JP4220854B2 - 強度と保水性を両立させた保水煉瓦 - Google Patents

強度と保水性を両立させた保水煉瓦 Download PDF

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Description

本発明は、強度と保水性を両立させた保水煉瓦に関する。
都市部のヒートアイランド現象を抑制するひとつの方法として、保水機能を有する建材の利用が活発に検討されている。これは、保水材料が水を蒸発放水する際の気化熱を利用したものである。保水材料としては、コンクリート製品、煉瓦、ハイドロサーマル固化体、炭酸固化体など各メーカーから様々提案され、保水材料を施工した舗道等の温度低下も既に報告されている。
煉瓦は耐候性に優れた材料であり、歩道等に多く用いられているが、一般的な煉瓦は吸水率7%以下であり、大きな保水機能は有していない。近年、ガラスや長石等の低融点結合材を使用した比較的大きな気孔を有する保水煉瓦も商品化されているが、プレス成形品であり、焼き物特有の風合いに欠ける。保水機能を発現させるためには、適度な気孔径を有する多孔質材料とする必要があるが、材料の気孔率を高めると機械的強度が低下する問題があり、両者を満足する保水煉瓦は少なく、中でも従来の押出成形により製造される保水煉瓦は極めて少ない。
浄水場の濾過工程等で発生する浄水汚泥は、香川県においても年間約3000トン(含水率約70%含有)排出されており、そのほとんどが埋め立て処分されている。一般的な浄水汚泥には凝集剤としてポリ塩化アルミニウムが使用されており、煉瓦用原料粘土と比較してアルミニウム成分が多いものの、有害な物質は含まれておらず、窯業原料として使用できる。
保水煉瓦を製造する方法として最も多く採用されているのは、溶融温度の高い原料あるいはそれを仮焼して作製した多孔質材料と、低融点結合材例えばガラス、長石、フリット、溶融スラグなどの結合材とを混合し、プレス成形後焼成して作製する方法である。例えば、特許文献1、2などがあり、保水性だけでなく透水性にも優れた保水材を提供している。
しかし、基本的にこれら保水煉瓦はプレス成形であり、寸法精度など均一性には優れるものの、いわゆる焼き物独特の風合いには欠けるものであり、外見上コンクリート製品との差別化が図れない場合がある。また、これら保水煉瓦の機械的強度は曲げ強さでいえば、10MPa以下であり、床タイルのJISの強度をクリアーしているものの十分な強度であるとは言い難く、歩道に使用したとしても重量車両の横断により破壊される恐れがある。
一方、従来から保水能力のある煉瓦として、通常の煉瓦よりも焼成温度を低くした素焼き煉瓦があるが、これも機械的強度が10MPa以下と低く、また、一般的に平均気孔径が1μm以下と小さいため、毛管力は大きいものの吸水速度は遅く、降雨後、水が内部にしみ込みにくく煉瓦表面に水が溜まりやすくなる。
浄水汚泥には一般的にポリ塩化アルミニウムや硫酸バンドなどの凝集剤が含まれており、乾燥すると強固に凝集する。また、煉瓦用原料粘土と比較してアルミニウム成分が多く、耐火度が高いため、通常の煉瓦用原料粘土の焼成温度で焼成した場合、焼き締まりが悪くなり多孔質材となる。しかし、粒子径3mm以上の凝集した浄水汚泥が混入した煉瓦は、その混入率が数%であっても、煉瓦の強度は低下し、特に含水率30%以上の乾燥浄水汚泥を添加した場合は、強度が著しく低下する。これは、含水率30%以上の乾燥浄水汚泥の焼成収縮率は20%以上と大きく、ベースとなる煉瓦素地と浄水汚泥との間に収縮率の差による大きな空隙が生じるためであり、この効果は汚泥の粒子径が大きいほど大きくなる。逆に高温まで汚泥を焼成し、収縮率を無くしたものは、ベースの煉瓦素地と浄水汚泥との間の空隙が無く、機械的強度は高いが、煉瓦の気孔径は、素地と汚泥焼結体おのおのの気孔径に支配され、気孔径が1μm以下になる場合が多い。
特開平10−72270号公報 特開平2003−146772号公報
本発明の目的は、浄水汚泥等高融点廃棄物を利用して、都市部のヒートアイランド現象を抑制するための強度と保水性を両立させた保水煉瓦を提供することにある。
本発明は、以下の(1)ないし(7)の保水煉瓦を要旨としている。
(1) 浄水汚泥等高融点廃棄物の凝集粒子を保水材として用い、該保水材を煉瓦のベースとなる配合粘土に5〜80重量%分散させ、押出し成形法により作製し、焼成した、曲げ強さが10MPa以上で、煉瓦の厚みを60mmとしたときの自然吸水量が9L/m2以上、かつ、煉瓦の平均気孔径が1〜20μmである、強度と保水性を両立させた保水煉瓦。
(2) 浄水汚泥等高融点廃棄物の凝集粒子を保水材として用い、該保水材を煉瓦のベースとなる配合粘土に10〜50重量%分散させ、押出し成形法により作製し、焼成した、曲げ強さが15MPa以上で、煉瓦の厚みを60mmとしたときの自然吸水量が12L/m2以上、かつ、煉瓦の平均気孔径が1〜20μmである、強度と保水性を両立させた保水煉瓦。
(3) 上記の保水材が、最大粒子径が3mm以下で、かつ、50μm以下の粒子含有量は50%以下の凝集粒子である上記の(1)または(2)の保水煉瓦。
(4) 上記の保水材が、
1) 煉瓦のベースとなる配合粘土より溶融温度が少なくとも50℃以上高く、
2) 含水率30%以下であり、
3) 配合粘土成形体素地との焼成後の収縮率の差が1〜15%であり、かつ、気孔率が焼成後の配合粘土成形体素地より5%以上大きくなる、
浄水汚泥等高融点廃棄物の凝集粒子である上記の(3)の保水煉瓦。
(5) 上記の保水材が、最大粒子径が1mm以下で、かつ、50μm以下の粒子含有量は50%以下の凝集粒子である上記の(1)または(2)の保水煉瓦。
(6) 上記の保水材が、
1) 煉瓦のベースとなる配合粘土より溶融温度が50℃〜100℃高く、
2) 含水率10%以下であり、
3) 配合粘土成形体素地との焼成後の収縮率の差が5〜10%であり、かつ、気孔率が焼成後の配合粘土成形体素地より5%以上大きくなる、
浄水汚泥等高融点廃棄物の凝集粒子である上記の(5)の保水煉瓦。
(7) 上記の汚泥の成分がSiO2/Al23=0.5〜2の組成からなる上記の(1)ないし(6)のいずれかの保水煉瓦。
本発明は、以下の(8)ないし(9)の保水煉瓦の製造方法を要旨とし、(10)ないし(14)をその好ましい実施態様とする。
(8) 保水煉瓦の製造方法であって、浄水汚泥等高融点廃棄物の凝集粒子を保水材として用い、該保水材を煉瓦のベースとなる配合粘土に5〜80重量%分散させ、押出し成形法により作製し、当該成形品を焼成して、曲げ強さが10MPa以上で、煉瓦の厚みを60mmとしたときの自然吸水量が9L/m2以上、かつ、煉瓦の平均気孔径が1〜20μmである、強度と保水性を両立させた保水煉瓦を得ることを特徴とする製造方法。
(9) 保水煉瓦の製造方法であって、浄水汚泥等高融点廃棄物の凝集粒子を保水材として用い、該保水材を煉瓦のベースとなる配合粘土に10〜50重量%分散させ、押出し成形法により作製し、当該成形品を焼成して、曲げ強さが15MPa以上で、煉瓦の厚みを60mmとしたときの自然吸水量が12L/m2以上、かつ、煉瓦の平均気孔径が1〜20μmである、強度と保水性を両立させた保水煉瓦を得ることを特徴とする製造方法。
(10) 上記の保水材が、最大粒子径が3mm以下で、かつ、50μm以下の粒子含有量は50%以下の凝集粒子である上記の(8)または(9)の保水煉瓦の製造方法。
(11) 上記の保水材が、
1) 煉瓦のベースとなる配合粘土より溶融温度が少なくとも50℃以上高く、
2) 含水率30%以下であり、
3) 配合粘土成形体素地との焼成後の収縮率の差が1〜15%であり、かつ、気孔率が焼成後の配合粘土成形体素地より5%以上大きくなる、
浄水汚泥等高融点廃棄物の凝集粒子である上記の(10)の保水煉瓦の製造方法。
(12) 上記の保水材が、最大粒子径が1mm以下で、かつ、50μm以下の粒子含有量は50%以下の凝集粒子である上記の(8)または(9)の保水煉瓦の製造方法。
(13) 上記の保水材が、
1) 煉瓦のベースとなる配合粘土より溶融温度が50℃〜100℃高く、
2) 含水率10%以下であり、
3) 配合粘土成形体素地との焼成後の収縮率の差が5〜10%であり、かつ、気孔率が焼成後の配合粘土成形体素地より5%以上大きくなる、
浄水汚泥等高融点廃棄物の凝集粒子である上記の(12)の保水煉瓦の製造方法。
(14) 上記の汚泥の成分がSiO2/Al23=0.5〜2の組成からなる上記の(8)ないし(13)のいずれかの保水煉瓦の製造方法。
浄水汚泥等高融点廃棄物を原料(保水材)として活用し、既存製造設備を使用することにより、都市部のヒートアイランド現象抑制に効果のある土木・建築資材である強度と保水性を両立させた保水煉瓦を提供することができる。
煉瓦のベースとなる配合粘土について説明する。
煉瓦のベースとなる配合粘土はいわゆる煉瓦用粘土であり、一般的な鉱物組成は、石英、長石、粘土からなる。石英(SiO2)は煉瓦の骨材の働きをもつ。長石は主にカリ長石(K2O・Al23・6SiO2)、ソーダ長石(K2O・Al23・6SiO2)であり、融材として働く。粘土は主にカオリン、すなわちカオリナイト(Al23・2SiO2・2H2O)あるいはハロイサイト(Al23・2SiO2・4H2O)であり、可塑材としての働きをもつ。これら3つの組成がバランスよく含まれていることにより、押出成形が可能となり、焼成中に緻密化し、煉瓦となる。したがって一般的には、煉瓦用粘土の化学成分SiO2/Al23比は2以上である。
浄水汚泥等高融点廃棄物の凝集粒子について説明する。
上水場の浄水処理プロセスには濁質を除去するために緩速ろ過システムと急速ろ過システムがある。緩速ろ過システムは、比較的粒子径の大きい浮遊物を自然沈降によりろ過するシステムである。一方、急速ろ過システムはコロイドのような自然沈降しにくい不純物を、薬剤(凝集剤)を加えて沈殿除去するシステムである。濁質の主な成分としては、砂、粘土、鉄、有機物などである。また、凝集剤として主に使用されているものは、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)やポリ塩化アルミニウム(PAC)である。したがって、急速ろ過システムにおいて発生する沈殿物(浄水汚泥)はアルミニウム分の多い組成となり、これは、通常煉瓦に使用されている粘土と比較してもその量は多くなっている。
例えば、通常の粘土はSiO2/Al23比が2以上であるが、浄水汚泥はその比が0.5〜2となっている。SiO2に対してAl23が多くなると焼成により耐火物原料であるムライトが生成しやすくなり、通常の粘土と比較して耐火度(溶融温度)が高い高融点原料となる。また、浄水汚泥は凝集剤が含まれているため、乾燥すると強固に凝集し、十分な粉砕・解砕処理をしない限り、凝集2次粒子として残存する。
保水煉瓦の製造方法について説明する。
煉瓦用粘土に、粒子径、気孔率、焼成収縮率等を制御した浄水汚泥等高融点廃棄物の凝集粒子を保水材として分散させ、押出成形し、焼成して作製した保水煉瓦を提供する。製造工程は、原料を混合し、押出成形により成形後、従来粘土瓦や赤煉瓦などの焼成に使用されてきたトンネル炉等を使用して焼成するものであり、既存の工程とほぼ同じである。 すなわち、上記の保水材として
(i) 最大粒子径が3mm以下望ましくは1mm以下で、かつ、50μm以下の粒子含有量は50%以下で、
(ii) 煉瓦のベースとなる配合粘土より耐火度(溶融温度)が少なくとも50℃以上、好ましくは50℃〜100℃高く、
(iii) 含水率30%以下望ましくは10%以下であり、
(iv) 配合粘土成形体素地との焼成後の収縮率の差が1〜15%、好ましくは5〜10%であり、かつ、気孔率が焼成後の配合粘土成形体素地より5%以上大きく、
(v) 成分がSiO2/Al23=0.5〜2の組成からなる
浄水汚泥等高融点廃棄物の凝集粒子を用い、
該保水材を5〜80重量%、好ましくは10〜50重量%分散させ、押出し成形法により作製し、その後焼成した、
曲げ強さが10MPa以上、望ましくは15MPa以上で、煉瓦の厚みを60mmとしたときの自然吸水量が9L/m2以上、望ましくは12L/m2以上、かつ、煉瓦の平均気孔径が1〜20μmである、
強度と保水性を両立させた保水煉瓦を提供する。
本発明により作製した保水煉瓦は、図1に示すように、保水材として粘土素地に分散させた高融点廃棄物の凝集粒子が上記処理により粘土素地との間に生じる適度な空隙、すなわち5〜50μmの比較的大きな気孔によりすばやく吸水することができ、かつ気孔径0.1〜5μmの多孔質保水材で水を保水することができる。高融点廃棄物の凝集粒子と粘土素地間との間に生じる空隙を制御することにより、強度と保水性を両立した保水煉瓦とすることができる。
煉瓦用粘土に比較して保水材の耐火度が低いと、焼成後、粘土素地より保水材の気孔率が低くなってしまい、保水材として機能しない。保水材として使用する浄水汚泥等高融点廃棄物の凝集粒子は粘土素地より耐火度(溶融温度)が少なくとも50℃以上必要であり、好ましくは50〜100℃が良く、これにより、保水材の気孔率が焼成後の配合粘土成形体素地より5%以上大きくなる。一方、両者の耐火度差が大きすぎると、粘土素地の焼結温度において保水材が焼結せず、保水材は高気孔率となるが強度が著しく低く、煉瓦の強度低下を招く。
浄水汚泥等高融点廃棄物の凝集粒子は、最大粒子径が3mm以下望ましくは1mm以下かつ50μm以下の粒子含有量は30%以下で、含水率30%以下望ましくは10%以下であり、配合粘土成形体素地との焼成後の収縮率の差が1〜15%好ましくは5〜10%がよい。これは、高融点廃棄物の凝集粒子と粘土素地間に適度な空隙を生じさせることにより、吸水量及び吸水速度と煉瓦の機械的強度を高めるために必要な条件である。
例えば、高融点廃棄物の凝集粒子の含水率が30%以上であると、凝集粒子自体の焼成後の収縮率が極めて大きくなり、高融点廃棄物の凝集粒子と粘土素地間との間に大きな空隙が生じ、煉瓦の機械的強度を著しく低下させることとなる。同様に浄水汚泥等高融点廃棄物の凝集粒子の粒子径が3mm以上になると収縮量が大きくなり、大きな空隙が生じる。
また、浄水汚泥等高融点廃棄物の凝集粒子と配合粘土成形体素地との焼成後の収縮率の差は1〜15%、好ましくは5〜10%がよく、収縮率の差が15%以上になると、これも高融点廃棄物の凝集粒子と粘土素地との間に大きな空隙が生じる。収縮率の差が逆に1%以下になると高融点廃棄物の凝集粒子と粘土素地間との間空隙ができず、吸水速度が遅くなる。
浄水汚泥等高融点廃棄物の凝集粒子の配合比は全体の5〜80重量%、好ましくは10〜50重量%がよい。5重量%より配合比が低いと、煉瓦の吸水量が低くなり、逆に80重量%より配合比が高いと押出し成形が困難になる。
表1(浄水汚泥及び粘土の化学組成)に示す組成を有する香川県産浄水汚泥Aを含水率10%になるように水分調整し、粉砕して汚泥凝集2次粒子の粒子径を840μm以下かつ53〜840μmの含有量を85%以上に調整した。これを20重量%と、表1に示す組成を有する粘土80重量%を混合して配合土を調製した。これに水を適量加え真空押出成形機で約1×5×10cmに成形した。乾燥後、大気雰囲気で1140〜1175℃に焼成した。なお、1140〜1175℃焼成における粘土素地の収縮率は5.2〜5.5%、汚泥凝集2次粒子の収縮率は17.0〜17.8%で、両者の収縮率の差は11.8〜12.3%であった。
各焼成温度における焼結体の吸水率、かさ密度、開気孔率、焼結体の厚みを60mmとしたときの自然吸水量、平均気孔径、曲げ強さを測定した。結果を表2(煉瓦焼結体の物性I)に示す。
表2によると、焼成温度が高くなるにしたがって、気孔率が低くなり、曲げ強さが高くなっている。焼成温度1140℃において、曲げ強さ14.8MPa、吸水量14.7L/m2、焼成温度1150℃において、曲げ強さ16.8MPa、吸水量13.0L/m2、焼成温度1160℃において、曲げ強さ16.7MPa、吸水量12.3L/m2となっており、いずれも吸水量が12L/m2と高い保水能力を示している。また、曲げ強さは、JIS A5209における床タイルの幅1cm当たりの破壊荷重より算出した曲げ強さ7.5MPaの約2倍の強度を有している。一方、焼成温度1175℃においては曲げ強さは22.6MPaと極めて高い値を示しているが、吸水量は9.9L/m2とやや低下している。なお、煉瓦の平均気孔径はいずれも約3.5μmであった。これらのことから、浄水汚泥に本発明の処理を施すことにより、強度と保水性を併せ持つ保水煉瓦を作製することができる。
表1に示す組成を有する香川県産浄水汚泥Bを含水率1%以下になるように水分調整し、粉砕して汚泥凝集2次粒子の粒子径を840μm以下かつ53〜840μmの含有量を90%以上に調整した。これら30重量%に、表1に示す組成を有する粘土70重量%を混合して配合土を調製した。これらに水を適量加え真空押出成形機で約1×5×10cmに成形した。乾燥後、大気雰囲気で1100℃及び1120℃で焼成した。なお、1100℃及び1120℃焼成における粘土素地の収縮率はそれぞれ、5.0、5.1%、汚泥凝集2次粒子の収縮率はそれぞれ12.8、13.1%で、両者の収縮率の差はそれぞれ7.8、8.0%であった。
各焼成温度における焼結体の吸水率、かさ密度、開気孔率、焼結体の厚みを60mmとしたときの自然吸水量、平均気孔径、曲げ強さを測定した。結果を表3(煉瓦焼結体の物性II)に示す。
表3によると、焼成温度が高くなるにしたがって、気孔率が低くなり、曲げ強さが高くなっている。焼成温度1100℃において、曲げ強さ15.4MPa、吸水量15.4L/m2、焼成温度1120℃において、曲げ強さ21.5MPa、吸水量12.8L/m2となっており、いずれも吸水量が12L/m2と高い保水能力を示している。また、曲げ強さは、JIS A5209における床タイルの幅1cm当たりの破壊荷重より算出した曲げ強さ7.5MPaの約2〜3倍の強度を有している。なお、煉瓦の平均気孔径はいずれも約3.0μmであった。これらのことから、浄水汚泥に本発明の処理を施すことにより、強度と保水性を併せ持つ保水煉瓦を作製することができる。
[比較例1]
赤煉瓦用粘土に水を適量加えて真空押出成形機で約1×5×10cmに成形した。乾燥後、大気雰囲気で1050及び1150℃に焼成した。各焼成温度における焼結体の吸水率、かさ密度、開気孔率、焼結体の厚みを60mmとしたときの自然吸水量、平均気孔径、曲げ強さを測定した。結果を表4(煉瓦焼結体の物性III)に示す。
表4によると、1050℃焼成において、吸水量は11.7L/m2と十分の保水量を有しているが、曲げ強さは8.9MPaと低い値になっている。一方、1150℃焼成では逆に、曲げ強さは16.8MPaと十分な強度を確保しているが、吸水量は6.4L/m2と小さくなっている。また、両焼結体とも平均気孔径は0.7μmと小さい。すなわち、既存の焼成煉瓦では、平均気孔径が3μm以上で、強度と吸水量を同時に確保するのは困難である。
[比較例2]
表1に示す組成を有する香川県産浄水汚泥Aを含水率10%になるように水分調整し、粉砕して汚泥凝集2次粒子の粒子径を3〜5mmに調整した。これを20重量%と、表1に示す組成を有する粘土80重量%を混合して配合土を調製した。これに水を適量加え真空押出成形機で約1×5×10cmに成形した。乾燥後、大気雰囲気で1150℃に焼成した。なお、1150℃焼成における粘土素地の収縮率は5.3%、汚泥凝集2次粒子の収縮率は17.3%で、両者の収縮率の差は12.0%であった。
各焼成温度における焼結体の吸水率、かさ密度、開気孔率、焼結体の厚みを60mmとしたときの自然吸水量、曲げ強さを測定した。結果を表5(煉瓦焼結体の物性IV)に示す。
表5によると、吸水量は13L/m2と高い保水能力を示しているが、曲げ強さは、6.3MPaとJIS A5209における床タイルの幅1cm当たりの破壊荷重より算出した曲げ強さ7.5MPaより低い値を示している。したがって、粘土素地と汚泥の収縮率の差を10%以下に調整しても汚泥凝集2次粒子の粒子径が3mm以上の場合、汚泥の収縮量は大きくなるため、焼結体中の汚泥と粘土素地との間に大きな空隙が発生し、これが欠陥となって焼結体の強度を著しく低下させる。したがって、強度と吸水性を両立する煉瓦を作製する場合、汚泥凝集2次粒子の粒子径を3mm以下好ましくは1mm以下にする必要がある。
[比較例3]
表1に示す組成を有する香川県産浄水汚泥Aを含水率40%以下になるように水分調整し、粉砕して汚泥凝集2次粒子の粒子径840μm以下かつ53〜840μmの含有量を85%以上に調整した。これを20重量%と、表1に示す組成を有する粘土80重量%を混合して配合土を調製した。これに水を適量加え真空押出成形機で約1×5×10cmに成形した。乾燥後、大気雰囲気で1150℃に焼成した。なお、1150℃焼成における粘土素地の収縮率は5.3%、汚泥凝集2次粒子の収縮率は24.5%で、両者の収縮率の差は19.5%であった。
各焼成温度における焼結体の吸水率、かさ密度、開気孔率、焼結体の厚みを60mmとしたときの自然吸水量、曲げ強さを測定した。結果を表6(煉瓦焼結体の物性V)に示す。
表6によると、吸水量は12.8L/m2と高い保水能力を示しているが、曲げ強さは、9.7MPaとやや低い値を示している。したがって、汚泥凝集2次粒子の粒子径を1mm以下に調整しても、汚泥凝集2次粒子の含水率が30%以上の場合、汚泥の収縮量が大きくなり、焼結体中の汚泥と粘土素地との間に大きな空隙が発生し、これが欠陥となって焼結体の強度を低下させる。したがって、強度と吸水性を両立する煉瓦を作製する場合、汚泥の含水率を30%以下にする必要がある。
浄水汚泥等高融点廃棄物を原料(保水材)として製造した保水煉瓦が、都市部のヒートアイランド現象抑制に効果を発揮する土木・建築資材として有効に利用できる可能性がある。
本発明により作製した保水煉瓦の構造。

Claims (6)

  1. 最大粒子径が3mm以下で、かつ、50μm以下の粒子含有量は50%以下の凝集粒子である浄水汚泥等高融点廃棄物の凝集粒子を保水材として用い、該保水材を煉瓦のベースとなる配合粘土に5〜80重量%分散させ、押出し成形法により作製し、焼成した、曲げ強さが10MPa以上で、煉瓦の厚みを60mmとしたときの自然吸水量が9L/m2以上、かつ、煉瓦の平均気孔径が1〜20μmである、強度と保水性を両立させた保水煉瓦。
  2. 最大粒子径が3mm以下で、かつ、50μm以下の粒子含有量は50%以下の凝集粒子である浄水汚泥等高融点廃棄物の凝集粒子を保水材として用い、該保水材を煉瓦のベースとなる配合粘土に10〜50重量%分散させ、押出し成形法により作製し、焼成した、曲げ強さが15MPa以上で、煉瓦の厚みを60mmとしたときの自然吸水量が12L/m2以上、かつ、煉瓦の平均気孔径が1〜20μmである、強度と保水性を両立させた保水煉瓦。
  3. 上記の保水材が、
    (1) 煉瓦のベースとなる配合粘土より溶融温度が少なくとも50℃以上高く、
    (2) 含水率30%以下であり、
    (3) 配合粘土成形体素地との焼成後の収縮率の差が1〜15%であり、かつ、気孔率が焼成後の配合粘土成形体素地より5%以上大きくなる、
    浄水汚泥等高融点廃棄物の凝集粒子である請求項1または2の保水煉瓦。
  4. 上記の保水材が、最大粒子径が1mm以下で、かつ、50μm以下の粒子含有量は50%以下の浄水汚泥等高融点廃棄物の凝集粒子である請求項1または2の保水煉瓦。
  5. 上記の保水材が、
    (1) 煉瓦のベースとなる配合粘土より溶融温度が50℃〜100℃高く、
    (2) 含水率10%以下であり、
    (3) 配合粘土成形体素地との焼成後の収縮率の差が5〜10%であり、かつ、気孔率が焼成後の配合粘土成形体素地より5%以上大きくなる、
    浄水汚泥等高融点廃棄物の凝集粒子である請求項の保水煉瓦。
  6. 上記の汚泥の成分がSiO2/Al23=0.5〜2の組成からなる請求項1ないしのいずれかの保水煉瓦。
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