JPH07109175B2 - アイドル回転速度の持続振動抑制方法 - Google Patents
アイドル回転速度の持続振動抑制方法Info
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- JPH07109175B2 JPH07109175B2 JP61162821A JP16282186A JPH07109175B2 JP H07109175 B2 JPH07109175 B2 JP H07109175B2 JP 61162821 A JP61162821 A JP 61162821A JP 16282186 A JP16282186 A JP 16282186A JP H07109175 B2 JPH07109175 B2 JP H07109175B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- engine
- ignition timing
- idle
- control
- rotation speed
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- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、自動車のアイドル回転速度の持続振動抑制
方法に関する。
方法に関する。
(従来の技術) 従来、自動車のアイドル回転速度の制御は、目標回転数
に対する実回転数の誤差をもとにしたフィードバック制
御を用いて、混合気量、燃料、点火時期を制御して回転
数を一定に保つものである。すなわち、エンジンの回転
数が所定値より下がったら上げる向きに或いは下がりそ
うになったら上げる向きに、スロットルを開いたり、点
火時期を進めるようになっていて、エンジンの状態が変
化したらそれをキャンセルする向きに制御している。
に対する実回転数の誤差をもとにしたフィードバック制
御を用いて、混合気量、燃料、点火時期を制御して回転
数を一定に保つものである。すなわち、エンジンの回転
数が所定値より下がったら上げる向きに或いは下がりそ
うになったら上げる向きに、スロットルを開いたり、点
火時期を進めるようになっていて、エンジンの状態が変
化したらそれをキャンセルする向きに制御している。
(発明が解決しようとする問題点) 従来のアイドル速度の制御方法は、回転数を目標値にお
いて、それに対する回転数が落ちたか上がったかで、回
転数が復帰するまでエア,混合気の量や点火時期をコン
トロールするものであった。
いて、それに対する回転数が落ちたか上がったかで、回
転数が復帰するまでエア,混合気の量や点火時期をコン
トロールするものであった。
かかる方法によれば、確かに負荷がかかって回転数が落
ちたときとか、負荷がなくなって回転数が上がったとき
に対して回転数を元に戻すことはできる。
ちたときとか、負荷がなくなって回転数が上がったとき
に対して回転数を元に戻すことはできる。
ところで、近年問題になっているのに、アイドル運転時
の持続振動がある。アイドル運転時の持続振動というの
は、系の固有振動である。それはアイドル回転数がフラ
フラして、エンジンが割と大き目にハンチングするとい
う現象である。これに対して、一般的なアイドルスピー
ドコントロールシステムでは、うまくキャンセルできな
い。それは、スロットルコントロールでエアを増して
も、それがトルクになるまでの時間遅れがあり、系の持
っている不安定さをカバーしきれず、自分の固有振動数
でどんどん発散していって大きな振幅になる。エンジン
の持っている振動数というのは、マニホールドボリュー
ムと、エンジンが燃料を吸いこんで爆発させて、それが
トルクになるまでの遅れ時間という伝達関数的な遅れで
もってできる振動数である。それは、600rpm位のアイド
ルでの現象であって、コンマ何ヘルツという振動であ
り、これは燃焼サイクル,クランク角の位相とも関係が
なく、一時振動、二次振動とも無関係である。アイドル
時に発振するとき、何がもっとも関係しているかという
と、エンジンがトルクを出してそれがエンジン自身を加
速し、加速した結果、回転数が上がればブーストが下が
るから、マニホールドの圧も下がって、エンジンのトル
クが変わって来る。また、燃料制御装置がそれを検出し
て、それに合った燃料を出すのに遅れが出る。これらが
複雑に絡み合ったあげくに、回転数と空気量の値と燃料
量の値とがある位相差をもった状態で周期的な変動が存
在することで持続振動になる。
の持続振動がある。アイドル運転時の持続振動というの
は、系の固有振動である。それはアイドル回転数がフラ
フラして、エンジンが割と大き目にハンチングするとい
う現象である。これに対して、一般的なアイドルスピー
ドコントロールシステムでは、うまくキャンセルできな
い。それは、スロットルコントロールでエアを増して
も、それがトルクになるまでの時間遅れがあり、系の持
っている不安定さをカバーしきれず、自分の固有振動数
でどんどん発散していって大きな振幅になる。エンジン
の持っている振動数というのは、マニホールドボリュー
ムと、エンジンが燃料を吸いこんで爆発させて、それが
トルクになるまでの遅れ時間という伝達関数的な遅れで
もってできる振動数である。それは、600rpm位のアイド
ルでの現象であって、コンマ何ヘルツという振動であ
り、これは燃焼サイクル,クランク角の位相とも関係が
なく、一時振動、二次振動とも無関係である。アイドル
時に発振するとき、何がもっとも関係しているかという
と、エンジンがトルクを出してそれがエンジン自身を加
速し、加速した結果、回転数が上がればブーストが下が
るから、マニホールドの圧も下がって、エンジンのトル
クが変わって来る。また、燃料制御装置がそれを検出し
て、それに合った燃料を出すのに遅れが出る。これらが
複雑に絡み合ったあげくに、回転数と空気量の値と燃料
量の値とがある位相差をもった状態で周期的な変動が存
在することで持続振動になる。
エンジン制御で、エンジンから空気量とか負荷情報とか
の情報をコンピュータが取り込み、その情報に応じて燃
料や、スロットル開度やイグニッションタイミングをコ
ントロールするというのが行われている。従って、付加
変動に対して回転を安定させる効果はあるが、アイドル
回転数の持続振動でエンジンの系が持つ固有振動に起因
するものに対しては、応答性の面等から効果が薄い、と
いう問題点がある。
の情報をコンピュータが取り込み、その情報に応じて燃
料や、スロットル開度やイグニッションタイミングをコ
ントロールするというのが行われている。従って、付加
変動に対して回転を安定させる効果はあるが、アイドル
回転数の持続振動でエンジンの系が持つ固有振動に起因
するものに対しては、応答性の面等から効果が薄い、と
いう問題点がある。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、上記問題点を解決したエンジンのアイドル回
転速度の持続振動抑制方法の提供を目的としていて、回
転速度変動,目的速度からの偏差,吸気管内圧の変動等
の状態量に関係なく、点火時期制御系や燃料供給系等に
対して、アイドル回転時におけるエンジンの固有振動数
の数倍〜10倍の固定周期変動を強制的に与えることを特
徴とする。
転速度の持続振動抑制方法の提供を目的としていて、回
転速度変動,目的速度からの偏差,吸気管内圧の変動等
の状態量に関係なく、点火時期制御系や燃料供給系等に
対して、アイドル回転時におけるエンジンの固有振動数
の数倍〜10倍の固定周期変動を強制的に与えることを特
徴とする。
(作用) エンジンがアイドル状態にあると、点火時期制御系又は
燃料供給系に対して、アイドル回転時におけるエンジン
の固有振動数の数倍〜10倍の固定周期変動が強制的に与
えられる。コンピュータから演算出力される制御のパラ
メータに一定のパターンでサイクリックに変化する値で
変調をかけると、系が、上記の変調の周波数に従って強
制振動させられるので、エンジンが元々有している固有
振動が出て来なくなる。
燃料供給系に対して、アイドル回転時におけるエンジン
の固有振動数の数倍〜10倍の固定周期変動が強制的に与
えられる。コンピュータから演算出力される制御のパラ
メータに一定のパターンでサイクリックに変化する値で
変調をかけると、系が、上記の変調の周波数に従って強
制振動させられるので、エンジンが元々有している固有
振動が出て来なくなる。
(構成) 以下、図示の実施例に基づいて本発明を詳細に説明す
る。
る。
第1図において、コンピュータからなるコントロールユ
ニット1には、エンジン2からの種々の情報が印加され
ている。吸気量を検知するエアフローセンサ3,吸気温度
を検知する吸気温センサ4,スロットルバルブ5がアイド
ル位置にあるときアイドル信号を出力するアイドルスイ
ッチ6,冷却水の温度を検知する水温センサ7,車速を検知
する車速センサ8,クランク軸に連結されていて、クラン
ク角パルスを出力する第1クランク角センサ9・エンジ
ンの回転数演算を兼ねていて基準クランク角信号を出力
する第2クランク角センサ10,気筒の識別信号を出力す
る気筒識別センサ11のそれぞれの出力信号はコントロー
ルユニット1に印加される。また、コントロールユニッ
ト1には、エアコン等の負荷オンによる負荷信号も印加
される。スロットルバルブ5のバイパス通路12には、ア
イドルスピードコントロールバルブ13が配置されてい
る。このバルブ13は、コントロールユニット1から出力
される制御信号によりその位置を制御されるステッパモ
ータ14によってその開度をコントロールされる。
ニット1には、エンジン2からの種々の情報が印加され
ている。吸気量を検知するエアフローセンサ3,吸気温度
を検知する吸気温センサ4,スロットルバルブ5がアイド
ル位置にあるときアイドル信号を出力するアイドルスイ
ッチ6,冷却水の温度を検知する水温センサ7,車速を検知
する車速センサ8,クランク軸に連結されていて、クラン
ク角パルスを出力する第1クランク角センサ9・エンジ
ンの回転数演算を兼ねていて基準クランク角信号を出力
する第2クランク角センサ10,気筒の識別信号を出力す
る気筒識別センサ11のそれぞれの出力信号はコントロー
ルユニット1に印加される。また、コントロールユニッ
ト1には、エアコン等の負荷オンによる負荷信号も印加
される。スロットルバルブ5のバイパス通路12には、ア
イドルスピードコントロールバルブ13が配置されてい
る。このバルブ13は、コントロールユニット1から出力
される制御信号によりその位置を制御されるステッパモ
ータ14によってその開度をコントロールされる。
各種センサからの情報は、インターフェースを介してコ
ントロールユニット1に取り込まれる。コントロールユ
ニット1は、取り込んだデータに基づいて基本制御量と
しての点火時期αをマップから選択し、これをパワート
ランジスタ15に向けて出力する。パワートランジスタ15
とコントロールユニット1との間には、カウンタ(プリ
セットカウンタ)16が配設されている。第1クランク角
センサ9によるクランク角1度毎のクランク角パルス
と、第2クランク角センサ10による基準クランク角信号
は、カウンタ16にも印加される。(なお、第1クランク
角センサ9を備えない場合、カウンタ16にはクランク角
パルスの代りにクロックパルス(1μs)が印加され
る。) また、カウンタ16に印加される点火時期(α)は、アイ
ドルスイッチ6がオンしているとき、発振器17によって
変調される。発振器17は、sinωtの周期で発振する。
周波数ωとしては、系の固有振動数に対して、数倍から
10倍(望ましくは3〜6倍)程度のものが選ばれる。従
って、ベースとして出力された点火時期αは、α=α+
Ksinωt(Kは点火時期の振り巾であって、例えば10゜
とする)で変動させられる。これについての詳細は後述
する。第1図において、符号18はイグニッションコイル
を、同19はディストリビュータを、同20は点火プラグを
それぞれ示している。
ントロールユニット1に取り込まれる。コントロールユ
ニット1は、取り込んだデータに基づいて基本制御量と
しての点火時期αをマップから選択し、これをパワート
ランジスタ15に向けて出力する。パワートランジスタ15
とコントロールユニット1との間には、カウンタ(プリ
セットカウンタ)16が配設されている。第1クランク角
センサ9によるクランク角1度毎のクランク角パルス
と、第2クランク角センサ10による基準クランク角信号
は、カウンタ16にも印加される。(なお、第1クランク
角センサ9を備えない場合、カウンタ16にはクランク角
パルスの代りにクロックパルス(1μs)が印加され
る。) また、カウンタ16に印加される点火時期(α)は、アイ
ドルスイッチ6がオンしているとき、発振器17によって
変調される。発振器17は、sinωtの周期で発振する。
周波数ωとしては、系の固有振動数に対して、数倍から
10倍(望ましくは3〜6倍)程度のものが選ばれる。従
って、ベースとして出力された点火時期αは、α=α+
Ksinωt(Kは点火時期の振り巾であって、例えば10゜
とする)で変動させられる。これについての詳細は後述
する。第1図において、符号18はイグニッションコイル
を、同19はディストリビュータを、同20は点火プラグを
それぞれ示している。
第2図において、点火時期によるアイドル制御を説明す
る。コントロールユニット1は、ステップa1において上
記した各センサからの情報を読み込んでこれを演算し、
ステップa2においてエンジン状態に応じた点火時期αを
マップから読み取りこれを設定する。ステップa3におい
て、アイドルスイッチ6がオンしているか否かを判断す
る。アイドルスイッチ6がオンしていないと、マップで
選択された点火時期αを出力して回転制御を実行する。
ステップa3において、アイドルスイッチ6がオンしてい
て、アイドル状態が検知されていると、ステップa4にお
いて点火時期αを、α=α+Ksinωtに変調し、ステッ
プa5において変調した点火時期を出力する。
る。コントロールユニット1は、ステップa1において上
記した各センサからの情報を読み込んでこれを演算し、
ステップa2においてエンジン状態に応じた点火時期αを
マップから読み取りこれを設定する。ステップa3におい
て、アイドルスイッチ6がオンしているか否かを判断す
る。アイドルスイッチ6がオンしていないと、マップで
選択された点火時期αを出力して回転制御を実行する。
ステップa3において、アイドルスイッチ6がオンしてい
て、アイドル状態が検知されていると、ステップa4にお
いて点火時期αを、α=α+Ksinωtに変調し、ステッ
プa5において変調した点火時期を出力する。
第1図に基づいてこれをいま少し詳しく説明すると、各
種センサの情報によってベースとなる点火時期αがマッ
プから選ばれる。一方、発振器17は、sinωtで発振し
ているが、アイドル状態でない限りこの信号は点火時期
αには加算されない。そして、アイドル状態が検知され
ると、ベースの点火時期αは、発進器17による一定周期
の外乱を加算されて、ベースαを中心として(α+Ksin
ωt)で強制的に変動させられる。この変動させられた
データαはカウンタ16の初期値にセットされる。このデ
ータαは、第2クランク角センサ10による基準クランク
角信号が入力された時点から第1クランク角センサ9か
らのクランク角パルスが入力される度に減じられ、その
後、カウンタ16の値が0になった時点でパワートランジ
スタ15がオフとなり、点火火花が発生する。カウンタ16
にセットされる点火時期αの値は、基準クランク角信号
の入力の度に、Ksinωtの一定周期で変化させられるか
ら、最終的に出力される点火時期の制御量は、この変化
に応じて、K(10゜)の振り巾の範囲で周期的に進んだ
り遅れたりする。従って、強制的な固定の周期変動を与
えられた点火時期が周期的に変動することによって、エ
ンジンは、その系が持つ固有の振動数ではなく、強制的
に変動された振動数によって心配されて小さい振幅で振
動させられる。このとき、周波数ωとしては、系の固有
振動数に対して数倍から大きくとも10倍程度(望ましく
は3〜6倍)とするのがよい。周波数ωが固有振動数に
近いと共振してより大きな系の振動が発生し、逆に大き
過ぎると系の固有振動が重ね合わせた形で現れたり、強
制外乱に対してエンジンが追従しきれなくなり、系の固
有振動数で振動するようになる。
種センサの情報によってベースとなる点火時期αがマッ
プから選ばれる。一方、発振器17は、sinωtで発振し
ているが、アイドル状態でない限りこの信号は点火時期
αには加算されない。そして、アイドル状態が検知され
ると、ベースの点火時期αは、発進器17による一定周期
の外乱を加算されて、ベースαを中心として(α+Ksin
ωt)で強制的に変動させられる。この変動させられた
データαはカウンタ16の初期値にセットされる。このデ
ータαは、第2クランク角センサ10による基準クランク
角信号が入力された時点から第1クランク角センサ9か
らのクランク角パルスが入力される度に減じられ、その
後、カウンタ16の値が0になった時点でパワートランジ
スタ15がオフとなり、点火火花が発生する。カウンタ16
にセットされる点火時期αの値は、基準クランク角信号
の入力の度に、Ksinωtの一定周期で変化させられるか
ら、最終的に出力される点火時期の制御量は、この変化
に応じて、K(10゜)の振り巾の範囲で周期的に進んだ
り遅れたりする。従って、強制的な固定の周期変動を与
えられた点火時期が周期的に変動することによって、エ
ンジンは、その系が持つ固有の振動数ではなく、強制的
に変動された振動数によって心配されて小さい振幅で振
動させられる。このとき、周波数ωとしては、系の固有
振動数に対して数倍から大きくとも10倍程度(望ましく
は3〜6倍)とするのがよい。周波数ωが固有振動数に
近いと共振してより大きな系の振動が発生し、逆に大き
過ぎると系の固有振動が重ね合わせた形で現れたり、強
制外乱に対してエンジンが追従しきれなくなり、系の固
有振動数で振動するようになる。
第4図において、点火時期を一定周期で振った場合と、
振らない場合との比較を説明する。同図(a)において
破線A1は、BTDC15゜に固定した点火時期IG.TIM.を示し
ている。点火時期を固定したときの、燃料噴射周期INJ.
PERIODは、破線A2で示すように3.1〜3.4msecの間で振
れ、クランクシャフトもそれに僅かに遅れて破線A3で示
すように550〜680rpmの間で変動している。また、吸気
圧MAP(マニホールドエアプレッシャ)も線A4で示すよ
うに、185〜235mm/Hgの間で振動し、空燃比(A/F)A5も
大きく振れている。すなわち、4サイクルを1秒とする
と、クランクレボリューションは、550〜680rpmの間を
2〜3秒のゆっくりとした周期でもって変動しているこ
とが判る。従って、アイドル状態を続けると、エンジン
は、それ自身の有する固有振動数で振動することにな
る。
振らない場合との比較を説明する。同図(a)において
破線A1は、BTDC15゜に固定した点火時期IG.TIM.を示し
ている。点火時期を固定したときの、燃料噴射周期INJ.
PERIODは、破線A2で示すように3.1〜3.4msecの間で振
れ、クランクシャフトもそれに僅かに遅れて破線A3で示
すように550〜680rpmの間で変動している。また、吸気
圧MAP(マニホールドエアプレッシャ)も線A4で示すよ
うに、185〜235mm/Hgの間で振動し、空燃比(A/F)A5も
大きく振れている。すなわち、4サイクルを1秒とする
と、クランクレボリューションは、550〜680rpmの間を
2〜3秒のゆっくりとした周期でもって変動しているこ
とが判る。従って、アイドル状態を続けると、エンジン
は、それ自身の有する固有振動数で振動することにな
る。
これを確認するために、実線B1で示すように、クランク
リボリューションの周期(破線A3)に近い周期でイグニ
ッションタイミングを強制的に変動させたところ、燃料
噴射周期が実線B2で示すように大きく変動すると共にク
ランクリボリューションも実線B3で示すように250〜680
rpmの間で更に大きい振幅で振動した。これは固有振動
数に近い外乱を与えたために、エンジンが共振を起した
ものである。
リボリューションの周期(破線A3)に近い周期でイグニ
ッションタイミングを強制的に変動させたところ、燃料
噴射周期が実線B2で示すように大きく変動すると共にク
ランクリボリューションも実線B3で示すように250〜680
rpmの間で更に大きい振幅で振動した。これは固有振動
数に近い外乱を与えたために、エンジンが共振を起した
ものである。
第4図(b)において、実線C1で示すように、イグニッ
ションタイミングをB1の周波数の3〜4倍の周波数で振
ることによって強制的な外乱を与えたところ、燃料噴射
周期が実線C2で示すように安定すると共に、クランクリ
ボリューションも実線C3で示すように短い周期で且つ小
さい振幅で安定した。また、吸気圧MAP,空燃比A/Fにつ
いても実線実線C4,C5で示すように、理想的な振幅の範
囲に収まっていることが判る。これは、点火時期を、エ
ンジン固有の振動数に対して3倍から4倍程度の周期で
変動させたことによって、系の振動が強制的な振動に引
きずられて振動したことを現わしている。なお、点火時
期の周波数を固有振動数の10倍以上に上げていくと、強
制外乱にエンジンが追従できなくなって、最終的には固
有振動数で振動するようになる。
ションタイミングをB1の周波数の3〜4倍の周波数で振
ることによって強制的な外乱を与えたところ、燃料噴射
周期が実線C2で示すように安定すると共に、クランクリ
ボリューションも実線C3で示すように短い周期で且つ小
さい振幅で安定した。また、吸気圧MAP,空燃比A/Fにつ
いても実線実線C4,C5で示すように、理想的な振幅の範
囲に収まっていることが判る。これは、点火時期を、エ
ンジン固有の振動数に対して3倍から4倍程度の周期で
変動させたことによって、系の振動が強制的な振動に引
きずられて振動したことを現わしている。なお、点火時
期の周波数を固有振動数の10倍以上に上げていくと、強
制外乱にエンジンが追従できなくなって、最終的には固
有振動数で振動するようになる。
以上の説明は、点火時期を周期的に変動させた例である
が、強制的な固定周期変動としては、点火時期の制御に
限らず、燃料供給系に強制外乱を付加してもよい。この
例を第3図に基づいて説明する。ステップb1で各種セン
サからの情報読込みを行ない、ステップb2でベースとな
る空燃比Tを設定する。ステップb3でアイドルスイッチ
がオンか否かの判断をし、オンでなければ、設定された
インジェクションパルスをステップb4で出力する。アイ
ドルスイッチがオンの場合には、ステップb2で設定され
たベースとしての空燃比Tを、T=T(1+Ksinωt)
に変調する。この変調されたインジェクションパルス
は、ステップb6において出力される。すなわち、コント
ロールユニットが設定したインジェクションのパルス巾
に、時間的に(1+Ksinωt)で変動する値を掛け算す
ることによって、インジェクションパルスの巾を変動さ
せて、固定周期変動を与える。通常インジェクションパ
ルスは、エンジンの状態が同じであって空気量が同じで
あれば、同じ巾が出し続けられる。このパルス巾に対し
て変調を掛ければ外乱を与えたことになる。例えば、あ
る時点でパルス巾を1msecで噴射したとすると、次から
は1.2msec,1.4msec…1msec,0.8msecというように、周期
的に変調させる。
が、強制的な固定周期変動としては、点火時期の制御に
限らず、燃料供給系に強制外乱を付加してもよい。この
例を第3図に基づいて説明する。ステップb1で各種セン
サからの情報読込みを行ない、ステップb2でベースとな
る空燃比Tを設定する。ステップb3でアイドルスイッチ
がオンか否かの判断をし、オンでなければ、設定された
インジェクションパルスをステップb4で出力する。アイ
ドルスイッチがオンの場合には、ステップb2で設定され
たベースとしての空燃比Tを、T=T(1+Ksinωt)
に変調する。この変調されたインジェクションパルス
は、ステップb6において出力される。すなわち、コント
ロールユニットが設定したインジェクションのパルス巾
に、時間的に(1+Ksinωt)で変動する値を掛け算す
ることによって、インジェクションパルスの巾を変動さ
せて、固定周期変動を与える。通常インジェクションパ
ルスは、エンジンの状態が同じであって空気量が同じで
あれば、同じ巾が出し続けられる。このパルス巾に対し
て変調を掛ければ外乱を与えたことになる。例えば、あ
る時点でパルス巾を1msecで噴射したとすると、次から
は1.2msec,1.4msec…1msec,0.8msecというように、周期
的に変調させる。
また、インジェクションパルス巾の変動に代えて、空気
吸入量を一定の周期で変動させてもよい。この場合、ア
イドルスピードコントロールバルブ13(第1図参照)を
段階的に開閉する。
吸入量を一定の周期で変動させてもよい。この場合、ア
イドルスピードコントロールバルブ13(第1図参照)を
段階的に開閉する。
以上の説明では、エンジンがアイドル状態にあることを
検出されたときに、強制外乱を付加したが、アイドル状
態に限定することなく、常時印加してもよく、或いはア
イドル時とスロットル開度が小さい領域に限定してもよ
い。
検出されたときに、強制外乱を付加したが、アイドル状
態に限定することなく、常時印加してもよく、或いはア
イドル時とスロットル開度が小さい領域に限定してもよ
い。
(発明の効果) 以上のように、本発明は、エンジンからの各種情報を取
り込んだコントロールユニットが基本としての制御量例
えば点火時期や燃料量を設定する一方で発振器が一定の
周期変動を発生させていて、エンジンのアイドル状態が
判定されたとき、上記発振器のデータを基本の制御量に
強制的に加算するか乗ずることによって、周期的に変動
する制御量に変えて出力する。すると、エンジンは、外
乱によって周期変動する周波数でしかも小さい振幅で振
動し、エンジン固有の振動数では振動し得ないから、ア
イドル回転の持続振動が抑えられることになる。
り込んだコントロールユニットが基本としての制御量例
えば点火時期や燃料量を設定する一方で発振器が一定の
周期変動を発生させていて、エンジンのアイドル状態が
判定されたとき、上記発振器のデータを基本の制御量に
強制的に加算するか乗ずることによって、周期的に変動
する制御量に変えて出力する。すると、エンジンは、外
乱によって周期変動する周波数でしかも小さい振幅で振
動し、エンジン固有の振動数では振動し得ないから、ア
イドル回転の持続振動が抑えられることになる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明を実施するアイドル回転制御システムの
一例を示す概略構成図、第2図は点火時期制御によるア
イドル制御ルーチンを示すフローチャート、第3図はイ
ンジェクションパルス巾制御によるアイドル制御ルーチ
ンを示すフローチャート、第4図(a)は点火時期を一
定に保った時と、そのときの振動に近い周波数で点火時
期を変動させた時の振動を説明するためのグラフ、第4
図(b)はエンジンの固有振動数の3〜6倍の振動数で
点火時期を変動させた時の振動を説明するためのグラフ
である。 1……コントロールユニット、2……エンジン、17……
発振器、18……イグニッションコイル、19……ディスト
リビュータ。
一例を示す概略構成図、第2図は点火時期制御によるア
イドル制御ルーチンを示すフローチャート、第3図はイ
ンジェクションパルス巾制御によるアイドル制御ルーチ
ンを示すフローチャート、第4図(a)は点火時期を一
定に保った時と、そのときの振動に近い周波数で点火時
期を変動させた時の振動を説明するためのグラフ、第4
図(b)はエンジンの固有振動数の3〜6倍の振動数で
点火時期を変動させた時の振動を説明するためのグラフ
である。 1……コントロールユニット、2……エンジン、17……
発振器、18……イグニッションコイル、19……ディスト
リビュータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−15640(JP,A) 特開 昭59−34437(JP,A) 特開 昭60−1350(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】エンジンの点火時期制御系や燃料供給系等
に対して、アイドル回転時におけるエンジンの固有振動
数の数倍〜10倍の強制的な固定周期変動を与えることを
特徴とするアイドル回転速度の持続振動抑制方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61162821A JPH07109175B2 (ja) | 1986-07-10 | 1986-07-10 | アイドル回転速度の持続振動抑制方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61162821A JPH07109175B2 (ja) | 1986-07-10 | 1986-07-10 | アイドル回転速度の持続振動抑制方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6318159A JPS6318159A (ja) | 1988-01-26 |
JPH07109175B2 true JPH07109175B2 (ja) | 1995-11-22 |
Family
ID=15761868
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61162821A Expired - Lifetime JPH07109175B2 (ja) | 1986-07-10 | 1986-07-10 | アイドル回転速度の持続振動抑制方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07109175B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7089652B2 (ja) * | 2018-03-13 | 2022-06-23 | 太啓建設株式会社 | コンクリート養生シート |
-
1986
- 1986-07-10 JP JP61162821A patent/JPH07109175B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6318159A (ja) | 1988-01-26 |
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