JPH07108304A - ステンレス冷延鋼帯の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステンレス鋼板を冷間圧延するに際し、表面
光沢低下問題を解決すること。 【構成】 ステンレス熱延鋼板を焼鈍・酸洗し、ワーク
ロール表面に液体潤滑剤を厚み１μm 以下にして塗布し
たまま予備処理圧延した後に、冷間タンデムミルにおい
て、ロールバイトの接触弧の長さＬと入側鋼帯表面の幅
方向の粗さの平均ピッチλａとにより決定される下記の
関係を有する角度φで、上下一対のワークロールを互い
に交差させて圧延するもの。 【数１３】

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、優れた表面光沢を有す
るステンレス冷延鋼帯を有利に生産し得る製造方法に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ステンレス冷延鋼帯は、熱延鋼帯
を焼鈍酸洗しワークロール径 150mmφ以下のゼンジミア
ミル等において冷間圧延を施した後、仕上焼鈍酸洗又は
仕上光輝焼鈍して圧下率1.2 ％以下の仕上調質圧延を施
し製造していた。

【０００３】これら工程を経て製造されたステンレス冷
延鋼帯は、例えば、SUS430に代表されるフェライト系の
場合製造後の表面のまま使用される場合が多く、仕上調
質圧延後の製品に優れた表面光沢が要求される。また、
SUS304に代表されるオーステナイト系の場合、仕上調質
圧延後にバフ研磨を施す場合が多く、このバフ研磨後に
優れた表面光沢を呈することが重要である。

【０００４】そこで、従来、ゼンジミアミル等の小径ワ
ークロールを用いる冷間圧延において、例えば特開昭57
-13362に示されるロール粗さを工夫する方法等が採られ
ていた。然し、この方法を用いても、冷間圧延前の熱延
後に焼鈍酸洗した鋼帯表面の著しく大きい粗さが冷間圧
延後まで残留する結果、表面光沢は満足できるものでは
なかった。

【０００５】また、一方、圧延時間を大幅に短縮して高
能率にステンレス冷延鋼帯を製造するものとして、 150
mmφ以上の大径ワークロールで冷間圧延する方法が採ら
れている。然し、大径ワークロールで冷間圧延した鋼帯
の表面粗さは、前述の通り、熱延鋼帯を焼鈍酸洗した表
面の著しく大きな粗さが冷間圧延後まで残留し、然も、
小径ワークロールを用いる冷間圧延に比べて更に大きい
粗さとして残留するため、その製品は、表面光沢を要求
される用途には全く適用できなかった。そこで、この種
の表面光沢低下問題を解決する方法として、従来、例え
ば特開平5-57304 、特開平5-123704等の冷間圧延中にワ
ークロールを特定条件の基で交差させる方法が開示され
ている。これらの方法を採用した場合、これらに記載さ
れた特定条件が成り立つ範囲において、比較的浅い凹凸
を形成するオイルピットを消去できても、表面光沢は充
分向上しなかった。この理由は、熱延後に焼鈍酸洗した
鋼帯の表面の著しく大きい粗さが冷間圧延後まで残留す
るために、充分平滑な表面が得られないためであって、
製品の表面光沢は不充分であり、更に改良を必要として
いた。

【０００６】本発明は、ステンレス鋼板を冷間圧延する
に際して、従来からかかえていた表面光沢低下問題を解
決することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の本発明
は、ステンレス熱延鋼板を焼鈍・酸洗し、ワークロール
表面に液体潤滑剤を厚み１μm 以下にして塗布したまま
予備処理圧延した後に、冷間タンデムミルにおいて、ロ
ールバイトの接触弧の長さＬと入側鋼帯表面の幅方向の
粗さの平均ピッチλａとにより決定される下記の関係を
有する角度φで、上下一対のワークロールを互いに交差
させて圧延するようにしたものである。

【０００８】

【数４】

【０００９】請求項２に記載の本発明は、ステンレス熱
延鋼板を焼鈍・酸洗し、ワークロール表面に液体潤滑剤
を厚み１μm 以下にして塗布したまま予備処理圧延した
後に、冷間タンデムミルにおいて、ロールバイトの接触
弧の長さＬと、ワークロール表面の胴長方向の粗さの平
均ピッチλｒとにより決定される下記の関係を有する角
度φで、上下一対のワークロールを互いに交差させて圧
延するようにしたものである。

【００１０】

【数５】

【００１１】請求項３に記載の本発明は、ステンレス熱
延鋼板を焼鈍・酸洗し、ワークロール表面に液体潤滑剤
を厚み１μm 以下にして塗布したまま予備処理圧延した
後に、冷間タンデムミルにおいて、ロールバイトの接触
弧の長さＬ、及び入側鋼帯表面の幅方向の粗さの平均ピ
ッチλａとワークロール表面の胴長方向の粗さの平均ピ
ッチλｒとを合成した粗さのピッチλにより決定される
下記の関係を有する角度φで、上下一対のワークロール
を互いに交差させて圧延するようにしたものである。

【００１２】

【数６】

【００１３】請求項４に記載の本発明は、請求項１〜３
のいずれかに記載の本発明において更に、冷間タンデム
ミルで圧延後に、更にワークロール径 150φmm以下の小
径ロールで圧延するようにしたものである。

【００１４】

【作用】以下、本発明について詳細に説明する。従来、
ステンレス冷延鋼帯の表面光沢を良好にするには、その
製品の表面粗さを左右する冷間圧延後の鋼帯の表面粗さ
を低減すると良いことが知られていた。

【００１５】然し、本発明者らの検討において、上述の
冷間圧延後の鋼帯の表面粗さは、冷間圧延前の鋼帯、即
ち、熱延後に焼鈍酸洗した鋼帯の表面粗さの一部が冷間
圧延後に残存するものであることを見出した。

【００１６】そこで、熱延後に焼鈍酸洗した鋼帯の表面
粗さについて、以下に示す。最終仕上製品で平均粗さＲ
ａ 0.1μm 以下の表面粗さを目標とするステンレス冷延
鋼帯の製造において、熱延鋼帯を焼鈍酸洗した直後の鋼
帯表面粗さは、酸洗時のショットブラスト等の機械的脱
スケール処理及び硫酸等の酸により、平均粗さＲａ 2〜
4μm と著しく大きな粗さを有している。

【００１７】ところで、一般に、冷間圧延時には圧延機
の入側より大量の圧延油がロールと鋼帯に供給される。
これは、圧延油による潤滑と冷却とを同時に実施し、ヒ
ートストリーク等の焼付き疵の発生を防止して、安定し
て鋼帯を製造するために行なわれる。

【００１８】従って、冷間圧延機の入側において、ロー
ル及び鋼帯表面に数μm 以上の厚みの圧延油が付着し、
熱延後に焼鈍酸洗した鋼帯表面の著しく大きい凹みに圧
延油が溜ってロールバイトに噛み込まれる。この凹みに
溜った油は、ロールバイトの中でロールと鋼帯が接触し
ている間逃げ場がなくなり、封じ込められたまま圧延さ
れる。

【００１９】一般に、圧延油を含めた液体は、空気等の
気体に比較して著しく圧縮され難いので、圧延中に油を
封じ込めた凹みは、圧延前よりいくらか小さくなるが、
大部分が圧延後も残留する。

【００２０】以上のように、冷間圧延前の鋼帯の表面粗
さが、冷間圧延後も残留し製品の表面光沢を著しく損な
うわけである。

【００２１】そこで、表面光沢の良好な鋼帯を得るため
には、冷間圧延開始時の鋼帯の表面粗さの凹部を圧延中
に小さくすると良い。即ち、冷間圧延中にロール表面の
粗さの凸起を充分に鋼帯表面に接触させて、冷間圧延前
の鋼帯表面粗さの凹部を充分に低減すると良いわけであ
る。

【００２２】従来より、ロールを交差させて圧延すると
最大深さでも0.数μm と浅いオイルピット等の微小な凹
凸を低減できることは知られていたが、冷延前の素材粗
さのように数十μm と著しく大きな粗さを低減すること
はできなかった。

【００２３】そこで、この原因を調査したところ、圧延
中のロールと鋼帯との接触部において、ロール粗さの凸
起と鋼板表面の凹部とが圧延方向には充分に接触する場
合においても、幅方向にはロール粗さの凹部があるため
鋼板表面の凹部にロール表面が部分的にしか接触せず、
大きな深さの凹部が残留してしまうことであることがわ
かった。

【００２４】従って、幅方向にも充分な接触を行うため
には、本発明者らが鋭意検討したところ、図１に示す下
記式を満たす角度φでワークロールを交差させると、ロ
ール粗さの凸部を圧延方向及び幅方向に充分移動するこ
とができて、鋼帯表面の凹凸を低減することができる。
その結果、圧延後の鋼板表面は平滑となり、表面光沢は
向上するわけである。尚、図１において、１は鋼帯、２
はワークロールである。

【００２５】即ち、数十μｍと大きい冷延前の素材粗さ
を低減するには、ロールと鋼帯とが接触するロールバイ
トにおいて、素材粗さの凹部に封入されようとする圧延
油をロール粗さの溝を通してロールバイトの外部へ逃が
しつつ、ロール粗さを充分に鋼帯表面に接触させると良
い。そこで、ロール粗さを幅方向に移動することによ
り、第１に、通常圧延方向に長いロール粗さを通してロ
ールバイトの外部へ圧延油を逃がすことができて、素材
粗さの凹部に封入される圧延油は著しく減少する。第２
に、この圧延油が減少することにより、ロール粗さは素
材粗さを充分に押しつぶすことができる。然し、中途半
端に移動すると、ロール粗さを鋼帯表面全体に渡って充
分接触させることができない場合が生じる。その結果、
従来の出願にあるように微小な粗さであるオイルピット
は低減できても、大きな凹凸である素材粗さは充分低減
できない場合が生じていた。

【００２６】そこで、本発明者らが鋭意検討した結果、
圧延中にロールバイト接触弧長の長さＬをロールの粗さ
が圧延方向に移動する間に、入側鋼帯表面の幅方向粗さ
の平均ピッチλａ以上にロール粗さを幅方向に移動でき
れば、ロール粗さを鋼帯表面全体に渡って充分接触させ
ることができることを把握したわけである。

【００２７】

【数７】

【００２８】ここで、 λａは入側鋼帯表面の幅方向の
粗さの平均ピッチ、Ｌはロールと鋼帯との接触弧長であ
る。

【００２９】尚、粗さの平均ピッチλａは、図２に示し
た表面粗さを示す断面曲線の凹凸の間隔Ｓａｉの平均値
であり、下記式で算定される。

【００３０】

【数８】

【００３１】また、本発明者らが鋭意検討した結果、圧
延中にロールバイト接触弧長の長さＬをロールの粗さが
圧延方向に移動する間に、ワークロールの胴長方向の表
面粗さの平均ピッチλr 以上にロール粗さを幅方向に移
動できれば、ロール粗さを鋼帯表面全体に渡って充分接
触させることができることを把握したわけである。

【００３２】

【数９】

【００３３】ここで、 λr はワークロールの胴長方向
の表面粗さの平均ピッチ、Ｌはロールと鋼帯との接触弧
長である。

【００３４】尚、粗さの平均ピッチλr は、図３に示し
た表面粗さを示す断面曲線の凹凸の間隔Ｓｒｉの平均値
であり、下記式で算定される。

【００３５】

【数１０】

【００３６】また、本発明者らが鋭意検討した結果、圧
延中にロールバイト接触弧長の長さＬをロールの粗さが
圧延方向に移動する間に、入側鋼帯表面の幅方向の粗さ
の平均ピッチλａとワークロール表面の胴長方向の粗さ
の平均ピッチλｒとを合成した粗さのピッチλ以上にロ
ール粗さを幅方向に移動できれば、ロール粗さを鋼帯表
面全体に渡って充分接触させることができることを把握
したわけである。

【００３７】

【数１１】

【００３８】ここで、λａは入側鋼帯表面の幅方向の粗
さのピッチ、λｒはロール表面のバレル方向の粗さのピ
ッチ、λはこれらの合成粗さ、Ｌはロールと鋼帯との接
触弧長である。

【００３９】尚、粗さの平均ピッチλは、図４に示した
表面粗さを示す断面曲線の凹凸の間隔Ｓｉの平均値であ
り、下記式で算定される。

【００４０】

【数１２】

【００４１】本発明者らは更に光沢を向上する方法を検
討した。上記方法により圧延したステンレス冷延鋼帯の
表面には、いくらか素材表面粗さの凹部が残存してい
る。そこで、凹部を充分に低減する方法を更に検討し
た。

【００４２】その結果、圧延油を封入する凹部そのもの
に着目した。即ち、冷間圧延前に凹部が小さければ冷間
圧延中に封入される圧延油も少なくなって凹部を押しつ
ぶされ易くなる。そこで、冷間圧延に先立って、予め焼
鈍・酸洗した鋼帯について、その表面を平滑化すると良
いわけである。

【００４３】この平滑化には、上述の凹部への圧延油等
の封入挙動による知見より、圧延油等の液体潤滑剤を用
いない無潤滑の予備処理圧延を、大量の圧延油を供給す
る冷間圧延の前に施すと良いわけである。然し、無潤滑
圧延を施すと、ロールと鋼帯とが焼付いて摩擦係数が著
しく大きくなり、圧延荷重が著しく増加する結果、鋼帯
表面の凹凸を十分低減させるために必要な圧下率が採れ
ない場合がある。

【００４４】そこで、本発明者らは、以下の２点を同時
に満足するステンレス冷延鋼帯の予備処理圧延方法を検
討した。

【００４５】(1) 予備処理圧延時にロールと鋼帯とが焼
付かないこと。 (2) 熱延鋼帯を焼鈍酸洗した後の鋼帯表面の凹凸を、冷
間圧延後に残留させない程度に予備処理可能なこと。

【００４６】その結果、ワークロール表面に液体潤滑剤
の薄い膜を形成させると、焼付きを防止できる。また、
液体潤滑剤の膜厚を薄くするほど、熱延鋼帯を焼鈍酸洗
した後の鋼帯表面の凹凸を十分低減できる。本発明者ら
の検討では、ロール表面の膜厚を１μm 以下にすると、
大部分の表面の凹凸が消去できて、然も膜厚 0.5μm以
下にすると更に良いこと、また、膜厚１μm を超えると
凹凸が多量に残留して、その後の大量の圧延油を供給す
る冷間圧延においても消去できないことを把握した。

【００４７】尚、液体潤滑剤として、水、圧延油、圧延
油エマルジョン、スキンパス油等いずれも焼付き防止効
果及び表面凹凸低減効果を有する。

【００４８】

【実施例】

（実施例１）熱延後に焼鈍酸洗したフェライト系の例と
してのSUS430鋼帯を用いて、熱延鋼帯を焼鈍・酸洗した
後に、本発明方法の一例として、ワークロール表面に厚
み１μm 以下の液体潤滑剤を塗布して予備処理圧延し、
その後に、５スタンド冷間タンデムミルで第１スタンド
から第３スタンドのワークロールを交差して圧延して、
その後更に仕上げ焼鈍、酸洗して調質圧延した鋼帯表面
の光沢を調査した。

【００４９】また、全く交差しない場合（従来例）及び
本発明で示した式の範囲を逸脱した角度で交差した場合
（比較例）について、圧延した鋼帯を仕上げ焼鈍、酸洗
して調質圧延した鋼帯表面の光沢を調査した。

【００５０】これらステンレス冷延鋼帯の表面光沢につ
いて、JIS Z8741 光沢度測定方法5（GS20°）により測
定し、良好な順に光沢度 950以上を特Ａ、 800〜 950を
Ａ、600〜 800をＢ、 400〜 600をＣ、 400以下をＤと
して５段階で評価した。

【００５１】表１、表２、表３に示す結果より、本発明
方法で製造したステンレス冷延鋼帯は、従来の方法で製
造した鋼帯に比較して著しく良好な光沢を有していた。

【００５２】

【表１】

【００５３】

【表２】

【００５４】

【表３】

【００５５】（実施例２）熱延後に焼鈍酸洗したオース
テナイト系の例としてのSUS304鋼帯を用いて、熱延鋼帯
を焼鈍・酸洗した後に、本発明方法の一例として、ワー
クロール表面に厚み１μm 以下の液体潤滑剤を塗布して
予備処理圧延し、その後に、５スタンド冷間タンデムミ
ルで第１スタンドのワークロールを交差して圧延して、
その後更にワークロール径 150φmm以下の小径ワークロ
ールを用いるクラスター型圧延機で圧延し、仕上げ焼
鈍、酸洗して調質圧延し、更にバフ研磨を同一条件で実
施した鋼帯表面の光沢を調査した。

【００５６】また、全く交差しない場合（従来例）及び
本発明で示した式の範囲を逸脱した角度で交差した場合
（比較例）について、圧延した鋼帯を仕上げ焼鈍、酸洗
して調質圧延した鋼帯表面の光沢を調査した。

【００５７】これらステンレス冷延鋼帯の表面光沢につ
いて、JIS Z8741 光沢度測定方法5（GS20°）により測
定し、良好な順に光沢度 950以上を特Ａ、 800〜950 を
Ａ、600〜800 をＢ、 400〜600 をＣ、 400以下をＤと
して５段階で評価した。

【００５８】表４、表５、表６に示す結果より、本発明
方法で製造したステンレス冷延鋼帯は、従来の方法で製
造した鋼帯に比較して著しく良好な光沢を有していた。

【００５９】

【表４】

【００６０】

【表５】

【００６１】

【表６】

【００６２】

【発明の効果】以上のとおり、本発明方法により製造し
たステンレス冷延鋼帯は、従来の方法により製造した鋼
帯に比較して著しく優れた表面光沢を有する。特に、冷
間タンデムミル等の大径ワークロールを用いた圧延の場
合、従来全く到達不可能であったゼンジミアミル等の小
径ワークロールを用いた圧延と同等以上の優れた表面光
沢を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の実施例を示す模式図である。

【図２】図２は粗さの平均ピッチλａを示す模式図であ
る。

【図３】図３は粗さの平均ピッチλｒを示す模式図であ
る。

【図４】図４は粗さの平均ピッチλを示す模式図であ
る。

【符号の説明】 １ 鋼帯 ２ ワークロール

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 肇 千葉県千葉市中央区川崎町１番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 河澄 英輔 千葉県千葉市中央区川崎町１番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 鈴木 真 千葉県千葉市中央区川崎町１番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ステンレス熱延鋼板を焼鈍・酸洗し、ワ
   ークロール表面に液体潤滑剤を厚み１μm 以下にして塗
   布したまま予備処理圧延した後に、冷間タンデムミルに
   おいて、ロールバイトの接触弧の長さＬと入側鋼帯表面
   の幅方向の粗さの平均ピッチλａとにより決定される下
   記の関係を有する角度φで、上下一対のワークロールを
   互いに交差させて圧延することを特徴とするステンレス
   冷延鋼帯の製造方法。 【数１】
2. 【請求項２】 ステンレス熱延鋼板を焼鈍・酸洗し、ワ
   ークロール表面に液体潤滑剤を厚み１μm 以下にして塗
   布したまま予備処理圧延した後に、冷間タンデムミルに
   おいて、ロールバイトの接触弧の長さＬと、ワークロー
   ル表面の胴長方向の粗さの平均ピッチλｒとにより決定
   される下記の関係を有する角度φで、上下一対のワーク
   ロールを互いに交差させて圧延することを特徴とするス
   テンレス冷延鋼帯の製造方法。 【数２】
3. 【請求項３】 ステンレス熱延鋼板を焼鈍・酸洗し、ワ
   ークロール表面に液体潤滑剤を厚み１μm 以下にして塗
   布したまま予備処理圧延した後に、冷間タンデムミルに
   おいて、ロールバイトの接触弧の長さＬ、及び入側鋼帯
   表面の幅方向の粗さの平均ピッチλａとワークロール表
   面の胴長方向の粗さの平均ピッチλｒとを合成した粗さ
   のピッチλにより決定される下記の関係を有する角度φ
   で、上下一対のワークロールを互いに交差させて圧延す
   ることを特徴とするステンレス冷延鋼帯の製造方法。 【数３】
4. 【請求項４】 請求項１、２、３のいずれかにおいて、
   冷間タンデムミルで圧延後に、更にワークロール径 150
   φmm以下の小径ロールで圧延することを特徴とするステ
   ンレス冷延鋼帯の製造方法。