JPH07108924A - プラットホーム用ステップ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両がどの方向から進入してきても、シャー
ピンが破損してその他の部材が破壊されない。 【構成】 プラットホーム10の下側に設けられ車両とプ
ラットホームの縁との隙間に水平方向に回動するステッ
プ23と、一端が前記ステップに取り付けられ他端が架台
32の基軸31に取り付けられたアーム21と、前記ステップ
を使用位置まで回動させる駆動部25とを有し、この駆動
部の一端は前記アームに取り付けられ、他端側は該駆動
部の回動の固定端となるように架台に取り付けられてい
る構成のプラットホーム用ステップ装置において、前記
アームと前記駆動部のそれぞれの回動範囲が上下に離れ
て互いに干渉しない位置に前記アームと駆動部とを設
け、前記アームと前記駆動部との間を前記ステップに作
用する回動作用力に対して他の部分の破断強度よりも小
さい破断強度のシャーピン39によって連結した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プラットホームがカー
ブして設けられている場合や線路が三線軌道のような場
合に、車両とプラットホームの縁との間に生じる隙間を
塞ぐプラットホーム用ステップ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の従来の装置として、実開平４−
７２０６７号公報記載のものがある。その概略の構成
は、図３に示すようになっており、プラットホーム１０
の縁部の下側に設置して使用される。図中、１はアー
ム、２はスイング軸、３はステップ部材、５は駆動部
（エアシリンダ）、６は引張りばね、１０はプラットホ
ーム、１１は基軸、１８は安全ピンである。その概略の
動作は次のとおりである。車両が入場していない状態で
ステップ部材３は、図に仮想線で示すように、プラット
ホーム１０の端縁よりも内側の格納位置に位置してい
る。車両が入場して所定の停止位置で停止した後、格納
位置にあるステップ３が駆動部５により引張りばね６に
抗して、図に実線で示す使用位置へ、２本の基軸１１を
中心に夫々アーム１が回動することにより平行移動する
ように車両側へ突出し、車両のドアが開かれ、客が乗降
し、車両のドアが閉じられた後、駆動部５が伸長動作し
てステップ部材３を格納位置へ移動させる。

【０００３】このプラットホーム用ステップ装置は、ス
テップ部材３が何らかの原因で使用位置にある状態のま
まで、万一車両が進入してきた場合は、ステップ部材３
と車両が接触することになるが、その接触状態は図１
（ａ）に矢印１７で示す方向にステップ部材３に衝撃が
加わり、格納位置方向へ押されるから、ＦＲＰ製のステ
ップ部材３のみが破損するかあるいは安全ピン１８が折
損することになり、他の部分に破損が及ばないようにな
っている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来のプラッ
トホーム用ステップ装置では、ステップ部材３が使用位
置にあるとき図３（ａ）の矢印１７の方向に車両が進入
してくるような異常事態に対して、他の部分に破損が及
ばないようになっている。しかし、前記矢印１７と反対
の方向から車両が進入してくることや停車位置の行き過
ぎによる後退などは想定されていない。仮に、矢印１７
と反対方向に車両が進入してきたときは、ステップ部材
３と車両が接触し、先ずステップ部材３もしくは安全ピ
ン１８が破損する。この時安全ピン１８が破損したとす
ると、駆動部５側のアーム１が格納方向と反対方向に回
動して駆動部５と衝突し、駆動部５が破損することにな
るという問題があった。このようなことから本発明は、
プラットホームに車両がどの方向から進入してきても、
先ず安全ピンに相当するものが破損し、その他の部材が
破壊され難いプラットホーム用ステップ装置を提供する
ことを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の手段は、プラッ
トホームの下側に設けられ車両とプラットホームの縁と
の隙間に水平方向に回動するステップと、一端が前記ス
テップに取り付けられ他端が架台の基軸に取り付けられ
たアームと、前記ステップを使用位置まで回動させる駆
動部とを有すると共に、この駆動部の一端側は前記アー
ムに取り付けられ、他端側は該駆動部の回動の固定端と
なるように架台に取り付けられている構成のプラットホ
ーム用ステップ装置において、前記アームと前記駆動部
のそれぞれの回動範囲が上下に離れて互いに干渉しない
位置に前記アームと駆動部とを設け、前記アームと前記
駆動部との間を前記ステップに作用する回動作用力に対
して他の部分の破断強度よりも小さい破断強度のシャー
ピンによって連結したことを特徴とする。前記ステップ
は、その破断強度を前記シャーピンの破断強度よりも大
きく且つ他の部分の強度よりは小さくしておくことがよ
り好ましい。

【０００６】

【作用】本発明では、ステップが車両が入場していない
のに何らかの原因で突出して使用位置にあるとき、車両
が入場してくると車両とステップに衝突する。この時ス
テップは車両からの作用力で水平方向に押され、その作
用力はアームに伝達されるから、アームは基軸を中心に
回動しようとする。これに対して駆動部がその位置に保
持するように抵抗するが、駆動部とアームは破断強度の
小さいシャーピンによって連結してあるから、シャーピ
ンが破断してしまう。シャーピンが破断するとアームは
駆動部からの抵抗を失って車両からの作用力によりステ
ップを介して回動せしめられる。この時のアームの回動
方向が駆動部から離れる方向はもちろん、駆動部へ向か
う方向であっても、アームと駆動部は上下に離れて互い
に干渉しない位置にあるから、衝突して破損するような
ことは起こらない。

【０００７】

【実施例】本考案の一実施例を図１、図２を用いて説明
する。図において、２１はアーム、２２はスイング軸、
２３はステップ、２５は駆動部、２６は引張りばねであ
る。アーム２１は、一定長さを受け持つステップ２３に
対して２本を設けてあり、プラットホーム１０の下側に
所定の間隔で直立状に設けられた１対の基軸３１、３１
にそれぞれ水平回転自在に設けてある。図中３２は枠状
に形成した架台であり、この架台３２に基軸３１を立設
してある。

【０００８】スイング軸２２は、アーム２１、２１のそ
れぞれの先端部に回転可能に支持されている。そして、
スイング軸２２は上端部にステップ２３の梁状部材３６
を結合金具３３を介して結合されている。そのスイング
軸２２はアーム２１に支持されて持ち上げられた状態で
あり、スイング軸２２の下端は架台３２に設けてある当
て板３４の上面からわずかな距離ｅだけ上側に離れてい
る。従って、アーム２１はスイング軸２２および結合金
具３３を介してステップ２３を支持していて、基軸３
１、３１を中心に水平に回動することにより、ステップ
２３を図２（ａ）に実線で示す線路側へ突出した使用位
置と、同図に仮想線で示すプラットホーム１０の端縁よ
り内側の格納位置とに移動させることができる。また、
スイング軸２の下端には摩擦係数を増大させるゴム部材
３５を取り付けてある。

【０００９】ステップ２３は、ＦＲＰの板材２３ａを４
枚並べて梁状部材３６で接続した構成であり、その梁状
部材３６が金具３３と結合している。ステップ２３は上
面が水平である。このステップ２３は、その破断強度を
後述するシャーピン３９の破断強度よりも大きく且つ他
の部分の強度よりは小さくしてある。駆動部２５は、エ
アシリンダで構成され、一方のアーム２１と架台３２と
の間にアーム２１を基軸３１の回りに回転させるように
設けてある。すなわち、図２（ａ）に実線で示すステッ
プ２３のプラットホーム１０から突出した使用位置と、
仮想線で示す格納位置とに駆動部２５により移動させる
ことができるようになっている。そして、この駆動部２
５とアーム２１とは、アーム２１が上方で回動するのに
対して、その回動軌跡の下側に離れて干渉しない位置に
駆動部２５が位置するようにしてある。

【００１０】この駆動部２５のエアシリンダとしては、
複動型のブレーキ付きのものが最適である。これは外部
からの指令で作動するばねブレーキを有するものであ
る。図２（ａ）における矢印３７は車両の通常の進入方
向を示す。また、駆動部２５とアーム２１との連結には
衝撃で剪断されるシャーピン３９を用いてある。そのシ
ャーピン３９は、アーム２１に固定した垂直部材４２の
下端のフランジ４１と、駆動部２５のシリンダのピスト
ンロッドの先端に自在継手４３を介して設けた垂直部材
４４の上端のフランジ４０とを対向させて、その双方の
フランジ４０、４１を貫通するように４本を設けて結合
してある。

【００１１】引張りばね２６は、前記駆動部２５を設け
たアーム２１とは別のアーム２１の支えるスイング軸２
２と架台３２との間に設けてあり、前記駆動部２５によ
ってステップ２３がプラットホーム１０から突出した使
用位置にある状態において駆動部２５の作用力が消滅し
たときに格納位置へ引き込むように作用する。図中、４
５、４６はリミットスイッチでアーム２１の回動位置を
検出してステップ２３が格納位置にあるか使用位置にあ
るかを判断し、これに基いて駆動部を制御するためのも
のである。なを、この引張りばね２６を設けたアーム２
１には、図示していないが、そのアーム２１が前記使用
位置にある状態からさらに引張りばね２６に抗して回動
せしめられてステップ２３の突出程度が格納位置に相当
する程度になる付近で架台３２側に係止されるように係
止部もしくは逆転（引張りばねによる方向の回転）防止
部を設けてある。

【００１２】このように構成したプラットホーム用ステ
ップ装置は、図に示すように、プラットホーム１０の下
側に設置して使用される。車両が入場し、所定の位置で
停止した後、格納位置にあるステップ２３は、伸張状態
にある駆動部２５がそのばねブレーキを解除されそして
収縮せしめられることにより引張りばね２６に抗して使
用位置へ突出し、駆動部２５がばねブレーキを作用せし
められた状態となる。この後で車両のドアが開かれるよ
うにする。客の乗降が終わり車両のドアが閉じられた
後、駆動部２５がばねブレーキを解除され、伸張動作し
てステップ２３を格納位置へ移動させる。そして駆動部
２５はばねブレーキ作用状態とされる。もし、ステップ
２３が使用位置へ移動している途中で客がステップ２３
を踏んだ場合は、ステップが水平姿勢で移動しているか
ら、滑ることはなく、また客の体重によりステップ２３
がアーム２１の支持力に抗して、つまりアームが撓んで
距離ｅだけ下降してスイング軸２２の下端が当て板３４
に当接し、その接触によるブレーキ力が作用してステッ
プ２３の突出動作が停止するから、危険が防止される。

【００１３】また、ステップ２３が使用位置にある状態
のままで、万一通常進入方向から進入してきた場合は、
ステップ２３と車両の一部とが接触することになるが、
その接触は図２（ａ）に矢印３７で示す方向の衝撃力が
加わることであり、ステップ２３は格納位置方向へ押さ
れるからアーム２１により格納位置に収まる。

【００１４】また、この車両の進入が矢印３７とは逆の
矢印３８の方向であると、シャーピン３９のみが破断さ
れる。この時、ステップ２３およびアーム２１の回動方
向は前記と逆であるから、引張りばね２６の作用力に抗
して回動することになり、そのばね作用によりステップ
２３が車両側へ戻されようとするが、シャーピン３９の
破断時に一旦大きく回動して格納状態と同程度の突出量
となったときに、係止部もしくは逆転防止部により係止
されてその位置に止まるから、シャーピン３９のみの破
断で済み、他の部分には破損が及ばない。また、この時
のアーム２１の回動方向は駆動部２５に向かう方向であ
るが、アーム２１の回動軌跡に対して駆動部２５は下方
に位置していて干渉することはない。この場合、仮に係
止部もしくは逆転防止部が作用する状態にならなかった
とすると、車両が通過するまでは引張りばねによる作用
力でステップ２３が車体に押しつけられることになる
が、その場合もし破損するとすればシャーピン３９の次
に弱いステップ２３であり、従って、その他の部分へ破
損が及ぶことはない。

【００１５】上記実施例において、図示説明は省略した
が、ステップ２３の上面にマットスイッチを設けて客が
乗っているあいだは駆動部２５が作動を停止するように
するのがよく、これに加えて、あるいは別に、ステップ
２３の車両側と側方にベルトスイッチを設けてこれによ
って異物検出時に駆動部２５が作動を停止するようにす
るのがよい。実施例の駆動部２５に用いたエアシリンダ
はばねブレーキの応答性がよいのでマットレススイッチ
やベルトスイッチによって作動を停止させる場合に迅速
で好ましい。

【００１６】上記実施例において、係止部もしくは逆転
防止部は、引張りばね２６の設け方によっては省略可能
である。すなわち、引張りばね２６は、アーム２１が引
張りばねに抗してある回動量を越えて回動したときに逆
方向の回動作用力を与えるようにすることも可能だから
である。また、上記実施例のステップ２３のように強度
を決定してステップ２３の破損までは許容するとした場
合も、係止部もしくは逆転防止部を省略できる。

【００１７】

【発明の効果】本発明は、アームの回動軌跡に対して干
渉しないように上下方向に位置を異ならせて駆動部を設
けたから、シャーピンが破断した時のアームの回動方向
がいずれであっても、駆動部に接触するようなことはな
いから、シャーピンまたはシャーピンとステップ以外の
部分が破損することを防止できる。従って、これによっ
て破損部品を最小限にとどめることができ、本装置の修
復を簡単に行うことができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の図２（ａ）のＡ−Ａ断面図
である。

【図２】同実施例の全体の構成を示し、（ａ）は平面
図、（ｂ）は正面図である。

【図３】従来のプラットホーム用ステップ装置の概略の
構成を示し、（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図、（ｃ）
は右側面図である。

【符号の説明】

１０ プラットホーム ２１ アーム ２２ スイング軸 ２３ ステップ ２５ 駆動部 ３１ 基軸 ３２ 架台 ３９ シャーピン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上月 正雄 兵庫県加古川市平岡町一色745番地の25

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プラットホームの下側に設けられ車両と
   プラットホームの縁との隙間に水平方向に回動するステ
   ップと、一端が前記ステップに取り付けられ他端が架台
   の基軸に取り付けられたアームと、前記ステップを使用
   位置まで回動させる駆動部とを有すると共に、この駆動
   部の一端側は前記アームに取り付けられ、他端側は該駆
   動部の回動の固定端となるように架台に取り付けられて
   いる構成のプラットホーム用ステップ装置において、前
   記アームと前記駆動部のそれぞれの回動範囲が上下に離
   れて互いに干渉しない位置に前記アームと駆動部とを設
   け、前記アームと前記駆動部との間を前記ステップに作
   用する回動作用力に対して他の部分の破断強度よりも小
   さい破断強度のシャーピンによって連結したことを特徴
   とするプラットホーム用ステップ装置。