JPH0710649A - 鋳物砂ダストによる焼結焼成体及びその製造方法 - Google Patents
鋳物砂ダストによる焼結焼成体及びその製造方法Info
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- JPH0710649A JPH0710649A JP5273514A JP27351493A JPH0710649A JP H0710649 A JPH0710649 A JP H0710649A JP 5273514 A JP5273514 A JP 5273514A JP 27351493 A JP27351493 A JP 27351493A JP H0710649 A JPH0710649 A JP H0710649A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P40/00—Technologies relating to the processing of minerals
- Y02P40/60—Production of ceramic materials or ceramic elements, e.g. substitution of clay or shale by alternative raw materials, e.g. ashes
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- Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 鋳物砂ダストをれんが、タイル等の焼結焼成
体の成型用原料として利用することによって鋳物砂ダス
トの有効利用を図り、窯変用色調、均一色調の焼結焼成
体を得る。また、鋳物砂ダストの分量比を多くすること
によって透水性、保水性に優れた焼結焼成体を得る。 【構成】 鋳物砂ダストと窯業用粘土とを原料とし、水
分調整して成型用原料を作製し、この成型用原料を用い
て所定形状に成型した後、酸化雰囲気または還元雰囲気
の焼成炉中において焼成する。
体の成型用原料として利用することによって鋳物砂ダス
トの有効利用を図り、窯変用色調、均一色調の焼結焼成
体を得る。また、鋳物砂ダストの分量比を多くすること
によって透水性、保水性に優れた焼結焼成体を得る。 【構成】 鋳物砂ダストと窯業用粘土とを原料とし、水
分調整して成型用原料を作製し、この成型用原料を用い
て所定形状に成型した後、酸化雰囲気または還元雰囲気
の焼成炉中において焼成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は窯業用粘土と鋳物砂ダス
トとを混合した混合調合物あるいは鋳物砂ダストのみを
原料として得られる鋳物砂ダストによる焼結焼成体及び
その製造方法に関する。
トとを混合した混合調合物あるいは鋳物砂ダストのみを
原料として得られる鋳物砂ダストによる焼結焼成体及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】れんがあるいはタイルは粘土焼成品とし
て建造物の内装あるいは外装用等として広く使用されて
いる。これられんがあるいはタイルの製造においては粘
土を基材原料とし、水分を加えて混練し、押出し成型あ
るいはプレス成型で所定形状に成型した後、成型品を乾
燥させて焼成して製造している。焼成原料としての粘土
には、一般にカオリナイトあるいはハロサイトを主要成
分とする木節粘土または蛙目粘土が使用され、製品に応
じてケイ砂等の他の原料が用いられる。なお、焼成原料
としてはガラス粉体やシャモット等も使用され、ケイ砂
として珪石等のかわりにガラス研磨等で用いた廃砂を使
用する例(特開平2-175653号) もある。そして、原料を
混合調合した後、湿式成型法あるいは乾式プレス成型法
で成型し、所定の水分に調整した後、焼成炉にて焼成し
て焼成体を得る。
て建造物の内装あるいは外装用等として広く使用されて
いる。これられんがあるいはタイルの製造においては粘
土を基材原料とし、水分を加えて混練し、押出し成型あ
るいはプレス成型で所定形状に成型した後、成型品を乾
燥させて焼成して製造している。焼成原料としての粘土
には、一般にカオリナイトあるいはハロサイトを主要成
分とする木節粘土または蛙目粘土が使用され、製品に応
じてケイ砂等の他の原料が用いられる。なお、焼成原料
としてはガラス粉体やシャモット等も使用され、ケイ砂
として珪石等のかわりにガラス研磨等で用いた廃砂を使
用する例(特開平2-175653号) もある。そして、原料を
混合調合した後、湿式成型法あるいは乾式プレス成型法
で成型し、所定の水分に調整した後、焼成炉にて焼成し
て焼成体を得る。
【0003】焼成体に着色する場合は、無機顔料たとえ
ば酸化鉄のような酸化金属を基材原料に微量添加して鉄
茶色を呈するようにするといった方法や、成型物の表面
に着色用の釉薬を施して着色することが行われている。
均一色調の焼結焼成体を得る場合は、酸化雰囲気中で焼
成する酸化焼成が一般的である。粘土はふつう鉄を含有
するから酸化焼成によって赤色を呈するが、焼成物の色
調と色むらは粘土の混合物の特性と焼成時の温度によっ
て左右される。また、色むらのある窯変焼成体を得る場
合は、還元雰囲気中で焼成する還元焼成によっている。
ば酸化鉄のような酸化金属を基材原料に微量添加して鉄
茶色を呈するようにするといった方法や、成型物の表面
に着色用の釉薬を施して着色することが行われている。
均一色調の焼結焼成体を得る場合は、酸化雰囲気中で焼
成する酸化焼成が一般的である。粘土はふつう鉄を含有
するから酸化焼成によって赤色を呈するが、焼成物の色
調と色むらは粘土の混合物の特性と焼成時の温度によっ
て左右される。また、色むらのある窯変焼成体を得る場
合は、還元雰囲気中で焼成する還元焼成によっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにれんがあ
るいはタイル等の焼結焼成体の原料としては種々のもの
が使用されているが、本発明者は鋳物鋳造後の鋳物砂再
生処理工程や鋳物砂用ケイ砂製造工程において生じる集
塵ダストや廃棄ケイ砂を焼結焼成体の原料として利用す
ることについて研究を行った。これらの集塵ダストや廃
棄ケイ砂は産業廃棄物としてきわめて大量に発生するも
のであり、従来はセメントに混入する等の再利用法しか
なく、ほとんど廃棄処分とされていて有効利用されてい
なかった。
るいはタイル等の焼結焼成体の原料としては種々のもの
が使用されているが、本発明者は鋳物鋳造後の鋳物砂再
生処理工程や鋳物砂用ケイ砂製造工程において生じる集
塵ダストや廃棄ケイ砂を焼結焼成体の原料として利用す
ることについて研究を行った。これらの集塵ダストや廃
棄ケイ砂は産業廃棄物としてきわめて大量に発生するも
のであり、従来はセメントに混入する等の再利用法しか
なく、ほとんど廃棄処分とされていて有効利用されてい
なかった。
【0005】この鋳物鋳造後の鋳物砂ダストはケイ砂を
主成分とするものであるが、鋳物製造用として有機バイ
ンダーや無機バインダーを含んでいるために、却って再
利用を困難にしていたものである。ところが、本発明者
はこの鋳物砂ダストが酸化珪素とともに焼成体に有用な
酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化鉄等を有効に
含んでいること、さらに鋳物鋳造工程で鋳物砂ダストに
有機バインダーが含有されることに着目し、これをれん
が、タイル等の焼結焼成体の原料に使用することについ
て研究を行った。その結果、この鋳物砂ダストが焼成体
の原料として好適に利用できることを見出したものであ
る。なお、焼成体の原料として焼却灰、集塵ダストを使
用する例(特開昭63-201055 号) があるが、これらは本
願のような有機バインダーを含有するものではない点で
異なっている。
主成分とするものであるが、鋳物製造用として有機バイ
ンダーや無機バインダーを含んでいるために、却って再
利用を困難にしていたものである。ところが、本発明者
はこの鋳物砂ダストが酸化珪素とともに焼成体に有用な
酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化鉄等を有効に
含んでいること、さらに鋳物鋳造工程で鋳物砂ダストに
有機バインダーが含有されることに着目し、これをれん
が、タイル等の焼結焼成体の原料に使用することについ
て研究を行った。その結果、この鋳物砂ダストが焼成体
の原料として好適に利用できることを見出したものであ
る。なお、焼成体の原料として焼却灰、集塵ダストを使
用する例(特開昭63-201055 号) があるが、これらは本
願のような有機バインダーを含有するものではない点で
異なっている。
【0006】本発明は前述したように従来は未利用資源
として廃棄処分とされていた鋳物砂ダストの好適な利用
法を提供するものであり、鋳物砂ダストの特性を生かし
た用途を提供することによって鋳物砂ダストの効果的な
利用を図ることができ、鋳物砂ダストを利用したれん
が、タイル等の焼結焼成体を提供することを目的とする
ものである。
として廃棄処分とされていた鋳物砂ダストの好適な利用
法を提供するものであり、鋳物砂ダストの特性を生かし
た用途を提供することによって鋳物砂ダストの効果的な
利用を図ることができ、鋳物砂ダストを利用したれん
が、タイル等の焼結焼成体を提供することを目的とする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため次の構成を備える。すなわち、鋳物砂ダストを
用いた焼結焼成体の製造方法において、鋳物砂ダストと
窯業用粘土とを原料とし、水分調整して成型用原料を作
製し、この成型用原料を用いて所定形状に成型した後、
酸化雰囲気または還元雰囲気の焼成炉中において焼成す
ることを特徴とする。また、鋳物砂ダストの分量を重量
比で80%を上限として窯業用粘土と混合して混練し、
水分調整して成形用原料を作製し、この成型用原料を用
いて所定形状に成型した後、酸化雰囲気または還元雰囲
気の焼成炉中において焼成することを特徴とする。ま
た、鋳物砂ダストの分量を重量比で81%〜100%と
し、水分調整して成形用原料を作製し、この成型用原料
を用いて乾式プレス成型法によって所定形状に成型した
後、酸化雰囲気または還元雰囲気の焼成炉中において焼
成することを特徴とする。また、前記窯業用粘土および
鋳物砂ダストにさらに発色用酸化金属を加えた混合調合
物を使用することを特徴とする。また、前記鋳物砂ダス
トが酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化カルシ
ウム、酸化マグネシウム、酸化カリウム、酸化ナトリウ
ム及び炭化物を含有することを特徴とする。
するため次の構成を備える。すなわち、鋳物砂ダストを
用いた焼結焼成体の製造方法において、鋳物砂ダストと
窯業用粘土とを原料とし、水分調整して成型用原料を作
製し、この成型用原料を用いて所定形状に成型した後、
酸化雰囲気または還元雰囲気の焼成炉中において焼成す
ることを特徴とする。また、鋳物砂ダストの分量を重量
比で80%を上限として窯業用粘土と混合して混練し、
水分調整して成形用原料を作製し、この成型用原料を用
いて所定形状に成型した後、酸化雰囲気または還元雰囲
気の焼成炉中において焼成することを特徴とする。ま
た、鋳物砂ダストの分量を重量比で81%〜100%と
し、水分調整して成形用原料を作製し、この成型用原料
を用いて乾式プレス成型法によって所定形状に成型した
後、酸化雰囲気または還元雰囲気の焼成炉中において焼
成することを特徴とする。また、前記窯業用粘土および
鋳物砂ダストにさらに発色用酸化金属を加えた混合調合
物を使用することを特徴とする。また、前記鋳物砂ダス
トが酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化カルシ
ウム、酸化マグネシウム、酸化カリウム、酸化ナトリウ
ム及び炭化物を含有することを特徴とする。
【0008】また、鋳物砂ダストを含有する焼結焼成体
において、鋳物砂ダストと窯業用粘土を原料として成
形、焼成され窯変用色調または均一色調を有することを
特徴とする。また、重量比で80%を上限として含有す
る鋳物砂ダストと窯業用粘土を原料として成形、焼成さ
れ窯変用色調または均一色調を有することを特徴とす
る。また、重量比を81%〜100%とした鋳物砂ダス
トと窯業用粘土を原料として成形、焼成され窯変用色調
または均一色調を有することを特徴とする。また、前記
窯業用粘土および鋳物砂ダストにさらに発色用酸化金属
を加えた混合調合物を使用したことを特徴とする。ま
た、前記鋳物砂ダストが酸化珪素、酸化アルミニウム、
酸化鉄、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カリ
ウム、酸化ナトリウム及び炭化物を含有することを特徴
とする。
において、鋳物砂ダストと窯業用粘土を原料として成
形、焼成され窯変用色調または均一色調を有することを
特徴とする。また、重量比で80%を上限として含有す
る鋳物砂ダストと窯業用粘土を原料として成形、焼成さ
れ窯変用色調または均一色調を有することを特徴とす
る。また、重量比を81%〜100%とした鋳物砂ダス
トと窯業用粘土を原料として成形、焼成され窯変用色調
または均一色調を有することを特徴とする。また、前記
窯業用粘土および鋳物砂ダストにさらに発色用酸化金属
を加えた混合調合物を使用したことを特徴とする。ま
た、前記鋳物砂ダストが酸化珪素、酸化アルミニウム、
酸化鉄、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カリ
ウム、酸化ナトリウム及び炭化物を含有することを特徴
とする。
【0009】
【作用】本発明に係る鋳物砂ダストによる焼結焼成体及
びその製造方法は、通常の窯業製品の製造において原料
として使用する窯業用粘土と鋳物砂ダストを原料として
使用すること、そしてこれを原料として焼成することに
よって均一の色調を呈する製品から色むらのある窯変様
色調を呈する製品まで幅広い色調の焼結焼成体を得るこ
とができることを特徴とする。鋳物砂ダストの分量比が
80%を上限とする場合は比較的緻密な焼成体が得られ
る。一方、鋳物砂ダストの分量比が多く、81%〜10
0%の場合は透水性、保水性に優れた焼成体として得ら
れる。
びその製造方法は、通常の窯業製品の製造において原料
として使用する窯業用粘土と鋳物砂ダストを原料として
使用すること、そしてこれを原料として焼成することに
よって均一の色調を呈する製品から色むらのある窯変様
色調を呈する製品まで幅広い色調の焼結焼成体を得るこ
とができることを特徴とする。鋳物砂ダストの分量比が
80%を上限とする場合は比較的緻密な焼成体が得られ
る。一方、鋳物砂ダストの分量比が多く、81%〜10
0%の場合は透水性、保水性に優れた焼成体として得ら
れる。
【0010】焼成にあたっては、まず窯業用粘土に鋳物
砂ダストを混合して調合した後、水分を加えて混練する
ことによって成型用原料を作製して所定形状に成形す
る。成形体を成形する方法には各種成形方法があるが、
たとえば湿式成形法(スリップキャスト法を含む)や乾
式プレス成形法が用いられる。鋳物砂ダストの含有量が
多い場合には、湿式成形法では成形性が悪くなるから乾
式プレス成形法が好ましい。湿式成型による場合は成型
後いったん乾燥させてから焼成炉に入れて焼成し、乾式
プレス成型による場合は成型後そのまま焼成する。
砂ダストを混合して調合した後、水分を加えて混練する
ことによって成型用原料を作製して所定形状に成形す
る。成形体を成形する方法には各種成形方法があるが、
たとえば湿式成形法(スリップキャスト法を含む)や乾
式プレス成形法が用いられる。鋳物砂ダストの含有量が
多い場合には、湿式成形法では成形性が悪くなるから乾
式プレス成形法が好ましい。湿式成型による場合は成型
後いったん乾燥させてから焼成炉に入れて焼成し、乾式
プレス成型による場合は成型後そのまま焼成する。
【0011】窯業用粘土に加える鋳物砂ダストの分量比
が3%以下の場合には、酸化焼成した場合に炭素成分が
減少してしまい窯変様色調がほとんど発現しなくなり、
窯業用粘土のみを使用した通常の焼結焼成体と差異が見
られなくなる。したがって、窯変様色調を発現させる態
様で使用する場合には鋳物砂ダストの分量比は3%以上
とするのがよい。もちろん、鋳物砂ダストを有効活用す
る点からは鋳物砂ダストを原料の主成分として利用する
方が有効である。
が3%以下の場合には、酸化焼成した場合に炭素成分が
減少してしまい窯変様色調がほとんど発現しなくなり、
窯業用粘土のみを使用した通常の焼結焼成体と差異が見
られなくなる。したがって、窯変様色調を発現させる態
様で使用する場合には鋳物砂ダストの分量比は3%以上
とするのがよい。もちろん、鋳物砂ダストを有効活用す
る点からは鋳物砂ダストを原料の主成分として利用する
方が有効である。
【0012】本発明に係る鋳物砂ダストによる焼結焼成
体の製造方法は、酸化焼成による場合も還元焼成による
場合もともに均一色調のものから窯変様色調のものまで
発現させることができるが、この理由は、鋳物用ダスト
がケイ砂(酸化珪素)を主成分とする一方で、鋳物鋳造
工程で使用される有機バインダーである炭化水素系炭化
物を含むことによるものと考えられる。従来のれんが等
の焼成工程では成型用原料に炭素成分が含まれていたと
しても、酸化焼成により焼成途中で完全に消失してしま
い、窯変様の色調は発現されないが、本発明の場合には
鋳物砂ダストを増量して炭素成分を余分にすることによ
って酸化焼成の場合でも焼成体中に炭素成分を残留させ
窯変様色調を発現させることができる。この窯変様色調
は成型用原料中の鋳物砂ダストの分量比、焼成雰囲気、
焼成温度等の条件を変えることによって変化する。
体の製造方法は、酸化焼成による場合も還元焼成による
場合もともに均一色調のものから窯変様色調のものまで
発現させることができるが、この理由は、鋳物用ダスト
がケイ砂(酸化珪素)を主成分とする一方で、鋳物鋳造
工程で使用される有機バインダーである炭化水素系炭化
物を含むことによるものと考えられる。従来のれんが等
の焼成工程では成型用原料に炭素成分が含まれていたと
しても、酸化焼成により焼成途中で完全に消失してしま
い、窯変様の色調は発現されないが、本発明の場合には
鋳物砂ダストを増量して炭素成分を余分にすることによ
って酸化焼成の場合でも焼成体中に炭素成分を残留させ
窯変様色調を発現させることができる。この窯変様色調
は成型用原料中の鋳物砂ダストの分量比、焼成雰囲気、
焼成温度等の条件を変えることによって変化する。
【0013】なお、窯変様色調とは焼成体にあらわれる
独特の色むらのある色調である。通常の焼成体では成型
用原料に酸化鉄等を加えることによって特有の色調を有
する焼成体を得られるが、これは均一色調のもので、単
一の焼成体で色むらが生じるものではない。窯変による
場合は従来の焼成体では得られない独特の深みがあっ
て、しかも色むらのある色調の焼成体として得られると
いう特徴がある。本発明の鋳物砂ダストを用いた成型用
原料による場合は、鋳物砂ダストに含有される酸化金属
と炭素との相互作用によって灰色あるいは黄色といった
色調のものも得ることができる。
独特の色むらのある色調である。通常の焼成体では成型
用原料に酸化鉄等を加えることによって特有の色調を有
する焼成体を得られるが、これは均一色調のもので、単
一の焼成体で色むらが生じるものではない。窯変による
場合は従来の焼成体では得られない独特の深みがあっ
て、しかも色むらのある色調の焼成体として得られると
いう特徴がある。本発明の鋳物砂ダストを用いた成型用
原料による場合は、鋳物砂ダストに含有される酸化金属
と炭素との相互作用によって灰色あるいは黄色といった
色調のものも得ることができる。
【0014】成型用原料に鋳物砂ダストを用いる場合で
あっても発色用としての酸化金属を別途加えてもよい。
発色用酸化金属としては酸化チタン、酸化ニッケル、酸
化マンガン、酸化クロム等が使用できる。酸化チタンは
灰色系から黄色系、酸化ニッケルはベージュ系、酸化マ
ンガンは淡茶色系、酸化クロムは茶色系の発色が可能で
ある。したがって、鋳物砂ダストにこれら発色用酸化金
属を加えることによって、いろいろに着色した製品を得
ることが可能になる。
あっても発色用としての酸化金属を別途加えてもよい。
発色用酸化金属としては酸化チタン、酸化ニッケル、酸
化マンガン、酸化クロム等が使用できる。酸化チタンは
灰色系から黄色系、酸化ニッケルはベージュ系、酸化マ
ンガンは淡茶色系、酸化クロムは茶色系の発色が可能で
ある。したがって、鋳物砂ダストにこれら発色用酸化金
属を加えることによって、いろいろに着色した製品を得
ることが可能になる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について説明す
る。窯業用粘土として一般の窯業製品に使用する粘土
(木節粘土、蛙目粘土)を使用し、これに鋳物砂ダスト
を所定分量比で加え、水分を加えて混練して成型用原料
とした。使用した鋳物砂ダストの組成は酸化珪素(6
3.8%)、酸化アルミニウム(9.6%)、酸化鉄
(10.4%)、酸化カルシウム(1.7%)、酸化マ
グネシウム(1.1%)、酸化カリウム(0.3%)、
酸化ナトリウム(0.9%)、炭素含有物(12.2
%)からなるものである。
る。窯業用粘土として一般の窯業製品に使用する粘土
(木節粘土、蛙目粘土)を使用し、これに鋳物砂ダスト
を所定分量比で加え、水分を加えて混練して成型用原料
とした。使用した鋳物砂ダストの組成は酸化珪素(6
3.8%)、酸化アルミニウム(9.6%)、酸化鉄
(10.4%)、酸化カルシウム(1.7%)、酸化マ
グネシウム(1.1%)、酸化カリウム(0.3%)、
酸化ナトリウム(0.9%)、炭素含有物(12.2
%)からなるものである。
【0016】鋳物砂ダストの分量比、焼成温度等を変え
て焼成した結果を以下に示す。
て焼成した結果を以下に示す。
【0017】上表で実施例1、3、4、5、7、8につ
いては色むらのある窯変様色調を呈した。これに対し
て、実施例2および比較例6では均一色調となり窯変様
色調はあらわれなかった。また、実施例5、7、8およ
び比較例6では発色用金属を添加して焼成したが、実施
例5では発色用金属として酸化チタンを1%添加し、比
較例6では酸化ニッケルを0.2%添加し、実施例7で
は酸化マンガンを0.8%添加し、実施例8では酸化ク
ロムを1.3%添加した。このように上記実施例から、
鋳物砂ダストを成型用原料の主要成分として使用して窯
変様色調あるいは均一色調の焼結焼成体を得ることがで
きた。
いては色むらのある窯変様色調を呈した。これに対し
て、実施例2および比較例6では均一色調となり窯変様
色調はあらわれなかった。また、実施例5、7、8およ
び比較例6では発色用金属を添加して焼成したが、実施
例5では発色用金属として酸化チタンを1%添加し、比
較例6では酸化ニッケルを0.2%添加し、実施例7で
は酸化マンガンを0.8%添加し、実施例8では酸化ク
ロムを1.3%添加した。このように上記実施例から、
鋳物砂ダストを成型用原料の主要成分として使用して窯
変様色調あるいは均一色調の焼結焼成体を得ることがで
きた。
【0018】なお、上記実施例で成型用原料として使用
した鋳物砂ダストの分量比は50%程度であるが、鋳物
砂ダストの分量をさらに増量して焼成試験を行った。以
下に鋳物砂ダストを100%すなわち鋳物砂ダスト単味
で成型用原料を作製して焼成した結果を示す。使用した
鋳物砂ダストは上記実施例で使用したものと同じもので
ある。上記鋳物砂ダストを水分調整して成型用原料を作
製し、乾式プレス成型法で成型して焼成した。焼結焼成
体の実寸法は198×98×60(厚さ)mmである。
した鋳物砂ダストの分量比は50%程度であるが、鋳物
砂ダストの分量をさらに増量して焼成試験を行った。以
下に鋳物砂ダストを100%すなわち鋳物砂ダスト単味
で成型用原料を作製して焼成した結果を示す。使用した
鋳物砂ダストは上記実施例で使用したものと同じもので
ある。上記鋳物砂ダストを水分調整して成型用原料を作
製し、乾式プレス成型法で成型して焼成した。焼結焼成
体の実寸法は198×98×60(厚さ)mmである。
【0019】焼成条件を変えて得られた焼結焼成体の色
調、保水量、吸水率を以下に示す。 上表で淡灰色〜濃灰色等と示したのは、淡灰色から濃灰
色の色むらのある窯変用色調として得られたことを示
す。
調、保水量、吸水率を以下に示す。 上表で淡灰色〜濃灰色等と示したのは、淡灰色から濃灰
色の色むらのある窯変用色調として得られたことを示
す。
【0020】上記実施例と同じく鋳物砂ダストを85
%、窯業用粘土15%の割合で混合した原料を水分調整
し混練して成型用原料を作製して焼成した焼結焼成体に
ついて以下に示す。
%、窯業用粘土15%の割合で混合した原料を水分調整
し混練して成型用原料を作製して焼成した焼結焼成体に
ついて以下に示す。
【0021】上記実施例からわかるように鋳物砂ダスト
の分量比を大きくした場合は焼結焼成体の吸水率が非常
に大きくなる。このことを確かめるため、鋳物砂ダスト
の分量比を小さくした場合の吸水率について測定した。
以下、その結果を示す。 上述した鋳物砂ダスト100%のもの及び分量比85%
のものにくらべて、鋳物砂ダストの分量が少ない場合は
吸水率が非常に小さくなることがわかる。このように鋳
物砂ダストの分量比を大きく設定すると、吸水率の高い
焼結焼成体を得ることができるから、吸水性、保水性を
有効に生かすことができる用途、たとえば舗装用セラミ
ックス、園芸用ボール等に有効活用することができる。
の分量比を大きくした場合は焼結焼成体の吸水率が非常
に大きくなる。このことを確かめるため、鋳物砂ダスト
の分量比を小さくした場合の吸水率について測定した。
以下、その結果を示す。 上述した鋳物砂ダスト100%のもの及び分量比85%
のものにくらべて、鋳物砂ダストの分量が少ない場合は
吸水率が非常に小さくなることがわかる。このように鋳
物砂ダストの分量比を大きく設定すると、吸水率の高い
焼結焼成体を得ることができるから、吸水性、保水性を
有効に生かすことができる用途、たとえば舗装用セラミ
ックス、園芸用ボール等に有効活用することができる。
【0022】
【発明の効果】本発明に係る鋳物砂ダストによる焼結焼
成体及びその製造方法によれば、上述したように、鋳物
砂ダストを焼結焼成体の原料として好適に使用すること
が可能であり、原料中の鋳物砂ダストの分量比を変えた
り、焼成温度を変えることによって、均一色調から色む
らのある窯変様色調までひろい色調幅を有する焼成体を
容易に得ることが可能になる。これによって独特の色調
を有するれんが、タイル等の製品を提供することが可能
になる。また、本発明によれば鋳物砂ダストを焼結焼成
体の主要成分として活用することができるから、産業廃
棄物として大量に排出される鋳物砂ダストの効率的な利
用ができ、資源再利用、環境保全を図る点できわめて利
用価値が高い。また、鋳物砂ダストの分量比を大きくす
ることによって透水性、保水性にすぐれた焼結焼成体を
得ることができ、これによって舗装用セラミックスある
いは園芸用ボール等として有効に利用することができる
等の著効を奏する。
成体及びその製造方法によれば、上述したように、鋳物
砂ダストを焼結焼成体の原料として好適に使用すること
が可能であり、原料中の鋳物砂ダストの分量比を変えた
り、焼成温度を変えることによって、均一色調から色む
らのある窯変様色調までひろい色調幅を有する焼成体を
容易に得ることが可能になる。これによって独特の色調
を有するれんが、タイル等の製品を提供することが可能
になる。また、本発明によれば鋳物砂ダストを焼結焼成
体の主要成分として活用することができるから、産業廃
棄物として大量に排出される鋳物砂ダストの効率的な利
用ができ、資源再利用、環境保全を図る点できわめて利
用価値が高い。また、鋳物砂ダストの分量比を大きくす
ることによって透水性、保水性にすぐれた焼結焼成体を
得ることができ、これによって舗装用セラミックスある
いは園芸用ボール等として有効に利用することができる
等の著効を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 齋木 豊 岐阜県土岐市肥田町浅野725番地 株式会 社開山窯インターセラム内 (72)発明者 後藤 博文 岐阜県土岐市肥田町浅野725番地 株式会 社開山窯インターセラム内 (72)発明者 吉年 信雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 日比野 英夫 岐阜県土岐市曽木町169の2 中部粉体工 業株式会社内
Claims (10)
- 【請求項1】 鋳物砂ダストと窯業用粘土とを原料と
し、水分調整して成型用原料を作製し、 この成型用原料を用いて所定形状に成型した後、 酸化雰囲気または還元雰囲気の焼成炉中において焼成す
ることを特徴とする鋳物砂ダストによる焼結焼成体の製
造方法。 - 【請求項2】 鋳物砂ダストの分量を重量比で80%を
上限として窯業用粘土と混合して混練し、水分調整して
成形用原料を作製し、 この成型用原料を用いて所定形状に成型した後、 酸化雰囲気または還元雰囲気の焼成炉中において焼成す
ることを特徴とする鋳物砂ダストによる焼結焼成体の製
造方法。 - 【請求項3】 鋳物砂ダストの分量を重量比で81%〜
100%とし、水分調整して成形用原料を作製し、 この成型用原料を用いて乾式プレス成型法によって所定
形状に成型した後、 酸化雰囲気または還元雰囲気の焼成炉中において焼成す
ることを特徴とする鋳物砂ダストによる焼結焼成体の製
造方法。 - 【請求項4】 窯業用粘土および鋳物砂ダストにさらに
発色用酸化金属を加えた混合調合物を使用することを特
徴とする請求項1、2または3記載の焼結焼成体の製造
方法。 - 【請求項5】 鋳物砂ダストが酸化珪素、酸化アルミニ
ウム、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸
化カリウム、酸化ナトリウム及び炭化物を含有すること
を特徴とする請求項1、2または3記載の鋳物砂ダスト
による焼結焼成体の製造方法。 - 【請求項6】 鋳物砂ダストと窯業用粘土を原料として
成形、焼成された窯変用色調または均一色調を有する鋳
物砂ダストを含有する焼結焼成体。 - 【請求項7】 重量比で80%を上限として含有する鋳
物砂ダストと窯業用粘土を原料として成形、焼成された
窯変用色調または均一色調を有する鋳物砂ダストを含有
する焼結焼成体。 - 【請求項8】 重量比で81%〜100%含有する鋳物
砂ダストと窯業用粘土を原料として成形、焼成された窯
変用色調または均一色調を有する鋳物砂ダストを含有す
る焼結焼成体。 - 【請求項9】 窯業用粘土および鋳物砂ダストにさらに
発色用酸化金属を加えた混合調合物を使用したことを特
徴とする請求項6、7または8記載の鋳物砂ダストを含
有する焼結焼成体。 - 【請求項10】 鋳物砂ダストが酸化珪素、酸化アルミ
ニウム、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、
酸化カリウム、酸化ナトリウム及び炭化物を含有するこ
とを特徴とする請求項6、7または8記載の鋳物砂ダス
トを含有する焼結焼成体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5273514A JPH0710649A (ja) | 1993-02-26 | 1993-11-01 | 鋳物砂ダストによる焼結焼成体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3840693 | 1993-02-26 | ||
JP5-38406 | 1993-02-26 | ||
JP5273514A JPH0710649A (ja) | 1993-02-26 | 1993-11-01 | 鋳物砂ダストによる焼結焼成体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0710649A true JPH0710649A (ja) | 1995-01-13 |
Family
ID=26377653
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5273514A Pending JPH0710649A (ja) | 1993-02-26 | 1993-11-01 | 鋳物砂ダストによる焼結焼成体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0710649A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000006313A1 (en) * | 1998-07-30 | 2000-02-10 | Brett David Reich | New products and methods using foundry dust |
KR100976705B1 (ko) * | 2008-01-04 | 2010-08-18 | 경기대학교 산학협력단 | 폐주물사의 재활용을 위한 세라믹 지지체의 제조방법 |
-
1993
- 1993-11-01 JP JP5273514A patent/JPH0710649A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000006313A1 (en) * | 1998-07-30 | 2000-02-10 | Brett David Reich | New products and methods using foundry dust |
KR100976705B1 (ko) * | 2008-01-04 | 2010-08-18 | 경기대학교 산학협력단 | 폐주물사의 재활용을 위한 세라믹 지지체의 제조방법 |
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