JPH07108878B2 - d▲下9▼−重水素化吉草酸及びその製造方法 - Google Patents
d▲下9▼−重水素化吉草酸及びその製造方法Info
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- JPH07108878B2 JPH07108878B2 JP61176447A JP17644786A JPH07108878B2 JP H07108878 B2 JPH07108878 B2 JP H07108878B2 JP 61176447 A JP61176447 A JP 61176447A JP 17644786 A JP17644786 A JP 17644786A JP H07108878 B2 JPH07108878 B2 JP H07108878B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、アルキル基は全て重水素化された新規なd9−
重水素化吉草酸及びその製造方法に関するものである。
重水素化吉草酸及びその製造方法に関するものである。
(従来の技術) 重水素化合物は、反応機構及び物質代謝解明のための標
識化合物として、広く利用されている。また、同位体効
果によって物質の安定性、性質が変化することから、特
に、医薬品や農薬品として盛んに研究が行われている。
その他、C−Dの赤外伸縮振動がC−Hの赤外伸縮振動
より長波長にずれることを利用して近赤外透過型光ファ
イバーとして利用されている。
識化合物として、広く利用されている。また、同位体効
果によって物質の安定性、性質が変化することから、特
に、医薬品や農薬品として盛んに研究が行われている。
その他、C−Dの赤外伸縮振動がC−Hの赤外伸縮振動
より長波長にずれることを利用して近赤外透過型光ファ
イバーとして利用されている。
一方。脂肪族カルボン酸の一種である吉草酸は、睡眠薬
等の薬剤、潤滑剤、香料、香味料などの原料として広く
用いられ、重水素化の標的化合物の一つとなっている。
等の薬剤、潤滑剤、香料、香味料などの原料として広く
用いられ、重水素化の標的化合物の一つとなっている。
従来、吉草酸の重水素化物としては、吉草酸をエステル
化した後、重水素化メタノール中、金属Naで処置する方
法によって得られるアルキル基の活性α位のみが重水素
化された部分重水素化物が知られている。
化した後、重水素化メタノール中、金属Naで処置する方
法によって得られるアルキル基の活性α位のみが重水素
化された部分重水素化物が知られている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、アルキル基が全て重水素化されたd9−重
水素化吉草酸は、未だ報告されていない。
水素化吉草酸は、未だ報告されていない。
本発明は、アルキル基が全て重水素化された新規なd9−
重水素化吉草酸及びその製造方法を提供することを目的
とするものである。
重水素化吉草酸及びその製造方法を提供することを目的
とするものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究を重ね
た結果、ハロゲン化チオフェン−2−カルボン酸を脱硫
還元重水素化することにより、d9−重水素化吉草酸を製
造しうることを見出し、本発明に到達した。
た結果、ハロゲン化チオフェン−2−カルボン酸を脱硫
還元重水素化することにより、d9−重水素化吉草酸を製
造しうることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、(1)アルキル基が全て重水素化
されたd9−重水素化吉草酸及び(2)ハロゲン化チオフ
ェン−2−カルボン酸を、アルカリ浸食剤を含有する重
水中、ラネーNi合金で処理することを特徴とするd9−重
水素化吉草酸の製造方法を要旨とするものである。
されたd9−重水素化吉草酸及び(2)ハロゲン化チオフ
ェン−2−カルボン酸を、アルカリ浸食剤を含有する重
水中、ラネーNi合金で処理することを特徴とするd9−重
水素化吉草酸の製造方法を要旨とするものである。
本発明で使用されるハロゲン化チオフェン−2−カルボ
ン酸は、下記一般式 (X1、X2、X3は、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子で
ある。)で表される化合物である。
ン酸は、下記一般式 (X1、X2、X3は、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子で
ある。)で表される化合物である。
本発明で使用されるラネーNi合金とは、触媒作用を持つ
Ni金属とNi以外の他金属とからなる二成分以上の合金を
意味する。ここで、Ni以外の他金属としては、たとえば
Mg、Alが挙げられ、好ましくはAlである。
Ni金属とNi以外の他金属とからなる二成分以上の合金を
意味する。ここで、Ni以外の他金属としては、たとえば
Mg、Alが挙げられ、好ましくはAlである。
本発明で使用されるアルカリ浸食剤とは、上記ラネーNi
合金中のNi金属以外の他金属を溶解させてNiに触媒作用
を与えうるアルカリ性化合物を意味する。このようなア
ルカリ浸食剤の具体例としては、NaOD,KOD、Na2CO3,K2
CO3などがあげられ、これらは単独で又は混合して使用
できる。
合金中のNi金属以外の他金属を溶解させてNiに触媒作用
を与えうるアルカリ性化合物を意味する。このようなア
ルカリ浸食剤の具体例としては、NaOD,KOD、Na2CO3,K2
CO3などがあげられ、これらは単独で又は混合して使用
できる。
本発明のd9−重水素化吉草酸を製造するには、ハロゲン
化チオフェン−2−カルボン酸を、アルカリ浸食剤を含
有する重水中、ラネーNi合金で処理する。
化チオフェン−2−カルボン酸を、アルカリ浸食剤を含
有する重水中、ラネーNi合金で処理する。
ラネーNi合金の好ましい使用量は、ハロゲン化チオフェ
ン−2−カルボン酸のハロゲン置換基数によって変化す
るが、一置換基に対して5モル倍以上、とくに10モル倍
以上使用するのが好ましい。本発明においてラネーNi合
金は、その触媒活性を高めるために予め金属塩、有機
酸、有機塩基などの溶液で処理したものも使用すること
ができる。
ン−2−カルボン酸のハロゲン置換基数によって変化す
るが、一置換基に対して5モル倍以上、とくに10モル倍
以上使用するのが好ましい。本発明においてラネーNi合
金は、その触媒活性を高めるために予め金属塩、有機
酸、有機塩基などの溶液で処理したものも使用すること
ができる。
アルカリ浸食剤の使用量は、ラネーNi合金に対して当モ
ル以上、とくに2モル倍以上10モル倍以下が好ましい。
ル以上、とくに2モル倍以上10モル倍以下が好ましい。
本発明の方法は、反応容器を十分に乾燥させ,かつ,ド
ライボックスを使用して窒素雰囲気下で実施するのが好
ましい。反応は,50℃〜100℃で実施するのが好ましい。
反応時間は、ラネーNi合金の添加終了後、30分以上の時
間をかけるのが好ましい。また,反応は大気圧下、加圧
下のいずれでも実施できる。
ライボックスを使用して窒素雰囲気下で実施するのが好
ましい。反応は,50℃〜100℃で実施するのが好ましい。
反応時間は、ラネーNi合金の添加終了後、30分以上の時
間をかけるのが好ましい。また,反応は大気圧下、加圧
下のいずれでも実施できる。
本発明においては、ラネーNi合金の触媒作用を高めるた
めに反応系に白金塩、アミン類などを添加することもで
きる。また,場合によっては,超音波を用いて反応効率
を上げることもできる。
めに反応系に白金塩、アミン類などを添加することもで
きる。また,場合によっては,超音波を用いて反応効率
を上げることもできる。
反応混合物を冷却して固−液分離し,その溶液を酸で処
理したのち、液−液抽出することにより目的とするアル
キル基が全て重水素化されたd9−吉草酸が得ることがで
きる。
理したのち、液−液抽出することにより目的とするアル
キル基が全て重水素化されたd9−吉草酸が得ることがで
きる。
(実施例) 次に、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明す
る。
る。
実施例1 ドライボックス中、窒素雰囲気下、塩化カルシウム管、
攪拌装置及び滴下漏斗を備えた500cc三ツ口フラスコ
に、3,4,5−トリブロモチオフェン−2−カルボン酸4.0
g(1.10×10-2mol)、Ni−Al合金12.0g(Ni:Al=50:5
0、重量比)及びD2O24mlを仕込み、一方、滴下漏斗には
40%NaODを入れた。ついで、このフラスコをドライボッ
クスから取り出し、80℃の油浴中に移して攪拌を開始し
た後10分かけて滴下漏斗から40%NaODを滴下した。滴下
開始直後から激しい発泡が起った。その後、2時間攪拌
を続け、ついで室温まで放冷後、グラスフィルターを用
い合金を吸引濾過し、少量の水で合金を洗浄し、濾液を
母液と合わせた。
攪拌装置及び滴下漏斗を備えた500cc三ツ口フラスコ
に、3,4,5−トリブロモチオフェン−2−カルボン酸4.0
g(1.10×10-2mol)、Ni−Al合金12.0g(Ni:Al=50:5
0、重量比)及びD2O24mlを仕込み、一方、滴下漏斗には
40%NaODを入れた。ついで、このフラスコをドライボッ
クスから取り出し、80℃の油浴中に移して攪拌を開始し
た後10分かけて滴下漏斗から40%NaODを滴下した。滴下
開始直後から激しい発泡が起った。その後、2時間攪拌
を続け、ついで室温まで放冷後、グラスフィルターを用
い合金を吸引濾過し、少量の水で合金を洗浄し、濾液を
母液と合わせた。
得られた溶液を冷却(氷浴)下、濃塩酸を添加して酸性
(pH=1)とし、塩化メチレンを用い3日間、液−液抽
出を行った。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、
溶媒を減圧留去し、さらに減圧蒸留(120〜123℃/20mmH
g)して976mgのd9−重水素化吉草酸を無白の油状物とし
て得た。(収率80%)。
(pH=1)とし、塩化メチレンを用い3日間、液−液抽
出を行った。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、
溶媒を減圧留去し、さらに減圧蒸留(120〜123℃/20mmH
g)して976mgのd9−重水素化吉草酸を無白の油状物とし
て得た。(収率80%)。
重水素核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDCl3)−88.0Hz
(δ−CD3)、−82.1Hz(γ−CD2)、−77.9Hz(β−CD
2)、68.0Hz(α−CD2) 赤外吸収スペトル(cm-1)3190、3020、2920、2680、25
60、2220、2110、2070、1700、1408、1350、1300、122
3、1147、1123、1080、1053、1024、940、839 (発明の効果) 本発明によれば、低温、短時間に一段階反応で新規なd9
−重水素化吉草酸を高収率で得ることができる。得られ
たd9−重水素化吉草酸は反応機構及び物質代謝解明のた
めの標識化合物として、あるいは医薬品や農薬品として
利用することができる。
(δ−CD3)、−82.1Hz(γ−CD2)、−77.9Hz(β−CD
2)、68.0Hz(α−CD2) 赤外吸収スペトル(cm-1)3190、3020、2920、2680、25
60、2220、2110、2070、1700、1408、1350、1300、122
3、1147、1123、1080、1053、1024、940、839 (発明の効果) 本発明によれば、低温、短時間に一段階反応で新規なd9
−重水素化吉草酸を高収率で得ることができる。得られ
たd9−重水素化吉草酸は反応機構及び物質代謝解明のた
めの標識化合物として、あるいは医薬品や農薬品として
利用することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】アルキル基が全て重水素化されたd9−重水
素化吉草酸。 - 【請求項2】ハロゲン化チオフェン−2−カルボン酸
を,アルカリ浸食剤を含有する重水中,ラネーNi合金で
処理することを特徴とするd9−重水素化吉草酸の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61176447A JPH07108878B2 (ja) | 1986-07-24 | 1986-07-24 | d▲下9▼−重水素化吉草酸及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61176447A JPH07108878B2 (ja) | 1986-07-24 | 1986-07-24 | d▲下9▼−重水素化吉草酸及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6330447A JPS6330447A (ja) | 1988-02-09 |
JPH07108878B2 true JPH07108878B2 (ja) | 1995-11-22 |
Family
ID=16013864
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61176447A Expired - Lifetime JPH07108878B2 (ja) | 1986-07-24 | 1986-07-24 | d▲下9▼−重水素化吉草酸及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07108878B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6794522B2 (en) * | 2001-03-22 | 2004-09-21 | The Regents Of The University Of California | Process for preparing a deuterated or tritiated compound |
-
1986
- 1986-07-24 JP JP61176447A patent/JPH07108878B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6330447A (ja) | 1988-02-09 |
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