JPH0710994A - 耐熱性樹脂、その製造法およびそれを含むワニス - Google Patents

耐熱性樹脂、その製造法およびそれを含むワニス

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JPH0710994A
JPH0710994A JP15394993A JP15394993A JPH0710994A JP H0710994 A JPH0710994 A JP H0710994A JP 15394993 A JP15394993 A JP 15394993A JP 15394993 A JP15394993 A JP 15394993A JP H0710994 A JPH0710994 A JP H0710994A
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Japan
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polyamideimide
polar solvent
formula
acid
bis
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JP15394993A
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Inventor
Tomoharu Kurita
智晴 栗田
Keiichi Uno
敬一 宇野
Tadashi Inukai
忠司 犬飼
Hideo Nishino
英雄 西野
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式(I): 【化1】 〔式中、Qは、−Q0 −、 【化2】 及び 【化3】 (式中、Q0 〜Q5 は同一あるいは異なっていてもよ
く、それぞれ直接結合、−CH2 −、−CH2 CH
2 −、−CH(CH3 )−、−C(CH3 2 −、−C
(CF3 2 −、−O−、−S−、−SO2 −あるいは
−CO−を示す)から選ばれる少なくとも一種の2価の
有機基を示す〕で表される繰り返し単位を必須成分とす
るポリアミドイミド樹脂、その製造法およびそれを含む
ワニス。 【効果】 本発明のポリアミドイミドは、従来使用でき
なかったシクロヘキサノン、ジオキサン、トルエン、キ
シレン、テトラヒドロフラン、ジクライム等の低吸湿性
で沸点の低い汎用溶媒にも可溶である。したがって溶液
成形性に優れ、その皮膜、繊維等の成型物は、極めて高
い光透過性を示し、実質上無色透明である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なポリアミドイミ
ド樹脂、その製造法およびそれを含有するワニスに関す
る。さらに詳しくは、低吸湿性溶剤に可溶で、著しく高
い光透過率を有する成形物を提供しうるポリアミドイミ
ド樹脂、その製造法およびそれを含有するワニスに関す
る。
【0002】
【従来技術】ポリアミドイミド樹脂は、その機械的特性
や耐熱性が優れているため、耐熱性繊維、フィルム、成
形材等として幅広く利用されている。しかし、現在用い
られているポリイミドやポリアミドイミド等の耐熱性樹
脂は、高吸湿性のアミド系溶剤にしか溶解しないため、
成形加工時の経時安定性が悪かった。又、湿式紡糸等の
成形時に、溶剤が吸湿する水によって成形品が白化した
りあるいはボイド等が生じたりして、ポリアミドイミド
が本来持っている優れた機械的特性を引き出すことが困
難であった。さらに、一般に、ポリイミドやポリアミド
イミドの製品は、濃黄褐色に着色されていて、例えば、
繊維等に成形した場合、その染色性が著しく制限される
といった欠点を持っている。又、コーティング後の乾燥
皮膜も、透明性には優れるものの黄色に着色しており、
無色透明性が要求される液晶配向膜等の分野では、今一
つ満足しえるものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
アミドイミドが本来有する耐熱性に加え、低沸点で低吸
湿性の溶剤に可溶であって、著しく光透過率が高い製品
を提供しうるポリアミドイミド樹脂を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成するために鋭意研究した結果、本発明に至った。即
ち本発明は、下記一般式(I):
【0005】
【化7】
【0006】〔式中、Qは、−Q0 −、
【0007】
【化8】
【0008】および
【0009】
【化9】
【0010】(式中、Q0 〜Q5 は同一あるいは異なっ
ていてもよく、それぞれ直接結合、−CH2 −、−CH
2 CH2 −、−CH(CH3 )−、−C(CH3
2 −、−C(CF3 2 −、−O−、−S−、−SO2
−あるいは−CO−を示す)から選ばれる少なくとも一
種の2価の有機基を示す〕で表される繰り返し単位を有
するポリアミドイミド樹脂に関する。
【0011】また本発明は、無水トリメリット酸および
/または無水トリメリット酸の反応性誘導体を含む酸成
分と下記一般式(II):
【0012】
【化10】
【0013】〔式中、Qは−Q0 −、
【0014】
【化11】
【0015】および
【0016】
【化12】
【0017】(式中、Q0 〜Q5 は同一あるいは異なっ
ていてもよく、それぞれ直接結合、−CH2 −、−CH
2 CH2 −、−CH(CH3 )−、−C(CH3
2 −、−C(CF3 2 −、−O−、−S−、−SO2
−あるいは−CO−を示す)から選ばれる少なくとも一
種の2価の有機基を示す〕で表されるポリイソシアネー
トまたはこれに対応するポリアミンを含むイソシアネー
ト(アミン)成分とを20℃または25℃で測定した誘
電率が5以上の有機極性溶剤中で反応させることを特徴
とする、繰り返し単位(I)を有するポリアミドイミド
の製造法に関する。
【0018】さらに本発明は、繰り返し単位(I)を有
するポリアミドイミドを極性溶剤中に溶解してなるポリ
アミドイミドワニスに関する。
【0019】本発明のポリアミドイミドの特徴は、比較
的吸湿性の低い溶剤中での重合が可能で、耐熱性を損な
わず、著しく光透過率の高い製品を提供することができ
ることにある。すなわち、本発明のポリアミドイミド
は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N
−メチル−2−ピロリドン等の吸湿性の高いアミド系溶
剤以外の有機極性溶剤であって比較的誘電率が大きい溶
剤中で、無水トリメリット酸またはその反応性誘導体
と、式(II):
【0020】
【化13】
【0021】で表されるポリイソシアネートまたはこれ
に対応するポリアミンを重縮合させた場合、容易に得る
ことができる。
【0022】本発明のポリアミドイミドの製造は、イソ
シアネート法や酸クロリド法等通常の方法で合成できる
が、重合性やコスト等の点からイソシアネート法が最も
適している。イソシアネート法で本発明のポリアミドイ
ミドを製造する場合、従来のポリアミドイミド製造では
用いることができなかったジグライム、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル系溶剤、シクロヘキサノン、メチルエ
チルケトン等のケトン系溶剤、プロピオニトリル、アセ
トニトリル等のニトリル系溶剤、ニトロメタン、ニトロ
エタン等のニトロ系溶剤、γ−ブチロラクトン、酢酸セ
ロソルブ等のエステル系溶剤等、比較的誘電率の高い非
アミド系溶剤を用いることができる。比較的誘電率の高
い極性溶媒とは、20℃あるいは25℃で測定した誘電
率が5以上、好ましくは15以上のものをいう。非アミ
ド系溶媒はこれらに限定されるわけではない。これらを
単独あるいは混合物として用いるのが望ましい。さら
に、キシレン、トルエン等の20℃あるいは25℃で測
定した誘電率が5未満の低誘電率の溶媒を上記高誘電率
の溶媒に加えて用いることもできる。このように低誘電
率の溶媒を高誘電率の溶媒に加えて用いる場合、該混合
溶媒は、20℃あるいは25℃で測定した誘電率が5以
上であることが必要である。また、少量の水、臭化リチ
ウム、塩化リチウム等の金属塩等を上記溶媒に添加して
もよい。さらに、従来使用されていたジメチルホルムア
ミド等のアミド系溶剤、ジメチルスルフォキシド、スル
ホラン等のイオウ系溶剤あるいはテトラメチルウレア等
も本発明の重合溶媒として使用可能なことは言うまでも
ない。上記重合溶媒は、単独で使用してもよいし、混合
物として使用してもよい。
【0023】反応温度は、通常50〜200℃が好まし
い。反応はイソシアネートと活性水素化合物の反応に対
する触媒、例えば、3級アミン類、アルカリ金属化合
物、アルカリ土類金属化合物、コバルト、チタニウム、
すず、亜鉛等の金属、半金属化合物等の存在下で行って
もよい。圧力は、通常常圧であるが、加圧下で行っても
よい。
【0024】本発明のポリアミドイミドを得るに際して
は、酸成分モノマーとして、無水トリメリット酸を用い
ることが必須である。
【0025】無水トリメリット酸に加えて、溶剤に対す
る溶解性あるいは重合性等を賦与するために加えてもよ
い酸成分として、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グル
タル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、
トリデカン二酸、テトラデカン二酸等の脂肪族ジカルボ
ン酸、イソフタル酸、5−tert−ブチル−1,3−
ベンゼンジカルボン酸、テレフタル酸、ジフェニルメタ
ン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−2,
4’−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−3,4’−ジ
カルボン酸、ジフェニルメタン−3,3’−ジカルボン
酸、1,2−ジフェニルエタン−4,4’−ジカルボン
酸、1,2−ジフェニルエタン−2,4’−ジカルボン
酸、1,2−ジフェニルエタン−3,4’−ジカルボン
酸、1,2−ジフェニルエタン−3,3’−ジカルボン
酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパ
ン、2−(2−カルボキシフェニル)2−(4−カルボ
キシフェニル)プロパン、2−(3−カルボキシフェニ
ル)2−(4−カルボキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(3−カルボキシフェニル)プロパン、ジフェニ
ルエーテル−4,4−ジカルボン酸、ジフェニルエーテ
ル−2,4−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,
4−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3−ジカ
ルボン酸、ジフェニルスルフィド−4,4−ジカルボン
酸、ジフェニルスルフィド−2,4−ジカルボン酸、ジ
フェニルスルフィド−3,4−ジカルボン酸、ジフェニ
ルスルフィド−3,3−ジカルボン酸、ジフェニルスル
ホン−4,4−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−
2,4−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−3,4−
ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−3,3−ジカルボ
ン酸、ベンゾフェノン−4,4−ジカルボン酸、ベンゾ
フェノン−2,4−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−
3,4−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−3,3−ジカ
ルボン酸、1,1,3−トリメチル−5−カルボキシ−
3−(p−カルボキシフェニル)インダン、ピリジン−
2,6−ジカルボン酸、ビス〔(4−カルボキシ)フタ
ルイミド〕−4,4’−ジフェニルエーテル、ビス
〔(4−カルボキシ)フタルイミド〕−α,α’−メタ
キシレン等の芳香族ジカルボン酸、ブタン−1,2,4
−トリカルボン酸、ナフタレン−1,2,4−トリカル
ボン酸およびこれらの無水物、ブタン−1,2,3,4
−テトラカルボン酸、シクロブタン−1,2,3,4−
テトラカルボン酸、ベンゼン−1,2,4,5−テトラ
カルボン酸(ピロメット酸)、ベンゾフェノン−3,
3’,4,4’−テトラカルボン酸、ジフェニルエーテ
ル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、ベンゼン
−1,2,3,4−テトラカルボン酸、ビフェニル−
3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、ビフェニル−
2,2’,3,3’−テトラカルボン酸、ナフタレン−
2,3,6,7−テトラカルボン酸、ナフタレン−1,
2,4,5−テトラカルボン酸、ナフタレン−1,4,
5,8−テトラカルボン酸、デカヒドロナフタレン−
1,4,5,8−テトラカルボン酸、4,8−ジメチル
−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−
1,2,5,6−テトラカルボン酸、2,6−ジクロロ
ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、2,
7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカル
ボン酸、2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−
1,4,5,8−テトラカルボン酸、フェナントレン−
1,3,9,10−テトラカルボン酸、ペリレン−3,
4,9,10−テトラカルボン酸、ビス(2,3−ジカ
ルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキ
シフェニル)メタン、1,1−ビス(2,3−ジカルボ
キシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)エタン、2,2−ビス(2,3−ジカ
ルボキシフェニル)プロパン、2,3−ビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)エーテル、シクロペンタン−1,2,
3,4−テトラカルボン酸、ピロリジン−2,3,4,
5−テトラカルボン酸、ピラジン−2,3,5,6−テ
トラカルボン酸、チオフェン−2,3,4,5−テトラ
カルボン酸、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチ
ル酢酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリ
テート)、プロピレングリコールビス(アンヒドロトリ
メリテート)およびこれらの二無水物等が挙げられる。
これらは単独あるいは2種以上の混合物として用いられ
る。共重合してもよい酸成分は、本発明の目的効果が達
成しうる範囲で使用されるが、通常全酸成分中、60モ
ル%以下、好ましくは30モル%以下の範囲で使用され
る。
【0026】ジアミン成分としては、ビス〔4−(3−
アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ビス〔4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフル
オロプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィ
ド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’
−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェ
ニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルヘキサフ
ルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベン
ゼン、4,4’−〔1,3−フェニレンビス(1−メチ
ルエチリデン)〕ビスアニリン、3,3’−〔1,3−
フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスアニリ
ン等、式(II)で表されるポリイソシアネートあるいは
これに対応するポリアミンを用いることが必須である。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上の混合物とし
て用いてもよい。
【0027】さらにアミン(イソシアネート)成分とし
て、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、
1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、m−フ
ェニレン、p−フェニレンジアミン、オキシジアニリ
ン、メチレンジアニリン、a,a’−ジアミノ−m−キ
シレン、a,a’−ジアミノ−p−キシレン、1,4−
ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、
2,6−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジア
ミン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパ
ン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフル
オロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’
−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェ
ノン、ヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミ
ン、イソホロンジアミン、5−アミノ−1−(4’−ア
ミノフェニル)−1,3,3’−トリメチルインダン、
3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、イソプロピリ
デンジアニリン、4,4’−ジアミノシクロヘキシル、
o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、1,3−ビ
ス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4
−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−〔1,3−
フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスアニリ
ン、4,4’−〔1,4−フェニレンビス(1−メチル
エチリデン)〕ビスアニリン、3,3’−〔1,3−フ
ェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスアニリ
ン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕プロパン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル〕スルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェ
ノキシ)ビフェニル、2,2−ビス〔4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、4,
4’−ジアミノジフェニルスルフィド、6−アミノ−1
−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチル
インダン、あるいはこれらに対応するジイソシアネート
等を単独あるいは2種以上の混合物として共重合しても
よい。共重合してもよいアミンあるいはイソシアネート
は、本発明のポリアミドイミドの特性を落とさない範囲
で使用されるが、通常全アミン(イソシアネート)成分
中、60モル%以下、好ましくは30モル%以下で使用
される。
【0028】本発明によって得られるポリアミドイミド
の分子量は、N−メチル−2−ピロリドン中、30℃で
の対数粘度値で0.1〜2.5dl/g、好ましくは
0.4〜1.5dl/gである。
【0029】本発明のポリアミドイミドは、通常のポリ
アミドイミドの溶媒であるジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、N−メチル
−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホアミド等のアミ
ド系極性溶媒に溶解するばかりでなく、従来のポリアミ
ドイミド系ポリマーでは溶解しえなかったジオキサン、
ジグライム、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶
媒、トルエン、キシレン等の炭化水素系有機溶媒、シク
ロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン系有機溶媒、そ
の他イソホロン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン
等の非アミド系極性溶媒にも可溶である。なかでも、溶
剤の誘電率、ポリマーに対する溶解性あるいは毒性等の
点からジグライム、テトラヒドロフラン、シクロヘキサ
ノンを使用するのが好ましい。
【0030】本発明のポリアミドイミドをワニスとして
使用する場合、上記したアミド系溶媒、非アミド系溶媒
が使用できる。ポリアミドイミドと溶媒の比率は、使用
目的等によって適宜決められるが、普通、ポリアミドイ
ミド100重量部に対し溶媒は、100〜3,000重
量部、好ましくは300〜1,000重量部使用され
る。
【0031】本発明のポリアミドイミド樹脂は、溶液キ
ャスティング、乾式紡糸、湿式紡糸、ゲル紡糸、溶融紡
糸、溶融成形、射出成形等、従来公知の方法で成形加工
できる。特に、溶液キャスティング、乾式紡糸等、溶液
成形する場合は、使用する溶剤の沸点が低く、吸湿性が
低いため、取り扱い性に優れ、得られる成形品の物性も
従来のアミド系溶剤から成形したものに比べ格段に優れ
ている。
【0032】成形品の形態には特に限定はないが、フィ
ルム、繊維、中空繊維、パイプ、ボトル等の成形品であ
る。用途についても特に限定はないが、自動車、化学プ
ラント、航空/宇宙、機械、電気/電子用の部品、素材
として使用できる。
【0033】以下、本発明を実施例により更に詳しく説
明するが、これら実施例により本発明が限定されるもの
ではない。
【0034】
【実施例】 実施例1 反応容器に、下記の重合成分を仕込み、攪拌しながら約
30分で150℃まで昇温した。150℃で約20時間
攪拌し、その後反応を停止した。重合成分 無水トリメリット酸 1モル 3,3’−ジフェニルスルホンジイソシアネート 0.8モル イソホロンジイソシアネート 0.2モル γ−ブチロラクトン 0.2リットル ジグライム 0.8リットル 上記ポリアミドイミド溶液を厚さ100μmの離型性ポ
リエステルフィルム上に乾燥後の厚みが30μmとなる
ように流延塗布し、100℃で5分、150℃で30分
乾燥した後、該離型性フィルムから剥離した。その後、
溶媒を完全に除去するため、減圧下、200℃で約3時
間加熱した。このようにして得られたポリアミドイミド
フィルムの各種物性を表1に示す。また、上記ポリアミ
ドイミドの重合溶液をN−メチル−2−ピロリドンで希
釈後、メタノール中に再沈殿し、ポリアミドイミドの粉
末を得た。このようにして得られた粉末の溶解性を調べ
た。測定法を以下に示す。 Tg(℃):TMA引張測定法に依る。 荷重:1g、サンプルサイズ、5×20mm 昇温温度10℃/分で測定 光透過率:膜厚25μmのフィルムを使用し、波長50
0nmで測定 熱膨張係数:Tgと同じ測定法に依る。 100〜200℃の範囲での値 溶解性:重合体粉末(径:2〜3μm)を濃度が20重
量%になるように溶剤と混合、室温で攪拌し、目視で観
察した。
【0035】実施例2〜4および比較例1 実施例1においてイソシアネート成分を表1のモノマー
成分に変えた以外は実施例1と同様にしてポリアミドイ
ミドを製造した。各物性を実施例1と同様に測定した。
結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明のポリアミドイミドは、耐熱性で
あるばかりでなく、従来使用できなかった低吸湿性で沸
点の低い汎用溶媒にも可溶である。したがって、溶液成
形性に優れ、その皮膜、繊維等の成型物は、極めて高い
光透過性を示し、実質上無色透明である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西野 英雄 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I): 【化1】 〔式中、Qは、−Q0 −、 【化2】 および 【化3】 (式中、Q0 〜Q5 は同一あるいは異なっていてもよ
    く、それぞれ直接結合、−CH2 −、−CH2 CH
    2 −、−CH(CH3 )−、−C(CH3 2 −、−C
    (CF3 2 −、−O−、−S−、−SO2 −あるいは
    −CO−を示す)から選ばれる少なくとも一種の2価の
    有機基を示す〕で表される繰り返し単位を有するポリア
    ミドイミド樹脂。
  2. 【請求項2】 無水トリメリット酸および/または無水
    トリメリット酸の反応性誘導体を必須成分とする酸成分
    と下記一般式(II): 【化4】 〔式中、Qは−Q0 −、 【化5】 および 【化6】 (式中、Q0 〜Q5 は同一あるいは異なっていてもよ
    く、それぞれ直接結合、−CH2 −、−CH2 CH
    2 −、−CH(CH3 )−、−C(CH3 2 −、−C
    (CF3 2 −、−O−、−S−、−SO2 −あるいは
    −CO−を示す)から選ばれる少なくとも一種の2価の
    有機基を示す〕で表されるポリイソシアネートまたはこ
    れに対応するポリアミンを必須成分とするイソシアネー
    ト(アミン)成分とを20℃または25℃で測定した誘
    電率が5以上の有機極性溶剤中で反応させることを特徴
    とする請求項1記載のポリアミドイミド樹脂の製造法。
  3. 【請求項3】 有機極性溶媒が非アミド系有機極性溶媒
    である請求項2記載の製造法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のポリアミドイミドを極性
    溶剤中に溶解してなるポリアミドイミドワニス。
  5. 【請求項5】 有機極性溶媒が非アミド系有機極性溶媒
    である請求項4記載のワニス。
JP15394993A 1993-06-24 1993-06-24 耐熱性樹脂、その製造法およびそれを含むワニス Pending JPH0710994A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007256507A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Tokai Rubber Ind Ltd 電子写真機器用無端ベルト
JP2017511423A (ja) * 2014-04-17 2017-04-20 フジフィルム・ハント・ケミカルズ・ユーエスエイ,インコーポレイテッド ポリアミドイミド用の低毒性溶媒系およびポリアミドアミック酸樹脂生産

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JP2007256507A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Tokai Rubber Ind Ltd 電子写真機器用無端ベルト
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