリジンとエポキシ化合物からなる糊状物質を塗布
し、これに放射線照射することによって製造する方法
(特公昭38−16633号公報)、陰イオン交換膜の
表面にスルホン酸型高分子電解質とアリルアミン類を付
着させた後、電離性放射線を照射架橋させる方法(特公
昭51−4113号公報)、イオン交換膜の表面に反対
電荷を有するイオン交換樹脂の分散系と母体重合体との
混合物を沈着させる方法(特開昭53−37190号公
報)、ポリエチレンフィルムにスチレン、ジビニルベン
ゼンを含浸重合したシート状物をステンレス製の枠には
さみつけ、一方の側をスルホン化させた後、シートを取
り外して残りの部分にクロルメチル化次いでアミノ化処
理する方法(米国特許3562139号明細書)、また
特定の金属イオンを、陰陽イオン交換膜の表面に塗り両
イオン交換膜を重ね合わせてプレスする方法(エレクト
ロケミカアクタ31巻1175−1176頁(1986
年))。
【0011】本発明におけるバイポーラ膜の基材は、接
合する陽イオン交換膜および陰イオン交換膜に依存する
が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、
スチレン−ジビニルベンゼン共重合体のフィルム、ネッ
ト、編物、織布、不織布等が用いられる。
【0012】バイポーラ膜を構成する陽イオン交換膜の
陽イオン交換基は特に限定されず、公知の陽イオン交換
基、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基等を使用でき
る。特に、バイポーラ膜の用途上から酸性下にても交換
基が解離しているスルホン酸基が望ましい。また、バイ
ポーラ膜を構成する陰イオン交換膜の陰イオン交換基は
特に限定されず、公知の陰イオン交換基、例えば、アン
モニウム塩基、ピリジニウム塩基、1級アミノ基、2級
アミノ基、3級アミノ基等のイオン交換基が使用でき
る。なかでも、塩基性下にても交換基が解離しているア
ンモニウム塩基が望ましい。
【0013】これらの陽イオン交換膜および陰イオン交
換膜のイオン交換容量は特に制限されないが、一般に
は、それぞれ0.5〜3.0meq/gの範囲であるこ
とが好ましく、さらに1.0〜2.5meq/gの範囲
であることが好ましい。
【0014】本発明の改質バイポーラ膜は、陽イオン交
換膜側の表面に陽イオン性物質が存在している。本発明
における陽イオン性物質は、陰イオン交換基を有する化
合物であれば公知の化合物を何ら制限なく使用できる。
陰イオン交換基としては、公知の陰イオン交換基であれ
ばよいが、特にアンモニウム塩基、ピリジニウム塩基、
1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基などの陰イ
オン交換基が好適である。このような陰イオン交換基を
有する陽イオン性物質としては、具体的には、4−ビニ
ルピリジン、2−ビニルピリジン、ビニルイミダゾール
などの重合体及びこれら重合体をヨウ化メチルなどで4
級塩基化したもの、ポリスルホンをクロルメチル化し、
さらに4級アンモニウム化したもの、ポリエチレンイミ
ン、ポリ−ビニルベンジル−トリメチルアンモニウムク
ロライドなどが挙げられる。
【0015】また、本発明の改質バイポーラ膜は、陰イ
オン交換膜側の表面に陰イオン性物質が存在している。
本発明における陰イオン性物質は、陽イオン交換基を有
する化合物であれば公知の化合物を何ら制限なく使用で
きる。陽イオン交換基としては、公知の陽イオン交換基
であればよいが、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基
などの陽イオン交換基が好適である。このような陽イオ
ン交換基を有する陰イオン性物質としては、具体的に
は、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン等のポ
リマーにスルホン酸基を導入したもの、ポリスチレンス
ルホン酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ、ポリメタクリ
ル酸ソーダ等が挙げられる。
【0016】これらの陽イオン性物質および陰イオン性
物質は、改質バイポーラ膜を紫外線、アルコール、界面
活性剤、殺菌剤、酸、塩基、塩や熱などによって滅菌処
理や洗浄操作によってバイポーラ膜から離脱しないもの
であることが好ましい。
【0017】上記した陽イオン性物質および陰イオン性
物質の存在量は特に制限されるものではないが、バイポ
ーラ膜の電気抵抗の上昇を抑制するためには、陽イオン
性物質および陰イオン性物質の有するイオン交換基量が
それぞれ陽イオン交換膜および陰イオン交換膜のイオン
交換容量の0.01〜5%、さらに好ましくは0.1〜
3%となるように選ぶことが好ましい。
【0018】本発明の改質バイポーラ膜を得る方法は特
に制限されないが、一般には下記の方法によって製造す
ることが好適である。まず、陽イオン性物質または陰イ
オン性物質を存在させる方法としては次の方法がある。
【0019】(1)陽イオン交換基または陰イオン交換
基を導入可能な高分子膜状物の表面に予め陰イオン性物
質または陽イオン性物質をそれぞれ存在させておき、そ
の後、高分子膜状物内部に陽イオン交換基または陰イオ
ン交換基を導入する方法。
【0020】(2)陽イオン交換基または陰イオン交換
基を導入可能な高分子膜状物に先に陽イオン交換基また
は陰イオン交換基を導入して陽イオン交換膜または陰イ
オン交換膜を作成した後、その表面に陰イオン性物質ま
たは陽イオン性物質を存在させる方法。
【0021】具体的な方法を説明すれば、例えば、陽イ
オン性物質または陰イオン性物質の水溶液に単に陽イオ
ン交換膜または陰イオン交換膜を浸漬することによって
行う方法を挙げることができる。その他、特公昭60−
43857号公報、特公昭62−5179号公報、特開
昭62−205135号公報、特公昭45−19980
号公報、特公昭45−30693号公報、特公昭48−
34676号公報、特開昭52−63187号公報等に
より公知の方法を採用することもできる。これらの公知
の方法を具体的に示せば次のとおりである。
【0022】(1)塩化ビニル布、ポリエチレンネット
などの基材とスチレン/ジビニルベンゼン共重合体から
なる高分子膜状物をクロルスルホン酸と硫酸の混合溶液
に浸漬してベンゼン環にスルホニルクロライド基を導入
し、次いで、この高分子膜状物の表面でスルホニルクロ
ライド基とポリエチレンイミン等の多価のアミノ基を有
するポリアミンとを結合させ、さらに、膜の内部のスル
ホニルクロライド基を水酸化ナトリウム溶液で加水分解
させる方法。
【0023】(2)3価の3級アミンであるペンタメチ
ルイミノビスプロピルアミンを3倍量のクロルメチルス
チレンと反応させて第4級アンモニウム塩基とビニルベ
ンジル基とを3個有する化合物を得、次いで、この化合
物の水溶液中に陽イオン交換膜を浸漬して陽イオン交換
膜の表面部分をイオン交換させ、さらに、膜表面のビニ
ル基を重合させる方法。
【0024】(3)塩化ビニル布、ポリエチレンネット
などの基材とクロロメチルスチレン/ジビニルベンゼン
共重合体からなる高分子膜状物をトリメチルアミン水溶
液へ浸漬してクロロメチル基に4級アンモニウム基を導
入し、次いで、ポリスチレンスルホン酸ソーダ水溶液に
浸漬する方法。
【0025】なお、陽イオン性物質と陰イオン性物質を
存在させる時期は、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を
接合する前の陽イオン交換膜および陰イオン交換膜のそ
れぞれ単独の段階であってよく、また、これらを接合し
た後のバイポーラ膜となった段階であってもよい。
【0026】
【効果】本発明の改質バイポーラ膜を使用すれば、コロ
イド性物質、イオン性有機物、および色素を含有する水
溶液を電気透析にかけても、バイポーラ膜の電気抵抗が
増大せず、電流が長期に亙ってよく流れる。したがっ
て、本発明によれば、長期に亙り安定してバイポーラ膜
電気透析を行うことが可能となる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はかかる実施例に限定されるものではない。
【0028】実施例1 3価の3級アミンであるペンタメチルイミノビスプロピ
ルアミン20.1g(0.1mol)とクロルメチルス
チレン46g(0.3mol)をメタノール200ml
中にて48時間反応させ、第4級アンモニウム塩基とビ
ニルベンジル基を各3個有する化合物を得た。この化合
物の1000ppmを含む水溶液中にバイポーラ膜「ネ
オセプタBP−1」(商品名:株式会社トクヤマ製)を
30℃で1時間浸漬し、ついで窒素雰囲気下、重合開始
剤として過硫酸カリウムおよび亜硫酸ナトリウムをそれ
ぞれ1000ppmになるように加え、10時間激しく
攪はんした。このようにして改質バイポーラ膜を得た。
この改質バイポーラ膜の陽イオン交換膜の交換容量に対
する新たに導入された陽イオン性物質の陰イオン交換基
量の割合は1%であった。
【0029】バイポーラ膜電気透析槽として、図1のよ
うに1対の陰陽極間に陽イオン交換膜「ネオセプタCM
S」(商品名:株式会社トクヤマ製)と改質バイポーラ
膜とが交互にそれぞれ6枚および5枚(陽イオン交換
膜、バイポーラ膜の有効膜面積はいずれも1dm2、総
膜面積はそれぞれ6dm2と5dm2)配置され、塩基室
と酸・塩混合室が形成されたフィルタープレス型バイポ
ーラ膜電気透析槽を用いた。酸・塩混合室には100p
pmのメチレンブルーを含む100リットルの2N−酢
酸ナトリウム溶液を、塩基室には0.5N−NaOH水
溶液2リットルを、それぞれ対応するタンクを設けて6
cm/secの線速度で供給、循環した。陽極室と陰極
室はそれぞれ10%水酸化ナトリウム水溶液5リットル
を循環し、40℃、電流密度10A/dm2で電気透析
を行った。
【0030】このときの初期及び30時間後の電圧は共
に1.8ボルト/ユニットセルであり、電圧の上昇は認
められなかった。電気透析槽を解体後、バイポーラ膜の
陽イオン交換膜側はメチレンブルーによる着色は見られ
なかった。
【0031】比較例1 実施例1において、改質バイポーラ膜の代わりに改質を
していない「ネオセプタBP−1」(商品名:株式会社
トクヤマ製)を使用した以外は同一操作をした。このと
きの初期及び30時間後の電圧はそれぞれ1.8ボルト
/ユニットセルおよび2.1ボルト/ユニットセルであ
り、電圧の上昇が認められた。電気透析槽を解体後、バ
イポーラ膜の陽イオン交換膜側はメチレンブルーにより
着色されていた。
【0032】実施例2 ポリ塩化ビニル布基材とスチレン/ジビニルベンゼン重
合体を主成分とする高分子膜状物をクロルスルホン酸/
硫酸(1:1)混合溶液へ40℃、30分浸漬してベン
ゼン環にスルホニルクロライド基を導入した。その後硫
酸で順次希釈し水洗してスルホニルクロライド基を有す
る高分子膜状物を得た。ついでこの膜状物を10%ポリ
エチレンイミン水溶液中に25℃で24時間浸漬し、ス
ルホニルクロライド基とポリエチレンイミンとを結合さ
せた。ついで、膜の内部のスルホニルクロライド基を1
0%水酸化ナトリウム水溶液で加水分解させて改質陽イ
オン交換膜を得た。ついで、該改質陽イオン交換膜の片
側をサンドペーパで粗面化し乾燥させた。予め作成して
おいたアミノ化ポリスルホン(ポリスルホンをクロルメ
チル化、次いでトリメチルアミンで4級アミノ化したも
の、交換容量1.1meq/g)の15%クロロホルム
溶液をキャストして溶媒を加熱蒸発させて本発明の改質
バイポーラ膜を得た。この改質バイポーラ膜の陽イオン
交換膜の交換容量に対する新たに導入された陽イオン性
物質の陰イオン交換基量の割合は1.4%であった。上
記の改質バイポーラ膜を使用した以外は、実施例1と同
じ電気透析槽を組み、同一の操作をした。
【0033】このときの初期及び30時間後の電圧は共
に2.5ボルト/ユニットセルであり、電圧の上昇は認
められなかった。電気透析槽を解体後、バイポーラ膜の
陽イオン交換膜側はメチレンブルーによる着色は見られ
なかった。
【0034】実施例3 分子量4000のポリスチレンスルホン酸ソーダを10
00ppmを含む水溶液中に「ネオセプタBP−1」
(商品名:株式会社トクヤマ製)を40℃で2時間浸漬
し改質バイポーラ膜を得た。この改質バイポーラ膜の陰
イオン交換膜の交換容量に対する新たに導入された陰イ
オン性物質の陽イオン交換基量の割合は0.2%であっ
た。
【0035】バイポーラ膜電気透析槽は、図2のように
1対の陰陽極間に、陰イオン交換膜「ネオセプタAM
H」(商品名:株式会社トクヤマ製)と改質バイポーラ
膜とが交互にそれぞれ6枚および5枚(陰イオン交換
膜、バイポーラ膜の有効膜面積はいずれも1dm2、総
膜面積はそれぞれ6dm2と5dm2)配置され、塩基・
塩混合室、酸室が形成されたフィルタープレス型バイポ
ーラ膜電気透析槽を用いた。塩基・塩混合室には分子量
1000のポリアクリル酸ソーダ100ppmを含む1
00リットルの2N−酢酸アンモニウム溶液を、酸室に
は0.5N−HCl水溶液2リットルを、それぞれ対応
するタンクを設てけ6cm/secの線速度で供給、循
環した。陽極室と陰極室はそれぞれ10%水酸化ナトリ
ウム水溶液5リットルを循環し、30℃、電流密度5A
/dm2で電気透析を行った。
【0036】このときの初期及び30時間後の電圧は共
に1.6ボルト/ユニットセルであり、電圧の上昇は認
められなかった。
【0037】比較例2 実施例3で改質バイポーラ膜の代わりに改質をしていな
い「ネオセプタBP−1」(商品名:株式会社トクヤマ
製)を使用した以外は同一操作をした。このときの初期
及び30時間後の電圧はそれぞれ1.6ボルト/ユニッ
トセルおよび2.0ボルト/ユニットセルであり、電圧
の上昇が認められた。
【0038】実施例4 実施例1で得た陽イオン交換膜側が改質されたバイポー
ラ膜を分子量3000のポリスチレンスルホン酸ソーダ
1000ppmを含む水溶液中に40℃で3時間浸漬し
陰イオン交換膜側の表面も改質された改質バイポーラ膜
を得た。この改質バイポーラ膜の陰イオン交換膜の交換
容量に対する新たに導入された陰イオン性物質の陽イオ
ン交換基量の割合は0.5%であった。またこの改質バ
イポーラ膜の陽イオン交換膜の交換容量に対する新たに
導入された陽イオン性物質の陰イオン交換基量の割合は
1%であった。上記の改質バイポーラ膜を使用したこと
と、塩基室にドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ100
ppmを含む0.5N−NaOH水溶液2リットルを循
環した以外は、実施例1と同じ電気透析槽を組み、同一
の操作をした。
【0039】このときの初期及び30時間後の電圧は共
に1.8ボルト/ユニットセルであり、電圧の上昇は認
められなかった。電気透析槽を解体後、バイポーラ膜の
陽イオン交換膜側はメチレンブルーによる着色は見られ
なかった。
【0040】比較例3 バイポーラ膜として「ネオセプタBP−1」(商品名:
株式会社トクヤマ製)を使用した以外は実施例4と同一
の電気透析槽を組み、同一の操作をした。このときの初
期及び30時間後の電圧はそれぞれ1.8ボルト/ユニ
ットセルおよび2.3ボルト/ユニットセルであり、電
圧の上昇が認められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で使用した電気透析槽の構造
を示す模式図である。
【図2】図2は、実施例3で使用した電気透析槽の構造
を示す模式図である。
【符号の説明】
1 陽極 2 陰極 3 塩基室 4 酸・塩混合室 5 塩基・塩混合室 6 酸室 C1〜C6 陽イオン交換膜 A1〜A6 陰イオン交換膜 B1〜B5 バイポーラ膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バイポーラ膜の陽イオン交換膜側の表面に
    陽イオン性物質を存在させてなる改質バイポーラ膜。
  2. 【請求項2】バイポーラ膜の陰イオン交換膜側の表面に
    陰イオン性物質を存在させてなる改質バイポーラ膜。
  3. 【請求項3】バイポーラ膜の陽イオン交換膜側および陰
    イオン交換膜側の表面に、それぞれ陽イオン性物質およ
    び陰イオン性物質を存在させてなる改質バイポーラ膜。
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