JPH07107078B2 - 新規なペプチドおよび免疫賦活剤 - Google Patents

新規なペプチドおよび免疫賦活剤

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JPH07107078B2
JPH07107078B2 JP3323606A JP32360691A JPH07107078B2 JP H07107078 B2 JPH07107078 B2 JP H07107078B2 JP 3323606 A JP3323606 A JP 3323606A JP 32360691 A JP32360691 A JP 32360691A JP H07107078 B2 JPH07107078 B2 JP H07107078B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬として有用性を有
する下記のアミノ酸の配列のペプチド構造を有するペプ
チドならびにそのペプチドを有効成分とする免疫賦活剤
に関する。 Phe−Thr−Lys−Pro−Gly Leu−Lys−Pro−Asn Phe−Gly−Pro−Gly Glu−Asp−Lys−Pro−Phe−Asn−L
eu Ala−Glu−Ile−Asn−Met−Pro−A
sp−Tyr Val−Ile−Pro−Pro−Gly−Val−P
ro−Tyr (式中、アミノ酸残基を表わす各記号は、アミノ酸化学
において慣用の表示法によるものである。)
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】摂取さ
れた食品は消化管の中で分解、吸収される過程で宿主免
疫系へ種々の影響を与えることが知られている(J.
L.Decker et al.:Ann.Inter
n.Med.,101,810−824(198
4))。宿主の免疫反応は免疫担当細胞であるリンパ球
及びマクロファージから分泌される生理活性物質によっ
て調節、制御されていることが知られているが、一方、
食品成分中にも宿主免疫系を調節する物質の存在が知ら
れている。その中には。食品蛋白質を酵素的に分解した
ペプチドとして、ヒトカゼイン由来Gly−Leu−P
he,ウシカゼイン由来Leu−Leu−Tyr,ヒト
βカゼイン由来Val−Glu−Pro−Ile−Pr
o−Tyrのものが知られておりいずれもマクロファー
ジの活性を上昇させることが見いだされている(F.P
arker et al.:Eur.J.Bioche
m.145,677−682(1984),J.Ber
t−hou et al.:PABS Lett.,2
18,55−58(1987))。生体内に摂取された
食品蛋白質は、そのままの形かあるいは分解されてペプ
チドの形で免疫応答系細胞と接する。このような食品成
分と免疫応答系細胞との相互作用は、これまで知られて
いるところでは、たとえば免疫系の異常状態である食品
アレルギーを引き起こす場合があり、さらに、免疫系の
賦活あるいは抑制という形となって観察されている。免
疫応答系を調節する本来の生体内物質としてインターロ
イキンをはじめとするサイトカイニンと呼ばれる一群の
ポリペプチドであり、その機能及び構造について多くの
情報が集積しつつある。これに対し、食品たん白質由来
のペプチドで免疫調節機能をもつものは多くはなく、未
だ医薬品としての開発が進んでいるとの報告はない。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は、大豆のタン
パク質分解酵素の分解液から薬理作用を有する物質を検
索し、新規な6種のペプチドが強い免疫賦活作用を有す
ることを見出した。そして、これら6種のペプチドを医
薬として実用化するための研究を鋭意行った。その結
果、この6種のペプチドが免疫賦活作用を有し、天然物
由来の免疫賦活剤としての有用性を見い出した。本発明
は係る知見に基づくものである。以下に、本発明を詳細
に説明する。本発明に係る新規なペプチドは、次式
(1)、(2)、(3)、(4)、(5)及び(6) (1) Phe−Thr−Lys−Pro−Gly (2) Leu−Lys−Pro−Asn (3) Phe−Gly−Pro−Gly (4) Glu−Asp−Lys−Pro−Phe−A
sn−Leu (5) Ala−Glu−Ile−Asn−Met−P
ro−Asp−Tyr (6) Val−Ile−Pro−Pro−Gly−V
al−Pro−Tyr (式中の各記号はペプチド化学におけるアミノ酸配列の
各アミノ酸単位を示す。)の式で示されるL体のアミノ
酸の配列を有する新規なペプチドであり、常温における
性状は白色の粉末である。
【0004】前記の6種のペプチドは、化学的に合成す
る方法または大豆のタンパク質分解酵素の分解液から分
離精製する方法を挙げることができる。本発明に係る新
規なペプチドを化学的に合成する場合には、液相法また
は固相法等の通常のペプチド合成方法によって行うこと
ができるが、好ましくは、固相法によってポリマー性の
固相支持体へ前記ペプチドのC末端(カルボキシル末端
側)からそのアミノ酸残基に対応したL体のアミノ酸を
順次ペプチド結合によって結合して行くのがよい。そし
て、そのようにして得られた合成ペプチドは、トリフル
オロメタンスルホン酸、フッ化水素等を用いてポリマー
性の固相支持体から切断した後、アミノ酸側鎖の保護基
を除去し、逆相系のカラムを用いた高速液体クロマトグ
フイー(以下、HPLCと略記する。)等を用いた通常
の方法で精製することができる。
【0005】上記したように、本発明に係る新規なペプ
チドは大豆のタンパク質分解酵素の分解液から分離精製
することができるが、その場合には、平成3年度日本農
芸化学学会東北支部第115回会講演会(山形大学農学
部)講演要旨集B−1(p16),B−2(p17)の
方法に準拠し、例えば、以下のようにして行うことがで
きる。上記の新規なペプチドを含有している大豆を取り
出して、ホモゲナイザーを用いて適当な溶媒(例えば、
水−トリス塩酸緩衝液、リン酸緩衝液の中性の緩衝液
等)中で十分にホモジネイトした後、加水分解する。加
水分解は常法に従って行う。例えば、ペプシン等のタン
パク質分解酵素で加水分解する場合は、大豆ホモジネイ
トを必要とあれば更に加水分解した後、酵素の至適値に
調整し、酵素を加えてインキュベートする。次いで必要
に応じ中和した後、酵素を失活させて加水分解液を得
る。その加水分解液を濾紙および/またはセライト等を
用いて瀘過することによって不溶性成分を除去し、得ら
れた濾液をセロフアン等の半透膜を用いて適当な溶媒
(例えば、トリス−塩酸緩衝液、リン酸緩衝液の中性の
緩衝液等)中で十分に透析し、その瀘液中の成分で半透
膜を通過した成分を含む溶液を強酸性陽イオン交換樹脂
(例えば、ダウケミカル社製のDowex 50w等)
にかけ、その吸着溶出分画から免疫賦活作用を有する成
分を含有する分画を得、得られた免疫賦活作用を有する
分画をゲル濾過(例えば,ファルマシア社製のSeph
adex G−25等)によって分画し、得られた免疫
賦活作用を有する分画を陽イオン交換ゲル瀘過(例え
ば、ファルマシア社製のSP−Sephadex C−
25等)によって分画し、得られた免疫賦活作用を有す
る分画を更に逆相 HPLC(高速液体クロマトグラフ
イー)によって分画する。
【0006】この新規な6種のペプチドは、静脈内への
繰返し投与を行った場合、抗体産生を惹起せず、アナフ
イラキシーショックを起こさない。また、このペプチド
はL−アミノ酸のみの配列構造からなり、投与後、生体
内のプロテアーゼにより徐々に分解される為,毒性は極
めて低く安全性は極めて高い(LD50>5000mg
/Kg:ラット経口投与)。本発明に係る新規なペプチ
ドは、通常用いられる賦形剤等の添加物を用いて注射
剤、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等に調整すること
ができる。投与法としては、通常は、免疫不全症を有し
ている哺乳類(例えば、ヒト、イヌ、ラット等)に注射
すること、あるいは経口投与することがあげられる。投
与量は、例えば、動物体重1kg当りこのペプチドを
0.01〜10mgの量である。投与回数は、通常、1
日1〜4回程度であるが、投与経路によって、適宜、調
整することができる。上記の各種製剤において用いられ
る賦形剤、結合剤、滑沢剤の種類は、特に限定されず、
通常の注射剤、散剤、顆粒剤、錠剤あるいはカプセル剤
に用いられるものを使用することができる。
【0007】錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤に用いる
添加剤としては、下記のものをあげることができる。賦
形剤としては、結晶セルロース等の糖類、マンニトール
等の糖アルコール類、でんぷん類、無水リン酸カルシウ
ム等;結合剤としてはでんぷん類、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース等;崩壊剤としてはカルボキシメチル
セルロースおよびそのカルウム塩類;滑沢剤としてはス
テアリン酸およびその塩額、タルク、ワックス類を挙げ
ることができる。また、製剤の調整にあたっては、必要
に応じメントール、クエン酸およびその塩類、香料等の
矯臭剤を用いることができる。注射用の無菌組成物は、
常法により、本発明に係る新規なペプチドを、注射用
水、生理食塩液およびキシリトールやマンニトールなど
の糖アルコール注射液、プロピレングリコールやポリエ
チレングリコール等のグリコールに溶解または懸濁させ
て注射剤とすることができる。この際、緩衝液、防腐
剤、酸化防止剤等を必要に応じて添加することができ
る。本発明の新規なペプチドを含有する製剤は凍結乾燥
品または乾燥粉末の形とし、用時、通常の溶解剤、例え
ば水または生理食塩液にて溶解して用いることもでき
る。
【0008】本発明に係る新規なペプチドの優れた免疫
賦活作用として、新規なペプチドをウサギに経口投与す
ると、末梢血リンパ球のコンカナバリンA(以下Con
Aと略記する。)刺激に対する幼若化反応が有意に上昇
し、又、C57BL/6マウスに新規なペプチドを経口
投与すると抗体産生能が上昇した。更に、C3H/He
Nマウスより得た脾細胞に対してマイトージェン活性を
示す。
【0009】
【実施例】以下に実施例として、製造例及び試験例を記
載し、本発明を更に詳細に説明する。 製造例1 大豆200gに脱イオン水1Lを加えホモジナイズした
後、1N塩酸にてpHを2.0に調整し、ペプシン(メ
ルク社製、酵素番号EC3.4.23.1)10gを添
加し,37℃で20時間撹拌しながら加水分解を行っ
た。分解反応液を直ちに限外瀘過膜(アミコン社製、Y
M10型、φ76mm)に通過させ、通過液を強酸性陽
イオン交換樹脂カラムDowex 50W X4
[H] (φ4.5x15cm)に加えた。カラムを
脱イオン水で十分に洗浄した後、2N水酸化アンモニウ
ム液2Lを用いて溶出した。減圧濃縮によりアンモニア
を除去し、濃縮液40mlを得た。濃縮液4mlを予め
脱イオン水で緩衝化したSephadex G−25
カラム(φ2.5x150cm)に負荷し、流速30m
l/hr、各分画量8.3mlでゲル濾過した。その結
果は図1に示すとおりである。上記のゲル瀘過を繰り返
して大量分取した免疫賦活作用の高い分画(分画番号1
7〜37)を集め、凍結乾燥してペプチド粉末とした。
このペプチド粉末を脱イオン水に溶解した後、予め、脱
イオン水で緩衝化したSP−SephadexC−25
[H](φ1.5x47.2cm)に負荷し、脱イオ
ン水1Lから3%塩化ナトリウム液1Lの濃度勾配法に
より、流速60ml/hr, 各分画量7.8mlでク
ロマトグフィーを行った。その結果は図2に示すとおり
である。
【0010】上記クロマトグラフ中、分画番号39〜4
7の免疫賦活作用を有する分画を集めて凍結乾燥して精
製ペプチド粉末(SP−II分画部分))を得た。この
ペプチド粉末を脱イオン水に溶解した後HPLCを行っ
た。条件はカラムとして野村化学(株)製Develo
sil ODS−50(φ4.6mm IDx25cm
L)を使用し、移動相として0.05%トリフルオロ
酢酸(以下、TFAと略記する。)から25%アセトニ
トリル/0.05%TFAの濃度勾配法により、流速
1.0ml/min、検出波長220nmでクロマトグ
ラフィーを行い、免疫賦活作用を有するペプチドを得
た。その結果は図3に示すとおりである。 {溶出時間;(1)のペプチド31.7分、(2)のペ
プチド38.3分、(3)のペプチド82.6分、
(4)のペプチド122.3分、(5)のペプチド12
6.7分、(6)のペプチド142.1分 このようにして得られた免疫賦活作用を有するペプチド
のアミノ酸配列は、アプライドバイオシステム社製のプ
ロテインシーケンサー477A型を用いて決定された。
その結果、6種のペプチドは、それぞれ、 次式、(1)Phe−Thr−Lys−Pro−Gly (2)Leu−Lys−Pro−Asn (3)Phe−Gly−Pro−Gly (4)Glu−Asp−Lys−Pr0−Phe−As
n−Leu (5)Ala−Glu−Ile−Asn−Met−Pr
o−Asp−Tyr (6)Val−Ile−Pro−Pro−Gly−Va
l−Pro−Tyr で示されるL体のアミノ酸残基からなる配列を有するペ
プチドであることが確認された。
【0011】製造例2 本例は、合成法による製造例である。 Phe−Thr−Lys−Pro−Glyの合成法。 アプライドバイオシステム社製のペプチド自動合成装置
430 A型用いた固相法によって当該ペプチドを合成
した。固相担体としては、スチレン−ジビニルベンゼン
共重合体(ポリスチレン樹脂)をクロロメチル化した樹
脂を使用した。まず、当該ペプチドのアミノ酸配列に従
って、常法どおり、そのC末端側のグリシンからクロロ
メチル樹脂に反応させ、ペプチド結合樹脂を得た。この
ときのアミノ酸は、t−ブトキシカルボニル(以下t−
Bocと略記す。)基で保護されたt−Bocアミノ酸
を使用した。次にこのペプチド結合樹脂をエタンジチオ
ールとチオアニソールからなる混合液に懸濁し、室温で
10分間撹拌後、氷冷下でトリフルオロ酢酸を加え、さ
らに10分間撹拌した。この混合液にトリフルオロメタ
ンスルホン酸を滴下し、室温で30分間撹拌した後、無
水エーテルを加えてその生成物を沈澱させて分離し、そ
の沈澱物を無水エーテルで数回洗浄した後、減圧下で乾
燥した。このようにして得られた末精製の合成ペプチド
は蒸留水に溶解した後、逆相系のカラムC18(5μ)
を用いたHPLCにより精製した。移動相として(A)
0.1%TFA含有蒸留水、(B)0.1xTFA含有
アセトニトリル溶液を使用し、(A)液が20分間で9
8%→78%の濃度勾配法により流速1.5ml/mi
nでクロマトグラィーを行った。紫外部波長215nm
で検出し、最大の吸収を示した溶出分画を分取し、これ
を凍結乾燥することによって目的とする合成ペプチドを
得た。
【0012】この合成ペプチドをマススペクトルにより
分析した結果、アミノ酸配列構造を有するペプチドであ
ることが確認された。このマススペクトルの結果は図4
に示すとおりである。 他の4つのペプチドについても
上記合成方法に準じ固相法によりそれぞれC末端側から
反応させ合成した。末精製の合成ペプチドは以下に示す
とおり精製した。 Leu−Lys−Pro−Asnの精製法 逆相系のカラムC18(5μ)を用いたHPLCにより
精製した。移動相として(A)0.1%TFA含有蒸留
水、(B)0.1%TFA含有アセトニトリル溶液を使
用し、(A)液が20分間で90%→60%の濃度勾配
法により流速1.5ml/minでクロマトグラフィー
を行った。紫外部波長215nmで検出し、最大の吸収
を示した溶出分画を分取し、これを凍結乾燥することに
よって目的とする合成ペプチドを得た。
【0013】この合成ペプチドをマススペクトルにより
分析した結果、アミノ酸配列およびアミノ酸組成が前記
式で示したアミノ酸配列構造を有するペプチドであるこ
とが確認された。このマススペクトルの結果は図5に示
すとおりである。 Phe−Gly−Pro−Glyの精製法 逆相系のカラムC18(5μ)を用いたHPLCにより
精製した。移動相として(A)0.1%TFA含有蒸留
水、(B)0.1%TFA含有アセトニトリル溶液を使
用し、(A)液が20分間で98%→78%の濃度勾配
法により流速1.5ml/minでクロマトグラフィー
を行った。紫外部波長215nmで検出し、最大の吸収
を示した溶出分画を分取し、これを凍結乾燥することに
よって目的とする合成ペプチドを得た。この合成ペプチ
ドをマススペクトルにより分析した結果、アミノ酸配列
およびアミノ酸組成が前記式で示したアミノ酸配列構造
を有するペプチドであることが確認された。このマスス
ペクトルの結果は図6に示すとおりである。 Glu−Asp−Lys−Pro−Phe−Asn−L
euの精製法 逆相系のカラムC18(5μ)を用いたHPLCに精製
した。移動相として(A)0.1%TFA含有蒸留水、
(B)0.1%TFA含有アセトニトリル溶液を使用
し、(A)液が20分間で98%→78%の濃度勾配法
により流速1.5ml/minBクロマトグラフィーを
行った。紫外部波長215nmで検出し、最大の吸収を
示した溶出分画を分取し、これを凍結乾燥することによ
って目的とする合成ペプチドを得た。この合成ペプチド
をマススペクトルにより分析した結果、アミノ酸配列お
よびアミノ酸組成が前記式で示したアミノ酸配列構造を
有するペプチドであることが確認された。このマススペ
クトルの結果は図7に示すとおりである。 Ala−Glu−Ile−Asn−Met−Pro−A
sp−Tyrの精製法 逆相系のカラムC18(5μ)を用いたHPLCにより
精製した。移相として(A)0.1%TFA含有蒸留
水、(B)0.1%TFA含有アセトニトリル溶液を使
用し、(A)液が20分間で98%→78%の濃度勾配
法により流速1.5ml/minでクロマトグラフィー
を行った。紫外部波長215nmで検出し、最大の吸収
を示した溶出分画を分取し、これを凍結乾燥することに
よって目的とする合成ペプチドを得た。この合成ペプチ
ドをマススペクトルにより分析した結果、アミノ酸配列
およびアミノ酸組成が前記式で示したアミノ酸配列構造
を有するペプチドであることが確認された。このマスス
ペクトルの結果は図8に示すとおりである。 Val−Ile−Pro−Pro−Gly−Val−P
ro−Tyrの精製法 逆相系のカラムC18(5μ)を用いたHPLCにより
精製した。移動相として(A)0.1%TFA含有蒸留
水、(B)0.1%TFA含有アセトニトリル溶液を使
用し、(A)液が20分間で98%→78%の濃度勾配
法により流速1.5ml/minクロマトグラフィーを
行った。紫外部波長215nmで検出し、最大の吸収を
示した溶出分画を分取し、これを凍結乾燥することによ
って目的とする合成ペプチドを得た。この合成ペプチド
をマススペクトルにより分祈した結果、アミノ酸配列お
よびアミノ酸組成が前記式で示したアミノ酸配列構造を
有するペプチドであることが確認された。このマススペ
クトルの結果は図9に示すとおりである。合成によって
得られた本発明の6種のペプチドは、以下に示す試験に
よって薬理効果が確認された。
【0014】試験例1 (ウサギ末梢血リンパ球のコンカナバリンA刺激に対す
る幼若化反応の測定)ウサギは成熟雄性日本白色種(K
BL:JW、SPF、体重2.0kg)を(株)北山ラ
ベスより購入し、1週間予備飼育を行った後、健常な動
物を試験に供した。飼育は温度23±2℃、湿度55±
10%に保った飼育室内の金属製個別ゲージで行った。
飼料はオリエンタル酵母(株)製RC4を1日120g
給餌し、水は自家揚水(水道法、水質基準適合)を自由
に摂取させた。1群3例のウサギを用い、製造例1にお
ける精製ペプチド粉末(SP−II分画部分)200m
g/kg/dayを体重1kg当り5mlの割合で30
日間連続投与した。対照群には同容量の溶媒を投与し
た。体重測定は3日毎に行った。投与開始日並びに最終
投与の翌日、各ウサギの耳静脈からヘパリン処理した注
射器で10mlの血液を採取し、3時間以内に、リンパ
球分離並びにH−サイミジン取り込み能測定法による
幼若化反応を実施した。各リンパ球の取り込んだ放射能
から次式により刺激指数(SI)を算出した。 SI=(ConAを加えた培養系)/(ConAを加え
ない培養系) 大豆ペプチド(200mg/kg/day)を30日間
経口投与したウサギの体重変化は表1に示した。体重変
化はペプチド投与群と対照群との間に有意差は認められ
なっかた。又、ウサギ末梢血リンパ球のConA刺激に
よる幼若化反応(SI値)を表2に示した。この結果、
大豆ペプチドの投与前5.3±0.6から投与後44.
8±7.0に上昇し、有意差(p<0.01、t検定)
が認められた。
【0015】試験例2 (マウス脾細胞の抗体産生能測定)マウスは雄性、5週
齢(Slc:C57BL/6、SPF)を日本エスエル
シー(株)より購入し、1週間予備飼育を行った後、健
常な動物を試験に供した。マウスの飼育は温度23±2
℃、湿度55±10%に保った飼育室内のエアコンケー
ジで行った。餌料はオリエンタル酵母(株)製MF、水
は自家揚水(水道法、水質基準適合)を自由に摂取させ
た。1群3例のウサギを用い、製造例1における精製ペ
プチド粉末(SP−II分画部分)200mg/kg/
dayを体重10g当り0.1mlの割合で10日間連
続経口投与した。体重は、毎日計測した。大豆ペプチド
の投与開始から5日後、それぞれのマウスの尾静脈にヒ
ツジ赤血球(SRBC、デンカ生研(株))5X10
cells/mlを0.2ml投与して免疫した。免疫
の5日後、各群のマウスから脾臓を採取し、Eagl
e’s mniml esse−ntial medi
um(EMEM、日水製薬(株))を入れたシャーレ内
で脾細胞を遊離させた。リン酸緩衝液 (PBS)で3
回洗浄した後、EMEMで2.5X10cells/
mlに調整した脾細胞と50%SRBC浮遊液及びモル
モット乾燥補体(デンカ生研(株))を8:1:1の割
合で混合した。Cunningham,A.J.らの方
法(Immunology,14,599,(196
8))に準じて37℃で90分反応後、溶血斑(pla
que forming cell、PFC)を計測し
た。 大豆ペプチド(200mg/kg/day)を1
0日間経口投与したマウスの体重変化並びに脾細胞調整
時に測定した脾臓重量を表3に示した。体重変化におい
て大豆ペプチド投与群と対照群との間に有意差は認めら
れなかった。又、大豆ペプチド投与群の脾臓重量は10
4.7±6.1、対照群のそれは73.1±10.9で
両者間に有意差は認められなかった。マウス脾細胞での
抗体産生能を表4に示した。大豆ペプチド投与群の抗体
産生細胞数は1112±306.6であり、対照群の抗
体産生細胞数493.3±170.2と比較して有意
(p<0.01、t検定)に上昇していた。
【0016】試験例3 (合成ペプチドのマイトージェン活性の測定)藤原らの
方法(栄食誌,Vol43,No.3,203−20
8,(1990))に準じてマイトージェン活性を測定
した。製造例2で合成した新規な6種類のペプチドは、
25mM HEPES−RPMI1640培地に対して
溶解(最大濃度1mg/ml)し、0.2μのフイルタ
ー濾過滅菌後、同培地により2倍ごと段階希釈を行った
ものを供試サンプルとした。C3H/HeNマウス(6
週、雄)の脾臓を無菌的に摘出し、ワイヤーメッシュ上
で25mM HEPES−RPMI1640培地を滴下
しながら穏やかに磨砕し、通過液を更にもう一組のワイ
ヤーメッシュを通すことにより、単一細胞浮遊液を調製
した。脾細胞は同培地にて3回洗浄後、牛胎児血清10
%を含む25mM HEPES−RPMI1640培地
に浮遊させ、96ウエルマイクロプレートに5X10
個/100μι/ウェルとなるように分注した。その
後、前記の供試サンプル10μιを加え、5%CO
囲気下、37℃で培養した。尚、陰性対照には、25m
M MHEPS−RPMI1640培地10μιを、陽
性対照にはコンカナバリンA(ConA、終濃度1μg
/ml)並びにリポポリサッカライド(LPS、終濃度
100μg/ml)を供試サンプルの代わりに加えてい
る。その後、0.5%の3−(4,5−ジメチル−2−
チアゾリル)−2,5ジフェニル−2Hテトラゾリウム
ブロマイド(MTT) 溶液を10μι加え、更に3時
間培養を行い、しかる後、生じたMTT−フォルマザン
を酸−イソプロパナノール溶液(0.04N濃度に塩酸
を添加)100μιを加えて溶解し、EIAリーダーに
て595nmの吸光度を測定した。データは陰性対照の
値を100とした相対値にて表示している。マイトジェ
ン活性の結果は表5に示すとおりである。以上の試験の
結果、本発明に係わる新規な6種の大豆由来ペプチドよ
り成るSP−II分画部分は、in vivoにおいて
有意に免疫機能に影響を及ぼすことが確認された。更
に、本発明に係わる新規な6種の合成ペプチドは、in
vitroにおいて有意にマイトージェン活性を示す
ことが確認され、免疫賦活剤として有用である。尚、本
発明に係わる新規な6種の大豆由来ペプチドは、構造的
にそのアミノ酸配列を部分構造とするペプチドにおい
て、構造中に採用することもできる。
【0017】
【表1】 大豆ペプチド(SP−II分画部分)投与時の、ウサギ
体重変化。大豆ペプチド(SP−II分画部分)投与時
の、ウサギ体重変化。
【0018】
【表2】 大豆ペプチド(SP−II分画部分)投与時の、ウサギ
末梢血リンパ球のコンカナバリンA刺激による幼若化反
応。
【0018】
【表3】 大豆ペプチド(SP−II分画部分)投与時の、マウス
体重変化と脾臓重量。
【0019】
【表4】 大豆ペプチド(SP−II分画部分)投与時の、マウス
脾細胞での抗体産生能。
【0020】
【表5】 合成ペプチドのin vitroにおけるマイトージェ
ン活性。
【0021】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る6種のペプチドの、製造例1にお
けるSephdex G−25カラムクロマトグラフィ
ーによる免疫賦活ペプチドの分離精製の結果を示す図で
ある。
【図2】同、製造例1におけるSP−Sephadex
C−25[H]カラムクロマトグラフィーによる免
疫賦活ペプチドの分離精製の結果を示す図である。
【図3】同、製造例1における逆相高速液体クロマトグ
ラフィーによる免疫賦活ペプチドの分離精製の結果を示
す図である。
【図4、図5、図6、図7、図8、図9】同、製造例2
で得られた6種のペプチドのマススペクトルを示す図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 7/06 // A61K 38/00 C07K 1/12 C12P 21/06 9282−4B

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式; Phe−Thr−Lys−
    Pro−Gly で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なペプチド。
  2. 【請求項2】 次式; Phe−Thr−Lys−
    Pro−Gly で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なペプチドを有効成分として含有することを
    特徴とする免疫賦活剤。
  3. 【請求項3】 次式; Leu−Lys−Pro−
    Asn で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なペプチド。
  4. 【請求項4】 次式; Leu−Lys−Pro−
    Asn で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なペプチドを有効成分として含有することを
    特徴とする免疫賦活剤。
  5. 【請求項5】 次式; Phe−Gly−Pro−
    Gly で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なペプチド。
  6. 【請求項6】 次式; Phe−Gly−Pro−
    Gly で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なペプチドを有効成分として含有することを
    特徴とする免疫賦活剤。
  7. 【請求項7】 次式; Glu−Asp−Lys−
    Pro−Phe−Asn−Leu で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なペプチド。
  8. 【請求項8】 次式; Glu−Asp−Lys−
    Pro−Phe−Asn−Leu で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なペプチドを有効成分として含有することを
    特徴とする免疫賦活剤。
  9. 【請求項9】 次式; Ala−Glu−Ile−
    Asn−Met−Pro−Asp−Tyr で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なペプチド。
  10. 【請求項10】 次式; Ala−Glu−Ile−
    Asn−Met−Pro−Asp−Tyr で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なペプチドを有効成分として含有することを
    特徴とする免疫賦活剤。
  11. 【請求項11】 次式; Val−Ile−Pro−
    Pro−Gly−Val−Pro−Tyr で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なペプチド。
  12. 【請求項12】 次式; Val−Ile−Pro−
    Pro−Gly−Val−Pro−Tyr で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
    有する新規なペプチドを有効成分として含有することを
    特徴とする免疫賦活剤。
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