JPH07109982A - スクロール式流体機械 - Google Patents

スクロール式流体機械

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JPH07109982A
JPH07109982A JP25587193A JP25587193A JPH07109982A JP H07109982 A JPH07109982 A JP H07109982A JP 25587193 A JP25587193 A JP 25587193A JP 25587193 A JP25587193 A JP 25587193A JP H07109982 A JPH07109982 A JP H07109982A
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JP25587193A
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English (en)
Inventor
Nobuaki Ishihara
宣昭 石原
Shinichi Iwai
慎一 岩井
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/02Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents
    • F04C18/0207Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form
    • F04C18/0215Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form where only one member is moving
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01CROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
    • F01C19/00Sealing arrangements in rotary-piston machines or engines
    • F01C19/08Axially-movable sealings for working fluids

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スクロール式流体機械において、軟質層の摩
耗を利用してシールする際に、チップシールの押し付け
力が弱い場合にもシール性を高める。 【構成】 例えばスクロール式圧縮機1において、スク
ロール部材3,7の渦巻き形の羽根の表面に硬質層2
4,27を設け、可動スクロール部材の渦巻き形の羽根
7aの先端面のチップシール21と接触する固定スクロ
ール部材の側板3cの硬質層24上にグリース油膜のよ
うな剥離層25を被覆し、この剥離層25の表面にも、
剥離層を設けない硬質層24の表面と同様にボロン層の
ような軟質層26を重ねて被覆する。初期の作動状態に
おいて軟質層26が摩耗して、残った軟質層26が羽根
3a,7a間の隙間をシールする。チップシール21
は、摩擦を低減するために弾性体22,23の力を小さ
く設定するが、剥離層25があるために軟質層26を容
易に剥離して側板の硬質層24と接触することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スクロール型圧縮機や
スクロール型膨張機のようなスクロール式流体機械に関
する。
【0002】
【従来の技術】スクロール式流体機械の内部において噛
み合っている2つのスクロール部材間の隙間から漏れる
流体の量を低減させる技術が特公昭63−32991号
公報に記載されている。この従来技術は、2つのスクロ
ール部材の表面に硬化層を形成し、さらに、これら2つ
のスクロール部材の少なくとも一方の硬化層の表面に、
なじみ性を有する軟質の物質として例えば硫化鉄の層を
形成することにより、スクロール式流体機械の作動状態
において、硬化層同士の接触が生じるまでなじみ性を有
する物質を摩耗させた後に、摩耗しないで残ったなじみ
性を有する物質によって2つのスクロール部材間の隙間
をシールするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】スクロール式流体機械
においては、スクロール部材の渦巻き形の羽根の先端の
シール手段として、一般的に所謂チップシールが用いら
れているが、前述の従来技術においてはチップシールを
用いる場合についての配慮がなされていない。チップシ
ールはスクロール部材の渦巻き形の羽根の先端面に形成
された渦巻き形の溝の中に挿入されている細長い条片で
あって、溝の底に設けられる弾性体によって相手方のス
クロール部材の側板の表面に押し付けられることによ
り、その部分のシール性を保持するものである。従っ
て、この弾性体の押し付け力を強いものにするとシール
性は高くなるが、それと同時に2つのスクロール部材の
間の摩擦が大きくなってスクロール式流体機械の効率が
低下するので、弾性体によるチップシールの押し付け力
は小さい方がよい。そのような理由から、従来技術では
チップシールに対して押し付け力の小さい弾性体を用い
ることになるので、スクロール部材の渦巻き形の羽根の
先端部分においては、押し付け力の弱いチップシールに
よってなじみ性を有する物質を摩耗させることができ
ず、この部分の隙間を小さくすることができないという
問題が生じる。
【0004】本発明は、従来技術におけるこのような問
題点に対処して、スクロール部材の渦巻き形の羽根の先
端面におけるチップシールの押し付け力が弱い場合で
も、2つのスクロール部材の間の隙間を小さくして、ス
クロール式流体機械の内部の漏れを低減することができ
る手段を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための手段として、渦巻き形の羽根を有しハウ
ジングの一部として固定される固定スクロール部材と、
前記固定スクロール部材の渦巻き形の羽根に対して噛み
合う渦巻き形の羽根を有し前記固定スクロール部材に対
して公転のみをするように駆動される可動スクロール部
材と、前記可動スクロール部材の自転を阻止し公転のみ
を許す自転防止機構とを備えており、前記固定スクロー
ル部材の渦巻き形の羽根および前記可動スクロール部材
の渦巻き形の羽根の先端面に渦巻き方向に沿って形成さ
れた溝にそれぞれシール部材を挿入し、前記シール部材
を相手方のスクロール部材の側板に摺動自在に圧接させ
るとともに、前記可動スクロール部材の渦巻き形の羽根
を前記固定スクロール部材の渦巻き形の羽根に押し付け
る機構を有するスクロール式流体機械であって、しか
も、前記固定スクロール部材および前記可動スクロール
部材の互いに接触すべき表面に硬質層を被覆して設ける
とともに、前記固定スクロール部材の側板および前記可
動スクロール部材の側板のうちの少なくとも一方の、相
手方の渦巻き形の羽根の前記先端面と対向する部分に剥
離層を被覆し、前記剥離層の表面および前記硬質層の表
面に軟質層を重ねて被覆したことを特徴とするスクロー
ル式流体機械を提供する。
【0006】
【作用】可動スクロール部材が固定スクロール部材に対
して公転することによって、それらの渦巻き形の羽根の
間に形成された三日月状の作動空間が半径方向に移動す
ること、そして、三日月状の作動空間が半径方向内方に
移動するときはスクロール式流体機械が圧縮機として作
用すること、また、三日月状の作動空間が半径方向外方
に移動するときはスクロール式流体機械が膨張機として
作用すること、さらに、固定スクロール部材および可動
スクロール部材の表面のうち、それぞれの渦巻き形の羽
根の表面の、それも互いに接触すべき部分に被覆して設
けられた硬質層が、いずれかの部分において接触するま
で軟質層を摩耗させ、残った軟質層が互いに接触すべき
渦巻き形の羽根の表面の間の隙間を閉塞してシール性を
高めるようにすることは、いずれも先に述べた従来技術
と略同様である。
【0007】本発明においては、これらの作用をもたら
す構成に加えて、固定スクロール部材の側板および可動
スクロール部材の側板のうちの少なくとも一方の、相手
方の渦巻き形の羽根の先端面と対向する部分に剥離層を
被覆し、さらに、この剥離層の表面にも、剥離層を設け
ない硬質層の表面と同様に軟質層を重ねて被覆するの
で、渦巻き形の羽根の先端面に渦巻き方向に沿って形成
された溝に挿入されているシール部材が側板上の軟質層
の表面に接触して摺動すると、軟質層の下層には剥離層
が積層されているため、シール部材を側板に向かって押
しつける力が弱くても、軟質層は容易に硬質層の表面か
ら剥離して除去される。従って、軟質層が剥離した部分
ではシール部材が硬質層に直接に摺動接触することにな
り、それ以外の部分には軟質層が残るので、渦巻き形の
羽根の先端面と側板との間に隙間が生じる恐れがなく、
その部分のシール性も向上する。
【0008】
【実施例】図3に、本発明のスクロール式流体機械の実
施例としてのスクロール圧縮機1を示す。図3に示され
たスクロール圧縮機1は、主として、ハウジング本体2
に固定されてハウジングの一部となるアルミニウム製の
固定スクロール部材3と、電動機4のような原動機(油
圧モータや内燃機関等でもよい)からの駆動軸5の軸端
に取り付けられて回転するバランスウエイトを備えた摺
動子6と、摺動子6によって駆動されるアルミニウム製
の可動スクロール部材7と、詳細に図示していないが、
駆動の際に可動スクロール部材7の公転のみを許し自転
を阻止する自転防止機構8とから成っている。
【0009】固定スクロール部材3および可動スクロー
ル部材7は、実質的に同じ形をした渦巻き形の羽根3a
および7aをそれぞれ備えるとともに、それらの先端面
に、渦巻き長手方向に沿って溝3b、7bがそれぞれ形
成されている(図4、図5参照)。
【0010】可動スクロール部材7の溝7b内には、こ
れと同様な渦巻き形のチップシール21が挿入されてい
る(図2、図7〜図9参照)。チップシール21は、フ
ッ素樹脂などの樹脂摺動材よりなっている。また、可動
スクロール部材7の表面にはアルマイト処理による硬質
層27が形成されている。
【0011】可動スクロール部材7は、渦巻き形の羽根
7aを取り付けている円板形の側板7cの背後の中心に
おいて軸方向に突出する短い被駆動軸7dを一体に備え
ている。この被駆動軸7dは、図6に示すように、駆動
軸5の軸端の拡大部分に半径方向に形成された一定幅の
溝5a内に摺動自在に嵌合している摺動子6に軸受孔6
aを形成し、この軸受孔6a内に例えばニードル軸受9
等を介して相対回転可能に挿入されている。
【0012】もっとも、この部分の構造は、駆動軸5の
軸端にクランク軸部を形成し、これを可動スクロール部
材7の側板7cの背後の中心に軸方向に突出して形成さ
れる被駆動スリーブの開口内に、ニードル軸受け等を介
して回転可能に挿入するというような構造によって置き
替えてもよい。
【0013】固定スクロール部材3の溝3b内には、こ
れと同様な渦巻き形のチップシール20が挿入されてい
る。チップシール20も、やはりフッ素樹脂などの樹脂
摺動材よりなっている。固定スクロール部材3の表面に
は無電解ニッケルメッキによる硬質層24が設けられる
とともに、渦巻き形の羽根3aを取り付けている円板形
の側板3cの表面部の硬質層の上に、グリース等による
油膜層25を被覆して設け、更に、油膜層25および渦
巻き形の羽根3aの硬質層部の上に軟質層としてボロン
層26を被覆して設けている。
【0014】前記渦巻き形の羽根3aおよび7aは、軸
方向に同じ長さ(高さ)を有している。そして、それら
が相対的に位相がずれて、かつ、偏心している状態で互
いに噛み合うように、固定スクロール部材3に対して可
動スクロール部材7が組み合わされて、駆動軸5の拡大
した軸端によって支持されることにより、それらの羽根
の間に流体を圧縮するための三日月形の作動空間を少な
くとも1個以上形成する。
【0015】この時、チップシール20、21は、溝3
b、7bの中に設けられた弾性体22,23により相手
側スクロール部材の側板に押し付けられている。なお、
図3に示すハウジング内の空間15は、スクロール圧縮
機1における吸入室になっており、図示しない吸入口を
経て、例えば空気のような圧縮すべき流体を、吸入室1
5内に吸入するようになっている。固定スクロール部材
3の渦巻き形の羽根3aの中央部分には外部に通じる吐
出口16が形成されており、それを開閉する吐出弁17
が設けられている。
【0016】図3に示したスクロール圧縮機1の実施例
は、前述のような構造を有しているため、電動機4の回
転によって駆動軸5と摺動子6が回転駆動されると、可
動スクロール部材7の被駆動軸7dは、ニードル軸受9
を介して回転されようとするが、可動スクロール部材7
は自転防止機構8によって自転を阻止されているので駆
動軸5の回りに公転だけをすることになる。この公転運
動により可動スクロール部材7は遠心力を発生し、駆動
軸5の軸端に形成された半径方向の溝5a内を摺動子6
が半径方向に移動することにより、可動スクロール部材
7の渦巻き形の羽根7aは、固定スクロール部材3の渦
巻き形の羽根3aと接触するようになる。
【0017】それによって、駆動軸5の回転方向がスク
ロール圧縮機1に適合するように選択されている限り、
固定スクロール部材3の渦巻き形の羽根3aと可動スク
ロール部材7の渦巻き形の羽根7aとの間に形成されて
いる三日月状の作動空間は、両スクロール部材3,7の
外周部分から次第に中心に向かって移動することにな
る。
【0018】三日月状の作動空間が両スクロール部材
3,7の外周部において吸入室15内に開放していたと
きに、吸入室15から三日月状の作動空間に取り込まれ
た低圧の流体は、可動スクロール部材7の公転によって
三日月状の作動空間が閉じて両スクロール部材3,7の
外周部分から次第に中心に向かって移動する際に、空間
の容積が連続的に縮小することによって圧縮されるの
で、両スクロール部材3,7の中心部から圧縮された流
体が吐出弁17を押し開いて、吐出口16を通って外部
へ送り出される。
【0019】前述の作動において、三日月状の作動空間
の周囲のどこかに隙間が存在すると大幅な性能の悪化を
来たすことが予想される。ここで、従来、図7に示すご
とく、漏れ防止のため両スクロールの渦巻き形の羽根3
a,7aの間に形成されるべき接触必要箇所は羽根の巻
き数に応じて複数あるが、渦巻き形の羽根3a,7aは
剛体であるため、2つのスクロール部材3および7の機
械加工における誤差により、接触するのは一個所のみで
あり、他の複数個所では完全には接触しないで隙間が存
在することになる。
【0020】さらに、チップシール20,21の溝3
b,7bからの突出部の渦巻き長手方向についても、相
手方の側板3c、7cとの間に隙間が存在する。
【0021】これに対し、本発明における構成を図に基
づいて説明する。図4は固定スクロール部材3の要部断
面図であり、図5は可動スクロール部材7の要部断面図
であって、図2はこれら2つのスクロール部材3,7
の、チップシール20,21および弾性体22,23を
含めた組み付け状態を示し、図8は、図2の部分詳細図
である。
【0022】図示実施例においては、初期の組み付け状
態では従来と同様に、図2に示すごとく、可動スクロー
ル部材7と固定スクロール部材3のそれぞれの渦巻き形
の羽根7aおよび3aの接触必要箇所には隙間が存在す
る。この時、電動機4の回転により、可動スクロール部
材7に遠心力が発生して半径方向に僅かに移動すると、
固定スクロール部材3に対してA点(軸方向の線)にお
いて接触する。この時、B,C,D点においては接触は
生じていない。この場合、A点においては、固定スクロ
ール部材3の側の軟質層(ボロン層)26と、可動スク
ロール部材7の側の硬質層27が接触しているため、可
動スクロール部材7の公転運動により、軟質層26が摩
耗することになる。A点付近の軟質層26の摩耗が進行
すると、次にB点で、可動スクロール部材側の硬質層2
7と固定スクロール部材側の軟質層26が接触する。こ
れによりB点の隙間が閉塞されるとともに、B点付近の
軟質層の摩耗が始まる。A点、B点での摩耗が進行する
ことにより、同様にして他のD,C点の接触も生じて、
それらの点の付近の軟質層の摩耗が始まる。このように
してA〜D点における隙間をすべて閉塞することができ
る。
【0023】さらにA〜D点における固定スクロール部
材3の軟質層26の摩耗が進行すると、まずA点におい
て軟質層26が全て摩耗し、硬質層24が露出して可動
スクロール部材7の硬質層27と直接に接触することに
なり、硬質層同士の接触によって、以後の摩耗の進行は
抑制される。これにより、他の接触点(B〜D)におけ
る軟質層の摩耗も抑制されて、それらの点における硬質
層24および27間の隙間は、残っている軟質層26に
よってそれ以後も閉塞されることになり、圧縮された流
体がその隙間から漏れるのを防止することができる。
【0024】この場合、軟質層26は、スクロール部材
3,7の渦巻き形の羽根の形状が複雑であるため、それ
らの表面に均一な膜厚でコーティングを行うことには困
難が伴うという問題がある。その結果、渦巻き形の羽根
7aの先端と相手側の固定スクロール部材3の側板3c
との間に隙間が生じることがある。その隙間を小さくす
るために、この実施例ではチップシール21を弾性体2
3により相手側スクロール部材3の側板3c、に押し付
ける構造としている。しかもこの場合は軟質層26が側
板3cの表面に設けられているので、従来チップシール
の軸方向への突出によってもなお発生していたチップシ
ールと側板との間の、渦巻き長手方向の隙間は、軟質層
26により閉塞することができる。
【0025】軟質層26の膜厚がさらに不均一で、チッ
プシール21の押し付けのみによっては、隙間の発生を
防止することができない場合について、本発明の図示実
施例では次のような対策を講じている。
【0026】一般的に軟質層26は、相手側の軟質層2
7が接触した時に硬質層24から簡単に剥離しないよう
にするのが当然のことであり、また、チップシール21
の押し付け力は、摺動摩擦による動力損失低減のために
できるだけ小さく設定する必要がある。従って、そのま
ま何らかの対策を講じない場合には、チップシール21
が側板3c上の軟質層26の表面を摺動しても、それを
摩耗させるか、あるいはそれを剥離させることができな
いので、渦巻き形の羽根7aの先端における隙間の発生
を防止することはできない。そこで、図示実施例では、
側板3cの硬質層24の表面にグリースのような油膜層
25を被覆した上に、さらに重ねて軟質層26を被覆し
て設ける構成とした。
【0027】この構成により、チップシール21の押し
付け力が弱い場合においても、軟質層26は側板3cの
硬質層24から簡単に剥離し、図9に示すように側板3
cの硬質層24が露出するため、チップシール21の本
来のシールの作用をすることが可能となる。この時、チ
ップシール21の突出した部分以外の部分の軟質層26
はそのまま残るので、軟質層26の一部の剥離によって
シール性が悪化することはない。
【0028】図示実施例においては、軟質層26と油膜
層25を固定スクロール部材3の側板3c上に設けた
が、可動スクロール部材7の側板7c上に、あるいはそ
れらの両方に設けても良い。また、硬質アルマイト層の
代わりにタフラム処理等を用いても同様の効果を得るこ
とができる。さらに、無電解ニッケルメッキ層の代り
に、無電解ニッケル−リン−ボロンメッキ等の複合メッ
キ層を用いても同様の効果を得ることができる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、スクロール式流体機械
における2つのスクロール部材の渦巻き形の羽根の表面
間の隙間が軟質層によって閉塞されるだけでなく、渦巻
き形の羽根の先端面のシール部材と側板との間の隙間も
閉塞されるので、2つのスクロール部材の間に形成され
る三日月状の作動空間の周囲は高度にシールされ、流体
の漏れが減少して非常に効率が高くなる。しかも、渦巻
き形の羽根の先端面に設けるシール部材を強い力によっ
て側板に向かって押し付ける必要もないから、摺動摩擦
が増大せず、動力損失も低減するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部の定常的な組み付け状
態を示す断面図である。
【図2】図1の状態に到るまでの初期の組み付け状態を
示す断面図である。
【図3】スクロール式流体機械の全体構成を例示する断
面図である。
【図4】図2における固定スクロール部材のみを示す断
面図である。
【図5】図2における可動スクロール部材のみを示す断
面図である。
【図6】摺動子の部分の断面図である。
【図7】従来技術を示す断面図である。
【図8】図2の一部拡大図である。
【図9】側板上の軟質層の一部が剥離した状態を示す断
面図である。
【符号の説明】
1…スクロール圧縮機 3…固定スクロール部材 3a…渦巻き形の羽根 3b…溝 3c…側板 5…駆動軸 6…摺動子 7…可動スクロール部材 7a…渦巻き形の羽根 7b…溝 7c…側板 7d…被駆動軸 8…自転防止機構 9…ニードル軸受 15…吸入室 17…吐出弁 20,21…チップシール 22,23…弾性体 24…硬質層(ニッケルメッキ) 25…油膜層(剥離層) 26…軟質層(ボロン層) 27…硬質層(アルマイト) A,B,C,D…接触点(線)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 渦巻き形の羽根を有しハウジングの一部
    として固定される固定スクロール部材と、前記固定スク
    ロール部材の渦巻き形の羽根に対して噛み合う渦巻き形
    の羽根を有し前記固定スクロール部材に対して公転のみ
    をするように駆動される可動スクロール部材と、前記可
    動スクロール部材の自転を阻止し公転のみを許す自転防
    止機構とを備えており、前記固定スクロール部材の渦巻
    き形の羽根および前記可動スクロール部材の渦巻き形の
    羽根の先端面に渦巻き方向に沿って形成された溝にそれ
    ぞれシール部材を挿入し、前記シール部材を相手方のス
    クロール部材の側板に摺動自在に圧接させるとともに、
    前記可動スクロール部材の渦巻き形の羽根を前記固定ス
    クロール部材の渦巻き形の羽根に押し付ける機構を有す
    るスクロール式流体機械において、前記固定スクロール
    部材および前記可動スクロール部材の互いに接触すべき
    表面に硬質層を被覆して設けるとともに、前記固定スク
    ロール部材の側板および前記可動スクロール部材の側板
    のうちの少なくとも一方の、相手方の渦巻き形の羽根の
    前記先端面と対向する部分に剥離層を被覆し、前記剥離
    層の表面および前記硬質層の表面に軟質層を重ねて被覆
    したことを特徴とするスクロール式流体機械。
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