JPH07108770B2 - 弗化物塩による処理で骨格中のA1をCr及び(又は)Snで置換したモレキュラーシーブ - Google Patents

弗化物塩による処理で骨格中のA1をCr及び(又は)Snで置換したモレキュラーシーブ

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JPH07108770B2
JPH07108770B2 JP63315237A JP31523788A JPH07108770B2 JP H07108770 B2 JPH07108770 B2 JP H07108770B2 JP 63315237 A JP63315237 A JP 63315237A JP 31523788 A JP31523788 A JP 31523788A JP H07108770 B2 JPH07108770 B2 JP H07108770B2
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    • C01B33/2807Zeolitic silicoaluminates with a tridimensional crystalline structure possessing molecular sieve properties; Isomorphous compounds wherein a part of the aluminium ore of the silicon present may be replaced by other elements such as gallium, germanium, phosphorus; Preparation of zeolitic molecular sieves from molecular sieves of another type or from preformed reacting mixtures
    • C01B33/2884Zeolitic silicoaluminates with a tridimensional crystalline structure possessing molecular sieve properties; Isomorphous compounds wherein a part of the aluminium ore of the silicon present may be replaced by other elements such as gallium, germanium, phosphorus; Preparation of zeolitic molecular sieves from molecular sieves of another type or from preformed reacting mixtures the aluminium or the silicon in the network being partly replaced

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、モレキュラーシーブ組成物、それらの製造法
及びこれらを使用する方法に関する。より具体的に言え
ば、本発明は、以下に例示するように、従来公知のモレ
キュラーシーブに形態的に関連するが、しかしクロム或
はスズの内の少なくとも1つの骨格原子を含有し、好ま
しくは構造内に極めて低い欠陥部位含量を有することを
特徴とするモレキュラーシーブ組成物に関する。一般に
は、製造法は、モレキュラーシーブに骨組内のアルミニ
ウムに代えてクロム及び/又はスズを挿入するのに適し
た条件下で、好ましくはクロムのフルオロ塩或はスズの
フルオロ塩、好ましくはアルミニウムと不溶性塩を形成
しないフルオロ塩の内の少なくとも1種の水溶液を接触
させることを包含する。
従来の技術 天然産又は合成したままのゼオライトアルミノシリケー
トの結晶構造は、酸素原子の共有によって架橋されたAl
O4及びSiO4四面体から構成される。AlO4 -、SiO4等の用
語は、ゼオライトの骨組内で、酸素と4型(four−fol
d)配位した四面体原子Al、Si、等を表わすのに用い
る。このようにして表わした4つの酸素原子の各々を追
加の四面体原子に結合し、こうして各々の四面体単位に
関して定められた電荷要求を完全にするものと考えられ
る。アルミニウム原子を含有する各四面体のイオン原子
価は陽イオンとの結合によって平衡されている。たいて
いの場合には、この陽イオンはNa+又はK+の如き金属陽
イオンであるが、しかしゼオライトの合成には第四級ア
ンモニウムイオンの如き有機種も使用され、そしてある
場合にはこれらは合成生成物のゼオライトに陽イオンと
して現われる。一般には、金属陽イオンは、少なくと
も、H+及びNH4 +を含めた他の陽イオンでかなりの程度ま
で置換可能である。多くの場合に、有機陽イオン種は、
あまりにも大き過ぎてゼオライトの細孔系を通過するこ
とができず、それ故にイオン交換技術によつて直接置換
させることができない。これらの有機陽イオンは熱処理
によってH+又はNH4 +陽イオンに還元させることができ、
そしてこの陽イオンは直接イオン交換することができ
る。H+又はNH4 +陽イオン形態のゼオライトの熱処理はAl
O4 -四面体との通常の結合からのこれらの陽イオンの実
質的な離脱をもたらし、これによってゼオライト構造に
イオン原子価の不均衡を生じ、そしてこれにはイオン原
子価平衡を元どおりにするために構造の再配置が伴わな
ければならない。通常、AlO1 -四面体が全骨格四面体の
約40%以上を占めるときには、必要な構造再配置を収容
することができず、その結果構造が崩壊する。けい酸質
の多いゼオライトでは、構造一体性が実質上維持される
が、しかし得られた“脱陽イオンされた”形態はその完
全に陽イオン化された前駆体物質とはある種のかなり異
なる特性を有する。
ゼオライト特に非金属陽イオン形態又は脱陽イオン形態
のゼオライトにおけるアルミニウムの相対的不安定性は
斯界において十分に認識されている。例えば、1972年2
月3日付けで発行されるピー・イー・・ピッカート氏の
米国特許第3,640,681号には、部分的に陽イオンが不足
した形態のゼオライトを脱ヒドロキシルし、次いでそれ
にアセチルアセトン又はその金属誘導体を接触させてア
ルミニウム原子をキレート化し且つ可溶化することを包
含するゼオライトからの骨格アルミニウムの抽出法が開
示されている。いくつかの点において前記ピッカート法
と類似する方法においてゼオライト骨格からアルミニウ
ムを抽出するための抽出剤としてエチレンジアミン四酢
酸がこれまで提案されている。また、加水分解によって
骨格アルミニウムを除去するに当たり、外部源からの又
はゼオライトそれ自体の脱ヒドロキシルから誘導された
水蒸気の環境中においてゼオライトYの如きゼオライト
のH+又はNH4 +陽イオン形態のものを焼成することが有効
であることも知られている。これらの現象の証拠は、19
70年4月14日付けで発行されたピー・イー・エバリー・
シュニア氏外の米国特許第3,506,400号、1970年2月3
日付けで発行されたジー・ティー・ケール氏外の米国特
許第3,493,519号及び1970年5月19日付け発行のジー・
ティー・ケール氏の米国特許第3,513,108号に示されて
いる。使用した激しい熱水処理後に生成物である組成物
の結晶構造が保持されるような場合には、赤外分析は、
約3740、3640、及び3550cm-1の領域において伸縮振動数
を示す実質的なヒドロキシル基の存在を示した。これに
関して、米国特許第3,506,400号の赤外分析データが特
に有益である。これらのヒドロキシル基の形成の機構に
ついての説明は、米国特許第3,493,519号においてケー
ル氏外によって提供されている。この米国特許におい
て、特許権者は、次の式に従って、水素型ゼオライトの
格子骨格中のアルミニウム原子が水と反応して格子から
のアルミニウムの除去をもたらすことができると述べて
いる; その元の格子位置から除去されたアルミニウムは、ケー
ル氏外によれば、下記の式によって陽イオン性水素と更
に反応してアルミニウム含有即ちヒドロキソアルミニウ
ム陽イオンを生成することができる; モレキュラーシーブズ−II,A.C.S.シンポジウムシリー
ズ40、271〜280頁(1977)、ブレック(Breck)、D.W.
及びスキールズ(Skeels)、G.W.「ゼオライトケミスト
ーリーII、アンモニウム交換ゼオライトYの水熱処理に
おけるアルミニウムの役割、安定化」で、ソーダライト
のかごの内部でこれらのヒドロキソアルミニウム陽イオ
ンの安全なクラスターを形成するのに十分な骨格アルミ
ニウムの加水分解によってNH4Yの安定化を行ない、これ
によって骨格けい素原子のうちのいくらかの移行によっ
て骨格それ自体をアニーリングすると共にゼオライト構
造を保持することが提案された。
1971年7月20日付け発行のシー・エイチ・エリオット氏
の米国特許第5,594,331号には、水性媒体中の弗化物イ
オンは、特にpHが約7よりも低い条件下では、ゼオライ
ト格子から骨格アルミニウムを抽出するのに極めて有効
であり、そして実際に弗化物濃度がゼオライト10,000g
当り活性弗化物約15gを越えると、骨格けい素原子及び
骨格アルミニウム原子に対する直接攻撃による結晶格子
の崩壊が生じる可能性があると述べられている。また、
ここには、ゼオライト(無水)10,000g当り有効弗化物
2〜22gを使用するこの形式の弗化物処理(弗素は弗化
けい酸アルミニウムによって提供される)も記載されて
いる。この処理は、ゼオライトの熱安定性を向上させる
目的で実施される。特許権者は、弗化物はある態様で構
造中のアルカリ金属酸化物に結合した状態になり、これ
によって、結晶構造の崩壊をもたらす基本構造Na2Oの溶
融作用が減少されると理論づけている。この特許の開示
の範囲内でのかかる処理は、ゼオライト生成物の全けい
素含量又はゼオライトの単位格子のけい素含量のどちら
に対しても全く影響を及ぼさない。
安定性は少なくとも一部分ゼオライト骨格のAl2O3含量
の函数であることが全く明らかであるので、骨格アルミ
ニウムの抽出に付随する構造上の変化を回避しながら低
い割合のAl2O3を有するゼオライトを得ることは有益で
あると思われる。しかしながら、この点におけるかなり
の努力にもかかわらず、きわめてささやかな成功度が達
成されたに過ぎず、そしてこれはいくらかの特定種にだ
け適合しただけであった。
ゼオライト中のSiO2/Al2O3比を増大するための方法は、
下記に開示されている:1985年3月5日に発行された譲
受人共通の米国特許4,503,023号;譲受人共通の1986年
9月9日に発行された米国特許4,610,856号、1987年12
月8日に発行された米国特許4,711,770号(1986年6月3
0日に出願された米国特許出願第880,103号);バッター
ワースアンドカンパニー、ダビットオルスン及びアチリ
オビシオ編集「第6回国際ゼオライト会議の議事録」、
87〜96頁(1984)、スキールズ、G.W.及びブレック、D.
W.これらに開示される方法は、弗化けい酸塩を無水基準
でゼオライトアルミノシリケート100g当り少なくとも0.
0075モルの量で用いて少なくとも3のSiO2/Al2O3モル比
及び少なくとも3Åの孔径を有するアルミノシリケート
の結晶格子中にけい素原子をSiO4四面体として挿入する
ことを包含し、そして前記弗化ケイ酸塩が3〜約7の範
囲内のpH値を有する水溶液の形態にありしかもゼオライ
トアルミノシリケートと出発ゼオライトアルミノシリケ
ートの結晶化度の少なくとも60%を保存するのに十分な
だけ遅い速度で接触されることからなる。
譲受人共通のヨーロッパ特許出願第85,902,351.1号(米
国特許出願第604,179号)は、鉄及び/又はチタンの金
属陽イオンのフッ化アンモニウム塩を用いて水性媒体中
でゼオライトを処理することを記載している。骨組アル
ミニウムはフッ化物で錯生成されてゼオライトから除か
れる。アルミニウムに代って金属陽イオンが骨組に挿入
される。
クロム或はスズをゼオライト骨組に主合成法によって入
れ替えようとする試みが様々なされてきたが、今までに
真に成功したものはない。ペンタル(pentasil)系統の
ゼオライト(ZSM−5様)のゼオライトをアルミニウム
と異なる多数のイオンで合成しようとする試みがなされ
てきた。クロム或はスズがゼオライトに関して認められ
る場合がいくつかあるが、ゼオライトの骨組内ではな
い。クロム或はスズのどちらも主合成生成物におけるゼ
オライオ骨組の一部でないという可能性は、合成にその
ように高いpHを要しているので、クロム或はスズは酸化
物及び/又は含水酸化物として存在しているということ
に基づく。例えば、米国特許4,405,502号(クロッツ(K
lotz)に、結晶性クロモシリケートの場合に12.040重量
%までのCr2O3が存在することが開示されている(例I
V)が、生成物中のCr2O3は非晶質或は結晶性酸化物とし
て存在している。例は、初めに水に溶解したクロムが、
シリカ源に接触する前に水和物として急速に沈殿される
ことを教示している。更に、「これらの結果は、クロム
因子が大きくなるにつれて、生成物中に検出されるCr2O
3が増々多くなったことを示す。」(24欄15−17行)。
マロシ(Marosi)等は、ドイツ国特許第2,831,630号、Z
SM−5タイプの構造の場合に、Cr2O3が、0.50重量%〜
3.00重量%存在することを開示している。クロムがZSM
−5の骨組中に含まれ、実際その中に位置されるとすれ
ば、クロムの量は100の骨組四面体原子の0.4〜2.5原子
の範囲になることになる。生成物の組成を挙げている唯
一の例(1)で、固体生成物は骨組中100から0.7のCr原
子を含有するにすぎず、本発明の組成物より小さい値で
ある。
英国特許出願GB2,024,790号(タラマッソ(Taramasso)
等)の例に、ZSM−5タイプ構造の場合に、6.00重量%
のCr2O3が得られ、「TRS−28」と表示された。特許請求
の範囲の記載は、クロム原子が「ケイ素原子に代って結
晶格子に入った」か或は「二ケイ酸或はポリケイ酸の塩
の形である」のいずれかであることを教示しているが、
例に示されている証拠はクロムがZSM−5生成物の格子
骨組内にないことを正しく教示している。発明の全ての
生成物の表面積が挙げられており、これらは代表的なZS
M−5に比べて相当に小さいことを示している。これ
は、ある程度の非晶質或は濃密相がゼオライトと共に存
在することの証拠である。代表的には、ZSM−5或はそ
の一層シリカ質の相似型シリカライトはグラム当り400m
2より大きい表面積(BET)を有することになる。英国特
許出願GB2,024,790号のクロム含有生成物は、純ゼオラ
イト生成物について予期されるものより少なくとも5%
小さい値である380m2/グラムの表面積(BET)を有して
いた。加えて、Cr2O36.0重量%を含有する該発明のクロ
ム含有生成物は、クロム原子全てが骨組中に4つの酸素
原子と四面体配位で位置されるとすればイオン交換容量
0.79meq/グラムを有することが予期される。しかしなが
ら、実際焼成した(550℃)生成物において0.0058meq/
グラムのカチオンが実測されたにすぎず、これは、クロ
ムが本当に骨組中にあるとすれば、骨組の負の電荷をバ
ランスするのに必要とするより少なくとも2オーダーの
大きさのより小さい値であった。クロムが骨組中に4つ
の酸素原子と四面体配位するためには、4つの別々の酸
素原子の負電荷をケイ素と共有する三価のクロムイオン
が存在することによって引き起こされる負電荷をバラン
スさせるために、正に荷電した種或は陽イオンが存在す
ることが要件である。陽イオンが無ければ、クロムがこ
のようにして酸素と四面体配位されることは可能でな
く、よって、この例のクロムは例で合成したゼオライト
の骨組中にない。その逆、すなわち、正に荷電した陽イ
オンがクロムにおける負の電荷をバランスして酸素との
四面体配位の要件を満足させることが認められるなら
ば、クロムは骨組中にあるということは必ずしも真実で
はない。クロムが酸素と四面体配位していることは明ら
かかもしれないが、必ずしもクロムがゼオライト骨組中
に位置されていることにはならない。非晶質クロムシリ
ケートが、非晶質アルミノシリケートのように、四面体
配位されたクロム原子を有し、よってイオン交換容量を
有し得ることは可能である。
ヨーロッパ特許出願13,630号(ルービン(Rubin)等)
は、ZSM−12タイプ構造に関し、Cr2O3が0.63〜2.90重量
%存在することを開示している。該特許出願の表に記載
されているサンプル、特にクロムを含有する生成物は表
面積の相当の損失を示している。このことは、合成した
ままの生成物の純度が疑わしく及び該生成物が非晶質物
質を含有しているにちがいないことを示す。相対的関
係、すなわち、合成生成物のクロム含量が増大するにつ
れて、報告されるX線結晶度が低下することもまた表に
おいて見出すことができる。
ヨーロッパ特許出願14,059号(ルービン等)において、
ZSM−11タイプ構造により0.09〜1.26重量%のCr2O3が得
られた。これらの生成物に関して同様の観察を述べるこ
とができる。すなわち、クロムを含有する生成物は、ク
ロムを含有しない生成物に比べて、低いX線結晶度、n
−ヘキサン及びシクロヘキサンについての実質的に低い
吸着容量、相当に小さい表面積を有する。単独で行なう
各々の観察はクロムをZSM−11骨組に加入することを排
除しないが、一緒に行えば、これらのデータはゼオライ
トの場合の非晶質クロム含有相の沈降についての本質的
証拠であり、これは採用する極めて基本的な合成条件下
で、予期される結果である。
米国特許3,941,871号でドワイヤー(Dwyer)等は、ZSM
−5タイプの構造中に有機テンプレートの代わりに或は
一部としてスズを存在させることを開示しているが、ZS
M−5骨組構造それ自体の一部としてではない。米国特
許4,329,328号(マクアネスピック(Mc Anespic)等)
に、スタノシリケートの合成が提案されているが、この
ような合成の例は挙げられておらず、またかかる物質の
性質も何ら示されていない。
上述した参考文献は、クロム或はスズ金属イオンをそれ
ぞれのゼオライトに加入することを提案するかもしれな
いが、金属イオンは骨組に含まれず、合成プロセスの過
程の間にある種の他のおそらく非晶質相としてゼオライ
トにより単に沈殿されるにすぎないという一貫した証拠
を提供する。1985年5月13日にハシガリー、シオホクで
開催された「ゼオライト触媒に関する国際シンポジュウ
ムの議事録」で、チエレン(Tielen)等はゼオライトに
おける同形置換について解説し、次のように述べた:
「一般的に言えば、これらの新しい物質はそれらの新規
な化学組成或はXRDスペクトル或は両方に基づいて請求
されている。この新規性は、新しい物質が新しい元素を
或は少なくともそれの一部をゼオライト骨組中に置換さ
せて含有することを必ずしも意味していない。我々の知
る限りでは、ホウ素置換の場合のみ、それがゼオライト
格子中に存在することについて確かな証拠が入手し得
る。」次いで、このできない理由は自明である、という
のは、まさにゼオライト生成物を合成するのに用いる合
成条件は、ほとんど不溶性の金属水酸化物が沈殿し、そ
れで金属酸化物が結晶成長の間にシリケート単位に加入
する能力を制限するものであるからである。この特徴
は、スゾスタク(Szostak)等がジャーナルオブケミカ
ルソサイアティ、Faraday Trans.I、83頁(1987)で最
近指摘しただけである。スゾスタク等は、pHの臨界性に
気付くことによって、初めてZSM−5のフェリシリケー
ト類似体を合成することができた。
上述した参考文献は、骨組四面体部位にクロム或はスズ
を含有するゼオライト或はモレキュラーシーブを合成す
ることが望ましいことを強く主張している。しかし、参
考文献で用いられている方法は、金属がゼオライトによ
り酸化物或は水酸化物としてか或は非晶質金属シリケー
トとしてのいずれかで沈殿させられたという疑いをほと
んど捨てていない。参考文献は、更に、これらの金属イ
オンをゼオライト四面体骨組の位置に加入するのに困難
を伴うことを立証している。クロム及びスズ金属イオン
が酸性媒体中に可溶性であること及び金属イオンを骨組
に加入する二次合成手順による本出願の方法の特有性を
更に立証する。任意の金属イオンを既存のゼオライトの
骨組に加入する二次合成手順が自明であることに関し、
このプロセスをリン或はホウ素のイオンに関して用いよ
うとする全ての試みは今迄に成功したことがない。ホウ
素は一次合成法によってペンタシルゼオライト骨組に加
入するのに従来成功した唯一の金属である(チエレン、
等)。二次合成条件を任意深く調節することによっての
み、鉄及び/又はチタン(上記ヨーロッパ特許出願第8
5,902,354.1号)、或はクロム及び/又はスズを既存の
ゼオライト或はモレキュラーシーブに加入することに成
功することができる。
本明細書中で用いる通りの二次合成とは、モレキュラー
シーブ生成物をある方法(二次合成)によって処理して
一次合成法によっては得ることができないか或は作るの
が非常に難しい或は通常天然に見出せないモレキュラー
シーブ生成物を得るプロセスを意味する。
本発明は天然産ゼオライト或は合成ゼオライト中に有意
のレベルに見出せない有意の骨組四面体原子を含有する
新規なゼオライト組成物に関する。
本発明では、ゼオライトY、ゼオライトL、モルデナイ
ト及びゼオライトLZ−202(ヨーロッパ特許出願第86,90
4,614.4号(米国特許出願第752,555号)に開示されてい
る通りにテンプレート剤を使用しないで作ったオメガタ
イプのゼオライト)を、クロム或はスズのいずれか或は
両方の水性フッ化アンモニウム塩で処理する。処理する
間に、アルミニウムをモレキュラーシーブ骨組から取り
去り、金属イオンを骨組の中に加入する。本発明によっ
て、クロム及び/又はスズの金属イオンをモレキュラー
シーブの骨組に加入させることができ、それらは通常天
然に見出されない。
発明の構成 三次元微孔質骨組構造を有するモレキュラーシーブ組成
物は無水基準で下記の単位実験式を有する; (MwAlxSiy)O2 ここに、「M」はクロム或はスズの内の少なくとも1つ
であり;「w」、「x」及び「y」は骨組四面体酸化物
単位として存在するそれぞれ「M」、アルミニウム及び
ケイ素のモル分率を表わし、該モル分率は第13図の点
A、B、Cによって定められる三角形領域内に入るよう
にする。
四面体酸化物として存在するアルミニウム及びケイ素を
含む骨組構造を有する出発結晶性微孔質アルミノシリケ
ートからクロム或はスズの内の少なくとも1種を含有す
るモレキュラーシーブ組成物の製造方法は、細孔直径少
なくとも約3オングストローム及びSiO2/Al2O3モル比少
なくとも2を有する該結晶性アルミノシリケートに、ク
ロムのフルオロ塩及びスズのフルオロ塩であって溶液或
はスラリー状であるものを接触させ、それでゼオライト
の骨組アルミニウムを取り去ってクロム或はスズの内の
少なくとも1つに置き換えることを含む。
CrO4 -或はSnO4 、AlO4 -及びSiO4四面体が酸素原子を共
有することによって架橋されて成る三次元微孔質結晶骨
組構造を有するモレキュラーシーブ及びそれらの製造方
法の特許を請求する。これらの新規なモレキュラーシー
ブは、酸化物のモル分率として表わして無水基準で下記
の単位実験式を有する: (MwAlxSiy)O2 ここに、「M」はクロム及び/又はスズであり;
「w」、「x」及び「y」は骨組四面体酸化物単位とし
て存在するそれぞれ「M」、アルミニウム及びケイ素の
モル分率の内の1つを表わし、該モル分率は第13図の点
A、B、Cによって定められる組成領域内に入るように
する。点A、B、Cは「w」、「x」、「y」について
下記の値を有する: 発明の詳細な説明 本発明は、新規なモレキュラーシーブ組成物及びそれら
の製造法に関する。本発明のモレキュラーシーブは、無
水基準で下記の単位実験式: MwAlxSiy)O2 (1) (式中、「M」はクロム或はスズの内の少なくとも1つ
を表わし;「w」、「x」及び「y」は前に規定した通
りに四面体酸化物として存在するそれぞれ「M」、アル
ミニウム及びケイ素のモル分率を表わす) を有する、「MO2」、AlO2及びSiO2の四面体単位におけ
る三次元微孔質結晶骨組酸化物構造を有する。
本発明における用語「単位実験式」は、その通常の意味
に従って、モレキュラーシーブ内で「MO2」、AlO2及びS
iO2四面体単位を形成するクロム及び(又は)スズ
(M)、アルミニウム及びケイ素の相対モル数を与える
最も簡単な式を表わすのに用いられる。単位実験式は、
上記式(1)に示される如きクロム及び(又は)スズ、
アルミニウム及びケイ素によって与えられ、そして製造
の結果として又は上記四面体単位を含有しないバルク組
成物中における他の不純物若しくは物質の存在の結果と
して存在する可能性がある他の化合物、陽イオン又は陰
イオンを包含しない。
本法は、一般には、約2以上のSiO2/Al2O3モル比を有す
るゼオライトから骨格アルミニウムを除去し、それ故に
クロム及び/又はスズよりなる群から選定される1種以
上の元素を置換する方法からなる。得られるモレキュラ
ーシーブは、クロム及び(又は)スズを含有し、そして
初期ゼオライトの結晶構造に類似したものを有する。
本発明の方法は、少なくとも約3Åの孔径を有し且つ少
なくとも2のSiO2/Al2O3モル比を有する結晶質ゼオライ
トに、クロムのフルオロ塩或はスズのフルオロ塩の内の
少なくとも1つを有効量で、好ましくはゼオライト出発
材料100g当り少なくとも0.001モルの量で接触させるこ
とを含み、そして前記フルオロ塩は、水性溶液又はスラ
リーの形態にあり且つゼオライトとゆるやかな速度で
(任意に緩衝剤の存在下で)少しずつ又は連続的のどち
らかで接触され、これによってゼオライトの骨格アルミ
ニウム原子は除去されてクロム及び(又は)スズ原子に
よって置換されることを含む。本法は出発ゼオライトの
結晶構造の少なくとも60%、好ましくは少なくとも80
%、更に好ましくは少なくとも90%が保持され且つ欠陥
構造ファクター(以下に定義)の増大が0.15より小さ
く、好ましくは0.10より小さくなるように実施すること
が望ましい。
本発明の実施について好適な結晶質ゼオライト出発物質
は、水、クロム及び(又は)スズフルオロ塩及び反応生
成物が内部空洞系を通過するのを許容するのに十分なだ
け大きい細孔を有する任意の天然産又は合成ゼオライト
種にすることができる。これらの物質は、酸化物のモル
比によって、 M2/nO:Al2O3:xSiO2:yH2O (ここで、「M」は原子価「n」を有する陽イオンであ
り、「x」は少なくとも約2、好ましくは約3の値であ
り、「y」は0〜約9の値を有する)として表わすこと
ができる。この「y」の値は水和度及び特定ゼオライト
が吸収水を保持する能力に依存する。別法として、天然
産又は合成ゼオライト出発材料の骨格組成は、骨格四面
体TO2のモル分率によって、 (AlaSib)O2 (2) (ここで、「a」はアルミニウム原子によって占められ
る骨格四面体部位の分率であり、そして「b」はケイ素
原子によって占められる骨格四面体部位の分率である)
として表わすことができる。出発材料の骨格がケイ素及
びアルミニウム以外の原子を含有するならば、これらの
物質は、出発材料の骨格に対するそれらの占有分率によ
ってそれらの“TO2"式で同様に表わすこともできる。カ
ッコ内で下側に記した文字の全部の代数学的合計は1に
等しい。上記の例では、a+b=1である。
結晶質アルミノシリケートゼオライトモレキュラーシー
ブの代表的なものとしては、エリオナイト、モルデナイ
ト、クリノブチロライト、ゼオライトY、ゼオライト
L、ゼオライトLZ−202(ヨーロッパ特許出願第86,904,
614.4号(米国特許出願第752,555号)に開示されている
通りにテンプレート剤を使用しないで作ったオメガタイ
プのゼオライト)LZ−105、ゼオライトΩ、ゼオライト
β、ゼオライトTMAオフレタイト、ゼオライトZSM−5、
ゼオライトZSM−34及びゼオライトZSM−35が挙げられる
が、しかしこれらのものに限定されるものではない。天
然酸及び合成の両方のゼオライトモレキュラーシーブを
用いることができる。ゼオライトYは米国特許第3,130,
007号、ゼオライトLは同第3,216,789号、ゼオライトLZ
−105は同第4,257,885号、ゼオライトΩは同第4,241,03
6号、ゼオライトβは同第3,308,069号、ゼオライトZSM
−5は同第3,702,886号、ゼオライトZSM−34は同第4,08
6,186号、そしてゼオライトZSM−35は同第3,992,466号
にそれぞれ開示されている。
以下でより詳細に説明する理由によって、出発ゼオライ
トは、もし本法を極めて遅い速度で実施しようとする
か、或は緩衝しようとするとき以外は、結晶構造の崩壊
なしに少なくとも適度の程度までの骨格アルミニウム原
子の初期損失に耐えることができるべきである。一般に
は、アルミニウム抽出に耐え且つ高い結晶度レベルを維
持する能力は、ゼオライトの初期SiO2/Al2O3モル比に正
比例する。従って、SiO2/Al2O3比は好ましくは少なくと
も約2.0、一層好ましくは約3であるのが好ましい。ま
た、出発材料中に、天然産又は合成したままのゼオライ
トの少なくとも約50%、好ましくは少なくとも95%のAl
O4 -四面体が存在するのが好ましい。最も有利には、出
発ゼオライトは、その初期AlO4 -四面体をできるだけ多
く含有し、即ち、それらの初期骨格部位からアルミニウ
ム原子を広範囲にわたって除去するか又は酸素との4型
配位の通常の条件からそれらを変えるようないかなる後
形成処理を少しも受けていないものである。
出発ゼオライトの陽イオン占有率は骨格アルミニウムに
対するクロム及び(又は)スズの置換に関する限り臨界
的な因子ではないが、しかし置換機構はゼオライト陽イ
オンのうちの少なくともいくらかの塩の現場形成を包含
する場合があるので、これらの塩はモレキュラーシーブ
生成物からのそれらの除去を容易にするためにかなりの
程度まで水溶性であるのが有利である。これに関してア
ルミニウム陽イオンが最も可溶性の塩を形成することが
判明しており、従って、ゼオライト陽イオンの一部或は
少なくとも50%、最も好ましくは85%以上がアンモニウ
ム又はヒドロニウム陽イオンであるのが好ましい。ゼオ
ライト中に存在する最も普通の陽イオンのうちの2種で
あるナトリウム及びカリウムはそれぞれNa3AlF6及びK3A
lF6を形成することが判明しているが、これらの両方と
も熱水又は冷水のどちらにおいてもごく僅かだけ可溶性
であるに過ぎない。これらの化合物がゼオライトの構造
空洞内に沈殿物として形成されると、それらは水洗によ
って除去するのが極めて困難である。その上、それらの
除去は、もしモレキュラーシーブ生成物の熱安定性を望
む場合に重要である。と云うのは、実質的量の弗化物は
500℃程の低い温度において結晶崩壊を引き起こす可能
性があるからである。
上記方法の生成物の記載を簡単にする目的で、先に定義
した如くゼオライト出発材料及び本法の生成物の骨格組
成は骨格四面体即ち「TO2」(Tは骨組中の置換四面体
原子を表わす)のモル分率によって表わされる。出発ゼ
オライトは、 (AlaSib)O2 (ここで、「a」は骨格中のアルミニウム四面体のモル
分率であり;「b」は骨格中のケイ素四面体のモル分率
であり;「□」は骨格中の欠陥部位を表わし;そして
「z」はゼオライト骨格中の欠陥部位のモル分率であ
る)として表わすことができる。多くの場合に、出発ゼ
オライトの「z」値はゼロであり、そして欠陥部位は表
現から単に省かれている。数値上、各値の合計はa+b
+z=1である。
骨格四面体(TO2)のモル分率によって表わした本法の
方法によって作るモレキュラーシーブは、式: [Al(a-N)SibMc]O2 (ここで、「N」は処理間に骨格から除去されたアルミ
ニウム四面体のモル分率と定義され;「a」は出発ゼオ
ライトの骨格中に存在するアルミニウム四面体のモル分
率であり;「b」はゼオライトの骨格中に存在するケイ
素四面体のモル分率であり、「z」は骨格中の欠陥部位
のモル分率であり;「M」はクロム及び/又はスズを表
わし;そして「c」は本法のフルオロ塩処理から生じる
クロム及び(又は)スズ四面体のモル分率である)を有
する。値の合計は数値上下記の通りである: (a−N)+b+C+Z=1 任意の所定ゼオライトに関する用語「欠陥構造ファクタ
ー」は、その特定ゼオライトの「z」値に等しい。出発
ゼオライトと生成物ゼオライトとの間に欠陥構造ファク
ターにおける正味変化は「Δz」に等しい。
Δz=Z(生成物ゼオライト)−Z(出発ゼオライト) 理論上、ケイ素含量の変化は全くないはずであり、それ
故に「c」は(N−Δz)(ここで、Δzは処理から生
じるゼオライト骨格中の欠陥部位のモル分率の正味の変
化である)に等しいはずである。しかし、実際は、フッ
化物は、時にはモレキュラーシーブのケイ素と、得に一
層シリカ質のモレキュラーシーブの結晶の表面上で反応
してエッチング及び結晶の他の欠陥部位へのケイ素原子
の移送を引き起こす。よって「c」は、実際、常に(N
−Δz)に等しくなるとは限らない。通常、Δは0.15
より小さい。
本法によって製造されたクロム及び/又はスズ含有モレ
キュラーシーブ組成物は、出発ゼオライトから骨格アル
ミニウムが除去されそれ故にクロム及び(又は)スズに
よって置換されたものである。本法は、一般には、 (a)挿入するのに有効なプロセス条件においてゼオラ
イトに、クロムのフルオロ塩或はスズのフルオロ塩の内
の少なくとも1つを有効量で接触させ、 (b)反応混合物からクロム及び(又は)スズ含有モレ
キュラーシーブ生成物を分離すること、 を包含する。
本方法は、通常、少なくとも約3Åの孔径を有し且つ少
なくとも2のSiO2/Al2O3モル比を有する結晶質ゼオライ
トに、好ましくは溶液又はスラリーの形態にあるクロム
のフルオロ塩或はスズのフルオロ塩の少なくとも1つを
有効量で、好ましくは、ゼオライト出発材料100g当りフ
ルオロ塩少なくとも0.001モルの量で接触させることを
包含する。フルオロ塩は好ましくは水溶液又はスラリー
として提供されるが、しかしアルコール及び他の有機溶
剤を用いた溶液又はスラリーも用いることができると考
える。
溶液或はスラリーを有効なpHに保持することが必要であ
る。「有効なpH」とは、有効なプロセス条件下で、a)
モノマー種のクロム及び/又はスズが反応系中に存在
し、且つb)pHが有効量のフルオロ塩との意図する反応
の他に、特定のゼオライト構造に対する過度の破壊的な
酸侵食を回避する程高い、そのようなpHである。有効量
のフルオロ塩はプロセスについて十分なフッ化物及びク
ロム及び/又はスズの量を及び最終のモレキュラーシー
ブ生成物中所望の量のクロム及び/又はスズをもたら
す。本発明について有効なpH値は、通常1より大きく、
そして好ましくは3よりも大きくそして最も好ましくは
約3〜約7の範囲である。
約3又はそれ以上のpHが、通常、ゼオライトの酸分解が
起きないことを確実にするが、必ずしも溶液中クロム及
び/又はスズのいずれかのモノマー種を生成するのに最
適なpHにならないかもしれない。pH値が約3より低くな
れば、多くのゼオライトの結晶崩壊が過度にひどくなる
ことが認められる。他方、pH値が7より高くなれば、ク
ロム及び/又はスズの挿入がこれらのpHにおけるクロム
及び/又はスズの溶解度の結果として及びいくつかの重
合反応の結果として実用的見地からおそくなり得る。
pHが7以上になれば、典型的には、クロム及び/又はス
ズのいずれかのモノマー種が溶液中に存在しないことに
なり、そのため、骨組におけるこれらの金属原子の置換
はほとんど起きない。pH7又はそれ以上において、クロ
ム及び/又はスズのポリマー種が固体酸化物或は含水酸
化物として沈殿することになる。
フルオロ塩溶液又はスラリーはゼオライトとゆるやかな
速度で少しずつ又は連続的に接触され、これによってゼ
オライトの骨格アルミニウム原子がフルオロ塩からのク
ロム及び(又は)スズ原子によって除去されて置換され
る。
フルオロ塩の溶液又はスラリー(好ましくは水性)を、
出発ゼオライトの結晶構造の好ましくは少なくとも80
%、より好ましくは少なくとも90%を保持する速度にお
いて骨格アルミニウム原子の一部分がクロム及び(又
は)スズ原子によって除去されて置換されるような有効
速度でゼオライトに少しずつ又は連続的に接触させる。
アルミニウム抽出剤として、また抽出されたアルミニウ
ムの代わりにゼオライト構造中に挿入されるクロム及び
(又は)スズの源として用いられるフルオロ塩は、一般
式 (A)2/bMF6、(A)2/bMF5又は(A)2/bMF4 (ここで、「M」はクロム及び(又は)スズであり、そ
して「A」は原子価「b」を有する金属又は非金属陽イ
オンである)を有するフルオロ塩のどれであってもよ
い。「A」によって表わされる陽イオンとしては、アル
キルアンモニウム、NH4 +、H+、Mg++、Li+、Na+、K+、Ba
++、Cd++、Cu+、Cu++、Ca++、Ca+、Fe++、Co++、Pb++
Mn++、Rb+、Ag+、Sr++、Tl+及びZn++が挙げられる。フ
ルオロ塩のアンモニウム及びヒドロニウム陽イオン形態
のものが一般に好ましい。何故ならば、それは水中に可
溶性であり、また、これらの陽イオンはゼオライトとの
反応時に水溶性の副生物塩、例えば (NH43AlF6及び(又は)(NH42AlF5 を形成するからである。
クロムのフルオロ塩及びスズのフルオロ塩の内の少なく
とも1つと出発ゼオライトとを接触させる方法及びゼオ
ライト骨組中のアルミニウムをクロム及び(又は)スズ
で置換する全プロセスは、アルミニウム抽出工程がもし
制御しなければ極めて迅速に進行する傾向を有しそして
クロム及び(又は)スズの挿入が一般には比較的遅いと
ころの二段階プロセスになるものと考えられる。もしク
ロム及び(又は)スズを置換せずに脱アルミニウムがあ
まりに広範囲になると、結晶構造は、重大に劣化した状
態になりその最終的には破壊する。いかなる特定の理論
によっても拘束されることを望まないけれども、弗化物
イオンは、次の式に従って骨格アルミニウムの抽出剤と
して作用するようである。
それ故に、初期の脱アルミニウム工程を抑制しそしてク
ロム及び(又は)スズの挿入工程を促進させて所望のモ
レキュラーシーブ生成物を得ることが重要である。各種
ゼオライトは、骨格へのクロム及び(又は)スズの置換
を行わずに骨格アルミニムの抽出を行なう結果として劣
化に対して様々な度合の抵抗性を有することが判明し
た。よって、上述した理由から、pHは3〜7の範囲が好
ましい。また、反応温度の上昇は、クロム及び(又は)
スズの置換速度を高める傾向がある。反応系を緩衝し又
は特定のフルオロ塩濃度を選択してpHを制御することが
必要又は望ましいかどうかは、通常の観察及び評価によ
って各ゼオライト種について容易に決定される。反応系
を有利に緩衝できるかどうかの問題は、特定の出発ゼオ
ライトの選択に大いに左右される。と云うのは、ゼオラ
イトは酸及び塩基媒体に対して種々の許容度を有するか
らである。例えば、いくらかのゼオライトは結晶構造の
崩壊なしに極めて低いpH条件及び高い脱アルミニウムレ
ベルに耐えることができる。反応混合物を特定のpH範囲
内に緩衝するのが有利であるときには、反応混合物は、
斯界においてこれまで一般に用いられる如き態様で緩衝
することができる。反応混合物のpHを緩衝するには、一
般には、酢酸アンモニウムの如き緩衝塩の使用又は過剰
の酸若しくは塩基と反応する不活性固体、例えばクレー
或はアルミナの使用が適し得る。
理論的には、用いる水溶液又はスラリー中でのクロム及
び(又は)スズのフルオロ塩の濃度には下限がない。フ
ルロオ塩のゆっくりした添加速度は、通常、過度のアル
ミニウム抽出が起き、その結果、結晶構造を崩壊する前
に、抽出されたアルミニウムに代ってクロム及び/又は
スズを骨組置換体として挿入するための適当な時間をも
たらす。しかしながら、実際の工業上の考慮事項によっ
て、反応はできるだけ迅速に進行することが要求される
場合があり、従って、反応温度及び試薬濃度の条件は、
各ゼオライト出発材料に関してまた工業的操作に関して
必ず最適化される。一般に言って、ゼオライトがより高
度にケイ酸質になる程、許容できる反応温度は高くなり
且つ本法において用いることができるpH条件は低くな
る。一般には、好ましい有効反応温度は約10〜約99℃好
ましくは約20〜95℃の範囲内であるが、しかしある場合
には、いくらかのゼオライト出発物質と共にまた水溶液
又はスラリー以外の形態のフルオロ塩と共に125℃はそ
れ以上及び0℃程の低い温度を用いることができると考
えられる。もちろん、用いる水溶液中のフルオロ塩の最
高濃度は、温度及びpH因子に、またゼオライトと溶液と
の間の接触時間並びにゼオライト及びフルオロ塩の相対
割合に相関するする。溶液1当り約10-3モルから溶液
の飽和までのフルオロ塩濃度を有する溶液を用いること
ができるが、しかし溶液1当り約0.5〜約1.0モルの範
囲内の濃度を用いるのが好ましい。加えて、先に記載し
たように、クロム及び(又は)スズのフルオロ塩のスラ
リーを用いることができる。上記の濃度値は、真の溶液
に関するものであって、水中の塩のスラリー中における
全フルオロ塩にあてはめるつもりはない。極めて僅かに
可溶性のフルオロ塩さえも水中にスラリー化させて試薬
として使用することができ、そしてゼオライトとの反応
時に消費される溶解した分子種を起き換えるのに未溶解
固形物が容易に利用可能である。先に述べたように、処
理しようとする特定のゼオライトに対して用いられる溶
解フルオロ塩の量は、個々のゼオライトの物理的及び化
合物特性並びに他の有効なプロセス条件にある程度まで
依存する。しかしながら、添加しようとするフルオロ塩
の量の最低値は、ゼオライトから除去しようとするアル
ミニウムの最低モル分率に少なくとも等しいのが好まし
い。
本明細書においてゼオライト出発材料の割合又はゼオラ
イト生成物の吸着特性等を特定するに当っては、特に記
していない限り、ゼオライトの「無水状態」が意図され
る。また、本明細書において用語「無水状態」は、物理
液吸着及び化学的吸着の両方の水を実質上含まない物質
を表わすのに用いられる。一般には、ゼオライトを乾燥
空気中において約450℃で約4時間加熱することによっ
て無水状態でゼオライトを製造することができる。
上記の説明から、有効なプロセス条件について言えば、
プロセスを通じてゼオライト結晶構造の一体性を実質上
維持するのが望ましいこと、及びクロム及び(又は)ス
ズ原子を格子中に挿入させた外に、ゼオライトがその元
の結晶化度を少なくとも60%好ましくは少なくとも80%
更に好ましくは少なくとも90%保持するのが望ましいこ
とが明らかである。出発物質の結晶化度に対する生成物
の結晶化度を評価するための都合のよい技術は、それら
の各々のX線粉末回折図形のd−距離の相対強度を比較
することである。任意単位によって表わしたバックグラ
ウンドの上方の出発材料のピーク高さの総和が基準とし
て使用され、そして生成物の対応するピークと比較され
る。例えば、モレキュラーシーブ生成物のピーク高さの
数字上の総和が出発ゼオライトのピーク高さの総和値の
85%であるときには、結晶化度の85%が保持されたこと
になる。実際に、この目的に対しては例えば6つの最も
強いd−距離のうちの5つの如くd−距離ピークの一部
分だけを使用するのが通例である。ゼオライトYでは、
これらのd−距離は、ミラー指数331、440、533、642及
び555に相当する。本発明の生成物はある率の骨組四面
体をスズ及び/又はクロム原子で置換させることにな
る。これらの一層重い元素の原子が加入されることか
ら、一層重い元素のせいの分散によりX線結晶化度値が
減少し得る。この場合、ゼオライト生成物が保持する一
層信頼し得る結晶化の指数は、表面積の保持度或は吸着
容量の保持度である。表面積は、吸着質として窒素を使
用して周知のブルナウアー・エメット・テーラー法(BE
T)によって測定することができる(ジャーナル・アメ
リカン・ケミカル・ソサイティ、60、390、1938年)。
吸着容量を測定するに当っては、−183℃(90K)及び10
0トルにおいての酸素に対する容量が好ましい。
置換機構の分析 下記は含まれる機構を仮定的に説明するものであり、起
きている実際の機構ではないかもしれない。この説明
は、本発明の置換生成物の本有効なデータ及び分析に基
づくものである。この仮定的説明はそのデータと矛盾が
ないように思われ、この独特のプロセスを説明するのを
助けるかもしれない。
現時点でのすべての入手可能な証拠物件によれば、本発
明の上記方法は、欠陥構造を本質上有さずしかも二次的
な合成プロセスによってクロム及び(又は)スズが骨格
中に挿入されたゼオライトを製造することができるとい
う点で独特であることが示される。
未処理、即ち天然産又は合成したままのゼオライトで
は、元の四面体構造は、通常、次の如く表わされる。
エチレン−ジアミン四酢酸(H4EDTA)の如き錯化剤での
処理後(ここで、化学量論的反応が起こり、これによっ
て骨格アルミニウム原子がナトリウムの如き結合陽イオ
ンと一緒にNaAlEDTAとして除去される)、四面体アルミ
ニウムは、次の如く、ヒドロキシル「ネスト(nest)」
を形成する4つのプロトンによって置換されると仮定さ
れる。
本発明の実施において、2段階プロセスをもくろむ。処
理の第1段階で、始めに四面体アルミニウム原子を加水
分解してゼオライト骨組から取り去る。その際、アルミ
ニウム原子は直ぐに反応して一層安定なアルミニウム種
或は化合物(すなわち、フッ化アルミニウム種)を形成
する。
第2段階で、適当な寸法及び配位数のイオンを脱アルミ
ネーションによって作られた空いた四面体部位に挿入す
る。
ユニオン カーバイド コーポレーションにおいて行う
この研究の主部分は、最近まで第2段階の間にケイ素原
子を空いた四面体の部位に挿入することを含むものであ
った。生成した生成物は、従来性質が知られていない骨
組Si/Al原子比を有し及び以前に実験室で合成されたこ
とのないゼオライト構造である。
ヨーロッパ特許出願第85,902,354.1号(米国特許出願第
604,179号)に開示されているプロセスは、骨組アルミ
ニウムを鉄及び/又はチタンで置換することを含む。本
研究は、脱アルミネーションによって作られた空いた骨
組部位の中にスズ原子或はクロム原子のいずれか或は両
方によって起き換えることを含む。
プロセスの個々の段階は別々の操作で行うことができる
が、両方の段階を効果的な一操作で実施することが一層
望ましい。脱アルミネーション及び骨組置換段階を一操
作で行うことができる特に効率的なクラスの化合物はJx
TFy(Tは置換する四面体原子を表わす)によって表わ
すことができる。置換する四面体原子(T)は、溶けて
加水分解された際に、ヒドロキシル化種及び酸を形成す
る。酸は次いで骨組中のAl作用して脱アルミネーション
をを引き起こす。フルオリド(F)は取り去ったアルミ
ニウムと錯生成し、Jは電荷均合陽イオンである。プロ
セスは水性系で行うが、JxTF化合物を溶液に溶解させる
ことは必要ではない。該化合物はゼオライトとの反応を
開始する程に可溶性であることが必要なだけである。反
応副生物(フッ化アルミニウム)は、置換反応に続く洗
浄段階によってゼオライトから容易に除かれる形態であ
ることが重要である。フルオリドがゼオライト生成物中
に1重量%程に低い(或はなお低い)濃度で存在するこ
とは、ゼオライト結晶の熱安定性の低下に至る。残留フ
ルオリドはゼオライト中のSiと高い温度で反応してゼオ
ライト結晶を崩壊させ得る。
本発明の実施において使用した化合物JxTFyのクラスの
塩は下記の通りである: NH4SnF3;3(NH4F)・CrF3;3(NH4HF2)・CrF3 このクラスの他の化合物もまた同じようにしてゼオライ
トと反応して脱アルミネーション及び骨組置換を行いそ
うである。これより、上記のリストは全てである意味で
なく、これまで用いて良好な結果を得たそれらの化合物
を挙げる意味にすぎない。
上に挙げた化合物の内の1つ或はそれ以上と反応して骨
組置換を行うことが知られているゼオライトのリストの
中には、下記がある:合成ゼオライトY、ゼオライト
L、モルデナイト及びゼオライトLZ−202(ヨーロッパ
特許出願第86,904,614.4号(米国特許出願第752,555
号)に開示されている通りにテンプレート剤を使用しな
いで作ったオメガタイプのゼオライト)。これらのゼオ
ライトの全てに関し、出発ゼオライトを脱アルミネート
し及び取り去ったアルミニウム原子を異なる四面体原子
で置換する反応が少なくともある程度起きたが、生成し
たゼオライトは最適な生成物ではなかったかもしれな
い。
プロセスの化学は大よそ下記の方法でもくろむことがで
きる。第1段階で、ゼオライトの水性スラリーとJxTFy
塩の溶液とを接触させる。JxTFyの溶解度が限られてい
ることから、ゼオライト及び塩を一緒にスラリー化する
ことができる場合がいくつかある。塩は水溶液中で加水
分解して酸、H3O+及び遊離フルオリドを形成する。この
加水分解の一例(T=Si)を下記の通りに示すことがで
きる: a)J2SiF62J++2F-+SiF4 b)SiF4+2H2OSiF3OH+H3O++F- c)SiF3OH+2H2OSiF2(OH)+H3O++F- d)SiF2(OH)+2H2OSiF(OH)+H3O++F- e)SiF(OH)+2H2OSi(OH)+H3O++F- このようにして生成された酸(H3O)は迅速に反応し
てゼオライトを脱アルミネートする。取り去られたアル
ミニウムは遊離のフルオリドと迅速に反応してAlF3、J2
AlF5、J3AlF3等のフッ化アルミニウムを形成する。
脱アルミネーション段階は極めて速いので、この反応は
プロセスの内の最も決定的な部分である。脱アルミネー
ションが(空いた四面体部位に置換することなく)あま
りに起きすぎれば、ゼオライトは急速にその結晶構造を
失う。酢酸アンモニウムのような緩衝剤を用い、それで
pHを約6.0より大きく保つ方法を使用して置換段階が一
層遅く行われ得るように加水分解の速度をおそくさせる
ことができる。脱アルミネーション段階を調節する別の
方法は、JxTFy溶液を極めてゆっくりゼオライトスラリ
ーに加えることである。このようにして、ゼオライト骨
組を過度に結晶崩壊を引き起こす点まで脱アルミネート
させる前に、ある程度の置換が起きることができる。Jx
TFy溶液をゆっくり加えることにより、ゼオライトそれ
自体が系において「緩衝剤」として働く。
第2段階は取り去ったアルミニウム原子に代えて新しい
四面体原子をゼオライト構造に置換することである。こ
の段階は総括的速度制限或はおそい段階であることがわ
かった。系の温度を上げれば置換速度を早めるが、また
他の望ましくない副反応、例えば脱アルミネーション或
はTを続けて加水分解してもはや骨組欠陥部位に入るこ
とのできないポリマー種の形成、の速度も増進させ得
る。置換段階の正確な化学は詳細にはわかっていない。
ゼオライトを脱アルミネートして空いた部位にヒドロキ
シルネストが残り、これが立ち代って置換する四面体原
料の加水分解された形態と反応するものと提案すること
ができる。
段階反応を下記の通りに表わすことができる: 脱アルミネーション: 置換: 或は、反応全体を下記の通りに記述することができる: 実験条件 アルミニウムが欠乏したゼオライトの赤外スペクトル
は、約3750cm-1で始まって約3000cm-1まで伸びる広く区
別のつかない吸収バンドを示す。この吸収バンド又は囲
いの大きさは、ゼオライトのアルミニウム欠乏度の増大
と共に大きくなる。吸収バンドが極めて広く且つ特定の
吸収振動数がないという理由は、骨格中の空の部位にあ
るヒオロキシル基が互いに相互作用(水素結合)するよ
うな態様で配位していることである。また、吸着された
水分子のヒドロキシル基も、水素結合されそして「ネス
ト」ヒドロキシルと同様の広い吸収バンドを生成する。
また、興味ある範囲内で特定の固有吸収振動数を示すあ
る種の他のゼオライトヒドロキシル基が存在するなら
ば、それらは、これらの領域において「ネスト」ヒドロ
キシル基に基づくバンド上に重ねられた赤外吸収バンド
の原因となる。これらの特定のヒドロキシルは、ゼオラ
イト中に存在するアンモニウム陽イオン又は有機陽イオ
ンの分解によって形成される。
しかしながら、干渉するヒドロキシル基の存在を回避
し、かくして「ネスト」ヒドロキシルのみに基因する吸
収を観察することができるように、ゼオライトに赤外分
析を施こす前にそれらを処理することが可能である。吸
着水に属するヒドロキシルは、水和ゼオライト試料に約
200℃の中程度の温度において約1時間減圧活性化を施
こすことによって回避される。この処理は、吸着水の脱
着及び実質上完全な除去を可能にする。吸着水の完全除
去は、水分子の変角振動数である約1640cm-1での赤外吸
収バンドがスペクトルから消えたときを観察することに
よって確めることができる。
分解性アンモニウム陽イオンは、イオン交換によって少
なくとも大部分除去することができ、そして好ましくは
ゼオライトのアンモニウム形態のものにNaCl溶液による
温和なイオン交換処理を施すことによって金属陽イオン
で置換することができる。これによって、アンモニウム
陽イオンの熱分解によって生じるOH吸収バンドが回避さ
れる。従って、そのようにして処理されたゼオライトに
関する3745cm-1〜約3000cm-1の範囲にわたる吸収バンド
は欠陥構造と関連するヒドロキシル基にほとんど完全に
基因し、そしてこのバンドの絶対吸光度はアルミニウム
の欠乏度の尺度になり得る。
しかしながら、たとえ温和であっても必ず徹底的でなけ
ればならないイオン交換処理は、かなりの時間を必要と
することが分かった。また、吸着水を除去するためのイ
オン交換と減圧焼成との組み合わせは、3745cm-1〜3000
cm-1範囲で吸収を示すことができる欠陥ヒドロキシル以
外のあらゆる可能性のあるヒドロキシルを除去しない。
例えば、3745cm-1でのやや鮮細なバンドは、ゼオライト
結晶の端部格子位置にあるSi−OH基に、また物理的吸着
水が除去された無定形(非ゼオライト性)シリカによる
ものとされた。この理由のために、本発明のゼオライト
生成物中における欠陥構造の度合を測定するには幾分異
なる基準を使用することが好ましい。
物理的吸着水によって与えられる水素結合ヒドロキシル
基の不在下では、骨格の空所又は欠陥部位に関連するヒ
ドロキシル基以外のヒドロキシル基に基因する吸収によ
って最とも影響されない吸収振動数は3710±5cm-1にあ
る。かくして、本発明のゼオライト生成物中に残存する
欠陥部位の相対数は、先ずゼオライトからすべての吸着
水を除去し、3710cm-1の振動数におけるその赤外スペク
トルの絶対吸光度の値を測定し、そしてこの値を既知量
の欠陥構造を有するゼオライトのスペクトルから得られ
た対応する値と比較することによって測定することがで
きる。以下に記載の各実施例で製造した生成物中の欠陥
構造の量を測定するのに、以下に記載の特定の操作が任
意に選定して使用された。この操作から得られたデータ
を利用すると、簡単な数字上の計算を使用して単一で再
現性のある値(以下、「欠陥構造因子」と称しそして記
号「Z」によって表わす)を得ることが可能である。こ
の値は、本発明の新規なゼオライト組成物とそれらのク
ロム及び(又は)スズ不含対応物と比較区別するのに用
いることができる。
欠陥構造因子“Z" (A)欠陥構造ゼオライト標準物 標準ゼオライト、例えばゼオライトYを、ゼオライトに
エチレンジアミン四酢酸(EDTA)溶液(EDTAをテトラエ
チルアンモニウムヒドロキシド及び水の溶液に溶解した
もの)混合し、生成した混合物を一晩攪拌しかつ還流さ
せることによって処理する。次いで、溶液から固体をろ
過し、固体を蒸留水で洗浄する。標準物を調製するため
には、出発ゼオライトは十分に結晶化され、実質上純粋
で且つ欠陥構造を含まないことが重要である。これらの
特性のうちの始めの2つ、すなわち十分に結晶化され、
実質上純粋であることは通常のX線分析によって容易に
測定され、そして三番目もの、すなわち欠陥構造を含ま
ないことは以下の(B)部分に記載した操作を使用して
赤外分析によって測定される。また、アルミニウム抽出
の生成物も、十分に結晶化されそして実質上不純物を含
むべきでない。標準試料のアルミニウム欠乏量即ち四面
体欠陥構造のモル分率は、通常の化学分析操作によって
確かめることができる。所定の場合において標準試料を
調製するのに用いられる出発ゼオライトのSiO2/Al2O3
ル比はそれ程厳密なものではないが、しかし本発明の方
法の実施において出発材料として使用されると同じゼオ
ライト種のSiO2/Al2O3モル比の約10%以内であるのが好
ましい。
(B)生成物試料及び欠陥構造ゼオライト標準物の赤外
スペクトル 分析しようとする水分ゼオライト15mgをKBrダイにおい
て5,0001bの圧力下にプレスして13mm直径の自己保形性
ウエファーを作る。次いで、このウエファーを1×10-4
mmHgよりも大きくない圧力において200℃で1時間加熱
してゼオライトからすべての測定可能な微量の物理的吸
着水を除去する。ゼオライトのこの状態は約1640cm-1
おける赤外吸収バンドの完全不在によって証明される。
しかる後、吸着性物質特に水蒸気と接触させずに、4cm
-1分解能にけるインターフェロメーター系で少なくとも
3745〜3000cm-1の振動数範囲にわたってウエファーの赤
外スペクトルを得る。異なる装置による分析の不一致を
回避するために同じインターフェロメーター系を用いて
生成物試料及び標準試料の両方を分析する。透過方式の
操作で通常得られるスペクトルを数学的に変換して波長
対吸光度としてプロットする。
(C)欠陥構造因子の測定 欠陥構造因子(z)は、所定のデータを次の式に代入す
ることによって計算される。
上記式において、AA(ps)は3710cm-1において生成物試
料の概算バックグラウンドの上方で測定される赤外絶対
吸光度であり、AA(std)は3710cm-1おいて標準物のバ
ックグラウンドの上方で測定される絶対吸光度であり、
そして標準物中の欠陥のモル分率は上記の(A)部分に
従って測定される。
欠陥構造因子Zを一旦知ると、生成物試料の湿式化学分
析から、処理の結果としてゼオライト中のアルミニウム
がクロム及び(又は)スズで置換されたかどうかをSi
O2、Al2O3、クロム及び(又は)スズ及びM2/nOとして
の陽イオン含量についてまたクロム及び(又は)スズの
置換効率について測定することが可能である。
本明細書中に記載されそして後記の特許請求の範囲で引
き合いに出す本質的なX線粉末回折図形は、(1)標準
X線粉末回折技術か、又は(2)銅K−α照射を使用し
そしてシーメンズK−805型X線源を備えたシーメンズ
D−500X線粉末回折装置(米国ニュージャージー州チェ
リー・ヒル所在のシーメンズ・コーポレーションから入
手可能)を適当なコンピューターインターフェースと共
に用いるコンピューターベース技術のどちらかを使用し
て得られる。標準X線技術を用いるときには、照射源は
50Kv及び40maで操作される高強度銅ターゲットX線管で
ある。X線スペクトロメーターシンチレーションカウン
ター、パルスヘイトアナライザー及びストリップチャー
トレコーダーによって、銅K−α照射及びグラファイト
モノクロメーターからの回折図形を適当に記録する。2
秒の時間恒数を用いて、偏平な圧縮粉末試料を2゜(2
θ)/分で操作する。2θ(ここで、2θはストリップ
チャートで観測される如きブラック角である)として表
わされる回折ピークの位置から面間距離(d)を得る。
バックグラウンドを差し引いた後、回折ピークの高さか
ら強度を測定する。
全てのゼオライト試料を標準分析手順に従って評価し
た。ほとんどの試料のX線結晶化度を、シーメンスD−
500を使用して測定し、全ての主反射のピーク面積並び
にピーク強度を測定して出発材料の未処理の試料に対比
した。成功した実験の生成物はX線結晶度の主部分を維
持することが予期された。立方単位格子(a)を有する
物質について単位格子値を測定した。
処理したゼオライトの骨組赤外スペクトルをそれぞれの
出発材料の骨組スペクトルと比べた。骨組吸収周波数の
一層高い波数への一般的な全体のシフトは、骨組中のケ
イ素含量が一層多いことの良好な指標である。約950〜1
250cm-1における非対称ストレッチ帯のシフトは脱アル
ミネーションを伴う。対称ストレッチ帯、750〜835cm-1
は骨組中の実際のケイ素含量に対して一層感応性であ
り、ケイ素含量が多くなるにつれて一層高い波数の方に
シフトする。ケイ素と異なる原子をゼオライト骨組中に
置換して入れることがこれらの帯の位置に与える影響に
ついては、ほとんど知られていない。簡単な脱アルミネ
ーションの結果として、対称ストレッチ帯の位置に与え
る影響はほとんど観測されなかった。Y及びおそらくモ
ルデナイトの他のゼオライトに関し、脱アルミネーショ
ンが骨組赤外帯の位置或はシフトに与える影響について
の研究がないことから、対称ストレッチ帯の実質的なシ
フトの無いことを、金属原子置換の度合を判断する唯一
の基準としては用いなかった。
より詳細に言えば、アルミニウムに代えてクロムか或は
スズのいずれか或は両方を入れることが骨組赤外帯のシ
フトに与える影響についての研究はない。一般的な仮定
では、Alより大きいイオンは単位格子寸法を増大させ、
骨組赤外吸収帯位置の低下を引き起こすことになろう。
逆に、Alより小さいイオンをゼオライトに入れるなら
ば、単位格子寸法の減小及び赤外吸収帯位置の増大を引
き起こすことになろう。
ヒドロキシル領域赤外スペクトルを用いて本発明のゼオ
ライト生成物における骨組欠陥部位の相対的な量を評価
した。この評価法の一層十分な説明については、米国特
許4,503,023号を参照のこと。3710cm-1における絶対吸
光度(バックグラウンドより上)を測定し、既知数の欠
陥を含有するアルミニウム減損NaYの標準試料と比べ
た。参考標準物の欠陥構造因子(Z)は0.140であり、
赤外スペクトルの3710cm-1において絶対吸光度値0.330
を生じた。この場合におけるZの参考値はアルミニウム
減損NaYのゼオライト骨組における空いた四面体部位の
モル分率である。四面体部位の全ての内の14%が四面原
子(Si或はAl)を含有せず、むしろ水素結合OH基の内の
ある形態を含有する。
各ゼオライト生成物中の陽イオン当量即ちM2/nO/Al2O3
モル比を測定するに当っては、「M」が水素以外の一価
陽イオンである形態のゼオライトについて通常の化学分
析を行なうのが有益である。これは、各AlO4 -四面体に
関連する正味の陰電荷を平衡するのに陽イオンの全原子
価が使用されているかどうか又はOH-若しくはH3O+イオ
ンとの結合に陽イオンの正原子価のいくらかが使用され
ているかどうかについて二価又は多価金属ゼオライト陽
イオンの場合に起こり得る不確実さを回避する。
次の実施例は本発明を例示するために提供するものであ
って、本発明を限定するものではない。
(実施例の説明) 次ぎに本発明の実施例を説明するがこれらは例示の目的
であり、本発明を限定するものと解してはならない。
水性アンモニウムフッ化物塩によりゼオライトの骨格中
のAlをSn及びCrにより置換した後、すべてのゼオライト
を加熱蒸留水により充分に洗浄した。乾燥粉末にした試
料をx線回折技術により結晶性の保持程度を検査した。
結晶と判定された試料を更に示差熱分析、−183℃にお
ける酸素の定温吸収、4.6トル、25℃での水吸収容量、O
H領域及び中間(骨格)領域における赤外分光、及び完
全な化学分析により調べた。
報告されたX線パターンのスペクトル線の相対強度は強
い方から弱い方に順にvs,s,m,w,vwで表わす。
実施例1から5はゼオライトYの骨格中のCr3+の置換を
示し、得られた製品をLZ−239により示す。
実施例1 8.544ミリモルのAlを含有する2gのNH4Y(無水物重量)
を75℃に加熱された100mlの蒸留水でスラリー化した。2
50mlの蒸留水に溶解した21.36ミリモルのCrF3及び64.08
ミリモルのNH4HF2の溶液50mlを少しずつ、すなわち5分
毎に2mlの割合で前記のゼオライトスラリーに添加し
た。クロム溶液の添加に続いて温度を95℃に上昇し、こ
のスラリーを95℃で3時間熟成(digest)した。得られ
た緑色の生成物を過し、可溶性フッ化物を加熱した蒸
留水で洗浄して除去し、乾燥し、次いで特性を測定し
た。生成物には11重量%のCr2O3を含有しており、X線
回折によると結晶性を低下していた。その単位結晶は2
4.55Åであり、欠陥構造因子zの実質的な増大が見られ
た。低下した結晶性はこの場合2つの因子によるものと
思われる。すなわち構造中の見掛けの乱れの量はクロム
イオンが水酸化された陽イオン[Cr(OH)2 +、Cr(OH)
2+]として且つ骨格中に存在する大きいイオンであるこ
とによって説明できる。重質クロム原子を構造中に導入
すると重質クロム原子によるX線散乱によりピーク強度
の減少と、その面積の増大が生じる。更に重フッ化物ア
ニオンの酸性により酸に敏感なYゼオライト骨格構造を
退化させるものと思われる。
出発原料NH4Y及びLZ−239の骨格酸化物のモル分率は次
ぎのとおりである。
(a)酸化物(TO2)のモル分率 出発原料NH4Y:(Al0.277Si0.7050.018)O2 LZ−239:(Al0.115Cr0.075Si0.6350.176)O2 (b)除去されたアルミニウムのモル分率N:0.162 (c)除去されたアルミニウムの割合N/a%:58 (d)欠陥構造因子の変化Δz:0.158 (e)除去されたあるアルミニウムに対する置換された
クロムのモル比c/N:0.463 実施例2 8.544ミリモルのAlを含有する2gのNH4Y(無水物重量)
を75℃に加熱された100mlの蒸留水でスラリー化した。2
50mlの蒸留水に溶解した21.36ミリモルのCrF3及び64.08
ミリモルのNH4Fを含む第2の溶液50mlを少しずつ、すな
わち5分毎に2mlの割合で前記のゼオライトスラリーに
添加した。クロム溶液の添加に続いて温度を95℃に上昇
し、このスラリーを95℃で3時間熟成した。得られた緑
色の生成物を過し、フッ化物を加熱した蒸留水で洗浄
して除去し、乾燥し、次いで特性を測定した。生成物に
は10重量%のCr2O3を含有しており、X線回折によると
良好な結晶性保持が見られた。その単位結晶は24.58Å
と見積もられた。この試料のLZ−236に対するSEM(走査
電子顕微鏡)写真を第1A図、第2A図、及び第4A図に示
す。またこの試料に対するEDAXの結果を第1B、2B、2C、
3A、3B、及び4Bに示す。
出発原料NH4Y及びLZ−239の骨格酸化物のモル分率は次
ぎのとおりである。
(a)酸化物(TO2)のモル分率 出発原料NH4Y:(Al0.277Si0.7050.018)O2 LZ−239:(Al0.210Cr0.080Si0.6600.050)O2 (b)除去されたアルミニウムのモル分率N:0.067 (c)除去されたアルミニウムの割合N/a%:24 (d)欠陥構造因子の変化Δz:0.032 (e)除去されたあるアルミニウムに対する置換された
クロムのモル比c/N:1.19 実施例3 8.544ミリモルのAlを含有する2gのNH4Y(無水物重量)
を75℃に加熱された100mlの蒸留水でスラリー化した。2
50mlの蒸留水に溶解した21.36ミリモルのCrF3及び64.08
ミリモルのNH4Fを含む第2の溶液50mlを少しずつ、すな
わち5分毎に2mlの割合で前記のゼオライトスラリーに
添加した。クロム溶液の添加に続いて温度を95℃に上昇
し、このスラリーを95℃で30分間熟成した。得られた生
成物を過し、フッ化物を加熱した蒸留水で洗浄して除
去し、乾燥し、次いで特性を測定した。生成物には10重
量%のCr2O3を含有しており、X線回折によると良好な
結晶性保持が見られた。その単位結晶は24.63Åと見積
もられた。この試料LZ−236に対するSEM(走査電子顕微
鏡)写真を第5A図に示す。またこの試料に対するEDAXの
結果を第5B及び5C図に示す。
出発原料NH4Y及びLZ−239の骨格酸化物のモル分率は次
ぎのとおりである。
(a)酸化物(TO2)のモル分率 出発原料NH4Y:(Al0.277Si0.7050.018)O2 LZ−239:(Al0.206Cr0.082Si0.6650.047)O2 (b)除去されたアルミニウムのモル分率N:0.071 (c)除去されたアルミニウムの割合N/a%:26 (d)欠陥構造因子の変化Δz:0.029 (e)除去されたあるアルミニウムに対する置換された
クロムのモル比c/N:1.15 実施例4 8.544ミリモルのAlを含有する2gのNH4Y(無水物重量)
を75℃に加熱された100mlの蒸留水でスラリー化した。2
50mlの蒸留水に溶解した21.36ミリモルのCrF3及び64.08
ミリモルのNH4Fを含む第2の溶液50mlを少しずつ、すな
わち5分毎に2mlの割合で前記のゼオライトスラリーに
添加した。クロム溶液の添加に続いて温度を75℃に上昇
し、生成物を75℃で30分間熟成した。得られた生成物を
過し、フッ化物を加熱した蒸留水で洗浄して除去し、
乾燥し、次いで特性を測定した。生成物には10重量%の
Cr2O3を含有しており、X線回折によると良好な結晶性
保持が見られた。その単位結晶は24.64Åと見積もられ
た。この試料LZ−236に対するSEM(走査電子顕微鏡)写
真を第6A図に示す。またこの試料に対するEDAXの結果を
第6B及び5C図に示す。
出発原料NH4Y及びLZ−239の骨格酸化物のモル分率は次
ぎのとおりである。
(a)酸化物(TO2)のモル分率 出発原料NH4Y:(Al0.277Si0.7050.018)O2 LZ−239:(Al0.204Cr0.079Si0.6580.059)O2 (b)除去されたアルミニウムのモル分率N:0.073 (c)除去されたアルミニウムの割合N/a%:26 (d)欠陥構造因子の変化Δz:0.041 (e)除去されたあるアルミニウムに対する置換された
クロムのモル比c/N:1.08 LZ−239で示したモレキュラーシーブはX線粉末回折パ
ターンで表わして少なくとも次ぎの表Aに示したd間隔
を有する。
実施例1ないし4の生成物の化学分析の結果は表Bに示
す。
実施例5 実施例1、2及び4の生成物をSEM及びEDAXにより分析
した。通常の塗布技術を用い試料を先ず炭素で被覆して
検査し、更に金及び銀で被覆して再び検査した。
炭素被覆した試料はEDAX分析に対して良好な表面を示し
た。試料に被覆した金及び銀により異なった元素に対す
るそれぞれの良好な分解能のピークが大きいピークによ
り妨害されないで得られた。金及び銀の被覆は試料を導
電性にすると共に結晶表面の良好な分解能を与える。
結晶は炭素を被覆した後に先ずEDAXにより元素分析され
た。置換元素Crが検出され結晶全体にこの元素の相対分
布が認められた。次ぎにこの試料に金又は銀が被覆さ
れ、結晶形態が異常な物質の付着があるか又はゼオライ
ト結晶の変化が生じたかを検査された。それぞれのゼオ
ライトの通常の結晶形態、擬似結晶又は非晶質物質の不
存在及び置換元素の結晶全体への比較的均一な分布は、
置換イオンがゼオライト骨格構造の内部に確かに侵入置
換したことを示すものと考えられる。実施例2の試料の
EDAXによるとCrがゼオライト結晶の全体に充分に分散し
ていることを示している。Crの有意な量はすべての寸法
の結晶に見出された。Crの量は試料中の個々の結晶のす
べてで同様であり、又試料全体のCrを示すEDAX領域走査
の面から差異がなかった(第1A、1B2A、2B、2C、3A、3B
図参照)。銀被覆試料は二次合成処理の結果ゼオライト
の表面に何らの異物も付着していないかなり綺麗な結晶
表面を有した(第4A、4B図参照)。
実施例3の典型的なSEM及びEDAX分析の結果は第5A及び5
B図に示されており、又実施例4のそれは第6A及び6B図
に示されたいる。これらは全てYゼオライトの骨格中の
Alに置換したCrを示す試料にいついて測定された他の特
性と一致する。Cr置換YゼオライトはLZ−239で表わさ
れれる。
実施例6 この実施例はゼオライトモルデナイトの骨格中のCr3+
換を例示する。それによって得られるゼオライトはLZ−
239で表わす。
25g(無水物基準)のヒドロニウムイオン交換モルデナ
イトゼオロン(米国マサチュセッツ州ウースター所在の
ノートン。カンパニー製)を使用した。49.85ミリモル
のAlを含有するこのH3O+モルデナイトNH4Y(無水物重
量)を75℃に加熱された200mlの蒸留水でスラリー化し
た。50mlの蒸留水に溶解した24.92ミリモルのCrF3及び7
4.78ミリモルのNH4Fを含む第2の溶液50mlを少しずつ、
すなわち4分毎に2mlの割合で前記のゼオライトスラリ
ーに添加した。クロム溶液の添加に続いて温度を95℃に
上昇し、このスラリーを95℃で3時間熟成した。得られ
た生成物を過した。過物は初めに緑色を呈したが、
水洗で無色になった。固形の生成物を加熱した蒸留水で
洗浄してフッ化物を除去し、乾燥し、次いで特性を測定
した。生成物には3.5重量%のCr2O3を含有しており、X
線回折によると優れた結晶性保持が見られた。この試料
LZ−249はX線粉末回折パターンで表わして少なくとも
次ぎの表Cに示したd間隔を有する。
出発H30 +モルデナイト及び生成物LZ−249の骨格酸化物
のモル分率は次ぎのとおりである。
(a)酸化物(TO2)のモル分率 出発原料H3O+モルデナイト:(Al0.097Si
0.7150.188)O2 LZ−249:(Al0.083Cr0.026Si0.7770.114)O2 (b)除去されたアルミニウムのモル分率N:0.014 (c)除去されたアルミニウムの割合N/a%:14 (d)欠陥構造因子の変化Δz:−0.74 (e)除去されたあるアルミニウムに対する置換された
クロムのモル比c/N:1.86 出発原料H3O+モルデナイトとLZ−249の比較を表Dに示
す。
実施例7 この実施例はゼオライトLZ−202の骨格中のCr3+置換を
例示する。それによって得られるゼオライトはLZ−250
で表わす。
LZ−202はオメガ型のゼオライトであり、ゼオライトオ
メガと類似した構造と特性を有するが、有機物の無い媒
質中で合成される点で違う。25g(無水物基準)のアン
モニウム交換LZ−202を使用した。91.70ミリモルのAlを
含有するこのゼオライトを75℃に加熱された200mlの蒸
留水でスラリー化した。100mlの蒸留水に溶解した45.85
ミリモルのCrF3及び137.55ミリモルのNH4Fを含む第2の
溶液50mlを少しずつ、すなわち5分毎に5mlの割合で前
記のゼオライトスラリーに添加した。クロム溶液の添加
に続いて温度を95℃に上昇し、このスラリーを95℃で3
時間熟成した。得られた生成物を過した。過物は初
めに緑色を呈したが、水洗で無色になった。固形の生成
物は緑色を呈した。これを加熱した蒸留水で洗浄してフ
ッ化物を除去し、乾燥し、次いで特性を測定した。生成
物には8.5重量%のCr2O3を含有しており、X線回折によ
ると優れた結晶性保持が見られた。しかしマクベイン吸
着容量はほぼ完全な細孔容量の保持を示し、恐らくX線
によるよりも結晶性の優れた指標の様である。重質のク
ロム原子の骨格中への導入で散乱によりX線強度が減じ
ピーク面積が減少する。ここにLZ−250で表わすこのモ
レキュラーシーブはゼオライトはX線粉末回折パターン
で表わして少なくとも次ぎの表Eに示したd間隔を有す
る。
出発原料NH4 +ゼオライトLZ−202とCr3+置換生成物LZ−2
50の比較は次表Fに示す。
出発原料NH4−LZ−202及び生成物LZ−250の骨格酸化物
のモル分率は次ぎのとおりである。
(a)酸化物(TO2)のモル分率 出発原料NH4LZ−202:(Al0.221Si0.7310.048)O2 LZ−250:(Al0.178Cr0.068Si0.7040.050)O2 (b)除去されたアルミニウムのモル分率N:0.043 (c)除去されたアルミニウムの割合N/a%:19 (d)欠陥構造因子の変化Δz:0.002 (e)除去されたあるアルミニウムに対する置換された
クロムのモル比c/N:1.58 実施例8 この実施例はゼオライトLの骨格中のCr3+置換を例示す
る。それによって得られるゼオライトはLZ−251で表わ
す。
25g(無水物基準)のアンモニウム交換ゼオライトLを
使用した。91.25ミリモルのAlを含有するこのゼオライ
トを75℃に加熱された200mlの蒸留水でスラリー化し
た。蒸留水に溶解した47.62ミリモルのCrF3及び142.88
ミリモルのNH4Fを含む第2の溶液100mlを少しずつ、す
なわち5分毎に5mlの速度で前記のゼオライトスラリー
に添加した。クロム溶液の添加に続いて温度を95℃に上
昇し、このスラリーを95℃で3時間熟成した。得られた
生成物を過した。過物は無色であった。固形の生成
物は緑色を呈した。これを加熱した蒸留水で洗浄してフ
ッ化物を除去し、乾燥し、次いで特性を測定した。生成
物には8.3重量%のCr2O3を含有しており、X線回折によ
ると優れた結晶性保持が見られた。マクベイン吸着容量
はほぼ完全な細孔容量の保持を示し、恐らくX線による
よりも結晶性の優れた指標の様である。重質のクロム原
子の骨格中への導入で散乱によりX線強度が減じピーク
面積が減少する。ここにLZ−251で表わすこのモレキュ
ラーシーブはゼオライトはX線粉末回折パターンで表わ
して少なくとも次ぎの表Gに示したd間隔を有する。
出発原料NH4ゼオライト及び生成物Z−202の骨格酸化物
のモル分率は次ぎのとおりである。
(a)酸化物(TO2)のモル分率 出発原料NH4L:(Al0.248Si0.7320.020)O2 LZ−251:(Al0.194Cr0.069Si0.6900.047)O2 (b)除去されたアルミニウムのモル分率N:0.054 (c)除去されたアルミニウムの割合N/a%:22 (d)欠陥構造因子の変化Δz:0.027 (e)除去されたあるアルミニウムに対する置換された
クロムのモル比c/N:1.28 出発原料NH4 +ゼオライトLとCr3+置換生成物LZ−251の
比較は次表Hに示す。
実施例9 この実施例はゼオライトYの骨格中のSn2+置換を例示す
る。それによって得られるゼオライトはLZ−238で表わ
す。
2g(無水物基準)のアンモニウム交換ゼオライトYを使
用した。8.544ミリモルのAlを含有するこのゼオライト
を75℃に加熱された200mlの蒸留水でスラリー化した。
蒸留水に溶解した4.27ミリモルのNH4SnF3を含む第2の
溶液55mlを少しずつ、すなわち5分毎に5mlの割合で前
記のゼオライトスラリーに添加した。弗化錫溶液の添加
に続いて温度を95℃に上昇し、このスラリーを95℃で3
時間熟成した。得られた生成物を過し、加熱した蒸留
水で洗浄してフッ化物を除去し、乾燥し、次いで特性を
測定した。生成物LZ−238は黄色を呈し、化学分析で22.
7重量%のSnOを含有することが分かった。生成物の諸測
定からこの物はゼオライト骨格中のAlを錫で置換してい
ることが分かる。残りの錫は陽イオンとして及び沈殿し
たSnOとして存在する。X線回折によると回折像の背景
の中にSnOの痕跡が見られ、結晶性の実質的な低下が見
られた。しかしマクベイン吸着容量測定によると80%以
上の細孔容量の保持が確認された。X線により結晶性の
低下が見られたのはゼオライト構造中に侵入した錫原子
の散乱によるものであろう。ここにLZ−238で表わすこ
のモレキュラーシーブはX線粉末回折パターンで表わし
て少なくとも次ぎの表Iに示したd間隔を有するゼオラ
イトYの構造を有する。
出発原料NH4 +ゼオライトYとSn2+置換生成物LZ−238の
比較は次表Jに示す。
出発原料NH4Yゼオライト及び生成物Z−238の骨格酸化
物のモル分率は次ぎのとおりである。
(a)酸化物(TO2)のモル分率 出発原料NH4Y:(Al0.277Si0.7050.018)O2 LZ−238:Al0.206Sn0.118Si0.6240.052)O2 (b)除去されたアルミニウムのモル分率N:0.071 (c)除去されたアルミニウムの割合N/a%:26 (d)欠陥構造因子の変化Δz:0.034 (e)除去されたあるアルミニウムに対する置換された
錫のモル比c/N:1.66 実施例10 この実施例はゼオライトモルデナイトの骨格中のSn2+
換を例示する。それによって得られるゼオライトはLZ−
252で表わす。
25g(無水物基準)のヒドロニウムイオン交換モルデナ
イトゼオロン(米国マサチュセッツ州ウースター所在の
ノートン。カンパニー製)を使用した。49.85ミリモル
のAlを含有するこのH3O+モルデナイトを使用した。この
ゼオライトを75℃に加熱された200mlの蒸留水でスラリ
ー化した。100ml蒸留水に溶解した24.92ミリモルのNH4S
nF3含む第2の溶液を少しずつ、すなわち5分毎に5mlの
割合で前記のゼオライトスラリーに添加した。弗化錫溶
液の添加に続いて温度を95℃に上昇し、このスラリーを
95℃で3時間熟成した。得られた生成物を過し、加熱
した蒸留水で洗浄して可溶性フッ化物を除去し、乾燥
し、次いで特性を測定した。生成物は無職であった。化
学分析で12.3重量%のSnOを含有すること、及びX線で
良好な結晶性の保持が分かった。X線回折によると回折
像の背景の中にSnOの痕跡は見られなかった。このLZ−2
52のSEM写真は第7A及び7B図に示す。又EDAXの結果は第8
A及び8B図に示す。ここにLZ−252で示したモレキュラー
シーブはX線粉末回折パターンで表わして少なくとも次
ぎの表Kに示したd間隔を有するゼオライトモルデナイ
トの構造を有する。
出発原料H3O+モルデナイトとSn2+置換生成物LZ−252の
比較は次表Lに示す。
出発原料H3O+モルデナイトとSn2+置換生成物LZ−252の
骨格酸化物のモル分率は次ぎのとおりである。
(a)酸化物(TO2)のモル分率 出発原料H3O+モルデナイト:(Al0.097Si
0.7150.188)O2 LZ−252:(Al0.058Sn0.052Si0.7640.126)O2 (b)除去されたアルミニウムのモル分率N:0.039 (c)除去されたアルミニウムの割合N/a%:40 (d)欠陥構造因子の変化Δz:−0.062 (e)除去されたあるアルミニウムに対する置換された
錫のモル比c/N:1.33 実施例11 この実施例はゼオライトLZ−202の骨格中のSn2+置換を
例示する。それによって得られるゼオライトはLZ−253
で表わす。
LZ−202はオメガ型のゼオライトであり、ゼオライトオ
メガと類似した構造と特性を有するが、非有機物媒質中
で合成される点で違う。25g(無水物基準)のアンモニ
ウム交換LZ−202を使用した。91.70ミリモルのAlを含有
するこのゼオライトを75℃に加熱された200mlの蒸留水
でスラリー化した。100mlの蒸留水に溶解した45.85ミリ
モルのNH4SnF3を含む第2の溶液50mlを少しずつ、すな
わち5分毎に5mlの割合で前記のゼオライトスラリーに
添加した。錫溶液の添加に続いて温度を95℃に上昇し、
このスラリーを95℃で3時間熟成した。得られた生成物
を過した。固形の生成物を加熱した蒸留水で洗浄して
フッ化物を除去し、乾燥し、次いで特性を測定した。生
成物には15.6重量%のSnOを含有しており、X線回折に
よると低下した結晶性が見られた。しかしマクベイン吸
着容量は90%以上の細孔容量の保持を示した。これは重
質の錫原子の骨格中への導入で散乱によりX線強度が減
じピーク面積が減少するためであろう。LZ−253のESM写
真を第9図、第10A図、及び第11A図に示す。又EDAXの結
果は第10B、11B、12A及び12Bに示す。ここにLZ−253で
表わすこのモレキュラーシーブはX線粉末回折パターン
で表わして次表に示す様にLZ−202に特徴的なd間隔を
有する。
出発原料NH4 +ゼオライトLZ−202とSn2+置換生成物LZ−2
53の比較は次表Nに示す。
出発原料NH4−LZ−202及び生成物Z−253の骨格酸化物
のモル分率は次ぎのとおりである。
(a)酸化物(TO2)のモル分率 出発原料NH4LZ−202:(Al0.221Si0.7310.048)O2 LZ−253:(Al0.177Sn0.077Si0.6900.056)O2 (b)除去されたアルミニウムのモル分率N:0.044 (c)除去されたアルミニウムの割合N/a%:20 (d)欠陥構造因子の変化Δz:0.008 (e)除去されたあるアルミニウムに対する置換された
錫のモル比c/N:1.75 実施例12 この実施例はゼオライトLの骨格中のSn2+置換を例示す
る。それによって得られるゼオライトはLZ−254で表わ
す。
25g(無水物基準)のアンモニウム交換ゼオライトLを
使用した。95.25ミリモルのAlを含有するこのゼオライ
トを75℃に加熱された200mlの蒸留水でスラリー化し
た。蒸留水に溶解した47.62ミリモルのNH4SnF3を含む第
2の溶液90mlを少しずつ、すなわち5分毎に5mlの割合
で前記のゼオライトスラリーに添加した。錫溶液の添加
に続いて温度を95℃に上昇し、このスラリーを95℃で3
時間熟成した。得られた生成物を過した。過物は無
色であった。固形の生成物は黄色を呈した。これを加熱
した蒸留水で洗浄してフッ化物を除去し、乾燥し、次い
で特性を測定した。生成物には13.9重量%のSnOを含有
しており、X線回折によると優れた結晶性保持が見られ
た。マクベイン吸着容量はほぼ完全な細孔容量の保持を
示し、ここにLZ−254で表わすこのモレキュラーシーブ
はX線粉末回折パターンで表わして次表0のゼオライト
Lのd間隔を有する。
出発原料NH4Lゼオライト及び生成物Z−254の骨格酸化
物のモル分率は次ぎのとおりである。
(a)酸化物(TO2)のモル分率 出発原料NH4L:(Al0.248Si0.7320.020)O2 LZ−254:(Al0.210Sn0.072Si0.6850.033)O2 (b)除去されたアルミニウムのモル分率N:0.038 (c)除去されたアルミニウムの割合N/a%:15 (d)欠陥構造因子の変化Δz:0.013 (e)除去されたあるアルミニウムに対する置換された
クロムのモル比c/N:1.89 出発原料NH4 +ゼオライトLとSn2+置換生成物LZ−254の
比較は次表Pに示す。
実施例13 実施例10(Sn2+置換モルデナイト)及び実施例11(Sn2+
置換ゼオライトLZ−202)の生成物すなわちLZ−252及び
LZX−253をSEM及びEDAXにより分析した。LZ−252には炭
素だけの被覆をした。第7A及び7B図は典型的なモルデナ
イト形態を有する綺麗な結晶である。SnOとか他の錫含
有物質と解せられる相は存在しなかった。第8A図は第7A
図に示された結晶のEDAZ領域走査を示す。第8B図は第7B
図の点Bの点プローブ分析を示す。EDAXの結果と点プロ
ーブの結果が一致することはSnがゼオライト全体に一様
に分布していることを示しており、孤立領域には見出さ
れないことを示している。X線粉末回折の結果は何らの
外来相の存在も示さなかったから、ESM及びEDAXはモル
デナイトゼオライトの骨格中のAlがSnで置換されている
ことの証拠を提示している。更にEDAX分析から導ける解
析的な評価を次表の化学分析と比較すると、試料全体に
錫が分布していることが確認される。
LZ−253(Sn置換NH4 +ゼオライトLZ−202)の評価を第
9、10A、10B、11A、11B、12A、及び12B図に示す。ゼオ
ライト結晶の塊を第9図に示す。結晶は綺麗で異物がな
い。結晶の形態は未処理のNH4 +ゼオライトLZ−202の形
態である。見掛上は結晶性の低下がない。第10A図及び
第10B図は数個の結晶塊を示し、点プローブ分析による
と試料中に期待される錫の量である。第11A及び11B図は
他のLZ−253結晶塊を示し、EDAX領域走査は塊全体をカ
バーした。ここでも錫の量は予想通りであった。写真の
G及びHにおける異物に注目すると、明らかに他の形態
と違っている。これらの箇所のEDAX点プローブ分析は第
12A及び12Bに示されている。これらは明らかに錫であ
り、恐らくSnOであろう。なぜならX線粉末回折分析に
よると背景中にSnOの痕跡が認められたからである。SEM
及びEDAX分析による証拠はLZ−253の付着SnOとゼオライ
ト結晶中のSnOとの区別を可能とする。
実施例14 実施例6、7、10、及び11の生成物をnブタン分解(ク
ラッキング)活性について以下のとおり試験したところ
触媒活性を示した。榛の木は長さ254mmで内径10.3mmの
石英円筒であった。各試験において反応器には試験すべ
き生成物の20−40メッシュ(アメリカ合衆国基準)の粒
子0.05−5gを装入した。試料はヘリウム又は空気気流
中、下記の表に示した温度で1時間、反応器中で活性化
した。反応供給物はnブタン2モル%を含有するヘリウ
ム−nブタン混合物であった。この混合物を500℃の温
度にて50cc/分の割合で反応器に通した。供給物と流出
物の分析はガスクロマトグラフにより行なった。流出物
の分析は10分間反応を行なった後に行なった。分析によ
るデータから擬似一次反応定数(kA)を計算した。これ
らの試験の結果を表Q及びRに示す。
kAは小さいほど活性である。
実施例15 実施例3、8、9、12の生成物を実施例14と同様にして
nブタン分解について試験した。結果を表S及びTに示
す。
プロセスへの応用 本発明のモレキュラーシーブ組成物は、それらをモレキ
ュラーシーブとしてまた様々な分離、炭化水素転化及び
酸化燃焼プロセスにおける触媒として又は触媒のベース
材として有用にするユニークな表面特性を有している。
これらの組成物は、斯界において知られそして例えばア
ルミナ又はアルミノシリケート物質を含有する触媒組成
物の調製に使用される多数の方法によって触媒活性金属
を含浸又は他の方法で組み込むことができる。
本発明のモレキュラーシーブ組成物は、異なる極性度又
は異なる動直径を有する分子種の混合物に吸着された分
子種の極性及び(又は)その動直径に基づいて混合物中
の全部ではないが少なくとも1つの分子種を吸着するの
に十分なだけ大きい孔径を有するモレキュラーシーブ組
成物を接触させることによってかかる混合物中の分子種
を分離するのに用いることができる。かかる分離プロセ
スに対して本発明の組成物を用いるときには、組成物は
少なくとも一部分活性化され、これによってその結晶間
細孔系にいくらかの分子種が選択的に入る。
本発明のモレキュラーシーブ組成物によって触媒するこ
とができる炭化水素転化反応は、分解(クラッキン
グ)、水素化分解、芳香族及びイソパラフィン型のもの
の両方のアルキル化、異性化(キシレン異性化を含め
て)、重合、リホーミング、水素化、脱水素、トランス
アルキル化、脱アルキル及び脱水を包含する。
本発明のモレキュラーシーブ組成物を含有する触媒組成
物が水素化促進剤も含有するときには、かかる促進剤
は、白金、パラジウム、タングステン、ニッケル又はモ
リブデンであってよく、そして重質石油残油原料油、循
環原料油及び他の水素化分解可能な原料油を処理するの
に使用することができる。これらの原料油は、約2〜約
80の範囲内の水素対炭化水素モル比、約10〜約3500psig
(0.7〜250kg/cm2G)の圧力及び約0.1〜約20好ましくは
約1.0〜約10の液空間速度(LHSV)を使用して約400〜約
825゜F(204゜〜441℃)の範囲内の温度で水素化分解す
ることができる。
また、本発明のモレキュラーシーブ組成物を含有する触
媒組成物は、炭化水素供給原料が触媒と約700〜約1,000
゜F(371゜〜538℃)の温度、約100〜約500psig(7〜3
5kg/cm2G)の水素圧、約0.1〜約10の範囲内のLHSV値及
び約1〜約20好ましくは約4〜約12の範囲内の水素対炭
化水素モル比で接触するようなリホーミングプロセスに
おいても用いることができる。
また、水素化促進剤も含有する本発明のモレキュラーシ
ーブ組成物を含有する触媒は、n−パラフィンの如き供
給原料が飽和分枝鎖異性体に転化されるような水素化異
性化プロセスにおいても有用である。水素化異性化プロ
セスは、典型的には、約200〜約600゜F(93゜〜316
℃)、好ましくは約300〜約550゜F(149゜〜288℃)の
温度において約0.2〜約1.0のLHSV値で実施される。水素
は、炭化水素供給原料油と約1〜約5の水素対供給原料
油のモル割合の混合物として反応器に供給される。
また、水素化分解及び水素化異性化に対して用いられる
ものと同様の触媒組成物は、n−パラフィンの水素化異
性化に対して約650〜約1,000゜F(343゜〜538℃)好ま
しくは約850〜約950゜F(454゜〜510℃)において通常
は約15〜約50psig(1.1〜3.5kg/cm2G)の範囲内の幾分
低い圧力で用いることもできる。好ましくは、パラフィ
ン供給原料油は、C7〜C20の炭素数範囲を有するn−パ
ラフィンを含む。供給原料油とTiSO含有触媒との間の接
触時間は、一般には、オレフィン重合及びパラフィン分
解の如き望ましくない副反応を回避するために比較的短
い。約0.1〜約10好ましくは約1.0〜約6.0の範囲内のLHS
V値が好適である。
本発明の組成物の低いアルカリ金属含量によって、かか
る組成物は、アルキル芳香族化合物の転化での使用に特
にトルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、テトラメ
チルベンゼン等の接触不均化での使用に特に具合よく適
合するようになる。かかる不均化プロセスでは、異性化
及びトランスアルキル化も起こり得ることが認められ
た。本発明のモレキュラーシーブ組成物を含有しそして
かかるプロセスに対して用いられる触媒は、典型的に
は、第VIII族貴金属補助剤を単独で又はタングステン、
モリブデン及びクロムの如き第IV B族金属と一緒に含む
が、これらは、かかる触媒組成物中に全触媒組成物の約
3〜約15重量%の量で含められるのが好ましい。約400
〜約750゜F(204゜〜399℃)の温度、約100〜約2,000ps
ig(7〜140kg/cm2G)の範囲内の圧力及び約0.1〜約15
の範囲内のLHSV値に維持される反応帯域には、必要でな
いけれども、外部からの水素を存在させることができ
る。
本発明のモレキュラーシーブ組成物を含有する触媒は、
それらが好ましくはガスオイル、重質ナフサ、脱アスフ
ァルト原油残油等の如き供給原料油と共に使用されそし
てガソリンが主な所望生成物であるような接触分解プロ
セスにおいて用いることもできる。温度条件は典型的に
は約850〜約1,100゜F(454゜〜593℃)であり、LHSV値
は約0.5〜約10の間であり、そして圧力条件は約0〜約5
0psig(0〜3.5kg/cm2G)である。
本発明のモレキュラーシーブ組成物を含有する触媒は、
ベンゼン、キシレン、トルエン等を形成するためにパラ
フィン系炭化水素供給原料好ましくは6個よりも多くの
炭素原子を有するn−パラフィンを用いる脱水素環化反
応に対しても用いることができる。脱水素環化プロセス
は、典型的には、接触分解に対して用いたものと同様の
反応条件を用いて実施される。かかるプロセスに対して
は、モレキュラーシーブ組成物と組み合わせてコバルト
及びニッケルの如き第VIII族貴金属陽イオンを使用する
のが好ましい。
本発明のモレキュラーシーブ組成物を含有する触媒は、
約800〜約1,000゜F(427゜〜538℃)の範囲内の比較的
高い温度及び約300〜約1,000psig(21〜70kg/cm2G)の
中位程度の水素圧においてそして他の条件を接触水素化
分解に関して先に記載したものと同様にして環構造を実
質上水素化せずに芳香族核からパラフィン系側鎖を離脱
させるような接触脱アルキルで使用することもできる。
接触脱アルキルに対して用いられる触媒は、接触脱水素
環化と関連して先に記載したと同じ種類のものである。
ここで意図される特に望ましい脱アルキル反応は、ナフ
タリンへのメチルナフタリン並びにベンゼンへのトルエ
ン及び(又は)キシレンの転化を包含する。
本発明のモレキュラーシーブ組成物を含有する触媒は、
主な目的が存在する炭化水素分子に実質的な影響を及ぼ
さずに有機硫黄及び(又は)窒素化合物の選択的水素化
分解を可能にすることであるような接触ハイドロファイ
ニングにおいて使用することもできる。この目的に対し
ては、接触水素化分解について先に記載したと同じ一般
的条件を用いるのが好ましい。触媒は、典型的には、脱
水素環化操作に関連して記載したと同じ一般的性状のも
のである。接触ハイドロホーミングで通常用いられる供
給原料油は、ガソリン留分、ケロシン、ジェット燃料留
分、ジーゼル留分、軽質及び重質ガスオイル、脱アスフ
ァルト原油残油等を包含する。この供給原料油は、約5
重量%までの硫黄及び約3重量%までの窒素を含有する
ことができる。
本発明のモレキュラーシーブ組成物を含有する触媒は、
リホーミングに関して先に記載したものと同様の条件下
に異性化プロセスに対して用いることができるけれど
も、異性化プロセスではリホーミングプロセスにおいて
用いられるものよりも幾分酸性の触媒を必要とする傾向
がある。オレフィンは好ましくは約500〜約900゜F(260
゜〜482℃)の温度で異性化され、これに対してパラフ
ィン、ナフテン及びアルキル芳香族は約700〜約1,000゜
F(371゜〜538℃)の温度で異性化される。本発明で意
図される特に望ましい異性化反応は、イソヘプタン、イ
ソオクタンへのn−ヘプタン及び(又は)n−オクタ
ン、イソブタンへのブタン、シクロヘキサンへのメチル
シクロペンタン、p−キシレンへのm−キシレン及び
(又は)o−キシレン、2−ブテン及び(又は)イソブ
テンへの1−ブテン、イソヘキサンへのn−ヘキセン、
メチルシクロペンテンへのシクロヘキサン等の各転化を
包含する。好ましい陽イオン形態のものは、本発明のモ
レキュラーシーブと第II A族、第II B族金属及び希土類
金属の多価金属化合物(硫化物の如き)との組み合わせ
である。アルキル化及び脱アルキルプロセスに対して
は、少なくとも5Åの細孔を有する本発明のモレキュラ
ーシーブ組成物が好ましい。アルキル芳香族の脱アルキ
ルに対して用いるときには、温度は、通常少なくとも35
0゜F(177℃)であって、供給原料又は転化生成物の実
質的分解が起るときの温度まで一般には約700゜F(371
℃)までの範囲である。温度は、好ましくは、少なくと
も450゜F(232℃)でありそして脱アルキルを受ける化
合物の臨界温度よりも高くない。圧力条件は、少なくと
も芳香族供給原料を液体状態に維持するように適用され
る。アルキル化に対しては、温度は、250゜F(121℃)
程の低さであってよいがしかし少なくとも350゜F(177
℃)であるのが好ましい。ベンゼン、トルエン、キシレ
ンのアルキル化では、好ましいアルキル化剤はエチレン
及びプロピレンの如きオレフィンである。
本発明のモレキュラーシーブ組成物は、アルミノシリケ
ート、アルミノホスフェート又は他の一般に使用されて
いるモレキュラーシーブを使用してこれまで実施されて
きたような通常の分子ふるい分けプロセスにおいて用い
ることができる。本発明の組成物は、分子ふるい分けプ
ロセスでのそれらの使用に先立って活性化されるのが好
ましく、例えば空気又は窒素中において焼成される。
また、本発明のモレキュラーシーブ組成物は、吸着剤と
しても有用であり、そして分子の大きさ(動直径)及び
分子種の極性度の両方に基づいて分子種の混合物を分離
することができる。分子種の分離が分子の大きさに基づ
いた選択的吸着に基づくときには、本発明のモレキュラ
ーシーブ組成物は、少なくとも混合物中の最とも小さい
分子種が結晶間の隙間空間に入ることができそして少な
くとも最とも大きい種が排除されるようにその細孔の寸
法にかんがみて選定される。分離が極性度に基づくとき
にはたとえ両方の分子種がモレキュラーシーブ組成物の
細孔系を通ることができるとしても、親水性のモレキュ
ラーシーブ組成物程、異なる極性度を有する混合物から
極性の大きい分子種を優先的に吸着するのが一般的であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1A図はゼオライトLZ−239(例2)(結晶構造)につ
いてのSEM(走査電子顕微鏡)写真である(未塗布、倍
率5KX)。 第1B図はゼオライトLZ−239(例2)についての第1A図
の写真についてのEDAX(X線によるエネルギー分散分
析)面積走査である。 第2A図はゼオライトLZ−239(例2)(結晶構造)につ
いてのSEM(走査電子顕微鏡)写真である(未塗布、倍
率5KX)。 第2B図はゼオライトLZ−239(例2)についての第2A図
の写真中の点AにおけるEDAX(X線によるエネルギー分
散分析)スポットプローブである。 第2C図はゼオライトLZ−239(例2)についての第2A図
の写真中の点AにおけるEDAX(X線によるエネルギー分
散分析)スポットプローブである。 第3A図はゼオライトLZ−239(例2)についての第2A図
の写真中の点CにおけるEDAX(X線によるエネルギー分
散分析)スポットプローブである。 第3B図はゼオライトLZ−239(例2)についての第2A図
の写真中の点DにおけるEDAX(X線によるエネルギー分
散分析)スポットプローブである。 第4A図はゼオライトLZ−239(例2)(結晶構造)につ
いてのSEM(走査電子顕微鏡)写真である(銀塗布、倍
率53KX)。 第4B図はゼオライトLZ−239(例2)についての第4A図
の写真中の点CにおけるEDAX(X線によるエネルギー分
散分析)スポットプローブである。 第5A図はゼオライトLZ−239(例3)(結晶構造)につ
いてのSEM(走査電子顕微鏡)写真である(銀塗布、倍
率10KX)。 第5B図はゼオライトLZ−239(例3)についての第5A図
の写真中の点AにおけるEDAX(X線によるエネルギー分
散分析)スポットプローブである。 第5C図はゼオライトLZ−239(例3)についての第5A図
の写真中の点BにおけるEDAX(X線によるエネルギー分
散分析)スポットプローブである。 第6A図はゼオライトLZ−239(例4)(結晶構造)につ
いてのSEM(走査電子顕微鏡)写真である(銀塗布、倍
率10KX)。 第6B図はゼオライトLZ−239(例4)についての第5A図
の写真中の点AにおけるEDAX(X線によるエネルギー分
散分析)スポットプローブである。 第7A図はゼオライトLZ−252(例10)(結晶構造)につ
いてのSEM(走査電子顕微鏡)写真である(未塗布、倍
率20KX)。 第7B図はゼオライトLZ−252(例10)(結晶構造)につ
いてのSEM(走査電子顕微鏡)写真である(未塗布、倍
率20KX)。 第8A図はゼオライトLZ−252(例10)についての第7A図
の写真についてのEDAX(X線によるエネルギー分散分
析)面積走査である。 第8B図はゼオライトLZ−252(例10)についての第7B図
の写真中の点BにおけるEDAX(X線によるエネルギー分
散分析)スポットプローブである。 第9図はゼオライトLZ−253(例11)(結晶構造)につ
いてのSEM(走査電子顕微鏡)写真である(金塗布、倍
率22KX)。 第10A図はゼオライトLZ−253(例11)(結晶構造)につ
いてのSEM(走査電子顕微鏡)写真である(未塗布、倍
率5.0KX)。 第10B図はゼオライトLZ−253(例11)についての第10A
図の写真中の点BにおけるEDAX(X線によるエネルギー
分散分析)スポットプローブである。 第11A図はゼオライトLZ−253(例11)(結晶構造)につ
いてのSEM(走査電子顕微鏡)写真である(未塗布、倍
率2.0KX)。 第11B図はゼオライトLZ−253(例11)についての第11A
図の写真についてのEDAX(X線によるエネルギー分散分
析)面積走査である。 第12A図はゼオライトLZ−253(例11)についての第11A
図の写真中の点GにおけるEDAX(X線によるエネルギー
分散分析)スポットプローブである。 第12B図はゼオライトLZ−253(例11)についての第11A
図の写真中の点HにおけるEDAX(X線によるエネルギー
分散分析)スポットプローブである。 第13図は本組成物に関係するパラメータをモル分率とし
て示す三成分図表である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 9/12 15/02 C10G 11/05 6958−4H // C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 昭63−270308(JP,A) 特開 昭63−285115(JP,A) 特開 昭61−153143(JP,A) 特公 昭43−7017(JP,B1) 特公 昭51−27640(JP,B2) 特公 昭49−30355(JP,B2)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三次元微孔質骨格構造を有し、無水基準で (MxAlySiz)O2 (ここに、Mはクロム又はスズの内の少なくとも一種で
    あり、x,y,zはそれぞれ骨格四面体酸化物単位として存
    在するM,アルミニウム及びケイ素のモル分率であって第
    13図の点A、B、Cを結んだ三角領域内にはいる様に定
    められたものを表わす)の単位実験式を有するモレキュ
    ラーシーブ組成物。
  2. 【請求項2】四面体酸化物として存在するアルミニウム
    及びケイ素を含む骨格構造を有する原料微細孔結晶質ア
    ルミノシリケートからクロム又はスズの内の少なくとも
    一種を含有するモレキュラーシーブ組成物を製造する方
    法であって、少なくとも3Åの孔径と少なくとも2のSi
    O2/Al2O3モル比を有する結晶質アルミノシリケートを、
    水溶液又はスラリーの形態のクロムのフルオロ塩及びス
    ズのフルオロ塩の内の少なくとも一種と、pH3〜7で接
    触させ、それによりモレキュラーシーブの骨格内に存在
    するAl原子を除去しかつクロム又はスズ原子の内の少な
    くとも一種で置換することを特徴とする、モレキュラー
    シーブ組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】前記第2項の方法で製造され、無水基準で (Al(a-N)SibMc)O2 (ここに、(a−N)は生成物ゼオライト中のアルミニ
    ウム四面体のモル分率を表わし、Nは前記第2項の方法
    によって骨格から除去されたアルミニウム四面体のモル
    分率であり、aは原料モレキュラーシーブ中の骨格中に
    存在するアルミニウム四面体のモル分率であり、bはゼ
    オライト中のケイ素四面体のモル分率であり、□は骨格
    欠陥部位であり、zは骨格中の欠陥部位のモル分率であ
    り、Mはクロム又はスズ原子の内の少なくとも一種であ
    り、cは前記第2項の方法の結果存在するに至ったMの
    モル分率である)の実験式を有する前記第1項記載のモ
    レキュラーシーブ組成物。
  4. 【請求項4】極性の大きい分子種を極性の低い他の分子
    種から分離する方法において、前記分子種の混和物を少
    なくとも前記極性の大きい分子種の内の少なくとも一種
    を吸着するに充分な孔径を有する少なくとも部分的に活
    性化された前記第1項記載のモレキュラーシーブ組成物
    と接触させ、それにより極体の大きい分子種を前記モレ
    キュラーシーブの結晶内細孔系に選択的に吸着させるこ
    とを特徴とする分離方法。
  5. 【請求項5】異なる動直径を有する分子種の混合物を分
    離する方法において、前記分子種の混合物を混合物の内
    のすべてでなく、少なくとも一種の分子種を吸着する程
    の孔径を有する少なくとも部分的に活性化された前記第
    1項記載のモレキュラーシーブ組成物と接触させ、それ
    により少なくともいくつかの分子であって、動直径が十
    分に小さいものが前記モレキュラーシーブの結晶内細孔
    に入り得るようにすることを特徴とする分離方法。
  6. 【請求項6】炭化水素転化条件下に前記第1項記載のモ
    レキュラーシーブに接触させることを特徴とする炭化水
    素の転化方法。
  7. 【請求項7】無水基準で (Al(a-N)SibMc)O2 (ここに、(a−N)は生成物ゼオライト中のアルミニ
    ウム四面体のモル分率を表わし、Nは原料ゼオライトの
    骨格から除去されたアルミニウム四面体のモル分率を表
    わし、aは原料ゼオライトの骨格中に存在するアルミニ
    ウム四面体のモル分率を表わし、bはゼオライト中のケ
    イ素四面体のモル分率を表わし、□は骨格欠陥部位のモ
    ル分率を表わし、zは特定のゼオライトの骨格中の欠陥
    部位のモル分率表わし、Mはクロム又はスズの内の少な
    くとも一種であり、cは外来のクロム及び/又はスズが
    結晶格子中に置換することから生じるクロム及び/又は
    スズの四面体のモル分率を表わし、そして原料ゼオライ
    トの骨格欠陥部位のモル分率と外来のクロム及び/又は
    スズ原料を含有するゼオライトの骨格欠陥部位のモル分
    率との間の差を表わすΔが0.15より小さい値を有す
    る)の化学組成を有する元の骨格アルミニウム原子の内
    の少なくともいくつかを外来のクロム及び/又はスズ原
    子で置換させたモレキュラーシーブ組成物。
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