JPH07108141A - 不凍液の再生処理方法および再生処理装置 - Google Patents

不凍液の再生処理方法および再生処理装置

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JPH07108141A
JPH07108141A JP5255558A JP25555893A JPH07108141A JP H07108141 A JPH07108141 A JP H07108141A JP 5255558 A JP5255558 A JP 5255558A JP 25555893 A JP25555893 A JP 25555893A JP H07108141 A JPH07108141 A JP H07108141A
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JP
Japan
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antifreeze
ethylene glycol
additive
pretreatment
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JP5255558A
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English (en)
Inventor
Kunihisa Uruno
邦久 宇留野
Toshikatsu Ito
敏勝 伊藤
Kazuhisa Ishizaki
和久 石崎
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Hitachi Ltd
Hitachi Car Electronics Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Car Electronics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】使用済み不凍液を、逆浸透膜とイオン交換樹脂
とに処理負担を分散した処理工程を経て処理し、エチレ
ングリコールを再生する取り扱い易い不凍液の再生処理
方法および再生処理装置を提供する。 【構成】使用済み不凍液7が、予備処理工程として第一
ポンプ2によりフィルタ3に送られ、溶解しない固形物
が除去される。次に、前処理工程として第二ポンプ4に
より逆浸透膜5に圧送され、エチレングリコールの分子
よりも大きい成分と、重金属を含む溶解した金属成分が
除去される。そして、後処理工程として透過液配管8b
を介しイオン交換樹脂6に送られ、エチレングリコール
の分子よりも小さい成分と前処理工程の残りの成分が除
去される。最後に、エチレングリコールと水のみの再生
液9が得られる。このように、処理負担を分散し、特
に、イオン交換樹脂6の負担を軽くし、その処理寿命を
延長する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不凍液の再生処理方法
および再生処理装置に関するものであり、特に、内燃機
関の冷却用不凍液を回収処理するために好適なものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の技術は、例えば、SAEペーパ
921636号(Fig.1)にて開示されているイオン交換樹
脂方式、またはSAEペーパ 921635号(Fig.6)に
て開示されている逆浸透膜方式のようなものである。こ
れらは、それぞれ単独方式で用いられ、不凍液の再生処
理を行うものである。
【0003】具体的に上記の単独方式で不凍液の再生処
理を実施した例を説明すれば、次の通りである。当発明
者の一実験の一データによれば、除去したい汚染物質が
約23000ppm含まれていた使用済み不凍液を、イオン
交換樹脂の単独方式で処理した場合、溶解した金属成分
が、約40ppm残り、除去し切れなかった。しかし、他
の除去したい汚染物質は全て除去された。そして、イオ
ン交換樹脂は汚染物質を全て除去するので、それ自身の
汚れ方は早いことが判明した。この傾向は、一般的であ
ることが判明している。
【0004】これに対し、逆浸透膜の単独方式で処理し
た場合、金属成分は全て除去されたが、他の汚染物質
が、半分に近い約10000ppm残る結果であった。ま
た、逆浸透膜の処理能力は、非常に長く維持されるもの
であった。この傾向も、一般的であることが判明してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術の、一
方のイオン交換樹脂単独方式は、汚染物質除去の処理能
力は大きいが、重金属が全て除去できず、また、処理寿
命が短いものである。
【0006】他方の逆浸透膜単独方式は、処理寿命は長
いが、全体の処理能力が劣り良質の再生液が得られない
ものである。このように、両方式には一長一短があり、
不凍液の再生処理として、取り扱い難い点がある。
【0007】本発明の第一の目的は、取り扱い易い不凍
液の再生処理方法および再生処理装置を提供することに
ある。第二の目的は、良質の再生液を回収する不凍液の
再生処理を得ることにある。第三の目的は、処理寿命を
延長する不凍液の再生処理を得ることにある。そして、
第四の目的は、実質的にエチレングリコールを再生し装
置の取扱性が向上する不凍液の再生処理装置を得ること
にある。第五の目的は、イオン交換樹脂の取替え交換時
期を報知し装置の取扱性が向上する不凍液の再生処理装
置を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第一および第二およ
び第三の目的は、エチレングリコ−ルと、添加剤と、エ
チレングリコールの酸化成分と、添加剤の劣化成分と、
溶解した金属成分とを含む使用済み不凍液を処理し、エ
チレングリコールを再生するものにおいて、使用済み不
凍液から金属成分とエチレングリコールの分子よりも大
きい添加剤および当該酸化成分および当該劣化成分とを
除去するため処理し、当該処理を経た不凍液から添加剤
および酸化成分および劣化成分を除去する不凍液の再生
処理方法または再生処理装置により達成される。
【0009】また、エチレングリコ−ルと、添加剤と、
エチレングリコールの酸化成分と、添加剤の劣化成分
と、溶解した金属成分とを含む使用済み不凍液から金属
成分とエチレングリコールの分子よりも大きい添加剤お
よび当該酸化成分および当該劣化成分とを除去するため
の前処理手段と、前処理手段を経て処理された不凍液か
ら添加剤および酸化成分および劣化成分を除去する後処
理手段とを備える不凍液の再生処理装置であっては、前
処理手段を、高密度の塩阻止率を有する逆浸透膜を用い
て、実質的にエチレングリコールを再生する手段とする
ことにより、第四の目的が達成される。さらに、後処理
手段にて処理した不凍液の電気伝導率を測定し、後処理
手段の補修時期を報知する手段を設けることにより、第
五の目的が達成される。
【0010】
【作用】使用済み不凍液の1リットル中には、除去した
い汚染物質が、約20000ppm含まれている。この不凍
液を本発明により処理すれば、フィルタで、約1000pp
mの溶解しない固形物が除去される。次に、逆浸透膜
で、溶解した金属成分とエチレングリコールの分子より
も大きい添加剤および酸化成分および劣化成分との合計
で約14000ppmの汚染物質が除去される。最後に、イ
オン交換樹脂で、エチレングリコールの分子よりも小さ
い添加剤および酸化成分および劣化成分と前処理手段で
除去し切れずに残した成分との合計で約5000ppmの汚
染物質が除去される。そして、実質的にエチレングリコ
ールと水の溶液が再生される。このように、各工程にお
ける汚染物質除去の処理負担が分散されている。
【0011】これにより、逆浸透膜は重金属を除去し、
イオン交換樹脂は余す所なく残りの汚染物質を除去し、
両者が互いに短所を補完し合うので、良質の再生液を得
ることができる。また、逆浸透膜方式とイオン交換樹脂
方式とにより別々に処理するものに比べれば、手間が省
け、取扱性が良い。
【0012】そしてまた、不凍液を本発明により処理す
れば、イオン交換樹脂の処理負担は、その単独工程によ
る処理負担に比べ約4分の1に減り、それ自身の汚れ方
が鈍化するので、イオン交換樹脂の処理寿命を、延ばす
ことができる。これは、イオン交換樹脂の取替え交換頻
度を少なくし、補修の面での取扱性の良さに繋がる。
【0013】さらに、高密度の塩阻止率を有する逆浸透
膜を用いて、エチレングリコールの透過率と汚染物質の
除去率のバランスを取ることにより、実質的にエチレン
グリコールを再生することができる。これにより、透過
させる時間や膜前後の圧力は実用的なものとなり、処理
能力と装置寸法のバランスの取れた手頃な容量の再生処
理装置が得られる。これは、稼動時間や運搬の面での取
扱性の良さに繋がる。
【0014】さらにまた、処理された液の電気伝導率を
測定しイオン交換樹脂の取替え交換時期を報知すること
により、再生処理装置の補修を適切に行うことができ
る。
【0015】以上により、取り扱い易い不凍液の再生処
理方法および再生処理装置を得ることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、添付の図
を参照して説明する。
【0017】図1は、本発明による一実施例の不凍液の
再生処理方法および再生処理装置の概略を示した系統図
である。不凍液処理装置1は、予備処理工程としての第
一フィルタ3aと第二フィルタ3b、前処理工程として
の逆浸透膜5、後処理工程としてのイオン交換樹脂6の
各処理手段から構成され、それぞれの手段が、第一ポン
プ2、第二ポンプ4、残渣液配管8a、透過液配管8b
および各種配管に接続されているものである。そして、
使用済み不凍液7は不凍液処理装置1にて再生処理さ
れ、再生液9が得られる。
【0018】一般的に、使用前の不凍液は、水とエチレ
ングリコ−ルに添加剤を加えた溶液である。そして、各
種装置や内燃機関より抜き取られた使用済み不凍液7
は、上記のものに汚染物質の混在したものである。内燃
機関より抜き取られた使用済み不凍液の汚染物質とし
て、通常、エチレングリコールの酸化成分と添加剤の劣
化成分と溶解した金属成分と溶解しない固形物とがあ
る。特に、この使用済み不凍液の金属成分には、公害で
問題となるPb、Cuなどの重金属が含まれている。
【0019】まず、この使用済み不凍液7が、予備処理
工程として第一ポンプ2により第一フィルタ3aと第二
フィルタ3bに送られる。ここで、水酸化した金属類や
塵埃などのような、比較的大きな溶解しない固形物が除
去される。フィルタは一個が望ましいが、目の細かさの
違うフィルタを複数個設ける場合もある。
【0020】本実施例の場合は、前方に目の粗い第一フ
ィルタ3a(濾過精度:25μm)と、後方に目の細か
い第二フィルタ3b(濾過精度:1μm)とを設けたも
のである。このようにすれば、各フィルタでの固形物除
去の処理負担が分散され、処理の平準化が行える。従っ
て、短期間でのフィルタ詰まりが防止され、補修の便利
さに繋がる。尚、予備処理工程は、必ずしも必要な工程
でなく、省略しても可である。
【0021】次ぎに、予備処理工程で処理された不凍液
は、前処理工程として第二ポンプ4により逆浸透膜5に
圧送される。そして、水と、エチレングリコールと、添
加剤と、エチレングリコールの酸化成分や添加剤の劣化
成分と、重金属を含む溶解した金属成分とが、逆浸透膜
5の膜を境にして、分離される。
【0022】理想の逆浸透膜5は、水とエチレングリコ
ールのみを通し他のものを通さないものであるが、現存
しない。従って、基本的な考えは、金属成分とエチレン
グリコールの分子よりも大きい添加剤およびエチレング
リコールの酸化成分および添加剤の劣化成分とを通さな
いが、エチレングリコールの分子よりも小さい添加剤お
よびエチレングリコールの酸化成分および添加剤の劣化
成分を通す膜を用いることにある。
【0023】しかし、余りにも透過区分のはっきりした
膜、即ち、塩阻止率 100% 近傍の膜を用いると、確か
に希望する汚染物質の除去率は高いが、同時に、エチレ
ングリコールも除去し好ましい結果が得られない。反っ
て、エチレングリコールを透過させるのに時間が掛か
り、透過させるための膜前後の圧力が高くなり実用的で
ない結果となる。従って、実質的に、エチレングリコー
ルの分子よりも大きい成分の一部が逆浸透膜5を通る膜
を用いる。
【0024】即ち、透過させる時間や膜前後の圧力を実
用的なものとするために、添加剤およびエチレングリコ
ールの酸化成分および添加剤の劣化成分の一部を積極的
に透過させる逆浸透膜5を用いる。そして、これらの透
過させた成分の除去を、後処理工程にも分担させるもの
である。エチレングリコールの分子よりも大きい添加剤
およびエチレングリコールの酸化成分および添加剤の劣
化成分の全てを除去する訳でないので、これを、「エチ
レングリコールの分子よりも大きい添加剤および酸化成
分および劣化成分とを除去するための前処理」と表現す
るものである。
【0025】但し、溶解した金属成分、特に前記した重
金属は、逆浸透膜5の膜で除去する処理分担とする。こ
のようにすれば、処理負担が分散され、処理の平準化が
行える。また、後述する処理寿命の延長に繋がる。
【0026】尚、当発明者の検討結果から、塩阻止率 9
0〜95% 位の逆浸透膜を用いた処理は、エチレングリコ
ールの透過率と汚染物質の除去率のバランスの取れたも
のであり、透過させる時間や膜前後の圧力を実用的なも
のにすることが判明した。これを、「実質的にエチレン
グリコールを再生する手段」と表現するものである。
【0027】具体的な手段として、処理能力は一時間当
たり18リットル、装置寸法は800×650×850(m
m)、重量は80(Kg)である手頃な容量の再生処理
装置が得られた。これは、稼動時間や運搬の面での取扱
性が容易なものである。
【0028】一方、逆浸透膜5で、使用済み不凍液7を
一度に多量に短時間に処理することは、装置やポンプ圧
力の大きさの点で問題である。従って、処理されずに滞
留する使用済み不凍液7と透過しなかった成分とを含む
液、即ち残渣液を、残渣液配管8aから回収し、元の使
用済み不凍液7の入った容器に帰還させる構成とする。
そして、再び、予備処理または前処理工程の処理を、繰
り返す構成とする。このようにすれば、透過処理時間
は、多少掛かるが、実用的なものとなる。尚、残渣液を
戻す容器や位置であるが、使用済み不凍液7と残渣液が
混合しない別の容器に戻しても良いし、予備処理と前処
理工程の間の位置に戻しても良い。
【0029】また、逆浸透膜5の膜は詰まり易いもので
ある。従って、上記のように残渣液を循環させる手段
は、膜の詰まりを洗い落すため、意図的に循環液を逆浸
透膜5の膜表面に当てる構成とする。
【0030】最後に、前処理工程で処理された不凍液、
即ち逆浸透膜5を透過した透過液は、後処理工程として
透過液配管8bを通り、イオン交換樹脂6に送られる。
後処理工程では、エチレングリコールの分子よりも小さ
い添加剤およびエチレングリコールの酸化成分および添
加剤の劣化成分が主に除去される。そして、前処理工程
にて処理し切れずに逆浸透膜5を透過させた、残りのエ
チレングリコールの分子よりも大きい添加剤およびエチ
レングリコールの酸化成分および添加剤の劣化成分も、
後処理工程において除去される。このように、前処理工
程と後処理工程に処理負担を分散させるので、それぞれ
の分担が軽くなる。特に、イオン交換樹脂6の単独工程
で処理した場合に比べて、イオン交換樹脂6の負担が軽
くなる。従って、イオン交換樹脂6の処理寿命が延びる
ことになる。また、処理寿命が延びることは、補修頻度
を少なくし、便利さに繋がる。
【0031】そして、汚染物質が取り除かれ、実質的に
エチレングリコールと水の再生液9が得られる。再生液
9は、厳密に云えば、エチレングリコールと水以外に微
量の残留成分を含んでいる。しかし、不凍液として再使
用する場合、ほとんど影響のない程度であり、概略、再
生液9の残留成分の総濃度は、50ppm以下である。こ
れもまた、「実質的に」と表現するものである。
【0032】図2は、逆浸透膜とイオン交換樹脂の汚染
物質除去性能を示す図である。
【0033】図2の横軸は、使用済み不凍液の逆浸透膜
やイオン交換樹脂を通過し、処理される液量である。縦
軸は、使用済み不凍液に含まれた汚染物質の除去された
量である。このデータ採取に使用されたイオン交換樹脂
と逆浸透膜の量は、イオン交換樹脂は、5リットルであ
り、逆浸透膜は、0.7m2である。
【0034】例えば、5リットルのイオン交換樹脂で、
1リットルの使用済み不凍液を処理した場合、汚染物質
除去量は、約20,000ppmである。大体15リットルの
使用済み不凍液を処理した場合、除去する処理能力が無
くなる。この時点が、イオン交換樹脂の処理能力の寿命
と云える。そして、イオン交換樹脂を取替え補修する必
要がある。
【0035】また、この図から、総計として、5リット
ル当たりのイオン交換樹脂は、この横軸、縦軸および曲
線に囲まれた面積に相当する約285,000ppmの汚染物
質を除去することも判る。仮りに、一回当たり1リット
ルの不凍液を処理させた場合、汚染物質除去量は約20,0
00ppmであるから、約15回でイオン交換樹脂の処理
能力が無くなる。これを、5,000ppmの処理負担とす
れば、4倍である60回に回数を延ばすことができる。こ
こに、イオン交換樹脂の処理負担を軽くする狙いがあ
る。
【0036】これに比べ、逆浸透膜に1リットルの使用
済み不凍液を透過させた場合、汚染物質除去量は約14,0
00ppmである。イオン交換樹脂より処理能力は劣る
が、数千リットル処理しても、未だ処理能力は保持され
ている。更に、前述したように、逆浸透膜の目詰まりを
適切に除去すれば、処理寿命を延ばすことができる。
【0037】以上より、イオン交換樹脂の処理寿命は、
逆浸透膜に比べ、かなり短いと云える。従って、イオン
交換樹脂の処理寿命を延ばすことが、不凍液の再生処理
を取り扱い易くする重要課題であることが判る。
【0038】表1は、逆浸透膜とイオン交換樹脂をそれ
ぞれ単独工程で処理した場合の、処理前後の液を分析し
た結果を示した表である。
【0039】
【表1】
【0040】この表より、次のことが判る。逆浸透膜
は、有害なる金属成分を除去するが、除去し切れず残す
物質も少なくない。これに対しイオン交換樹脂は、金属
成分は除去できないが、他の物質を完全に除去し何も残
さない。
【0041】補足説明すれば、イオン交換樹脂は、金属
以外の物質をほとんど除去する大きい処理能力を持って
いる。何でも除去するので、それ自身の汚れが早く、処
理寿命を短くしていると云える。別の見方をすると、イ
オン交換樹脂は、目の細かい篩いであり、逆浸透膜は、
目の粗い篩いと云える。従って、目の細かい篩いの方が
汚れ易い。また、イオン交換樹脂の処理工程を先にし、
逆浸透膜の処理工程を後にすると、目の細かい篩いを先
にした場合と同じで、後の目の粗い篩いは、役に立たな
い。従って、逆浸透膜の処理工程を先にする必要があ
る。
【0042】図3は、本発明による一実施例の各処理工
程で除去された汚染物質量の分布を示す図である。1リ
ットル中の汚染物質量が約20000ppmである使用済み
不凍液を順次処理した場合の、各処理工程で除去された
汚染物質量の分布が示されている。
【0043】予備処理工程のフィルタで、約1000ppm
の汚染物質量が除去される。前処理工程の逆浸透膜で、
約14000ppmの汚染物質量が除去される。後処理工程
のイオン交換樹脂で、約5000ppmの汚染物質量が除去
される。
【0044】これにより、後処理工程のイオン交換樹脂
の処理負担は、イオン交換樹脂の単独工程で処理した場
合に比べ、20000ppmの4分の1である5000ppmに
減る。従って、4倍に処理寿命を延ばすことができる。
これにより、イオン交換樹脂の取替え補修頻度を少なく
することができ、不凍液の再生処理を取り扱い易いもの
にすることができる。
【0045】一方、一般的に、添加剤として、次のもの
が用いられている。
【0046】TEA(トリエタノールアミン)、DEA
(ジエタノールアミン) 硝酸ナトリウム、ナトリウムモリブデン、安息香酸な
ど。
【0047】この添加剤は、防錆、劣化抑制、消泡作用
などの目的を有し、不凍液製造メーカにより任意に選ば
れている。従って、使用済み不凍液を再生する場合、添
加剤の含まない液を得ることが重要である。即ち、水と
エチレングリコールのみの液を回収し、規定の濃度に調
合し、これに製造メーカ用の添加剤を新たに加え、再び
新しい不凍液と同等の不凍液に再生することが出来るか
らである。
【0048】さらにまた、不凍液を再生処理する場合の
配慮する点は、処理工程の補修である「逆浸透膜やイオ
ン交換樹脂などの処理材の取替え交換」を容易にする点
である。確かに、本発明により、イオン交換樹脂の処理
寿命を延ばすことは出来るが、未だ逆浸透膜に比べかな
り短い。従って、この逆浸透膜とイオン交換樹脂の組合
せからなる優れた再生処理を活かすためには、特に、イ
オン交換樹脂の取替え交換に配慮する必要がある。ここ
に、不凍液の再生処理を取り扱い易くするもう一つの重
要課題があることが判る。これに対しては、イオン交換
樹脂の取替え交換時期を報知することが考えられる。
【0049】イオン交換樹脂の取替え交換時期を報知す
る実施例について説明する。実施例は、例えば、イオン
交換樹脂6にて処理された液の電気伝導率を測定する方
法である。処理された液中に二個の電極を離して配置す
る。そして、この電極間の電気抵抗を測定する。電気伝
導率が 50(μS/cm)を越えたら、インジケータにて報
知する方法である。報知と同時に、ポンプを停止するま
たは液配管の途中に設けた電磁弁を閉止することによ
り、処理作業を停止することも可能である。
【0050】序でに、フィルタと逆浸透膜の取替え交換
時期を報知する実施例について説明する。フィルタにつ
いては、フィルタ前後の圧力差を測定する方法がある。
例えば、フィルタ一個当たり、大体、0.7 kg/cm
2の圧力差が生じたら、インジケータにて報知する方法
である。
【0051】逆浸透膜については、逆浸透膜5を透過し
た透過液の流量を測定する方法、一定時間後の未処理の
残渣液量を測定する方法などがある。後者の例では、20
リットルの不凍液を60分掛けて透過処理し、その後の未
処理の残渣液量を測定し、その残渣液量が、3リットル
を越えたら、インジケータにて報知する方法である。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、重金属と他の汚染物質
を除去し良質の再生液を回収し、イオン交換樹脂の処理
寿命を延長し、実質的にエチレングリコールを再生し、
イオン交換樹脂の交換時期を知らせることが出来るの
で、取り扱い易い不凍液の再生処理方法および再生処理
装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例の不凍液の再生処理方法
および再生処理装置の概略を示した系統図である。
【図2】逆浸透膜とイオン交換樹脂の汚染物質除去性能
を示す図である。
【図3】本発明による一実施例の各処理工程で除去され
た汚染物質量の分布を示す図である。
【符号の説明】
1:不凍液処理装置 2:第一ポンプ 3a:第一フィ
ルタ 3b:第二フィルタ 4:第二ポンプ 5:逆浸
透膜 6:イオン交換樹脂 7:使用済み不凍液 8
a:残渣液配管 8b:透過液配管 9:再生液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 敏勝 茨城県勝田市東石川西古内3085番地の5 日立カーエレクトロニクス 株式会社内 (72)発明者 石崎 和久 茨城県勝田市東石川西古内3085番地の5 日立カーエレクトロニクス 株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレングリコ−ルと、添加剤と、前記エ
    チレングリコールの酸化成分と、前記添加剤の劣化成分
    と、溶解した金属成分とを含む使用済み不凍液を処理
    し、前記エチレングリコールを再生する不凍液の再生処
    理方法において、 前記使用済み不凍液から前記金属成分と前記エチレング
    リコールの分子よりも大きい前記添加剤および前記酸化
    成分および前記劣化成分とを除去するための前処理工程
    と、前記前処理工程を経て処理された不凍液から前記添
    加剤および前記酸化成分および前記劣化成分を除去する
    後処理工程とを経て再生することを特徴とする不凍液の
    再生処理方法。
  2. 【請求項2】エチレングリコ−ルと、添加剤と、前記エ
    チレングリコールの酸化成分と、前記添加剤の劣化成分
    と、溶解した金属成分と、溶解しない固形物とを含む使
    用済み不凍液を処理し、前記エチレングリコールを再生
    する不凍液の再生処理方法において、 前記使用済み不凍液から前記溶解しない固形物を除去す
    るための予備処理工程と、前記予備処理工程を経て処理
    された不凍液から前記金属成分と前記エチレングリコー
    ルの分子よりも大きい前記添加剤および前記酸化成分お
    よび前記劣化成分とを除去するための前処理工程と、前
    記前処理工程を経て処理された不凍液から前記添加剤お
    よび前記酸化成分および前記劣化成分を除去する後処理
    工程とを経て再生することを特徴とする不凍液の再生処
    理方法。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、前記前
    処理工程は逆浸透膜を用いて処理し、後処理工程はイオ
    ン交換樹脂を用いて処理するものであることを特徴とす
    る不凍液の再生処理方法。
  4. 【請求項4】請求項1または請求項2において、前記前
    処理工程の残渣液を前記前処理工程に帰還し、再処理す
    ることを特徴とする不凍液の再生処理方法。
  5. 【請求項5】請求項2において、予備処理工程は、少な
    くとも一個のフィルタを用いた処理であることを特徴と
    する不凍液の再生処理方法。
  6. 【請求項6】請求項2において、前記前処理工程の残渣
    液を前記予備処理工程に帰還し、再処理することを特徴
    とする不凍液の再生処理方法。
  7. 【請求項7】エチレングリコ−ルと、添加剤と、前記エ
    チレングリコールの酸化成分と、前記添加剤の劣化成分
    と、溶解した金属成分とを含む使用済み不凍液を処理
    し、前記エチレングリコールを再生する不凍液の再生処
    理装置において、 前記使用済み不凍液から前記金属成分と前記エチレング
    リコールの分子よりも大きい前記添加剤および前記酸化
    成分および前記劣化成分とを除去するための前処理手段
    と、前記前処理手段を経て処理された不凍液から前記添
    加剤および前記酸化成分および前記劣化成分を除去する
    後処理手段とを設けたことを特徴とする不凍液の再生処
    理装置。
  8. 【請求項8】請求項7において、前記前処理手段は逆浸
    透膜から構成され、前記後処理手段はイオン交換樹脂か
    ら構成されるものであることを特徴とする不凍液の再生
    処理装置。
  9. 【請求項9】請求項7において、前記前処理手段の残渣
    液を前記前処理手段に帰還し、前記残渣液で前記前処理
    手段を洗浄し、再処理する手段を設けたことを特徴とす
    る不凍液の再生処理装置。
  10. 【請求項10】エチレングリコ−ルと、添加剤と、前記
    エチレングリコールの酸化成分と、前記添加剤の劣化成
    分と、溶解した金属成分とを含む使用済み不凍液から前
    記金属成分と前記エチレングリコールの分子よりも大き
    い前記添加剤および前記酸化成分および前記劣化成分と
    を除去するための前処理手段と、前記前処理手段を経て
    処理された不凍液から前記添加剤および前記酸化成分お
    よび前記劣化成分を除去する後処理手段とを備える不凍
    液の再生処理装置であって、 前記前処理手段は、高密度の塩阻止率を有する逆浸透膜
    を用いて、実質的に前記エチレングリコールを再生する
    手段から構成されるものであることを特徴とする不凍液
    の再生処理装置。
  11. 【請求項11】エチレングリコ−ルと、添加剤と、前記
    エチレングリコールの酸化成分と、前記添加剤の劣化成
    分と、溶解した金属成分とを含む使用済み不凍液から前
    記金属成分と前記エチレングリコールの分子よりも大き
    い前記添加剤および前記酸化成分および前記劣化成分と
    を除去するための前処理手段と、前記前処理手段を経て
    処理された不凍液から前記添加剤および前記酸化成分お
    よび前記劣化成分を除去する後処理手段とを備える不凍
    液の再生処理装置であって、 前記後処理手段にて処理した不凍液の電気伝導率を測定
    し、前記後処理手段の補修時期を報知する手段を設けた
    ことを特徴とする不凍液の再生処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0637620A3 (de) * 1993-08-05 1995-11-15 Hoechst Ag Verfahren zur Wiederaufbereitung von gebrauchten glykolischen Flugzeugenteisungsmitteln.
JP2005232093A (ja) * 2004-02-20 2005-09-02 Ever Clean Kk 高純度エチレングリコールの回収方法

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