JPH07107474A - 画像符号化方法 - Google Patents

画像符号化方法

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JPH07107474A
JPH07107474A JP27320693A JP27320693A JPH07107474A JP H07107474 A JPH07107474 A JP H07107474A JP 27320693 A JP27320693 A JP 27320693A JP 27320693 A JP27320693 A JP 27320693A JP H07107474 A JPH07107474 A JP H07107474A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、画像符号化方法において、画像デー
タを階層符号化する際における圧縮効率を向上するもの
である。 【構成】画像データを順次再帰的に異なる複数の解像度
でなる複数の階層データに分割して符号化する際に、解
像度の最も低い最上位階層データを除く階層データの所
定のブロツクについてブロツクアクテイビテイを判定す
る。次に下位下層データに対する分割処理の判定基準で
あるしきい値をブロツクアクテイビテイに対応するブロ
ツク度数の分布状況から設定し、伝送量を増減すること
により圧縮効率が低下しないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【目次】以下の順序で本発明を説明する。 産業上の利用分野 従来の技術(図17及び図18) 発明が解決しようとする課題(図17及び図18) 課題を解決するための手段(図1〜図10) 作用(図1〜図10) 実施例 (1)階層符号化の原理(図1〜図3) (2)画像符号化装置の全体構成(図4) (3)階層符号化エンコーダ部(図5及び図6) (4)発生情報量制御部(図7〜図16) (5)他の実施例 発明の効果
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は画像符号化方法に関し、
例えば所定の画像データを異なる解像度でなる複数の画
像データに分割符号化する画像符号化装置に適用して好
適なものである。
【0003】
【従来の技術】従来、この種の画像符号化装置として、
入力画像データをピラミツド符号化等の階層符号化の手
法を用いて階層的に符号化するものがある(特願平5-14
2836号公報)。この階層符号化装置においては、高解像
度の入力画像データを第1の階層データとして、この第
1の階層データよりも解像度が低い第2の解像データ、
さらに第2の解像データよりも解像度が低い第3の階層
データ、……を順次再帰的に形成し、これら複数の階層
データを1つの通信路や記録再生経路でなる伝送路で伝
送する。
【0004】またこのとき複数の階層データを復号化す
る画像復号化装置では、複数の階層データについて全て
復号化することに加えて、それぞれに対応するテレビジ
ヨンモニタの解像度等により、何れかの階層データのう
ち所望の1つを選択して復号化し得る。このように階層
化された複数の階層データから所望の階層データのみに
ついて復号化することにより必要最小限の伝送データ量
により所望の画像データを得ることができる。
【0005】ここで図17に示すように、この階層符号
化として例えば4階層の符号化を実現する画像符号化装
置では、それぞれ3段分の間引きフイルタ2、3、4と
補間フイルタ5、6、7とを有し、入力画像データD1
について各段の間引きフイルタ2、3、4によつて順次
解像度の低い縮小画像データD2、D3、D4を形成す
ると共に補間フイルタ5、6、7により縮小画像データ
D2、D3、D4を縮小前の解像度に戻す。
【0006】各間引きフイルタ2〜4の出力D2〜D4
及び各補間フイルタ5〜7の出力D5〜D7はそれぞれ
差分回路8、9、10に入力され、これにより差分デー
タD8、D9、D10が生成される。この結果、画像符
号化装置1においては、階層データのデータ量を低減す
ると共に信号電力を低減する。ここでこの差分データD
8〜D10及び縮小画像データD4は、入力画像データ
D1に対して、それぞれ面積が1、1/4 、1/16、1/64の
サイズとなつている。
【0007】それぞれの差分回路8〜10より得られる
差分データD8〜D10及び間引きフイルタ4より得ら
れる縮小画像データD4は各符号器11、12、13、
14によつて圧縮処理され、この結果、各符号器11、
12、13、14から解像度の異なる第1、第2、第3
及び第4の階層データD11、D12、D13及びD1
4が所定の順序で伝送路に送出される。
【0008】このようにして伝送される第1〜第4の階
層データD11〜D14は、図18に示す画像復号化装
置によつて復号される。すなわち第1〜第4の階層デー
タD11〜D14は、それぞれ復号器21、22、2
3、24によつて復号され、この結果、まず復号器24
からは第4の階層データD24が出力される。
【0009】また復号器23の出力は加算回路29にお
いて補間フイルタ26より得られる第4の階層データD
24の補間データと加算され、これにより第3の階層デ
ータD23が復元される。同様にして復号器22の出力
は加算回路30において補間フイルタ27より得られる
第3の階層データD23の補間データと加算され、これ
により第2の階層データD22が復元される。さらに復
号器21の出力は加算回路31において補間フイルタ2
8より得られる第2の階層データD22の補間データと
加算され、これにより第1の階層データD21が復元さ
れる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところがかかる階層符
号化方法を実現する画像符号化装置においては、入力画
像データを複数の階層データに分割して符号化するた
め、必然的に階層成分だけデータ量が増加し、その分階
層符号化を用いない高能率符号化方法に比較して圧縮率
が低下するという問題がある。また圧縮効率を向上しよ
うとした場合、各階層データ間に適用される量子化器に
よつて画質劣化が発生する問題がある。
【0011】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、画像データを階層符号化する際に圧縮効率を向上し
得ると共に画質劣化を低減し得る画像符号化方法及び画
像符号化装置を提案しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、画像データを順次再帰的に異なる
複数の解像度でなる複数の階層データD31〜D35に
分割して符号化すると共に、解像度が低い上位階層デー
タD35の判定結果に基づいて最下位階層D31までの
分割処理に制限を加える画像符号化方法において、隣接
階層間で空間的に対応するブロツクXj(i)の分割処理の
選択により発生情報量を目標値に制御するとき、各階層
間で定義されるブロツクアクテイビテイACTを全階層
に渡り検出し、当該検出結果に基づくブロツク度数分布
表を用いて最適制御値を検出するようにする。
【0013】また本発明においては、ブロツクXj(i)の
分割処理の選択により発生情報量の削減を行う際、発生
情報量を目標値に制御するとき、各階層間で定義される
ブロツクアクテイビテイACTを全階層に渡り検出し、
当該検出結果に基づき生成されるブロツク度数分布表に
関し、各階層において上位階層でのブロツクアクテイビ
テイの履歴に基づいて最適制御値を検出するようにす
る。
【0014】また本発明においては、最適制御値が決定
するまで、階層符号化のエンコーダ40Aに入力される
データD31を待機状態に制御し、最適制御値が決定し
たとき入力データD31を階層符号するようにする。
【0015】また本発明においては、複数階層のブロツ
クアクテイビテイにより構成される度数分布表を用いた
最適制御値検出過程において、各階層ごとに独立に制御
しきい値THを設定するようにする。
【0016】また本発明においては、複数階層のブロツ
クアクテイビテイにより構成される度数分布表を用いた
最適制御値検出過程において、各階層ごとに独立に制御
しきい値THを設定する際、各階層ごとの制御しきい値
の組み合わせを予め用意し、当該組み合わせの中から最
適制御値を検出するようにする。
【0017】また本発明においては、複数階層のブロツ
クアクテイビテイACTにより構成される度数分布表を
用いた最適制御値検出過程において、度数分布表へのデ
ータ登録終了後、ブロツクアクテイビテイACTの値に
より積算型度数分布表を作成し、最適制御値検出時間を
短縮化するようにする。
【0018】また本発明においては、度数分布表にブロ
ツクを登録する際、度数分布表のブロツクアクテイビテ
イ値ACTに制限LMTを設定し、当該制限値以上のブ
ロツクアクテイビテイを有するブロツクを所定の座標に
登録し、必要メモリ量を削減するようにする。
【0019】また本発明においては、画像データを順次
再帰的に異なる複数の解像度でなる複数の階層データに
分割して符号化すると共に、解像度が低い上位階層デー
タの判定結果に基づいて最下位階層までの分割処理に制
限を加える画像符号化方法において、隣接階層間で空間
的に対応するブロツクの分割処理の選択により発生情報
量を目標値に制御するとき、各階層間で定義されるブロ
ツクアクテイビテイを全階層に渡り検出し、当該検出結
果に基づくブロツク度数分布表を用いて最適制御値を検
出し、検出結果が得られたとき、所定のメモリM1に待
機した画像データを符号化するようにする。
【0020】
【作用】画像データD31を順次再帰的に異なる複数の
解像度でなる複数の階層データD31〜D35に分割し
て符号化する際に、解像度の最も低い最上位階層データ
を除く階層データの所定のブロツクについてブロツクア
クテイビテイPを判定することとし、下位下層データに
対する分割処理の判定基準である閾値THをブロツクア
クテイビテイPに対応するブロツク度数の分布に基づい
て設定することにより、圧縮効率の低下しない画像デー
タの階層符号化を実現することができる。
【0021】
【実施例】以下図面について、本発明の一実施例を詳述
する。
【0022】(1)階層符号化の原理 図1は全体として本発明による階層符号化の原理とし
て、例えば高品位テレビジヨン信号等の静止画像を階層
符号化して圧縮する原理を示す。この階層符号化では下
位階層データの単純な算術平均で上位階層データを作る
ことで、情報量の増加を伴わない階層構造を実現する。
また上位階層から下位階層の復号についてはブロツク毎
のアクテイビテイに基づいて適応的に分割を制御するこ
とで、平坦部分の情報量を削減する。さらに下位階層の
ために行う差分信号の符号化では、その量子化特性を上
位階層のアクテイビテイに基づいて、付加コードなしに
ブロツク毎に切り替えることにより高能率化を実現す
る。
【0023】すなわちこの階層符号化の階層構造では、
まず入力される高品位テレビジヨン信号を下位階層と
し、この下位階層の2ライン×2画素の小ブロツク中の
4画素X1 〜X4 について、次式
【数1】 で表される算術平均を取り、その値mを上位階層の値と
する。この下位階層では、次式
【数2】 で示すように、上位階層との差分値を3画素分だけ用意
することで、元々の4画素データと同じ情報量で階層構
造を構成する。
【0024】一方下位階層の復号に際しては3画素X1
〜X3 は、次式
【数3】 で表すように上位階層の平均値mにそれぞれの差分値Δ
Xi を加えて復号値E〔Xi 〕を求め、残つた1画素
は、次式
【数4】 で表すように上位階層の平均値mから下位階層の3個の
復号値を引く事で復号値E〔X4 〕を決定する。ここ
で、E〔・〕は復号値を意味する。
【0025】ここでこの階層符号化においては、上位階
層から下位階層へは解像度が階層毎に4倍になるが、平
坦部ではこの分割を禁止する事で冗長度を削減してい
る。なおこの分割の有無を指示するためのフラグが1ビ
ツト、ブロツク単位で用意される。下位階層での分割の
必要性の判断は局所的なアクテイビテイとして、例えば
差分データの最大値で判断する。
【0026】ここで階層符号化の例としてITEのHD
標準画像(Y信号)を用い、5階層符号化した場合の適
応分割結果を図2に示す。最大差分データに対する閾値
を変化させた時の各階層の画素数を本来の画素数に対す
る割合を示すが、空間相関に基づく冗長度削減のようす
が分かる。削減効率は画像によつて変わるが最大差分デ
ータに対する閾値を1〜6と変化させると、平均的な削
減率は28〜69〔%〕になる。
【0027】実際上上位階層の解像度を4倍にして下位
階層を作り、そのとき下位階層では上位階層データから
の差分データを符号化することで、信号レベル幅を有効
に削減できる。図2について上述した階層符号化による
5階層の場合を、図3に示すが、ここでは階層を下位か
ら数えて第1〜5階層と名付けた。
【0028】原画像の8ビツトPCMデータに比べて、
信号レベル幅の削減が見られる。特に画素数の多い第1
〜4階層は差分信号なので、大幅な削減が達成でき、以
降の量子化で効率が向上する。図3の表からわかるよう
に削減効率の絵柄への依存性は少なく、全ての絵に対し
て有効である。
【0029】また下位階層の平均値で上位階層を作る事
で、エラー伝播をブロツク内にとめながら、下位階層を
上位階層の平均値からの差分に変換する事で、効率の良
さも合わせ持つ事ができる。実際上階層符号化では同一
空間的位置での階層間のアクテイビテイには相関があ
り、上位階層の量子化結果から下位階層の量子化特性を
決定する事で、付加コードを必要としない適応量子化器
を実現できる。
【0030】実際上、上述した5段階の階層構造に基づ
いて画像を階層符号化してマルチ解像度で表現し、階層
構造を利用した適応分割及び適応量子化を行う事で、各
種HD標準画像(8ビツトのY/PB /PR )を約1/
8に圧縮することができる。また適応分割のために用意
されるブロツク毎の付加コードは、圧縮効率の向上のた
めに各階層でランレングス符号化が行われる。このよう
にして、各階層で充分な画質の画像が得られ、最終的な
最下位階層も視覚的劣化のない良好な画像を得ることが
できる。
【0031】(2)画像符号化装置の全体構成 図4において、40は本発明による画像符号化装置を示
し、入力画像データD1を階層符号化して出力する階層
符号化エンコーダ部40Aと階層符号化エンコーダ部4
0Aにおける発生情報量が目標値を達成するように制御
する発生情報量制御部40Bとによつて構成されてい
る。
【0032】階層符号化エンコーダ部40Aはデータ遅
延用のメモリ(図示せず)とエンコーダとによつて構成
されている。このうちメモリは発生情報量制御部40B
において最適制御値が決定されるまでの間、エンコード
処理が実行されないようにデータを遅延できるよう入力
段に設けられている。
【0033】一方、発生情報量制御部40Bは入力画像
データを入力して処理対象データに適合した閾値THを
決定するようになされており、階層符号化エンコーダ部
40Aにおいて入力画像データが効率良く符号化される
ように決定された最適制御値をエンコーダに伝送するよ
うになされている。いわゆるフイードフオワード型のバ
ツフアリングの構成である。この構成により正確な発生
情報量制御とフイードフオワード型バツフアリングによ
つて発生する時間遅れを排除することができるようにな
されている。
【0034】ここで階層間差分値に基づき定義されるブ
ロツクアクテイビテイにより、下位階層での分割処理の
選択が行われる。すなわち下位階層の2×2の4画素よ
り上位階層データが構成され、ブロツクが定義される。
【0035】すなわち上位階層データをX0(i+1)
とし、下位階層データをXj(i)とすると、階層間差
分符号値ΔXj(i)=X0(i+1)−Xj(i)と
なる。但しj=0〜3である。またブロツクアクテイビ
テイ決定関数をG(・)とするとブロツクアクテイビテ
イACT=G(ΔXj(i))となる。
【0036】また上記階層判定フラグFLG(0:分割
中止、1:分割継続)とすると、FLG=0の場合、下
位階層の分割を中止し、ACT≧しきい値THかつFL
G=1の場合、下位階層の分割を実行し、ACT<しき
い値THかつFLG=1の場合、下位階層の分割を中止
する。
【0037】この階層での分割判定終了後、分割判定結
果を判定フラグFLGとして定義後、次の下位階層へ伝
搬させる。このようにFLG=0の場合は、下位階層で
の分割は行われない。
【0038】(3)階層符号化エンコーダ部 階層符号化エンコーダ部40Aは図5に示す構成でな
り、この例の場合、5階層に分けて処理する。
【0039】まず入力画像データD31が第1の差分回
路41及び第1の平均化回路42に入力される。第1の
平均化回路42は、入力画像データD31(すなわち第
1階層データ(最下位階層データ))の4画素平均によ
り第2階層データD32を生成する。この実施例の場
合、第1の平均化回路42は、図6(D)及び(E)に
示すように、入力画像データD31の4画素X1(1)〜X
4(1)から第2階層データD2の画素X1(2)を生成する。
【0040】また第2階層データD32の画素X1(2)に
隣接する画素X2(2)〜X4(2)も同様に第1階層データD
31の4画素平均を求めることにより生成される。
【0041】第2階層データD32は第2の差分回路4
3及び第2の平均化回路44に入力され、第2の平均化
回路44は、第2階層データD32の4画素平均により
第3階層データD33を生成する。例えば、図6(C)
及び(D)に示す第2階層データD32の画素X1(2)〜
X4(2)から第3階層データD33の画素X1(3)が生成さ
れると共に、画素X1(3)に隣接する画素X2(3)〜X4(3)
も同様に第2階層データD32の4画素平均により生成
される。
【0042】第3階層データD33は第3の差分回路4
5及び第3の平均化回路46に入力され、第3の平均化
回路46は上述の場合と同様に第3階層データD33の
4画素平均により図6(B)及び(C)に示すように、
画素X1(4)〜X4(4)でなる第4階層データD34を生成
する。
【0043】第4階層データD44は第4の差分回路4
7及び第4の平均化回路48に入力され、第4の平均化
回路48は、第4階層データD34の4画素平均により
最上位階層となる第5階層データD35を生成する。す
なわち図6(A)及び(B)に示すように、第4階層デ
ータD34の4画素X1(4)〜X4(4)を平均化することに
より第5階層データD35の画素X1(5)が生成される。
【0044】ここで第1〜第5階層データD31〜D3
5のブロツクサイズは、最下位階層である第1階層デー
タD31のブロツクサイズを1ライン×1画素とする
と、第2階層データD32は1/2ライン×1/2画
素、第3階層データD33は1/2ライン×1/4画
素、第4階層データD34は1/8ライン×1/8画
素、最上位階層データである第5階層データD35は1
/16ライン×1/16画素となる。
【0045】階層符号化エンコーダ部40Aは、これら
第1〜第5の階層データD31〜D35のうち最上位の
階層データ(すなわち第5の階層データD35)から順
に再帰的処理を繰り返して隣接する2つの階層データ間
の差分を差分回路41、43、45、47において求
め、差分データのみを符号器51〜55によつて圧縮符
号化する。これにより階層符号化エンコーダ部40Aは
伝送路に伝送される情報量を圧縮するようになされてい
る。
【0046】このような圧縮条件を最適に保つため階層
符号化エンコーダ部41は、各階層ごとに得られた伝送
データD51〜D55を復号器56〜59によつて復号
する。
【0047】このうち最上位の階層に対応する復号器5
9は符号器55において圧縮符号化された第5の階層デ
ータD35に対応する復号データD48を伝送データD
55から復号し、これを第4階層の差分回路47に与え
る。
【0048】これに対して他の復号器51〜54は、そ
れぞれ分割/非分割処理の有無を示すフラグに基づいて
復号動作を切換える。すなわち分割処理がなされている
場合には、伝送データD52〜D54として伝送される
差分データから復号処理によつて上位の階層データ(す
なわち第4、第3、第2の階層データ)を復号して第3
階層の差分回路45、第2階層の差分回路43、第1の
階層データ41にそれぞれ与えるようになされている。
これにより各差分回路41、43、45、47からは隣
接する階層間についての差分データD41、D42、D
43、D44が得られることになる。
【0049】また各階層に対応する符号器51〜55は
これら差分回路41、43、45、47や平均化回路4
8によつて得られた差分データD41、D42、D4
3、D44又は第5の階層データD35を入力し、各ブ
ロツクについて得られるアクテイビテイに対するしきい
値の判定と分割選択処理を実行する。このとき符号器5
1〜55は、処理対象が分割ブロツクの場合、階層間で
得られた差分データをそのまま圧縮符号化し、同時に各
ブロツクについての分割判定フラグをつけて伝送する。
【0050】これに対して符号器51〜55は、処理対
象が非分割ブロツクの場合、このブロツクは受信側にお
いて上位階層データから複合されるものとして符号対象
から除外する。因にこの場合にも各ブロツクについての
分割判定フラグは付けて伝送される。これら5組の符号
器51〜55から出力される第1〜第5の階層圧縮符号
化データが所定の伝送路に送出される。
【0051】次に階層符号化エンコーダ部40Aによる
具体的な信号処理を説明する。まず階層間差分値に基づ
くブロツクアクテイビテイにより、階層間差分値に対す
る処理を選択する場合を考える。また各ブロツクは2ラ
イン×2画素より構成されるものとする。
【0052】ここでは各画素のデータ値をXとし、デー
タ値Xの階層をサフイツクスで表す。すなわち上位の階
層データをX(0)i+1とするとき、隣接する下位階層デー
タはXj(i)(j=0〜3)である。また階層間の差分符
号値はΔXj(i)(j=0〜3)であり、階層符号化エン
コーダ部40Aはこの差分符号値を圧縮符号化するので
ある。
【0053】各階層における符号器51〜55による圧
縮符号化処理は各ブロツクについて得られたブロツクア
クテイビテイPと閾値データD57とを比較し、比較結
果によつて処理を選択する。すなわちブロツクアクテイ
ビテイPが閾値TH以上の場合には下位階層について順
次分割処理するのに対し、ブロツクアクテイビテイPが
しきい値TH未満の場合には下位階層についての分割処
理を中止する。
【0054】これによりブロツクアクテイビテイPが低
い領域については上位の階層データしか送らずに済み、
伝送情報量を削減できるのである。また伝送路を挟んで
これらのデータを受信する画像データ復号装置は、順に
送られてくる伝送データのうち上位階層データを用いて
ブロツクアクテイビテイの低い領域では下位階層データ
を上位階層データで復元する。一方、ブロツクアクテイ
ビテイが高い領域では階層間差分復号値と上位階層デー
タを加算することでデータを復元する。
【0055】この分割又は非分割の判定結果に対しては
1ビツトの判定フラグが導入されている。このフラグに
よつて各ブロツクについての判定結果を指示することが
可能となる。この判定フラグは各階層のブロツク毎に1
ビツトづつ必要となるが、画質を考慮した場合、有効で
ある。
【0056】(4)発生情報量制御部 一方、発生情報量制御部40Bは、図7に示すように構
成されている。発生情報量制御部40Bは、入力画像デ
ータD31を平均値回路42、44、46、48を順次
介して1/4平均化することにより解像度の異なる5階
層の画像データを生成する。続いて差分データとして伝
送される画像データの各階層毎の発生情報量を求めるた
め、1階層上の階層画像データD32、D33、D34
及びD35と各階層の画像データD31、D32、D3
3及びD34との差を各差分回路61、62、63及び
64において求める。
【0057】これら各差分回路61、62、63及び6
4から出力される差分データは階層符号化エンコーダ部
40Aにおける階層処理によつて得られる各階層の差分
データとみなすことができる。アクテイビテイ検出回路
65、66、67及び68は第1階層〜第4階層の画像
データにそれぞれ対応し、各階層の各ブロツクについて
アクテイビテイを求めてこれを対応する度数分布表69
〜72に登録するようになされている。
【0058】また第5階層の画像データについては最上
位の階層データであり、差分データとしてではなく直接
伝送されるため各ブロツクについてのダイナミツクレン
ジがそのまま度数分布表73に登録される。
【0059】これは上述のエンコーダ部40Aにおいて
実行される圧縮処理に対応するデータの度数を計測す
る。例えば第5階層データD35に対してADRC等の
圧縮処理が施される場合は、ADRCブロツクのダイナ
ミツクレンジがデータとして登録される。
【0060】次に、第4階層データD34及び第5階層
データD35から差分データD64が生成される。当該
差分データD64に関し、ブロツクアクテイビテイがア
クテイビテイ検出回路68において検出される。ここで
検出されたブロツクアクテイビテイD68は度数分布表
72に登録される。
【0061】第3階層データD33及び第4階層データ
D34から差分データD63が生成される。差分データ
D63に関し、ブロツクアクテイビテイがアクテイビテ
イ検出回路67において検出される。ここで検出された
ブロツクアクテイビテイD67は度数分布表71に登録
される。このとき第4階層でのしきい値判定結果におい
てブロツク分割続行判定を受けたブロツクのみに関し、
第3階層ではブロツク分割判定を行う。
【0062】従つて度数分布表71は第4階層でのブロ
ツクアクテイビテイD68と第3階層でのブロツクアク
テイビテイD67の2変数により座標が決定されるブロ
ツク数を示す度数分布表となる。
【0063】また第2階層データD32と第3階層デー
タD33から差分データD62が生成され、アクテイビ
テイ検出回路66においてブロツクアクテイビテイD6
6が出力される。検出されたブロツクアクテイビテイD
66は度数分布表70に登録される。第2階層において
は、第4階層、第3階層でブロツク分割続行判定を受け
たブロツクのみに関し、ブロツク分割判定を行う。
【0064】従つて度数分布表70は第4階層でのブロ
ツクアクテイビテイD68と第3階層でのブロツクアク
テイビテイD67と第2階層でのブロツクアクテイビテ
イD66の3変数から座標が決定されるブロツク度数分
布表となる。
【0065】最後に第1階層データD31と第2階層デ
ータD32から差分データD61が生成され、アクテイ
ビテイ検出回路65においてブロツクアクテイビテイD
65が出力される。検出されたブロツクアクテイビテイ
D65は度数分布表69に登録される。第1階層におい
ては、第4階層、第3階層及び第2階層でブロツク分割
続行判定を受けたブロツクのみに関し、ブロツク分割判
定を行う。
【0066】従つて度数分布表69は第4階層でのブロ
ツクアクテイビテイD68と第3階層でのブロツクアク
テイビテイD67と第2階層でのブロツクアクテイビテ
イD66と第1階層でのブロツクアクテイビテイD65
の4変数から構成される。
【0067】こうして生成された度数分布表69〜73
を用いて発生情報量制御が実行される。各度数分布表と
後段の制御部74は双方向の信号路D69〜D73によ
つて接続されている。
【0068】制御部74においては、まず各度数分布表
に対するしきい値が各度数分布表に伝送される。各度数
分布表においては、しきい値に対応する発生情報量が検
出される。この各度数分布表における発生情報量は、信
号路D69〜D73を通して制御部74に伝送される。
【0069】制御部74においては、受信した各度数分
布表における発生情報量を統合し、制御対象となる総発
生情報量を算出する。この総発生情報量と目標値を比較
し、比較結果により目標値を満たすようにしきい値が変
更される。再び更新されたしきい値は制御部74より、
信号路D69〜D73を会して各度数分布表に伝送され
る。またこれに対応する発生情報量が再び制御部74に
伝送される。
【0070】以上の処理を繰り返し、最終的に目標値を
達成する制御結果D57が決定される。決定された発生
情報量制御値D57は階層符号化エンコーダ部40Aに
伝送される。
【0071】この情報量制御処理期間中は、制御対象と
なるデータはエンコーダ部40Aに含まれるメモリM1
により待機させられる。このようなフイードフオワード
型バツフアリングの構成を用いることにより、対象デー
タに適合したしきい値を決定することができ、効率の良
い符号化を実現し得る。
【0072】ここでは情報量制御用の度数分布表69〜
73について説明する。図8(A)〜(E)はそれぞれ
最上位の階層データ(第5の階層データ)〜最下位の階
層データ(第1の階層データ)について得られたブロツ
クアクテイビテイの度数分布表を示している。ここで図
8(A)に示す第5の階層についての度数分布表に関し
ては、対象データが差分データではないためダイナミツ
クレンジによる度数分布表が生成される。例えばPCM
符号化を適用する場合には符号化されたブロツクについ
てのダイナミツクレンジが登録されることになる。
【0073】一方、他の度数分布表69〜72は対象デ
ータが差分データであり、各度数分布表について与えら
れているしきい値TH1、TH2、TH3、TH4以上
のブロツクアクテイビテイを有するブロツクが分割対象
ブロツクとなる。
【0074】従つて各階層においてしきい値以上のブロ
ツクアクテイビテイを有するブロツクの数を算出すれば
発生情報量を算出することができる。次に発生情報量の
算出例を説明する。発生情報量の算出のためには各階層
における分割判定しきい値以上のブロツク数を計測する
必要があるが、この実施例において対象となる判定フラ
グ伝搬法による階層符号化における発生情報量制御で
は、上位階層におといて分割中止判定を受けたブロツク
を下位階層での判定対象から除去する必要がある。
【0075】また各階層においては分割判定を行うため
に、ブロツクアクテイビテイに対するしきい値を導入す
る。ここで第1階層における分割対象ブロツク内画素数
和をM1、また第1階層データの量子化ビツト数をQ
1、第1階層の判定フラグビツト数をN1とすると、第
1階層における発生情報量I1は、次式
【数5】 によつて与えることができる。
【0076】この(5)式における第1項において各ビ
ツト数が4倍されているのは、この例の場合、各ブロツ
クが2ライン×2画素に分割されているからである。ま
た第1項において3/4倍しているのは上位階層値が下
位階層値の平均値より生成されるという構造において、
上位階層値と伝送される下位階層値3画素を用いて算術
式により下位階層の4番目の非伝送画素値が復元できる
という性質を反映しているからである。因に第2項にお
いて、第1階層におけるブロツク数をN1 が加算されて
いるのは分割判定フラグとして各ブロツクごとに1ビツ
ト付加して伝送することを示している。
【0077】同様に、第2、第3、第4の階層について
も、各階層における分割対象ブロツク内画素数和をM
2、M3、M4とし、各階層での量子化ビツト数をQ
2、Q3、Q4、各階層での判定フラグビツト数をN
2、N3、N4とすると、各階層における発生情報量I
k(k=2、3、4)は、次式
【数6】 によつて与えることができる。
【0078】これら第1〜第4階層についての発生情報
量I1〜I4及び第5階層についての発生情報量I5を
用いると、階層符号化エンコーダ部40Aの符号化処理
によつて生じる総発生情報量Iは、次式
【数7】 のように各階層ごとの発生情報量の和として求めること
ができる。
【0079】ここで各階層の発生情報量に判定フラグの
ビツト数が加算されるが、このフラグの情報量は上位階
層で分割処理が実行されたブロツク数に等しい。すなわ
ち上位階層において分割処理が中止されたブロツクは、
下位階層においては分割判定対象から除外することを意
味している。各ブロツクの空間的位置は、上位階層から
の判定フラグの履歴により各階層において特定すること
が可能である。
【0080】ここで個々の度数分布表について説明す
る。上述のように、最上位階層データの度数分布表は圧
縮方式に依存するので、一意には決まらない。しかし、
度数分布表などの手段を用いて、発生情報量を制御でき
る。
【0081】次に、第4階層データに関しては、ブロツ
クアクテイビテイACT4に対するブロツク度数が登録
されている。図9(A)に示す第5階層度数分布表に対
して、図9(B)の第4階層度数分布表を用いること
で、容易に閾値TH4に対する発生情報量を算出するこ
とができる。閾値TH4以上のブロツクが分割対象とな
るので、閾値以上のブロツク数和を求めることにより、
第4階層における発生情報量を算出する。
【0082】次に、第3階層の度数分布表の例を図10
に示す。判定フラグ伝播法においては、上位階層で分割
中止判定を受けたブロツクを判定対象から除外する。そ
こで、第3階層ブロツクアクテイビテイACT3と、第
4階層ブロツクアクテイビテイACT4の2変数で定義
される度数分布表を導入する。
【0083】すなわち、第4階層の閾値TH4以上で、
第3階層の閾値TH3以上のブロツク度数を求める。こ
の操作は、図10の度数分布表において、ACT4軸で
は閾値TH4以上、ACT3軸では閾値TH3以上のブ
ロツク度数を算出することで、上記の条件を満たす第3
階層における発生情報量の算出を行うことができる。
【0084】次に、第2階層、第1階層の度数分布表の
例を図11に示す。第3階層の度数分布表と同じ考え方
に従い、多変数により定義される度数分布表を生成す
る。
【0085】第2階層においては、第2階層、第3階
層、第4階層のそれぞれのブロツクアクテイビテイAC
T2、ACT3、ACT4で定義されるブロツクを度数
分布表に登録する。この状態を図11(A)に示す。第
2階層では、ACT4軸では閾値TH4以上、ACT3
軸では閾値TH3以上、ACT2軸では閾値TH2以上
のブロツク度数を算出することで、第2階層における発
生情報量を算出する。
【0086】第1階層においては、第1階層、第2階
層、第3階層及び第4階層のそれぞれのブロツクアクテ
イビテイACT1、ACT2、ACT3及びACT4で
定義されるブロツクを度数分布表に登録する。この状態
を図11(B)に示す。第1階層の場合は、ACT4軸
では閾値TH4以上、ACT3軸では閾値TH3以上、
ACT2軸では閾値TH2以上のブロツク度数を算出す
ることで、第1階層における発生情報量を算出する。
【0087】以上の5種類の度数分布表を用いて、閾値
に対する発生情報量を算出し、目標情報量に合致する制
御を行なうことができる。ここで発生情報量制御に用い
られる各階層の閾値については、各階層毎に独立に変更
する手法がある。
【0088】例えば、各階層毎に予め目標情報量を設定
しておき、各階層毎に独立に閾値を変更して目標情報量
に合致する制御を行なう手法である。また、別の手法と
しては、各階層の閾値の組み合わせを予め用意してお
き、制御順序に従い、その閾値組み合わせを適用するこ
とで、制御の簡素化を図る手法も考えられる。
【0089】ここで上述の各階層における度数分布表を
用いた発生情報量制御手法において、各階層では、上位
階層の分割判定結果を考慮しつつ、各階層のブロツクア
クテイビテイが閾値以上のブロツク度数を算出すること
で最適制御値を検出した。この閾値以上のブロツク度数
算出時間の高速化を図るため、ブロツク度数が登録され
た度数分布表を積算型度数分布表に再構成することがで
きる。
【0090】この積算型度数分布表の例を図13に示
す。すなわちブロツクアクテイビテイを登録した結果、
図12に示す度数分布表例が得られたとする。この場合
説明の簡素化のため、ブロツクアクテイビテイが1変数
の例を示す。上述の度数分布表では、第4階層のものと
同じである。
【0091】積算型度数分布表は、図12の度数分布表
のブロツクアクテイビテイの最大値に対応するブロツク
度数から開始し、より小さいブロツクアクテイビテイ値
に対応するブロツク度数に積算演算を施し、それぞれの
積算結果を度数分布表に登録し直す構造をもつ。
【0092】この処理を数式で表現すると次式
【数8】 によつて表される。但しSUM(・)は積算ブロツク度
数を表し、N(・)は度数分布表におけるブロツク度数
を表し、actは積算度数分布表におけるブロツクアク
テイビテイ変数を表し、ACTは度数分布表におけるブ
ロツクアクテイビテイ変数を表し、nは度数分布表にお
ける変数最大値を表す。
【0093】(8)式の意味することは、ブロツクアク
テイビテイ値アドレスのブロツク度数を読み出し、上位
ブロツクアクテイビテイ値までの積算値に加算した結果
を、そのブロツクアクテイビテイ値アドレスに書き込
む、という処理である。この結果図13に示す積算型度
数分布表を得る。この積算型度数分布表においては、図
12の斜線部のブロツク度数和が、閾値TH座標データ
Iに対応する。
【0094】この積算型度数分布表により、閾値THを
変更するたびに、毎回、図12の斜線部のブロツク度数
和を計算する必要はなくなる。すなわち、積算型度数分
布表の閾値に対応する積算ブロツク度数を出力すること
でブロツク度数和の算出が実現される。
【0095】また図10の第3階層度数分布表は、2変
数の場合を示しており、(8)式を拡張することで積算
型度数分布表が生成され、次式、
【数9】 を得る。但し、SUM(・)は積算ブロツク度数を表
し、N(・)は度数分布表におけるブロツク度数を表
し、act3は積算度数分布表における第3階層対応変
数を表し、act4は積算度数分布表における第4階層
対応変数を表し、ACT3は度数分布表における第3階
層変数を表し、ACT4は度数分布表における第4階層
変数を表し、nは度数分布表における変数最大値を表
す。
【0096】(9)式に従つて生成される積算型度数分
布表においては、第3階層の判定閾値TH3、第4階層
の判定閾値TH4のアドレスに対応する積算ブロツク度
数が、閾値TH3以上かつ判定閾値TH4以上のブロツ
ク度数和を示す。こうして第3階層における発生情報量
を算出することが可能となる。
【0097】図11の第2階層、第1階層の度数分布表
に関しても、積算型度数分布表を用いることでブロツク
度数和算出時間を短縮することができる。これらの場合
は、ブロツクアクテイビテイ変数の数が増えるので、積
算回数は多くなる。
【0098】まず、第2階層の場合の演算式を次式
【数10】 によつて表す。但し、SUM(・)は積算ブロツク度数
を表し、N(・)は度数分布表におけるブロツク度数を
表し、act2は積算度数分布表における第2階層対応
変数を表し、act3は積算度数分布表における第3階
層対応変数を表し、act4は積算度数分布表における
第4階層対応変数を表し、ACT2は度数分布表におけ
る第2階層変数を表し、ACT3は度数分布表における
第3階層変数を表し、ACT4は度数分布表における第
4階層変数を表す。
【0099】(10)式に従い生成される積算型度数分
布表においては、第2階層の判定閾値TH2、第3階層
の判定閾値TH3、第4階層の判定閾値TH4のアドレ
スに対応する積算ブロツク度数が、閾値TH2以上かつ
閾値TH3以上かつ判定閾値TH4以上のブロツク度数
和を示す。
【0100】こうして第2階層における発生情報量を算
出することが可能となる。最後に、図11(B)に示す
第1階層の度数分布表に関する処理を述べる。この場
合、ブロツクアクテイビテイ変数が4種類になるので、
最も積算演算回数は多くなる。ここで第1階層の場合の
演算式を次式
【数11】 によつて表す。但し、SUM(・)は積算ブロツク度数
を表し、N(・)は度数分布表におけるブロツク度数を
表し、act1は積算度数分布表における第1階層対応
変数を表し、act2は積算度数分布表における第2階
層対応変数を表し、act3は積算度数分布表における
第3階層対応変数を表し、act4は積算度数分布表に
おける第4階層対応変数を表し、ACT1は度数分布表
における第1階層変数を表し、ACT2は度数分布表に
おける第2階層変数を表し、ACT3は度数分布表にお
ける第3階層変数を表し、ACT4は度数分布表におけ
る第4階層変数を表す。
【0101】(11)式で生成される積算型度数分布表
においては、第1階層の判定閾値TH1、第2階層の判
定閾値TH2、第3階層の判定閾値TH3、第4階層の
判定閾値TH4のアドレスに対応する積算ブロツク度数
が、閾値TH1以上、閾値TH2以上、閾値TH3以上
かつ閾値TH4以上のブロツク度数和を示す。こうして
第1階層における発生情報量も算出される。
【0102】この処理の結果、(6)式による各階層に
おける分割対象ブロツク数に基づく発生情報量の算出が
実現される。以上の積算型度数分布表の導入により、発
生情報量制御時間を大幅に短縮することが可能となる。
この積算型度数分布表に対し、さらに発生情報量制御時
間を短縮する方法を示す。
【0103】この提案で使用される積算型度数分布表
は、分割判定閾値に対する発生情報量の算出に用いられ
る。ここで実際の閾値処理においては、画質劣化の観点
から実用上、大きな判定閾値を使用することができな
い。そこで、ブロツクアクテイビテイ値をクリツプした
度数分布表を作成することを提案する。その様子を図1
4及び図15に示す。
【0104】図14に示すように、ブロツクアクテイビ
テイ値をLMTでクリツプすると、LMT以上のブロツ
ク度数は度数分布表においては全てLMTに登録され
る。その結果、図のようにLMTでのブロツク度数が大
きくなる。算出すべきブロツク度数和は斜線部である。
【0105】この度数分布表に対する積算型度数分布表
を、図14に示す。(8)式〜(11)式に示される積
算演算は、ブロツクアクテイビテイ値の最大値nではな
く、ブロツクアクテイビテイ値LMTより0までの区間
で行なわれる。
【0106】算出すべきブロツク度数和は、閾値THの
座標の積算ブロツク度数Iである。この例に示されるよ
うに、図13と同じ結果が得られる。度数分布表のブロ
ツクアクテイビテイ値にクリツプを導入することによ
り、積算型度数分布表作成時間の短縮化及び度数分布表
メモリ空間の小型化を実現し得る。
【0107】この手法を適用する枠としては、各階層毎
にクリツプ値LMTを変える場合と、各階層全てクリツ
プ値LMTを固定にする場合の、2種類が考えられる。
前者は各階層の階層間差分値分布に明らかな違いがある
時に用いられ、後者は各階層の階層間差分値分布が大差
無い時に用いられる。
【0108】因に、図16は階層符号化処理のフローチ
ヤートを示し、ステツプSP2において階層番号を記憶
する階層カウンタIに「4」が登録され、この階層化の
枠が決定される。
【0109】さらにステツプSP3において発生情報量
演算によつて階層データが生成され、ステツプSP4に
おいて各ブロツクアクテイビテイが検出される。このア
クテイビテイに対してステツプSP5において図10に
おいて上述した多次元度数分布表を作成及び登録するこ
とにより発生情報量制御が行われ、最適制御値が決定さ
れる。
【0110】さらにステツプSP6においてエンコーダ
側でこの制御値に基づいて階層符号化が実行される。す
なわち始めに最上位階層である5階層データに対し、符
号化及び復合化が行われる。この結果が下位階層におけ
る処理の初期値となり、ステツプSP7において下位階
層との階層間差分値が生成される。さらにステツプSP
8において冗談において決定された発生情報量制御値に
基づいて下位階層での分割選択及び符号化が実行され
る。
【0111】各階層処理の後、ステツプSP9において
階層カウンタIをデクリメントする。そしてステツプS
P10において階層カウンタIの内容に対し、終了判定
が施される。未終了の場合は、さらに下位階層処理を続
行する。全階層の処理を終了した場合、ループを抜けて
ステツプSP11において処理を終了する。
【0112】以上の発生情報量制御により、画質劣化の
少ない圧縮効率の高い階層符号化を行なうことができ
る。
【0113】(5)他の実施例 なお上述の実施例においては、ブロツクアクテイビテイ
Pを各ブロツクについて上位の階層データについて得ら
れた復号データと下位の階層データとの差分値の最大値
で判断する場合について述べたが、本発明はこれに限ら
ず、ブロツク内における平均誤差や絶対値和、また標準
偏差やn乗和、さらにはしきい値以上のデータ度数によ
つて判断しても良い。
【0114】さらに上述の実施例においては、符号器に
おいて画像データをPCM符号化する場合について述べ
たが、本発明はこれに限らず、他の符号化方式、例えば
直交符号化方式を適用しても良い。
【0115】さらに上述の実施例においては、各階層に
ついて得られた度数分布表のしきい値について複数の組
み合わせをROMに格納しておき、発生情報量が最も目
標値に近くなるしきい値の組み合わせを求める場合につ
いて述べたが、本発明はこれに限らず、各階層毎独立に
設定できるようにしても良い。
【0116】さらに上述の実施例においては、最下位の
階層データを2ライン×2画素づつ平均値を求めて上位
の階層の画像データを求める場合について述べたが、本
発明はこれに限らず、他の組み合わせによつて平均値を
求めるようにしても良い。
【0117】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、画像デー
タを順次再帰的に異なる複数の解像度でなる複数の階層
データに分割して符号化する際に、階層データの所定の
ブロツクについてブロツクアクテイビテイを判定し、下
位階層データに対する分割処理の判定基準であるしきい
値をブロツクアクテイビテイに対応するブロツクの度数
分布から設定することにより、圧縮効率の低下しない画
像データの階層符号化方法を容易に実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像符号化方法の原理の説明に供
する略線図である。
【図2】本発明における画像符号化方法によつて適応分
割された撮像画像の処理結果を示す表である。
【図3】本発明における画像符号化方法によつて得られ
る各階層ごとの信号レベルを示す表である。
【図4】本発明による画像符号化装置の一実施例を示す
ブロツク図である。
【図5】階層符号化エンコーダ部を示すブロツク図であ
る。
【図6】階層構造の説明に供する略線図である。
【図7】発生情報量制御部を示すブロツク図である。
【図8】各階層の度数分布表を示す特性曲線図である。
【図9】度数分布表例を示す特性曲線図である。
【図10】度数分布表例を示す特性曲線図である。
【図11】度数分布表例を示す特性曲線図である。
【図12】度数分布表を示す特性曲線図である。
【図13】積算型度数分布表を示す特性曲線図である。
【図14】クリツプ値を使用した度数分布表を示す特性
曲線図である。
【図15】クリツプ値を使用した積算型度数分布表を示
す特性曲線図である。
【図16】階層符号化の処理手順を示すフローチヤート
である。
【図17】従来のピラミツド符号化エンコーダの構成を
示すブロツク図である。
【図18】従来の階層復号化装置を示すブロツク図であ
る。
【符号の説明】
40……階層符号化装置、40A……階層符号化エンコ
ーダ部、40B……発生情報量制御部、41、43、4
5、47、61、62、63、64……差分回路、4
2、44、46、46……平均化回路、51、52、5
3、54、55……符号器、56、57、58、59…
…復号器、65、66、67、68……アクテイビテイ
検出回路、69、70、71、72、73……度数分布
表、74……制御部。
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 画像符号化方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【目次】以下の順序で本発明を説明する。 産業上の利用分野 従来の技術(図19及び図20) 発明が解決しようとする課題(図19及び図20) 課題を解決するための手段(図1〜図12) 作用(図1〜図12) 実施例 (1)階層符号化の原理(図1〜図3) (2)画像符号化装置の全体構成(図4) (3)階層符号化エンコーダ部(図5〜図8) (4)発生情報量制御部(図9〜図18) (5)他の実施例 発明の効果
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は画像符号化方法に関し、
例えば所定の画像データを異なる解像度でなる複数の画
像データに分割符号化する画像符号化装置に適用して好
適なものである。
【0003】
【従来の技術】従来、この種の画像符号化装置として、
入力画像データをピラミツド符号化等の階層符号化の手
法を用いて階層的に符号化するものがある(特願平5−
142836号公報)。この階層符号化装置において
は、高解像度の入力画像データを第1の階層データとし
て、この第1の階層データよりも解像度が低い第2の解
像データ、さらに第2の解像データよりも解像度が低い
第3の階層データ、……を順次再帰的に形成し、これら
複数の階層データを通信路や記録再生経路でなる伝送路
で伝送する。
【0004】またこのとき複数の階層データを復号化す
る画像復号化装置では、複数の階層データについて全て
復号化しても良く、またそれぞれに対応するテレビジヨ
ンモニタの解像度等により、何れかの階層データのうち
所望の1つを選択して復号化しても良い。このように階
層化された複数の階層データから所望の階層データのみ
について復号化することにより必要最小限の伝送データ
量により所望の画像データを得ることができる。
【0005】ここで図19に示すように、この階層符号
化として例えば4階層の符号化を実現する画像符号化装
置では、それぞれ3段分の間引きフイルタ2、3、4と
補間フイルタ5、6、7とを有し、入力画像データD1
について各段の間引きフイルタ2、3、4によつて順次
解像度の低い縮小画像データD2、D3、D4を形成す
ると共に補間フイルタ5、6、7により縮小画像データ
D2、D3、D4を縮小前の解像度に戻す。
【0006】各間引きフイルタ2〜4の出力D2〜D4
及び各補間フイルタ5〜7の出力D5〜D7はそれぞれ
差分回路8、9、10に入力され、これにより差分デー
タD8、D9、D10が生成される。この結果、画像符
号化装置1においては、階層データのデータ量を低減す
ると共に信号電力を低減する。ここでこの差分データD
8〜D10及び縮小画像データD4は、入力画像データ
D1に対して、それぞれ面積が1、1/4、1/16、
1/64のサイズとなつている。
【0007】それぞれの差分回路8〜10より得られる
差分データD8〜D10及び間引きフイルタ4より得ら
れる縮小画像データD4は各符号器11、12、13、
14によつて圧縮処理され、この結果、各符号器11、
12、13、14から解像度の異なる第1、第2、第3
及び第4の階層データD11、D12、D13及びD1
4が所定の順序で伝送路に送出される。
【0008】このようにして伝送される第1〜第4の階
層データD11〜D14は、図20に示す画像復号化装
置によつて復号される。すなわち第1〜第4の階層デー
タD11〜D14は、それぞれ復号器21、22、2
3、24によつて復号され、この結果、まず復号器24
からは第4の階層データD24が出力される。
【0009】また復号器23の出力は加算回路29にお
いて補間フイルタ26より得られる第4の階層データD
24の補間データと加算され、これにより第3の階層デ
ータD23が復元される。同様にして復号器22の出力
は加算回路30において補間フイルタ27より得られる
第3の階層データD23の補間データと加算され、これ
により第2の階層データD22が復元される。さらに復
号器21の出力は加算回路31において補間フイルタ2
8より得られる第2の階層データD22の補間データと
加算され、これにより第1の階層データD21が復元さ
れる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところがかかる階層符
号化方法を実現する画像符号化装置においては、入力画
像データを複数の階層データに分割して符号化するた
め、必然的に階層成分だけデータ量が増加し、その分階
層符号化を用いない高能率符号化方法に比較して圧縮率
が低下するという問題がある。また圧縮効率を向上しよ
うとした場合、各階層データ間に適用される量子化器に
よつて画質劣化が発生する問題がある。
【0011】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、画像データを階層符号化する際に圧縮効率を向上し
得ると共に画質劣化を低減し得る画像符号化方法及び画
像符号化装置を提案しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、画像データを順次再帰的に異なる
複数の解像度でなる複数の階層データD31〜D35に
分割して符号化すると共に、解像度が低い上位階層デー
タD35の判定結果に基づいて最下位階層D31までの
分割処理に制限を加える画像符号化方法において、隣接
階層間で空間的に対応するブロツクXj(i)の分割処
理の選択により発生情報量を目標値に制御するとき、各
階層間で定義されるブロツクアクテイビテイACTを全
階層に渡り検出し、当該検出結果に基づくブロツク度数
分布表を用いて最適制御値を検出するようにする。
【0013】また本発明においては、ブロツクXj
(i)の分割処理の選択により発生情報量の削減を行う
際、発生情報量を目標値に制御するとき、各階層間で定
義されるブロツクアクテイビテイACTを全階層に渡り
検出し、当該検出結果に基づき生成されるブロツク度数
分布表に関し、各階層において上位階層でのブロツクア
クテイビテイの履歴に基づいて最適制御値を検出するよ
うにする。
【0014】また本発明においては、最適制御値が決定
するまで、階層符号化のエンコーダ40Aに入力される
データD31を待機状態に制御し、最適制御値が決定し
たとき入力データD31を階層符号するようにする。
【0015】また本発明においては、複数階層のブロツ
クアクテイビテイにより構成される度数分布表を用いた
最適制御値検出過程において、各階層ごとに独立に制御
しきい値THを設定するようにする。
【0016】また本発明においては、複数階層のブロツ
クアクテイビテイにより構成される度数分布表を用いた
最適制御値検出過程において、各階層ごとに独立に制御
しきい値THを設定する際、各階層ごとの制御しきい値
の組み合わせを予め用意し、当該組み合わせの中から最
適制御値を検出するようにする。
【0017】また本発明においては、複数階層のブロツ
クアクテイビテイACTにより構成される度数分布表を
用いた最適制御値検出過程において、度数分布表へのデ
ータ登録終了後、ブロツクアクテイビテイACTの値に
より積算型度数分布表を作成し、最適制御値検出時間を
短縮化するようにする。
【0018】また本発明においては、度数分布表にブロ
ツクを登録する際、度数分布表のブロツクアクテイビテ
イ値ACTに制限LMTを設定し、当該制限値以上のブ
ロツクアクテイビテイを有するブロツクを所定の座標に
登録し、必要メモリ量を削減するようにする。
【0019】また本発明においては、画像データを順次
再帰的に異なる複数の解像度でなる複数の階層データに
分割して符号化すると共に、解像度が低い上位階層デー
タの判定結果に基づいて最下位階層までの分割処理に制
限を加える画像符号化方法において、隣接階層間で空間
的に対応するブロツクの分割処理の選択により発生情報
量を目標値に制御するとき、各階層間で定義されるブロ
ツクアクテイビテイを全階層に渡り検出し、当該検出結
果に基づくブロツク度数分布表を用いて最適制御値を検
出し、検出結果が得られたとき、所定のメモリM1に待
機した画像データを符号化するようにする。
【0020】
【作用】画像データD31を順次再帰的に異なる複数の
解像度でなる複数の階層データD31〜D35に分割し
て符号化する際に、解像度の最も低い最上位階層データ
を除く階層データの所定のブロツクについてブロツクア
クテイビテイPを判定することとし、下位下層データに
対する分割処理の判定基準である閾値THをブロツクア
クテイビテイPに対応するブロツク度数の分布に基づい
て設定することにより、圧縮効率の低下しない画像デー
タの階層符号化を実現することができる。
【0021】
【実施例】以下図面について、本発明の一実施例を詳述
する。
【0022】(1)階層符号化の原理 図1は全体として本発明による階層符号化の原理とし
て、例えば高品位テレビジヨン信号等の静止画像を階層
符号化して圧縮する原理を示す。この階層符号化では下
位階層データの単純な算術平均で上位階層データを作
り、伝送すべき下位階層データを減少させて、情報量の
増加を伴わない階層構造を実現する。また上位階層から
下位階層の復号についてはブロツク毎のアクテイビテイ
に基づいて適応的に分割を制御することで、平坦部分の
情報量を削減する。さらに下位階層のために行う差分信
号の符号化では、その量子化特性を上位階層のアクテイ
ビテイに基づいて、付加コードなしにブロツク毎に切り
替えることにより高能率化を実現する。
【0023】すなわちこの階層符号化の階層構造では、
まず入力される高品位テレビジヨン信号を下位階層と
し、この下位階層の2ライン×2画素の小ブロツク中の
4画素X1〜X4について、次式
【数1】 で表される算術平均を取り、その値mを上位階層の値と
する。この下位階層では、次式
【数2】 で示すように、上位階層との差分値を3画素分だけ用意
することで、元々の4画素データと同じ情報量で階層構
造を構成する。
【0024】一方下位階層の復号に際しては3画素X1
〜X3は、次式
【数3】 で表すように上位階層の平均値mにそれぞれの差分値Δ
Xiを加えて復号値E〔Xi〕を求め、残つた1画素
は、次式
【数4】 で表すように上位階層の平均値mから下位階層の3個の
復号値を引く事で復号値E〔X4〕を決定する。ここ
で、E〔・〕は復号値を意味する。
【0025】ここでこの階層符号化においては、上位階
層から下位階層へは解像度が階層毎に4倍になるが、平
坦部ではこの分割を禁止する事で冗長度を削減してい
る。なおこの分割の有無を指示するためのフラグが1ビ
ツト、ブロツク単位で用意される。下位階層での分割の
必要性の判断は局所的なアクテイビテイとして、例えば
差分データの最大値で判断する。
【0026】ここで階層符号化の例としてITEのHD
標準画像(Y信号)を用い、5階層符号化した場合の適
応分割結果を図2に示す。最大差分データに対する閾値
を変化させた時の各階層の画素数を本来の画素数に対す
る割合を示すが、空間相関に基づく冗長度削減のようす
が分かる。削減効率は画像によつて変わるが最大差分デ
ータに対する閾値を1〜6と変化させると、平均的な削
減率は28〜69〔%〕になる。
【0027】実際上上位階層の解像度を4倍にして下位
階層を作り、そのとき下位階層では上位階層データから
の差分データを符号化することで、信号レベル幅を有効
に削減できる。図2について上述した階層符号化による
5階層の場合を、図3に示すが、ここでは階層を下位か
ら数えて第1〜5階層と名付けた。
【0028】原画像の8ビツトPCMデータに比べて、
信号レベル幅の削減が見られる。特に画素数の多い第1
〜4階層は差分信号なので、大幅な削減が達成でき、以
降の量子化で効率が向上する。図3の表からわかるよう
に削減効率の絵柄への依存性は少なく、全ての絵に対し
て有効である。
【0029】また下位階層の平均値で上位階層を作る事
で、エラー伝播をブロツク内にとめながら、下位階層を
上位階層の平均値からの差分に変換する事で、効率の良
さも合わせ持つ事ができる。実際上階層符号化では同一
空間的位置での階層間のアクテイビテイには相関があ
り、上位階層の量子化結果から下位階層の量子化特性を
決定する事で、受信側に逆量子化のための量子化情報を
伝送する必要のない(但し、初期値を除く)適応量子化
器を実現できる。
【0030】実際上、上述した5段階の階層構造に基づ
いて画像を階層符号化してマルチ解像度で表現し、階層
構造を利用した適応分割及び適応量子化を行う事で、各
種HD標準画像(8ビツトのY/PB/PR)を約1/
8に圧縮することができる。また適応分割のために用意
されるブロツク毎の付加コードは、圧縮効率の向上のた
めに各階層でランレングス符号化が行われる。このよう
にして、各階層で充分な画質の画像が得られ、最終的な
最下位階層も視覚的劣化のない良好な画像を得ることが
できる。
【0031】(2)画像符号化装置の全体構成 図4において、40は本発明による画像符号化装置を示
し、入力画像データD1を階層符号化して出力する階層
符号化エンコーダ部40Aと階層符号化エンコーダ部4
0Aにおける発生情報量が目標値を達成するように制御
する発生情報量制御部40Bとによつて構成されてい
る。
【0032】階層符号化エンコーダ部40Aはデータ遅
延用のメモリ(図示せず)とエンコーダとによつて構成
されている。このうちメモリは発生情報量制御部40B
において最適制御値が決定されるまでの間、エンコード
処理が実行されないようにデータを遅延できるよう入力
段に設けられている。
【0033】一方、発生情報量制御部40Bは入力画像
データを入力して処理対象データに適合した閾値THを
決定するようになされており、階層符号化エンコーダ部
40Aにおいて入力画像データが効率良く符号化される
ように決定された最適制御値をエンコーダに伝送するよ
うになされている。いわゆるフイードフオワード型のバ
ツフアリングの構成である。この構成により正確な発生
情報量制御とフイードフオワード型バツフアリングによ
つて発生する時間遅れを排除することができるようにな
されている。
【0034】ここで階層間差分値に基づき定義されるブ
ロツクアクテイビテイにより、下位階層での分割処理の
選択が行われる。すなわち下位階層の2×2の4画素よ
り上位階層データが構成され、ブロツクが定義される。
【0035】ここでアクテイビテイとは、上位階層デー
タに対応する下位階層データ領域を「ブロツク」と定義
した場合の、所定ブロツク内の階層間差分データの最大
値、平均値、絶対値和、標準偏差又はn乗和等で表され
る相関値である。すなわちアクテイビテイが低い場合に
は、このブロツクは平坦なブロツクということができ
る。
【0036】すなわち上位階層データをX0(i+1)
とし、下位階層データをXj(i)とすると、階層間差
分符号値ΔXj(i)=X0(i+1)−Xj(i)と
なる。但しj=0〜3である。またブロツクアクテイビ
テイ決定関数をG(・)とするとブロツクアクテイビテ
イACT=G(ΔXj(i))となる。
【0037】また上記階層判定フラグFLG(0:分割
中止、1:分割継続)とすると、FLG=0の場合、下
位階層の分割を中止し、ACT≧しきい値THかつFL
G=1の場合、下位階層の分割を実行し、ACT<しき
い値THかつFLG=1の場合、下位階層の分割を中止
する。
【0038】この階層での分割判定終了後、分割判定結
果を判定フラグFLGとして定義後、次の下位階層へ伝
搬させる。このようにFLG=0の場合は、下位階層で
の分割は行われない。
【0039】(3)階層符号化エンコーダ部 階層符号化エンコーダ部40Aは図5に示す構成でな
り、この例の場合、5階層に分けて処理する。
【0040】まず入力画像データD31が第1の差分回
路41及び第1の平均化回路42に入力される。第1の
平均化回路42は、入力画像データD31(すなわち第
1階層データ(最下位階層データ))の4画素平均によ
り第2階層データD32を生成する。この実施例の場
合、第1の平均化回路42は、図6(D)及び(E)に
示すように、入力画像データD31の4画素X1(1)
〜X4(1)から第2階層データD2の画素X1(2)
を生成する。
【0041】また第2階層データD32の画素X1
(2)に隣接する画素X2(2)〜X4(2)も同様に
第1階層データD31の4画素平均を求めることにより
生成される。
【0042】第2階層データD32は第2の差分回路4
3及び第2の平均化回路44に入力され、第2の平均化
回路44は、第2階層データD32の4画素平均により
第3階層データD33を生成する。例えば、図6(C)
及び(D)に示す第2階層データD32の画素X1
(2)〜X4(2)から第3階層データD33の画素X
1(3)が生成されると共に、画素X1(3)に隣接す
る画素X2(3)〜X4(3)も同様に第2階層データ
D32の4画素平均により生成される。
【0043】第3階層データD33は第3の差分回路4
5及び第3の平均化回路46に入力され、第3の平均化
回路46は上述の場合と同様に第3階層データD33の
4画素平均により図6(B)及び(C)に示すように、
画素X1(4)〜X4(4)でなる第4階層データD3
4を生成する。
【0044】第4階層データD44は第4の差分回路4
7及び第4の平均化回路48に入力され、第4の平均化
回路48は、第4階層データD34の4画素平均により
最上位階層となる第5階層データD35を生成する。す
なわち図6(A)及び(B)に示すように、第4階層デ
ータD34の4画素X1(4)〜X4(4)を平均化す
ることにより第5階層データD35の画素X1(5)が
生成される。
【0045】ここで第1〜第5階層データD31〜D3
5のブロツクサイズは、最下位階層である第1階層デー
タD31のブロツクサイズを1ライン×1画素とする
と、第2階層データD32は1/2ライン×1/2画
素、第3階層データD33は1/2ライン×1/4画
素、第4階層データD34は1/8ライン×1/8画
素、最上位階層データである第5階層データD35は1
/16ライン×1/16画素となる。
【0046】階層符号化エンコーダ部40Aは、これら
第1〜第5の階層データD31〜D35のうち最上位の
階層データ(すなわち第5の階層データD35)から順
に再帰的処理を繰り返して隣接する2つの階層データ間
の差分を差分回路41、43、45、47において求
め、差分データのみを符号器51〜55によつて圧縮符
号化する。これにより階層符号化エンコーダ部40Aは
伝送路に伝送される情報量を圧縮するようになされてい
る。また階層符号化エンコーダ40Aは、(2)式につ
いて上述したように、符号器51〜54により、上位階
層1画素に対応する下位階層4画素のうち1画素を減ら
すことにより、伝送データ量を削減する。
【0047】このような圧縮条件を最適に保つため階層
符号化エンコーダ部41は、各階層ごとに得られた伝送
データD51〜D55を復号器56〜59によつて復号
する。
【0048】このうち最上位の階層に対応する復号器5
9は符号器55において圧縮符号化された第5の階層デ
ータD35に対応する復号データD48を伝送データD
55から復号し、これを第4階層の差分回路47に与え
る。
【0049】これに対して他の復号器51〜54は、そ
れぞれ分割/非分割処理の有無を示すフラグに基づいて
復号動作を切換える。すなわち分割処理がなされている
場合には、伝送データD52〜D54として伝送される
差分データから復号処理によつて上位の階層データ(す
なわち第4、第3、第2の階層データ)を復号して第3
階層の差分回路45、第2階層の差分回路43、第1の
階層データ41にそれぞれ与えるようになされている。
これにより各差分回路41、43、45、47からは隣
接する階層間についての差分データD41、D42、D
43、D44が得られることになる。
【0050】実際上、復号器58、57、56は、図7
に示すように構成されている。ここでは簡単化のため復
号器58について説明する。復号器58は復号化回路5
8Aに第4階層圧縮符号化データD54を受けてこれを
復号する。この結果復号化回路58Aからは、例えば図
6に示すX1(4)−X1(5)、X2(4)−X1
(5)、X3(4)−X1(5)の出力値が得られる。
この出力値は続く加算回路58Bにおいて復元データD
48と加算されることによりX1(4)、X2(4)、
X3(4)の出力値が得られる。差分値生成回路58C
はX1(4)、X2(4)、X3(4)及びX1(5)
を用いて、(4)式に基づく演算を施すことにより非伝
送画素X4(4)を生成する。従つて続く合成回路58
Dからは、差分前の第4階層データX1(4)、X2
(4)、X3(4)及びX4(4)が生成され、これが
差分回路45に与えられる。
【0051】また各階層に対応する符号器51〜55は
これら差分回路41、43、45、47や平均化回路4
8によつて得られた差分データD41、D42、D4
3、D44又は第5の階層データD35を入力し、各ブ
ロツクについて得られるアクテイビテイに対するしきい
値の判定と分割選択処理を実行する。このとき符号器5
1〜55は、処理対象が分割ブロツクの場合、階層間で
得られた差分データをそのまま圧縮符号化し、同時に各
ブロツクについての分割判定フラグをつけて伝送する。
【0052】これに対して符号器51〜55は、処理対
象が非分割ブロツクの場合、このブロツクは受信側にお
いて上位階層データから生成されるものとして符号化対
象から除外する。因にこの場合にも各ブロツクについて
の分割判定フラグは付けて伝送される。これら5組の符
号器51〜55から出力される第1〜第5の階層圧縮符
号化データが所定の伝送路に送出される。
【0053】この場合の符号器54、53、52は、そ
れぞれブロツクの分割又は非分割に用いたしきい値判定
結果情報J1、J2、J3を隣接する下位階層の符号器
53、52、51に送出する。これにより階層符号化エ
ンコーダ部40Aは、一旦ブロツク分割を中止したブロ
ツクについてはそれ以降の下位階層では全て分割を中止
するようになされている。実際上、符号器51〜54は
図8に示すように構成されている。図8では簡単化する
ため符号器52及び53の構成について示す。
【0054】符号器53は差分データD43を符号化回
路53A及び分割制御部53Bのアクテイビテイ検出回
路53Cに入力する。アクテイビテイ検出回路53C
は、差分データD43の所定ブロツク毎のアクテイビテ
イを検出し、これにより得た検出結果を続くしきい値判
定回路53Dに与える。しきい値判定回路53Dは各ブ
ロツク毎のアクテイビテイ検出結果をしきい値データD
57と比較し、これにより得た判定結果をしきい値判定
結果情報J2として符号化回路53A及び隣接する下位
階層の符号器52に送出する。符号化回路53Aはしき
い値判定結果情報J2に基づき、アクテイビテイの高い
ブロツクについては圧縮符号化して伝送し、これに対し
てアクテイビテイの低いブロツクについては伝送しな
い。
【0055】ここでアクテイビテイ検出回路53C及び
しきい値判定回路53Dは隣接する上位階層の符号器5
4から出力されたしきい値判定結果情報J1を受け、当
該しきい値判定結果情報J1がブロツクの分割を行うこ
とを表すものであつた場合には、アクテイビテイ検出及
びしきい値判定結果を実行する。これに対してしきい値
判定結果情報J1がブロツクの非分割を表すものであつ
た場合には、それに対応するブロツクについてはアクテ
イビテイ検出及びしきい値判定を行わないと共に、しき
い値判定回路53Dからブロツクの非分割を表すしきい
値判定結果情報J2を出力する。
【0056】符号器52も同様に、アクテイビテイ検出
回路52C及びしきい値判定回路52Dが隣接する上位
階層の符号器53からブロツクの分割を表すしきい値判
定結果情報J2を受けた場合には、対応するブロツクに
ついてのアクテイビテイ検出及びしきい値判定を実行す
るのに対し、ブロツクの非分割を表すしきい値判定結果
情報J2を受けた場合には、アクテイビテイ検出及びし
きい値判定を行わないと共に、しきい値判定回路52D
からブロツクの非分割を表すしきい値判定結果情報J3
を出力する。このように階層符号化エンコーダ部40A
においては、一旦ブロツクの非分割判定結果を得ると、
それに対応するブロツクについてはそれ以降の下位階層
ではブロツク分割しない(すなわち符号化しない)よう
になされている。
【0057】次に階層符号化エンコーダ部40Aによる
具体的な信号処理を説明する。まず階層間差分値に基づ
くブロツクアクテイビテイにより、階層間差分値に対す
る処理を選択する場合を考える。また各ブロツクは2ラ
イン×2画素より構成されるものとする。
【0058】ここでは各画素のデータ値をXとし、デー
タ値Xの階層をサフイツクスで表す。すなわち上位の階
層データをX(0)i+1とするとき、隣接する下位階
層データはXj(i)(j=0〜3)である。また階層
間の差分符号値はΔXj(i)(j=0〜3)であり、
階層符号化エンコーダ部40Aはこの差分符号値を圧縮
符号化するのである。
【0059】各階層における符号器51〜55による圧
縮符号化処理は各ブロツクについて得られたブロツクア
クテイビテイPと閾値データD57とを比較し、比較結
果によつて処理を選択する。すなわちブロツクアクテイ
ビテイPが閾値TH以上の場合には下位階層について順
次分割処理するのに対し、ブロツクアクテイビテイPが
しきい値TH未満の場合には下位階層についての分割処
理を中止する。
【0060】これによりブロツクアクテイビテイPが低
い領域については上位の階層データしか送らずに済み、
伝送情報量を削減できるのである。また伝送路を挟んで
これらのデータを受信する画像データ復号装置は、順に
送られてくる伝送データのうち上位階層データを用いて
ブロツクアクテイビテイの低い領域では下位階層データ
を上位階層データで復元する。一方、ブロツクアクテイ
ビテイが高い領域では階層間差分復号値と上位階層デー
タを加算することでデータを復元する。
【0061】この分割又は非分割の判定結果に対しては
1ビツトの判定フラグが導入されている。このフラグに
よつて各ブロツクについての判定結果を指示することが
可能となる。この判定フラグは各階層のブロツク毎に1
ビツトづつ必要となるが、画質を考慮した場合、有効で
ある。
【0062】(4)発生情報量制御部 一方、発生情報量制御部40Bは、図9に示すように構
成されている。発生情報量制御部40Bは、入力画像デ
ータD31を平均値回路42、44、46、48を順次
介して1/4平均化することにより解像度の異なる5階
層の画像データを生成する。続いて差分データとして伝
送される画像データの各階層毎の発生情報量を求めるた
め、1階層上の階層画像データD32、D33、D34
及びD35と各階層の画像データD31、D32、D3
3及びD34との差を各差分回路61、62、63及び
64において求める。
【0063】これら各差分回路61、62、63及び6
4から出力される差分データは階層符号化エンコーダ部
40Aにおける階層処理によつて得られる各階層の差分
データとみなすことができる。アクテイビテイ検出回路
65、66、67及び68は第1階層〜第4階層の画像
データにそれぞれ対応し、各階層の各ブロツクについて
アクテイビテイを求めてこれを対応する度数分布表69
〜72に登録するようになされている。
【0064】ここで度数分布表の生成過程では、エンコ
ーダ部の伝送データ量を正確に把握するために、上位階
層1画素に対応する下位階層4画素のうち実際にエンコ
ーダによる伝送対象である3画素を用いるようになされ
ている。
【0065】また第5階層の画像データについては最上
位の階層データであり、差分データとしてではなく直接
伝送されるため各ブロツクについてのダイナミツクレン
ジがそのまま度数分布表73に登録される。
【0066】これは上述のエンコーダ部40Aにおいて
実行される圧縮処理に対応するデータの度数を計測す
る。例えば第5階層データD35に対し、PCM符号化
による圧縮処理がなされる場合、各ブロツクについて与
えられるダイナミツクレンジがデータとして登録され、
圧縮処理方法としてADRC(適応ダイナミツクレンジ
符号化(USP−4703352))を適用する場合に
はADRCブロツクのDRが登録される。
【0067】次に、第4階層データD34及び第5階層
データD35から差分データD64が生成される。当該
差分データD64に関し、ブロツクアクテイビテイがア
クテイビテイ検出回路68において検出される。ここで
検出されたブロツクアクテイビテイD68は度数分布表
72に登録される。
【0068】第3階層データD33及び第4階層データ
D34から差分データD63が生成される。差分データ
D63に関し、ブロツクアクテイビテイがアクテイビテ
イ検出回路67において検出される。ここで検出された
ブロツクアクテイビテイD67は度数分布表71に登録
される。このとき第4階層でのしきい値判定結果におい
てブロツク分割続行判定を受けたブロツクのみに関し、
第3階層ではブロツク分割判定を行う。
【0069】従つて度数分布表71は第4階層でのブロ
ツクアクテイビテイD68と第3階層でのブロツクアク
テイビテイD67の2変数により座標が決定されるブロ
ツク数を示す度数分布表となる。
【0070】また第2階層データD32と第3階層デー
タD33から差分データD62が生成され、アクテイビ
テイ検出回路66においてブロツクアクテイビテイD6
6が出力される。検出されたブロツクアクテイビテイD
66は度数分布表70に登録される。第2階層において
は、第4階層、第3階層でブロツク分割続行判定を受け
たブロツクのみに関し、ブロツク分割判定を行う。
【0071】従つて度数分布表70は第4階層でのブロ
ツクアクテイビテイD68と第3階層でのブロツクアク
テイビテイD67と第2階層でのブロツクアクテイビテ
イD66の3変数から座標が決定されるブロツク度数分
布表となる。
【0072】最後に第1階層データD31と第2階層デ
ータD32から差分データD61が生成され、アクテイ
ビテイ検出回路65においてブロツクアクテイビテイD
65が出力される。検出されたブロツクアクテイビテイ
D65は度数分布表69に登録される。第1階層におい
ては、第4階層、第3階層及び第2階層でブロツク分割
続行判定を受けたブロツクのみに関し、ブロツク分割判
定を行う。
【0073】従つて度数分布表69は第4階層でのブロ
ツクアクテイビテイD68と第3階層でのブロツクアク
テイビテイD67と第2階層でのブロツクアクテイビテ
イD66と第1階層でのブロツクアクテイビテイD65
の4変数から構成される。
【0074】こうして生成された度数分布表69〜73
を用いて発生情報量制御が実行される。各度数分布表と
後段の制御部74は双方向の信号路D69〜D73によ
つて接続されている。
【0075】制御部74においては、まず各度数分布表
に対するしきい値が各度数分布表に伝送される。各度数
分布表においては、しきい値に対応する発生情報量が検
出される。この各度数分布表における発生情報量は、信
号路D69〜D73を通して制御部74に伝送される。
【0076】制御部74においては、受信した各度数分
布表における発生情報量を統合し、制御対象となる総発
生情報量を算出する。この総発生情報量と目標値を比較
し、比較結果により目標値を満たすようにしきい値が変
更される。再び更新されたしきい値は制御部74より、
信号路D69〜D73を介して各度数分布表に伝送され
る。またこれに対応する発生情報量が再び制御部74に
伝送される。
【0077】以上の処理を繰り返し、最終的に目標値を
達成する制御結果D57が決定される。決定された発生
情報量制御値D57は階層符号化エンコーダ部40Aに
伝送される。
【0078】この情報量制御処理期間中は、制御対象と
なるデータはエンコーダ部40Aに含まれるメモリM1
により待機させられる。このようなフイードフオワード
型バツフアリングの構成を用いることにより、対象デー
タに適合したしきい値を決定することができ、効率の良
い符号化を実現し得る。
【0079】ここでは情報量制御用の度数分布表69〜
73について説明する。図10(A)〜(E)はそれぞ
れ最上位の階層データ(第5の階層データ)〜最下位の
階層データ(第1の階層データ)について得られたブロ
ツクアクテイビテイの度数分布表を示している。ここで
図10(A)に示す第5の階層についての度数分布表に
関しては、対象データが差分データではないためダイナ
ミツクレンジによる度数分布表が生成される。例えばP
CM符号化を適用する場合には符号化されたブロツクに
ついてのダイナミツクレンジが登録されることになる。
【0080】一方、他の度数分布表69〜72は対象デ
ータが差分データであり、各度数分布表について与えら
れているしきい値TH1、TH2、TH3、TH4以上
のブロツクアクテイビテイを有するブロツクが分割対象
ブロツクとなる。
【0081】従つて各階層においてしきい値以上のブロ
ツクアクテイビテイを有するブロツクの数を算出すれば
発生情報量を算出することができる。次に発生情報量の
算出例を説明する。発生情報量の算出のためには各階層
における分割判定しきい値以上のブロツク数を計測する
必要があるが、この実施例において対象となる判定フラ
グ伝搬法による階層符号化における発生情報量制御で
は、上位階層におといて分割中止判定を受けたブロツク
を下位階層での判定対象から除去する必要がある。
【0082】また各階層においては分割判定を行うため
に、ブロツクアクテイビテイに対するしきい値を導入す
る。ここで第1階層における分割対象ブロツク内画素数
和をM1、また第1階層データの量子化ビツト数をQ
1、第1階層の判定フラグビツト数をN1とすると、第
1階層における発生情報量11は、次式
【数5】 によつて与えることができる。
【0083】この(5)式における第1項において各ビ
ツト数が4倍されているのは、この例の場合、各ブロツ
クが2ライン×2画素に分割されているからである。ま
た第1項において3/4倍しているのは上位階層値が下
位階層値の平均値より生成されるという構造において、
上位階層値と伝送される下位階層値3画素を用いて算術
式により下位階層の4番目の非伝送画素値が復元できる
という性質を反映しているからである。因に第2項にお
いて、第1階層におけるブロツク数をN1が加算されて
いるのは分割判定フラグとして各ブロツクごとに1ビツ
ト付加して伝送することを示している。
【0084】同様に、第2、第3、第4の階層について
も、各階層における分割対象ブロツク内画素数和をM
2、M3、M4とし、各階層での量子化ビツト数をQ
2、Q3、Q4、各階層での判定フラグビツト数をN
2、N3、N4とすると、各階層における発生情報量I
k(k=2、3、4)は、次式
【数6】 によつて与えることができる。
【0085】これら第1〜第4階層についての発生情報
量II〜I4及び第5階層についての発生情報量I5を
用いると、階層符号化エンコーダ部40Aの符号化処理
によつて生じる総発生情報量Iは、次式
【数7】 のように各階層ごとの発生情報量の和として求めること
ができる。
【0086】ここで各階層の発生情報量に判定フラグの
ビツト数が加算されるが、このフラグの情報量は上位階
層で分割処理が実行されたブロツク数に等しい。すなわ
ち上位階層において分割処理が中止されたブロツクは、
下位階層においては分割判定対象から除外することを意
味している。各ブロツクの空間的位置は、上位階層から
の判定フラグの履歴により各階層において特定すること
が可能である。
【0087】ここで個々の度数分布表について説明す
る。上述のように、最上位階層データの度数分布表は圧
縮方式に依存するので、一意には決まらない。しかし、
度数分布表などの手段を用いて、発生情報量を制御でき
る。
【0088】次に、第4階層データに関しては、ブロツ
クアクテイビテイACT4に対するブロツク度数が登録
されている。図11(A)に示す第5階層度数分布表に
対して、図11(B)の第4階層度数分布表を用いるこ
とで、容易に閾値TH4に対する発生情報量を算出する
ことができる。閾値TH4以上のブロツクが分割対象と
なるので、閾値以上のブロツク数和を求めることによ
り、第4階層における発生情報量を算出する。
【0089】次に、第3階層の度数分布表の例を図12
に示す。判定フラグ伝播法においては、上位階層で分割
中止判定を受けたブロツクを判定対象から除外する。そ
こで、第3階層ブロツクアクテイビテイACT3と、第
4階層ブロツクアクテイビテイACT4の2変数で定義
される度数分布表を導入する。
【0090】すなわち、第4階層の閾値TH4以上で、
第3階層の閾値TH3以上のブロツク度数を求める。こ
の操作は、図12の度数分布表において、ACT4軸で
は閾値TH4以上、ACT3軸では閾値TH3以上のブ
ロツク度数を算出することで、上記の条件を満たす第3
階層における発生情報量の算出を行うことができる。
【0091】次に、第2階層、第1階層の度数分布表の
例を図13に示す。第3階層の度数分布表と同じ考え方
に従い、多変数により定義される度数分布表を生成す
る。
【0092】第2階層においては、第2階層、第3階
層、第4階層のそれぞれのブロツクアクテイビテイAC
T2、ACT3、ACT4で定義されるブロツクを度数
分布表に登録する。この状態を図13(A)に示す。第
2階層では、ACT4軸では閾値TH4以上、ACT3
軸では閾値TH3以上、ACT2軸では閾値TH2以上
のブロツク度数を算出することで、第2階層における発
生情報量を算出する。
【0093】第1階層においては、第1階層、第2階
層、第3階層及び第4階層のそれぞれのブロツクアクテ
イビテイACT1、ACT2、ACT3及びACT4で
定義されるブロツクを度数分布表に登録する。この状態
を図13(B)に示す。第1階層の場合は、ACT4軸
では閾値TH4以上、ACT3軸では閾値TH3以上、
ACT2軸では閾値TH2以上のブロツク度数を算出す
ることで、第1階層における発生情報量を算出する。
【0094】以上の5種類の度数分布表を用いて、閾値
に対する発生情報量を算出し、目標情報量に合致する制
御を行なうことができる。ここで発生情報量制御に用い
られる各階層の閾値については、各階層毎に独立に変更
する手法がある。
【0095】例えば、各階層毎に予め目標情報量を設定
しておき、各階層毎に独立に閾値を変更して目標情報量
に合致する制御を行なう手法である。また、別の手法と
しては、各階層の閾値の組み合わせを予め用意してお
き、制御順序に従い、その閾値組み合わせを適用するこ
とで、制御の簡素化を図る手法も考えられる。
【0096】ここで上述の各階層における度数分布表を
用いた発生情報量制御手法において、各階層では、上位
階層の分割判定結果を考慮しつつ、各階層のブロツクア
クテイビテイが閾値以上のブロツク度数を算出すること
で最適制御値を検出した。この閾値以上のブロツク度数
算出時間の高速化を図るため、ブロツク度数が登録され
た度数分布表を積算型度数分布表に再構成することがで
きる。
【0097】この積算型度数分布表の例を図15に示
す。すなわちブロツクアクテイビテイを登録した結果、
図14に示す度数分布表例が得られたとする。この場合
説明の簡素化のため、ブロツクアクテイビテイが1変数
の例を示す。上述の度数分布表では、第4階層のものと
同じである。
【0098】積算型度数分布表は、図14の度数分布表
のブロツクアクテイビテイの最大値に対応するブロツク
度数から開始し、より小さいブロツクアクテイビテイ値
に対応するブロツク度数に積算演算を施し、それぞれの
積算結果を度数分布表に登録し直す構造をもつ。
【0099】この処理を数式で表現すると次式
【数8】 によつて表される。但しSUM(・)は積算ブロツク度
数を表し、N(・)は度数分布表におけるブロツク度数
を表し、actは積算度数分布表におけるブロツクアク
テイビテイ変数を表し、ACTは度数分布表におけるブ
ロツクアクテイビテイ変数を表し、nは度数分布表にお
ける変数最大値を表す。
【0100】(8)式の意味することは、ブロツクアク
テイビテイ値アドレスのブロツク度数を読み出し、上位
ブロツクアクテイビテイ値までの積算値に加算した結果
を、そのブロツクアクテイビテイ値アドレスに書き込
む、という処理である。この結果図15に示す積算型度
数分布表を得る。この積算型度数分布表においては、図
14の斜線部のブロツク度数和が、閾値TH座標データ
1に対応する。
【0101】この積算型度数分布表により、閾値THを
変更するたびに、毎回、図14の斜線部のブロツク度数
和を計算する必要はなくなる。すなわち、積算型度数分
布表の閾値に対応する積算ブロツク度数を出力すること
でブロツク度数和の算出が実現される。
【0102】また図12の第3階層度数分布表は、2変
数の場合を示しており、(8)式を拡張することで積算
型度数分布表が生成され、次式、
【数9】 を得る。但し、SUM(・)は積算ブロツク度数を表
し、N(・)は度数分布表におけるブロツク度数を表
し、act3は積算度数分布表における第3階層対応変
数を表し、act4は積算度数分布表における第4階層
対応変数を表し、ACT3は度数分布表における第3階
層変数を表し、ACT4は度数分布表における第4階層
変数を表し、nは度数分布表における変数最大値を表
す。
【0103】(9)式に従つて生成される積算型度数分
布表においては、第3階層の判定閾値TH3、第4階層
の判定閾値TH4のアドレスに対応する積算ブロツク度
数が、閾値TH3以上かつ判定閾値TH4以上のブロツ
ク度数和を示す。こうして第3階層における発生情報量
を算出することが可能となる。
【0104】図13の第2階層、第1階層の度数分布表
に関しても、積算型度数分布表を用いることでブロツク
度数和算出時間を短縮することができる。これらの場合
は、ブロツクアクテイビテイ変数の数が増えるので、積
算回数は多くなる。
【0105】まず、第2階層の場合の演算式を次式
【数10】 によつて表す。但し、SUM(・)は積算ブロツク度数
を表し、N(・)は度数分布表におけるブロツク度数を
表し、act2は積算度数分布表における第2階層対応
変数を表し、act3は積算度数分布表における第3階
層対応変数を表し、act4は積算度数分布表における
第4階層対応変数を表し、ACT2は度数分布表におけ
る第2階層変数を表し、ACT3は度数分布表における
第3階層変数を表し、ACT4は度数分布表における第
4階層変数を表す。
【0106】(10)式に従い生成される積算型度数分
布表においては、第2階層の判定閾値TH2、第3階層
の判定閾値TH3、第4階層の判定閾値TH4のアドレ
スに対応する積算ブロツク度数が、閾値TH2以上かつ
閾値TH3以上かつ判定閾値TH4以上のブロツク度数
和を示す。
【0107】こうして第2階層における発生情報量を算
出することが可能となる。最後に、図13(B)に示す
第1階層の度数分布表に関する処理を述べる。この場
合、ブロツクアクテイビテイ変数が4種類になるので、
最も積算演算回数は多くなる。ここで第1階層の場合の
演算式を次式
【数11】 によつて表す。但し、SUM(・)は積算ブロツク度数
を表し、N(・)は度数分布表におけるブロツク度数を
表し、act1は積算度数分布表における第1階層対応
変数を表し、act2は積算度数分布表における第2階
層対応変数を表し、act3は積算度数分布表における
第3階層対応変数を表し、act4は積算度数分布表に
おける第4階層対応変数を表し、ACT1は度数分布表
における第1階層変数を表し、ACT2は度数分布表に
おける第2階層変数を表し、ACT3は度数分布表にお
ける第3階層変数を表し、ACT4は度数分布表におけ
る第4階層変数を表す。
【0108】(11)式で生成される積算型度数分布表
においては、第1階層の判定閾値TH1、第2階層の判
定閾値TH2、第3階層の判定閾値TH3、第4階層の
判定閾値TH4のアドレスに対応する積算ブロツク度数
が、閾値TH1以上、閾値TH2以上、閾値TH3以上
かつ閾値TH4以上のブロツク度数和を示す。こうして
第1階層における発生情報量も算出される。
【0109】この処理の結果、(6)式による各階層に
おける分割対象ブロツク数に基づく発生情報量の算出が
実現される。以上の積算型度数分布表の導入により、発
生情報量制御時間を大幅に短縮することが可能となる。
この積算型度数分布表に対し、さらに発生情報量制御時
間を短縮する方法を示す。
【0110】この提案で使用される積算型度数分布表
は、分割判定閾値に対する発生情報量の算出に用いられ
る。ここで実際の閾値処理においては、画質劣化の観点
から実用上、大きな判定閾値を使用することができな
い。そこで、ブロツクアクテイビテイ値をクリツプした
度数分布表を作成することを提案する。その様子を図1
6及び図17に示す。
【0111】図16に示すように、ブロツクアクテイビ
テイ値をLMTでクリツプすると、LMT以上のブロツ
ク度数は度数分布表においては全てLMTに登録され
る。その結果、図のようにLMTでのブロツク度数が大
きくなる。算出すべきブロツク度数和は斜線部である。
【0112】この度数分布表に対する積算型度数分布表
を、図16に示す。(8)式〜(11)式に示される積
算演算は、ブロツクアクテイビテイ値の最大値nではな
く、ブロツクアクテイビテイ値LMTより0までの区間
で行なわれる。
【0113】算出すべきブロツク度数和は、閾値THの
座標の積算ブロツク度数Iである。この例に示されるよ
うに、図15と同じ結果が得られる。度数分布表のブロ
ツクアクテイビテイ値にクリツプを導入することによ
り、積算型度数分布表作成時間の短縮化及び度数分布表
メモリ空間の小型化を実現し得る。
【0114】この手法を適用する枠としては、各階層毎
にクリツプ値LMTを変える場合と、各階層全てクリツ
プ値LMTを固定にする場合の、2種類が考えられる。
前者は各階層の階層間差分値分布に明らかな違いがある
時に用いられ、後者は各階層の階層間差分値分布が大差
無い時に用いられる。
【0115】因に、図18は階層符号化処理のフローチ
ヤートを示し、ステツプSP2において階層番号を記憶
する階層カウンタ1に「4」が登録され、この階層化の
枠が決定される。
【0116】さらにステツプSP3において発生情報量
演算によつて階層データが生成され、ステツプSP4に
おいて各ブロツクアクテイビテイが検出される。このア
クテイビテイに対してステツプSP5において図12に
おいて上述した多次元度数分布表を作成及び登録するこ
とにより発生情報量制御が行われ、最適制御値が決定さ
れる。
【0117】さらにステツプSP6においてエンコーダ
側でこの制御値に基づいて階層符号化が実行される。す
なわち始めに最上位階層である5階層データに対し、符
号化及び復号化が行われる。この結果が下位階層におけ
る処理の初期値となり、ステツプSP7において下位階
層との階層間差分値が生成される。さらにステツプSP
8において上位において決定された発生情報量制御値に
基づいて下位階層での分割選択及び符号化が実行され
る。
【0118】各階層処理の後、ステツプSP9において
階層カウンタIをデクリメントする。そしてステツプS
P10において階層カウンタIの内容に対し、終了判定
が施される。未終了の場合は、さらに下位階層処理を続
行する。全階層の処理を終了した場合、ループを抜けて
ステツプSP11において処理を終了する。
【0119】以上の発生情報量制御により、画質劣化の
少ない圧縮効率の高い階層符号化を行なうことができ
る。
【0120】(5)他の実施例 なお上述の実施例においては、ブロツクアクテイビテイ
Pを各ブロツクについて上位の階層データについて得ら
れた復号データと下位の階層データとの差分値の最大値
で判断する場合について述べたが、本発明はこれに限ら
ず、ブロツク内における平均誤差や絶対値和、また標準
偏差やn乗和、さらにはしきい値以上のデータ度数によ
つて判断しても良い。
【0121】さらに上述の実施例においては、符号器に
おいて画像データをPCM符号化する場合について述べ
たが、本発明はこれに限らず、他の符号化方式、例えば
直交符号化方式を適用しても良い。
【0122】さらに上述の実施例においては、各階層に
ついて得られた度数分布表のしきい値について複数の組
み合わせをROMに格納しておき、発生情報量が最も目
標値に近くなるしきい値の組み合わせを求める場合につ
いて述べたが、本発明はこれに限らず、各階層毎独立に
設定できるようにしても良い。
【0123】さらに上述の実施例においては、最下位の
階層データを2ライン×2画素づつ平均値を求めて上位
の階層の画像データを求める場合について述べたが、本
発明はこれに限らず、他の組み合わせによつて平均値を
求めるようにしても良い。
【0124】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、画像デー
タを順次再帰的に異なる複数の解像度でなる複数の階層
データに分割して符号化する際に、階層データの所定の
ブロツクについてブロツクアクテイビテイを判定し、下
位階層データに対する分割処理の判定基準であるしきい
値をブロツクアクテイビテイに対応するブロツクの度数
分布から設定することにより、圧縮効率の低下しない画
像データの階層符号化方法を容易に実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像符号化方法の原理の説明に供
する略線図である。
【図2】本発明における画像符号化方法によつて適応分
割された撮像画像の処理結果を示す図表である。
【図3】本発明における画像符号化方法によつて得られ
る各階層ごとの信号レベルを示す図表である。
【図4】本発明による画像符号化装置の一実施例を示す
ブロツク図である。
【図5】階層符号化エンコーダ部を示すブロツク図であ
る。
【図6】階層構造の説明に供する略線図である。
【図7】復号器の構成を示すブロツク図である。
【図8】符号器の構成を示すブロツク図である。
【図9】発生情報量制御部を示すブロツク図である。
【図10】各階層の度数分布表を示す特性曲線図であ
る。
【図11】度数分布表例を示す特性曲線図である。
【図12】度数分布表例を示す特性曲線図である。
【図13】度数分布表例を示す特性曲線図である。
【図14】度数分布表を示す特性曲線図である。
【図15】積算型度数分布表を示す特性曲線図である。
【図16】クリツプ値を使用した度数分布表を示す特性
曲線図である。
【図17】クリツプ値を使用した積算型度数分布表を示
す特性曲線図である。
【図18】階層符号化の処理手順を示すフローチヤート
である。
【図19】従来のピラミツド符号化エンコーダの構成を
示すブロツク図である。
【図20】従来の階層復号化装置を示すブロツク図であ
る。
【符号の説明】 40……階層符号化装置、40A……階層符号化エンコ
ーダ部、40B……発生情報量制御部、41、43、4
5、47、61、62、63、64……差分回路、4
2、44、46、46……平均化回路、51、52、5
3、54、55……符号器、56、57、58、59…
…復号器、65、66、67、68……アクテイビテイ
検出回路、69、70、71、72、73……度数分布
表、74……制御部。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図5】
【図8】
【図10】
【図7】
【図11】
【図12】
【図14】
【図9】
【図13】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像データを順次再帰的に異なる複数の解
    像度でなる複数の階層データに分割して符号化すると共
    に、解像度が低い上位階層データの判定結果に基づいて
    最下位階層までの分割処理に制限を加える画像符号化方
    法において、 隣接階層間で空間的に対応するブロツクの分割処理の選
    択により発生情報量を目標値に制御するとき、各階層間
    で定義されるブロツクアクテイビテイを全階層に渡り検
    出し、当該検出結果に基づくブロツク度数分布表を用い
    て最適制御値を検出するようにしたことを特徴とする画
    像符号化方法。
  2. 【請求項2】上記ブロツクの分割処理の選択により発生
    情報量の削減を行う際、 発生情報量を目標値に制御するとき、各階層間で定義さ
    れるブロツクアクテイビテイを全階層に渡り検出し、当
    該検出結果に基づき生成されるブロツク度数分布表に関
    し、各階層において上位階層でのブロツクアクテイビテ
    イの履歴に基づいて最適制御値を検出するようにしたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の画像符号化方法。
  3. 【請求項3】上記最適制御値が決定するまで、階層符号
    化のエンコーダに入力されるデータを待機状態に制御
    し、上記最適制御値が決定したとき上記入力データを階
    層符号するようにしたことを特徴とする請求項1に記載
    の画像符号化方法。
  4. 【請求項4】上記複数階層のブロツクアクテイビテイに
    より構成される度数分布表を用いた最適制御値検出過程
    において、 上記各階層ごとに独立に制御しきい値を設定するように
    したことを特徴とする請求項1に記載の画像符号化方
    法。
  5. 【請求項5】上記複数階層のブロツクアクテイビテイに
    より構成される度数分布表を用いた最適制御値検出過程
    において、 各階層ごとに独立に制御しきい値を設定する際、各階層
    ごとの制御しきい値の組み合わせを予め用意し、当該組
    み合わせの中から最適制御値を検出するようにしたこと
    を特徴とする請求項1に記載の画像符号化方法。
  6. 【請求項6】上記複数階層のブロツクアクテイビテイに
    より構成される度数分布表を用いた最適制御値検出過程
    において、 上記度数分布表へのデータ登録終了後、ブロツクアクテ
    イビテイの値により積算型度数分布表を作成し、最適制
    御値検出時間を短縮化することを特徴とする請求項1に
    記載の画像符号化方法。
  7. 【請求項7】上記度数分布表にブロツクを登録する際、
    度数分布表のブロツクアクテイビテイ値に制限を設定
    し、当該制限値以上のブロツクアクテイビテイを有する
    ブロツクを所定の座標に登録し、必要メモリ量を削減す
    るようにしたことを特徴とする請求項1に記載の画像符
    号化方法。
  8. 【請求項8】画像データを順次再帰的に異なる複数の解
    像度でなる複数の階層データに分割して符号化すると共
    に、解像度が低い上位階層データの判定結果に基づいて
    最下位階層までの分割処理に制限を加える画像符号化方
    法において、 隣接階層間で空間的に対応するブロツクの分割処理の選
    択により発生情報量を目標値に制御するとき、各階層間
    で定義されるブロツクアクテイビテイを全階層に渡り検
    出し、当該検出結果に基づくブロツク度数分布表を用い
    て最適制御値を検出し、 上記検出結果が得られたとき、所定のメモリに待機した
    上記画像データを符号化するようにしたことを特徴とす
    る画像符号化方法。
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