JPH0710728B2 - 微粒硫酸カルシウムの製造方法 - Google Patents

微粒硫酸カルシウムの製造方法

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JPH0710728B2
JPH0710728B2 JP63011819A JP1181988A JPH0710728B2 JP H0710728 B2 JPH0710728 B2 JP H0710728B2 JP 63011819 A JP63011819 A JP 63011819A JP 1181988 A JP1181988 A JP 1181988A JP H0710728 B2 JPH0710728 B2 JP H0710728B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は微粒硫酸カルシウムの製造方法、および微粒硫
酸カルシウムの水性懸濁液の製造方法に関する。
硫酸カルシウムを紙コーテイング組成物または水性塗料
中の顔料として使用することを意図すれば、少くとも60
重量%、好ましくは少くとも65重量%、より好ましくは
少くとも70重量%の硫酸カルシウムを含有する水性懸濁
液を提供できることが望ましく、また硫酸カルシウムの
粒径分布は少くとも50重量%の粒子が2ミクロン未満の
相当球直径を有すべきである。
硫酸カルシウムは天然または人工的に、しばしば化学反
応の副生物として、大塊または比較的粗い粒子の形態で
入手でき、上記程度の最終粒径分布を得るために該物質
を粉砕することが必要がある。この粉砕は最も普通には
比較的濃厚な水性懸濁液、すなわち少くとも65重量%の
乾燥固体を含むもの、で行なわれる。しかしこの範囲内
の固形分でアルカリ土類金属化合物の水性懸濁液は、固
体粒子が正または負の電荷をもち粒子間に引力を生じて
凝集構造物を形成することができるので一般に非常に粘
性である。従って、粉砕前に分散剤を加えて粒子が互い
に反発し、分離した粒子として保たれるように粒子上に
均一な電荷、通常負電荷を与えねばならない。
さらに、硫酸カルシウム二水和物は25℃で2.4g/l程度に
水溶性である。溶液中のカルシウムイオンは多価電解質
分散剤と複合体を形成してそれを不活性になし、従っ
て、硫酸カルシウムを粉砕するときにまた保護コロイド
として作用する分散剤、例えば親水性高分子物質を用い
ることが必要であった。カルボキシメチルセルロースお
よびスターチホスフエートはこの型の分散剤の2例であ
る。微細な粒子径への粉砕が高い固体濃度で行なわれる
と、粉砕により発生する熱および機械的せん断作用が分
散剤を破壊する傾向があるので、分散剤の高い初期用量
を用いることが必要であり、それがプロセスのコストを
著しく増大させる。しかし、分散剤の高い初期用量を用
いると分散剤が粉砕後に残留することが普通であり、こ
れが水性懸濁液の脱水において問題を生ずることができ
る。従って、硫酸カルシウムでは機械的脱水のみにより
十分に乾燥したケークを達成することができず、後にケ
ークを熱エネルギーにより乾燥することが必要である。
しかし、熱乾燥中に微砕製粒子の硬凝集体が形成され、
従って生成物を実際上粗くする傾向がある。さらに、硫
酸カルシウム二水和物の場合に、熱乾燥が70℃以上の温
度で行なわれると若干の結晶水が追出され、硫酸カルシ
ウムが少くとも一部分低水和形態に転化される。機械的
脱水の他の不利益は生ずるケークが湿潤で粘着性であ
り、従って取扱いが非常に困難であることである。
本発明の第1の観点によれば、粒子の少なくとも50重量
%が2ミクロン未満の相当球直径を有するような粒径分
布を有する硫酸カルシウムを製造する方法であって、次
の段階: (a) 粗硫酸カルシウムを水と混合して乾燥固体5〜
45重量%を含む水性懸濁液を形成する段階、 (b) 段階(a)で形成された懸濁液中の粗硫酸カル
シウムを、粒子の少くとも50重量%が2ミクロン未満の
相当球直径を有するような粒径分布を硫酸カルシウムが
有するまで粒状粉砕媒体との混合物中で懸濁液をかくは
んすることにより粉砕する段階、 (c) 段階(b)において形成された砕製硫酸カルシ
ウムの水性懸濁液を粒状粉砕媒体から分離する段階、お
よび (d) 水性懸濁液をフィルタープレス中で少くとも50
0ポンド毎平方インチ(3.45MPa)の圧力で脱水する段
階、 を含み、段階(a)〜(d)が分散剤の存在なく行われ
る方法が提供される。
本発明の第2の観点によれば、粒子の少なくとも50重量
%が2ミクロン未満の相当球直径を有するような粒径分
布を有する硫酸カルシウムを少くとも60重量%含む水性
懸濁液を製造する方法であって、次の段階: (a) 粗硫酸カルシウムを水と混合して乾燥固体5〜
45重量%を含む水性懸濁液を形成する段階、 (b) 段階(a)で形成された懸濁液中の粗硫酸カル
シウムを、粒子の少くとも50重量%が2ミクロン未満の
相当球直径を有するような粒径分布を硫酸カルシウムが
有するまで粒状粉砕媒体との混合物中で懸濁液をかくは
んすることにより粉砕する段階、 (c) 段階(b)において形成された砕製硫酸カルシ
ウムの水性懸濁液を粒状粉砕媒体から分離する段階、 (d) 水性懸濁液をフィルタープレス中で少くとも50
0ポンド毎平方インチ(3.45MPa)の圧力で脱水する段
階、および (e) 段階(d)の脱水生成物を、脱水生成物を流動
性懸濁液に転化するのに十分な量の分散剤と混合する段
階、 を含み、段階(a)〜(d)が分散剤の存在なく行われ
る方法が提供される。
本発明の方法は、粉砕および脱水段階中に分散剤が存在
する必要を回避するので、硫酸カルシウムの高固体水性
懸濁液の製造に殊に適する。
脱水段階における高い圧力は良好な取扱いのために十分
に硬くかつ不粘着性であるケークを与えるために必要で
ある。脱水段階(d)中に分散剤が存在すれば、これが
フイルタープレスにおいて形成されるケークの流動性を
増す傾向があり、従って、段階(d)において用いる高
い圧力を妨害するであろう。水性懸濁液の固形分が60〜
65重量%の範囲内にあるならば、硫酸カルシウムが非常
に微細であり、実質的にすべての粒子が2ミクロン未満
の相当球直径を有することが好ましい。
段階(a)の前に、硫酸カルシウムを初めに粉砕操作に
かけて該物質を直径約150mmまでの大きさの大塊から約1
5mm未満の直径を有する粒子に低下することができる。
中間サイズのこれらの粒子を次いで水と混合して乾燥固
体5〜45重量%を含む懸濁液を形成し、懸濁液を鋼また
はセラミック材料の小ペレットまたは球からなる粉砕素
子とともにかくはんする予備粉砕段階にかけることがで
きる。この予備粉砕段階は有利には砕製物が主にNo.300
メッシュB.S.ふるい(公称孔0.053mm)より小さい粒子
からなるような条件下に行なわれる。予備粉砕段階に用
いる粉砕素子は、好ましくは約5〜25mm、最も好ましく
は約10〜15mmの範囲内の直径を有する。予備的粉砕段階
は粒径分離装置例えば不十分な砕製物をミルに戻す液体
サイクロンと閉回路で行なうことができる。好ましく
は、段階(a)において使用される硫酸カルシウムの粒
子は約1mm未満、最も好ましくは60ミクロン未満の直径
を有すべきである。
段階(b)における粒状粉砕媒体は好ましくは約5mmよ
り大きくなく、約0.25mmより小さくない粒子からなる。
粉砕媒体は粉砕される硫酸カルシウムより硬質の物質か
ら形成されるべきであり、例えばけい砂のほぼ球形の粒
子、あるいはセラミック材料の小ビーズまたは小球から
なることができる。粉砕は、便宜には硫酸カルシウムの
水性懸濁液と粒状粉砕媒体とを中心垂直軸上に取付けた
インペラー、および容器の側面に十分微粉砕された粒子
を通すがしかし粗い粒子を容器中に保持するふるいを備
えた容器中でかくはんすることにより行なうことができ
る。粒状粉砕媒体中に存在する最小粒子の直径は、便宜
にはふるいの孔径の約2倍である。段階(b)における
粉砕中に少くとも400KJ毎乾燥固体kgのエネルギーが消
散されることが好ましい。より好ましくは少くとも700K
J毎kgが消散されるべきである。
段階(c)における高圧フイルタープレスは、好ましく
は例えば英国特許明細書第1,240,465号、第1,582,957号
または第2,072,032号に開示された型のチューブ加圧濾
過器であり、あるいは例えば英国特許明細書第1,389,00
3号に開示された型の高圧平面濾過器を用いることがで
きる。25重量%を越えない水を含有し、ケークが粘着性
および取扱い困難でない硫酸カルシウムケークを生成さ
せることが好ましい。このため、フイルタープレスを少
くとも1,000ポンド毎平方インチ(6.89MPa)の圧力で、
より好ましくは少なくとも1,500ポンド毎平方インチ(1
0.3MPa)で操作することが好ましい。
段階(e)における好ましい分散剤は保護コロイド型の
もの、例えばセルロース誘導体例えばナトリウムカルボ
キシメルルセルロース、またはデンプン誘導体例えばス
ターチホスフエート、あるいは次のA型またはB型のリ
ン酸エステルであるべきである: 式中、R1およびR2は同一かまたは異なることができ、ア
ルキル基、アリール基またはアラルキル基であることが
できる。好ましくはアルキル、アリールまたはアラルキ
ル基は10個以上の炭素原子を含まない。
用いる分散剤の量は一般に、乾燥硫酸カルシウムの重量
を基にして0.05〜5重量%の範囲内であろう。しかし、
必要な量は好ましくは乾燥化合物の重量を基にして1〜
5重量%の範囲内であろう。
本発明は次の実施例により例示される。
実施例 肥料製造においてリン鉱石を硫酸で抽出するプロセスの
副生物として形成されるホスホジプサム(Phosphogypsu
m)物質は硫酸カルシウム二水和物の結晶から構成され
た。結晶物質を分散剤の存在なく水と混合して乾燥固体
約40重量%を含むスラリーを形成し、それを、粉砕素子
として直径12.5mmのペブルを含む粉砕室中へ導入した。
スラリをペブルとともに中心垂直軸上で回転するインペ
ラーにより、実質的にすべての粒子が53ミクロンより小
さい直径を有する粒子からなる生成物を与えるのに十分
な時間かくはんした。砕製粒子の20重量%が2ミクロン
未満の相当球直径を有したと認められた。
ペブル砕製物の懸濁液を水で約30重量%固形分に希釈
し、希釈懸濁液を、0.5〜1mmの範囲内の直径を有するけ
い砂の粒子を粉砕媒体として含む粉砕室中へ導入した。
粉砕室の内容物を中心垂直軸上で回転するインペラーに
よりかくはんし、砕製物の試料を、乾燥固体kg当りそれ
ぞれ144KJ、360KJ、432KJおよび720KJのエネルギーが懸
濁液中に消散する十分な時間後にNo.300メッシュB.S.ふ
るいを通して取出した。次いで2ミクロン未満の相当球
直径を有する粒子の重量%を砕製物の各試料について測
定した。
比較として同一ホスホジプサムの他のバッチを水と混合
して乾燥固体約70重量%を含むスラリーを形成し、乾燥
固体の重量を基にして硫酸カルシウムに対するナトリウ
ムカルボキシメチルセルロース分散剤1.5重量%もまた
加えた。そのスラリーを初めに前記のようにペブル粉砕
し、実質的にすべての粒子が53ミクロン未満の直径を有
する粒子からなる生成物を与えた。次いでペブル砕製物
の懸濁液を水で65重量%固形分に希釈し、さらに前記の
ようにけい砂を粉砕媒体として粉砕した。乾燥固体kg当
りそれぞれ144KJ、360KJ、432KJ、720KJおよび1440KJの
エネルギーが懸濁液中に消散する十分な時間後にNo.300
メッシュB.S.ふるいを通して試料を取出した。次いでこ
れらの試料を2ミクロン未満の相当球直径を有する粒子
の重量%について試験した。
得られた結果は表1に示される: これらの結果は第2粉砕段階の生成物の示した粉末度
が、粉砕を比較的低い固形分の懸濁液(この実施例中、
乾燥固体65重量%よりも乾燥固体30重量%)で行なえ
ば、より少量のエネルギーの消費で得られることができ
ることを示す。
3つの異なるエネルギー水準で30重量%固体で粉砕した
物質の試料を研究室高圧フイルタープレス中でそれぞれ
0.83MPa、3.45MPa、6.89MPa、10.34MPaおよび13.79MPa
の圧力で脱水し、生じた濾過ケークの水分をそれぞれの
場合に測定した。
得られた結果は表IIに示される: 30重量%以上の水を含むフイルタープレスケークは粘着
性で取扱いが困難であること、および最も容易な取扱い
のために水分が25重量%より大きくないことが必要であ
ることが認められた。従って、少くとも90重量%が2ミ
クロン未満の相当球直径を有する粒子を含む硫酸カルシ
ウム製品が必要であれば、乾燥固体kg当り少くとも400K
Jのエネルギーが微粉砕段階中に消散されねばならず、
また砕製物の懸濁液を少なくとも6.89MPa(1,000psi)
の圧力で脱水しなければならないことを知見することが
できる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−22118(JP,A) 特開 昭55−80720(JP,A) 特開 昭48−11650(JP,A) 特開 昭60−187324(JP,A) 特開 昭62−148321(JP,A) 特公 昭52−27120(JP,B1) 特公 昭54−11330(JP,B1)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒子の少くとも50重量%が2ミクロン未満
    の相当球直径を有するような粒径分布を有する硫酸カル
    シウムを製造する方法であって、次の段階: (a) 粗硫酸カルシウムを水と混合して乾燥固体5〜
    45重量%を含む水性懸濁液を形成する段階、 (b) 段階(a)で形成された懸濁液中の粗硫酸カル
    シウムを、粒子の少くとも50重量%が2ミクロン未満の
    相当球直径を有するような粒径分布を硫酸カルシウムが
    有するまで粒状粉砕媒体との混合物中で懸濁液を撹拌す
    ることにより粉砕する段階、 (c) 段階(b)において形成された砕製硫酸カルシ
    ウムの水性懸濁液を粒状粉砕媒体から分離する段階、お
    よび (d) 水性懸濁液をフィルタープレス中で少くとも50
    0ポンド毎平方インチ(3.45MPa)の圧力で脱水する段
    階、 を含み、段階(a)〜(d)が分散剤の存在なく行われ
    る方法。
  2. 【請求項2】段階(a)における硫酸カルシウムが1mm
    未満の粒子からなる、特許請求の範囲第(1)項記載の
    方法。
  3. 【請求項3】乾燥固体毎kg当たり少くとも400KJのエネ
    ルギーが粉砕段階(b)中に消散される、特許請求の範
    囲第(1)項または第(2)項記載の方法。
  4. 【請求項4】粒子の少くとも50重量%が2ミクロン未満
    の相当球直径を有するような粒径分布を有する硫酸カル
    シウムを少くとも60重量%を含む水性懸濁液を製造する
    方法であって、次の段階: (a) 粗硫酸カルシウムを水と混合して乾燥固体5〜
    45重量%を含む水性懸濁液を形成する段階、 (b) 段階(a)で形成された懸濁液中の粗硫酸カル
    シウムを、粒子の少くとも50重量%が2ミクロン未満の
    相当球直径を有するような粒径分布を硫酸カルシウムが
    有するまで粒状粉砕媒体との混合物中で懸濁液を撹拌す
    ることにより粉砕する段階、 (c) 段階(b)において形成された砕製硫酸カルシ
    ウムの水性懸濁液を粒状粉砕媒体から分離する段階、 (d) 水性懸濁液をフィルタープレス中で少くとも50
    0ポンド毎平方インチ(3.45MPa)の圧力で脱水する段
    階、および (e) 段階(d)の脱水生成物を、脱水生成物を流動
    性懸濁液に転化するのに十分な量の分散剤と混合する段
    階、 を含み、段階(a)〜(d)が実質的に分散剤の存在な
    く行われる方法。
  5. 【請求項5】段階(a)における硫酸カルシウムが1mm
    未満の粒子からなる、特許請求の範囲第(4)項記載の
    方法。
  6. 【請求項6】乾燥固体毎kg当たり少くとも400KJのエネ
    ルギーが粉砕段階(b)中に消散される、特許請求の範
    囲第(4)項または第(5)項記載の方法。
  7. 【請求項7】分散剤が保護コロイド型である、特許請求
    の範囲第(4)〜(6)項のいずれか1項に記載の方
    法。
JP63011819A 1987-01-21 1988-01-21 微粒硫酸カルシウムの製造方法 Expired - Lifetime JPH0710728B2 (ja)

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GB878701263A GB8701263D0 (en) 1987-01-21 1987-01-21 Forming concentrated aqueous suspension
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JPS63260816A JPS63260816A (ja) 1988-10-27
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