JPH0711011B2 - 成形用組成物およびこれを用いた焼結体の製造方法 - Google Patents

成形用組成物およびこれを用いた焼結体の製造方法

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JPH0711011B2
JPH0711011B2 JP1344738A JP34473889A JPH0711011B2 JP H0711011 B2 JPH0711011 B2 JP H0711011B2 JP 1344738 A JP1344738 A JP 1344738A JP 34473889 A JP34473889 A JP 34473889A JP H0711011 B2 JPH0711011 B2 JP H0711011B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、タングステンカーバイド、チタンカーバイド
およびタンタルカーバイドからなる群より選ばれる超硬
材料を形成する粉末と有機バインダーからなる成形用組
成物およびこれを用いた焼結体の製造方法に関する。
[従来の技術] 超硬合金等の超硬材料を形成する粉末と有機バインダー
からなる従来の成形用組成物および超硬材料からなる製
品の製造方法としては、有機バインダーとしてポリビニ
ルブチラール、ポリスチレンもしくはポリプロピレンを
用いた成形用組成物、およびその組成物を射出成形し、
成形物を水素または水蒸気雰囲気において有機バインダ
ーを分解散逸させたのち焼結する製造方法が知られてい
る(例えば、特開昭51-126308号公報)。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら従来の組成物では、脱脂の際、成形体が自
重により変形したり、有機バインダーの熱分解性が悪
く、また、分解ガスにより割れ、膨れが生じ易いため、
保形用の治具を使い、または成形体をセラミック粉や金
属粉に埋め変形を防ぎ、400℃付近まだ0.1〜10℃/hrの
ゆっくりした昇温速度で分解ガスの発生量を押さえ脱脂
を行う必要があった。そのため、焼結に移る前に成形体
の表面に付着した粉を払い落とす工程が必要であった
り、脱脂に長時間を要するなど、工業的な生産を困難に
していた。
[課題を解決するための手段] 本発明の成形用組成物は、タングステンカーバイド、チ
タンカーバイドおよびタンタルカーバイドからなる群よ
り選ばれる超硬材料を形成する粉末と、熱変形温度(以
下TDと略記)130℃以上の熱可塑性成分(A成分)と融
点30℃〜100℃の成分(B成分)からなる有機バインダ
ーを混合してなる射出成形またはプレス成形用組成物で
ある。ここで、TDはASTM D648に従い、荷重4.6kg/cm2
測定された値で示すものとする。
また、本発明の焼結体の製造方法は、タングステンカー
バイド、チタンカーバイドおよびタンタルカーバイドか
らなる群より選ばれる超硬材料を形成する粉末と、TD13
0℃以上の熱可塑性成分(A成分)と融点30℃〜100℃の
成分(B成分)からなる有機バインダーを溶融混練して
成形用組成物を作成し、この組成物を所望の形状に成形
し、次いでこの成形体から有機バインダーを加熱除去
し、得られた脱脂体を焼結することを特徴とする製造方
法である。
本発明の成形用組成物においてA成分としては、ポリカ
ーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレ
ンサルファイド、ポリフッ化ビニデン、ポリアセタール
(トリオキサンのみからなるホモポリマーおよびトリオ
キサンとエチレンオキサイド、ジオキソラン、置換ジオ
キソラン、1、4−ジオキサンなどとのコポリマー)、
ポリアミド(例えば、ナイロン6、11、12、66あるいは
これらの共重合体)、ポリエステル(例えば、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、
ポリアリールサルホン、ポリアリールエーテル、ポリサ
ルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテル
ケトンなどがあり、これらのうちから1種もしくは2種
以上を適宜混合して用いることが出来る。これらのうち
好ましいものはTDが150℃以上の熱可塑性成分であり、
中でもポリアセタールは溶融粘度が低く、成形しやす
く、かつ熱分解性も良好であるため好ましく用いられ
る。
B成分としては、ポリアルキレングリコール類(ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリーコール、エチレンオキサイド−プロ
ピレンオキサイド共重合体など通常分子量1000〜2百万
のもの)、ワックス類(石油ワックス、天然ワックス、
合成ワックスなど)、常温で固体の各種低分子量化合物
(ステアリン酸などの高級脂肪酸、ステアリルアルコー
ルなどの高級アルコール、ステアリン酸アルミニウムな
どの金属石鹸、ジステアリルアミンなどの脂肪族アミ
ン、各種界面活性剤)などがあり、これらのうちから1
種あるいは2種以上を適宜混合して用いることができ
る。
A成分としてポリアセタール樹脂を用いたときは、相溶
性の点から、B成分としてポリアルキレングリコールが
好ましく、さらには、ポリエチレングリコールが特に好
ましい。ポリエチレングリコールの分子量としては通常
1000〜2百万が用いられるが、成形性と脱脂時の変形防
止効果に優れることから、分子量1000〜1百万のものが
より好ましい。
有機バインダーには、A、B成分の他に成形性を改善す
るためTDが130℃未満の第3成分(C成分)を加えても
良い。このようなC成分としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリプロ
ピレン、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、ポリメタクリル酸エステ
ル類、ポリアルキレンカーボネート類(ポリエチレンカ
ーボネート、ポリプロピレンカーボネート)、ポリエチ
レンオキサイドなどがあげられるが、相溶性の点からポ
リエチレンオキサイドが好ましい。有機バインダーはさ
らに、常温で液状の可塑剤(ジエチルフタレート、ジブ
チルフタレートなど)や超硬材料を形成する粉末に対す
るバインダーの濡れ性を良くするための界面活性剤や各
種カップリング剤等を通常使用される範囲で含有してい
ても良い。
有機バインダー中のA成分は組成物に流動性を付与する
と共に、脱脂時の変形を防止する役目を果たす。TDが13
0℃未満の成分では変形防止効果が不十分となるため、
A成分のTDを130℃以上に定めた。バインダー中に占め
るバインダーのA成分の量は通常20〜100重量%、好ま
しくは30〜60重量%である。A成分の量が20重量%より
少ないと、成形体の強度が不足しハンドリングが困難と
なる。
B成分は組成物の流動性を増して、射出成形を容易にす
ると共に、脱脂時の変形防止効果をさらに高め、脱脂速
度を早める役目を果している。その融点が30℃未満では
成形体の強度が弱くなり、100℃を越えると変形防止効
果が不十分となるため融点の範囲を30〜100℃と定め
た。バインダー中に占めるB成分の量は、通常80重量%
以下、好ましくは40〜70重量%である。B成分の量が80
重量%を越えると成形体の強度が低下する。
バインダー中に占めるC成分の量は通常0〜60重量%、
好ましくは0〜30重量%である。C成分の量が60重量%
を越えると脱脂中に成形体が変形しやすくなる。
超硬材料を形成する粉末としては、WC、TaC、TiC、Nb
C、Mo2C、VC、NbC、HfC等の金属炭化物とCo、Ni、Cr、F
e等の金属からなる材料があるが、これらの中で、本発
明においては、WC、TaCおよびTiCからなる群よりなる超
硬材料を形成する粉末が好ましい。例えば、WC/TiC/Co
=94/1/5(重量比)、WC/TiC/Co=34/60/6(重量比)、
WC/TiC/TaC/Co=59/7/22/12(重量比)等が挙げられ
る。
これらの粉末には、粉末の焼結助剤、成形助剤物性向上
のため他の粉末等を適宜あらかじめ添加しておくことも
できる。添加の方法としては、単に混合してもよいし、
粉末表面にコーティングしても良い。
超硬材料を形成する粉末の平均粒径は通常0.01〜50μ
m、好ましくは0.1〜20μmである。0.01より小さくて
も、また、50μmより大きくても有機バインダーと溶融
混練した組成物の成形時の成形性が悪化する。
本発明の組成物において粉末の組成物全体に占める量
は、通常30〜70体積%、好ましくは40〜60体積%であ
る。粉末量が70体積%を越えると粉末と有機バインダー
を均一に混練することが困難になり、かつ成形が困難に
なる。30体積%より少ないと脱脂時の成形体の変形が大
きくなる。
本発明の組成物は、各成分を溶融混練し冷却後粉砕(粗
砕)あるいはペレット化することにより製造できる。上
記において混練はバンバリーミキサー、プラストミル、
ニーダー、加圧ニーダー、ロールミル、スクリュー式押
出機など通常の混練機を用い、混練温度100〜350℃、好
ましくは150〜250℃で、温度コントロールは定温、昇
温、降温などで行う。混練時間は通常10粉〜10時間、好
ましくは10分〜3時間で行う。混練の方法として、全部
を一度に仕込み混練する方法、また、有機バインダー成
分を加熱混練した後、超硬材料を形成する粉末を加え加
熱混練する方法等があるが特に限定されるものではな
い。本発明の組成物を用いて射出成形またはプレス成形
によりシート状または複雑形状物を成形し、脱脂し、焼
結し、必要により加工して成形品を得る。
射出成形する場合、通常のプランジャー式、スクリュー
式などの射出成形機を用いることができる。成形条件は
金型形状や組成物により異なるが、成形圧力は通常100
〜3000kg/cm2、好ましくは200〜2000kg/cm2、成形温度
は通常150〜350℃、好ましくは150〜250℃である。加熱
により熱分解しやすい組成物においては、減圧下あるい
は不活性雰囲気中で混練、成形する方法を採用するのが
好ましい。
脱脂は通常、酸化性、還元性または不活性ガス雰囲気下
で、減圧、常圧または加圧下で通常0.5〜100℃/Hr、好
ましくは0.5〜60℃/Hrの昇温速度で100〜500℃、好まし
くは140〜300℃まで昇温し、その温度で通常0〜10時間
以内、好ましくは0〜1時間以内保持することにより行
われる。
本発明の組成物からなる成形体は、形を保持するために
粉末の中に埋め込んだり、治具で支えたりする必要はな
く、そのまま脱脂炉中の棚板に並べて脱脂できる。ここ
で成形体を置く棚板として通風可能な構造のものを用
い、成形体の下面にも雰囲気ガスの流れを当てることに
よって脱脂時間を短縮することが出来る。このような棚
板としてステンレスなどの金網やセラミックなどを格子
状に成形したものなどが用いられる。
焼結は通常、酸化性、還元性または不活性ガス雰囲気下
で減圧、常圧または加圧下で600℃〜2,500℃で行う。昇
温速度は通常50〜100℃/hrであり最高温度で10分〜10時
間保持する。真空中で焼結する場合、真空度は通常10-1
Torr以上、好ましくは10-2Torr以上である。
脱脂を粉末中に埋め込んで行う従来法においては、焼結
に移る前に脱脂体の表面に付着している粉を払い落とす
工程が必要で有り、脱脂から焼結まで連続的に行うこと
が困難であっったが、本発明の方法によれば、そのよう
な工程は不要であり同一の加熱炉または脱脂用加熱炉と
焼結用加熱炉を連結した加熱炉で連続して焼結まで行う
ことが可能である。
[実施例] 以下、実施例および比較例により本発明をさらに説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、実施例1は参考例である。
実施例1 WC-95重量%、Co-5重量%からなる超硬合金粉末、WC-94
重量%、TiC-1重量%、Co-5重量%からなる超硬材料を
形成する粉末とTD130℃以上の4種類の樹脂[ポリカー
ボネート(PC)、ポリアセタールコポリマー(Co-PO
M)、ポリアセタールホモポリマー(POM)、ポリサルホ
ン(PSF)を組み合わせ合計8種の成形用組成物を作成
した。超硬合金粉末の量は組成物の50体積%となるよう
にし、混練は加圧ニーダーを用い、使用する樹脂に応じ
180〜360℃の温度で約45分間混練した。次に上記組成物
を150〜380℃で加熱プレスして第1図に示すような試験
片(100mm×10mm×4mm)に成形した。次いで、上記成形
体を、第2図に示すように一定間隔L(1、2および3c
m)だけ離して設置した支持棒の上に載せ、循風炉中2
℃/Hrの昇温速度で、使用した樹脂に応じて250〜500℃
まで昇温して、樹脂分の80%以上を熱分解除去した。次
に得られた脱脂体の変形程度を第3図に示すように、熱
変形量(h)で評価した。結果は表1に示すように、有
機バインダーとしてTDが138℃のポリカボネートを使っ
た場合、支持棒の間隔が広いときにいくぶん変形が認め
られるものの、TDが150℃以上の樹脂を用いた他の試験
片では全く変形は認められなかった。
比較例1 有機バインダーとしてTD110℃のポリスチレン(PS)お
よびTD110℃のポリプロピレン(PP)を用い、実施例1
と同様に試験片の作成、脱脂を行い、脱脂時の変形量を
評価した。結果は表1に示すように、支持棒の間隔を1c
mと狭くしても大きな変形を示した。脱脂時の雰囲気を
水素および水蒸気にしても変化はなかった。
実施例2 WC-95重量%、Co-5重量%からなる平均粒径2μmの超
硬材料を形成する粉末と有機バインダーとして実施例1
で用いたPOMまたはCo-POMにポリエチレングリコール(P
EG4000:平均分子量4000、融点56℃)を加えたものを用
い、表2に示すような組成割合で混練した。混練は加圧
ニーダーを用い160〜200℃で45分間行い、冷却しながら
破砕して射出成形用組成物を得た。
次に、射出成形機を用い、加熱筒温度:150〜170℃、金
型温度:80℃、射出圧力:1500kg/cm2の条件で上記組成物
を第1図と同じ形の試験片を成形した。得られた成形体
を観察したところ、すべて良好な外観を示していた。
上記成形体を実施例1と同様にして循風炉中にセット
し、昇温速度2℃/Hrで200℃まで昇温し、直ちに自然放
冷により冷却した。得られた脱脂体のバインダー除去率
は約98%であった。脱脂体は表3に示すように全く変形
しておらず、また、割れ、膨れ等の異常も認められなか
った。
実施例3 超硬材料を形成する粉末を、WC-94重量%、TaC-1重量
%、Co-5重量%からなる平均粒径1μmの粉末にした以
外は実施例2と同様に組成物を作成し、射出成形、脱脂
を行った。成形体の外観は全て良好であった。
また、脱脂率は約98重量%で変形のない脱脂体が得られ
た。組成割合を表4に、脱脂結果を表5に示す。
比較例2 有機バインダーとして比較例1で用いたポリプロピレン
とパラフィンワックス(PW:融点58℃)を 用い、混練温度を150〜180℃とした以外は実施例2と同
じ条件で射出成形組成物を作成した。組成割合を表2に
示す。
引き続き、加熱筒温度150℃、金型温度50℃、射出圧力1
000kg/cm2射出成形を行い、実施例2と同じ試験片を作
成した。成形体を観察したところ外観は全て良好であっ
た。次いで、実施例2と同条件で脱脂を行い脱脂率と脱
脂体の変形量を評価した。脱脂率は約85%であり、結果
は表3に示すように、支持棒の間隔Lを1cmと狭くして
も大きく変形し良品は全く得られなかった。
比較例3 超硬材料を形成する粉末をWC-94重量%、TaC-1重量%、
Co-5重量%からなる平均粒径1μmの粉末にした以外
は、比較例2と同様にして組成物を作成し、射出成形、
脱脂を行った。脱脂率は85%であった。表4に組成割合
を、表5に脱脂結果を示す。成形体の外観は良好であっ
たが、脱脂体は支持棒を間隔Lを1cmと狭くしても大き
く変形し良品は全く得られなかった。
実施例4 実施例3において成形体を10メッシュのステンレス製金
網の上に置いて成形体の下面にも熱風が当たるようにし
た以外は実施例2および3と同様にして脱脂体を得た。
脱脂体の外観は良好であっり、脱脂率は98%であった。
実施例5 実施例2で得た脱脂体を真空焼結炉中で真空度10-1Tor
r、1420℃×2時間焼結を行い、相対密度99%の焼結体
を得た。また、実施例3で得た脱脂体を同様に焼結を行
い、相対密度99%の焼結体を得た。
以上の実施例および比較例から判るように、有機バイン
ダーがポリプロピレンとワックスのようなTDの低い成分
のみからなる場合は、脱脂時に成形体の自重による変形
が起こった。
一方、本発明の組成物によれば、バインダー成分として
TDが130℃以上の成分と融点が30℃〜100℃の成分を併用
することにより、支持棒の間隔が広くなっても(即ち、
成形品がより大型になっても)、また密度が高く自重に
より変形しやすいタングステンカーバイドやタンタルカ
ーバイドを主成分とする超硬材料を形成する粉末を使用
し場合においても、変形のない良好な脱脂体を得ること
が出来た。また、ポリアセタールのようにTDが150℃と
高くかつ熱分解しやすい成分と、やはり熱分解しやすい
ポリエチレングリコールのような低融点成分との混合バ
インダーを用いることにより、上記の変形防止効果がよ
り顕著になる上に、比較的低温で短時間に脱脂を行うこ
とができた。なお、上記実施例では密度が高いタングス
テンカーバイドを主成分とする超硬材料を形成する粉末
について実施した結果のみを示したが、密度が低い超硬
材料を形成する粉末についても従来組成に比べ脱脂体の
変形がより少なくなる結果が得られている。
[発明の効果] 発明の組成物および焼結体の製造方法は下記の効果を奏
する。
脱脂時の自重による変形が防止されるため、従来、
脱脂の際必要であった粉体中への埋め込みや、保形用の
治具などが不要となり、生産性および製品の精度が上が
る。
複雑形状品や大型成形品のように、粉体中への埋め
込みや治具による保形がやりにくいもの、および、タン
グステンカーバイドやタンタルカーバイドを主成分とす
る超硬材料を形成する粉末をのように密度が高く自重に
よる変形が起こりやすいものでも、変形のない脱脂体を
得ることができる。
脱脂体を粉体中から取り出す工程が不要となるた
め、脱脂工程から焼結まで連続生産することが可能とな
り、生産性を上げることができる。
従来の組成物を用いたものよりも低温短時間で脱脂
することができる。
低温で脱脂ができるため、超硬材料を形成する粉末
の酸化が起こらず、カーボン含量を変化させることなく
安定した焼結体が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は試験片の斜視図、第2図は試験片の変形の測定
方法を示す説明図、第3図は変形量の説明図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−126307(JP,A) 特開 昭59−78979(JP,A) 特開 平2−290903(JP,A)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タングステンカーバイド、チタンカーバイ
    ドおよびタンタルカーバイドからなる群より選ばれるカ
    ーバイドからなる超硬材料を形成する粉末と熱変形温度
    130℃以上の熱可塑性成分(A成分)と融点30℃〜100℃
    の成分(B成分)からなる有機バインダーを混合してな
    る射出成形またはプレス成形用組成物。
  2. 【請求項2】形成する粉末が該カーバイドとコバルト、
    ニッケル、クロムおよび鉄からなる群より選ばれる金属
    からなる請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】A成分がポリアセタールである請求項1ま
    たは2記載の組成物。
  4. 【請求項4】B成分が有機バインダーの40〜70重量%を
    占める請求項1〜3のいずれか記載の組成物。
  5. 【請求項5】A成分がポリアセタールでありB成分がポ
    リエチレングリコールである請求項1〜4のいずれか記
    載の組成物。
  6. 【請求項6】タングステンカーバイド、チタンカーバイ
    ドおよびタンタルカーバイドの含量が50〜99重量%の超
    硬材料を形成する粉末である請求項1〜5のいずれか記
    載の組成物。
  7. 【請求項7】タングステンカーバイド、チタンカーバイ
    ドおよびタンタルカーバイドからなる群より選ばれる超
    硬材料を形成する粉末と有機バインダーを加熱混練して
    請求項1〜6のいずれか記載の成形用組成物を作成し、
    この組成物を所望の形状に射出成形またはプレス成形
    し、次いでこれらの成形体から有機バインダーを加熱除
    去し、得られた脱脂体を焼結することを特徴とする焼結
    体の製造方法。
  8. 【請求項8】成形体を通風可能な棚板上に置き、成形体
    の下面にも雰囲気ガスの流れがあたるようにして有機バ
    インダーの加熱除去を行う請求項7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】成形体から有機バインダーを加熱除去する
    ときの雰囲気ガスが空気である請求項8記載の方法。
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