JPH07109040B2 - アルミニウム合金製ホイ−ルリム及びその製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金製ホイ−ルリム及びその製造方法

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JPH07109040B2 JP29880586A JP29880586A JPH07109040B2 JP H07109040 B2 JPH07109040 B2 JP H07109040B2 JP 29880586 A JP29880586 A JP 29880586A JP 29880586 A JP29880586 A JP 29880586A JP H07109040 B2 JPH07109040 B2 JP H07109040B2
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    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
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    • C25D11/00Electrolytic coating by surface reaction, i.e. forming conversion layers
    • C25D11/02Anodisation
    • C25D11/04Anodisation of aluminium or alloys based thereon
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、例えば自転車用のアルミニウム合金製ホイー
ルリム及びその製造方法に関するものである。
【従来技術とその問題点】
例えば、自動車用のアルミニウム合金製のホイール(以
下、単にホイール)は、そのホイール構造によって、1
ピーク、2ピース、又は3ピースの3タイプに類別され
る。 1ピースタイプのホイールは、ホイールリム及びディス
ク等の一体構造として鋳造あるいは鍛造で作られ、材質
的には通常Al−Si系合金からなる。 しかし、このタイプのホイールは、鋳造技術上の制約が
あり、薄肉軽量化には限界があり、かつ、表面処理によ
って素材マトリックス中に存在する晶出Si粒子のために
鮮明なる色彩もしくは光沢を得ることが難しいものであ
る。 一方、2ピース又は3ピースタイプのホイールは、ホイ
ールリムとディスクとが夫々別々に製造され、ホイール
リムは、アルミニウム展伸材をロール成形又はヘラ絞り
成形(スピニング成形)することによって作られ、材質
的には、一般的にJIS−A 5052、JIS−A 5154といったAl
−Mg系合金からなり、又、ディスクは鋳造等で作られ
る。 そして、これらホイールリムとディスクは、ボルト又は
熔接によって結合され、ホイールとして一体化されるの
である。 このような2ピース又は3ピースのタイプのホイール
は、1ピースタイプのホイールに比べて、同程度の強度
を得るのであればより軽量であり、かつ、表面処理性に
優れ、鮮明なる色彩もしくは色調を得ることが可能であ
り、ファッション性に対する自由度が高い特長があると
言われている。 すなわち、従来、2ピース又は3ピースタイプのホイー
ル用のリムは、ホイール材を切断、打抜き、ロール成形
又はヘラ絞り成形等によって所定形状のリムに製造した
後、バフ研摩、化学研摩、陽極酸化、塗装、電解着色も
しくは染色して、例えばホワイト、シルバー、ブラッ
ク、ゴールド又はワイン色のような色調にされているの
である。 又、長年にわたってトリム、バンパー、モールといった
鋼製の自動車用部材にクロムメッキされたものが使用さ
れてきており、その適度な光沢を有し、メタリックな鏡
面を示す外観が自動車愛好家に好まれ、かつ要求される
傾向にある。 この要求をホイールリムに対して満たすため、表面にク
ロムメッキを試みている例もあるが、即ちリムをシンジ
ケート処理し、その後Cu,Ni等を10〜20μmの厚みに下
地メッキし、その後0.2〜0.3μm厚のCrメッキをして鏡
面を得ているわけであるが、この場合には次のような問
題がある。 すなわち、20μm程度の厚膜の割には、耐食性、耐候
性が良好でなく、実使用後に表面に白くもりが生じる、
陽極酸化及び塗装と比べて価格が高い、1ピースホ
イールリムに適用する場合は、ジンケート処理が不完全
になり易いため、ホイール素地とメッキとが剥離する、
2ピース、又は3ピースホイールリムに適用する場合
は、リム及びディスクを熔接する時の熱によって皮膜が
剥離するといった問題点がある。 これらの問題点を解決するべく、他の方法によってクロ
ムメッキ調の外観を得るため、陽極酸化皮膜に青色の
有機染料を染色する方法、交流陽極酸化後電解着色す
る方法、陽極酸化皮膜を2回浸漬によって無機着色す
る方法等が提案されているが、については、耐候性が
悪いために色褪せが生じ易く、については、設備費が
高く、かつ、その色調が合金組成の変動によって変化し
易い、又、については、クロム調のような淡い着色を
する場合には、色調が不安定になり易く、未だに通常の
クロムメッキと同等なる外観を安定に、かつ、安価に提
供する方法は得られていないのである。
【発明の開示】
本発明者は、前記の問題点に対する研究を鋭意押し進め
た結果、膜厚が約25〜80mg/dm2で、かつ、セルサイズが
約200〜400Åの陽極酸化皮膜に、Cr元素量が約0.5〜5mg
/m2の割合でクロム錯塩型着色材を介在させたアルミニ
ウム合金製のホイールリムであって、このホイールリム
の表面の中心線平均粗さが約0.01〜0.1μmであるよう
構成したアルミニウム合金製のホイールリムは、驚くべ
きことに、外観が、クロムメッキと同等なものになり、
しかもクロムメッキのものより耐食性及び耐候性に優れ
ていることを見出したのである。 ここで、ホイールリムの素材であるアルミニウム合金の
表面の陽極酸化皮膜を約25〜80mg/dm2としたのは、陽極
酸化皮膜の膜厚が25mg/dm2より薄くなると、赤味がかか
って、虹がかかったような色調のものになり、逆に、80
mg/dm2より厚くなると、入射光が陽極酸化皮膜に吸収さ
れ、光沢が落ちてしまうようになったからである。 そして、この陽極酸化皮膜の膜厚を約25〜80mg/dm2とし
た場合には、前記のような欠点が起きないのみでなく、
通常黒点と呼ばれる皮膜欠陥が少なくなり、耐食性を著
しく良好なものにすることが可能であり、さらには通常
のクロムメッキの場合に比べても良好な耐食性が得られ
たからである。 又、陽極酸化皮膜のセルサイズ(直径)を約200〜400Å
としたのは、セルサイズが200Åより小さくなると、陽
極酸化皮膜表面に粉ふき現象が認められて、光沢が落ち
てしまい、逆に、400Åを越えて大きくなりすぎると、
肌荒れしたようになって、光沢が落ち、そして着色しに
くくなり、クロムメッキ調の色調が得られなかったから
である。 又、上記のような特性の陽極酸化皮膜に対してクロム錯
塩型着色材が介在させられるのであるが、このクロム錯
塩型着色材の介在量は、このクロム錯塩型着色材中のCr
量が約0.5〜5mg/m2となるようにしておかねばならない
のである。 すなわち、このクロム錯塩型着色材中のCr量が0.5〜5mg
/m2より少なすぎると、クロムメッキ調のものになら
ず、ガラス鏡面のものになってしまい、逆に、5mg/m2
越えて多くなりすぎると、黒染めした場合と同様な黒色
面を呈してしまい、光沢が悪くなったからである。 尚、このようなクロム錯塩型着色材としては、例えば奥
野製薬製のTAC染料のようなクロム錯塩型酸性染料を一
般的には用いることができる。特に、この少なくともCr
元素を含有している水溶性の黒色有機系クロム錯塩型賛
成染料は、耐熱性及び耐候性に優れていることから好ま
しいものである。 又、このような構造のホイールリムの表面の中心線平均
粗さRaの大きさ、クロムメッキ調の鏡面のゆらぎ、すな
わち波立ちに大きな影響を及ぼすことから、Raが約0.01
〜0.1μm(JIS B 0601に準拠)のものでなければなら
なかった。 すなわち、Raが0.1μmを越えた大きなものになってし
まうと、像が乱れてしまい、逆に0.01μmより小さくな
ると、反射光が増加し、鏡面がぎらつき、クロムメッキ
鏡面と言うよりもガラス鏡面になってしまい、所望のク
ロムメッキ調のものが得られなくなったのである。 尚、画像の鮮明性の点からは、このホイールリムの表面
は、表面粗さ曲線の中心線を基準として0.3μm以上、
より好ましくは3Ra以上の深さのピットが約12個/2.5mm
以下、より一層好ましくは約10個/2.5mm以下のものであ
るようにしておくことが望ましい。 又、クロムメッキ調のホイールリムを得る点より、その
光沢度(JIS Z 8741に準拠、入反射角60゜の時の光沢
度)が約500〜800%のものであることが望ましいのであ
る。 又、このホイールリムに用いられるアルミニウム合金と
しては、従来からの加工硬化型のAl−Mg系合金、又は時
効硬化型のAl−Mg−Si系合金、その他のアルミニウム合
金を用いることもできるのであるが、一般的にはAl−Mg
系合金が良い。 そして、これらの中でも、不純物としてのSiが0.1重量
%以下、Mnが0.05重量%以下、Tiが0.05重量%以下、Cr
が0.05重量%以下、Znが0.25重量%以下であり、Mgを2.
2〜3.3重量%、Feを0.05〜0.2重量%、Cuを0.03〜0.15
重量%とし、残部がAl及び不可避不純物からなるアルミ
ニウム合金であることが特に望ましいものである。 すなわち、Mg含有量が2.2重量%より少なすぎる場合に
は、ヘラ絞り又はロール成形加工後のホイールリム強度
が低く、バツ研摩性も良くない傾向にあり、逆に3.3重
量%を越えて多くなりすぎた場合には、通常β相と呼ば
れるAl−Mg系の金属間化合物が素地のマトリックス内に
多量析出するようになって、応力腐食割れといった腐食
及び陽極酸化性の劣化が生じる傾向があるからである。 又、Feは、通常、Al−Fe系、Al−Fe−Si系、Al−Fe−Mn
−Si系の金属間化合物として存在し、その大部分は鋳造
後のマトリックス中に晶出物として存在し、一部がマト
リックス中に固溶又は析出しているが、Feの含有量が、
0.05重量%より少なくなりすぎると、結晶粒の微細化又
は組織の均一化による強度の向上が図れにくく、又、0.
2重量%を越えて多くなりすぎると、多量のAl−Fe系の
金属間化合物が生成し、陽極酸化時に0.3μm以上の深
さピットが多く形成されるようになるからである。 又、Cuの含有量が0.03〜0.15重量%の範囲内にあって
は、このCuのマトリックス中に固溶しており、そしてCu
含有量が0.03重量%より少なくなりすぎると、化学研摩
後における表面の平滑性及び均一性が欠ける傾向にあ
り、又、逆に0.15重量%を越えて多くなりすぎると、化
学研摩が局部的に過大となって、平滑性が損なわれ、加
えて熔接性も損なわれる傾向にあるからである。 不純物元素としてのSiは、通常、大部分はAl−Fe−Si
系、Al−Fe−Mn−Si系の金属間化合物(晶出物)とし
て、又、一部はマトリックス中に固溶もしくは析出して
存在するわけであるが、基本的には、Al−Mg合金中の固
溶Mgとの結合によって析出生成される化学研摩性及び陽
極酸化性を劣化させるMg2Siが実質上存在しない程度の
濃度として含まれる分には差し支えないことより、0.1
重量%までとするものである。 又、Mnは、Al−Fe−Mn系の金属間化合物及び一部固溶し
て存在していて、基本的には、素材の強度の向上及びバ
フ研摩性の向上をさせるわけではあるが、0.05重量%を
越えて含有されると、マトリックス中の金属間化合物が
増加し、陽極酸化性を劣化させる傾向があることより、
0.05重量%までとするものである。 又、Tiは、鋳塊組成の微細化のために添加されるもので
あり、0.05重量%を越えての添加はAl−Ti系の金属間化
合物の存在によって陽極酸化系を劣化させる傾向がある
ことより、0.05重量%までとするものである。 又、Crは、Al−Fe系、Al−Mg系といった金属間化合物の
均一な析出をさせる元素であるが、0.05重量%を越えて
存在すると、Al−Cr系の金属間化合物を新たに生成させ
ることがあり、陽極酸化性を劣化させる傾向があること
より、0.05重量%までとするものである。 又、Znは、0.25重量%を越えて存在すると、化学研摩が
局部的に過大となり、平滑性が損なわれる傾向があるこ
とより、0.25重量%までとするものである。 そして、上記に説明した組成のアルミニウム合金を鋳造
するに際しては、Mgの酸化物、地金成分中のAl−Ti系の
粒子をカートリッジフィルター等によって除去しておく
ことが、バフ研摩、化学研摩及び陽極酸化処理時に生成
する表面欠陥が少なくなることから望ましいものであ
る。 そして、前記構成のホイールリムは、バフ研摩、化学研
摩、陽極酸化及びクロム錯塩型着色材処理等の工程を巧
みに組み合わせることによって得られることも見出した
のである。 すなわち、本発明は、所定形状のアルミニウム合金製の
ホイールリム素材を、このホイールリム素材の中心線平
均粗さが約0.1μm以下であるようバフ研摩した後、こ
のホイールリム素材の表面粗さプロフィールが実質上変
化しないよう研摩材を除去し、この後溶材Al濃度を約20
g/以下に管理したリン酸及び硝酸含有水溶液で化学研
摩し、その後電解電圧が約5〜15Vで陽極酸化処理して
約25〜80mg/dm2厚の陽極酸化皮膜を形成し、その後クロ
ム錯塩型着色材で処理してCr元素量が約0.5〜5mg/dm2
クロム錯塩型着色材を介在させるアルミニウム合金ホイ
ールリムの製造方法をも提供するものである。 つまり、例えば前述したアルミニウム合金の鋳塊を均質
化処理、熱間圧延、冷間圧延、軟質焼鈍といった工程を
経て所定の板厚の展伸材を得、この展伸材を所定の形状
に成形加工してホイールリム素材を得る。 次に、このホイールリム素材に対して、荒バフ−中バフ
−仕上げバフといったようなバフ研摩を行ない、ホイー
ルリム素材表面の中心平均荒さRaが約0.1μm以下、よ
り望ましくは約0.01〜0.1μmのものになるようにす
る。 この後、上記バフ研摩によってホイールリム表面に付着
している通常バフカスと呼ばれる研摩材を、ホイールリ
ム表面の表面粗さプロフィールが実質上変化しないよう
に洗浄して除去する。 尚、この洗浄除去方法としては、例えばトリクロルエ
チレン、フロンソルブ等の有機溶剤による洗浄、界面
活性剤を含有させている中性、弱アルカリ、若しくは弱
酸性(pH5〜9)の水溶液による洗浄が挙げられる。
又、上記洗浄において、エアー攪拌、超音波による攪
拌、機械的な揺動、ブラッシング、ワイピング等を併用
して実施すると一層効果的である。 これに対して、例えば強酸性もしくは強塩基性の水溶液
中で該ホイールリムを処理して、バフカスを洗浄除去し
た場合は、表面が溶解によって白化し、表面粗さ曲線に
おけるプロフィールが変化し、ピットが増加して好まし
くない傾向にある。 次に、リン酸及び硝酸を含む水溶液にて化学研摩するわ
けであるが、この場合望ましくはリン酸濃度は70〜90
%、硝酸濃度は1.8〜2.6%、Cuイオン濃度は100〜2000p
pmで、この水溶液中の溶存Al濃度が20g/以下の水溶液
を用いて行なう。尚、この水溶液中に硝酸が含まれてい
ても特に問題はない。 但し、この場合に重要なことは、該化学研摩液中の溶存
Al濃度を20g/以下に管理することであり、このように
することによって表面の白化が防止される。 そして、処理条件は、通常、1回の化学研摩においてAl
溶解量を約8〜15g/m2にすることによって、ホイールリ
ム材表面が3〜6μm程度研摩される程度のものであ
る。 すなわち、例えば処理温度は約95〜120℃、好ましくは
約100〜115℃、処理時間は約30〜300秒、好ましくは約7
0〜90秒である。 この化学研摩後、水洗し、その後通常硝酸又は硫酸等の
水溶液に浸漬し、該表面に化学研摩によって付着したス
マット(溶解残査)を除去する。尚、この後、更に再度
化学研摩することも光沢を上げるためには有効であるこ
とはいうまでもない。 次に、硫酸を含む水溶液中にて陽極酸化処理するわけで
あるが、通常硫酸濃度が約10〜30%、溶存Al濃度が約5
〜20g/からなる組成の浴を用いて陽極酸化処理を行な
う。 尚、この処理による皮膜生成効率等を上昇させるため
に、リン酸、スルファミン酸等を添加してもかまわな
い。 そして、陽極酸化処理の条件は、陽極酸化皮膜厚を約25
〜80mg/dm2になるように、電流密度、処理温度及び処理
時間等を設定するわけであるが、処理電圧は約5〜15V
の条件下で陽極酸化することが大事である。 すなわち、処理電圧が15Vを大きく越える場合には、深
いピットを増加させて好ましくなく、又、5V未満の小さ
な場合には、陽極酸化皮膜表面に白粉が発生して好まし
くないからである。 又、この場合の電流密度は約0.5〜2.0A/dm2、処理温度
は約15〜30℃であることが望ましい。尚、使用する電流
波形は、直流、交流を問わないが、表面色調の点から負
成分のない電流が好ましい。 そして、このようにして処理された陽極酸化皮膜のセル
サイズ(直径)は200〜400Åとなり、化学研摩後の光沢
度を殆ど低下させるようなことはないようになってい
る。 この陽極酸化処理後、水洗し、その後黒色のクロム錯塩
型着色材にて処理し、表面をクロムメッキ調に仕上げる
わけであるが、この前に、例えばシュウ酸アンモニウム
水溶液等に浸漬することにより、活性化処理を施し、こ
れによってより一層効果的にクロムメッキ調に仕上げる
こともできる。 ここで、水溶性の黒色有機系クロム錯塩酸性染料等のク
ロム錯塩型着色材による処理は、通常の黒染めとは異な
り、陽極酸化後の表面の色調をクロムメッキ調にするた
めに実施することを目的としているものである。この
為、浴組成は、通常の市販の水溶性の黒色クロム錯塩酸
性染料(例えば奥野製薬製T.A.C.Black−402、T.A.C.Bl
ack−415)の濃度が約5〜10g/、pHが約5.2〜5.8に調
整したものを用いればよく、又、処理温度及び処理時間
等はクロム元素付着量を約0.5〜5mg/m2とするように調
整すればよい。例えば、処理温度は通常約10〜60℃、好
ましくは20〜40℃で、処理時間は数秒〜120秒程度で行
なえばよい。又、この条件は、通常の黒染め処理と比べ
ても非常に短時間であることはいうまでもない。 そして、上記着色処理後水洗し、その後耐食性、耐候性
を向上させるために封孔処理するわけであるが、例えば
沸騰純水、水蒸気、Ni塩(例えば酢酸ニッケル)、Co塩
等の金属塩を含有する水溶液、弱アルカリ系の水溶液を
用い2〜60分間、好ましくは約5〜10分間封孔処理する
ことが望ましい。
【実施例1】 Mgが3.1重量%、Feが0.08重量%、Cuが0.07重量%、Si
が0.06重量%、Mn、Ti、Cr及びZnが各々0.02重量%以
下、残部Al及び不可避不純物からなるアルミニウム合金
のホイールリム材を所定の形状のリムに成形加工した
後、バフ研摩によってRaが0.06μmとなるように仕上
げ、その後50℃で2%弱アルカリ系洗剤水溶液(共栄油
脂社製ライトクリーンD−11)にエアー攪拌しながら5
分間浸漬し、その後水洗し、次いで市販のリン酸−硝酸
系の化研液(日本M&T社製のアルミブライト−N、溶
存Al濃度20g/)にて110℃で70秒浸漬処理し、アルミ
ニウムを10g/m2溶解した後、水洗し、そして常温にて10
%硝酸浴でデスマットし、水洗する。 この後、15%硫酸水溶液を用い、20℃で、かつ、処理電
圧が13Vの条件下で所定時間陽極酸化処理して所定厚の
陽極酸化皮膜を形成した後、水洗し、この後クロム錯塩
型酸性染料(奥野製薬社製、T.A.C.Black402)の5g/
水溶液(25℃、pH5.6)中に所定時間浸漬し、所定量の
クロム錯塩型酸性染料を陽極酸化皮膜に付着させた。 そして、水洗後、5g/のNi塩水溶液(奥野製薬社製、
トップシールDX500)を用いて95℃で10分間の封孔処理
し、本発明になるホイールリムを得る。
【実施例2】 実施例1において、バフカス洗浄を、トリクロルエチレ
ン浴中で、超音波(25KHz)洗浄する手段で行ない、そ
の他は同様にして本発明になるホイールリムを得る。
【実施例3】 実施例1において、陽極酸化処理時間を延長して陽極酸
化皮膜を80mg/dm2にする他は同様に行ない、本発明にな
るホイールリムを得る。
【実施例4】 実施例1において、陽極酸化処理電圧を8Vにする他は同
様に行ない、本発明になるホイールリムを得る。
【実施例5】 実施例1において、バフ研摩による仕上げをRaが0.02μ
mにし、その他は同様にして本発明になるホイールリム
を得る。
【比較例1】 実施例1において、バフ研摩による仕上げをRaが0.12μ
mにし、その他は同様にしてホイールリムを得る。
【比較例2】 実施例1において、バフカス洗浄を、10%H2SO4水溶液
を用い、60℃で3分間行ない、その他は同様にしてホイ
ールリムを得る。
【比較例3】 実施例1において、化学研摩を溶存Al量を35g/にて行
なう他は同様に行ない、ホイールリムを得る。
【比較例4】 実施例1において、陽極酸化皮膜の厚さを100mg/dm2
する他は同様に行ない、ホイールリムを得る。
【比較例5】 実施例1において、Cr元素付着量が20mg/m2相当のクロ
ム錯塩型酸性染料を付着させる他は同様に行ない、ホイ
ールリムを得る。
【比較例6】 実施例1において、陽極酸化処理電圧を18Vにする他は
同様に行ない、ホイールリムを得る。
【比較例7】 実施例1において、クロム錯塩型酸性染料による処理を
省略する他は同様に行ない、ホイールリムを得る。
【比較例8】 実施例1において、陽極酸化処理を省略する他は同様に
行ない、ホイールリムを得る。
【比較例9】 実施例1において、陽極酸化処理電圧を4Vにし、その他
は同様にしてホイールリムを得る。
【比較例10】 実施例1と同様にバフ研摩したホイールリムを弱アルカ
リエッチングし、エッチング後水洗し、その後10%HNO3
を用いて常温で30秒の条件で中和処理し、再度水洗す
る。 その後、ジンケート処理をして、亜鉛置換皮膜を生成し
た後、順次半光沢Niメッキ、光沢Niメッキして各々10μ
mのメッキ膜を形成し、その後光沢Niメッキ膜上にCrメ
ッキを0.2μm相当生成させ、ホイールリムを得る。
【特性】
上記各例で得たホイールリムについて、陽極酸化皮膜の
膜厚、セルサイズ、陽極酸化皮膜に付着させたクロム錯
塩酸性染料のCr量、表面の中心線平均粗さRa、表面粗さ
曲線の中心線より3Ra以上の深さを有するピット数、表
面の光沢度及びクロムメッキ調の色調、このホイールリ
ムの耐食性並びに耐熱性を調べたので、これらの結果を
表に示す。 尚、耐食性は、JIS Z 2371に準拠して塩水噴霧試験を行
なって調べたものであり、又、耐熱性は、熔接時の加熱
を考慮して、350℃に10分間加熱して表面の変色状況等
をチェックしたものであり、又、色調は、クロムメッキ
調の光沢を有するものを○印で、そうでない場合を×印
で表わしたものである。 これによれば、表面の陽極酸化皮膜の膜厚が厚すぎる場
合、例えば100mg/dm2のような比較例4のホイールリム
は、表面の光沢及び色調が劣るのみでなく、耐熱性も悪
いものになっていることがわかる。 又、陽極酸化皮膜のセルサイズが大きすぎる場合、例え
ば、比較例6のホイールリムは、表面の光沢及び色調が
劣り、又、セルサイズが小さすぎる場合、例えば比較例
9のホイールリムは、表面の光沢及び色調が劣り、さら
には耐食性も悪くなっている。 又、クロム錯塩酸性染料のCr量が多すぎる場合には、例
えば比較例4,5に示す如く、表面の光沢及び色調が悪
く、しかも耐熱性も悪くなっており、又、Cr量が少なす
ぎる場合には、比較例7に示す如く、表面の色調が劣る
ものである。 又、表面の中心線平均粗さRaが大きすぎる場合には、比
較例1,2,3,4,6,9に示す如く、表面の色調が劣るもので
ある。 これに対して、本実施例のホイールリムは、その表面特
性及び皮膜性状が良好であることから、その表面がクロ
ムメッキ調の光沢を有するものであり、ファッション性
に優れているのみならず、耐食性及び耐熱性に優れてい
ることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−157694(JP,A) 実開 昭53−82002(JP,U) 実開 昭62−99401(JP,U) 特公 昭57−27592(JP,B2)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】膜厚が約25〜80mg/dm2で、かつ、セルサイ
    ズが約200〜400Åの陽極酸化皮膜に、Cr元素量が約0.5
    〜5mg/m2の割合でクロム錯塩型着色材を介在させたアル
    ミニウム合金製のホイールリムであって、このホイール
    リムの表面の中心線平均粗さが約0.01〜0.1μmである
    よう構成したことを特徴とするアルミニウム合金製ホイ
    ールリム。
  2. 【請求項2】所定形状のアルミニウム合金製のホイール
    リム素材を、このホイールリム素材の中心線平均粗さが
    約0.1μm以下であるようバフ研摩した後、このホイー
    ルリム素材の表面粗さプロフィールが実質上変化しない
    よう研摩材を除去し、この後溶存Al濃度を約20g/以下
    に管理したリン酸及び硝酸含有水溶液で化学研摩し、そ
    の後電解電圧が約5〜15Vで陽極酸化処理して約25〜80m
    g/dm2厚の陽極酸化皮膜を形成し、その後クロム錯塩型
    着色材で処理してCr元素量が約0.5〜5mg/m2のクロム錯
    塩型着色材を介在させることを特徴とするアルミニウム
    合金製ホイールリムの製造方法。
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