JPH07109652A - ヤシ繊維利用資材 - Google Patents
ヤシ繊維利用資材Info
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- JPH07109652A JPH07109652A JP27890893A JP27890893A JPH07109652A JP H07109652 A JPH07109652 A JP H07109652A JP 27890893 A JP27890893 A JP 27890893A JP 27890893 A JP27890893 A JP 27890893A JP H07109652 A JPH07109652 A JP H07109652A
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- JP
- Japan
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- flame retardant
- layer
- mat layer
- fiber
- coconut fiber
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- Building Environments (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Fireproofing Substances (AREA)
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
- Nonwoven Fabrics (AREA)
- Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
- Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 防音性、緩衝性、防振性等を有しつつ、優れ
た難燃性を発揮することができる有効な資材を提供す
る。 【構成】 マット層14は、ヤシ繊維12を不織布様又
は三次元網組織状に絡み合わせて形成される。このマッ
ト層14には、難燃化剤16が塗布により付着される。
この難燃化剤16は、有機リン化合物を主成分とする難
燃剤とメラミン樹脂を主成分とする固着剤との配合液
に、酸性物質を主成分とする硬化促進剤を混合して成っ
ている。また、マット層14には、木板22Aから成る
被着層22が積層される。
た難燃性を発揮することができる有効な資材を提供す
る。 【構成】 マット層14は、ヤシ繊維12を不織布様又
は三次元網組織状に絡み合わせて形成される。このマッ
ト層14には、難燃化剤16が塗布により付着される。
この難燃化剤16は、有機リン化合物を主成分とする難
燃剤とメラミン樹脂を主成分とする固着剤との配合液
に、酸性物質を主成分とする硬化促進剤を混合して成っ
ている。また、マット層14には、木板22Aから成る
被着層22が積層される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヤシ繊維を積極的に利
用して、緩衝性、防音性等を向上した建築用、室内装飾
用等の各種資材の改良に関し、特にその難燃性の向上に
関するものである。
用して、緩衝性、防音性等を向上した建築用、室内装飾
用等の各種資材の改良に関し、特にその難燃性の向上に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば建築用の資材としては、
様々な種類があるが、木材は、その調湿機能や加工容易
性等に着目して、また、人々に安らぎを与える等の性質
から建築用資材として従来から親しまれている。しか
し、木材は、防音性、緩衝性、防振性等に限界があり、
近年における家屋の密集化、団地化、また高級住宅化に
伴い、次第にその要求が高まってきた各家屋における防
音対策、防振対策に充分に対応できなくなってきた。そ
のため、現在では、床板材に吸音、緩衝用のフエルト層
やハニカム構造等の防音断熱層を裏張りすることが行わ
れている。また、このような防音対策及び防振対策は勿
論、緩衝性の向上は、建築用資材のみならず、車両、船
舶、飛行機等の輸送機器内における床や壁等の室内装
飾、また、道路沿い、線路沿いに設置される防音壁、更
には、商品の高級化に伴いその梱包材等にも要求される
ようになっている。
様々な種類があるが、木材は、その調湿機能や加工容易
性等に着目して、また、人々に安らぎを与える等の性質
から建築用資材として従来から親しまれている。しか
し、木材は、防音性、緩衝性、防振性等に限界があり、
近年における家屋の密集化、団地化、また高級住宅化に
伴い、次第にその要求が高まってきた各家屋における防
音対策、防振対策に充分に対応できなくなってきた。そ
のため、現在では、床板材に吸音、緩衝用のフエルト層
やハニカム構造等の防音断熱層を裏張りすることが行わ
れている。また、このような防音対策及び防振対策は勿
論、緩衝性の向上は、建築用資材のみならず、車両、船
舶、飛行機等の輸送機器内における床や壁等の室内装
飾、また、道路沿い、線路沿いに設置される防音壁、更
には、商品の高級化に伴いその梱包材等にも要求される
ようになっている。
【0003】一方、これら各種の分野で用いられる資材
については、防音性や緩衝性だけでなく、近年、これら
の資材を利用した構造物を廃棄した場合に地球環境、人
間環境に悪影響を与えないように配慮することが望まれ
ている。しかし、従来から提供されている各種資材のう
ち、防音性、緩衝性等に優れる資材は多数提供されてい
るが、それと同時に、廃棄の際に、特に熱処理した場合
の有毒ガスの発生等による地球や人体への影響が少ない
資材については、特に有効な資材は提供されていなかっ
たのが実情であった。このような流れの中で、本発明者
は、これらの問題点を一度に解決するため、ヤシ繊維か
ら成るマット層に、木板等の他の素材から成る被着層を
積層して成るヤシ繊維利用資材について、既に技術的提
供を果たしている(特開平5−177761号公報等参
照)。
については、防音性や緩衝性だけでなく、近年、これら
の資材を利用した構造物を廃棄した場合に地球環境、人
間環境に悪影響を与えないように配慮することが望まれ
ている。しかし、従来から提供されている各種資材のう
ち、防音性、緩衝性等に優れる資材は多数提供されてい
るが、それと同時に、廃棄の際に、特に熱処理した場合
の有毒ガスの発生等による地球や人体への影響が少ない
資材については、特に有効な資材は提供されていなかっ
たのが実情であった。このような流れの中で、本発明者
は、これらの問題点を一度に解決するため、ヤシ繊維か
ら成るマット層に、木板等の他の素材から成る被着層を
積層して成るヤシ繊維利用資材について、既に技術的提
供を果たしている(特開平5−177761号公報等参
照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これは、従来、専ら天
然繊維質であることのみに着目して利用されてきたいわ
ゆるシュロ皮やココヤシの中果皮繊維等のヤシ繊維を、
マット状とした場合に、極めて優れた防音性、緩衝性、
防振性、断熱性、適湿性、ひいては、低公害性を発揮す
ることに着目してヤシ繊維を従来より更に積極的に利用
してなされたものである。しかし、このヤシ繊維利用資
材は、天然資材であるために耐火性が低いという依然改
良すべき欠点を有していた。特に、近年においては、様
々な分野において用いられる各種資材につき、防音性や
緩衝性等のみならず、同時に充分な難燃性を有すること
が要求されつつある。また、このように難燃性を考慮す
るに当っても、各種資材の中には、例えば建築用資材
等、屋外に長期にわたって曝される状況下で使用される
ものが多いため、その難燃作用の耐候性、安定性等にま
で充分に配慮する必要がある。しかし、以上のような高
い要求にも拘らず、これらを全て兼ね備えた有効な資材
は提供されていなかったのが現状といえる。
然繊維質であることのみに着目して利用されてきたいわ
ゆるシュロ皮やココヤシの中果皮繊維等のヤシ繊維を、
マット状とした場合に、極めて優れた防音性、緩衝性、
防振性、断熱性、適湿性、ひいては、低公害性を発揮す
ることに着目してヤシ繊維を従来より更に積極的に利用
してなされたものである。しかし、このヤシ繊維利用資
材は、天然資材であるために耐火性が低いという依然改
良すべき欠点を有していた。特に、近年においては、様
々な分野において用いられる各種資材につき、防音性や
緩衝性等のみならず、同時に充分な難燃性を有すること
が要求されつつある。また、このように難燃性を考慮す
るに当っても、各種資材の中には、例えば建築用資材
等、屋外に長期にわたって曝される状況下で使用される
ものが多いため、その難燃作用の耐候性、安定性等にま
で充分に配慮する必要がある。しかし、以上のような高
い要求にも拘らず、これらを全て兼ね備えた有効な資材
は提供されていなかったのが現状といえる。
【0005】本発明の目的は、上記の欠点を回避し、防
音性、緩衝性等を有すると同時に優れた難燃性を有する
有効な資材、特にその難燃作用の耐候性、難燃性の安定
化まで考慮したヤシ繊維利用資材を提供することにあ
る。
音性、緩衝性等を有すると同時に優れた難燃性を有する
有効な資材、特にその難燃作用の耐候性、難燃性の安定
化まで考慮したヤシ繊維利用資材を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するための第1の手段として、ヤシ繊維を不織布様
又は三次元網組織状に絡み合わせて形成されるマット層
から成り、このマット層には難燃化剤が付着されている
ことを特徴とするヤシ繊維利用資材を提供するものであ
る。
解決するための第1の手段として、ヤシ繊維を不織布様
又は三次元網組織状に絡み合わせて形成されるマット層
から成り、このマット層には難燃化剤が付着されている
ことを特徴とするヤシ繊維利用資材を提供するものであ
る。
【0007】本発明は上記の課題解決するための第2の
手段として、特に、上記の難燃化剤が、有機リン化合物
を主成分とする難燃剤とメラミン樹脂を主成分とする固
着剤との配合液に、酸性物質を主成分とする硬化促進剤
を混合して成ることを特徴とするヤシ繊維利用資材を提
供するものである。この第2の手段において、この難燃
化剤は、マット層に塗布することにより付着させること
ができ、又は、マット層に含浸してバインダーとしてヤ
シ繊維を結合することによりマット層に付着することが
できる。
手段として、特に、上記の難燃化剤が、有機リン化合物
を主成分とする難燃剤とメラミン樹脂を主成分とする固
着剤との配合液に、酸性物質を主成分とする硬化促進剤
を混合して成ることを特徴とするヤシ繊維利用資材を提
供するものである。この第2の手段において、この難燃
化剤は、マット層に塗布することにより付着させること
ができ、又は、マット層に含浸してバインダーとしてヤ
シ繊維を結合することによりマット層に付着することが
できる。
【0008】また、本発明は上記の課題を解決するため
の第3の手段として、上記の難燃化剤が、有機リン化合
物を含む難燃剤と無機質又は非溶融繊維織物とを複合し
て形成されたシート状の難燃化剤であることを特徴とす
るヤシ繊維利用資材を提供するものである。この第3の
手段において、この難燃化剤は、マット層の表面に積層
されることによりこのマット層に付着することができ
る。
の第3の手段として、上記の難燃化剤が、有機リン化合
物を含む難燃剤と無機質又は非溶融繊維織物とを複合し
て形成されたシート状の難燃化剤であることを特徴とす
るヤシ繊維利用資材を提供するものである。この第3の
手段において、この難燃化剤は、マット層の表面に積層
されることによりこのマット層に付着することができ
る。
【0009】更に、本発明は、上記の課題を解決するた
めの第4の手段として、マット層に、他の材質から成る
板体、薄膜体等の被着層が積層されていることを特徴と
するヤシ繊維利用資材を提供するものである。この第4
の手段においては、この被着層にも難燃化剤を付着する
ことができる。
めの第4の手段として、マット層に、他の材質から成る
板体、薄膜体等の被着層が積層されていることを特徴と
するヤシ繊維利用資材を提供するものである。この第4
の手段においては、この被着層にも難燃化剤を付着する
ことができる。
【0010】
【作用】このように、ヤシ繊維から成るマット層に難燃
化剤を付着すると、ヤシ繊維自体の有する防音性、緩衝
性、防振性等の優れた機能を保持しつつ、難燃化剤によ
り耐火性を発揮することができ、このマット層に他の材
質から成る板体、薄膜体等の被着層を積層すると、これ
らの防音性、緩衝性また難燃性等の諸性能を生かしつ
つ、資材として、各種分野において、より有効な利用を
図ることができる。
化剤を付着すると、ヤシ繊維自体の有する防音性、緩衝
性、防振性等の優れた機能を保持しつつ、難燃化剤によ
り耐火性を発揮することができ、このマット層に他の材
質から成る板体、薄膜体等の被着層を積層すると、これ
らの防音性、緩衝性また難燃性等の諸性能を生かしつ
つ、資材として、各種分野において、より有効な利用を
図ることができる。
【0011】特に、この難燃化剤として、有機リン化合
物を主成分とする難燃剤とメラミン樹脂を主成分とする
固着剤との配合液に、酸性物質を主成分とする硬化促進
剤を混合して成る難燃化剤、また、有機リン化合物を含
む難燃剤と無機質又は非溶融繊維織物とを複合して形成
されたシート状の難燃化剤を用いると、適宜な成分選択
及び配合によって優れた耐候性を発揮し、また難燃性の
安定化を図ることができる。同時に、これらの難燃化剤
は接着性を有するため、この難燃化剤の付着により、同
時にヤシ繊維の絡み合わせによるマット層の形成や、こ
のマット層の強度の向上、またマット層と他の被着層と
の積層を促進することができる。
物を主成分とする難燃剤とメラミン樹脂を主成分とする
固着剤との配合液に、酸性物質を主成分とする硬化促進
剤を混合して成る難燃化剤、また、有機リン化合物を含
む難燃剤と無機質又は非溶融繊維織物とを複合して形成
されたシート状の難燃化剤を用いると、適宜な成分選択
及び配合によって優れた耐候性を発揮し、また難燃性の
安定化を図ることができる。同時に、これらの難燃化剤
は接着性を有するため、この難燃化剤の付着により、同
時にヤシ繊維の絡み合わせによるマット層の形成や、こ
のマット層の強度の向上、またマット層と他の被着層と
の積層を促進することができる。
【0012】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明
すると、図1及び図2は本発明のヤシ繊維利用資材10
を示し、このヤシ繊維利用資材10は、ヤシ繊維12か
ら形成されたマット層14から成っている。
すると、図1及び図2は本発明のヤシ繊維利用資材10
を示し、このヤシ繊維利用資材10は、ヤシ繊維12か
ら形成されたマット層14から成っている。
【0013】ヤシ繊維12は、熱帯から亜熱帯地域にか
けて分布するヤシ科の植物から採取される繊維状樹皮、
葉柄基部繊維、中果皮繊維等の繊維である。このヤシ科
の植物は、全て常緑の低木又は高木で、その幹は単一で
枝を分けることがなく、先端に葉冠をつくるものであ
る。中には、幹がほとんど無いものや、高さ30mにも
なるもの、表面がなめらかなもの、古い葉鞘に密に包ま
れたもの等がある。また、トウ類のように、茎はつると
なって樹上に高く登るもの、とっくり状に幹がふくれる
もの、更にドーム属Hyphaeneのように二又に分
岐する例外的なものもある。
けて分布するヤシ科の植物から採取される繊維状樹皮、
葉柄基部繊維、中果皮繊維等の繊維である。このヤシ科
の植物は、全て常緑の低木又は高木で、その幹は単一で
枝を分けることがなく、先端に葉冠をつくるものであ
る。中には、幹がほとんど無いものや、高さ30mにも
なるもの、表面がなめらかなもの、古い葉鞘に密に包ま
れたもの等がある。また、トウ類のように、茎はつると
なって樹上に高く登るもの、とっくり状に幹がふくれる
もの、更にドーム属Hyphaeneのように二又に分
岐する例外的なものもある。
【0014】これらのヤシ科の植物の葉は、通常大型
で、掌状又は羽状で、革質、葉柄の基部は幅広い葉鞘と
なって幹をしっかりと抱いている。この葉鞘部には、た
くさんの繊維があり、種類によっては、古くなると柔ら
かい組織は腐ってこの繊維だけが残り、いわゆるシュロ
皮ができる。花序は頂生又ははえき生の大きな総状の肉
穂花序でよく分岐し、頂生の場合は、花が咲くと木は枯
死する。風又は昆虫によって受精し、果実は液果又は核
果で、核果の場合は、内果皮は種子にくっついているの
が普通であり、中果皮は厚い繊維層を有する。
で、掌状又は羽状で、革質、葉柄の基部は幅広い葉鞘と
なって幹をしっかりと抱いている。この葉鞘部には、た
くさんの繊維があり、種類によっては、古くなると柔ら
かい組織は腐ってこの繊維だけが残り、いわゆるシュロ
皮ができる。花序は頂生又ははえき生の大きな総状の肉
穂花序でよく分岐し、頂生の場合は、花が咲くと木は枯
死する。風又は昆虫によって受精し、果実は液果又は核
果で、核果の場合は、内果皮は種子にくっついているの
が普通であり、中果皮は厚い繊維層を有する。
【0015】以上のようにして自然界において生成され
る繊維が、ヤシ繊維12であり、本発明においては、こ
のヤシ科の植物の樹皮、葉柄基部、中果皮を機械的に粉
砕や切削等することにより採取されたヤシ繊維12を用
いることができる。なお、このヤシ繊維12を提供する
ヤシ科の植物は、具体的には、(1)樹皮が繊維状とし
て呈するものとしてシュロ属シュロ、トウジュロを挙げ
ることができ、また(2)葉柄基部に繊維を呈するもの
としてチャマエロプス属チャボトウジュロ、クジャクヤ
シ属クジャクヤシ、オウギヤシ属オウギヤシ、ナツメヤ
シ属ナツメヤシ、サゴヤシ属サゴヤシ、クロツグ属クロ
ツグ、サトウヤシを挙げることができ、更に(3)中果
皮の繊維を提供するものとしてココヤシ属ココヤシ、ニ
ッパヤシ属ニッパヤシ等を挙げることができる。
る繊維が、ヤシ繊維12であり、本発明においては、こ
のヤシ科の植物の樹皮、葉柄基部、中果皮を機械的に粉
砕や切削等することにより採取されたヤシ繊維12を用
いることができる。なお、このヤシ繊維12を提供する
ヤシ科の植物は、具体的には、(1)樹皮が繊維状とし
て呈するものとしてシュロ属シュロ、トウジュロを挙げ
ることができ、また(2)葉柄基部に繊維を呈するもの
としてチャマエロプス属チャボトウジュロ、クジャクヤ
シ属クジャクヤシ、オウギヤシ属オウギヤシ、ナツメヤ
シ属ナツメヤシ、サゴヤシ属サゴヤシ、クロツグ属クロ
ツグ、サトウヤシを挙げることができ、更に(3)中果
皮の繊維を提供するものとしてココヤシ属ココヤシ、ニ
ッパヤシ属ニッパヤシ等を挙げることができる。
【0016】このヤシ繊維12は、図1及び図2に示す
ように、不織布様又は三次元網組織状に絡み合わされる
ことによりマット層14を形成する。具体的には、切削
等により採取されたヤシ繊維12を一旦ほぐした後、合
成繊維から成る通常の不織布等と同様、ニードルパンチ
等により相互に絡み合わせる機械結合法、接着法またス
パンボンド法等の種々の方法により絡み合わせることに
よりマット層14を形成する。特に、ヤシ繊維12を絡
み合わせるに際しては、接着剤を塗布してマット層14
を適度な強度とすることが望ましい。
ように、不織布様又は三次元網組織状に絡み合わされる
ことによりマット層14を形成する。具体的には、切削
等により採取されたヤシ繊維12を一旦ほぐした後、合
成繊維から成る通常の不織布等と同様、ニードルパンチ
等により相互に絡み合わせる機械結合法、接着法またス
パンボンド法等の種々の方法により絡み合わせることに
よりマット層14を形成する。特に、ヤシ繊維12を絡
み合わせるに際しては、接着剤を塗布してマット層14
を適度な強度とすることが望ましい。
【0017】また、このようにして、ヤシ繊維12を不
織布様又は三次元網組織状に絡み合わせた後、更に、プ
レス又はホットプレス等によって、緻密なマット層14
とすることが望ましい。なお、このマット層14の厚み
は、通常5mm〜20mm程度にすると使い易いと思わ
れるが、これに限定されることなく、用途に応じて、例
えば、シート材やクッション材として用いる場合には、
それ以上の厚さとしたり、また重ねて使用する等適宜な
厚さとすることができる。ヤシ繊維12は、このように
マット層14とすると、その多孔質により優れた防音
性、緩衝性、防振性、断熱性、適湿性等の資材に求めら
れる様々な性能を有する。
織布様又は三次元網組織状に絡み合わせた後、更に、プ
レス又はホットプレス等によって、緻密なマット層14
とすることが望ましい。なお、このマット層14の厚み
は、通常5mm〜20mm程度にすると使い易いと思わ
れるが、これに限定されることなく、用途に応じて、例
えば、シート材やクッション材として用いる場合には、
それ以上の厚さとしたり、また重ねて使用する等適宜な
厚さとすることができる。ヤシ繊維12は、このように
マット層14とすると、その多孔質により優れた防音
性、緩衝性、防振性、断熱性、適湿性等の資材に求めら
れる様々な性能を有する。
【0018】このマット層14には、図1及び図2に示
すように、難燃化剤16が付着される。従って、ヤシ繊
維12から成るマット層14が有する防音性、緩衝性、
防振性等の資材として優れた性能を維持しつつ、同時に
火災等の際に問題となる難燃性にも対応することができ
る。
すように、難燃化剤16が付着される。従って、ヤシ繊
維12から成るマット層14が有する防音性、緩衝性、
防振性等の資材として優れた性能を維持しつつ、同時に
火災等の際に問題となる難燃性にも対応することができ
る。
【0019】この難燃化剤16としては、有機リン化合
物を主成分とする難燃剤とメラミン樹脂を主成分とする
固着剤との配合液に、酸性物質を主成分とする硬化促進
剤を混合して成る難燃化剤16を用いる。このうち、有
機リン化合物としては、例えば水溶性の3−(ジアルキ
ルホスホノ)プロピオンアミド、特に、3−(ジメチル
ホスホノ)プロピオンアミドを、メラミン樹脂として
は、例えば水溶性のメチル化ヘキサメチロールメラミン
を、また、酸性物質としては、例えば塩酸を用いること
が望ましい。この難燃化剤16は、上記の難燃剤と固着
剤との配合液に、酸性物質の硬化促進剤を混合すること
により、適宜なpH値、好ましくはpH値3.0以下と
して用いられる。
物を主成分とする難燃剤とメラミン樹脂を主成分とする
固着剤との配合液に、酸性物質を主成分とする硬化促進
剤を混合して成る難燃化剤16を用いる。このうち、有
機リン化合物としては、例えば水溶性の3−(ジアルキ
ルホスホノ)プロピオンアミド、特に、3−(ジメチル
ホスホノ)プロピオンアミドを、メラミン樹脂として
は、例えば水溶性のメチル化ヘキサメチロールメラミン
を、また、酸性物質としては、例えば塩酸を用いること
が望ましい。この難燃化剤16は、上記の難燃剤と固着
剤との配合液に、酸性物質の硬化促進剤を混合すること
により、適宜なpH値、好ましくはpH値3.0以下と
して用いられる。
【0020】更に具体的に述べると、難燃化剤16とし
て大日本インキ化学工業株式会社の商品名『ルーフ−プ
ルーフ』を用いるのが望ましい。この『ルーフ−プルー
フ』は、上記の有機リン化合物の難燃剤としての商品名
『ルーフ−プルーフP』、メラミン樹脂の固着剤として
の商品名『ルーフ−プル−フFIX』との適宜な濃度の
配合液に、酸性物質の硬化促進剤としての商品名『カタ
リストX』を配合して用いられる。『ルーフ−プルー
フ』は、加熱されると発泡して、黒色の炭化断熱層を形
成するので、ヤシ繊維12から成るマット層14の燃焼
を著しく遅らせ、マット層14に難燃性を付与する。
て大日本インキ化学工業株式会社の商品名『ルーフ−プ
ルーフ』を用いるのが望ましい。この『ルーフ−プルー
フ』は、上記の有機リン化合物の難燃剤としての商品名
『ルーフ−プルーフP』、メラミン樹脂の固着剤として
の商品名『ルーフ−プル−フFIX』との適宜な濃度の
配合液に、酸性物質の硬化促進剤としての商品名『カタ
リストX』を配合して用いられる。『ルーフ−プルー
フ』は、加熱されると発泡して、黒色の炭化断熱層を形
成するので、ヤシ繊維12から成るマット層14の燃焼
を著しく遅らせ、マット層14に難燃性を付与する。
【0021】特に、この大日本インキ化学工業株式会社
の『ルーフ−プルーフ』を用いた場合、各成分が化学的
に安定して結合するため、雨等の悪天候下においても、
マット層14から難燃成分が溶出せず、難燃作用の耐候
性が向上し、また、難燃性が低下することがないので、
望ましい。このように塗布や浸漬によりマット層14に
容易に付着することができると同時に耐候性を有する点
で、この『ルーフ−プルーフ』を用いるのが最も有利で
ある。難燃剤として、『ルーフ−プルーフP』以外の成
分、例えばN−メチロール3−(ジメチルホスホノ)プ
ロピオンアミドやジメチロール3−(ジメチルホスホ
ノ)プロピオンアミド等のメチロール基を含む難燃剤を
用いた場合には、充分な耐候性を有しないことが実験に
よって確認されている。
の『ルーフ−プルーフ』を用いた場合、各成分が化学的
に安定して結合するため、雨等の悪天候下においても、
マット層14から難燃成分が溶出せず、難燃作用の耐候
性が向上し、また、難燃性が低下することがないので、
望ましい。このように塗布や浸漬によりマット層14に
容易に付着することができると同時に耐候性を有する点
で、この『ルーフ−プルーフ』を用いるのが最も有利で
ある。難燃剤として、『ルーフ−プルーフP』以外の成
分、例えばN−メチロール3−(ジメチルホスホノ)プ
ロピオンアミドやジメチロール3−(ジメチルホスホ
ノ)プロピオンアミド等のメチロール基を含む難燃剤を
用いた場合には、充分な耐候性を有しないことが実験に
よって確認されている。
【0022】また、上記の『ルーフ−プルーフ』に、エ
ポキシ樹脂でマイクロカプセル化したポリリン酸アンモ
ニウムを添加すると、『ルーフ−プルーフ』の塗装面に
好ましくない光沢が生じるのを防止することができる共
に、塗膜のひび割れ等による難燃性、耐候性の低下を防
止することができるため好ましい。
ポキシ樹脂でマイクロカプセル化したポリリン酸アンモ
ニウムを添加すると、『ルーフ−プルーフ』の塗装面に
好ましくない光沢が生じるのを防止することができる共
に、塗膜のひび割れ等による難燃性、耐候性の低下を防
止することができるため好ましい。
【0023】更に、上記の『ルーフ−プルーフ』に、炭
化チタン、炭化タングステン等の無機化合物を添加して
もよい。この無機化合物は、有機リン化合物の加熱によ
り形成するルイス酸成分と、メラミン樹脂を構成する窒
素等と強固に化学結合し、極めて緻密な炭化断熱層を形
成するため、加熱下において難燃化剤16が形成する発
泡断熱層が、低密度化して熱風等の気流によりマット層
14から脱落するのを防止することができ、より一層難
燃性の安定化を図ることができる。
化チタン、炭化タングステン等の無機化合物を添加して
もよい。この無機化合物は、有機リン化合物の加熱によ
り形成するルイス酸成分と、メラミン樹脂を構成する窒
素等と強固に化学結合し、極めて緻密な炭化断熱層を形
成するため、加熱下において難燃化剤16が形成する発
泡断熱層が、低密度化して熱風等の気流によりマット層
14から脱落するのを防止することができ、より一層難
燃性の安定化を図ることができる。
【0024】なお、『ルーフ−プルーフ』の難燃性、ま
た、その難燃作用の耐候性や安定性に影響を与えない限
りにおいて、浸透剤、消泡剤、ひび割れ防止剤、着色の
ための耐酸性の顔料、香料、臭気防止剤等の他の各種添
加物を添加してもよい。
た、その難燃作用の耐候性や安定性に影響を与えない限
りにおいて、浸透剤、消泡剤、ひび割れ防止剤、着色の
ための耐酸性の顔料、香料、臭気防止剤等の他の各種添
加物を添加してもよい。
【0025】この難燃化剤16、特に、『ルーフ−プル
ーフ』、またこれに他の成分を添加した難燃化剤16
は、塗布によりマット層14に付着することができる。
具体的には、スプレイガン、刷毛、ハンドロール、フロ
ーコーター、ロールコーター等により塗布して、マット
層14に付着させる。
ーフ』、またこれに他の成分を添加した難燃化剤16
は、塗布によりマット層14に付着することができる。
具体的には、スプレイガン、刷毛、ハンドロール、フロ
ーコーター、ロールコーター等により塗布して、マット
層14に付着させる。
【0026】また、この難燃化剤16は、図1に示すよ
うに、マット層14に含浸してバインダーとしてヤシ繊
維12を結合することにより、図1に示すようにマット
層14に付着させることができる。上述のように、マッ
ト層14はヤシ繊維12を適宜な方法により絡み合わせ
ることにより形成されるが、上記の『ルーフ−プルー
フ』は、難燃性を有すると同時に、木材に対し優れた接
着性を有するため、この『ルーフ−プルーフ』はマット
層14に難燃性を付与すると同時にマット層14の結合
手段としても用いることができるのである。特に、この
場合、『ルーフ−プルーフ』によりヤシ繊維12を強固
に密着させて、マット層14に資材として要求される適
度な強度を付与することができる。
うに、マット層14に含浸してバインダーとしてヤシ繊
維12を結合することにより、図1に示すようにマット
層14に付着させることができる。上述のように、マッ
ト層14はヤシ繊維12を適宜な方法により絡み合わせ
ることにより形成されるが、上記の『ルーフ−プルー
フ』は、難燃性を有すると同時に、木材に対し優れた接
着性を有するため、この『ルーフ−プルーフ』はマット
層14に難燃性を付与すると同時にマット層14の結合
手段としても用いることができるのである。特に、この
場合、『ルーフ−プルーフ』によりヤシ繊維12を強固
に密着させて、マット層14に資材として要求される適
度な強度を付与することができる。
【0027】この場合、『ルーフ−プルーフ』は、時間
の経過と共に縮合反応が進行し、ゲル状態を経て数時間
で乾燥状態となって透明な皮膜を形成し、更に、数日の
間に、完全に硬化して水不溶性となる。従って、具体的
には、難燃化剤16である水溶性の『ルーフ−プルー
フ』に、ヤシ繊維12を浸漬した後、数日間放置する等
して常温乾燥することにより、ヤシ繊維12は、『ルー
フ−プルーフ』の接着性により強固に密着してマット層
14を形成することができる。なお、状況に応じて、塗
膜が乾燥した後数日間放置するのではなく、電熱式の温
風ヒーター等により強制乾燥させて、迅速に不溶化させ
てもよい。
の経過と共に縮合反応が進行し、ゲル状態を経て数時間
で乾燥状態となって透明な皮膜を形成し、更に、数日の
間に、完全に硬化して水不溶性となる。従って、具体的
には、難燃化剤16である水溶性の『ルーフ−プルー
フ』に、ヤシ繊維12を浸漬した後、数日間放置する等
して常温乾燥することにより、ヤシ繊維12は、『ルー
フ−プルーフ』の接着性により強固に密着してマット層
14を形成することができる。なお、状況に応じて、塗
膜が乾燥した後数日間放置するのではなく、電熱式の温
風ヒーター等により強制乾燥させて、迅速に不溶化させ
てもよい。
【0028】また、難燃化剤16の他の例としては、図
2に示すように、有機リン化合物を含む難燃剤と無機質
又は非溶融繊維織物とを複合して形成されたシート状の
難燃化剤16を用いることもできる。この有機リン化合
物を含む難燃剤としては、例えばメラミン樹脂と、3−
(ジメチルホスホノ)プロピオンアミドを混合した水溶
液に、pH値が2.0〜3.0となるように酸性の硬化
触媒を加えたもの、すなわち、上述の『ルーフ−プルー
フ』等を用いることができる。また、無機質又は非溶融
繊維織物としては、例えば、ガラス繊維織物、炭化繊維
織物、金属繊維織物、炭化繊維素織物、酸化アクリル繊
維織物等を用いることができる。
2に示すように、有機リン化合物を含む難燃剤と無機質
又は非溶融繊維織物とを複合して形成されたシート状の
難燃化剤16を用いることもできる。この有機リン化合
物を含む難燃剤としては、例えばメラミン樹脂と、3−
(ジメチルホスホノ)プロピオンアミドを混合した水溶
液に、pH値が2.0〜3.0となるように酸性の硬化
触媒を加えたもの、すなわち、上述の『ルーフ−プルー
フ』等を用いることができる。また、無機質又は非溶融
繊維織物としては、例えば、ガラス繊維織物、炭化繊維
織物、金属繊維織物、炭化繊維素織物、酸化アクリル繊
維織物等を用いることができる。
【0029】更に具体的に述べると、シート状の難燃化
剤16として大日本インキ化学工業株式会社の商品名
『ディックフリス』を用いる。この『ディックフリス』
は、図2に示すようにリン系難燃剤18とガラスクロス
20を主成分として形成された、黒色網目シート状であ
る点に特徴がある。『ディックフリス』は、加熱される
と、このガラスクロス20に付着したリン系難燃剤18
が発泡して、黒色の炭化断熱層を形成するので、ヤシ繊
維12から成るマット層14の燃焼を著しく遅らせ、マ
ット層14に難燃性を付与する。
剤16として大日本インキ化学工業株式会社の商品名
『ディックフリス』を用いる。この『ディックフリス』
は、図2に示すようにリン系難燃剤18とガラスクロス
20を主成分として形成された、黒色網目シート状であ
る点に特徴がある。『ディックフリス』は、加熱される
と、このガラスクロス20に付着したリン系難燃剤18
が発泡して、黒色の炭化断熱層を形成するので、ヤシ繊
維12から成るマット層14の燃焼を著しく遅らせ、マ
ット層14に難燃性を付与する。
【0030】特に、この大日本インキ化学工業株式会社
の『ディックフリス』は、リン系難燃剤18がガラスク
ロス20に担持されているため、被難燃物の表面層が燃
焼時の熱気流により収縮したり炭化物が脱落するのに伴
い、炭化断熱層も同時に脱落するのを防止することがで
き、安定した難燃性を発揮することができるため望まし
い。これは、ガラスクロス20が、1000℃程度の高
温中でも、強度が低下し脆くはなるものの依然その形態
を保持するためである。特に、この場合、発泡した炭化
断熱層によりガラスクロス20を構成する各繊維が保護
されるため、ガラスクロス20はごく一部しか溶融せ
ず、しかもその溶融した一部のガラスクロス20は炭化
断熱層に融着し炭化断熱層の表面で保護層の如き働きを
するため、リン系難燃剤18が脱落することがなく、従
ってその難燃作用が低下することがない。
の『ディックフリス』は、リン系難燃剤18がガラスク
ロス20に担持されているため、被難燃物の表面層が燃
焼時の熱気流により収縮したり炭化物が脱落するのに伴
い、炭化断熱層も同時に脱落するのを防止することがで
き、安定した難燃性を発揮することができるため望まし
い。これは、ガラスクロス20が、1000℃程度の高
温中でも、強度が低下し脆くはなるものの依然その形態
を保持するためである。特に、この場合、発泡した炭化
断熱層によりガラスクロス20を構成する各繊維が保護
されるため、ガラスクロス20はごく一部しか溶融せ
ず、しかもその溶融した一部のガラスクロス20は炭化
断熱層に融着し炭化断熱層の表面で保護層の如き働きを
するため、リン系難燃剤18が脱落することがなく、従
ってその難燃作用が低下することがない。
【0031】また、『ディックフリス』を用いると、リ
ン系難燃剤18が同時に接着性も有するため、この『デ
ィックフリス』を積層することによりマット層14と他
の木材との中間接着層として用いることもできる利点が
ある。更に、シート状であるため、接着剤等の他の適宜
な接着手段を用いることにより、金属板等他の部材を、
マット層14に積層して、防音性、緩衝性等を確保しつ
つ難燃性を付与することができる。
ン系難燃剤18が同時に接着性も有するため、この『デ
ィックフリス』を積層することによりマット層14と他
の木材との中間接着層として用いることもできる利点が
ある。更に、シート状であるため、接着剤等の他の適宜
な接着手段を用いることにより、金属板等他の部材を、
マット層14に積層して、防音性、緩衝性等を確保しつ
つ難燃性を付与することができる。
【0032】このシート状の難燃化剤16、特に、『デ
イックフリス』は、図2に示すように、マット層14の
表面に積層されることによりマット層14に付着するこ
とができる。具体的には、エポキシ樹脂や接着剤、タッ
カー等で、マット層14の表面に密着させることにより
簡易にマット層14に積層することができる。
イックフリス』は、図2に示すように、マット層14の
表面に積層されることによりマット層14に付着するこ
とができる。具体的には、エポキシ樹脂や接着剤、タッ
カー等で、マット層14の表面に密着させることにより
簡易にマット層14に積層することができる。
【0033】また、このシート状の難燃化剤16は、上
述したように、そのリン系難燃剤18が接着性を有する
ため、マット層14の表面にこのリン系難燃剤18を塗
布した後、ガラスクロス20を被せ、更にその上面にリ
ン系難燃剤18を塗布して、浸透させることにより難燃
化剤16をシート状に形成しながら、同時にマット層1
4に積層してもよい。
述したように、そのリン系難燃剤18が接着性を有する
ため、マット層14の表面にこのリン系難燃剤18を塗
布した後、ガラスクロス20を被せ、更にその上面にリ
ン系難燃剤18を塗布して、浸透させることにより難燃
化剤16をシート状に形成しながら、同時にマット層1
4に積層してもよい。
【0034】次に、本発明の他の実施例について、図3
を参照しながら説明すると、この実施例では、マット層
14に、ヤシ繊維12以外の他の材質から成る被着層2
2が積層されている。このようにマット層14に、他の
材質から成る被着層22を積層することにより、本発明
のヤシ繊維利用資材10を建築資材等、防音性や緩衝性
等を有しつつ同時に難燃性を有することが要求される様
々な分野における資材として有効に活用することができ
る。また、ヤシ繊維12が外部に露出することなく、被
着層22が表面層となり、外観を損なうことがない。
を参照しながら説明すると、この実施例では、マット層
14に、ヤシ繊維12以外の他の材質から成る被着層2
2が積層されている。このようにマット層14に、他の
材質から成る被着層22を積層することにより、本発明
のヤシ繊維利用資材10を建築資材等、防音性や緩衝性
等を有しつつ同時に難燃性を有することが要求される様
々な分野における資材として有効に活用することができ
る。また、ヤシ繊維12が外部に露出することなく、被
着層22が表面層となり、外観を損なうことがない。
【0035】この被着層22は、接着剤等の適宜な接着
手段を用いて、マット層14の表面に密着させて、マッ
ト層14に積層することができる。また、本発明に用い
る難燃化剤16は、上述したように接着性を有するた
め、図3及び図4に示すように、この難燃化剤16をマ
ット層14に対する難燃性の付与手段と同時に、マット
層14と被着層22との接着手段として用いることがで
きる。具体的に述べると、図3に示すように、水溶性の
難燃化剤16によりマット層14と被着層22とを直接
的に接着して積層してもよいし、また、図4に示すよう
に、シート状の難燃化剤16を介して、マット層14と
被着層22とを間接的に接着して積層してもよい。な
お、この場合、被着層22の材質によって、難燃化剤1
6に馴染まず、難燃化剤16のみでは接着することが困
難である場合には、例えば、シート状の難燃化剤16の
表面に更に接着剤等を塗布することにより、マット層1
4と被着層22とを積層してもよいことは勿論である。
手段を用いて、マット層14の表面に密着させて、マッ
ト層14に積層することができる。また、本発明に用い
る難燃化剤16は、上述したように接着性を有するた
め、図3及び図4に示すように、この難燃化剤16をマ
ット層14に対する難燃性の付与手段と同時に、マット
層14と被着層22との接着手段として用いることがで
きる。具体的に述べると、図3に示すように、水溶性の
難燃化剤16によりマット層14と被着層22とを直接
的に接着して積層してもよいし、また、図4に示すよう
に、シート状の難燃化剤16を介して、マット層14と
被着層22とを間接的に接着して積層してもよい。な
お、この場合、被着層22の材質によって、難燃化剤1
6に馴染まず、難燃化剤16のみでは接着することが困
難である場合には、例えば、シート状の難燃化剤16の
表面に更に接着剤等を塗布することにより、マット層1
4と被着層22とを積層してもよいことは勿論である。
【0036】被着層22としては、例えば、図5乃至図
7に示すように板体24や、図8及び図9に示すように
薄膜体26等を用いることができる。
7に示すように板体24や、図8及び図9に示すように
薄膜体26等を用いることができる。
【0037】この板体24は、例えば、図5に示すよう
に、ベニヤ板等の木板24Aとすることができる。この
態様によれば、本発明のヤシ繊維利用資材10は、床板
材や壁板材等の建築用資材に種々の性能を付与して有効
に活用することができる。特に、近年建築用資材に対し
て高まりつつある、防音性、緩衝性等と同時に優れた難
燃性の要求に充分に応えることができる。とりわけ、本
発明のヤシ繊維利用資材10は、難燃作用の耐候性、安
定性を有するため、屋外に曝されて使用される場合で
も、好適である。
に、ベニヤ板等の木板24Aとすることができる。この
態様によれば、本発明のヤシ繊維利用資材10は、床板
材や壁板材等の建築用資材に種々の性能を付与して有効
に活用することができる。特に、近年建築用資材に対し
て高まりつつある、防音性、緩衝性等と同時に優れた難
燃性の要求に充分に応えることができる。とりわけ、本
発明のヤシ繊維利用資材10は、難燃作用の耐候性、安
定性を有するため、屋外に曝されて使用される場合で
も、好適である。
【0038】また、この板体24としては、図6に示す
ように金属板24Bとすることができる。この金属板2
4Bを有するヤシ繊維利用資材10は、外壁板や防音
壁、また、ボイラー筐体の内壁等として利用することが
できる。特に、マット層14を構成するヤシ繊維12は
軽量であるため、エレベーターの筐体の材料として用い
ることができ、特に、緩衝性や防音性と同時に火災時等
における安全性の確保等のため、難燃性を有することが
要求されるエレベーターの筐体の材料として好適であ
る。なお、このように金属板24Bを用いる場合、この
金属板24Bは、上述したように、水溶性の難燃化剤1
6を接着手段としてマット層14に積層することが困難
である場合も考えられるため、図6に示すように、シー
ト状の難燃化剤16を介して接着剤28によりマット層
14に積層するか、又は水溶性の難燃化剤16を用いた
場合には接着剤28により直接的にマット層14に積層
することが好ましいと考えられる。
ように金属板24Bとすることができる。この金属板2
4Bを有するヤシ繊維利用資材10は、外壁板や防音
壁、また、ボイラー筐体の内壁等として利用することが
できる。特に、マット層14を構成するヤシ繊維12は
軽量であるため、エレベーターの筐体の材料として用い
ることができ、特に、緩衝性や防音性と同時に火災時等
における安全性の確保等のため、難燃性を有することが
要求されるエレベーターの筐体の材料として好適であ
る。なお、このように金属板24Bを用いる場合、この
金属板24Bは、上述したように、水溶性の難燃化剤1
6を接着手段としてマット層14に積層することが困難
である場合も考えられるため、図6に示すように、シー
ト状の難燃化剤16を介して接着剤28によりマット層
14に積層するか、又は水溶性の難燃化剤16を用いた
場合には接着剤28により直接的にマット層14に積層
することが好ましいと考えられる。
【0039】更に、この板体24は、図7に示すよう
に、段ボール24Cとすることができる。この態様によ
れば、本発明のヤシ繊維利用資材10は梱包材として有
効に活用することができる。特に、商品の高級化にとも
ない、梱包材にも緩衝性、防振性等を有すると共に、輸
送時や保管時等における不意の火災から商品を保護する
ため難燃性を有することが次第に要求されつつあり、本
発明のヤシ繊維利用資材10は、このような要求に充分
に応えることができる。なお、このように段ボール24
Cを積層する場合、図7(A)に示すように、段ボール
24Cのライナー部30においてマット層14の表面に
接着することによりマット層14に積層してもよいし、
また、図7(B)に示すように、その中芯32の頂部に
おいてマット層14の表面に接着することによりマット
層14に積層してもよい。
に、段ボール24Cとすることができる。この態様によ
れば、本発明のヤシ繊維利用資材10は梱包材として有
効に活用することができる。特に、商品の高級化にとも
ない、梱包材にも緩衝性、防振性等を有すると共に、輸
送時や保管時等における不意の火災から商品を保護する
ため難燃性を有することが次第に要求されつつあり、本
発明のヤシ繊維利用資材10は、このような要求に充分
に応えることができる。なお、このように段ボール24
Cを積層する場合、図7(A)に示すように、段ボール
24Cのライナー部30においてマット層14の表面に
接着することによりマット層14に積層してもよいし、
また、図7(B)に示すように、その中芯32の頂部に
おいてマット層14の表面に接着することによりマット
層14に積層してもよい。
【0040】板体24としては、その他に、セラミック
ス、石膏ボード、コンクリートボード、スチロールマッ
ト、プラスチック板、絨毛マット、カーペット、ウレタ
ン等の発泡層、人工皮革、、更には、繊維粕やボロ製フ
ェルト等の集結材等の比較的厚みがあって、硬質又はあ
る程度の保形性を有する材料を用いることができる。例
えば、繊維粕やボロ製フェルト等の集結材を被着層22
として積層したヤシ繊維利用資材10は、自動車の内装
材やトランクの内装材として好適である。また、被着層
22として板体24を積層したヤシ繊維利用資材10
は、その他、車両のパンパー内充填材や、座席シート、
天井、床、ドア、フロントパネル等の輸送機器の内装材
として用いたり、更には、防音壁の充填材、ヘルメット
の充填材、靴の中敷材等の材料として有効に活用するこ
とができる。
ス、石膏ボード、コンクリートボード、スチロールマッ
ト、プラスチック板、絨毛マット、カーペット、ウレタ
ン等の発泡層、人工皮革、、更には、繊維粕やボロ製フ
ェルト等の集結材等の比較的厚みがあって、硬質又はあ
る程度の保形性を有する材料を用いることができる。例
えば、繊維粕やボロ製フェルト等の集結材を被着層22
として積層したヤシ繊維利用資材10は、自動車の内装
材やトランクの内装材として好適である。また、被着層
22として板体24を積層したヤシ繊維利用資材10
は、その他、車両のパンパー内充填材や、座席シート、
天井、床、ドア、フロントパネル等の輸送機器の内装材
として用いたり、更には、防音壁の充填材、ヘルメット
の充填材、靴の中敷材等の材料として有効に活用するこ
とができる。
【0041】次に、被着層22が薄膜体26である場合
について説明すると、本発明において、薄膜体26と
は、それ自体では充分な保形性を有しない薄い素材を総
称していい、例えば、紙、箔、フィルム、布等が挙げら
れる。
について説明すると、本発明において、薄膜体26と
は、それ自体では充分な保形性を有しない薄い素材を総
称していい、例えば、紙、箔、フィルム、布等が挙げら
れる。
【0042】この薄膜体26は、例えば、図8に示すよ
うに、和紙等から成る壁紙26Aとすることができる。
このように壁紙26A等をマット層14に積層すると、
本発明のヤシ繊維利用資材10を室内装飾用の建築用資
材として用いることができる。
うに、和紙等から成る壁紙26Aとすることができる。
このように壁紙26A等をマット層14に積層すると、
本発明のヤシ繊維利用資材10を室内装飾用の建築用資
材として用いることができる。
【0043】また、この薄膜体26は、図9に示すよう
に、例えば、プラスチックフィルム26Bとすることが
でき、このプラスチックフィルム26Bとしては、例え
ば、イタリアのモンテジソングループに属するノバモン
ト社によって開発された新しい熱可塑性プラスチックフ
ィルムである商品名『マタービー』(登録商標)を用い
ることができる。この『マタービー』は、水を吸収して
膨潤することにより生分解促進され、微生物が生存する
環境下において紙とほぼ同等の生分解性を示すため、マ
ット層14を構成するヤシ繊維12の低公害性と相まっ
て、地球環境に悪影響を与えない点で望ましい。
に、例えば、プラスチックフィルム26Bとすることが
でき、このプラスチックフィルム26Bとしては、例え
ば、イタリアのモンテジソングループに属するノバモン
ト社によって開発された新しい熱可塑性プラスチックフ
ィルムである商品名『マタービー』(登録商標)を用い
ることができる。この『マタービー』は、水を吸収して
膨潤することにより生分解促進され、微生物が生存する
環境下において紙とほぼ同等の生分解性を示すため、マ
ット層14を構成するヤシ繊維12の低公害性と相まっ
て、地球環境に悪影響を与えない点で望ましい。
【0044】薄膜体26としては、更にその他の塩化ビ
ニルフィルム、ポリエステルフィルム、ナイロンフィル
ム、アルミ箔、金箔、布(例えば、枕等)等を用いるこ
とができる。このように様々な材質の薄膜体26をマッ
ト層に積層することにより、本発明のヤシ繊維利用資材
10を、防音性、緩衝性等と同時に難燃性が要求される
各種分野において有効な資材として広く活用することが
できる。
ニルフィルム、ポリエステルフィルム、ナイロンフィル
ム、アルミ箔、金箔、布(例えば、枕等)等を用いるこ
とができる。このように様々な材質の薄膜体26をマッ
ト層に積層することにより、本発明のヤシ繊維利用資材
10を、防音性、緩衝性等と同時に難燃性が要求される
各種分野において有効な資材として広く活用することが
できる。
【0045】これらの被着層22は、図1乃至図9に示
す実施例では いずれもマット層14の片面にのみ積層
したが、図10に示すように、マット層14の両面に積
層してもよいし、また、図11に示すように、複数のマ
ット層14の間に挟み込んでサンドイッチ状にすること
により積層してもよい。
す実施例では いずれもマット層14の片面にのみ積層
したが、図10に示すように、マット層14の両面に積
層してもよいし、また、図11に示すように、複数のマ
ット層14の間に挟み込んでサンドイッチ状にすること
により積層してもよい。
【0046】なお、難燃化剤16は、ヤシ繊維12から
成るマット層14のみでなく、被着層22にも付着する
ことができる。これにより、ヤシ繊維利用資材10の難
燃性を一層向上させることができる。この場合、難燃化
剤16を予め付着した被着層22を、マット層14に積
層してもよいし、また、マット層14に被着層22を積
層した後にこの被着層22に上述した適宜な方法により
難燃化剤16を付着させてもよい。
成るマット層14のみでなく、被着層22にも付着する
ことができる。これにより、ヤシ繊維利用資材10の難
燃性を一層向上させることができる。この場合、難燃化
剤16を予め付着した被着層22を、マット層14に積
層してもよいし、また、マット層14に被着層22を積
層した後にこの被着層22に上述した適宜な方法により
難燃化剤16を付着させてもよい。
【0047】被着層22の材質によっては、水溶性の難
燃化剤16との親和性が低く難燃化剤16を付着するこ
とが困難な場合もある。このため、例えば、被着層22
が図5に示すように木板24Aである場合には、『ルー
フ−プルーフ』の如き水溶性の難燃化剤、『ディックフ
リス』の如きシート状の難燃化剤16のどちらも用いる
ことができるが、例えば被着層22として図6に示す金
属板24Bやプラスチック板を用いる場合等には、金属
板24Bやプラスチック板等が『ルーフ−プルーフ』等
の水溶性の難燃化剤16との親和性が低く塗布等により
これらに付着することが困難であるため、『ディックフ
リス』等のシート状の難燃化剤16を接着剤によりその
表面に密着させて難燃化することが好ましいと考えられ
る。このように被着層22に難燃化剤16を付着する場
合には、その材質に充分に考慮することが望ましい。
燃化剤16との親和性が低く難燃化剤16を付着するこ
とが困難な場合もある。このため、例えば、被着層22
が図5に示すように木板24Aである場合には、『ルー
フ−プルーフ』の如き水溶性の難燃化剤、『ディックフ
リス』の如きシート状の難燃化剤16のどちらも用いる
ことができるが、例えば被着層22として図6に示す金
属板24Bやプラスチック板を用いる場合等には、金属
板24Bやプラスチック板等が『ルーフ−プルーフ』等
の水溶性の難燃化剤16との親和性が低く塗布等により
これらに付着することが困難であるため、『ディックフ
リス』等のシート状の難燃化剤16を接着剤によりその
表面に密着させて難燃化することが好ましいと考えられ
る。このように被着層22に難燃化剤16を付着する場
合には、その材質に充分に考慮することが望ましい。
【0048】最後に、マット層14の他の実施例につい
て説明すると、マット層14は、図1乃至図11に示す
実施例では均一な厚みを有する平坦状に形成したが、必
ずしもこれに限定されるものではなく、用途に応じて、
図12に示すように、その表面にエンボス加工を施して
凹凸34を設けてもよいし、また、均一な厚みではなく
テーパーを設けた形状としてもよい。
て説明すると、マット層14は、図1乃至図11に示す
実施例では均一な厚みを有する平坦状に形成したが、必
ずしもこれに限定されるものではなく、用途に応じて、
図12に示すように、その表面にエンボス加工を施して
凹凸34を設けてもよいし、また、均一な厚みではなく
テーパーを設けた形状としてもよい。
【0049】また、マット層14は、必ずしもヤシ繊維
12からのみ形成する必要はなく、ヤシ繊維12に、例
えば、ナイロン、ビニロン、ビニデリン、ウレタン、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、アクリル等から成る細か
い合成樹脂繊維を絡み合わせて形成してもよい。この場
合、本発明に用いる難燃化剤の性質に影響を与えない限
りにおいて、必要に応じ、脱臭剤、芳香剤、抗菌剤、防
虫剤、嫌虫剤、殺虫剤等の薬剤を合成樹脂繊維に混入す
ることができる。
12からのみ形成する必要はなく、ヤシ繊維12に、例
えば、ナイロン、ビニロン、ビニデリン、ウレタン、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、アクリル等から成る細か
い合成樹脂繊維を絡み合わせて形成してもよい。この場
合、本発明に用いる難燃化剤の性質に影響を与えない限
りにおいて、必要に応じ、脱臭剤、芳香剤、抗菌剤、防
虫剤、嫌虫剤、殺虫剤等の薬剤を合成樹脂繊維に混入す
ることができる。
【0050】なお、例えば、シリコーンゲルやポリブジ
タジエンゲル等の粘弾性物質をマット層14を構成する
ヤシ繊維12に皮膜したり、また、これらの粘弾性物質
をマット層12や被着層22に積層することもできる。
これにより、ヤシ繊維12から成るマット層14の防音
性、緩衝性、吸音性、防振性を一層向上しつつ、難燃性
を発揮させることができ、資材としてより有効な活用を
図ることができる。
タジエンゲル等の粘弾性物質をマット層14を構成する
ヤシ繊維12に皮膜したり、また、これらの粘弾性物質
をマット層12や被着層22に積層することもできる。
これにより、ヤシ繊維12から成るマット層14の防音
性、緩衝性、吸音性、防振性を一層向上しつつ、難燃性
を発揮させることができ、資材としてより有効な活用を
図ることができる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように、ヤシ繊
維から成るマット層に難燃化剤を付着しているため、ヤ
シ繊維自体の有する防音性、緩衝性、防振性等の優れた
機能を保持しつつ、難燃化剤により耐火性を発揮するこ
とができ、特に、このマット層に他の材質から成る板
体、薄膜体等の被着層を積層すると、これらの防音性、
緩衝性また難燃性等の諸性能を生かしつつ、資材とし
て、各種分野において、より有効な利用を図ることがで
きる実益がある。
維から成るマット層に難燃化剤を付着しているため、ヤ
シ繊維自体の有する防音性、緩衝性、防振性等の優れた
機能を保持しつつ、難燃化剤により耐火性を発揮するこ
とができ、特に、このマット層に他の材質から成る板
体、薄膜体等の被着層を積層すると、これらの防音性、
緩衝性また難燃性等の諸性能を生かしつつ、資材とし
て、各種分野において、より有効な利用を図ることがで
きる実益がある。
【0052】特に、この難燃化剤として、有機リン化合
物を主成分とする難燃剤とメラミン樹脂を主成分とする
固着剤との配合液に、酸性物質を主成分とする硬化促進
剤を混合して成る難燃化剤、また、有機リン化合物を含
む難燃剤と無機質又は非溶融繊維織物とを複合して形成
されたシート状の難燃化剤を用いているため、適宜な成
分選択及び配合によって優れた耐候性を発揮し、また難
燃性の安定化を図ることができる上に、これらの難燃化
剤は接着性をも有するので、この難燃化剤の付着によ
り、同時にヤシ繊維の絡み合わせによるマット層の形成
や、このマット層の強度の向上、またマット層と他の被
着層との積層を促進することができる実益がある。
物を主成分とする難燃剤とメラミン樹脂を主成分とする
固着剤との配合液に、酸性物質を主成分とする硬化促進
剤を混合して成る難燃化剤、また、有機リン化合物を含
む難燃剤と無機質又は非溶融繊維織物とを複合して形成
されたシート状の難燃化剤を用いているため、適宜な成
分選択及び配合によって優れた耐候性を発揮し、また難
燃性の安定化を図ることができる上に、これらの難燃化
剤は接着性をも有するので、この難燃化剤の付着によ
り、同時にヤシ繊維の絡み合わせによるマット層の形成
や、このマット層の強度の向上、またマット層と他の被
着層との積層を促進することができる実益がある。
【図1】本発明のヤシ繊維利用資材の断面図、特にマッ
ト層に水溶性の難燃化剤が付着されている実施例の断面
図である。
ト層に水溶性の難燃化剤が付着されている実施例の断面
図である。
【図2】本発明のヤシ繊維利用資材の断面図、特にマッ
ト層にシート状の難燃化剤が付着されている実施例の断
面図である。
ト層にシート状の難燃化剤が付着されている実施例の断
面図である。
【図3】マット層に被着層が積層されている実施例の断
面図である。
面図である。
【図4】マット層にシート状の難燃化剤を介して被着層
が積層されている実施例の断面図である。
が積層されている実施例の断面図である。
【図5】被着層が木板から成る板体である実施例の断面
図である。
図である。
【図6】被着層が金属板から成る板体である実施例の断
面図である。
面図である。
【図7】被着層が段ボールから成る板体である実施例の
断面図である。
断面図である。
【図8】被着層が壁紙から成る薄膜体である実施例の断
面図である。
面図である。
【図9】被着層がプラスチックフィルムから成る薄膜体
である実施例の断面図である。
である実施例の断面図である。
【図10】被着層がマット層の両面に積層されている実
施例の断面図である。
施例の断面図である。
【図11】被着層が複数のマット層にサンドイッチ化さ
れてマット層に積層されている実施例の断面図である。
れてマット層に積層されている実施例の断面図である。
【図12】マット層の表面にエンボス加工が施されてい
る実施例の断面図である。
る実施例の断面図である。
10 ヤシ繊維利用資材 12 ヤシ繊維 14 マット層 16 難燃化剤 18 リン系難燃剤 20 ガラスクロス 22 被着層 24 板体 24A 木板 24B 金属板 24C 段ボール 26 薄膜体 26A 壁紙 26B プラスチックフィルム 28 接着剤 30 段ボールのライナー部 32 段ボールの中芯 34 凹凸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 21/10 27/12 8413−4F 27/18 B 8413−4F C09K 21/12 21/14 D04H 1/46 Z 7199−3B D06M 15/423 E04B 1/94 P
Claims (10)
- 【請求項1】 ヤシ繊維を不織布様又は三次元網組織状
に絡み合わせて形成されるマット層から成り、前記マッ
ト層には難燃化剤が付着されていることを特徴とするヤ
シ繊維利用資材。 - 【請求項2】 前記難燃化剤は、有機リン化合物を主成
分とする難燃剤とメラミン樹脂を主成分とする固着剤と
の配合液に、酸性物質を主成分とする硬化促進剤を混合
して成ることを特徴とする請求項1に記載のヤシ繊維利
用資材。 - 【請求項3】 前記難燃化剤は、有機リン化合物を含む
難燃剤と無機質又は非溶融繊維織物とを複合して形成さ
れたシート状の難燃化剤であることを特徴とする請求項
1に記載のヤシ繊維利用資材。 - 【請求項4】 前記マット層に、他の材質から成る被着
層が積層されていることを特徴とする請求項1に記載の
ヤシ繊維利用資材。 - 【請求項5】 前記難燃化剤は、前記マット層に塗布に
より付着されていることを特徴とする請求項1又は請求
項2に記載のヤシ繊維利用資材。 - 【請求項6】 前記難燃化剤は、前記マット層に含浸し
て前記ヤシ繊維を結合するように前記マット層に付着さ
れていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
のヤシ繊維利用資材。 - 【請求項7】 前記難燃化剤は、前記マット層の表面に
積層されることにより前記マット層に付着していること
を特徴とする請求項1又は請求項3に記載のヤシ繊維利
用資材。 - 【請求項8】 前記被着層にも前記難燃化剤が付着され
ていることを特徴とする請求項2に記載のヤシ繊維利用
資材。 - 【請求項9】 前記被着層は、板体であることを特徴と
する請求項4又は請求項8に記載のヤシ繊維利用資材。 - 【請求項10】 前記被着層は、薄膜体であることを特
徴とする請求項4又は請求項8に記載のヤシ繊維利用資
材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27890893A JP3428095B2 (ja) | 1993-10-13 | 1993-10-13 | ヤシ繊維利用資材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27890893A JP3428095B2 (ja) | 1993-10-13 | 1993-10-13 | ヤシ繊維利用資材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07109652A true JPH07109652A (ja) | 1995-04-25 |
JP3428095B2 JP3428095B2 (ja) | 2003-07-22 |
Family
ID=17603775
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27890893A Expired - Fee Related JP3428095B2 (ja) | 1993-10-13 | 1993-10-13 | ヤシ繊維利用資材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3428095B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000054248A (ja) * | 1998-07-30 | 2000-02-22 | National House Industrial Co Ltd | 不織布および建築仕上げ板材 |
EP0964900A4 (en) * | 1996-08-22 | 2000-03-08 | Coir Peat Aust Pty Ltd | IMPROVED ABSORBENT MATERIAL |
US6312803B1 (en) * | 1998-07-30 | 2001-11-06 | Rileys Limited | Process of manufacturing from natural fiber a door closer and stopper which also serves as a scrapper, wiper or mat |
JP2013519003A (ja) * | 2010-02-09 | 2013-05-23 | フェデラル−モーグル パワートレイン インコーポレイテッド | 高いロフトの不織シート材およびその作成方法 |
KR20140078631A (ko) | 2012-11-08 | 2014-06-25 | 요시다후사 오리모노 가부시키가이샤 | 난연성 면상체 및 상기 난연성 면상체를 사용한 유해가스가 발생하기 어려운 깔개 및 상기 유해가스가 발생하기 어려운 깔개의 제조방법 |
KR20200000577A (ko) * | 2018-06-25 | 2020-01-03 | 김갑수 | 경계 식별성 및 난연성이 향상된 실외용 매트 |
-
1993
- 1993-10-13 JP JP27890893A patent/JP3428095B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0964900A4 (en) * | 1996-08-22 | 2000-03-08 | Coir Peat Aust Pty Ltd | IMPROVED ABSORBENT MATERIAL |
JP2000054248A (ja) * | 1998-07-30 | 2000-02-22 | National House Industrial Co Ltd | 不織布および建築仕上げ板材 |
US6312803B1 (en) * | 1998-07-30 | 2001-11-06 | Rileys Limited | Process of manufacturing from natural fiber a door closer and stopper which also serves as a scrapper, wiper or mat |
JP2013519003A (ja) * | 2010-02-09 | 2013-05-23 | フェデラル−モーグル パワートレイン インコーポレイテッド | 高いロフトの不織シート材およびその作成方法 |
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KR20200000577A (ko) * | 2018-06-25 | 2020-01-03 | 김갑수 | 경계 식별성 및 난연성이 향상된 실외용 매트 |
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JP3428095B2 (ja) | 2003-07-22 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |