JPH07109494B2 - 写真感光材料 - Google Patents

写真感光材料

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JPH07109494B2
JPH07109494B2 JP63161899A JP16189988A JPH07109494B2 JP H07109494 B2 JPH07109494 B2 JP H07109494B2 JP 63161899 A JP63161899 A JP 63161899A JP 16189988 A JP16189988 A JP 16189988A JP H07109494 B2 JPH07109494 B2 JP H07109494B2
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    • G03C1/76Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、写真感光材料に関するものであり、支持体と
の接着性、帯電防止性に優れ、特に帯電防止層、下塗層
において凝集異物を生じることのない写真感光材料に関
する。
〔従来の技術〕
写真感光材料(以下、感光材料という)は、一般にプラ
スチックフィルム支持体上に少なくとも1層の写真感光
性層(以下、感光層という)を塗布することにより製造
される。
近年感光材料の製造技術は著しく向上し、例えば下塗層
の塗布スピード、感光層への塗布スピード、裁断、切断
スピードが著しく高速化されたため、製造工程において
静電気が発生しやすくなっている。また同様に、撮影に
おいても、現像処理工程においても高速化の傾向にあ
り、これらの工程においても、静電気が発生しやすくな
っている。
発生した静電気は塵芥を付着させるだけでなく、発生か
著しい場合には火花放電を起こし、感光層にいわゆるス
タッチマークを生じ、致命的な欠陥となる。
感光材料の帯電防止には、従来主として、高分子電解
質、あるいはイオン性の界面活性剤が使用されてきた。
例えばアニオン性高分子電解質としては、カルボン酸、
およびカルボン酸塩、スルホン酸塩を含む高分子で、例
えば特開昭48-22017号、特公昭46-24159号、特開昭51-3
0725号、特開昭51-129216号、特開昭55-95942号に記載
されているような高分子である。カチオン性高分子とし
ては、例えば特開昭49-121523号、特開昭48-91165号、
特公昭49-24582号に記載されているようなものがある。
またイオン性界面活性剤もアニオン性とカチオン性とあ
り、例えば特開昭49-85826号、特開昭49-33630号、米国
特許第2,992,108号、同3,206,312号、特開昭48-87826
号、特公昭49-11567号、特公昭49-11568号、特開昭55-7
0837号等に記載されているような化合物である。
しかしこれらの物質からなる帯電防止剤は、湿度依存性
が大きく、低湿になると必ずしも充分にその機能を果た
さないものが多い。またこれらの化合物は吸湿性が強
く、帯電防止層と乳剤層とを重ね合わせておくと粘着
し、故障の原因となる場合がしばしばあった。またこれ
らの化合物の多くは親水性物質のため、現像処理時に処
理液中に溶出して、処理液中に存在する他の物質と結合
して濁りやスラッジを生じたり、あるいはバック面に他
の物質を吸着してムラを生じたりする。
一方、特開昭56-143443号、特開昭57-104931号、特開昭
57-118242号、特開昭58-62645号等に導電性の金属酸化
物、またはその複合酸化物の微粒子を使用した、更に改
善された帯電防止方法が開示されている。この帯電防止
方法は、導電性金属酸化物からなる帯電防止剤を、親水
性バインダーを含有する水分散液の状態で分散させた帯
電防止層用塗布液により形成される帯電防止層を、支持
体に接着させるために下塗層として、親水性バインダ
ー、および支持体を膨潤させる化合物を含む層を介して
形成している。
〔発明が解決しようとする課題〕
この帯電防止層における導電性金属酸化物は、通常負荷
電状態であり、凝集防止のためにアルカリ処理ゼラチン
がバインダーとして使用されている。一方下塗層形成の
ためには、支持体を構成するエステル類を加水分解させ
ないために、酸の存在下でゼラチンを有機溶媒系に分散
した下塗層用塗布液が使用されているが、下塗層形成後
正荷電が残存していると帯電防止層の電位を中和し、導
電性金属酸化物を凝集させるので、酸としては乾燥温度
より低沸点の酢酸等の弱酸が使用されている。
しかしながら酢酸を使用する場合、分散させるために必
要な電位を得ることができず、そのため下塗層塗布溶液
におけるゼラチンの分散が不安定となり、機械的安定性
が悪く、送液、濾過、塗布機等の工程中でゼラチンが凝
集するという問題がある。
そのため本発明は、特に凝集異物による面質欠陥のない
感光材料を提供することと共に、優れた帯電防止性を有
する感光材料を提供すること、支持体との接着力を損な
うことのない帯電防止層を有する感光材料を提供するこ
と、湿度依存性のない帯電防止層を有する感光材料を提
供することを課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の感光材料は、少なくとも1層の写真感光性層を
有してなる写真感光材料において、プラスチックフィル
ム支持体の少なくとも片面に金属酸化物からなる帯電防
止層を形成するにあたり、該帯電防止層が下塗層を介し
て形成され、該下塗層が、上記支持体を膨潤させる化合
物、および下塗層形成時に乾燥除去しうる酸の存在下、
酸処理ゼラチンを有機溶媒からなる溶媒に分散させた下
塗層用塗布液により形成されることを特徴とするもので
ある。
本発明に使用される酸処理ゼラチンは、周知の製造方法
で作製されるものでよく(例えば「ゼラチン」ニカワ・
ゼラチン工業会編、1987年発行参照)、等電点を5.5以
上、特に7.0以上に調製した酸処理ゼラチンが好まし
い。
またこの酸処理ゼラチンを分散させるために使用される
酸としては、下塗層塗布液を塗布後、乾燥させる温度
(焼く140℃)より低沸点のものが好ましいが、乾燥温
度より高くても除去できればよい。例えば酢酸、サリチ
ル酸、蟻酸、蓚酸等を使用するとよく、特に酢酸を使用
するとよい。
また、支持体を膨潤させる化合物は、支持体の種類によ
って適宜選択されるが、例えばアセトン、レゾルシン、
クロルレゾルシン、メチルレゾルシン、o−クレゾー
ル、m−クレゾール、p−クレゾール、フェノール、o
−フロルフェノール、p−クロルフェノール、ジクロル
フェノール、トリクロルフェノール、モノクロル酢酸、
ジクロル酢酸、トリクロル酢酸、トリフルオル酢酸、包
水クロラール等があげられる。この中で例えば支持体が
ポリエチレンテレフタレートのとき好ましいのはレゾル
シンとp−クロルフェノールであり、セルローストリア
セテートのとき好ましいのは、アセトンとフェノールで
ある。
また、下塗層塗布液を作製するための溶媒としては、
水、メタノール、エタノール、プロパノールのようなア
ルコール類、アセトン、メチルエチルケトンのようなケ
トン類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジオキ
サンのようなグリコールエーテル類等が使用されるが、
有機溶媒を主とした水との混合溶媒を使用するとよい。
分散液はゼラチン0.5〜10重量%、酸0.1〜10重量%を含
有することが好ましい。
この分散物のゼラチン粒子の大きさは、使用するゼラチ
ン、水、酸の種類と量によって決めることができる。ま
た加温する温度、希釈方法、希釈時間によっても変化す
る。ゼラチン粒子の大きさは小さい程分散安定性がよい
が、本発明では20〜1000Åの間が好ましい。
またこの下塗液の塗布量は、3〜20cc/m2の間であれ
ば、密着性が得られるが、好ましくは5〜10cc/m2であ
る。また膜厚は0.005〜0.5μmまでの間で密着性が得ら
れるが、好ましくは0.05〜0.1μmである。
帯電防止層における金属酸化物は、ZnO、TiO2、SnO2、A
l2O3、In2O3、SiO2、MgO、BaO、MoO3の中から選ばれた
少なくとも1種の導電性の結晶性金属酸化物、またはそ
の複合酸化物の微粒子は、体積抵抗率が107Ω・cm、よ
り好ましくは105Ω・cm以下である。またその粒子サイ
ズは0.01〜0.7μm、特に0.02〜0.5μmであることが望
ましい。
また上記結晶性金属酸化物、あるいは複合酸化物の製造
方法については、特開昭56-143430号に詳細に記載され
ているが、第1に金属酸化物微粒子を焼成により作製
し、導電性を向上させる異種原子の存在下で熱処理する
方法、第2に焼成により金属酸化物粒子を製造するとき
に導電性を向上させるための異種原子を共存させる方
法、第3に焼成により金属酸化物微粒子を製造する際
に、雰囲気中の酸素濃度を下げて、酸素欠陥を導入する
方法等が容易である。異種原子を含む例としては、ZnO
に対してAl、In等、TiO2に対してはNb、Ta等、SnO2に対
してSb、Nb、ハロゲン等があげられる。異種原子の添加
量は0.01〜30mol%の範囲が好ましいが、0.1〜10mol%
であれば特に好ましい。
帯電防止層に使用される親水性バインダーとしては、水
溶性ポリマー、セルロースエステル、ラテックスポリマ
ー、水溶性ポリエステル等があげられる。水溶性ポリマ
ーとしてはゼラチン、ゼラチン誘導体、カゼイン、寒
天、アルギン酸ソーダ、澱粉、ポリビニルアルコール、
ポリアクリル酸共重合体、無水マレイン酸共重合体等で
あり、セルロースエステルとしてはカルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシメチルセルロース等である。ラテ
ックスポリマーとしては塩化ビニル含有共重合体、アク
リル酸エステル含有共重合体、酢酸ビニル含有共重合
体、ブタジエン含有共重合体等である。この中で最も好
ましいのはゼラチンである。
導電性微粒子分散液を作製するための溶媒は、例えば
水、メタノール、エタノール、プロパノールのようなア
ルコール類、アセトン、メチルエチルケトンのようなケ
トン類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジオキ
サンのようなグリコールエーテル類等をあげることがで
きる。特に親水性バインダーを使用する場合には、水、
あるいは水と有機溶媒との混合溶媒が好ましい。
帯電防止層における導電性微粒子とバインダーとの混合
割合は、導電性微粒子が少なくなると帯電防止性は悪化
し、一方導電性微粒子量が多くなり、バインダーの量が
少なくなると塗布乾燥後の塗布強度が悪化する。導電性
微粒子とバンダーの混合割合は、それぞれの粒子サイズ
によって異なるが、導電性微粒子の体積含有率で30〜90
%の範囲がよく、より好ましくは50〜80%の範囲であ
る。導電性粒子の使用量は0.05〜5.0g/m2がよく、0.1〜
2.0g/m2が特に好ましい。支持体を膨潤させる化合物の
使用量は、バインダーおよび支持体の種類、また下塗塗
布量により異なるが、0.01〜5.0g/m2がよく、0.05〜1.0
g/m2が特に好ましい。
帯電防止層は、導電性金属酸化物微粒子と親水性バイン
ダーとからなり、支持体上の下塗層上に直接塗布するこ
とにより形成することができるが、あらかじめ支持体を
コロナ放電処理、紫外線処理、グロー放電処理等の表面
処理を施しても得られる性能は変わらず、何等支障はな
い。
本発明における帯電防止層用塗布液、および下塗層用塗
布液は一般によく知られた塗布方法、例えばエアーナイ
フコート法、カーテンコート法、ワイアーバーコート
法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法等
により塗布することができる。
なお帯電防止層用塗布液には、必ずしも親水性バインダ
ーを使用しなくても、金属酸化物微粒子を、下塗層表面
の親水性バインダーを溶解させる水等の溶媒中に分散さ
せて下塗層上に塗布し、溶解した下塗層表面に金属酸化
物微粒子を埋め込む形としてもよい。
更に本発明における帯電防止層は、バック層側、あるい
はハロゲン化銀乳剤層側のいずれかの支持体の少なくと
も片面に設けられる。本発明における帯電防止層は2層
だけで課題を達成することができるが、帯電防止層の上
に更に別の層を設けることもできる。この被覆層には、
帯電防止層と外部の媒体(通常は空気)との光散乱を抑
制する機能を有し、更に帯電防止層の保護層としての機
能を整備させることができるので、本発明の好ましい態
様の1つである。この被覆層は、親水性バインダーでも
疎水性バインダーでもよく、親水性バインダーを被覆す
る場合は更に親水性コロイドからなるハロゲン化銀乳剤
やアンチハレーション層、中間層、バック層等の層に塗
布することが可能である。
この親水性バインダーとしては、ゼラチン、ゼラチン誘
導体、寒天、アルギン酸ソーダ、澱粉、ポリビニルアル
コール、ポリアクリル酸共重合体、無水マレイン酸共重
合体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチル
セルロース等である。疎水性バインダーとしてはセルロ
ースエステル(例えばニトロセルロース、ジアセチルセ
ルロース、トリアセチルセルロース)、塩化ビニル、塩
化ビニルデン、ビニルアクリレート等を含むビニル系ポ
リマー、ポリアミド、ポリエステル等のポリマーであ
る。
また帯電防止層には、塗布助剤(例えばサポニン、ドデ
シルベンゼンスルホン酸等)、また硬化剤等を加えても
何等支障はない。
感光材料の支持体としては、例えばセルローストリアセ
テート、セルロースアセテートブチレート、セルロース
アセテートプロピオネート、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポ
リスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン等、あるい
はこれらの積層物等が使用しうる。特にポリエチレンテ
レフタレート、ポリカーボネート、およびポリエチレン
を支持体としたときに著しい効果が得られる。
また本発明の感光材料は、少なくとも1層の感光層を有
するほかに、必要により中間層、バック層、表面保護
層、受像層等を有していてもよい。
感光層としては、例えば感光性ハロゲン化銀乳剤層をあ
げることができる。ハロゲン化銀乳剤層に使用されるハ
ロゲン化銀の種類、その製法、化学増感剤、カブリ防止
剤、界面活性剤、保護コロイド、硬膜剤、ポリマーラテ
ックス、カラーカプラー、増感色素等については特に制
限はなく、例えばリサーチ・ディスクロージャー誌176
巻、22〜28頁(1978年12月)の記載を参考にすることが
できる。
また中間層、バック層、表面保護層等に関しても特に制
限はなく、上記リサーチ・ディスクロージャー誌記載の
各種添加剤を含有させることができる。
またこれらの塗布方法についても特に制限はなく、上記
リサーチ・ディスクロージャー誌の記載を参考にするこ
とができる。
本発明の感光材料の代表的な例としては、ハロゲン化銀
カラーフィルム、マイクロ用フィルム、直接および間接
X線用フィルム、リスフィルム、一般用黒白フィルム等
をあげることができる。
〔作用〕
帯電防止剤として金属酸化物微粒子を使用する場合、そ
の塗布液をpH7に調整すると金属酸化物微粒子は負荷電
状態で存在する。そのためその塗布液における親水性バ
インダーもアルカリ処理ゼラチンを使用し、負荷電状態
を維持し、凝集を防止している。また金属酸化物からな
る帯電防止層を支持体に接着させるために支持体上にま
ず下塗層が形成される。この下塗層も帯電防止層におけ
る金属酸化物を凝集させないことが要求されるが、感光
材料支持体を加水分解させるようなアルカリ性ではない
状態とする必要がある。
また下塗層においては、支持体との接着性を考慮し有機
溶媒を主とする溶媒が使用されるが、有機溶媒に不溶の
ゼラチンを安定して分散させるためには、2+20mv以上
のゼータ電位を有することが必要である。しかしながら
下塗層形成後もこの電位が残存していると、下塗層上に
形成される帯電防止層の負荷電が中和され、金属酸化物
が凝集し、異物となる。そのために下塗層用塗布液にゼ
ラチンの分散剤として、下塗層の乾燥温度(約140℃)
より低い沸点を有する、例えば酢酸等を使用し、塗布後
には酸を蒸発除去させて残存電位を取り除いている。し
かしながら酢酸のごとき弱酸では、ゼラチンを安定して
分散させるために必要な+20mv以上のゼータ電位が得ら
れないという問題がある。
ところが上記下塗層用塗布液において、等電点を5.5以
上に調製した酸処理ゼラチンを使用することにより、ゼ
ラチンを安定して分散させるために必要な+20mv以上の
ゼータ電位が得られ、ゼラチンを極めて安定して分散さ
せうることを見出した。これにより通常使用されるアル
カリ処理ゼラチンの場合に比して、下塗層における凝集
異物の発生が全く生じない。また塗布後には酢酸等の分
散剤は蒸発除去させることができるので、帯電防止層に
おける金属酸化物をも凝集させることのない感光材料と
なしえるものである。
以下に、実施例をあげて本発明を更に説明する。
〔実施例1〕 (酸化錫−酸化アンチモン複合物分散液の調製) 塩化第2錫水和物230重量部と3塩化アンチモン23重量
部をエタノール3000重量部に溶解し、均一溶液を得た。
この溶液に1Nの水酸化ナトリウム水溶液を前記溶液のpH
が3になるまで滴下し、コロイド状酸化第2錫と酸化ア
ンチモンの共沈澱を得た。得られた共沈澱を50℃に24時
間放置し、赤褐色のコロイド状沈澱を得た。
赤褐色コロイド状沈澱を、遠心分離により分離した。過
剰のイオンを除くため沈澱に水を加え、遠心分離により
水洗した。この操作を3回繰り返し、過剰イオンを除去
した。
過剰イオンを除去したコロイド状沈澱200重量部を水150
0重量部に再分散し、600℃に加熱した焼成炉中に噴霧
し、青味がかった平均粒径0.2μmの酸化錫−酸化アン
チモン複合物の微粒子粉末を得た。この微粒子粉末の比
抵抗は25Ω・cmであった。上記微粒子粉末40重量部と水
60重量部の混合物をpH7.0に調整し、撹拌機で粗分散の
後、横型サンドミル(商品名ダイノミル:WILLYA.BACHOF
EN.AG製)で滞留時間が30分になるまで分散して調整し
た。
(感光材料の作製) 既知の下塗を施した100μmポリエチレンテレフタレー
トの反対面に下記の下塗層用塗布液(A)を乾燥膜厚が
0.1μmになるように塗布し、130℃で30秒間乾燥した。
この上に更に下記の帯電防止層用塗布液(B)を乾燥膜
厚が0.3μmになるように塗布し、130℃で2分間乾燥し
た。この上に更に、下記の被覆層用塗布液(C)を乾燥
膜厚が0.1μmになるように塗布し、130℃で2分間乾燥
した。
次に高感度マイクロ用白黒乳剤を反対面の下塗層上に塗
布した。このようにして得られた写真感材を試料No.1と
する。
〔下塗層用塗布液(A)〕
酸処理ゼラチン(等電点7.0) 1重量部 水 6重量部 酢酸 1重量部 p−クロルフェノール 10重量部 メタノール 82重量部 上記組成の下塗層用塗布液は、まず酸処理ゼラチン、
水、酢酸、p−クロルフェノールを混合し、60℃に加温
して溶解させ、その加温した溶液にメタノールを添加す
ることにより希釈して作製する。
〔帯電防止層用塗布液(B)〕
導電性微粒子分散液 10重量部 ゼラチン 1重量部 水 27重量部 メタノール 62重量部 ポリオキシエチレンノニル フェニルエーテル 0.01重量部 上記組成の帯電防止層用塗布液は、まず導電性微粒子分
散液、ゼラチン、水を混合し、60℃に加温して溶解さ
せ、その加温した溶液に、常温のメタノール、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテルを添加することによ
り希釈して作製する。
〔被覆層用塗布液(C)〕
セルローストリアセテート 1重量部 アセトン 70重量部 メタノール 15重量部 ジクロルメチレン 10重量部 p−クロルフェノール 4重量部 上記組成の被覆層用塗布液は、まずセルローストリアセ
テートをメチレンクロライドに溶解し、5%溶液とし、
これを原液とし、アセトン、メタノール、ジクロルメチ
レン、p−クロルフェノール混合物に添加し作製する。
次に被覆層を除いたほかは試料No.1と同様にして試料N
o.2を作製した。
次に比較のために、下塗層用塗布液Aの酸処理ゼラチン
の代わりに、石灰処理ゼラチン等電点4.5を使用した以
外は同様にして、比較試料No.3を作製した。
以上のようにして試料No.1〜No.3を得たが、感光層を塗
布する前の支持体について表面抵抗、ヘイズ度、帯電防
止性についてそれぞれ測定し、また異物欠陥の個数を評
価し、更に完成した写真感材についてスタチックマーク
の発生を試験した。
試験方法は、以下に説明する方法を使用した。
(表面抵抗の測定) 被覆層塗布済支持体の表面抵抗を、25℃、10%RHの雰囲
気中で絶縁抵抗測定器VE-30型(川口電機(株)製)を
使用して行った。
(ヘイズ度の測定) 帯電防止層、および被覆層塗布液で、乳剤層塗布前の各
試料について積分球式ヘイズメーター(日本精密光学
(株)製SEP−H−S型)で測定した。良好な場合は
○、実用上は問題はないが劣る場合は△、実用上問題が
ある時は×とした。
(異物欠陥の評価) 長さ2m、巾26cmの試料を目視で観察し、100μm以上の
大きさの異物の数を数えた。(感光材料のスタチックマ
ークの評価方法) 25℃、20%RHの雰囲気中、暗室で写真感材の保護層の上
をゴムロールで摩擦し、その後感材をD−72現像液で現
像処理し、スタチックマークの発生の有無を試験した。
以上の方法で試験した結果を表1に示す。
表1から明らかなように本発明の試料No.1とNo.2は、比
較試料No.3に比べ、低い表面抵抗値を有しており、また
スタチックマークの発生がない。また、No.2のヘイズ度
はNo.1に比較して劣るが実用上問題ない。また酸処理ゼ
ラチンを使用しない比較試料No.3は、全面に凝集物によ
る異物欠陥が発生している。
〔実施例2〕 厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートの片面に、
実施例1の下塗層用塗布液(A)と帯電防止層用塗布液
(B)を実施例1と同様に塗布し、130℃で30秒間乾燥
した。この上に更に下記の被覆層用塗布液(D)を膜厚
が0.2μmになるように塗布し、130℃で、30秒間乾燥し
た。裏面には実施例1の被覆用塗布液(C)を直接ポリ
エチレンテレフタレートに膜厚が0.1μmになるように
塗布し、130℃、2分間乾燥させた。次に高感度マイク
ロ用白黒乳剤を被覆層(D)の上に、更に膜厚が5μm
となるように塗布した。このようにして得られた試料を
No.4とする。
〔被覆用塗布液(D)〕
ゼラチン 1重量部 水 1重量部 サリチル酸 0.3重量部 メタノール 98重量部 ゼラチン用硬化剤 0.1重量部 上記組成の被覆用塗布液は、その各成分を一度に混合
し、加温して溶解させることにより作製することができ
る。
次に被覆層(D)を除いたほかは、試料No.4と同様にし
て試料No.5を作製した。また比較のため帯電防止層用塗
布液(B)から分散液を除いたほかは、試料No.4と同様
にして比較試料No.6を、また下塗層用塗布液(A)から
p−クロルフェノールを除いたほかは、試料No.4と同様
にして比較試料No.7を作製した。
以上の様にして、試料No.4〜No.7を得たが、実施例1と
同様に試験し、更に帯電防止層と支持体との接着性、お
よび乳剤塗布後の接着性についても評価した。以下、各
評価方法について説明する。
(帯電防止層と支持体との接着性の評価方法) 試料のバック面を上向きにして固定し、その上を紙の上
に3Kgの荷重を乗せ、定速で摩擦する。摩擦による紙へ
の付着物の量、バック面の剥離の強弱等を肉眼で判定す
る。良好の場合○、実用上問題がある場合×で示す。
(フィルム支持体と乳剤層との接着の評価方法) 乳剤塗布後、および処理(現像、定着、水洗)後の接着
力試験は3〜5mm間隔に縦横6本の切り目をナイフで入
れ、5×5個のます目を作り、ここにテープを付着させ
て剥がし、剥離した乳剤層のます目の数をかぞえる。ま
す目の数が0のものをAクラス、1〜2のものをA′ク
ラス、3〜4のものをBクラス、これ以下をCクラスと
する。
処理液中での接着力試験は、乳剤塗布ベースの末端を指
で強く15回繰り返し擦り、末端より剥離した長さが0mm
をAクラス、1〜2mmをA′クラス、2〜4mmのものをB
クラス、これ以下をCクラスとする。
処理液として現像液にはD−72(イーストマンコダック
処方)を、定着液にはF−25(イーストマンコダック処
方)を使用して皿現像処理方法によって試験した。
以上の方法で試験した結果を表2に示す。
表2から明らかなように、本発明の試料No.4とNo.5はフ
ィルム支持体、また乳剤とも接着力がすぐれ、スタチッ
クマークの発生もない。被覆層のないNo.5はヘイズ度で
No.4に劣るが、実用上問題はない。p−クロルフェノー
ルを含まないものは接着性を劣り、導電性粒子を含まな
いものは帯電防止性に劣る。
〔実施例3〕 実施例1の下塗層用塗布液(A)のp−クロルフェノー
ルの代わりに、レゾルシンを使用したほかは、実施例1
と同様にして試料No.8を作製し、得られた写真感材につ
いて上記実施例と同様にて、接着性とスタチックマーク
の発生を試験したところ、接着性がすぐれ、スタチック
マークの発生もなかった。
〔実施例4〕 既知の下塗を施した100μmのポリエチレンテレフタレ
ート支持体上の反対面に、実施例1の下塗層用塗布液
(A)と帯電防止層用塗布液をNo.1と同様に塗布乾燥
し、被覆層塗布済支持体を得た。
次に帯電防止層用塗布液(B)を塗布した面に、下記の
処方を含有したバック層を形成した。既知の下塗の上に
高感度マイクロ用白黒乳剤を塗布して試料No.9を得た。
また既知の下塗を施した100μmのポリエチレンテレフ
タレート支持体の反対面に、実施例1の下塗層用塗布液
(A)と帯電防止層用塗布液(B)をNo.1と同様に塗布
乾燥し、130℃で2分間乾燥した。試料No.9と同様に被
覆層の上に下記の処方を含有させたバック層を形成し、
次に既知の下塗の上に高感度マイクロ用白黒乳剤を塗布
して試料No.10を得た。
得られた試料No.9とNo.10について、実施例2と同様に
接着性とスタチックマークの発生を試験したところ、実
施例2の試料No.4、及びNo.5と同様に接着性がすぐれ、
スタチックマークの発生もなかった。
(バック層処方) ゼラチン 5g/m2 平均粒径3.0〜4.0のポリメチルメタアクリレート0.01g/
m2 p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.03g/m2 2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−S−トリアジン・ナ
トリウム塩 0.06g/m2 下記染料(1) 0.1g/m2 〃 (2) 0.1g/m2 〃 (3) 0.1g/m2 〔発明の効果〕 本発明は、金属酸化物からなる帯電防止層を支持体に接
着させるための下塗層を、支持体を膨潤させる化合物、
および下塗層形成時に乾燥除去しうる酸の存在下、酸処
理ゼラチンを有機溶媒からなる溶媒に分散させた下塗層
用塗布液により形成することにより、下塗層における凝
集異物の発生を防止することができると共に、帯電防止
層における凝集異物の発生を防止することができ、更に
支持体との接着性、帯電防止性においても優れた感光材
料となしえるものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1層の写真感光性層を有してな
    る写真感光材料において、プラスチックフィルム支持体
    の少なくとも片面に金属酸化物からなる帯電防止層を形
    成するにあたり、該帯電防止層が下塗層を介して形成さ
    れ、該下塗層が、上記支持体を膨潤させる化合物、およ
    び下塗層形成時に乾燥除去しうる酸の存在下、酸処理ゼ
    ラチンを有機溶媒からなる溶媒に分散させた下塗層用塗
    布液により形成されることを特徴とする写真感光材料。
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